JP6331943B2 - 逆走判断装置 - Google Patents
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Description
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す第1実施形態の逆走判断装置としてのDSRC(Dedecated Short Range Communication:専用狭域通信)車載器1は、制御部10を中心に構成され、車両C1〜C6(図3参照)に搭載されて使用される。なお、このDSRC車載器1は、ETC車載器であってもよく、ETC車載器の機能に更に他の機能を併せ持った車載器であってもよい。制御部10は、CPU10A、ROM10B、RAM10C、NVRAM10Dを備えたマイクロコンピュータとして構成されている。この制御部10には、無線部11、カード認証部12、入力操作部13、スピーカ14、表示部15、記憶部16、及び、USB部17が接続されている。
次に、このDSRC車載器1において制御部10が実行する逆走警告処理を説明する。なお、この処理は、DSRC車載器1の電源がオンされたときに開始される。図2に示すように、この処理では、先ずS1(Sはステップを表す:以下同様)にて、路側機SPからの電波が無線部11及び記憶部16を介して受信される。なお、S1では、無線部11が路側機SPからの電波を受信していないときや無線部11が路側機SPからの電波を継続的に受信している間は処理はこのS1にて待機し、路側機SPから電波を受信しなくなると処理はS3へ移行する。
以上詳述した第1実施形態のDSRC車載器1によれば、以下の効果が得られる。
[1A]
例えば、図3に示す進入路SRを通ってサービスエリアSAへ進入した車両C1が、進入路SRを逆走して本線MRへ向かった場合を想定する。その場合、図4(A)に示すように路側機SP1の近傍を順走方向に通過した車両C1が、図4(B)に示すように路側機SP1の近傍を逆走することになるので、同一の路側機IDが所定時間を開けて2回受信され(S3:Y)、逆走警告がなされる(S9)。高速道路は進入路SR及び退出路TRも含めて一方通行であるため、通常、進入路SRに設けられた路側機SP1の路側機IDが所定時間を開けて2回受信されることはない(S3:N)。そこで、同一の路側機IDが所定時間を開けて2回受信された場合は(S3:Y)、図4(B)に示すように車両C1が逆走しているとみなされて、逆走警告がなされるのである(S9)。このため、車両C1の逆走による事故の発生を抑制することができる。
また、既存の一般的な路側機SPであっても、多くの路側機SPは、路側機IDを電波で送信している。しかも、DSRC車載器1では、無線部11が受信した電波信号に対する車両側の処理によって、当該DSRC車載器1を搭載した車両C1が逆走していることを判断することができる。従って、逆走の判断の可否に、ICカード20の装着状態やインフラ側の性能が影響を及ぼすのも良好に抑制することができる。
車両C1と路側機SP1との間で大型車両が車両C1と併走した場合などには、路側機IDが一時的に受信できなくなる場合がある。その場合、何も対策されていないと、通信が回復した際、同一の路側機IDが2回が受信されたとして車両が逆走していると誤判断される可能性がある。これに対して、本実施形態では、路側機IDが受信されなくなってから(S1)、所定時間以上経過後に(S7)、受信された路側機IDに基づいて逆走を判断している(S3)。このため、例えば大型車両によって電波が遮られた場合など、路側機IDが何らかの障害で一時的に受信できなった後に再び受信されても、前記のような誤判断がなされるのを抑制することができる。S7における所定時間は、そのような効果が発揮されるように、当該DSRC車載器1が使用される国における路側機SPからの電波強度や、走行可能な車両サイズ等に応じて、適宜設定される。
前回路側機IDは、NVRAM10Dに記憶されるので、DSRC車載器1の電源が一度オフされた後に再びオンされたときも、同一の前回路側機IDがNVRAM10Dに保持されている。このため、車両CのスイッチをオフにしてドライバがサービスエリアSAで休憩を取った後も、前述のように良好に車両Cの逆走を判断して逆走警告を行うことができる。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態の逆走判断装置としてのDSRC車載器1は、第1実施形態と同様の構成を有しているが、制御部10にて実行される逆走警告処理が以下の点において異なる。
