JP2003264548A - 狭域通信用情報配信システムにおける路側システム及び車載情報端末装置、狭域通信用情報配信システムにおける情報配信方法及び情報受信方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の車両に対する情報の配信をセキュリテ
ィを確保しつつ簡単な構成で実現する。 【解決手段】 情報管理センタ６は、情報源から送られ
てきた配信情報と、当該情報源固有の暗号鍵を付加して
路側制御装置９に送る。その暗号鍵を対応する復号鍵
は、車載器に予め埋め込まれている。路側制御装置９
は、配信情報を受信すると秘密鍵を自動生成し、その秘
密鍵を暗号鍵で暗号化した後、開始ビーコン７から車両
１へ送り、その後、秘密鍵で暗号化した配信情報をデー
タビーコン８から車両１へ送る。車載器は、暗号化され
た秘密鍵を予め保持する復号鍵で復号化し、その後、暗
号化された配信情報が送られてくると、その秘密鍵で復
号化する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は狭域通信用情報配信
システム、特にセキュリティの強化を簡単な構造で実現
するための装置及び方法の提供に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在、ＤＳＲＣ(Dedicated Short Range
Communication：狭域通信)を利用したシステムとして
は、例えば特開平９−７３５６５号公報に記載された有
料道路における料金自動収受システム(ＥＴＣ：Electro
nic Toll Collection)が実用化されている。また、特開
２００１−１３４７９４号公報に記載された走行支援道
路システム(ＡＨＳ：Advanced Cruise-Assist Highway
Systems）も実用化の手前である。ＥＴＣにおいては、
車両との通信を行うために路側にビーコンを設置してい
るが、路車間相互認証、料金収受を行うために双方向の
ビーコンが用いられる。また、授受する情報のセキュリ
ティを確保するために暗号化技術が採用されている。一
方、ＡＨＳやＶＩＣＳのようなデータ配信を主眼におい
たシステムにおいては、情報を配信するだけなので、単
一方向のビーコンが用いられる。

【０００３】ところで、走行中の車両に対して、例え
ば、車両進行方向におけるローカルな天気の情報や事
故、渋滞情報等車両全てに共通して有用と思われる情報
やあるいは個別の情報を配信できるシステムが望まれ
る。この情報配信のためにＥＴＣやＡＨＳの技術をその
まま適用することも考えられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ＡＨＳ
やＶＩＣＳのようなシステムでは、システムから車両側
への単一方向しか情報を流すことができないため、路車
間相互認証を行うことができない。つまり、セキュリテ
ィ対策を十分に行うことができない。

【０００５】一方、ＥＴＣでは、双方向通信を行うこと
ができるが、双方向通信を行うが故に路側及び車両側の
双方に双方向通信を行うための機器が必要になる。この
ため、通信機器の構造の複雑化及びコストの増大を招い
てしまう。また、ＥＴＣでは、車載器との１対１の個別
通信を行うことを目的とし、１対多のような通信は想定
していないため、情報源が複数の場合に双方向通信のシ
ステムをそのまま適用すると、システム構成が更に複雑
になるという問題があった。

【０００６】本発明は以上のような問題を解決するため
になされたものであり、その目的は、複数の車両に対す
る情報の配信をセキュリティを確保しつつ簡単な構成で
実現することができる狭域通信用情報配信システムにお
ける路側システム及び車載情報端末装置、狭域通信用情
報配信システムにおける情報配信方法及び情報受信方法
を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、本発明に係る狭域通信用情報配信システム
における路側システムは、車載情報端末装置に対して情
報を配信する狭域通信用情報配信システムにおける路側
システムにおいて、前記車載情報端末装置へ配信情報を
無線送信する情報提供用無線送信装置と、前記車載情報
端末装置への情報提供開始点に設置された開始通知用無
線送信装置と、送信する配信情報に対応させて秘密鍵を
自動生成する秘密鍵生成手段と、前記秘密鍵生成手段が
生成した秘密鍵を予め取得した暗号鍵で暗号化した後、
前記開始通知用無線送信装置から送信する開始時処理手
段と、前記秘密鍵生成手段が生成した秘密鍵で配信情報
を暗号化した後、前記情報提供用無線送信装置から送信
する情報送信処理手段とを有するものである。

