以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態では、圧電振動を行う圧電振動デバイスとして水晶振動子に本発明を適用した場合を示す。
−水晶振動子−
本実施の形態にかかる水晶振動子101は、回路基板61に電気的に接続され、回路基板61における発振の基となるものであり、図1に示すように、水晶振動板2(本発明でいう圧電振動板)と、水晶振動板2の第1励振電極221(図4参照)を覆い、水晶振動板2の一主面211に形成された第1励振電極221を気密封止する第1封止部材3と、この水晶振動板2の他主面212に、水晶振動板2の第2励振電極222(図5参照)を覆い、第1励振電極221と対になって形成された第2励振電極222を気密封止する第2封止部材4が設けられている。
この水晶振動子101では、水晶振動板2と第1封止部材3とが接合され、水晶振動板2と第2封止部材4とが接合されてサンドイッチ構造のパッケージ12が構成される。そして、水晶振動板2を介して第1封止部材3と第2封止部材4とが接合されることで、パッケージ12の内部空間13が形成され、このパッケージ12の内部空間13に、水晶振動板2の両主面211、212に形成された第1励振電極221及び第2励振電極222を含む振動部23が気密封止されている。なお、内部空間13は、図1に示すようにパッケージ12の平面視一端側(平面視左側)に偏って位置する。このサンドイッチ構造のパッケージ12にファンクション部7が設けられて、機能拡張型の水晶振動子101となる。
本実施の形態にかかる水晶振動子101は、1.0×0.8mmのパッケージサイズであり、小型化と低背化とを図ったものである。また、小型化に伴い、本パッケージ12では、キャスタレーションを形成せずに、貫通孔(第1貫通孔261、第2貫通孔441、第3貫通孔442参照)を用いて電極の導通を図っている。
次に、上記した水晶振動子101の各構成について図1〜7を用いて説明する。なお、ここでは、水晶振動子101の構成部材が接合されていないそれぞれ単体として構成されている各部材について説明を行う。
水晶振動板2は、図4、5に示すように、圧電材料である水晶の基板からなり、その両主面(一主面211、他主面212)が平坦平滑面(鏡面加工)として成形されている。
また、水晶振動板2の両主面211、212(一主面211、他主面212)に一対の(対となる)励振電極(第1励振電極221、第2励振電極222)が夫々形成されている。そして、両主面211、212には、一対の第1励振電極221、第2励振電極222を平面視(図4、5参照)で囲うように2つの切り欠き部24(貫通形状)が形成されて振動部23が構成されている。切り欠き部24は、平面視凹形状体241(1つの平面視長方形の両端から2つの長方形がそれぞれ直角方向に延出して成形された3つの平面視長方形からなる平面視体)と、平面視長方形状体242となり、平面視凹形状体241と平面視長方形状体242との間が、第1励振電極221及び第2励振電極222を、ファンクション部7の外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722;下記参照)に引き出すための引出電極(第1引出電極223、第2引出電極224)が配される導通路213となっている。電極パターンに関して、一対の第1励振電極221、第2励振電極222夫々から引き出された第1引出電極223、第2引出電極224は、振動側第1接合パターン251、振動側第2接合パターン252を介して、第2封止部材4に形成された接続端子(一接続端子431、他接続端子432)に電気的に接続される。そして、接続端子(一接続端子431、他接続端子432)は、ファンクション部7に形成された外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722)に電気的に接続される。
この水晶振動板2では、両主面211、212の振動部23に沿った外方に、振動部23を囲むように第1封止部材3と第2封止部材4とを接合するための振動側封止部25がそれぞれ設けられている。振動側封止部25は、図4、5に示すように両主面211、212の平面視左側に偏って位置する。
この水晶振動板2の一主面211の振動側封止部25に、第1封止部材3に接合するための振動側第1接合パターン251が形成され、第1励振電極221は振動側第1接合パターン251に繋がる。また、水晶振動板2の他主面212の振動側封止部25に、第2封止部材4に接合するための振動側第2接合パターン252が形成され、第2励振電極222は振動側第2接合パターン252に繋がる。内部空間13は、振動側第1接合パターン251および振動側第2接合パターン252の内方(内側)に形成されることになる。
水晶振動板2の一主面211には、第1封止部材3に接合するための振動側第1接合パターン251が形成され、振動側第1接合パターン251は、一主面211上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜2511と、下地PVD膜2511上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜2512とからなる。また、水晶振動板2の他主面212には、第2封止部材4に接合するための振動側第2接合パターン252が形成され、振動側第2接合パターン252は、他主面212上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜2521と、下地PVD膜2521上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜2522とからなる。なお、物理的気相成長させて形成した膜によれば、湿式メッキの電解メッキや無電解メッキと異なり、表面粗さが無く気密性を確保することができ、また、表面粗さが無く拡散接合を行うことができる。
上記の通り、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252とは、同一構成からなり、複数の層が両主面211、212の振動側封止部25上に積層して構成され、その最下層側からTi層(もしくはCr層)とAu層とが蒸着形成されている。このように、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252とでは、下地PVD膜2511、2521が単一の材料(Ti(もしくはCr))からなり、電極PVD膜2512、2522が単一の材料(Au)からなり、下地PVD膜2511、2521よりも電極PVD膜2512、2522の方が厚い。また、水晶振動板2の一主面211に形成された第1励振電極221と振動側第1接合パターン251とは同一厚みを有し、第1励振電極221と振動側第1接合パターン251との表面(主面)が同一金属からなり、水晶振動板2の他主面212に形成された第2励振電極222と振動側第2接合パターン252とは同一厚みを有し、第2励振電極222と振動側第2接合パターン252との表面(主面)が同一金属からなる。また、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252は、非Snパターンである。なお、同一主面上において同一金属で同一厚みの構成であって、振動側第1、2接合パターン251、252と振動側(第1励振電極221、第2励振電極222)とを比較した場合、最上層(少なくとも露出している面)の金属(電極PVD膜2512、2522等)が同一であれば、その下地金属(下地PVD膜2511、2521)の種類や厚みが異なっても接合を行うことは可能である。また、振動側第1接合パターン251及び封止側第2接合パターン421では、それぞれ電極PVD膜2512、2522が平面視うろこ状体の表面となる。ここでいううろこ状体とは、活性化されて微視的に個片状体となった金属が畳敷のように重ね合わされて、平面視において隙間が無い(もしくは殆どない)形態のことをいう。
また、水晶振動板2には、図4、5に示すように、第1貫通孔261が形成され、第1貫通孔261を介して、第1励振電極221に繋がった振動側第1接合パターン251が他主面212側に引き出されている。第1貫通孔261は、内部空間13の外方に配され、図4に示すように両主面211、212の平面視他端側(平面視右側)に偏って位置し、第1貫通孔261は内部空間13の内方に形成されない。ここでいう内部空間13の内方とは、接合材11上を含まずに厳密に接合材11の内周面の内側のことをいう。
第1封止部材3には、曲げ剛性(断面二次モーメント×ヤング率)が1000[N・mm2]以下の材料が用いられている。具体的には、第1封止部材3は、図2、3に示すように、1枚のガラスウエハから形成された直方体の基板であり、この第1封止部材3の他主面312(水晶振動板2に接合する面)は平坦平滑面(鏡面加工)として成形されている。
