JP2010148413A - 葉菜類の水耕栽培方法 - Google Patents

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【課題】 食味に優れ、しかも収穫後、長期保管しても変色し難い葉菜類の水耕栽培方法を提供する。
【解決手段】 育苗後の苗を第1の湛液水耕で4〜13日間、噴霧水耕で20〜8日間、次いで第2の湛液水耕で1〜3日間栽培する葉菜類の水耕栽培方法であって、噴霧水耕が平均70〜180μmの大きさのミスト化した養液を用い、第1の湛液水耕、噴霧水耕および第2の湛液水耕の各養液には水溶性カルシウム塩を含有し、各養液の濃度が水溶性カルシウム塩を除いた電気伝導度で、それぞれ0.7〜1.3mS/cm、0.3〜0.7mS/cm、0.1〜0.4mS/cmである葉菜類の水耕栽培方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、食味に優れ、しかも収穫後、長期保管しても変色し難い葉菜類の水耕栽培方法に関する。
近年、生野菜を使った生野菜サラダの需要が拡大している。生野菜サラダには、サニーレタス、リーフレタスなど、葉の部分を喫食する葉菜類が主に利用されている。生野菜サラダでは、使用されている葉菜類の鮮度が要求される。しかしながら、一般に販売されている葉菜類は、その殆どが露地で栽培された葉菜類である。露地で栽培された葉菜類は、細菌的にコントロールされた環境で栽培されていないことから土壌中の細菌が付着している場合が多く、生のまま保管すると保管中に褐変するなど、日持ちし難い傾向にある。そこで、コントロールされた環境下で栽培する水耕栽培が注目されている。
水耕栽培には、養液を満たして栽培する湛液水耕、養液を浅く流して栽培する薄膜水耕、養液を噴霧して栽培する噴霧水耕などがある。湛液水耕や薄膜水耕は、根を養液に浸漬させるため、呼吸障害を起こし易いことから、これを起こし難い噴霧水耕による水耕栽培について様々提案されている。例えば、特開平5−123069号公報(特許文献1)には、養液を5μm以下の煙霧にして空気と共に植床に送り込む方法、特開2006−67999号公報(特許文献2)には、50μm以下の養液ミストを間欠的に噴霧する方法などが提案されている。
しかしながら、上記提案された方法は、養液を所定の極微細なミストにするためには設備的に大掛かりとなり、また当該設備の維持を考慮するとコスト面で生産性に劣るという問題がある。また、上記極微細なミスト化した養液による噴霧水耕では、生育が遅れ経済的でないという問題があった。また、噴霧水耕で使用する養液によっては食味の良いものが得られない場合があり、更なる改善が要望される。
特開平5−123069号公報 特開2006−67999号公報
そこで、本発明の目的は、食味に優れ、しかも収穫後、長期保管しても変色し難い葉菜類の水耕栽培方法を提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく水耕栽培の全栽培工程について鋭意研究を重ねた。その結果、特定の水耕栽培を特定期間行い、水耕栽培に用いる養液の使用方法および濃度を特定とするならば意外にも、食味に優れ、しかも収穫後、長期保管しても変色し難い葉菜類が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
育苗後の苗を第1の湛液水耕で4〜13日間、噴霧水耕で20〜8日間、次いで第2の湛液水耕で1〜3日間栽培する葉菜類の水耕栽培方法であって、噴霧水耕が平均70〜180μmの大きさのミスト化した養液を用い、第1の湛液水耕、噴霧水耕および第2の湛液水耕の各養液には水溶性カルシウム塩を含有し、各養液の濃度が水溶性カルシウム塩を除いた電気伝導度で、それぞれ0.7〜1.3mS/cm、0.3〜0.7mS/cm、0.1〜0.4mS/cmである葉菜類の水耕栽培方法、
