JP6330370B2 - 圧電振動デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器に用いられる水晶振動子等の圧電振動デバイスの製造方法に関する。
近年、各種電子機器の動作周波数の高周波化や、パッケージの小型化(特に低背化)が進んでいる。そのため、高周波化やパッケージの小型化にともなって、圧電振動デバイスも高周波化やパッケージの小型化への対応が求められている。
この種の圧電振動デバイスでは、その筐体が直方体のパッケージで構成されている。このパッケージは、ガラスなどからなる第1封止部材および第2封止部材と、水晶からなり両主面に励振電極が形成された圧電振動板とから構成され、第1封止部材と第2封止部材とが圧電振動板を介して積層して金属ろう材により接合され、パッケージの内部に配された圧電振動板の励振電極が気密封止されている(例えば、下記する特許文献1ご参照)。以下、このような圧電振動デバイスの積層形態をサンドイッチ構造という。
特開2011−30198号公報
ところで、このようなサンドイッチ構造の圧電振動デバイスでは、封止部と励振電極の一部が同様の配線パターンで接続されているため、金属ろう材を加熱溶融して接合する際に、封止部から励振電極への金属ろう材が流入するのを防ぐ必要がある。封止部から励振電極へ金属ろう材が流れ出すと圧電振動デバイスの電気的な特性を阻害するだけでなく、封止部の金属ろう材が不足して接合強度が低下し、気密不良が生じる原因となる。
そこで、特許文献1に示す圧電振動デバイスでは、金属膜(本発明でいう封止パターン)と励振電極とを接続する導電路(本発明でいう引出電極)に酸化金属膜などからなる遮断膜(本発明でいう金属膜)を形成することで、金属ろう材の流入を抑えたものが開示されている。
しかしながら、特許文献1に示す圧電振動デバイスであっても、金属ろう材の流入を十分に抑えるには不十分であった。特に、金属ろう材として錫を含有したものを使用した場合、何らかの電極材料が存在する導電路上部に遮断膜を形成しても、励振電極へ錫が拡散することを抑えることは困難であった。このような錫の拡散現象により励振電極が浸食されると、いわゆるCI値と呼ばれる共振抵抗値などが劣化して、圧電振動デバイスとしての電気的特性の悪化を招いているのが現状である。
特に、小型化された圧電振動デバイスでは、励振電極が小さく、このような錫の拡散による影響も甚大なものとなるため、致命的な欠陥に繋がることがあった。また、圧電振動デバイスに金属ろう材を形成する際、電解めっきによる手法では封止部と励振部電極が電気的に接続されるため、封止部だけに金属ろう材を形成することはできない。印刷・無電解めっきによる手法では小型のものや発振器等の接続端子が多く電極パターンが複雑なものに対しては、難易度が高くコスト高になるという問題があった。
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、サンドイッチ構造の圧電振動デバイスにおいて、気密封止を保ちながら、励振電極への金属ろう材の流出を抑制するより信頼性の高い小型化に対応した安価な圧電振動デバイスを提供することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、振動部と当該振動部の周囲に封止部が一体形成した圧電振動板と、前記圧電振動板の両主面の封止部と金属ろう材を介して接合し気密封止する板状の一対の封止部材とからなる圧電振動デバイスの製造方法であって、前記圧電振動板の各主面には、前記振動部に励振電極と、前記封止部に封止パターンと、前記励振電極と接続されるとともに前記封止パターンに離隔部を介在して近接する引出電極とが形成され、前記各封止部材には、前記圧電振動板の封止パターンと離隔部と引出電極の先端部に重畳した封止側封止パターンが形成され、前記各封止部材の封止側封止パターンと前記圧電振動板の各主面の封止パターンと前記圧電振動板の各主面の引出電極の先端部のみを金属ろう材で加熱溶融接合され、前記各励振電極を前記各封止側封止パターンあるいは前記各封止パターンを介して外部へ各々導出する接続経路の一部を形成したことを特徴とする。
上記製造方法により、圧電振動板の両主面の各励振電極の引出電極の先端部から各封止パターンまでの接続経路には、電極が形成されない離隔部が介在しているため、圧電振動板側の接続経路では圧電振動板の封止パターンから引出電極のうちで溶融した金属ろう材が濡れない部分が形成される。他方で、これら圧電振動板の封止パターンと離隔部と引出電極の先端部に重畳する各封止部材側封止パターンが存在するので、各封止部材側の接続経路では封止部材側封止パターンに溶融した金属ろう材が濡れる。つまり、圧電振動板側の離隔部のところでは金属ろう材が濡れない状態を形成しつつ、封止部材側封止パターンのうち離隔部に対向する部分のみで金属ろう材が濡れる状態を形成するため、封止パターンと引出電極との間では金属ろう材の一部に表面張力が働く領域を形成することができる。結果として、金属ろう材のメニスカスにより、溶融した金属ろう材の封止パターンから引出電極への流れ出しを抑制させることができ、全体としての流れ出し量を減らすことができる有効な方法とすることができる。
また、最終的に金属ろう材で接合された後は、各封止部材の封止側封止パターンもしくは圧電振動板の両主面の封止パターンを活用して、圧電振動板の各励振電極を各々の外部端子へ導出する接続経路の一部を、小型化に対応した省スペースな状態で有効的に形成することができる。
また、前記圧電振動板と封止部材とは真空雰囲気中で加熱溶融接合されてもよい。この場合、真空雰囲気中では対流熱の影響がなくなり、圧電振動板や封止部材、および封止パターンや引出電極などの各構成部材を介した伝導熱のみが影響するようになり、圧電振動板と封止部材により構成される封止部の外側と内側では温度差が生じ、封止部の外側に位置する圧電振動板の封止パターンや封止部材の封止側封止パターンの温度の方が、封止部の内側に位置する励振電極や引出電極の温度より高くすることができる。結果として、金属ろう材は温度の高い方に流れる性質があるため、上述の作用効果に加え、溶融した金属ろう材の封止パターンから引出電極への流れ出しをより一層抑制させることができる。
