JP6332063B2 - 半導体単結晶製造装置及び半導体単結晶の製造方法 - Google Patents
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次に、高周波発振機113によって誘導加熱コイル108から高周波を発生させ、原料結晶棒102の下端を加熱、溶融させて種結晶109に融着させる。その後、種絞りにより絞り部110を形成して無転位化する。原料結晶棒102は誘導加熱コイル108により溶融されて浮遊帯域111が形成される。
その後、単結晶棒103を所望の直径まで拡径させた後、一定の直径となるよう、上軸104と下軸106を下方へ移動させる。
さらに、特許文献2では、原料結晶棒の周囲を補助ヒーターにて加熱し、原料結晶棒の表面モルホロジーを改善したり、加熱された原料結晶棒の予熱を利用して生産効率を向上させることも開示されている。
そのため、補助ヒーターを誘導加熱コイルから離した位置に配置する必要があり、その効果が限定的となってしまい、十分な効果が発揮できなかった。
該半導体単結晶製造装置は、前記誘導加熱コイルの上下のいずれか、又は両方に設けられた補助ヒーターを有し、
該補助ヒーターは、前記原料結晶棒又は前記単結晶棒の周囲を囲むように配置される上部ヒーターと、該上部ヒーターの下側に一定間隔へだてて配置される下部ヒーターと、該下部ヒーターと前記上部ヒーターをつなぐ折り返し部とを備え、前記上部ヒーターと前記下部ヒーターを電力供給器に接続することにより閉回路が形成されるものであることを特徴とする半導体単結晶製造装置を提供する。
ハロゲンランプヒーターは発熱部が石英ガラスで覆われているため、補助ヒーターをハロゲンランプヒーターとすることで、誘導加熱コイル近傍に配置しても不純物汚染の懸念が少なく、純度の高い単結晶棒が製造できる。
前記誘導加熱コイルの上下のいずれか、又は両方に設けられた補助ヒーターにより、前記原料結晶棒と前記単結晶棒のいずれか、又は両方を加熱しながら前記単結晶棒を育成し、
前記補助ヒーターとして、前記原料結晶棒又は前記単結晶棒の周囲を囲むように配置される上部ヒーターと、該上部ヒーターの下側に一定間隔へだてて配置される下部ヒーターと、該下部ヒーターと前記上部ヒーターをつなぐ折り返し部とを備え、前記上部ヒーターと前記下部ヒーターを電力供給器に接続することにより閉回路が形成されるものを用いることを特徴とする半導体単結晶の製造方法を提供する。
このように、ハロゲンランプヒーターを用いることにより、純度の高い単結晶棒が製造できる。
このように、単結晶棒育成中に補助ヒーターの出力を変化させることで、浮遊帯域の状態や単結晶棒の熱履歴を任意に制御できるようになるため、より安定した結晶成長が可能となる。
前述のように、FZ法による大口径単結晶の製造においては、これまで以上に大きな高周波電力が必要となっている。そのため、浮遊帯域の最細部の状態が不安定になってしまい、単結晶化が阻害されてしまうことが多々あった。
このため、FZ法による半導体単結晶の製造において、単結晶成長時に必要な電力を低減させ、省エネを達成するとともに、安定した結晶成長を達成することができる半導体単結晶製造装置及び半導体単結晶の製造方法が求められている。
この半導体単結晶製造装置30は、原料結晶棒2及び単結晶棒3を収容するチャンバー12と、原料結晶棒2と単結晶棒3の間に浮遊帯域11を形成するための加熱源となる誘導加熱コイル8と、誘導加熱コイル8に電力を供給する高周波発振機13と、原料結晶棒2を保持するための上部保持具5と、原料結晶棒2を回転・移動させるための上軸4と、単結晶棒3を保持するための下部保持具7と、単結晶棒3を回転・移動させるための下軸6を備えるものである。ここまでは、一般的なFZ法による単結晶製造装置と同様である。