この第1封止部材3の他主面312には、水晶振動板2に接合するための封止側第1封止部32が設けられている。封止側第1封止部32は、図3に示すように第1封止部材3の他主面312の平面視左側に偏って位置する。
第1封止部材3の封止側第1封止部32に、水晶振動板2に接合するための封止側第1接合パターン321が形成されている。封止側第1接合パターン321は、第1封止部材3の封止側第1封止部32上の全ての位置において同一幅とされる。
この封止側第1接合パターン321は、第1封止部材3上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜3211と、下地PVD膜3211上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜3212とからなる。なお、本実施の形態では、下地PVD膜3211には、Ti(もしくはCr)が用いられ、電極PVD膜3212にはAuが用いられている。また、封止側第1接合パターン321は、非Snパターンである。具体的には、封止側第1接合パターン321は、複数の層が他主面312の封止側第1封止部32上に積層して構成され、その最下層側からTi層(もしくはCr層)とAu層とが蒸着形成されている。また、封止側第1接合パターン321では、電極PVD膜3212が平面視うろこ状体の表面となる。
第2封止部材4には、曲げ剛性(断面二次モーメント×ヤング率)が1000[N・mm2]以下の材料が用いられている。具体的には、第2封止部材4は、図6に示すように、1枚のガラスウエハから形成された直方体の基板であり、この第2封止部材4の一主面411(水晶振動板2に接合する面)は平坦平滑面(鏡面加工)として成形されている。
この第2封止部材4の一主面411には、水晶振動板2に接合するための封止側第2封止部42が設けられている。封止側第2封止部42は、図6に示すように第2封止部材4の一主面411の平面視左側に偏って位置する。
また、第2封止部材4の他主面412(水晶振動板2に面しない外方の主面)には、ファンクション部(図8参照)に電気的に接続可能な一対の接続端子(一接続端子431、他接続端子432)が形成されている。なお、ファンクション部7には、下記の通り、回路基板61に直接合する外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722)が形成されている。
一接続端子431は、振動側第1接合パターン251を介して第1励振電極221に電気的に直接接続され、他接続端子432は、振動側第2接合パターン252を介して第2励振電極222に電気的に直接接続される。図7に示すように一接続端子431は、第2封止部材4の他主面412の平面視長手方向一端側の一部に配置され、他接続端子432は、多端側の角部に配置されている。なお、ファンクション部7を後述するインダクタンス部74とする場合は、図13に示すように一接続端子431を平面視長手方向の短辺に沿って配置されている。これら一対の接続端子(一接続端子431、他接続端子432)は、他主面412上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜4311、4321と、下地PVD膜4311、4321上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜4312、4322とからなる。また、接続端子(一接続端子431、他接続端子432)の下地PVD膜4311、4321は、上記の振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252と封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421との各下地PVD膜2511、2521、3211、4211に対して同様の厚みを有する。
また、第2封止部材4の封止側第2封止部42に、水晶振動板2に接合するための封止側第2接合パターン421が形成されている。封止側第2接合パターン421は、第2封止部材4の封止側第2封止部42上の全ての位置において同一幅とされる。
この封止側第2接合パターン421は、第2封止部材4上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜4211と、下地PVD膜4211上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜4212とからなる。なお、本実施の形態では、下地PVD膜4211には、Ti(もしくはCr)が用いられ、電極PVD膜4212にはAuが用いられている。また、封止側第2接合パターン421は、非Snパターンである。具体的には、封止側第2接合パターン421は、複数の層が他主面412の封止側第2封止部42上に積層して構成され、その最下層側からTi層(もしくはCr層)とAu層とが蒸着形成されている。また、封止側第2接合パターン421では、電極PVD膜4212が平面視うろこ状体の表面となる。
また、第2封止部材4には、図1、6、7に示すように、2つの貫通孔(第2貫通孔441と第3貫通孔442)が形成されている。第2貫通孔441及び第3貫通孔442は、内部空間13の外方に配され、図6、7に示すように第2貫通孔441は両主面(一主面411、他主面412)の平面視右側に偏って位置し、第3貫通孔442は、平面視左上側に位置し、第2貫通孔441及び第3貫通孔442は、内部空間13の内方に形成されない。ここでいう内部空間13の内方とは、接合材11上を含まずに厳密に接合材11の内周面の内側のことをいう。そして、水晶振動板2の第1貫通孔261と第2貫通孔441を介して、水晶振動板2の第1励振電極221に繋がった振動側第1接合パターン251と一接続端子431とが導通される。第2貫通孔441および封止側第2接合パターン421を介して、水晶振動板2の第2励振電極222に繋がった振動側第2接合パターン252が、他接続端子432に導通される。
上記構成からなる水晶振動子101では、従来の技術のような別途接着剤などの接合専用材を用いずに、水晶振動板2と第1封止部材3とが振動側第1接合パターン251及び封止側第1接合パターン321を重ね合わせた状態で拡散接合され、水晶振動板2と第2封止部材4とが振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421を重ね合わせた状態で拡散接合されて、サンドイッチ構造のパッケージ12が製造される。このサンドイッチ構造のパッケージ12は、流通可能な形態となっている。なお、振動側第1接合パターン251及び封止側第1接合パターン321自身が拡散接合後に生成される接合材11となり、振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421自身が拡散接合後に生成される接合材11となる。本実施の形態では、拡散接合を常温で行っている。ここでいう常温は、5度〜35度のことをいう。この常温拡散接合により下記効果(ガスの発生抑制と接合良好)を有するが、これは共晶半田の融点である183度よりも低い値であって好適な例である。しかしながら、常温拡散接合だけが下記効果を有するものではなく、常温以上230度未満の温度下で拡散接合されていればよい。特に、200度以上230度未満の温度下において拡散接合することで、Pbフリー半田の融点である230度未満であり、さらにAuの再結晶温度(200度)以上となるので、接合部分の不安定領域を安定化できる。また本実施の形態ではAu−Snといった接合専用材を使用していないため、メッキガス、バインダーガス、金属ガス等のガスの発生がない。よってAuの再結晶温度以上にすることができる。
また、ここで製造されたパッケージ12では、上記の通り、拡散接合により封止側第1接合パターン321と振動側第1接合パターン251とが接合され、封止側第2接合パターン421と振動側第2接合パターン252とが接合されているが、この接合以外に、封止側第1接合パターン321と振動側第1接合パターン251とが加圧拡散接合され、封止側第2接合パターン421と振動側第2接合パターン252とが加圧拡散接合されてもよい。この場合、加圧することで接合箇所を確保し易くなり(接合面積を実質的に増やすことができ)、高温加熱を用いずに拡散接合のみによる接合をさらに良好に行うことができる。
また、ここで製造されたパッケージ12では、第1封止部材3と水晶振動板2とは、1.00μm以下のギャップを有し、第2封止部材4と水晶振動板2とは、1.00μm以下のギャップを有する。つまり、第1封止部材3と水晶振動板2との間の接合材11の厚みが、1.00μm以下であり、第2封止部材4と水晶振動板2との間の接合材11の厚みが、1.00μm以下(具体的には、本実施の形態のAu−Au接合では0.15μm〜1.00μm)である。なお、比較として、Snを用いた従来の金属ペースト封止材では、5μm〜20μmとなる。