また、前記圧電振動板の各主面の封止パターン面積は、前記圧電振動板の各主面の引出電極に励振電極を加えた面積より小さく形成してもよい。この場合、面積の大きい圧電振動板の励振電極と引出電極に比べて、面積の小さい圧電振動板の封止パターンの方の熱容量が小さくなり、熱容量の小さい圧電振動板の封止パターンや封止部材の封止側封止パターンの温度の方が、熱容量の大きい励振電極や引出電極の温度より高くすることができる。結果として、金属ろう材は温度の高い方に流れる性質があるため、上述の作用効果に加え、溶融した金属ろう材の封止パターンから引出電極への流れ出しをより一層抑制させることができる。
また、前記金属ろう材は、前記圧電振動板の封止パターンの最上層のみに形成された錫を含有する合金膜を電解めっきにより形成してもよい。この場合、上述の作用効果に加え、封止パターンから離隔した引出電極が存在しているので、低融点の錫を含有する合金膜を電解めっきにより安価で小型化され複雑化された電極パターンであっても容易に圧電振動板の封止パターンだけに金属ろう材を形成することができる。加えて、励振電極に上記合金膜が形成されて電気的特性に悪影響を与えることも一切ない。また、圧電振動板の両主面に形成された封止パターンだけに上記合金膜を電解めっき形成することで、一度のめっき加工だけで封止用の上記合金膜が一括で形成することができる。また、錫を含有する低融点の合金膜とすることで、圧電振動デバイスに熱的な悪影響を与えることが抑制できる。
また、上記製造方法により、圧電振動板の両主面の各励振電極の引出電極の先端部から各封止パターンまでの接続経路には、電極が形成されない離隔部が介在しており、封止パターンの最上層のみに錫を含有する合金膜のめっきを形成している。このため、圧電振動板の封止パターンから直接溶融した金属ろう材が引出電極の方へ流れ出すことができず、対面する封止部のうち前記圧電振動板の引出電極の先端部に重畳した封止側封止パターン部分を介することでのみ溶融した金属ろう材が引出電極の方へ流れ出すことができる。従って、金属ろう材の接合が完了するまでに、溶融した金属ろう材の流れ出しを遅延させながら抑制することができ、その流れ出し量も抑制することができる。
サンドイッチ構造の圧電振動デバイスにおいて、気密封止を保ちながら、励振電極への金属ろう材の流出を抑制するより信頼性の高い小型化に対応した安価な圧電振動デバイスの製造方法を提供することができる。
図1は、本実施の形態にかかる水晶振動子の各構成を示した概略構成図である。 図2は、本実施の形態にかかる水晶振動子の第1封止部材の概略平面図である。 図3は、本実施の形態にかかる水晶振動子の第1封止部材の概略裏面図である。 図4は、本実施の形態にかかる水晶振動子の水晶振動板の概略平面図である。 図5は、本実施の形態にかかる水晶振動子の水晶振動板の概略裏面図である。 図6は、本実施の形態にかかる水晶振動子の第2封止部材の概略平面図である。 図7は、本実施の形態にかかる水晶振動子の第2封止部材の概略裏面図である。 図8は、図2〜図7の構成部材を組み立てた状態でのA−A線に沿った断面図である。 図9は、本実施の他の形態にかかる水晶振動子の水晶振動板の概略平面図である。 図10は、本実施の他の形態にかかる水晶振動子の水晶振動板の概略裏面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態では、圧電振動を行う圧電振動デバイスとして表面実装型水晶振動子に本発明を適用した場合を示す。
本実施の形態にかかる水晶振動子101では、図1に示すように、水晶振動板2(本発明でいう圧電振動板)と、水晶振動板2の第1励振電極221(図4参照)を覆い、水晶振動板2の一主面211に形成された第1励振電極221を気密封止する第1封止部材3と、この水晶振動板2の他主面212に、水晶振動板2の第2励振電極222(図5参照)を覆い、第1励振電極221と対になって形成された第2励振電極222を気密封止する第2封止部材4が設けられている。
この水晶振動子101では、水晶振動板2と第1封止部材3とが接合され、水晶振動板2と第2封止部材4とが接合されてサンドイッチ構造のパッケージ12が構成される。そして、水晶振動板2を介して第1封止部材3と第2封止部材4とが接合されることで、パッケージ12の内部空間13が形成され、このパッケージ12の内部空間13に、水晶振動板2の両主面211,212に形成された第1励振電極221および第2励振電極222を含む振動部23が気密封止されている。なお、内部空間13は、図1に示すようにパッケージ12の平面視一端側(平面視左側)に偏って位置する。
本実施の形態にかかる水晶振動子101は、1.0×0.8mmのパッケージサイズであり、小型化と低背化とを図ったものである。また、小型化に伴い、本パッケージ12では、キャスタレーションを形成せずに、貫通孔(第1貫通孔261,第2貫通孔441,第3貫通孔442参照)を用いて電極の導通を図っている。
次に、上記した水晶振動子101の各構成について図1〜8を用いて説明する。なお、ここでは、水晶振動板2と第1封止部材3と第2封止部材4が接合されていない夫々単体として構成されている各部材について説明を行う。
水晶振動板2は、図4,5に示すように、圧電材料である水晶からなる。
また、水晶振動板2の両主面211,212(一主面211,他主面212)に一対の(対となる)励振電極(第1励振電極221,第2励振電極222)が形成されている。そして、両主面211,212には、一対の第1励振電極221,第2励振電極222を囲うように2つの切り欠き部24(貫通形状)が形成されて振動部23が構成されている。