である。
本発明によれば、食味に優れ、しかも収穫後、長期保管しても変色し難い葉菜類が得られることから、生の葉菜類を食材として使用する例えば、生野菜サラダなどへの更なる需要拡大が期待される。
以下本発明を詳細に説明する。水耕栽培とは、養液栽培うち土などの固形培地を必要としない栽培方法をいう。水耕栽培には、養液を満たして栽培する湛液水耕、養液を浅く流して栽培する薄膜水耕、養液を噴霧して栽培する噴霧水耕などがある。本発明の水耕栽培方法は、育苗後の苗を第1の湛液水耕、噴霧水耕、第2の湛液水耕の順に栽培するものである。
本発明の水耕栽培方法の対象物は、葉菜類である。葉菜類は、葉の部分を喫食する野菜であり、本発明においては、生育用パネルに定植して栽培可能な野菜であればいずれのものでも良い。このような葉菜類としては、例えば、サニーレタス、リーフレタス、ホウレンソウ、サラダ菜、フリルアイス、小松菜、チンゲン菜などが挙げられる。
本発明の葉菜類の水耕栽培方法は、上記第1の湛液水耕、噴霧水耕および第2の湛液水耕による栽培を特定期間行うことを第1の特徴とする。具体的には、育苗後の苗を第1の湛液水耕で4〜13日間、好ましくは5〜12日間、噴霧水耕で20〜8日間、好ましくは17〜10日間、次いで第2の湛液水耕で1〜3日間栽培する。なお、本発明の葉菜類は収穫できるほど育成する必要があることから、葉菜類の種類にもよるが、湛液型水耕と噴霧水耕の合計期間が20〜30日間行うことが好ましい。また育苗とは、葉菜類の種を播種してから第1の湛液水耕を開始するために移植用パネルに移植するまでの間のことである。
第1の湛液水耕栽培期間が前記範囲より短いと根の生育が遅れ噴霧水耕の際に葉が萎れる場合があり、長いと葉菜類の食味に劣り好ましくない。噴霧水耕栽培期間が前記範囲より短いと葉菜類の食味に劣り、長いと生産性が落ちることとなり好ましくない。また第2の湛液水耕栽培期間が前記範囲より短いと葉菜類の食味が劣る場合があり、長いと下葉の黄化が進み不良葉が多くない好ましくない。
本発明の葉菜類の水耕栽培方法は、上記栽培順序と期間に加え、噴霧水耕による栽培方法が特定の大きさにミスト化した養液を噴霧することを第2の特徴とする。具体的には、平均70〜180μm、好ましくは70〜150μmの大きさのミスト化した養液を噴霧する。ミスト化した養液の大きさが前記範囲より小さいと生育が遅れ経済的でない。一方、ミスト化した養液の大きさが前記範囲より大きいと、葉菜類の食味に劣り好ましくない。
さらに本発明の葉菜類の水耕栽培方法は、養液が水溶性カルシウム塩を含有し、第1の湛液水耕、噴霧水耕および第2の湛液水耕の各養液濃度が水溶性カルシウム塩を除いた電気伝導度において特定割合であることを第3の特徴とする。具体的には、第1の湛液水耕、噴霧水耕および第2の湛液水耕の各養液濃度が水溶性カルシウム塩を除いた電気伝導度で、それぞれ0.7〜1.3mS/cm、0.3〜0.7mS/cm、0.1〜0.4mS/cmであり、好ましくは、それぞれ0.8〜1.2mS/cm、0.4〜0.6mS/cm、0.2〜0.3mS/cmである。
本発明の養液に含有させる水溶性カルシウム塩は、ミネラルの一種として葉菜類の育成に欠かせないものである。水溶性カルシウム塩は、水に溶解するものであれば特に限定するものでなく、例えば、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硝酸カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウムなどが挙げられる。養液中の水溶性カルシウム塩の濃度は、水耕栽培で通常用いる程度の濃度であれば良く、具体的には、電気伝導度換算で0.6〜2.5mS/cm程度である。