図5に示すように、第2実施形態における逆走警告処理は、前述のS1とS3との間にS2の処理が挿入された点と、S5に代わるS5Aにて路側機IDと共に路側機IDの受信方向も記憶される点とにおいて異なる。S2では、S1にて電波を受信された路側機SPが、プッシュ型情報配信用の路側機であるか否か、すなわち、IP通信にもクレジット決済にも非対応の路側機であるか否かが判断される。
本実施形態の逆走警告処理では、S1にて電波を受信された路側機SPがプッシュ型情報配信用の路側機でない場合は(S2:N)、逆走警告(S9)も、路側機IDの記憶も(S5A)、いずれもなされない。このため、本実施形態では、第1実施形態による効果に加えて、次のような効果が生じる。
例えば、図3の例の場合、駐車区画P2にて車両C3のDSRC車載器1に路側機SP2の電波が受信されたとしても、その路側機SP2の路側機IDは前回路側機IDとして記憶されない(S3:N)。このため、車両C3が進入路SRを逆走してプッシュ型情報配信用の路側機SP1の近傍まで戻ってきた場合も、前回路側機IDとしては路側機SP1の路側機IDが記憶されているので、逆走を良好に判断して(S3:Y)、逆走警告を行うことができる(S9)。
また、路側機SP2の路側機IDは前回路側機IDとして記憶されないので(S2:N)、サービスエリアSA内で路側機SP2からの電波が複数回受信されても、車両C3が逆走していると誤判断されてしまうのを抑制することができる。
本実施形態では、S5Aにて路側機IDの受信方向(車両Cに対する路側機SPの方位)も記憶されるので、S3では、受信された路側機IDが前回路側機IDと一致し、かつ、受信方向が逆方向であるか否かが判断されてもよい。その場合、逆走判断の精度を向上させることができる。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態の逆走判断装置としてのDSRC車載器1は、第1実施形態と同様の構成を有しているが、制御部10にて実行される逆走警告処理が以下の点において異なる。
図6に示すように、第3実施形態における逆走警告処理は、前述のS1とS3との間に次のような処理が挿入された点において異なる。以下、相違点について説明する。
このように、本実施形態では、高速道路の入口又は出口(例えばETCの入口ゲート又は出口ゲート)を車両Cが通過すると、NVRAM10Dに記憶された路側機ID(前回路側機ID)が消去される。このため、本実施形態では、第1実施形態による効果に加えて、次のような効果が生じる。
例えば、車両Cが高速道路を一旦出た後、それまで通ってきたルートを逆方向に通って(正規の車線を通って)帰る場合、前回路側機IDと同一の路側機IDを受信してしまう可能性がある。その場合、車両Cが逆走していると誤判断され、逆走警告がなされる可能性がある。しかしながら、本実施形態では、車両Cが高速道路に出入りしたとき(S12:Y)、NVRAM10Dに記憶された前回路側機IDが消去されるので、前記のような誤判断がなされるのを抑制することができる。しかも、車両Cが高速道路を出たときと(S12:Y)、高速道路に入ったときとで(S12:Y)、それぞれNVRAM10Dに記憶された前回路側機IDが消去される。このため、入口のみに路側機SPがある場合も、出口のみに路側機SPがある場合も、入口と出口に路側機SPがある場合も、前記誤判断がなされるのを良好に抑制することができる。
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態の逆走判断装置は、第1実施形態のDSRC車載器1と同様に構成されたDSRC車載器1と、ナビゲーション装置50とを備えた車載システム100として構成されている。
図7に示すように、ナビゲーション装置50は、ナビ制御部51を中心に構成されている。ナビ制御部51は、CPU51A、ROM51B、RAM51C、NVRAM51Dを備えたマイクロコンピュータとして構成されている。このナビ制御部51には、地磁気センサ52、ジャイロスコープ53、距離センサ54、GPS受信機55、地図データ入力部56、操作スイッチ群57、ナビUSB部58、外部メモリ59、及び、案内部60が接続されている。
次に、この車載システム100における逆走警告処理を説明する。DSRC車載器1における制御部10は、DSRC車載器1の電源がオンされたときに、図8に示す処理を実行する。図8に示すように、この処理では、先ずS21にて、S1と同様に、路側機SPからの電波が無線部11及び制御部10を介して受信される。なお、S21でも、無線部11が路側機SPからの電波を受信していないときや無線部11が路側機SPからの電波を継続的に受信している間は処理はこのS21にて待機し、路側機SPから電波を受信しなくなると処理はS23へ移行する。S23では、S21にて受信された電波から取得された路側機IDが、USB部17を介してナビゲーション装置50(ナビ)へ送信されて、処理は前述のS21へ移行する。