【０００８】また、一の配信情報を複数の前記各車載情
報端末装置に送信する度に、異なる秘密鍵を前記秘密鍵
生成手段に生成させる秘密鍵生成タイミング制御手段を
有するものである。

【０００９】また、本発明に係る狭域通信用情報配信シ
ステムにおける車載情報端末装置は、狭域通信用情報配
信システムにおける路側システムから無線送信されてく
る情報を受信する車載情報端末装置において、前記路側
システムが暗号化に用いた暗号鍵を解読するための復号
鍵が格納されている復号鍵格納手段と、前記路側システ
ムによる情報提供開始点に設置された開始通知用無線送
信装置から送られてきた暗号化情報を、前記復号鍵格納
手段に格納されている復号鍵で復号化することによっ
て、その暗号化情報に含まれていた秘密鍵を入手する秘
密鍵取得処理手段と、前記路側システムの情報提供用無
線送信装置から送られてきた暗号化情報を、前記秘密鍵
取得処理手段により取得した秘密鍵によって復号化する
ことによって、その暗号化情報に含まれていた配信情報
を取得する情報取得処理手段とを有するものである。

【００１０】また、前記復号鍵格納手段には、複数の復
号鍵が格納されており、前記秘密鍵取得処理手段は、前
記開始通知用無線送信装置から送られてきた暗号化情報
に付加された暗号化されていない復号鍵識別情報に基づ
き復号化に用いる復号鍵を特定するものである。

【００１１】また、受信した情報の提供システム先を識
別するシステム識別手段を有するものである。

【００１２】また、本発明に係る狭域通信用情報配信シ
ステムにおける情報配信方法は、車載情報端末装置に対
して情報を配信する狭域通信用情報配信システムにおけ
る情報配信方法において、前記車載情報端末装置へ送信
する配信情報に対応させて秘密鍵を自動生成する秘密鍵
生成ステップと、前記秘密鍵生成ステップにおいて生成
した秘密鍵を予め取得した暗号鍵で暗号化した後、前記
車載情報端末装置へ送信する秘密鍵送信ステップと、前
記秘密鍵生成ステップにおいて生成した秘密鍵で配信情
報を暗号化した後、前記車載情報端末装置へ送信する配
信情報送信ステップとを含むものである。

【００１３】また、前記秘密鍵生成ステップは、一の配
信情報を複数の前記各車載情報端末装置に送信する度
に、異なる秘密鍵を生成するものである。

【００１４】また、本発明に係る狭域通信用情報配信シ
ステムにおける情報受信方法は、狭域通信用情報配信シ
ステムにおける路側システムから無線送信されてくる情
報を受信する情報受信方法において、前記路側システム
から送られてきた暗号化された開始時情報を、予め保持
している復号鍵で復号化することによって、その開始時
情報に含まれていた秘密鍵を入手する秘密鍵取得ステッ
プと、前記路側システムから送られてきた暗号化情報
を、前記秘密鍵取得ステップにより取得した秘密鍵によ
って復号化することによって、その暗号化情報に含まれ
ていた配信情報を取得する配信情報取得ステップとを含
むものである。

【００１５】また、前記秘密鍵取得ステップは、開始時
情報に付加された暗号化されていない復号鍵識別情報に
基づき復号化に用いる復号鍵を、複数の復号鍵が格納さ
れている復号鍵格納手段から特定するものである。

【００１６】また、受信した情報の提供システム先を識
別するシステム識別ステップと、前記システム識別ステ
ップが識別したシステム処理を実行するステップとを含
むものである。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
好適な実施の形態について説明する。