本発明の水耕栽培方法は、第1の湛液水耕、噴霧水耕および第2の湛液水耕の各養液濃度が水溶性カルシウム塩を除いた電気伝導度で、それぞれ、0.7〜1.3mS/cm、0.3〜0.7mS/cm、0.1〜0.4mS/cmであり、好ましくは、それぞれ0.8〜1.2mS/cm、0.4〜0.6mS/cm、0.2〜0.3mS/cmである。また、本発明は、第1の湛液水耕、噴霧水耕および第2の湛液水耕と栽培が進むに伴い水溶性カルシウム塩を除いた各栽培工程の養液の濃度が低くしたものを用いることがより食味に優れた葉菜類が得られ易いことから好ましい。第1の湛液水耕、噴霧水耕および第2の湛液水耕の各養液濃度が前記範囲より高い場合は、葉菜類の食味に劣り好ましくない。一方、第1の湛液水耕および噴霧水耕の各養液濃度が前記範囲より低い場合は、生育が遅れ得られる葉菜類が小ぶりとなり、第2の湛液水耕の養液濃度が前記範囲より低い場合は、下葉の黄色化が進み好ましくない。
本発明の葉菜類の栽培方法は、上記特定の水耕栽培を特定期間行い、水耕栽培に用いる養液の使用方法および濃度を特定とすることにより、理由は定かではないが、後述の試験例で示すとおり、市販の噴霧水耕した葉菜類に比べ、長期保管しても変色し難い葉菜類が得られる。
次に本発明の代表的な栽培方法について詳述する。なお、本発明は、これに限定するものではない。まず、葉菜類の種をウレタンマットなどの育苗床に一定間隔(例えば、1〜5cm)で播種する。播種したウレタンマットをバットなどに入れの育苗棚に移し水溶性カルシウム塩を含有した養液に浸し育苗させる。前記養液は、葉菜類の種類にもよるが、水溶性カルシウム塩の濃度が電気伝導度換算で0.6〜2.5mS/cm程度、水溶性カルシウムを除いた養液の濃度が電気伝導度換算で0.5〜2.0mS/cm程度のものを用いると良い。
育苗したウレタンマット上の苗を移植用パネルに移植し、本発明の第1の湛液水耕を開始する。移植には、苗1本ごとに前記ウレタンマットを所定の大きさに切断したものを用いると良く、当該切断したウレタンマットを移植用パネルの穴に移植する。移植用パネルは、苗を移植しある程度育成した段階で生育用パネルに定植するまでの期間用いるものであることから、一定間隔で生育用パネルより穴が多く空いたものを用いると良い。具体的には、例えば、実施例で用いている600×900mmの大きさで120穴が空いているものなどを用いることが出来る。
本発明の第1の湛液水耕は、4〜13日間、好ましくは5〜12日間行う必要がある。また、第1の湛液水耕は、パネルを用い一般的に行われている方法であれば限定するものでなく、例えば、養液の水面に移植用パネルを浮かして栽培するなどの方法により行うと良い。また、第1の湛液水耕で用いる養液は、水溶性カルシウム塩を除いた養液の濃度が電気伝導度換算で、0.7〜1.3mS/cm、好ましくは0.8〜1.2mS/cmのものを用いる必要がある。また、第1の湛液水耕で用いる養液中の水溶性カルシウム塩の具体的な濃度としては、電気伝導度換算で0.6〜2.5mS/cm程度のものを用いると良い。なお、本発明の第1の湛液水耕による栽培は上記移植用パネルで行うが、必要に応じ第1の湛液水耕の途中である程度生育した葉菜類を移植用パネルから生育用パネルに定植し、当該定植した生育用パネルで第1の湛液水耕を引続き行っても良い。
次に生育用パネルに定植した葉菜類を噴霧水耕により栽培する。生育用パネルは、収穫まで用いるパネルであることから、収穫までの生育に適した間隔で穴が空いたものを用いる。具体的には、例えば、実施例で用いている600×900mmの大きさで24穴や32穴が空いているものなどを用いることが出来る。
本発明の噴霧水耕は、20〜8日間、好ましくは17〜10日間行い、平均70〜180μm、好ましくは70〜150μmの大きさのミスト化した養液を用いる必要がある。また、噴霧水耕で用いる養液度は、水溶性カルシウム塩を除いた電気伝導度換算で、0.3〜0.7mS/cm、好ましくは0.4〜0.6mS/cmのものを用いる必要がある。また、噴霧水耕で用いる養液中の水溶性カルシウム塩の具体的な濃度としては、電気伝導度換算で0.6〜2.5mS/cm程度のものを用いると良い。