この水晶振動板2では、両主面211,212の振動部23に沿った外方に、振動部23を囲むように第1封止部材3と第2封止部材4とを接合するための振動側封止部25(枠部)が枠部26の上部にそれぞれ設けられている。振動側封止部25は、図4,5に示すように両主面211,212の平面視左側に偏って位置する。
切り欠き部24は、平面視凹形状体241(1つの平面視長方形の両端から2つの長方形夫々が、長方形の長手方向に対して直角方向に延出して成形された3つの平面視長方形からなる平面視体)と、平面視長方形状体242とからなり、平面視凹形状体241と平面視長方形状体242との間が、前記振動部23と振動側封止部25が形成される枠部26とを連結するブリッジ部271,272となっている。
水晶振動板2の一主面211の枠部26のうち振動側封止部25には、第1封止部材3に接合するための振動側第1接合パターン251(第1封止パターン)が形成され、水晶振動板2の他主面212の枠部26のうち振動側封止部25には、第2封止部材4に接合するための振動側第2接合パターン252(第2封止パターン)が形成される。
内部空間13は、振動側第1接合パターン251および振動側第2接合パターン252の内方(内側)に形成されることになる。
これらの電極パターンに関して、第1励振電極221からブリッジ部271に近接する位置に引き出された第1引出電極223と、振動側第1接合パターン251のうち前記ブリッジ部271に近接する部分(振動子側接合パターン251のうち第1引出電極223の先端部2231と近接する部分)では、振動側第1接合パターン251の一部の幅が狭い第1幅狭部2513が形成され、第1幅狭部2513に隣接して第1離隔部2514と第1引出電極223の先端部2231が形成される。なお、第1離隔部2514と第1引出電極223の先端部2231については、ブリッジ部271のうち枠部26寄りの位置に形成することが望ましい。このように構成することで、流れ出した金属ろう材による振動部23への悪影響がより一層軽減される。
また、第2励振電極222から前記ブリッジ部272に近接する位置に引き出された第2引出電極224と、振動側第2接合パターン252のうちブリッジ部272に近接する部分(振動子側接合パターン252のうち第2引出電極224の先端部2241と近接する部分)では、振動側第2接合パターン252の一部の幅が狭い第2幅狭部2523が形成され、第2幅狭部2523に隣接して第2離隔部2524と第2引出電極224の先端部2241が形成される。なお、第2離隔部2524と第2引出電極224の先端部2241については、ブリッジ部272のうち枠部26寄りの位置に形成することが望ましい。このように構成することで、流れ出した金属ろう材による振動部23への悪影響がより一層軽減される。
以上の電極パターン構成により、水晶振動板2の一主面211の振動側第1接合パターン251と第1励振電極221とは、第1幅狭部2513と第1引出電極223の先端部2231との間の第1離隔部2514以外の箇所で導通経路が形成され、水晶振動板2の他主面212の振動側第2接合パターン252と第2励振電極222とは、第2幅狭部2523と第2引出電極224の先端部2241との間の第2離隔部2524以外の箇所で導通経路が形成される。
なお、第1離隔部2514における導通遮断部分は、水晶振動板2の振動側第1接合パターン251と第1引出電極223の先端部2231と後述する第1封止部材3の封止側第1接合パターン321とを後述する金属ろう材からなる接合材11を介して真空雰囲気中で加熱溶融接合し、水晶振動板2と第1封止部材3とを貼り合わせて封止することで、振動子側第1接合パターン251と封止側第1接合パターン321を介して導通される。
第2離隔部2524における導通遮断部分は、水晶振動板2の振動側第2接合パターン252と第2引出電極224の先端部2241と後述する第2封止部材4の封止側第2接合パターン421とを後述する金属ろう材からなる接合材11を介して真空雰囲気中で加熱溶融接合し、水晶振動板2と第2封止部材4とを貼り合わせて封止することで、振動子側第2接合パターン252と封止側第2接合パターン421を介して導通される。
以上により、第1励振電極221から振動側第1接合パターン251までの導通経路および第2励振電極222から振動側第2接合パターン252までの導通経路が確保される。最終的には、振動側第1接合パターン251および振動側第2接合パターン252は、第2封止部材4の圧電振動板とは面しない他主面側412に形成された外部回路基板と接合される外部電極端子(一外部電極端子431,他外部電極端子432)に電気的に接続されている。
振動側第1接合パターン251は、一主面211上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜2511と、下地PVD膜2511上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜2512とからなり、同様に、振動側第2接合パターン252は、他主面212上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜2521と、下地PVD膜2521上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜2522とからなる。つまり、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252とは、同一構成からなり、複数の層が両主面211,212の振動側封止部25上に積層して構成され、その最下層側からCr層とAu層とが蒸着形成されている。このように、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252とでは、下地PVD膜2511,2521が単一の材料(Cr)からなり、電極PVD膜2512,2522が単一の材料(Au)からなり、下地PVD膜2511,2521よりも電極PVD膜2512,2522の方が厚い。
