JP6330785B2 - 絶縁スペーサ、電極体、荷電粒子源および荷電粒子ビーム照射装置 - Google Patents

絶縁スペーサ、電極体、荷電粒子源および荷電粒子ビーム照射装置 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子ビームの引き出しに用いられる対向配置された電位の異なる電極間に配置される絶縁スペーサ、当該絶縁スペーサを備えた電極体、荷電粒子源及び荷電粒子ビーム照射装置に関する。
イオンビームや電子ビームといった荷電粒子ビームを用いて半導体基板やガラス基板等にイオン注入やイオンミリング等の所定の処理を施す荷電粒子ビーム照射装置が知られている。
この種の荷電粒子ビーム照射装置は荷電粒子ビームを生成する荷電粒子源を有しており、荷電粒子源では複数枚の電極を用いて荷電粒子ビームの引き出しが行われている。
荷電粒子源は引き出される荷電粒子ビームの種類によって、電子源あるいはイオン源という名称で呼ばれており、具体例を挙げると、特許文献1に記載の電子源や特許文献2に記載のイオン源が知られている。
特許文献1の電子源は3枚の電極を用いて電子ビームを引き出す構成で、電極間には対向配置された各電極を電気的に絶縁するための絶縁スペーサが配置されている。
また、各電極には電子ビームを通す為のビーム挿通孔が形成されており、支持台に立設された基準ピンに各電極に形成されたピン挿通孔を通すことで電極間でのビーム挿通孔の位置決めが行われる。
特許文献2のイオン源は2枚の電極を用いてイオンビームを引き出す構成で、特許文献1の電子源と同様に、電極間には対向配置された各電極を電気的に絶縁するための絶縁スペーサが配置されている。
同文献には電極間の位置合わせについての詳細は示されていないが、この種のイオン源でも特許文献1と同様に位置決めピン等を用いて各電極に形成されたビーム引き出し用の電極孔の位置決めが行われている。
特開平2−270251 特開2001−210245
特許文献1や特許文献2の荷電粒子源では、電極間への絶縁スペーサの配置と電極間の位置決めを個別に行っている為、電極の組み立て工程が煩雑となる。また、絶縁スペーサによる沿面距離が電極間距離であり、電極間寸法が短い場合、十分な沿面距離を確保することが出来ない。
そこで、本発明では、絶縁スペーサの構造を改良し、電極の組み立て工程の簡便化を図るとともに、絶縁スペーサによる電極間での沿面距離を十分に長いものにすることを主たる目的とする。
本発明に係る絶縁スペーサは、対向配置された電位の異なる電極間に配置される絶縁スペーサであって、電極面に平行な方向で互いに離間した少なくとも2つの脚部と、前記脚部の一端に設けられた凸部と、前記脚部の他端で各脚部を連結する連結部を具備し、各脚部に設けられた前記凸部は相反する方向のいずれか一方に向けて突出していて、前記凸部の突出方向によって各脚部が対向電極の異なる電極面に当接するとともに、前記連結部が対向電極の両電極面から離間する。
このような絶縁スペーサであれば、絶縁スペーサを電極間に配置することで対向配置された電極同士の位置決めが同時に行われるので、電極の組み立て工程が簡便となる。
また、各脚部が電極面に平行な方向で互いに離間し、凸部の突出方向によって各脚部の一端が特定の電極面に当接されるとともに、他端の連結部が両電極面から離間されているので、絶縁スペーサによる沿面距離を十分に確保することが可能となる。
また、前記脚部は対向配置された電極の対向面に沿って並設される3つの脚部で構成されており、両側に配置される脚部と中央に配置される脚部では、前記凸部の突出方向が反対で、かつ、当接される電極面が異なっていることが望ましい。
両側の脚部に設けられた凸部が配置される電極面を上側にして床や台車等に配置した後、当該電極面に絶縁スペーサを取り付けていく場合、電極に取り付けられた絶縁スペーサそのものが自立する構成となるので、電極の組み立て工程がより簡便となる。