また、ここで製造されたパッケージ12では、図1〜7に示すように、内部空間13が平面視左側に偏って位置する。また、第1封止部材3に形成された封止側第1接合パターン321と、第2封止部材4に形成された封止側第2接合パターン421とは、平面視において重畳しない。具体的には、封止側第1接合パターン321内における平面視領域が、封止側第2接合パターン421内における平面視領域より広い。なお、本実施の形態では、封止側第1接合パターン321内における平面視領域が、封止側第2接合パターン421内における平面視領域より広いが、これに限定されるものでなく、封止側第2接合パターン421内における平面視領域が、封止側第1接合パターン321内における平面視領域より広くてもよい。しかしながら、第2封止部材4に、一接続端子431、他接続端子432を形成しているため、封止側第1接合パターン321内における平面視領域が、封止側第2接合パターン421内における平面視領域より広く、配線パターンの引き回し(導通経路の確保)が容易になり、さらに配線パターンの引き回し領域(導通確保領域)を多くとることが可能となる。
また、水晶振動板2に形成された振動側第1接合パターン251及び振動側第2接合パターン252に比べて、第1封止部材3に形成された封止側第1接合パターン321、及び第2封止部材4に形成された封止側第2接合パターン421は、幅が広い。
本実施の形態では、上記の通り製造されたパッケージ12に対して、回路基板61に直接合する外部電極端子が形成されたファンクション部7(図8)が設けられて、様々な用途の水晶振動子101(機能拡張型の水晶振動子101)となる。具体的には、第2封止部材4とファンクション部7とが、接続端子(一接続端子431、他接続端子432)と内部電極端子(第1内部電極端子711、第2内部電極端子712)を重ね合わせた状態で拡散接合されて機能拡張型の水晶振動子101が製造される。そして、図1に示すように、機能拡張型の水晶振動子101が回路基板61に流動性導電接合材62を用いて直接合されるとともに電気的に接続される。なお、ここで製造された機能拡張型の水晶振動子101では、第2封止部材4とファンクション部7とは、1.00μm以下のギャップを有する(具体的には、本実施の形態のAu−Au接合では0.15μm〜1.00μm)。なお、比較として、Snを用いた従来の金属ペースト封止材では、5μm〜20μmとなる。
ファンクション部7の一主面701(振動部23に面する内方の主面)は、図8に示すように、第2封止部材4に形成された接続端子(一接続端子431、他接続端子432)に直接合し、第2封止部材4に電気的に接続する内部電極端子(第1内部電極端子711、第2内部電極端子712)と、後述する素子と電気的に接続する内部電極端子(第3内部電極端子713、第4内部電極端子714)が形成されている。第1内部電極端子711は、一接続端子431に電気的に直接接続され、第2内部電極端子712は、他接続端子432に電気的に直接接続されている。これら内部電極端子(第1内部電極端子711、第2内部電極端子712、第3内部電極端子713、第4内部電極端子714)は、一主面701上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜7111、7121、7131、7141と、下地PVD膜7111、7121、7131、7141上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜7112、7122、7132、7142とからなる。また、内部電極端子(第1内部電極端子711、第2内部電極端子712、第3内部電極端子713、第4内部電極端子714)の下地PVD膜7111、7121、7131、7141は、上記の振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252と封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421と接続端子(一接続端子431、他接続端子432)の各下地PVD膜2511、2521、3211、4211、4311、4321に対して同等の厚みを有する。
また、ファンクション部7の他主面702(振動部23に面しない外方の主面)には、図9に示すように、回路基板61に直接合するとともに電気的に接続される外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724)が形成されている。外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724)は、内部電極端子(第1内部電極端子711、第2内部電極端子712、第3内部電極端子713、第4内部電極端子714)にファンクション部用貫通孔703を介して電気的に直接接続されている。これら外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724)は、他主面702上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜7211、7221、7231、7241と、下地PVD膜7211、7221、7231、7241上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜7212、7222、7232、7242とからなる。また、上記の振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252と封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421と接続端子(一接続端子431、他接続端子432)の各下地PVD膜2511、2521、3211、4211、4311、4321の厚みに対して、外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724)の下地PVD膜7211、7221、7231、7241の厚みが厚い。
また、上記のパッケージ12における封止側第1接合パターン321と振動側第1接合パターン251とが拡散接合された接合パターンの厚みは、封止側第2接合パターン421と振動側第2接合パターン252とが拡散接合された接合パターンの厚みと同じで、外部と電気的に接続した外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724)の厚みと異なり、外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724)が他のパターンよりも厚い。
図8、9に示すファンクション部7は、温測素子部73が設けられたものである。ここでいう温測素子部73は、サーミスタやダイオード等が用いられる。温測素子部73は、第3内部電極端子713及び第4内部電極端子714を介して電気的に接続されている。このファンクション部7によれば、従前の小型の水晶振動子101では温測素子を設けることができなかったが、本構成によれば、小型化された水晶振動子101であっても温測素子を設けることができる。
なお、上記の通り、図8、9に示すファンクション部7は、温測素子部73が設けられたものであるが、ファンクション部7では、温測素子部73を設けたものに限定されるものではなく、任意の機能を備え、外部電極端子を形成していれば、ファンクション部7の形態は限定されない。例えば、図10〜12に示すようなファンクション部7であってもよい。なお、図10〜12に示すいずれのファンクション部であっても、外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724)は、内部電極端子(第1内部電極端子711、第2内部電極端子712、第3内部電極端子713、第4内部電極端子714)と電気的に直接接続されている。
図10に示すファンクション部7は、図8の温測素子部73に代えて、ヒータ素子を備えたヒータ部77が設けられたものである。図示例では、ヒータ部77は内部電極端子間を蛇行する形状としているが、この形状に限られず、一主面701の略全面にわたる方形形状であってもよい。
図11、12に示すファンクション部7には、衝撃吸収用のエポキシ基板が用いられている。この場合、車載搭載用圧電振動デバイスとして用いることができ、衝撃環境に厳しい条件であってもエポキシ基板が衝撃を吸収し、振動部23に衝撃の影響が及ばない。なお、図11、12に示すエポキシ基板に、図8に示す温測素子部73、図10に示すヒータ部77、後述する図14、15に示すインダクタンス部74を設けても良い。