【００１８】実施の形態１．図１は、本発明に係る路側
システム及び車載情報端末装置を利用した狭域通信用情
報配信システムの実施の形態１を示した概念図である。
本実施の形態における狭域通信用情報配信システムは、
車両１に搭載された車載情報端末装置（図示せず）と車
両に対して情報を配信する路側システム３を有してい
る。また、図１には、路側システム３により車両１に提
供される情報の情報提供側４と、その情報を路側システ
ム３に送信するネットワーク５とが示されている。路側
システム３は、情報提供側４を構成する各情報源からの
情報の集約、車両１への情報配信等情報の管理を行う情
報管理センタ６と、道路近傍に設置された開始ビーコン
７とデータビーコン８から路上を走行する車両１に対す
る無線送信制御を行う路側制御装置９を有している。情
報管理センタ６と路側制御装置９は、専用線１０で接続
されている。情報管理センタ６は、必ずしも道路近傍に
設置されている必要はない。また、図１では、便宜的に
路側制御装置９を１台のみを示したが、複数台設置し、
それぞれ情報管理センタ６に専用線で接続することはで
きる。開始ビーコン７とデータビーコン８は、車両１が
走行する道路近傍、具体的には道路上方のゲート等に設
置されている。開始ビーコン７は、車両１への情報提供
開始点に設置されており、データビーコン８が用いる無
線周波数等情報提供に必要な制御情報等を車両１へ無線
送信する。データビーコン８は、開始ビーコン７の下流
側に設置され、情報提供側４により提供される情報を車
両１へ無線送信する。

【００１９】路側システム３経由で特定の１台もしくは
グループの車載情報端末装置（以下、単に「車載器」）
に情報の配信を希望する複数の情報源は、各々自己の定
める暗号鍵（公開鍵暗号方式における暗号鍵）を情報管
理センタ６に登録する。なお、登録動作は暗号鍵作成時
に１回のみである。配信情報は、例えば、車両進行方向
におけるローカルな天気の情報や事故、渋滞情報等の通
行する車両全てに共通して有用と思われる情報が主であ
る。情報源はまた、登録した暗号鍵に対応する復号鍵を
情報配信したい車載器にあらかじめ埋め込んでおく。も
しくは、復号鍵が埋め込まれた車載器を作成し、配信先
に配布する。その上で、情報源は配信したい情報をネッ
トワーク５経由で情報管理センタ６に送信する。

【００２０】図２は、本実施の形態における情報管理セ
ンタ６のブロック構成図である。図２には、鍵データベ
ース１１、配信情報受信部１２、暗号鍵特定部１３及び
配信情報送信部１４が示されている。以下、この図を用
いて情報管理センタ６の構成及び処理を併せて説明す
る。

【００２１】情報管理センタ６においては、配信情報を
暗号化するために各情報源から送られてきた暗号鍵は、
その暗号鍵を取得した情報源の識別情報（情報源ＩＤ）
に対応付けして鍵データベース１１に予め登録されてい
る。配信情報受信部１２が、各情報源からネットワーク
５経由で送られてくる車両１への配信対象とする情報を
受信すると、暗号鍵特定部１３は、その情報に付加され
ている情報源ＩＤを参照に鍵データベース１１から該当
する暗号鍵を取り出す。本実施の形態では、各情報源の
アドレス（送信元アドレス）を識別情報として利用す
る。そして、配信情報送信部１４は、配信情報に取り出
した暗号鍵を付加して路側制御装置へ転送する。なお、
情報管理センタ６から路側制御装置へ送信される配信情
報は、平文である。

【００２２】図３は、本実施の形態における路側制御装
置９のブロック構成図である。図３には、情報受信部２
１、秘密鍵生成部２２、開始時処理部２３、情報送信処
理部２４が示されている。以下、この図を用いて路側制
御装置９の構成及び処理を併せて説明する。

【００２３】情報受信部２１は、情報管理センタ６から
送られてくる暗号鍵が付加された配信情報を受信する。
秘密鍵生成部２２は、配信情報が到着した時点でその配
信情報に対応させてランダム値を初期値とした秘密鍵を
自動生成する。情報送信処理部２４は、情報暗号化部２
５により秘密鍵生成部２２が生成した秘密鍵で配信情報
を暗号化した後、情報送信部２６によりデータビーコン
８から車載器へ送信するが、開始時処理部２３は、情報
送信処理部２４が配信情報の送信を開始する前に、次の
処理を行う。まず、秘密鍵暗号化部２７は、情報管理セ
ンタ６から送られてきた暗号鍵で秘密鍵生成部２２が生
成した秘密鍵を暗号化する。そして、秘密鍵送信部２８
は、暗号化した秘密鍵を含む開始時情報を開始ビーコン
７から車載器へ送信する。その後、前述したように、情
報送信処理部２４は、秘密鍵で暗号化した配信情報をデ
ータビーコン８から車載器へ送信する。