上述した絶縁スペーサを備えた電極体としては、前記連結部が前記電極の対向領域の外側に配置される構成を採用しても良い。
連結部を対向配置された電極の対向領域の外側に配置しておけば、絶縁スペーサの連結部をつかんで電極体の持ち運びが可能となる。
荷電粒子源の構成としては、上述した電極体を有するものであれば良い。電極位置決め用の絶縁スペーサを電極間に設けることで、装置運転中に各電極に熱変形が生じたとしても、各電極間に位置決め用の部材がない構成に比べて、各電極に形成された荷電粒子ビームを引き出すためのビーム引出孔のズレを抑制することが可能となるので、荷電粒子源の稼働が長時間にわたって安定する。
より具体的な荷電粒子源の構成については次の構成が考えられる。荷電粒子ビームの引出方向に沿って並設された3枚以上の電極を用いて、内部で生成されたプラズマから荷電粒子ビームの引出を行う荷電粒子源で、前記プラズマ側から数えて1枚目の電極には冷媒流路が形成されているとともに、当該電極を除く他の電極が上述した電極体で構成されている。
プラズマ近くに配置される電極の温度は高温となるので、電極の熱変形を抑制するために冷媒流路を設けておく。この場合、冷媒流路が設けられた電極については、荷電粒子源への組み付けにあたって、冷媒流路の接続作業が必要となるので、他の電極とは別に荷電粒子源の本体側へ組み付けておく。
残りの電極については、上述した電極体としてユニット化しておき、ユニット化された電極体をプラズマ近くに配置される電極に対して組み付けるようにすると、荷電粒子源の組み立て工程が簡便となる。
さらに、上述した荷電粒子源の構成に次の構成を加えても良い。前記電極のプラズマ側の電極面を第一の面とし、その反対側の電極面を第二の面とすると、前記電極体を構成する電極の最もプラズマ側から離れた電極の第二の面を支持する支持枠と、前記支持枠に連結されて、前記電極体を構成する最もプラズマ側に配置される電極の第一の面を支持する連結部材を備え、前記支持枠と前記連結部材で前記電極体が挟持される。
このような構成であれば、電極体を両側から強固に挟持することができ、荷電粒子源の運転途中での電極体の分解を確実に防ぐことができる。
また、荷電粒子ビーム照射装置の構成としては、上述した荷電粒子源を備えたものが使用される。
絶縁スペーサを電極間に配置することで対向配置された電極同士の位置決めを同時に行うことができるので、電極の組み立て工程が簡便となる。
また、各脚部が電極面に平行な方向で互いに離間し、凸部の突出方向によって各脚部の一端を特定の電極面に当接させるとともに、他端の連結部を両電極面から離間させているので、絶縁スペーサによる十分に長い沿面距離を確保することが可能となる。
本発明に係る荷電粒子源の一構成例を示す断面図である。 図1記載の矢印A方向から接地電極表面を視たときの平面図である。 図2記載のX−X線での断面図である。 本発明に係る絶縁スペーサの一構成例を示す斜視図である。 本発明に係る絶縁スペーサの別の構成例を示す斜視図である。 本発明に係る絶縁スペーサのさらに別の構成例を示す斜視図である。 本発明に係る絶縁スペーサの他の構成例を示す斜視図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明に係る荷電粒子源の一構成例を示す断面図である。プラズマ生成室1内に生成されるプラズマから所定電位に設定された加速電極3、引出電極4、抑制電極5、接地電極6を通して、イオンビームあるいは電子ビームの引き出しが行われる。
最もプラズマ側に配置される加速電極3は高温に熱せられることから冷媒流路2が設けられている。この冷媒流路2は加速電極3の表面にロウ付けされるか、加速電極3の内部に形成される等して、加速電極3の熱変形を抑制するために設けられている。