図14、15に示すファンクション部7は、L素子のインダクタンス部74が設けられたものである。インダクタンス部74は、L素子用貫通孔741を用いて薄膜の導電パターンを基板に巻回したものである。このファンクション部7によれば、水晶振動子101の小型化に伴って低下する容量を増加させることが可能となる。
なお、ファンクション部7をインダクタンス部74とする場合は、他主面702に設けられたインダクタンス部74と回路基板61との接触を避けるため、図16、17に示すようにファンクション部7の下に、インダクタンス部74と回路基板61との接触を避けるファンクション部7を設けることが好ましい。つまり、ファンクション部7を積層させることが好ましい(図18参照)。
なお、上記の通り、図15、16に示すファンクション部7は、インダクタンス部74が設けられたものであるが、ファンクション部7では、インダクタンス部74を設けたものに限定されるものではなく、任意の機能を備え、外部電極端子を形成していれば、ファンクション部7の形態は限定されない。例えば、図8〜12に示すようなファンクション部7であってもよい。なお、図8〜12に示すいずれのファンクション部7であっても、外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724)は、内部電極端子(第1内部電極端子711、第2内部電極端子712、第3内部電極端子713、第4内部電極端子714)と電気的に直接接続されている。
上記したように、本実施の形態にかかる水晶振動子101によれば、接続端子(一接続端子431、他接続端子432)が第2封止部材4に形成されているので、インダクタンス部74(L素子)を備えた水晶振動子101や、温測素子部73(温測素子)を備えた水晶振動子101、ヒータ部77(ヒータ素子)を備えた水晶振動子101、車載用X’talの水晶振動子101等の様々な用途に対応することができる。
また、本実施の形態によれば、接続端子(一接続端子431、他接続端子432)に、流動性導電接合材62(Pbフリー半田や導電性接着剤等)を直に接合させることができない。これは、接続端子(一接続端子431、他接続端子432)の下地PVD膜4311、4321が物理的気相成長させて薄く形成したものであり、拡散接合に適しているが、高温加熱を必須要件とする接合(半田接合等)に適していないためである。そのため、本実施の形態では、外部部材となる回路基板61に流動性導電接合材62を介して、接続端子(一接続端子431、他接続端子432)を直接合させることはできない。
上記理由により、接続端子(一接続端子431、他接続端子432)に流動性導電接合材62を直に接合させることはないので、本実施の形態によれば、接続端子(一接続端子431、他接続端子432)が流動性導電接合材62に喰われることはない。そのため、接続端子(一接続端子431、他接続端子432)が流動性導電接合材62に喰われる量を考慮せずに接続端子(一接続端子431、他接続端子432)を薄く形成することができ、その結果、水晶振動子101の低背化を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、封止側第1接合パターン321と振動側第1接合パターン251とが拡散接合され、封止側第2接合パターン421と振動側第2接合パターン252とが拡散接合され、第2封止部材4において、水晶振動板2に面しない他主面412にファンクション部7に拡散接合するための接続端子(一接続端子431、他接続端子432)が形成されるので、高温加熱によって水晶振動板2と第1封止部材3と第2励振電極222とが接合されず、接合時の高温加熱によって接続端子(一接続端子431、他接続端子432)の劣化を引き起こさない。
また、ファンクション部7が第2封止部材4に拡散接合され、ファンクション部7に外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724)が形成されるので、水晶振動板2を回路基板61に搭載する際にファンクション部7を介在させることができ、その結果、回路基板61の材質と水晶振動子101の構成材質の熱膨張係数差によって不具合(例えば、接合はんだのクラック断線等)が起こるのを防止することができ、水晶振動子101の信頼性が極めて向上する。つまり、現在の回路基板61であるガラエポ基板に水晶振動子101を接合した場合であっても、回路基板61の材質と水晶振動子101の構成材質の熱膨張係数差によって生じる不具合(接合はんだのクラック断線などの問題)は発生しない。
また、本実施の形態によれば、水晶振動子101のパッケージの高さにバラつきが生じない。例えば、本実施の形態と異なり、封止部材(本実施の形態でいう第1封止部材3、第2封止部材4)と水晶振動板2とファンクション部7とのギャップが1μmより大きくなるSn接合材のような金属ペースト封止材を用いた場合、金属ペースト封止材をパターン(振動側第1接合パターン251、振動側第2接合パターン252、封止側第1接合パターン321、封止側第2接合パターン421)上に形成する際の高さにバラつきが生じる。また、接合後においても、形成されたパターン(振動側第1接合パターン251、振動側第2接合パターン252、封止側第1接合パターン321、封止側第2接合パターン421)の熱容量分布により均一なギャップ(本実施の形態でいう第1封止部材3と水晶振動板2とのギャップや、本実施の形態でいう第2封止部材4と水晶振動板2とのギャップ、本実施の形態でいう第2封止部材4とファンクション部7とのギャップ)にならない。そのため、例えば、従来の技術では、第1封止部材、第2封止部材、圧電振動板の3枚の部材が積層された構造の場合、これら3枚の部材間での各々ギャップに差が生じる。その結果、積層された3枚の部材は、平行を保てない状態で接合されてしまう。特に、この問題は低背化に伴い顕著になる。これに対して、本実施の形態では、ギャップの上限が1.00μmに設定されているため、パッケージ12においては第1封止部材3、第2封止部材4、水晶振動板2の3枚の部材(さらに、機能拡張型の水晶振動子101によれば、第1封止部材3、第2封止部材4、水晶振動板2、ファンクション部7の4枚又はそれ以上の部材)を平行に保った状態で積層して接合することができ、本実施の形態は低背化に対応できる。
なお、本実施の形態では、第1封止部材3及び第2封止部材4にガラスを用いているが、これに限定されるものではなく、水晶を用いてもよい。
また、本実施の形態では、第2封止部材4にファンクション部7を接合しているが、これに限定されるものではなく、第1封止部材3にファンクション部7を接合してもよい。
また、本実施の形態では、圧電振動板に水晶を用いているが、これに限定されるものではなく、圧電材料であれば他の材料であってもよく、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等であってもよい。
また、本実施の形態では、接合材11として、Ti(もしくはCr)とAuを用いているが、これに限定されるものではなく、接合材11を例えばNiとAuとから構成してもよい。
また、本実施の形態では、全ての貫通孔では、貫通孔の内壁面に導電膜が形成されているが、これに限定されるものではなく、貫通孔を導電材料によって埋めてもよい。
また、本実施の形態では、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252と封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421に、Ti(もしくはCr)とAuが含まれているが、これに限定されるものではなく、Cu(Cu単体かCu合金)が含まれてもよい。この場合、製造時(接合時、加圧などの外力が発生することによる衝撃時など)や使用時(落下などの外力が発生することによる衝撃時、はんだ実装時など)の応力緩和に寄与することができる。つまり、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252と封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421にCuが含まれることにより機械的強度が向上する。
また、下地PVD膜2511、2521、3211、4211にCrを用いた場合、Crが電極PVD膜2512、2522、3212、4212に拡散するのを、Cuを下地PVD膜2511、2521、3211、4211に含むことで抑制することができる。その結果、Crを用いた層を厚くしても、Crが電極PVD膜2512、2522、3212、4212に拡散するのを抑制することができ、Crを用いた層を厚くすることができて製造ばらつきを抑えることができる。実際に、Crの層を0.2μmとしてもCrが電極PVD膜2512、2522、3212、4212に拡散するのを抑制することができる。