【００２４】図４は、本実施の形態における車載器のブ
ロック構成図である。図４には、復号鍵登録部３１、復
号鍵格納部３２、情報受信部３３、暗号解読部３４、秘
密鍵格納部３５及び情報出力部３６が示されている。復
号鍵登録部３１は、情報源により提供された復号鍵を復
号鍵格納部３２に登録する。復号鍵格納部３２に書き込
まれた状態で車載器が提供される場合は復号鍵登録部３
１は不要である。情報受信部３３は、開始ビーコン７及
びデータビーコン８から送られてくる情報を受信する。
より正確には、車載アンテナから受信された信号を解析
し、処理することによって開始ビーコン７又はデータビ
ーコン８から送られてきたデータであることを認識し、
情報を抽出することになる。暗号解読部３４は、暗号化
されている路側システムからの情報を復号化する。特
に、開始ビーコン７から送られてきた情報には、暗号化
された秘密鍵が含まれているので、復号鍵格納部３２に
登録されている復号鍵で復号化することによって秘密鍵
を入手し、秘密鍵格納部３５に登録する。情報出力部３
６は、復号化された配信情報を音や画像により出力す
る。

【００２５】次に、車載器側における処理について図５
及び図６に示したフローチャートを用いて詳述する。ま
ず、図５に基づいて車両１が路側システム設置場所に近
づき、開始ビーコン８から情報を受信したときの処理に
ついて説明する。

【００２６】車載器は、基本的には開始ビーコン７の周
波数をサーチしており、開始ビーコン７からの情報を待
ち受けている（ＳＴ１）。そして、情報を受信した時点
で、それまで秘密鍵格納部３５で保持していたデータビ
ーコン８用の秘密鍵情報を消去する（ＳＴ２）。受信し
た開始時情報は、情報源に対応した暗号鍵で暗号化され
ているため、その暗号を復号鍵格納部３２で保持してい
た自己所有の復号鍵で復号化する（ＳＴ３）。復号化で
きた場合はその復号化結果からデータビーコン８下で受
信するデータの復号鍵である秘密鍵と、データビーコン
８の周波数情報とを取り出し（ＳＴ４）、秘密鍵格納部
３５へ格納する（ＳＴ５）。そして、車載器内部の状態
を「デ−タビーコン受信可能状態」に設定し（ＳＴ
６）、車載器のアンテナの受信周波数として取り出した
データビーコン８の周波数を設定する（ＳＴ７）。この
ようにして、後続して送られてくるデータビーコン８か
らの情報が受信可能となる。一方、ＳＴ３にて復号化で
きなかった場合は、データビーコン８からの情報は受信
したとしても復号化できないため、車載器内部の状態を
「デ−タビーコン受信不可能状態」に設定して（ＳＴ
８）、処理を終了する。

【００２７】本実施の形態によれば、車載器に秘密鍵を
その正当性を保障した上で取り入れることが可能なた
め、車載器を特定の情報を受けられるようにすることが
容易となる。

【００２８】続いて、図６に基づいて車両１が前進して
データビーコン８から情報を受信するときの処理につい
て説明する。

【００２９】データビーコン下処理においては、タイム
アウトをかけてデータビーコン周波数で情報を待ち受け
ている（ＳＴ１１）。タイムアウトする前に情報を受信
した場合、車載器は自己の状態がデータビーコン受信可
状態であることを確認し（ＳＴ１２）、秘密鍵格納部３
５に格納された秘密鍵を使用して配信情報を復号化する
ことによって情報（平文）を取り出す（ＳＴ１３）。そ
して、配信情報を出力すると（ＳＴ１４）、情報受信待
ち受けの状態に戻る（ＳＴ１１）。

【００３０】また、タイムアウト時間までに情報が受信
できないか（ＳＴ１１，ＳＴ１５）、もしくは受信した
もののデータビーコン８のサービス範囲から抜けてしま
い、結果として情報が受信できなくなった場合（ＳＴ１
２）、車載器内部の状態を「デ−タビーコン受信不可能
状態」に設定し（ＳＴ１６）、また、アンテナに設定さ
れる受信周波数を開始ビーコン７の周波数へ戻して（Ｓ
Ｔ１７）、処理を終了する。