以上詳述した第4実施形態の車載システム100によれば、第1実施形態による効果と同様の効果に加えて、次のような効果が生じる。
本実施形態では、ナビゲーション装置50におけるナビ制御部51による処理に逆走警告(S39)の処理が含まれるので、ナビゲーション装置50が備えた案内部60を駆動して音声や画像による警告を行うのが一層容易になる。また、このようにナビゲーション装置50が備えた案内部60を介して逆走警告がなされることにより、ドライバに対して明確に逆走を警告することができる。
本実施形態では、DSRC車載器1とナビゲーション装置50とで処理が分担されるので、DSRC車載器1の処理負荷を軽減することができる。従って、DSRC車載器1が高機能で他の処理を種々実行する場合は、当該他の処理の処理速度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得る。
10B,51B…ROM 10C,51C…RAM 10D,51D…NVRAM
11…無線部 14…スピーカ 15…表示部
50…ナビゲーション装置 51…ナビ制御部 58…ナビUSB部
60…案内部 100…車載システム
C1,C2,C3,C4,C5,C6…車両 MR…本線
P1,P2…駐車区画 SA…サービスエリア SP1,SP2,SP3…路側機
SR…進入路 TR…退出路
Claims (6)
- 車両に搭載され、路側機から当該路側機を識別可能な識別符号を受信する受信手段と、
該受信手段が受信した前記識別符号のうち、直近に受信された識別符号を記憶するための記憶手段と、
前記受信手段が、前記路側機から前記識別符号を受信しなくなった後、前記記憶手段に記憶された前記直近に受信された識別符号と一致する識別符号を受信したとき、前記車両が逆走していると判断する逆走判断手段と、
を備え、
前記受信手段が識別符号を受信した路側機が、プッシュ型情報配信用の路側機であるか否かを判断する路側機判断手段を、
更に備え、
前記記憶手段は、前記路側機判断手段がプッシュ型情報配信用の路側機であると判断している場合に、前記記憶を行う
ことを特徴とする逆走判断装置。 - 請求項1に記載の逆走判断装置であって、
前記車両が高速道路又は有料道路の入口又は出口を通過したときに、前記記憶手段に記憶された前記識別符号を記憶から消去する記憶消去手段を、
更に備えたことを特徴とする逆走判断装置。 - 車両に搭載され、路側機から当該路側機を識別可能な識別符号を受信する受信手段と、
該受信手段が受信した前記識別符号のうち、直近に受信された識別符号を記憶するための記憶手段と、
前記受信手段が、前記路側機から前記識別符号を受信しなくなった後、前記記憶手段に記憶された前記直近に受信された識別符号と一致する識別符号を受信したとき、前記車両が逆走していると判断する逆走判断手段と、
を備え、
前記車両が高速道路又は有料道路の入口又は出口を通過したときに、前記記憶手段に記憶された前記識別符号を記憶から消去する記憶消去手段を、
更に備えた
ことを特徴とする逆走判断装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の逆走判断装置であって、
前記逆走判断手段は、前記受信手段が前記路側機から前記識別符号を受信しなくなってから所定時間以上経過後又は所定距離以上移動後に、前記記憶手段に記憶された前記直近に受信された識別符号と一致する識別符号を受信したとき、前記車両が逆走していると判断することを特徴とする逆走判断装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の逆走判断装置であって、
前記記憶手段は、前記車両の電源がオフされたときも、前記識別符号の記憶を保持することを特徴とする逆走判断装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の逆走判断装置であって、
高速道路又は有料道路の課金情報を受信する車載器と、車両の移動経路を案内するナビゲーション装置と、を備えて構成され、
前記受信手段は前記車載器に設けられ、
前記記憶手段及び前記逆走判断手段は前記ナビゲーション装置に設けられたことを特徴とする逆走判断装置。
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