本実施形態において、引出電極4と抑制電極5の間、抑制電極5と接地電極6の間には各電極を電気的に絶縁する為の絶縁スペーサSが設けられている。この絶縁スペーサSは、例えば、エンジニアリングプラスチックであるPEEKやベスペル(登録商標)、セラミックス等で構成され、各電極は熱に強いパイロリィテックカーボンやタングステン、モリブデンで構成されている。
本発明では、電極間に絶縁スペーサSを設けた複数枚の電極から構成される電極の集合体のことを電極体Eと呼んでいる。絶縁スペーサSの具体的な構成については後述するが、絶縁スペーサSには凸部が形成されており、この凸部が各電極のビーム引出孔あるいはビーム引出領域の外側にあたる支持枠に形成された貫通孔もしくは穴に挿入されることで、電極間の位置決めが行えるように構成されている。
加速電極3に冷媒流路2が設けられている場合、荷電粒子源ISの組み立てにあたって、冷媒流路2の接続作業が必要となる。この作業では外部から供給される冷媒の供給路と電極の冷媒流路2を接続し、冷媒が正常に流れているかどうかの確認が実施される。
上述した作業が必要となるので、荷電粒子源の組み立て作業効率を考慮して、図1の構成では先に加速電極3を荷電粒子源ISの本体側に組み付けておき、その後で加速電極3に対して残りの電極で構成される電極体Eを組み付けることが想定されている。
一方、加速電極3に冷媒流路2を設けない場合、荷電粒子ビームの引き出しに使用される全ての電極を電極体Eとして構成しておき、この電極体を一挙に荷電粒子源の本体側に取り付けるようにしても良い。この場合、加速電極3と引出電極4の間には絶縁スペーサSが配置される。
絶縁スペーサSの凸部の径は、各電極に形成された凸部が収納される穴の径よりもコンマ数ミリ程度小さい。よって、電極体Eを構成する各電極はある程度強固に連結されるので、電極体Eとして持ち運びすることが可能となることから、電極体Eの荷電粒子源ISへの取付け作業が簡便となる。
また、絶縁スペーサSで隣り合う電極間の位置決めが可能となることから、荷電粒子源の運転中に各電極に熱変形が生じたとしても、各電極間に位置決め用の部材がない構成に比べて、各電極に形成された荷電粒子ビームを引出すためのビーム引出孔の位置ズレを抑制することが可能となる。これにより、荷電粒子源の運転中に電極体Eが熱変形しても、隣り合う電極間が絶縁スペーサSで連結されているので、少なくとも絶縁スペーサSが取り付けられた近傍では、電極体Eを構成する各電極に形成されたイオンビーム引出し孔の位置ズレを抑制することが可能となる。その結果、荷電粒子源を長時間にわたって安定稼働させることができる。
しかしながら、電極体Eを構成する各電極はボルトで完全に固定されていないので、荷電粒子源ISの運転中に電極体Eが分解されてしまうことが懸念される。このような課題への対応としては、次の構成を用いても良い。
各電極でプラズマ側の電極面(図1の矢印Aで示される側の電極面)を第一の面とし、その反対側の面(図1の矢印Bで示される側の電極面)を第二の面とする。
電極体Eを構成する電極の最もプラズマ側から離れた電極(接地電極6)の第二の面を支持する支持枠7を設けるとともに、ここに連結されて、電極体Eを構成する電極の最もプラズマ側に配置される電極(引出電極4)の第一の面を支持する連結部材8を設けておく。
このような構成を用いれば、荷電粒子ビームの引出し方向で支持枠7と連結部材8で電極体Eが強固に挟持されるので、荷電粒子源の運転中に電極体が分解されてしまうといった問題を確実に防止できる。
図1の実施形態で、加速電極3と残りの電極から構成される電極体Eの位置決めについては、位置決めピン等を用いて行われる。具体例を挙げて説明すると、電極体Eを成す各電極に貫通孔をあけておき、加速電極3の第二の面に窪みを設けておく。また、これらの貫通孔と窪みは各電極面内の少なくとも2箇所に設けておく。
その上で、電極体Eを構成する電極の貫通孔に位置決めピンを挿通し、これが加速電極3の窪みに当接した状態で、電極体Eが上述した支持枠7と連結部材8で挟持されるように構成する。