また、水晶振動板2の一主面211に形成された第1励振電極221、第1引出電極223、振動側第1接合パターン251は同一厚みを有し、第1励振電極221、第1引出電極223、振動側第1接合パターン251との表面(主面)が同一金属の振動子用第1PVD膜群からなる。水晶振動板2の他主面212に形成された第2励振電極222、第2引出電極224、振動側第2接合パターン252は同一厚みを有し、第2励振電極222、第2引出電極224、振動側第2接合パターン252との表面(主面)が同一金属の振動子用第2PVD膜群からなる。
また、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252は、非Snパターンである。
また、水晶振動板2の一主面211に形成された振動側第1接合パターン251の面積は、水晶振動板2の一主面211に形成された第1励振電極221に第1引出電極223を加えた面積より小さく、水晶振動板2の他主面212に形成された振動側第2接合パターン252の面積は、水晶振動板2の他主面212に形成された第2励振電極222に第2引出電極224を加えた面積より小さい。
また、水晶振動板2には、図4,5に示すように、第1貫通孔261が形成され、第1貫通孔261を介して、第1励振電極221に繋がった振動側第1接合パターン251が他主面212側に引き出されている。第1貫通孔261は、内部空間13の外方に配され、図4に示すように両主面211,212の平面視他端側(平面視右側)に偏って位置し、第1貫通孔261は内部空間13の内方に形成されない。ここでいう内部空間13の内方とは、接合材11上を含まずに厳密に接合材11の内周面の内側のことをいう。
第1封止部材3には、曲げ剛性(断面二次モーメント×ヤング率)が1000[N・mm2]以下の材料が用いられている。具体的には、第1封止部材3は、図2,3に示すように、1枚のガラスウエハから形成された直方体の基板であり、この第1封止部材3の他主面312(水晶振動板2に接合する面)は平坦平滑面として成形されている。
この第1封止部材3の他主面312には、水晶振動板2に接合するための封止側第1封止部32が設けられている。封止側第1封止部32は、図3に示すように第1封止部材3の他主面312の平面視左側に偏って位置する。
第1封止部材3の封止側第1封止部32に、水晶振動板2に接合するための封止側第1接合パターン321が形成されている。封止側第1接合パターン321は、第1封止部材3の封止側第1封止部32上の全ての位置において同一幅とされ、水晶振動板の振動側第1接合パターン251と第1離隔部2514と第1引出電極223の先端部2231に重畳するように形成されている。
この封止側第1接合パターン321は、第1封止部材3上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜3211と、下地PVD膜3211上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜3212とからなる。なお、本実施の形態では、下地PVD膜3211には、Cr用いられ、電極PVD膜3212にはAuが用いられている。また、封止側第1接合パターン321は、非Snパターンである。具体的には、封止側第1接合パターン321は、複数の層が他主面312の封止側第1封止部32上に積層して構成され、その最下層側からCr層とAu層とが蒸着形成されている。
第2封止部材4には、曲げ剛性(断面二次モーメント×ヤング率)が1000[N・mm2]以下の材料が用いられている。具体的には、第2封止部材4は、図6に示すように、1枚のガラスウエハから形成された直方体の基板であり、この第2封止部材4の一主面411(水晶振動板2に接合する面)は平坦平滑面として成形されている。この第2封止部材4の一主面411には、水晶振動板2に接合するための封止側第2封止部42が設けられている。封止側第2封止部42は、図6に示すように第2封止部材4の一主面411の平面視左側に偏って位置する。
また、第2封止部材4の他主面412(水晶振動板2に面しない外方の主面)には、外部に電気的に接続する一対の外部電極端子(一外部電極端子431,他外部電極端子432)が設けられている。一外部電極端子431は、振動側第1接合パターン251を介して第1励振電極221に電気的に直接接続され、他外部電極端子432は、振動側第2接合パターン252を介して第2励振電極222に電気的に直接接続される。
一外部電極端子431,他外部電極端子432は、図7に示すように第2封止部材4の他主面412の平面視長手方向両端にそれぞれ位置する。これら一対の外部電極端子(一外部電極端子431,他外部電極端子432)は、他主面412上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜4311,4321と、下地PVD膜4311,4321上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜4312,4322とからなる。
また、上記の振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252と封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421との各下地PVD膜2511,2521,3211,4211の厚みに対して、外部電極端子(一外部電極端子431,他外部電極端子432)の下地PVD膜4311,4321の厚みが厚い。また、一外部電極端子431および他外部電極端子432は、第2封止部材4の他主面412のうち1/3以上の領域をそれぞれ占めている。
また、第2封止部材4の封止側第2封止部42に、水晶振動板2に接合するための封止側第2接合パターン421が形成されている。封止側第2接合パターン421は、第2封止部材4の封止側第2封止部42上の全ての位置において同一幅とされ、水晶振動板の振動側第2接合パターン252と第2離隔部2524と第2引出電極224の先端部2241に重畳するように形成されている。