【００３１】本実施の形態によれば、配信情報を秘密鍵
で暗号化し、その秘密鍵を予め保持している暗号鍵で暗
号化することで、その暗号鍵に対応した復号鍵を持つ車
載器のみが秘密鍵を入手することができ、配信情報を解
読することができる。また、情報を取得する車載器は、
１つのビーコン７，８がカバーするゾーン下に何台いて
も情報の取得が可能であり、1対多の通信方式となって
いる。更に、単一方向の通信しか行っていないために双
方向通信する場合にくらべ構造が簡単ですむ。

【００３２】実施の形態２．図７は、本発明に係る路側
システム及び車載情報端末装置を利用した狭域通信用情
報配信システムの実施の形態２を示した概念図である。
本実施の形態は、情報源からの依頼を受けて公開鍵暗号
方式における暗号鍵である公開鍵を作成し、それに対す
る証明書を第三者機関である公開鍵認証機関から発行し
てもらった上でその証明書と公開鍵を読み出し専用記憶
媒体（例えばＩＣカード）の形態で依頼元である情報源
へ引き渡す公開鍵発行センタ３７を設立して鍵管理を行
うようにしたことを特徴の一つとしている。すなわち、
本実施の形態は、上記実施の形態１と比較すると、公開
鍵の発行元が情報源ではなく公開鍵発行センタ３７であ
り、また、車載器に複数の復号鍵を保持する機能を設け
た。

【００３３】本実施の形態の場合、公共性の高い情報に
加え、特定の公開鍵をもつ車載器にビーコン設置位置に
あった特定の情報を供給できるため、情報源から提供さ
れる配信情報としては、例えばタクシー会社が自社の車
両に乗車客の集中している場所を通知したり、証券会社
が特定顧客に株のオンライン情報を配信したりというこ
とに利用できる。また、公開鍵を車載器に取り入れる際
も、公開鍵とその鍵に対する証明書を対にして取り入れ
ることでその鍵の検証（正当性のチェック）ができる。
また、この公開鍵は入れ替えも可能である。

【００３４】図８は、本実施の形態における車載器のブ
ロック構成図である。本実施の形態における復号鍵格納
部３２には、複数の復号鍵が格納されており、その中か
ら秘密鍵の復号に用いる復号鍵を特定する復号鍵特定部
３８が設けられている。その他の構成要素は、実施の形
態１と同じなので説明を省略する。

【００３５】次に、本実施の形態における処理を説明す
るが、路側システム３における処理は、開始ビーコン７
から車載器へ送信する開始時情報に、秘密鍵を暗号化し
た暗号鍵（公開鍵）に対応する復号鍵を特定するための
復号鍵識別情報である公開鍵識別子を付加する以外は実
施の形態１と同じなので説明を省略する。なお、公開鍵
識別子は、例えば車載器に送信する情報のヘッダ情報に
組み入れ、暗号化されていない。

【００３６】続いて、車載器側において開始ビーコン８
から情報を受信したときの処理を図９に示したフローチ
ャートを用いて説明する。

【００３７】車載器は、開始ビーコン７からの情報を待
ち受けており（ＳＴ２１）、情報を受信した時点で、そ
れまで秘密鍵格納部３５で保持していたデータビーコン
８用の秘密鍵情報を消去する（ＳＴ２２）。そして、受
信した開始時情報のヘッダ部分を解析して、そこに記述
されている公開鍵識別子に基づいて復号鍵格納部３２を
検索する（ＳＴ２３）。該当する復号鍵が復号鍵格納部
３２に登録されていれば（ＳＴ２４）、その復号鍵を取
り出して開始時情報を復号化する（ＳＴ２５）。復号化
できた場合はその復号化結果からデータビーコン８下で
受信するデータの復号鍵である秘密鍵と、データビーコ
ン８の周波数情報とを取り出し（ＳＴ２５）、秘密鍵格
納部３５へ格納する（ＳＴ２６）。そして、車載器内部
の状態を「デ−タビーコン受信可能状態」に設定し（Ｓ
Ｔ２７）、データビーコン８の周波数を取り出した周波
数に設定する（ＳＴ２８）。このようにして、後続して
送られてくるデータビーコン８からの情報が受信可能と
なる。一方、ＳＴ２４において復号鍵が登録されていな
ければ、データビーコン８からの情報は受信したとして
も復号化できないため、車載器内部の状態を「デ−タビ
ーコン受信不可能状態」に設定して（ＳＴ２９）、処理
を終了する。