また、本実施の形態では、第2封止部材4が1枚のガラスウエハから成形された直方体の基板であるが、これに限定されるものではなく、ガラスウエハから成形された2つの直方体であってもよい。この場合、1つの直方体の基板に、封止側第2接合パターン421と第3貫通孔442と他接続端子432とを形成し、この基板により気密封止を行い、もう一方の直方体の基板に、第2貫通孔441と一接続端子431を形成する構成となる。本構成によれば、一対の接続端子(一接続端子431、他接続端子432)を完全に分離させることができ、短絡を防ぐことができる。また、ガラスウエハではなく、金属材料により2つの直方体の第2封止部材4を成形した場合、さらに第3貫通孔442を形成する必要もなく、貫通孔の数を少なくして小型化に寄与できる。
また、本実施の形態では、図1〜7に示すような第1引出電極223、第2引出電極224を形成しているが、これに限定されるものではなく、第1引出電極223、第2引出電極224の任意の位置の最上層にCrを用い、さらに第1引出電極223、第2引出電極224と振動側第1接合パターン251、振動側第2接合パターン252との間に隙間があってもよい。特に、隙間は、振動側封止部25上に設けられることが好ましい。このような構成とすることで、製造工程において加熱溶融接合を行う前までは、第1引出電極223、第2引出電極224と、振動側第1接合パターン251、振動側第2接合パターン252とが電気接続されないことになる。その結果、振動検査を行う検査工程において励振電極(第1励振電極221、第2励振電極222)のみを対象とした様々な検査を行うことができ、振動検査の自由度が増す。
なお、図11、12に示すファンクション部7には、ガラエポ基板が用いられていてもよい。ガラエポ基板を用いる場合、ガラエポ基板上に形成された電極では、先の実施形態で説明した拡散接合が困難であるので、Auバンプによって電極が形成される。Auバンプによって電極が形成されると、ファンクション部7(ガラエポ基板)と回路基板61とのはんだ接合が可能となる。接合に用いられる実装はんだはガラエポ基板との熱膨張係数差が小さいので、実装時のはんだクラックの発生を抑制することができる。よって、信頼性が高い圧電振動デバイスとすることができるので、車載搭載用に用いることができる。なお、ガラエポ基板に、図8に示す温測素子部73や、図10に示すヒータ部77や、図14、15に示すインダクタンス部74を設けても良い。
また、本実施の形態では、圧電振動デバイスとして水晶振動子を用いているが、これに限定されるものではなく、下記のように水晶発振器(図19参照)であってもよい。以下、圧電振動を行う圧電振動デバイスとして水晶発振器に本発明を適用した場合を示す。なお、便宜上、上記の水晶振動子101と共通の構成について同一符号を付す。また、共通の構成によって生じる作用効果も図1に示す水晶振動子101と同様であり、以下の説明では省略する。
−水晶発振器−
本実施の形態にかかる水晶発振器102は、回路基板61に電気的に接続され、回路基板61における発振の基となるものであり、図19に示すように、水晶振動板2(本発明でいう圧電振動板)と、水晶振動板2の第1励振電極221(図22参照)を覆い、水晶振動板2の一主面211に形成された第1励振電極221を気密封止する第1封止部材3と、この水晶振動板2の他主面212に、水晶振動板2の第2励振電極222(図23参照)を覆い、第1励振電極221と対になって形成された第2励振電極222を気密封止する第2封止部材4と、第1封止部材に搭載された圧電振動素子以外の電子部品素子(本実施の形態ではIC5)と、が設けられている。
この水晶発振器102では、水晶振動板2と第1封止部材3とが接合され、水晶振動板2と第2封止部材4とが接合されてサンドイッチ構造のパッケージ12が構成される。そして、水晶振動板2を介して第1封止部材3と第2封止部材4とが接合されることで、パッケージ12の内部空間13が形成され、このパッケージ12の内部空間13に、水晶振動板2の両主面211、212に形成された第1励振電極221及び第2励振電極222を含む振動部23が気密封止されている。なお、内部空間13は、図19に示すようにパッケージ12の平面視一端側(平面視左側)に偏って位置する。このサンドイッチ構造のパッケージ12にファンクション部7が設けられて、機能拡張型の水晶発振器102となる。
本実施の形態にかかる水晶発振器102は、1.2×1.0mmのパッケージサイズであり、小型の低背化を図ったものである。また、小型化に伴い、本パッケージ12では、キャスタレーションを形成せずに、貫通孔(第4貫通孔262〜第18貫通孔446)を用いて電極の導通を図っている。
次に、上記した水晶発振器102の各構成について図19〜25を用いて説明する。なお、ここでは、水晶発振器102の構成部材が接合されていないそれぞれ単体として構成されている各部材について説明を行う。
水晶振動板2は、図22、23に示すように、圧電材料である水晶の基板からなり、その両主面(一主面211、他主面212)が平坦平滑面(鏡面加工)として成形されている。
また、水晶振動板2の両主面211、212(一主面211、他主面212)に一対の(対となる)励振電極(第1励振電極221、第2励振電極222)が夫々形成されている。そして、両主面211、212には、一対の第1励振電極221、第2励振電極222を囲うように2つの切り欠き部24(貫通形状)が形成されて振動部23が構成されている。切り欠き部24は、平面視凹形状体241(1つの平面視長方形の両端から2つの長方形夫々が、長方形の長手方向に対して直角方向に延出して成形された3つの平面視長方形からなる平面視体)と、平面視長方形状体242となり、平面視凹形状体241と平面視長方形状体242との間が、第1励振電極221及び第2励振電極222を、ファンクション部7の外部電極端子に引き出すための引出電極(第1引出電極223、第2引出電極224)が配される導通路213となっている。電極パターンに関して、一対の第1励振電極221、第2励振電極222夫々から引き出された第1引出電極223、第2引出電極224は、振動側第1接合パターン251及び振動側第2接合パターン252を介して、第1封止部材3に形成された電極パターン33に電気的に接続される。
この水晶振動板2では、両主面211、212の振動部23に沿った外方に、振動部23を囲むように第1封止部材3と第2封止部材4とを接合するための振動側封止部25がそれぞれ設けられている。振動側封止部25は、図22、23に示すように両主面211、212の平面視左側に偏って位置する。
この水晶振動板2の一主面211の振動側封止部25に、第1封止部材3に接合するための振動側第1接合パターン251が形成され、第1励振電極221は振動側第1接合パターン251に繋がる。振動側第1接合パターン251は、一主面211上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜2511と、下地PVD膜2511上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜2512とからなる。また、水晶振動板2の他主面212の振動側封止部25に、第2封止部材4に接合するための振動側第2接合パターン252が形成され、第2励振電極222は振動側第2接合パターン252に繋がる。振動側第2接合パターン252は、他主面212上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜2521と、下地PVD膜2521上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜2522とからなる。なお、物理的気相成長とは、乾式メッキの一つであり、湿式メッキの電解メッキや無電解メッキと異なり、表面粗さが無く気密性を確保することができ、また、表面粗さが無く拡散接合を行うことができる。内部空間13は、振動側第1接合パターン251および振動側第2接合パターン252の内方(内側)に形成されることになる。