最後に葉菜類を第2の湛液水耕により栽培する。第2の湛液水耕は、生育用パネルと養液の間に好ましくは2〜15cm、より好ましくは3〜10cmの空間を設け根より酸素が吸収できるようにしたほうが好ましい。本発明の第2の湛液水耕は、1〜3日間行う必要がある。また、本発明の第2の湛液水耕で用いる養液は、水溶性カルシウム塩を除いた電気伝導度換算で0.1〜0.4mS/cm、好ましくは、0.2〜0.3mS/cmのものを用いる必要がある。また、第2の湛液水耕で用いる養液中の水溶性カルシウム塩の具体的な濃度としては、電気伝導度換算で0.6〜2.5mS/cm程度のものを用いると良い。
以下、本発明の葉菜類の水耕栽培方法について、実施例および比較例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1]
300に区分された300×600mmのウレタンマットに各区分に1個ずつリーフレタスの種を播種し、当該ウレタンマットをバットに移し塩化カルシウムを含有した養液に浸して10日間育苗させた。養液は、水溶性カルシウム塩を含有していない肥料(大塚化学(株)製、商品名「大塚ハウスS1号」)を水で希釈して電気伝導度1mS/cmとし、更に塩化カルシウムを添加して電気伝導度2mS/cm(塩化カルシウムの濃度は、電気伝導度換算で1mS/cm)としたものを用いた。
育苗したウレタンマット上の苗を区分ごとに裁断し、600×900mmの大きさで120穴空いた移植用パネルに移植した。そして、養液の水面に移植した移植用パネルを浮かして第1の湛液水耕を7日間行った。養液は、水溶性カルシウム塩を含有していない肥料(大塚化学(株)製、商品名「大塚ハウスS1号」)を水で希釈して電気伝導度1mS/cmとし、更に塩化カルシウムを添加して電気伝導度2mS/cm(塩化カルシウムの濃度は、電気伝導度換算で1mS/cm)としたものを用いた。
次に第1の湛液水耕で生育させたリーフレタスを600×900mmの大きさで24穴空いた生育用パネルに定植した。そして、生育用パネルの下側より平均120μmの大きさのミスト化した養液を噴霧して噴霧水耕を14日間行った。養液は、水溶性カルシウム塩を含有していない肥料(大塚化学(株)製、商品名「大塚ハウスS1号」)を水で希釈して電気伝導度0.5mS/cmとし、更に塩化カルシウムを添加して電気伝導度2mS/cm(塩化カルシウムの濃度は、電気伝導度換算で1.5mS/cm)としたものを用いた。
最後に噴霧水耕で生育させたリーフレタスを生育用パネルに定植したままの状態で第2の湛液水耕により2日間栽培した後、収穫した。養液は、水溶性カルシウム塩を含有していない肥料(大塚化学(株)製、商品名「大塚ハウスS1号」)を水で希釈して電気伝導度0.25mS/cmとし、更に塩化カルシウムを添加して電気伝導度2.0mS/cm(塩化カルシウムの濃度は、電気伝導度換算で1.75mS/cm)としたものを用いた。なお、上記第2の湛液水耕は生育用パネルと養液との間を5cm程度離して空間を設けて行った。
収穫されたリーフレタスの20株を試食し、食味について評価したところ、いずれの株も食味に優れたものであった。
[実施例2]
実施例1と同様の方法でサラダ菜を栽培した。その結果、収穫されたサラダ菜を実施例1と同様、食味について評価したところ、いずれの株も食味に優れたものであった。
[実施例3]
フリルアイスについて、育苗を15日間行った以外は、実施例1と同様の方法で栽培した。その結果、収穫されたフリルアイスを実施例1と同様、食味ついて評価したところ、いずれの株も食味に優れたものであった。
[試験例1]
第1の湛液水耕、噴霧水耕および第2の湛液水耕の栽培日数による葉菜類の食味への影響を調べた。つまり、実施例1において、各栽培日数を表1の日数に変更し、実施例1と同様の方法で収穫されたリーフレタスを評価した。