単結晶棒加熱用補助ヒーター15について、図2を参照して説明する。図2は単結晶棒加熱用補助ヒーター15の形状例を示す側面図(a)及び上面図(b)である。単結晶棒加熱用補助ヒーター15は、単結晶棒3の略半周を取り囲むように配置される上部ヒーター18と、上部ヒーター18の下側に一定間隔へだてて配置される下部ヒーター19と、上部ヒーター18と下部ヒーター19をつなぐ折り返し部20とを備えている。上部ヒーター18と下部ヒーター19はチャンバー12の外に配置された電力供給器17に接続され、上部ヒーター18、折り返し部20、下部ヒーター19、及び電力供給器17により閉回路が構成される。
尚、図1では、原料結晶棒加熱用補助ヒーター14と単結晶棒加熱用補助ヒーター15の両方が配置されているが、いずれか一方だけであってもよい。
本発明の半導体単結晶の製造方法では、図1に示した半導体単結晶製造装置30を用いて、原料結晶棒2から単結晶棒3を製造する。まず、原料結晶棒2の下端を、誘導加熱コイル8により、加熱、溶融させて、種結晶9に融着させる。その後種絞りにより絞り部10を形成して無転位化する。その後、単結晶棒3を所望の直径まで拡径させた後、一定の直径となるように、上軸4と下軸6を下方に移動させる。この時、原料結晶棒加熱用補助ヒーター14で原料結晶棒2の浮遊帯域11に近接した部分を、単結晶棒加熱用補助ヒーター15で単結晶棒3の浮遊帯域11に近接した部分をそれぞれ加熱する。尚、結晶成長中に補助ヒーターの出力を変化させることで、浮遊帯域の状態や単結晶棒の熱履歴を任意に制御できるようになるため、より安定した結晶成長が可能となる。
図1では、原料結晶棒2と単結晶棒3の両方が加熱される例を示しているが、いずれか一方だけを加熱してもよい。
図1に示したFZ法による半導体単結晶製造装置を用いて、直径150[mm]のシリコン原料(原料結晶棒)を使用し、直径155[mm]のシリコン単結晶を製造した。すなわち、単結晶の成長は、原料となる原料結晶棒を溶融して種結晶に融着させ(種付け)、さらにこの種付けの際に結晶に生じた転位を抜くための絞りを行う工程(種付け・絞り工程)の後、単結晶棒を155[mm]の直径まで拡げながら成長させる工程(コーン工程)、単結晶棒を155[mm]の一定の直径に制御しつつ成長させていく工程(直胴工程)を経ながら行った。この際、補助ヒーターとして、単結晶棒側に内径180[mm]、高さ30[mm]の図2に示すような形状のハロゲンランプヒーターを誘導加熱コイルの下面より30[mm]離した位置に配置して、単結晶育成を行った。補助ヒーターの高さとは、上部ヒーターの上端から下部ヒーターの下端までの距離のことである。ハロゲンランプヒーターへの電力は、チャンバー外に設置した電力供給器(調整器)にて供給を行い、結晶成長中は2.5[kW]で一定とした。この補助ヒーターの閉回路が形成する面は、誘導加熱コイルと垂直になっている。なお、実施例1では図1とは異なり原料結晶棒側には補助ヒーターを配置しなかった。
図1に示したFZ法による半導体単結晶製造装置を用いて、直径150[mm]のシリコン原料結晶棒を使用し、直径155[mm]のシリコン単結晶を製造した。このシリコン単結晶の製造においては、単結晶棒側に内径180[mm]、高さ30[mm]の図2に示すような形状のハロゲンランプヒーターを誘導加熱コイルの下面より30[mm]離した位置に配置し、さらには、原料結晶棒側にも内径180[mm]、高さ30[mm]の図2に示すような形状のハロゲンランプヒーターを誘導加熱コイルの上面より50[mm]離した位置に配置して、単結晶育成を行った。それぞれのハロゲンランプヒーターへの電力は、チャンバー外に設置した電力供給器にてそれぞれ個別に供給を行い、単結晶棒側ヒーターには2.5[kW]、原料結晶棒側ヒーターには5[kW]とし、結晶成長中は一定とした。なお、この補助ヒーターの閉回路が形成する面は、どちらとも誘導加熱コイルと垂直になっている。
図5に示したFZ法による半導体単結晶製造装置を用いて、直径150[mm]のシリコン原料結晶棒を使用し、直径155[mm]のシリコン単結晶を製造した。このシリコン単結晶の製造においては、単結晶棒側のみ内径180[mm]の図4に示すようなリング形状のハロゲンランプヒーター115を誘導加熱コイルの下面より30[mm]離した位置に配置して、単結晶育成を行った。ハロゲンランプヒーターへの電力は、チャンバー外に設置した電力供給器にて供給を行った。この補助ヒーターの閉回路が形成する面は、誘導加熱コイルと平行になっている。