上記の通り、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252とは、同一構成からなり、複数の層が両主面211、212の振動側封止部25上に積層して構成され、その最下層側からTi層(もしくはCr層)とAu層とが蒸着形成されている。このように、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252とでは、下地PVD膜2511、2521が単一の材料(Ti(もしくはCr))からなり、電極PVD膜2512、2522が単一の材料(Au)からなり、下地PVD膜2511、2521よりも電極PVD膜2512、2522の方が厚い。また、水晶振動板2の一主面211に形成された第1励振電極221と振動側第1接合パターン251とは同一厚みを有し、第1励振電極221と振動側第1接合パターン251との表面(主面)が同一金属からなり、水晶振動板2の他主面212に形成された第2励振電極222と振動側第2接合パターン252とは同一厚みを有し、第2励振電極222と振動側第2接合パターン252との表面(主面)が同一金属からなる。また、振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252は、非Snパターンである。なお、同一主面上において同一金属で同一厚みの構成であって、振動側第1、2接合パターン251、252と振動側(第1励振電極221、第2励振電極222)とを比較した場合、最上層(少なくとも露出している面)の金属(電極PVD膜2512、2522等)が同一であれば、その下地金属(下地PVD膜2511、2521)の種類や厚みが異なっても接合を行うことは可能である。また、振動側第1接合パターン251及び封止側第2接合パターン421では、それぞれ電極PVD膜2512、2522が平面視うろこ状体の表面となる。ここでいううろこ状体とは、活性化されて微視的に個片状体となった金属が畳敷のように重ね合わされて、平面視において隙間が無い(もしくは殆どない)形態のことをいう。
また、水晶振動板2には、図22、23に示すように、貫通孔(第4貫通孔262、第5貫通孔263、第6貫通孔264、第7貫通孔265、第8貫通孔266)が形成され、第4貫通孔262を介して、第2励振電極222に繋がった振動側第2接合パターン252が一主面211側に引き出されている。また、第5貫通孔263は、第1封止部材3の第10貫通孔342及び第2封止部材4の第15貫通孔443に繋がるものであり、IC5を第1接続端子433及び第1内部電極端子711を介して第1外部電極端子721に導通させるための導通路である。また、第6貫通孔264は、第1封止部材3の第11貫通孔343及び第2封止部材の第16貫通孔444に繋がるものであり、IC5を第2接続端子434及び第2内部電極端子712を介して第2外部電極端子722に導通させるための導通路である。また、第7貫通孔265は、第1封止部材3の第12貫通孔344及び第2封止部材の第17貫通孔445に繋がるものであり、IC5を第3接続端子435及び第3内部電極端子713を介して第3外部電極端子723に導通させるための導通路である。また、第8貫通孔266は、第1封止部材3の第13貫通孔345及び第2封止部材の第18貫通孔446に繋がるものであり、IC5を第4接続端子436及び第4内部電極端子714を介して第4外部電極端子724に導通させるための導通路である。これら第4貫通孔262、第5貫通孔263、第6貫通孔264、第7貫通孔265、第8貫通孔266は、内部空間13の外方に形成されている。また、第4貫通孔262、第5貫通孔263、第6貫通孔264、第7貫通孔265、第8貫通孔266は、内部空間13の内方に形成されない。ここでいう内部空間13の内方とは、接合材11上を含まずに厳密に接合材11の内周面の内側のことをいう。
第1封止部材3には、曲げ剛性(断面二次モーメント×ヤング率)が1000[N・mm2]以下の材料が用いられている。具体的には、第1封止部材3は、図20、21に示すように、1枚のガラスウエハから形成された直方体の基板であり、この第1封止部材3の他主面312(水晶振動板2に接合する面)と一主面311(IC5を搭載する面)は平坦平滑面(鏡面加工)として成形されている。
この第1封止部材3の他主面312には、水晶振動板2に接合するための封止側第1封止部32が設けられている。封止側第1封止部32は、図21に示すように第1封止部材3の他主面312の平面視左側に偏って位置する。
第1封止部材3の封止側第1封止部32に、水晶振動板2に接合するための封止側第1接合パターン321が形成されている。封止側第1接合パターン321は、第1封止部材3の封止側第1封止部32上の全ての位置において同一幅とされる。
この封止側第1接合パターン321は、第1封止部材3上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜3211と、下地PVD膜3211上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜3212とからなる。なお、本実施の形態では、下地PVD膜3211には、Ti(もしくはCr)が用いられ、電極PVD膜3212にはAuが用いられている。また、封止側第1接合パターン321は、非Snパターンである。具体的には、封止側第1接合パターン321は、複数の層が他主面312の封止側第1封止部32上に積層して構成され、その最下層側からTi層(もしくはCr層)とAu層とが蒸着形成されている。また、封止側第1接合パターン321では、電極PVD膜3212が平面視うろこ状体の表面となる。
また、第1封止部材3の一主面311には、発振回路素子であるIC5を搭載する搭載パッドを含む6つの電極パターン33が形成されている。これら6つの電極パターン33は、それぞれ個別に第9貫通孔341、第10貫通孔342、第11貫通孔343、第12貫通孔344、第13貫通孔345、第14貫通孔346に導かれている。なお、第10貫通孔342、第11貫通孔343、第12貫通孔344、第13貫通孔345は、発振器用導通を図るための貫通孔であり、第9貫通孔341(第2励振電極222の導通を図るための貫通孔)、第14貫通孔346(第1励振電極221の導通を図るための貫通孔)は、水晶振動板2用導通を図るための貫通孔である。
第2封止部材4には、曲げ剛性(断面二次モーメント×ヤング率)が1000[N・mm2]以下の材料が用いられている。具体的には、第2封止部材4は、図24、25に示すように、1枚のガラスウエハから形成された直方体の基板であり、この第2封止部材4の一主面411(水晶振動板2に接合する面)は平坦平滑面(鏡面加工)として成形されている。
この第2封止部材4の一主面411には、水晶振動板2に接合するための封止側第2封止部42が設けられている。封止側第2封止部42は、図24に示すように第2封止部材4の一主面411の平面視左側に偏って位置する。
また、第2封止部材4の他主面412(水晶振動板2に面しない外方の主面)には、回路基板61に直接合する外部電極端子が形成されたファンクション部(図26、27参照)に電気的に接続可能な4つの接続端子(第1接続端子433、第2接続端子434、第3接続端子435、第4接続端子436)が形成されている。第1接続端子433、第2接続端子434、第3接続端子435、第4接続端子436は、4つの角部にそれぞれ形成されている。これら接続端子(第1接続端子433、第2接続端子434、第3接続端子435、第4接続端子436)は、他主面412上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜4331、4341、4351、4361と、下地PVD膜4331、4341、4351、4361上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜4332、4342、4352、4362とからなる。また、接続端子(第1接続端子433、第2接続端子434、第3接続端子435、第4接続端子436)の下地PVD膜4331、4341、4351、4361は、上記の振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252と封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421との各下地PVD膜2511、2521、3211、4211と同様の厚みを有する。
また、第2封止部材4の封止側第2封止部42には、水晶振動板2に接合するための封止側第2接合パターン421が形成されている。封止側第2接合パターン421は、第2封止部材4の封止側第2封止部42上の全ての位置において同一幅とされる。
この封止側第2接合パターン421は、第2封止部材4上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜4211と、下地PVD膜4211上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜4212とからなる。なお、本実施の形態では、下地PVD膜4211には、Ti(もしくはCr)が用いられ、電極PVD膜4212にはAuが用いられている。また、封止側第2接合パターン421は、非Snパターンである。具体的には、封止側第2接合パターン421は、複数の層が一主面411の封止側第2封止部42上に積層して構成され、その最下層側からTi層(もしくはCr層)とAu層とが蒸着形成されている。また、封止側第2接合パターン421では、電極PVD膜4212が平面視うろこ状体の表面となる。