【００３８】本実施の形態によれば、車載器に秘密鍵を
その正当性を保障した上で取り入れることが可能なた
め、車載器を特定の情報を受けられるようにすることが
容易となる。また、複数の復号鍵を保持でき、開始ビー
コン７からの情報で合致する鍵を検索することで複数の
情報を受信することができる。

【００３９】なお、データビーコン８から送られてくる
配信情報の受信処理については、図６を用いて説明した
実施の形態１と同じなので説明を省略する。

【００４０】実施の形態３．図１０は、本実施の形態に
おける路側制御装置のブロック構成図である。本実施の
形態における路側制御装置は、実施の形態１に示した構
成要素に、一の配信情報を複数の車載器に対して送信す
る度に、異なる秘密鍵を秘密鍵生成部２２に生成させる
秘密鍵生成タイミング制御部２９を追加した構成を有し
ている。なお、情報管理センタ６や車載器などその他の
構成は、実施の形態１と同じなので説明を省略する。

【００４１】上記各実施の形態における秘密鍵生成部２
２は、一の配信情報が情報管理センタ６から送られてく
ると、その配信情報に対応させて秘密鍵を生成してい
た。つまり、その配信情報を複数の車載器に対して送信
する際には、同じ秘密鍵が繰り返し使用されることにな
る。つまり、何らかの方法で配信情報の秘密鍵を解読
し、いったん入手されると、その入手した第三者により
該当する配信情報が盗聴されるだけでなく、入手した秘
密鍵で虚偽の情報を暗号化し、車載器に配信することが
できてしまう。

【００４２】そこで、本実施の形態においては、一の配
信情報を車載器に送信する度に秘密鍵を変更することに
よって、車載器に虚偽の情報を伝えるようないわゆるな
りすましによる妨害行為を防止することができる。

【００４３】実施の形態４．図１１は、本実施の形態に
おける車載器のブロック構成図である。情報受信部３３
は、前述したように、アンテナ３９から受信された信号
を信号処理部４０にて処理することによって配信情報を
抽出して暗号解読部３４に送るが、アンテナ３９により
受信される信号は、路側システム３が持つ開始／データ
ビーコン７，８からだけであるとは限らず、他のシステ
ム、例えば既存のＥＴＣが持つＥＴＣビーコンからの信
号の可能性もある。

【００４４】そこで、本実施の形態においては、開始／
データビーコン７，８からの情報か、あるいはＥＴＣビ
ーコンからの情報かを識別できるようにビーコン識別部
４１を設け、更に、ＥＴＣビーコンであったと判断した
ときにはＥＴＣに関わる処理を行えるようにＥＴＣ処理
部４２を設けた。これにより、ＥＴＣビーコン下では、
ＥＴＣによる双方向通信を、上記各実施の形態で説明し
た情報配信ビーコン下では配信情報の受信を行うことが
できる。

【００４５】なお、本実施の形態における車載器におい
て上述した以外の構成要素及び作用は、実施の形態２と
同じなので説明を省略する。また、路側システム３など
他の構成も実施の形態２と同じなので説明を省略する。

【００４６】なお、本実施の形態では、ビーコン識別部
４１を設けて情報を送信するビーコンの種類を判別し、
これによって本実施の形態における狭域通信用情報配信
システムなのか、ＥＴＣシステムなのかを識別していた
が、これ以外の情報を解析することによって情報提供先
となるシステムを判別し、特定してもよい。また、本実
施の形態では、現状を参酌して狭域通信用情報配信シス
テム以外のシステムとしてＥＴＣを例示したが、これに
限定されるものではない。