これにより、電極体Eが加速電極3に対して位置合わせされた状態で、電極体Eを荷電粒子源ISに組み付けることが可能となる。
図2は図1に記載の接地電極6を矢印A方向から視たときの平面図であり、加速電極3や他の電極は図示の簡略化のため、省略している。また、図3は図2に記載のX−X線の断面図で、図3には絶縁スペーサSを構成する脚部Sa〜Scの電極間での位置関係がわかるように抑制電極5も描いている。なお、図3に図示される連結部Cは、対向配置される抑制電極5と接地電極6の外側に配置されていて、対向電極間に配置される各脚部Sa〜Scとは紙面奥側で異なる位置に配置されている。
図2に見られるように、各電極は多孔電極で構成されていて、電極表面にはRで示されるビーム引出領域とその外側のビームが引き出されない支持枠の領域が存在している。この実施形態では絶縁スペーサSの各脚部に設けられる凸部Pが支持枠の領域に配置されているが、これをビーム引出領域に配置するようにしても良い。
例えば、電極のビーム引出領域が広く、電極に熱による撓みが発生する場合には、ビーム引出領域で電極を支持するように絶縁スペーサSの各脚部に設けられる凸部Pをビーム引出領域に配置して電極の熱変形による撓みを緩和するようにしてもいい。ただし、この場合、電極から引き出されるビーム量の減少、ビーム均一性の低下等のデメリットが発生する。
絶縁スペーサSはSa〜Scの3つの脚部を備えている。各脚部は電極の対向面に沿って並設されていて、各脚部はその一端に相反方向のいずれか一方に突出した凸部Pを有している。具体的に言えば、両側に配置される脚部Sa、Scは図1の矢印A方向に凸部Pが突出していて、中央の脚部Sbは図1の矢印B方向に突出している。また、各脚部Sa〜Scは対向配置された電極のいずれか一方に当接するように構成されている。図3に見られるように、抑制電極5と接地電極6との間に配置される絶縁スペーサSでは、両側の脚部Sa、Scは接地電極6に当接し、中央の脚部Sbは抑制電極5に当接している。この際、各脚部Sa〜Scの凸部Pは、当接する電極に形成された凸部収納用の穴Hに収納される。図1に記載の引出電極4と抑制電極5の間に配置される絶縁スペーサSでも同じ構成が用いられる。
このような構成を用いれば、絶縁スペーサSを電極間に配置することで対向配置された電極同士の位置決めを同時に行うことができるので、電極の組み立て工程が簡便となる。
また、両側の脚部Sa、Scに設けられた凸部Pが配置される電極面を上側にして床や台車等に接地電極6を配置した後、当該電極面に絶縁スペーサSを取り付ける場合、接地電極6に取り付けられた絶縁スペーサSが自立する構成となるので、接地電極6上の絶縁スペーサSの上から抑制電極5を取り付けることがより簡便となる。
上述の例は、接地電極6、抑制電極5、引出電極4の順に各電極を組み立てることを前提にしたものであるが、電極の組立順序を逆にして、引出電極4、抑制電極5、接地電極6の順に各電極を組み立てる場合、絶縁スペーサSの各脚部Sa〜Scに設けられた凸部Pの突出方向と各脚部が当接する電極面は上述したものと反対の関係にすれば良い。
いずれの組み立て順序であっても、これに応じて絶縁スペーサSの構成を適宜変更すれば、電極に取り付けられた絶縁スペーサSが自立する構成となるので、電極の組み立て作業をより簡便に行うことが可能となる。
各脚部の他端は連結部Cで連結されている。この連結部Cは対向電極間に絶縁スペーサSが配置された際、両電極面から離間している。このような絶縁スペーサSであれば、絶縁スペーサSによる沿面距離を対向電極間の寸法よりも長くすることが可能となる。
図1〜3に示す実施形態では、連結部Cは電極対向面の外側に配置されている。このように連結部Cを電極の外側に配置することで、対向配置された電極間の寸法とは無関係に電極対向方向における連結部Cの寸法を設定することが可能となる。