また、第2封止部材4には、図19、24、25に示すように、4つの貫通孔(第15貫通孔443、第16貫通孔444、第17貫通孔445、第18貫通孔446)が形成されている。これら第15貫通孔443、第16貫通孔444、第17貫通孔445、第18貫通孔446は、内部空間13の外方に配され、第15貫通孔443、第16貫通孔444、第17貫通孔445、第18貫通孔446は、内部空間13の内方に形成されない。
上記構成からなる水晶発振器102では、従来の技術のような別途接合専用材を用いずに、水晶振動板2と第1封止部材3とが振動側第1接合パターン251及び封止側第1接合パターン321を重ね合わせた状態で拡散接合され、水晶振動板2と第2封止部材4とが振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421を重ね合わせた状態で拡散接合されて、図19に示すサンドイッチ構造のパッケージ12が製造される。なお、振動側第1接合パターン251及び封止側第1接合パターン321自身が拡散接合後に生成される接合材11となり、振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421自身が拡散接合後に生成される接合材11となる。本実施の形態では、拡散接合を常温(5度〜35度)で行っている。しかしながら、常温拡散接合だけに限定されるものではなく、常温以上230度未満の温度下で拡散接合されていればよい。特に、200度以上230度未満の温度下において拡散接合することで、Pbフリー半田の融点である230度未満であり、さらにAuの再結晶温度(200度)以上となるので、接合部分の不安定領域を安定化できる。また本実施の形態ではAu−Snといった接合専用材を使用していないため、メッキガス、バインダーガス、金属ガス等の発生がない。よってAuの再結晶温度以上にすることができる。
また、ここで製造されたパッケージ12では、上記の通り、拡散接合により封止側第1接合パターン321と振動側第1接合パターン251とが接合され、封止側第2接合パターン421と振動側第2接合パターン252とが接合されているが、この接合以外に、封止側第1接合パターン321と振動側第1接合パターン251とが加圧拡散接合され、封止側第2接合パターン421と振動側第2接合パターン252とが加圧拡散接合されてもよい。この場合、加圧することで接合箇所を確保し易くなり(接合面積を実質的に増やすことができ)、高温加熱を用いずに拡散接合のみによる接合をさらに良好に行うことができる。
また、ここで製造されたパッケージ12では、第1封止部材3と水晶振動板2とは、1.00μm以下のギャップを有し、第2封止部材4と水晶振動板2とは、1.00μm以下のギャップを有する。つまり、第1封止部材3と水晶振動板2との間の接合材11の厚みが、1.00μm以下であり、第2封止部材4と水晶振動板2との間の接合材11の厚みが、1.00μm以下(具体的には、本実施の形態のAu−Au接合では0.15μm〜1.00μm)である。なお、比較として、Snを用いた従来の金属ペースト封止材では、5μm〜20μmとなる。
また、ここで製造されたパッケージ12では、図19に示すように、内部空間13が平面視左側に偏って位置する。また、第1封止部材3に形成された封止側第1接合パターン321と、第2封止部材4に形成された封止側第2接合パターン421とは、平面視において重畳しない。具体的には、封止側第1接合パターン321内における平面視領域が、封止側第2接合パターン421内における平面視領域より広い。なお、本実施の形態では、封止側第1接合パターン321内における平面視領域が、封止側第2接合パターン421内における平面視領域より広いが、これに限定されるものでなく、封止側第2接合パターン421内における平面視領域が、封止側第1接合パターン321内における平面視領域より広くてもよい。しかしながら、第2封止部材に、接続端子(第1接続端子433、第2接続端子434、第3接続端子435、第4接続端子436)を形成しているため、封止側第1接合パターン321内における平面視領域が、封止側第2接合パターン421内における平面視領域より広くなる。したがって、配線パターンの引き回し(導通経路の確保)が容易になり、さらに配線パターンの引き回し領域(導通確保領域)を多くとることができる。
また、水晶振動板2に形成された振動側第1接合パターン251及び振動側第2接合パターン252に比べて、第1封止部材3に形成された封止側第1接合パターン321、及び第2封止部材4に形成された封止側第2接合パターン421の幅が広い。
また、本実施の形態では、IC5を設けるためのスペースを水晶振動板2に設けなくてもよく、パッケージの低背化を行うことができる。また、第1封止部材3の一主面311に形成されたIC5用のパターンを変えるだけで任意の発振条件に対応させることができる。また、IC5の裏面にマーキングが可能となり、第1封止部材3に透明部材料を用いた場合であっても特殊マーキングが不要となる。また、従来の技術では、第1封止部材3や水晶振動板2などに凹部を設けて、IC5を必ず凹部に実装していたため、圧電振動デバイスの外形は必ずIC5よりも大きくなっていた。しかしながら、本実施の形態によれば、第1封止部材3では、一主面311にIC5が設けられ、他主面312が水晶振動板2の一主面211に接合されるので、IC5のサイズと水晶発振器102のサイズとを同じにすることができ、小型化及び低背化に有利である。
また、水晶振動板2に形成された振動側第1接合パターン251及び振動側第2接合パターン252に比べて、第1封止部材3に形成された封止側第1接合パターン321、及び第2封止部材4に形成された封止側第2接合パターン421は、幅が広い。
本実施の形態では、上記の通り製造されたパッケージ12に対して、回路基板61に直接合する外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724、第5外部電極端子725、第6外部電極端子726)が形成されたファンクション部7(図26、27)が設けられており、ファンクション部7に搭載された素子によって様々な用途の水晶発振器102(機能拡張型の水晶発振器102)となる。具体的には、第2封止部材4とファンクション部7とが、接続端子(第1接続端子433、第2接続端子434、第3接続端子435、第4接続端子436)と内部電極端子(第1内部電極端子711、第2内部電極端子712、第3内部電極端子713、第4内部電極端子714)を重ね合わせた状態で拡散接合されて機能拡張型の水晶発振器102が製造される。そして、図19に示すように、機能拡張型の水晶発振器102が回路基板61に流動性導電接合材62を用いて直接合されるので、水晶振動子101、IC5、ファンクション部7に搭載された素子はそれぞれ、回路基板61と電気的に接続される。なお、ここで製造された機能拡張型の水晶発振器102では、第2封止部材4とファンクション部7とは、1.00μm以下のギャップを有する(具体的には、本実施の形態のAu−Au接合では0.15μm〜1.00μm)。なお、比較として、Snを用いた従来の金属ペースト封止材では、5μm〜20μmとなる。
ファンクション部7の一主面701(振動部23に面する内方の主面)は、図26に示すように、第2封止部材4に形成された接続端子(第1接続端子433、第2接続端子434、第3接続端子435、第4接続端子436)に直接合し、第2封止部材4に電気的に接続する内部電極端子(第1内部電極端子711、第2内部電極端子712、第3内部電極端子713、第4内部電極端子714)と、素子(例えば、ヒータ素子、温調素子、L素子など)を接続する第5内部電極端子715及び第6内部電極端子716が形成されている。第1内部電極端子711は、第1接続端子433に電気的に直接接続され、第2内部電極端子712は、第2接続端子434に電気的に直接接続され、第3内部電極端子713は、第3接続端子435に電気的に直接接続され、第4内部電極端子714は、第4接続端子436に電気的に直接接続されている。これら内部電極端子(第1内部電極端子711、第2内部電極端子712、第3内部電極端子713、第4内部電極端子714、第5内部電極端子715、第6内部電極端子716)は、一主面701上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜7111、7121、7131、7141、7151、7161と、下地PVD膜7111、7121、7131、7141、7151、7161上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜7112、7122、7132、7142、7152、7162とからなる。また、内部電極端子(第1内部電極端子711、第2内部電極端子712、第3内部電極端子713、第4内部電極端子714、第5内部電極端子715、第6内部電極端子716)の下地PVD膜7111、7121、7131、7141、7151、7161は、上記の振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252と封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421と接続端子(第1接続端子433、第2接続端子434、第3接続端子435、第4接続端子436)の各下地PVD膜2511、2521、3211、4211、4331、4341、4351、4361に対して同等の厚みを有する。