【００４７】

【発明の効果】本発明によれば、配信情報を秘密鍵で暗
号化し、その秘密鍵を予め保持している暗号鍵で暗号化
することで、その暗号鍵に対応した復号鍵を持つ車載器
のみに秘密鍵を入手させることができ、配信情報を解読
させることができる。

【００４８】一方、配信情報を暗号化した秘密鍵を暗号
化した暗号鍵に対応した復号鍵を持つことにより秘密鍵
を入手することができ、また、その秘密鍵で暗号化され
た配信情報を復号化することができる。

【００４９】また、複数の復号鍵を車載情報端末装置に
保持でき、その中から開始通知用無線送信装置からの復
号鍵識別情報に基づき復号化に用いる復号鍵を特定する
ことで複数の配信情報を受信することができる。

【００５０】また、一の配信情報を前記各車載情報端末
装置に送信する度に、秘密鍵を変更するようにしたの
で、不正な第三者により秘密鍵が盗まれたとしても車載
情報端末装置に虚偽の情報を伝えるようないわゆるなり
すましによる妨害行為を防止することができる。

【００５１】また、システム識別手段を搭載することに
よって受信した情報の提供システム先を識別することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る路側システム及び車載情報端末
装置を利用した狭域通信用情報配信システムの実施の形
態１を示した概念図である。

【図２】 実施の形態１における情報管理センタのブロ
ック構成図である。

【図３】 実施の形態１における路側制御装置のブロッ
ク構成図である。

【図４】 実施の形態１における車載器のブロック構成
図である。

【図５】 実施の形態１において車載器側における開始
ビーコン下処理を示したフローチャートである。

【図６】 実施の形態１において車載器側におけるデー
タビーコン下処理を示したフローチャートである。

【図７】 本発明に係る路側システム及び車載情報端末
装置を利用した狭域通信用情報配信システムの実施の形
態２を示した概念図である。

【図８】 実施の形態２における車載器のブロック構成
図である。

【図９】 実施の形態２において車載器側における開始
ビーコン下処理を示したフローチャートである。

【図１０】 実施の形態３における路側制御装置のブロ
ック構成図である。

【図１１】 実施の形態４における車載器のブロック構
成図である。

【符号の説明】

１ 車両、３ 路側システム、４ 情報提供側、５ ネ
ットワーク、６ 情報管理センタ、７ 開始ビーコン、
８ データビーコン、９ 路側制御装置、１０専用線、
１１ 鍵データベース、１２ 配信情報受信部、１３
暗号鍵特定部、１４ 配信情報送信部、２１ 情報受信
部、２２ 秘密鍵生成部、２３ 開始時処理部、２４
情報送信処理部、２５ 情報暗号化部、２６ 情報送信
部、２７ 秘密鍵暗号化部、２８ 秘密鍵送信部、２９
秘密鍵生成タイミング制御部、３１ 復号鍵登録部、
３２ 復号鍵格納部、３３ 情報受信部、３４ 暗号解
読部、３５ 秘密鍵格納部、３６ 情報出力部、３７
公開鍵発行センタ、３８復号鍵特定部、３９ アンテ
ナ、４０ 信号処理部、４１ ビーコン識別部、４２
ＥＴＣ処理部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 5H180 AA01 BB04 BB17 DD02 JJ01 JJ27 5J104 AA12 AA16 EA01 EA17 MA02 MA05 5K067 AA30 BB21 FF02 GG01 HH24 HH36