また、連結部Cが対向配置された電極の外側に配置されているので、絶縁スペーサSの連結部Cをつかんで電極体を持ち運ぶことも可能となる。
図4〜図7には絶縁スペーサSの種々の構成が描かれている。以下、これらの図をもとに絶縁スペーサSの構成についてより詳細に説明する。
図4はこれまでの実施形態で説明した絶縁スペーサSの斜視図で、各脚部Sa〜Scは一端に凸部Pを有し、他端で連結部Cに連結されている。ここで、絶縁スペーサSの一端とは、図でハッチングされている連結部Cを除く部位を指す。また、図のY方向は電極の対向方向で、Z方向はY方向と直交する電極対向面の広がり方向を指す。後述する他の図においてもY方向、Z方向の関係は同様である。
図4の構成では、連結部Cは図2に描かれているように電極対向領域の外側に配置される。換言すると、連結部Cは対向配置された電極の両電極面から離間して、電極が対向している領域から外側にはみ出した場所に配置されていると言える。また、Z方向に沿って脚部Sa〜Scが離間していて、脚部Saと脚部Scが図の下方で図示されない電極面に当接し、脚部Sbが図の上方で図示されない別の電極面に当接する。
この構成であれば、これまでに説明したように絶縁スペーサSによる沿面距離を十分に長くすることが可能となる。
図4の構成で電極間の寸法を短くする場合、図5の構成が用いられる。図4の構成との違いは、Y方向における各脚部の位置関係が異なっている。具体的に言えば、図5の構成では、図示されるZ方向から絶縁スペーサSを視たとき、中央の脚部Sbと両側の脚部Sa、Scが図示されるWの幅をもって重なるように、Y方向における中央の脚部Sbの位置が図4の構成から変更されている。
本発明の絶縁スペーサSは、各脚部がZ方向で互いに離間しているので、Y方向における各脚部の位置関係を変更したとしても各脚部は物理的に干渉しない。このような構成を用いることで、電極間の寸法が短くなった場合でも、絶縁スペーサSによる沿面距離を十分に長く保つことが可能となる。
これまでの実施形態では絶縁スペーサSは3つの脚部を有する構成であったが、脚部の本数はこれに限られず、複数本の脚部を有するものであれば良い。例えば、絶縁スペーサSは図6に示す2つの脚部Sd、Seを有する構成であっても良い。
図6の絶縁スペーサSは、2つの脚部Sd、Seを有している。各脚部Sd、SeはY方向において図示されない異なる電極面に当接するとともに、一端に凸部Pを有し、他端で連結部Cにより連結されている。
図6の絶縁スペーサSの構成では、電極に絶縁スペーサSを取り付けたとき、絶縁スペーサSの姿勢が不安定となる。電極の組み立てに係る作業性を考慮するなら、図6の構成に代えて図4、図5の構成を採用する方が良い。
これまでの実施形態では、絶縁スペーサSの各脚部Sa〜Seの一端は、その全体が電極面に沿って延設される構成であったが、一部分がこのような構成をしていれば良く、他の部分では電極面と交差する方向に延設されていても良い。つまり、各脚部Sa〜Seの一端は、電極面に沿って真っ直ぐに延びた構成でなくてもよい。例えば、連結部C側の各脚部の一部分を電極が対向している方向(Y方向)に向けて折り曲げておき、残りの部分を電極面と平行な構成にして電極面と当接させるようにしてもよい。
荷電粒子ビームを引き出す電極の枚数は、2枚以上であればよく、上述した実施形態で述べた4枚の構成に限られない。
また、連結部Cを対向電極の内側(電極が対向している領域)に配置する場合には、図4の構成を変形し、図7の構成を採用することが考えられる。図7の構成と図4の構成との違いは、連結部Cの構成にある。図7では電極間寸法W1(対向する電極の一方の電極面に当接する脚部Sbの端面から他方の電極面に当接する脚部Sa、Scの端面までの距離)よりも、電極が対向する方向であるY方向における連結部Cの寸法W2を小さくしておき、連結部Cを対向電極の両電極面から離間させておく。