この封止側第2接合パターン421は、第2封止部材4上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜4211と、下地PVD膜4211上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜4212とからなる。なお、本実施の形態では、下地PVD膜4211には、Crが用いられ、電極PVD膜4212にはAuが用いられている。また、封止側第2接合パターン421は、非Snパターンである。具体的には、封止側第2接合パターン421は、複数の層が他主面412の封止側第2封止部42上に積層して構成され、その最下層側からCr層とAu層とが物理的気相成長法(蒸着やスパッタリング等)により形成されている。
また、第2封止部材4には、図1,6,7に示すように、2つの貫通孔(第2貫通孔441と第3貫通孔442)が形成されている。第2貫通孔441および第3貫通孔442は、内部空間13の外方に配され、図6,7に示すように第2貫通孔441は両主面(一主面411,他主面412)の平面視右側に偏って位置し、第3貫通孔442は、平面視左上側に位置し、第2貫通孔441および第3貫通孔442は、内部空間13の内方に形成されない。ここでいう内部空間13の内方とは、接合材11上を含まずに厳密に接合材11の内周面の内側のことをいう。そして、水晶振動板2の第1貫通孔261と第2貫通孔441を介して、水晶振動板2の第1励振電極221に繋がった振動側第1接合パターン251と他外部電極端子432とが導通される。第2貫通孔441および封止側第2接合パターン421を介して、水晶振動板2の第2励振電極222に繋がった振動側第2接合パターン252が、他外部電極端子432に導通される。
本実施の形態では、上述の金錫などの金属ろう材からなる接合材11については、図4,図5に示すように、水晶振動板2の振動子側封止パターン251,252(封止部)の最上層のみに対して、金錫合金膜Mを電解めっきすることにより予め形成している。この構成では、振動側第1接合パターン251から第1離隔部2514を介して第1引出電極223の先端部2231が形成され、振動側第2接合パターン252から第2離隔部2524を介して第2引出電極224の先端部2241が形成されるので、電解めっきによる手法で金錫合金膜を形成しても、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252だけに金錫合金膜(金属ろう材)を形成することができ、第1励振電極221と第2励振電極222に金錫合金膜が形成されて電気的特性に悪影響を与えることも一切ない。
また、水晶振動板2の両主面の振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252だけに金錫合金膜を電解めっき形成することで、一度のめっき加工だけで封止用の上記金錫合金膜が一括で形成することができる。
また、水晶振動板2の振動子側封止パターン251,252(封止部)から直接溶融した金錫合金膜M(金属ろう材)が引出電極223,224の方へ流れ出すことができず、対面する封止側接合パターン321,421(封止部)のうち引出電極の先端部2231,2241と重畳する部分だけを介することでのみ溶融した金錫合金膜M(金属ろう材)が引出電極の方へ流れ出すことができる。従って、金錫合金膜M(金属ろう材)の接合が完了するまでに、溶融した金錫合金膜M(金属ろう材)の流れ出しを遅延させながら抑制することができ、その流れ出し量も抑制することができる。
但し、本実施形態に限らず、第1封止部材3の封止側第1接合パターン321と第2封止部材4の封止側第2接合パターン421のみ、あるいは水晶振動板2の振動子側封止パターン251,252(封止部)と組み合わせて、それらの最上層に対して、金錫合金膜を電解めっきしてもよい。
本実施の形態による水晶振動子101は、フォトリソ技術とエッチング技術などにより水晶振動板の外形形状(振動部23と封止部としての枠部26等)と各種電極やパターンを形成し、同様に封止部材(第1封止部材3と第2封止部材4)の外形形状と各種電極やパターンを形成している。
その後、各種封止パターンのうち必要な部分のみにめっき技術などで錫を含有する合金膜(金錫などの金属ろう材からなる接合材11)を形成している。このようなものは、複数の水晶振動板が一体形成されたウェハ状態のものと、各種封止部材(第1封止部材3と第2封止部材4)が一体形成されたウェハの状態のものを用いて構成される。
その後、上述のようなウェハ状態の水晶振動板2とウェハ状態の第1封止部材3とが振動側第1接合パターン251および封止側第1接合パターン321を重ね合わせられた状態で積層され、ウェハ状態の水晶振動板2とウェハ状態の第2封止部材4とが振動側第2接合パターン252および封止側第2接合パターン421を重ね合わせられた状態で積層され、ウェハ状態で積層された第1封止部材3と水晶振動板2と第2封止部材4の構造物を、真空雰囲気中において一体的に加熱溶融接合される。
その後、ウェハ状態で積層され接合された構造物を複数のパッケージ(水晶振動子101)として個片化することで、図1に示すサンドイッチ構造のパッケージ12(水晶振動子101)が製造される。
以上、本実施の形態により、水晶振動板2の両主面(一主面211,他主面212)の各励振電極の引出電極の先端部(第1引出電極の先端部2231と第2引出電極の先端部2241)から各封止パターン(振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252)までの接続経路には、電極が形成されない離隔部(第1離隔部2514と第2離隔部2524)が介在している。