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車載情報端末装置に対して情報を配信す
   る狭域通信用情報配信システムにおける路側システムに
   おいて、 前記車載情報端末装置へ配信情報を無線送信する情報提
   供用無線送信装置と、 前記車載情報端末装置への情報提供開始点に設置された
   開始通知用無線送信装置と、 送信する配信情報に対応させて秘密鍵を自動生成する秘
   密鍵生成手段と、 前記秘密鍵生成手段が生成した秘密鍵を予め取得した暗
   号鍵で暗号化した後、前記開始通知用無線送信装置から
   送信する開始時処理手段と、 前記秘密鍵生成手段が生成した秘密鍵で配信情報を暗号
   化した後、前記情報提供用無線送信装置から送信する情
   報送信処理手段と、 を有することを特徴とする狭域通信用情報配信システム
   における路側システム。
2. 【請求項２】 一の配信情報を複数の前記各車載情報端
   末装置に送信する度に、異なる秘密鍵を前記秘密鍵生成
   手段に生成させる秘密鍵生成タイミング制御手段を有す
   ることを特徴とする請求項１記載の狭域通信用情報配信
   システムにおける路側システム。
3. 【請求項３】 狭域通信用情報配信システムにおける路
   側システムから無線送信されてくる情報を受信する車載
   情報端末装置において、 前記路側システムが暗号化に用いた暗号鍵を解読するた
   めの復号鍵が格納されている復号鍵格納手段と、 前記路側システムによる情報提供開始点に設置された開
   始通知用無線送信装置から送られてきた暗号化情報を、
   前記復号鍵格納手段に格納されている復号鍵で復号化す
   ることによって、その暗号化情報に含まれていた秘密鍵
   を入手する秘密鍵取得処理手段と、 前記路側システムの情報提供用無線送信装置から送られ
   てきた暗号化情報を、 前記秘密鍵取得処理手段により取得した秘密鍵によって
   復号化することによって、その暗号化情報に含まれてい
   た配信情報を取得する情報取得処理手段と、 を有することを特徴とする狭域通信用情報配信システム
   における車載情報端末装置。
4. 【請求項４】 前記復号鍵格納手段には、複数の復号鍵
   が格納されており、 前記秘密鍵取得処理手段は、前記開始通知用無線送信装
   置から送られてきた暗号化情報に付加された暗号化され
   ていない復号鍵識別情報に基づき復号化に用いる復号鍵
   を特定することを特徴とする請求項３記載の狭域通信用
   情報配信システムにおける車載情報端末装置。
5. 【請求項５】 受信した情報の提供システム先を識別す
   るシステム識別手段を有することを特徴とする請求項３
   記載の狭域通信用情報配信システムにおける車載情報端
   末装置。
6. 【請求項６】 車載情報端末装置に対して情報を配信す
   る狭域通信用情報配信システムにおける情報配信方法に
   おいて、 前記車載情報端末装置へ送信する配信情報に対応させて
   秘密鍵を自動生成する秘密鍵生成ステップと、 前記秘密鍵生成ステップにおいて生成した秘密鍵を予め
   取得した暗号鍵で暗号化した後、前記車載情報端末装置
   へ送信する秘密鍵送信ステップと、 前記秘密鍵生成ステップにおいて生成した秘密鍵で配信
   情報を暗号化した後、前記車載情報端末装置へ送信する
   配信情報送信ステップと、 を含むことを特徴とする狭域通信用情報配信システムに
   おける情報配信方法。
7. 【請求項７】 前記秘密鍵生成ステップは、一の配信情
   報を複数の前記各車載情報端末装置に送信する度に、異
   なる秘密鍵を生成することを特徴とする請求項６記載の
   狭域通信用情報配信システムにおける情報配信方法。
8. 【請求項８】 狭域通信用情報配信システムにおける路
   側システムから無線送信されてくる情報を受信する情報
   受信方法において、 前記路側システムから送られてきた暗号化された開始時
   情報を、予め保持している復号鍵で復号化することによ
   って、その開始時情報に含まれていた秘密鍵を入手する
   秘密鍵取得ステップと、 前記路側システムから送られてきた暗号化情報を、前記
   秘密鍵取得ステップにより取得した秘密鍵によって復号
   化することによって、その暗号化情報に含まれていた配
   信情報を取得する配信情報取得ステップと、 を含むことを特徴とする狭域通信用情報配信システムに
   おける情報受信方法。
9. 【請求項９】 前記秘密鍵取得ステップは、開始時情報
   に付加された暗号化されていない復号鍵識別情報に基づ
   き復号化に用いる復号鍵を、複数の復号鍵が格納されて
   いる復号鍵格納手段から特定することを特徴とする請求
   項８記載の狭域通信用情報配信システムにおける情報受
   信方法。
10. 【請求項１０】 受信した情報の提供システム先を識別
    するシステム識別ステップと、 前記システム識別ステップが識別したシステム処理を実
    行するステップと、 を含むことを特徴とする請求項８記載の狭域通信用情報
    配信システムにおける情報受信方法。