図5に示したFZ法による半導体単結晶製造装置を用いて、直径150[mm]のシリコン原料結晶棒を使用し、直径155[mm]のシリコン単結晶を製造した。このシリコン単結晶の製造においては、単結晶棒側、原料結晶棒側のどちらにも特許文献1に記載されているような絶縁性の保温筒を配置し、単結晶育成を行った。
また、単結晶棒側と原料結晶棒側のいずれか一方に上記補助ヒーターを用いることで、両方に保温板を設けた場合と比較して、発振部への入力電力を86[kW]から78.5[kW]へ約9[%]削減することができた。
7…下部保持具、 8…誘導加熱コイル、 9…種結晶、 10…絞り部、
11…浮遊帯域、 12…チャンバー、 13…高周波発振機、
14…原料棒加熱用補助ヒーター、 15…単結晶棒加熱用補助ヒーター、
16…電力供給器、 17…電力供給器、 18…上部ヒーター、
19…下部ヒーター、 20…折り返し部、 21…上部ヒーター、
30…単結晶製造装置、 100…単結晶製造装置、 102…原料結晶棒、
103…単結晶棒、 104…上軸、 105…上部保持具、 106…下軸、
107…下部保持具、 108…誘導加熱コイル、 109…種結晶、
110…絞り部、 111…浮遊帯域、 112…チャンバー、
113…高周波発振機、 115…ハロゲンランプヒーター。
Claims (5)
- 原料結晶棒を誘導加熱コイルで加熱溶融して浮遊帯域を形成し、前記誘導加熱コイルに対して上側の前記原料結晶棒及び下側の単結晶棒を回転させながら相対的に下降させ、前記浮遊帯域を移動させることで前記単結晶棒を育成するFZ法による半導体単結晶製造装置であって、
該半導体単結晶製造装置は、前記誘導加熱コイルの上下のいずれか、又は両方に設けられた補助ヒーターを有し、
該上下のいずれか、又は両方に設けられた補助ヒーターは、前記原料結晶棒又は前記単結晶棒の周囲を囲むように配置される上部ヒーターと、該上部ヒーターの下側に一定間隔へだてて配置される下部ヒーターと、該下部ヒーターと前記上部ヒーターをつなぐ折り返し部とを備え、前記上部ヒーターと前記下部ヒーターを電力供給器に接続することにより閉回路が形成されるものであることを特徴とする半導体単結晶製造装置。 - 前記補助ヒーターがハロゲンランプヒーターであることを特徴とする請求項1に記載の半導体単結晶製造装置。
- 原料結晶棒を誘導加熱コイルで加熱溶融して浮遊帯域を形成し、前記誘導加熱コイルに対して上側の前記原料結晶棒及び下側の単結晶棒を回転させながら相対的に下降させ、前記浮遊帯域を移動させることで前記単結晶棒を育成するFZ法による半導体単結晶製造装置を用いた半導体単結晶の製造方法であって、
前記誘導加熱コイルの上下のいずれか、又は両方に設けられた補助ヒーターにより、前記原料結晶棒と前記単結晶棒のいずれか、又は両方を加熱しながら前記単結晶棒を育成し、
前記上下のいずれか、又は両方に設けられた補助ヒーターとして、前記原料結晶棒又は前記単結晶棒の周囲を囲むように配置される上部ヒーターと、該上部ヒーターの下側に一定間隔へだてて配置される下部ヒーターと、該下部ヒーターと前記上部ヒーターをつなぐ折り返し部とを備え、前記上部ヒーターと前記下部ヒーターを電力供給器に接続することにより閉回路が形成されるものを用いることを特徴とする半導体単結晶の製造方法。 - 前記補助ヒーターとしてハロゲンランプヒーターを用いることを特徴とする請求項3に記載の半導体単結晶の製造方法。
- 前記単結晶棒育成中に前記補助ヒーターの出力を変化させることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の半導体単結晶の製造方法。
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