このため、水晶振動板側の接続経路では水晶振動板2の封止パターン(振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252)から引出電極の先端部(第1引出電極の先端部2231と第2引出電極の先端部2241)のうちで溶融した金属ろう材(封止材11)が濡れない部分が形成される。他方で、これら水晶振動板2の封止パターン(振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252)と離隔部2514,2524と引出電極の先端部(第1引出電極の先端部2231と第2引出電極の先端部2241)に重畳する各封止側封止パターン(封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421)が存在するので、各封止部材側の接続経路では封止側封止パターン(封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421)を経由して、溶融した金属ろう材(封止材11)が濡れる。つまり、水晶振動板2の離隔部2514,2524のところでは金属ろう材(封止材11)が濡れない状態を形成しつつ、封止側封止パターン(封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421)のうち離隔部2514,2524に対向する部分のみで金属ろう材(封止材11)が濡れる状態を形成するため、封止パターン(振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252)と引出電極の先端部(第1引出電極の先端部2231と第2引出電極の先端部2241)との間では金属ろう材(封止材11)の一部に表面張力が働く領域(メニスカス11M(図8参照))を構成することができる。
結果として、金属ろう材のメニスカス11Mにより、溶融した金属ろう材の封止パターン(振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252)から引出電極(第1引出電極223と第2引出電極224)への流れ出しを抑制させることができ、全体として金属ろう材の流れ出し量を減らすことができる有効な構成とすることができる。
また、上述の作用効果に加え、本形態では真空雰囲気中で加熱溶融接合しているので、水晶振動板2と封止部材3,4により構成される封止部の外側と内側では温度差が生じさせ、封止部の外側に位置する振動子側封止パターン251,252や封止側接合パターン321,421の温度の方が、封止部の内側に位置する励振電極221,222や引出電極223,224の温度より高くすることができる。結果として、金属ろう材は温度の高い方に流れる性質があるため、溶融した金属ろう材の封止パターンから引出電極への流れ出しをより一層抑制させることができる。
また、上述の作用効果に加え、本形態では水晶振動板2の各主面に形成された振動側接合パターン251,252の面積は、水晶振動板2の各主面に形成された励振電極221,222に引出電極223,224を加えた面積より小さく形成しているので、面積の大きい励振電極221,222と引出電極223,224に比べて、面積の小さい振動側接合パターン251,252の方の熱容量が小さくなり、熱容量の小さい振動子側封止パターン251,252や封止側接合パターン321,421の温度の方が、熱容量の大きい励振電極221,222や引出電極223,224の温度より高くすることができる。結果として、金属ろう材は温度の高い方に流れる性質があるため、溶融した金属ろう材の封止パターンから引出電極への流れ出しをより一層抑制させることができる。この効果は上述の真空雰囲気中で加熱溶融接合と組み合わせることでさらに高まる。
また、最終的に金錫ろう材(封止材11)で接合された後は、各封止部材(第1封止部材3と第2封止部材4)の封止側封止パターン(封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421)もしくは水晶振動板2の両主面の各封止パターン(振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252)を活用して、水晶振動板2の各励振電極(第1励振電極221と第2励振電極222)を各々の外部電極端子(一外部電極端子431,他外部電極端子432)へ導出する接続経路の一部が、小型化に対応した省スペースな状態で有効的に形成することができる。
また、製造工程において、金錫ろう材(封止材11)の加熱溶融接合を行う前までは、第1引出電極223,第2引出電極224と、振動側第1接合パターン251,振動側第2接合パターン252とが電気接続されないことになる。その結果、振動検査を行う検査工程において励振電極(第1励振電極221、第2励振電極222)のみを対象とした様々な検査を行うことができ、振動検査の自由度が増す。
また、ここで製造されたパッケージ12では、図1〜7に示すように、内部空間13が平面視左側に偏って位置する。また、第1封止部材3に形成された封止側第1接合パターン321と、第2封止部材4に形成された封止側第2接合パターン421とは、平面視において重畳しない。具体的には、封止側第1接合パターン321内における平面視領域が、封止側第2接合パターン421内における平面視領域より広い。
なお、本実施の形態では、封止側第1接合パターン321内における平面視領域が、封止側第2接合パターン421内における平面視領域より広いが、これに限定されるものでなく、封止側第2接合パターン421内における平面視領域が、封止側第1接合パターン321内における平面視領域より広くてもよい。しかしながら、第2封止部材に、一外部電極端子431,他外部電極端子432を形成しているため、封止側第1接合パターン321内における平面視領域が、封止側第2接合パターン421内における平面視領域より広く、配線パターンの引き回し(導通経路の確保)が容易になり、さらに配線パターンの引き回し領域(導通確保領域)を多くとることが可能となる。