このような構成を用いれば、絶縁スペーサSを対向電極の内側に配置した場合でも、電極の組み立て工程の簡便化と絶縁スペーサによる十分に長い沿面距離を確保することが可能となる。
また、荷電粒子源の構成としては、プラズマから荷電粒子ビームを引き出す構成ではなく、カソードから放出がされた電子を電子ビームとして引き出すような荷電粒子源であっても良い。
さらに、荷電粒子源の構成としては、高周波型、バーナス型、フリーマン型、バケット型等の従来から知られている種々の構成を用いても良い。
これまでの実施形態では、絶縁スペーサSの各脚部に設けられる凸部Pの数は1つであったが、脚部ごとに同じ方向に突出した凸部Pを複数設ける構成であっても良い。
また、各脚部で凸部Pの数を異ならせるようにしても良い。さらに、各脚部の形状に制限はなく、同形状の脚部にしてもいいし、それぞれの脚部の形状が異なっていても良い。
本発明の絶縁スペーサSを備えた荷電粒子源が搭載される荷電粒子ビーム照射装置としては、イオン注入装置、イオンミリング装置、電子線照射装置等、荷電粒子源から引き出された荷電粒子ビームをターゲットに照射して、ターゲットの加工、分析等を行う種々の装置が考えられる。
さらに、対向電極面は必ずしも図1に記載される断面直線状の平面構造に限られない。例えば、断面形状が湾曲しているような構造であっても良い。引き出される荷電粒子ビームの特性や電極面の熱膨張等を考慮して、種々の構造が用いられる。また、電極のビーム引出領域に形成されるビーム引出孔は多孔に限らず、多数のスリットや単一の孔、単一のスリットで構成されても良い。
前述した以外に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
Sa〜Se 脚部
C 連結部
P 凸部
S 絶縁スペーサ
E 電極体
IS 荷電粒子源

Claims (7)

  1. 対向配置された電位の異なる電極間に配置される絶縁スペーサであって、
    電極面に平行な方向で互いに離間した少なくとも2つの脚部と、
    前記脚部の一端に設けられた凸部と、
    前記脚部の他端で各脚部を連結する連結部を具備し、各脚部に設けられた前記凸部は相反する方向のいずれか一方に向けて突出していて、前記凸部の突出方向によって各脚部が対向電極の異なる電極面に当接するとともに、前記連結部が対向電極の両電極面から離間する絶縁スペーサ。
  2. 前記脚部は対向配置された電極の対向面に沿って並設される3つの脚部で構成されており、両側に配置される脚部と中央に配置される脚部では、前記凸部の突出方向が反対で、かつ、当接される電極面が異なっている請求項1記載の絶縁スペーサ。
  3. 前記連結部が前記電極の対向領域の外側に配置される請求項1または2に記載の絶縁スペーサを備えた電極体。
  4. 請求項3に記載の電極体を有する荷電粒子源。
  5. 荷電粒子ビームの引出方向に沿って並設された3枚以上の電極を用いて、内部で生成されたプラズマから荷電粒子ビームの引出を行う荷電粒子源で、
    前記プラズマ側から数えて1枚目の電極には冷媒流路が形成されているとともに、当該電極を除く他の電極が請求項3記載の電極体で構成される荷電粒子源。
  6. 前記電極のプラズマ側の電極面を第一の面とし、その反対側の電極面を第二の面とすると、
    前記電極体を構成する電極の最もプラズマ側から離れた電極の第二の面を支持する支持枠と、
    前記支持枠に連結されて、前記電極体を構成する最もプラズマ側に配置される電極の第一の面を支持する連結部材を備え、
    前記支持枠と前記連結部材で前記電極体が挟持される請求項5記載の荷電粒子源。
  7. 請求項4乃至6のいずれか一項に記載の荷電粒子源を備えた荷電粒子ビーム照射装置。
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