また、ファンクション部7の他主面702(振動部23に面しない外方の主面)には、図27に示すように、回路基板61に直接合するとともに電気的に接続される6つの外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724、第5外部電極端子725、第6外部電極端子726)が形成されている。第1外部電極端子721は、第1内部電極端子711にファンクション部用貫通孔703を介して電気的に直接接続され、第2外部電極端子722は、第2内部電極端子712にファンクション部用貫通孔703を介して電気的に直接接続され、第3外部電極端子723は、第3内部電極端子713にファンクション部用貫通孔703を介して電気的に直接接続され、第4外部電極端子724は、第4内部電極端子714にファンクション部用貫通孔703を介して電気的に直接接続され、第5外部電極端子725は、第5内部電極端子715にファンクション部用貫通孔703を介して電気的に直接接続され、第6外部電極端子726は、第6内部電極端子716にファンクション部用貫通孔703を介して電気的に直接接続されている。これら6つの外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724、第5外部電極端子725、第6外部電極端子726)は、他主面702上に物理的気相成長させて形成された下地PVD膜7211、7221、7231、7241、7251、7261と、下地PVD膜7211、7221、7231、7241、7251、7261上に物理的気相成長させて積層形成された電極PVD膜7212、7222、7232、7242、7252、7262とからなる。また、上記の振動側第1接合パターン251と振動側第2接合パターン252と封止側第1接合パターン321と封止側第2接合パターン421と接続端子(第1接続端子433、第2接続端子434、第3接続端子435、第4接続端子436)と内部電極端子(第1内部電極端子711、第2内部電極端子712、第3内部電極端子713、第4内部電極端子714、第5内部電極端子715、第6内部電極端子716)との各下地PVD膜2511、2521、3211、4211、4331、4341、4351、4361、7111、7121、7131、7141、7151、7161に対して、外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724、第5外部電極端子725、第6外部電極端子726)の下地PVD膜7211、7221、7231、7241、7251、7261は厚い。
また、上記のパッケージ12における封止側第1接合パターン321と振動側第1接合パターン251とが拡散接合された接合パターンの厚みは、封止側第2接合パターン421と振動側第2接合パターン252とが拡散接合された接合パターンの厚みと同じで、外部と電気的に接続した外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724、第5外部電極端子725、第6外部電極端子726)の厚みと異なり、外部電極端子(第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724、第5外部電極端子725、第6外部電極端子726)が他のパターンよりも厚い。
図26、27に示すファンクション部7は、ヒータ素子を備えたヒータ部77が設けられたものである。ヒータ部77は、ファンクション部7の一主面701上に蛇行した電極膜を形成したものであり、ヒータ部77の電極膜の一端が第5内部電極端子715に電気的に接続され、ヒータ部77の電極膜の他端が第6内部電極端子716に電気的に接続されている。このファンクション部7によれば、TCXOとOCXOとの中間特性を有することができる。なお、本実施形態のヒータ部77は、内部電極端子間を蛇行する形状であるが、この形状に限られず、一主面701の略全面にわたる方形形状であってもよい。
なお、上記の通り、図26、27に示すファンクション部7は、ヒータ素子を備えたヒータ部77が設けられたものであるが、ファンクション部7は、ヒータ部77を設けたものに限定されるものではなく、任意の機能を備え、外部電極端子を形成していれば、ファンクション部7の形態は限定されない。例えば、上述したような温測素子部73が設けられたものや(図8参照)、L素子のインダクタンス部74が設けられたものや(図14、15参照)、ファンクション部7の基板が、エポキシ基板、ガラス基板であっても、同様の作用効果を有する。また、水晶発振器102では、ファンクション部7の基板がセラミック基板であってもよく、この場合、回路基板61に流動性導電接合材62を介して機能拡張型の水晶発振器102を接合した際に、流動性導電接合材62の這い上がりを確認することができる。
なお、上記の本実施の形態にかかる水晶発振器102では、外部電極端子を第1外部電極端子721、第2外部電極端子722、第3外部電極端子723、第4外部電極端子724、第5外部電極端子725、第6外部電極端子726の6端子としているが、これに限定されるものではなく、外部電極端子が4端子や8端子といった任意の端子のものについても本発明を適用することができる。
さらに、他の具体例として図28、29に示すように、6つの外部電極端子765は、ファンクション部7の他主面702に形成されており、ファンクション部7の一主面701には、パッケージ12が接合され、さらに、パッケージ12に隣接して、任意の電子部品素子8が接合されていてもよい。電子部品素子8には、サーミスタを用い、温度補償回路を追加してもよい。また、電子部品素子8に、第1封止部材3と第2封止部材4と水晶振動板2とからなるパッケージ12を用い、複数のタイミングデバイスを使用してもよい。この場合、1つの基板(ファンクション部7)上に複数のパッケージ12を搭載することができ、その結果、図29に示すように、Vccの外部電極端子765とGNDの外部電極端子765の共通化を図ることができ、高密度実装を図ることができる。
上記の通り、本実施の形態にかかる水晶発振器102によれば、上記のサンドイッチ構造の水晶振動子101と同様の作用効果を有する。つまり、本実施の形態にかかる水晶発振器102によれば、VCXO、SPXO、TCXO、OCXO等の様々な用途に対応することができる。このように、VCXO、SPXO、TCXO、OCXO等の任意の機能を有する水晶発振器102とすることができるので、水晶発振器102の機能の自由度を高めることができる。
また、第1封止部材3の一主面311にIC5が設けられ、他主面312に封止側第1接合パターン321が形成されるので、一主面311に封止側第1接合パターン321を形成することなく、IC5から引き回し形成する発振回路パターンのパターンニングを簡易化させることができ、その結果、様々な特性のIC5を搭載することができる。また、IC5および発振回路パターンの引き回しを簡易化することができるので、低背化に寄与する。特に、従来のパッケージ型の構造では、発振回路素子の平面視サイズよりも必ず大きいパッケージが必要であったが、本実施の形態によれば、IC5のサイズと同等の平面視サイズにすることができ、小型化もできる。また、発振回路パターンのパターンニング変更を行うだけで、様々な特性のIC5を搭載することができ、様々な用途に対応させた多品種の生産を行う場合であっても、水晶振動板2と第2封止部材4とを共通化することができ、製造コスト削減に寄与する。
また、第1封止部材3、第2封止部材4、及び水晶振動板2には、透明部材が用いられているので、通常マーキングができないが、第1封止部材3の一主面311にIC5が設けられるので、IC5を用いてマーキングが可能となる。
なお、本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
例えば、上記の通り、2つの本実施の形態では、サンドイッチ構造の圧電振動デバイスを用いているが、サンドイッチ構造の圧電振動デバイスに限定されるものではなく、圧電振動板自体を気密封止するリッドとベースとから構成されるパッケージ構造の圧電振動デバイスにも適用可能である。