また、水晶振動板2に形成された振動側第1接合パターン251および振動側第2接合パターン252に比べて、第1封止部材3に形成された封止側第1接合パターン321、および第2封止部材4に形成された封止側第2接合パターン421は、幅が広い。
また、第2封止部材4において内部空間13の外方に配された貫通孔(第2貫通孔441,第3貫通孔442)が形成されるので、第2貫通孔441,第3貫通孔442の影響が内部空間13に及ぶことなく、第2貫通孔441,第3貫通孔442が内部空間13の内方に配された構成に比べて、第2貫通孔441,第3貫通孔442が原因となる気密不良を避けることができる。
また、本実施の形態と異なり、貫通孔を内部空間内に配置した場合、内部空間の気密を確保する必要があり、内部空間内の貫通孔を金属等により埋める工程が必要となる。これに対して、本実施の形態によれば、貫通孔(第2貫通孔441,第3貫通孔442)が内部空間13の外方に形成されるので、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252と封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421とのパターン形成と同じ工程で配線パターンの引き回しができ、製造コストを抑えることができる。
また、内部空間13は、平面視一端側(本実施の形態では平面視左側)に偏って位置するので、平面視他端側(本実施の形態では平面視右側)に貫通孔(第2貫通孔441)や電極パターンを形成し易くなり、内部空間13に配された第1励振電極221および第2励振電極222に影響が及ぶ電極パターンの形成を容易にすることができる。さらに、内部空間13の気密封止に影響が及ぶ貫通孔(第2貫通孔441,第3貫通孔442)の配置を容易にすることもできる。
また、第1封止部材3に、全ての位置において同一幅とされた封止側第1接合パターン321が形成され、第2封止部材4に、全ての位置において同一幅とされた封止側第2接合パターン421が形成され、第2封止部材4に、内部空間13の外方に配された貫通孔(第2貫通孔441,第3貫通孔442)が形成されるので、パターンの幅が異なることによってパターンの幅の広い方に接合材11が流れるのを抑制することができ、その結果、水晶振動板2への第1封止部材3および第2封止部材4の接合状態を安定させることができる。
さらに、第2封止部材4において内部空間13の外方に配された貫通孔(第2貫通孔441,第3貫通孔442)が形成されるので、貫通孔(第2貫通孔441,第3貫通孔442)の影響が内部空間13に及ぶことなく、貫通孔(第2貫通孔441,第3貫通孔442)が内部空間13の内方に配された構成に比べて、貫通孔(第2貫通孔441,第3貫通孔442)が原因となる気密不良を避けることができる。
なお、本実施の形態では、第1封止部材3および第2封止部材4にガラスを用いているが、これに限定されるものではなく、水晶など他の脆性材料であってもよい。
また、本実施の形態では、圧電振動板に水晶を用いているが、これに限定されるものではなく、圧電材料であれば他の材料であってもよく、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等であってもよい。
また、本実施の形態では、接合材11として、金錫の金属ろう材を用いているが、これに限定されるものではなく、他の材料も含有された錫系合金の金属ろう材から構成してもよい。このような金属ろう材では、低融点とすることができるため、圧電振動デバイスに対して熱的な悪影響を極力抑えることができる。
また、本実施の形態では、引出電極の先端部(第1引出電極の先端部2231と第2引出電極の先端部2241)と封止パターン(振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252)との間に電極が形成されない離隔部(第1離隔部2514と第2離隔部2524)のみが介在している構成について説明した。この構成に限らず、図9,10に示すように、引出電極の一部に分断部(第1分断部255と第2分断部256)を形成し、当該分断部の上部には、引出電極の上端部の一部を接続する金錫などの金属ろう材からなる封止材11との濡れ性が低いCrなどの金属膜(第1金属膜257と第2金属膜258)を形成する金属膜による封止材の流れ防止構成を組み合わせてもよい。
この構成では、仮に、引出電極の先端部(第1引出電極の先端部2231と第2引出電極の先端部2241)から金錫などの金属ろう材(封止材11)が流れ出したとしても、Crなどの金属膜(第1金属膜257と第2金属膜258)により確実にせき止めることができる。具体的には、各分断部(第1分断部255と第2分断部256)により電極が形成されず、その上部のCrなどの金属膜(第1金属膜257と第2金属膜258)以外には接続経路が存在しないため、励振電極の引出電極(第1引出電極223と第2引出電極224)の方へ金錫などの金属ろう材(封止材11)が流れ出すことがなくなるだけでなく、金錫などの金属ろう材(封止材11)の錫成分が励振電極の引出電極(第1引出電極223と第2引出電極224)の方へ拡散することも一切なくなる。
なお、上述の金属膜による封止材の流れ防止構成に限らず、引出電極(223,224)の一部の領域だけを濡れ性が低いCr単層の下地電極のみとして構成することで、その下地電極の露出部分を封止材11の流れ防止部分としてもよい。また、金錫などの金属ろう材との濡れ性が低い金属膜としては、Crに限らずTiなどでもよく、特に錫の拡散を防止するのに好ましい材料であれば、他の材料であってもよい。