Figure 2010148413
<食味の評価基準>
◎:優
○:良
△:やや劣る。
×:食味に劣る。
―:未評価
表1より、第1の湛液水耕で4〜13日間、噴霧水耕で20〜8日間および第2の湛液水耕で1〜3日間栽培した葉菜類は、食味に優れたものが収穫されることが理解される。特に、第1の湛液水耕で5〜12日間、噴霧耕で17〜10日間および第2の湛液水耕で1〜3日間栽培した葉菜類は優れていた。なお、第1の湛液水耕を4日未満しか栽培しなかったNo.1は根の生育が遅れ噴霧水耕の際に葉が萎れるものがあった。また、第2の湛液水耕を3日より長く栽培したNo.7は下葉の黄化による不良葉が多く観察された。
[試験例2]
噴霧水耕で用いるミスト化された養液の大きさによる葉菜類の食味への影響を調べた。つまり、実施例1において、ミスト化された養液の大きさを表2の大きさ(平均の大きさ)に変更し、実施例1と同様の方法で収穫されたリーフレタスを評価した。なお、甘さの評価基準は試験例1のものを用いた。
Figure 2010148413
表2より、平均70〜180μmの大きさのミスト化された養液を噴霧したものは、食味に優れていることが理解される。特に平均70〜150μmの大きさのミスト化された養液を用いた葉菜類は優れていた。なお、平均70μmより小さいものを用いたものは生育が遅れていた。
[試験例3]
第1の湛液水耕、噴霧水耕および第2の湛液水耕で用いる各養液の濃度(水溶性カルシウム塩を除く)の違いによる葉菜類の食味への影響を調べた。つまり、実施例1において、各栽培で用いた養液の濃度(塩化カルシウムを除く)を表3の濃度に変更し、実施例1と同様の方法で収穫されたリーフレタスを評価した。なお、評価基準は試験例1のものを用いた。また、表中の数値は実際の養液の濃度(塩化カルシウムを除く)を電気伝導度換算した値であり、単位は「mS/cm」である。
Figure 2010148413
表3より、第1の湛液水耕、噴霧水耕および第2の湛液水耕の各養液の濃度(水溶性カルシウム塩を除く)がそれぞれ0.7〜1.3mS/cm、0.3〜0.7mS/cm、0.1〜0.4mS/cmの濃度を用いたものは、食味に優れていることが理解される。特に、各養液の濃度(水溶性カルシウム塩を除く)がそれぞれ0.8〜1.2mS/cm、0.4〜0.6mS/cm、0.2〜0.3mS/cmであるものは優れていた。なお、No.7は下葉の黄化による不良葉が多く観察され、No.9は生育が遅く、小ぶりとなった。
[試験例4]
本発明の栽培方法で得られたものは、収穫後、長期保管しても変色し難いことを確認した。つまり、対象品として、市販されている噴霧水耕のリーフレタスと、実施例1で得られた本発明品とを、5℃の冷蔵庫に保管し、経時的な変色を観察した。
Figure 2010148413
<変色の評価基準>
◎:変色しておらず良好。
○:切り口と底部の葉がやや変色してきたが、良品と判定。
△:下葉が薄褐色に変化した。
×:薄褐色に変化した葉が広がった。
表4より、本発明品は収穫後、長期保管しても変色し難いことが理解される。

Claims (1)

  1. 育苗後の苗を第1の湛液水耕で4〜13日間、噴霧水耕で20〜8日間、次いで第2の湛液水耕で1〜3日間栽培する葉菜類の水耕栽培方法であって、噴霧水耕が平均70〜180μmの大きさのミスト化した養液を用い、第1の湛液水耕、噴霧水耕および第2の湛液水耕の各養液には水溶性カルシウム塩を含有し、各養液の濃度が水溶性カルシウム塩を除いた電気伝導度で、それぞれ0.7〜1.3mS/cm、0.3〜0.7mS/cm、0.1〜0.4mS/cmであることを特徴とする葉菜類の水耕栽培方法。
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