また、本実施の形態では、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252と封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421に、CrとAuが含まれているが、これに限定されるものではなく、Cu(Cu単体かCu合金)が含まれてもよい。この場合、Cu(Cu単体かCu合金)が含まれた場合、製造時(接合時、加圧などの外力が発生することによる衝撃時など)や使用時(落下などの外力が発生することによる衝撃時、はんだ実装時など)の応力緩和に寄与することができる。つまり、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252と封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421にCuが含まれることにより機械的強度が向上する。
また、下地PVD膜2511,2521,3211,4211にCrを用いた場合、Crが電極PVD膜2512,2522,3212,4212に拡散するのを、Cuを下地PVD膜2511,2521,3211,4211に含むことで抑制することができる。その結果、Crを用いた層を厚くしても、Crが電極PVD膜2512,2522,3212,4212に拡散するのを抑制することができ、Crを用いた層を厚くすることができて製造ばらつきを抑えることができる。実際に、Crの層を0.2μmとしてもCrが電極PVD膜2512,2522,3212,4212に拡散するのを抑制することができる。
この構成では、Crが電極表面に拡散することで金錫などの金属ろう材からなる接合材11の濡れ性が悪くなることがない。封止部(振動子側封止パターンと封止部側封止パターン等)を構成する電極表面にCrが拡散すると、当該封止部における接合材の濡れ性が悪くなり接合材の塗布状態にむらができるため、結果として封止部を接合材で接合して気密封止した後に、その気密封止性に悪影響を及ぼすことがある。本構成ではこのような不具合が生じことがない。
また、本実施の形態では、第2封止部材4が1枚のガラスウエハから成形された直方体の基板であるが、これに限定されるものではなく、ガラスウエハから成形された2つの直方体であってもよい。この場合、1つの直方体の基板に、封止側第2接合パターン421と第3貫通孔442と他外部電極端子432とを形成し、この基板により気密封止を行い、もう一方の直方体の基板に、第2貫通孔441と一外部電極端子431を形成する構成となる。
本構成によれば、一対の外部電極端子(一外部電極端子431,他外部電極端子432)を完全に分離させることができ、短絡を防ぐことができる。また、ガラスウエハではなく、金属材料により2つの直方体の第2封止部材4を成形した場合、さらに第3貫通孔442を形成する必要もなく、貫通孔の数を少なくして小型化に寄与できる。
上記実施形態では、圧電振動デバイスとして、表面実装型水晶振動子を例にしているが、水晶フィルタ、水晶発振器など他の圧電振動デバイスにも適用でき、表面実装型のものの限るものでもない。
なお、本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、圧電振動板の基板の材料に水晶を用いた水晶振動デバイスに好適である。
101 水晶振動子
11 接合材
12 パッケージ
13 内部空間
2 水晶振動板
211 一主面
212 他主面
213 導通路
221 第1励振電極
222 第2励振電極
223 第1引出電極
224 第2引出電極
23 振動部
24 切り欠き部
241 平面視凹形状体
242 平面視長方形状体
25 振動側封止部
251 振動側第1接合パターン
2511 下地PVD膜
2512 電極PVD膜
252 振動側第2接合パターン
2521 下地PVD膜
2522 電極PVD膜
261 第1貫通孔
3 第1封止部材
311 一主面
312 他主面
32 封止側第1封止部
321 封止側第1接合パターン
3211 下地PVD膜
3212 電極PVD膜
4 第2封止部材
411 一主面
412 他主面
42 封止側第2封止部
421 封止側第2接合パターン
4211 下地PVD膜
4212 電極PVD膜
431 一外部電極端子
4311 下地PVD膜
4312 電極PVD膜
432 他外部電極端子
4321 下地PVD膜
4322 電極PVD膜
441 第2貫通孔
442 第3貫通孔

Claims (4)

  1. 振動部と当該振動部の周囲に封止部が一体形成した圧電振動板と、
    前記圧電振動板の両主面の封止部と金属ろう材を介して接合し気密封止する板状の一対の封止部材とからなる圧電振動デバイスの製造方法であって、
    前記圧電振動板の各主面には、前記振動部に励振電極と、
    前記封止部に封止パターンと、
    前記励振電極と接続されるとともに前記封止パターンに離隔部を介在して近接する引出電極とが形成され、
    前記各封止部材には、前記圧電振動板の封止パターンと離隔部と引出電極の先端部に重畳した封止側封止パターンが形成され、
    前記各封止部材の封止側封止パターンと前記圧電振動板の各主面の封止パターンと前記圧電振動板の各主面の引出電極の先端部のみを金属ろう材で加熱溶融接合され、前記各励振電極を前記各封止側封止パターンあるいは前記各封止パターンを介して外部へ各々導出する接続経路の一部を形成したことを特徴とする
    圧電振動デバイスの製造方法
  2. 前記圧電振動板と封止部材とは真空雰囲気中で加熱溶融接合されたことを特徴とする
    特許請求項1記載の圧電振動デバイスの製造方法
  3. 前記圧電振動板の各主面の封止パターン面積は、前記圧電振動板の各主面の引出電極に励振電極を加えた面積より小さく形成したことを特徴とする
    特許請求項1、または特許請求項2記載の圧電振動デバイスの製造方法
  4. 前記金属ろう材は、前記圧電振動板の封止パターンの最上層のみに形成された錫を含有する合金膜を電解めっきにより形成したことを特徴とする
    特許請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の圧電振動デバイスの製造方法
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