JP6330226B2 - モータの駆動制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、デッドポイントが回避でき起動性に優れるとともに、安価なモータの駆動制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するためのモータの駆動制御装置は、周方向等間隔に複数の爪状磁極を有する一対のA相用ロータコアベース間にA相用界磁磁石を配置したA相用ロータと、周方向等間隔に複数の爪状磁極を有する一対のB相用ロータコアベース間にB相用界磁磁石を配置したB相用ロータとを積層した2層ロータと、周方向等間隔に複数の爪状磁極を有する一対のA相用ステータコアベース間に巻線を配置したA相用ステータと、周方向等間隔に複数の爪状磁極を有する一対のB相用ステータコアベース間に巻線を配置したB相用ステータとを積層した2層ステータとからなり、前記A相用ステータに配置した巻線及び前記B相用ステータに配置した巻線は、それぞれ第1系統環状巻線と第2系統環状巻線の2つからなるモータの駆動制御装置であって、直流電源と、前記A相用ステータの第1系統巻線、及び、前記B相用ステータの第1系統巻線に前記直流電源を印加するための第1スイッチング素子と、前記A相用ステータの第2系統巻線、及び、前記B相用ステータの第2系統巻線に前記直流電源を印加するための第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子を開閉させて、前記A相用及びB相用ステータの第1系統巻線及び前記A相用及びB相用ステータの第2系統巻線を、前記直流電源にて一方向から通電させる制御回路とを備えた。
上記構成において、前記制御回路は、前記第1系統巻線と前記第2系統巻線を、位相の異なる通電が行われるように、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子を開閉制御する。
上記構成において、前記位相の異なる通電は、その位相差が20度から60度である。
以下、モータの第1実施形態を図1〜図9に従って説明する。
図1は、本実施形態のモータMの全体斜視図を示し、回転軸1にはロータ2が固着されている。そのロータ2の外側には、モータハウジング(図示せず)に固着されたステータ3が配置されている。
モータMのロータ2は、図2に示すように、ランデル型構造のA相ロータ2a及びB相ロータ2bを積層した2層2相構造のロータである。A相ロータ2a及びB相ロータ2bは、同じ構成であって、図6に示すように、それぞれ第1ロータコア10、第2ロータコア20及び界磁磁石30から構成されている。
図6に示すように、第1ロータコア10は、円環板状の電磁鋼板にて形成された第1ロータコアベース11を有している。第1ロータコアベース11の中央位置には、回転軸1を貫通し固着するための貫通穴12が形成されている。また、第1ロータコアベース11の外周面には、等間隔に8個の同一形状をした第1ロータ側爪状磁極13が、径方向外側に突出されその先端が軸方向第2ロータコア20側に屈曲形成されている。
図6に示すように、第2ロータコア20は、第1ロータコア10と同一材質及び同一形状であって、円環板状に形成された第2ロータコアベース21を有している。第2ロータコアベース21の中央位置には、回転軸1を貫通し固着するための貫通穴22が形成されている。また、第2ロータコアベース21の外周面には、等間隔に8個の第2ロータ側爪状磁極23が、径方向外側に突出されその先端が軸方向第1ロータコア10側に屈曲形成されている。
界磁磁石30は、本実施形態では、フェライト焼結磁石よりなる円環板状の永久磁石である。図6に示すように、界磁磁石30は、その中央位置に回転軸1を貫通する貫通穴32が形成されている。そして、界磁磁石30の一方の側面30aが、第1ロータコアベース11の対向面11bと、界磁磁石30の他方の側面30bが、第2ロータコアベース21の対向面21bとそれぞれ当接し、界磁磁石30は第1ロータコア10と第2ロータコア20との間に挟持固定される。
つまり、図5に示すように、第1ロータコア10と第2ロータコア20との間に、界磁磁石30を配置する。このとき、第1ロータ側爪状磁極13の先端面13eと第2ロータコアベース21の対向面21bとが面一になるとともに、第2ロータ側爪状磁極23の先端面23eと第1ロータコアベース11の対向面11bとが面一になるようにしている。
図2に示すように、ロータ2の径方向外側に配置されたステータ3は、ランデル型構造のA相ステータ3a及びB相ステータ3bを積層した2層2相構造のステータである。A相ステータ3a及びB相ステータ3bは、径方向内側において対応するA相ロータ2a及びB相ロータ2bとそれぞれ対向するように軸線方向に順番に積層されている。
図7に示すように、第1ステータコア40は、円環板状の電磁鋼板にて形成された第1ステータコアベース41を有している。第1ステータコアベース41は、第2ステータコア50と対向する対向面41bであって、その径方向外側部に円筒状の第1ステータ側円筒外壁42が軸方向第2ステータコア50側に向かって延出形成されている。また、その第1ステータコアベース41の内周面41aには、等間隔に8個の第1ステータ側爪状磁極43が、径方向内側に突出されその先端が軸方向第2ステータコア50側に屈曲形成されている。
図7に示すように、第2ステータコア50は、第1ステータコアベース41と同一材質及び同形状の円環板状の第2ステータコアベース51を有している。第2ステータコアベース51は、第1ステータコア40と対向する対向面51bであって、その径方向外側部に円筒状の第2ステータ側円筒外壁52が延出形成されている。そして、第2ステータ側円筒外壁52は、軸方向において第1ステータ側円筒外壁42と当接するようになっている。
図5及び図7に示すように、コイル部60は、環状巻線61を有している。その環状巻線61は、樹脂モールドにてその周囲がコイル絶縁層62で覆われている。なお、説明の便宜上、図7ではコイル絶縁層62を省略している。
つまり、図5に示すように、第1ステータコア40と第2ステータコア50との間に、コイル部60を配置する。このとき、第1ステータ側爪状磁極43の先端面43eと第2ステータコアベース51の対向面51bが面一になるとともに、第2ステータ側爪状磁極53の先端面53eと第1ステータコアベース41の対向面41bとが面一になるようにしている。
これは、2相モータのデットポイントを回避し起動性を向上させるために上記関係式に基づいて電気角θ1,θ2を設定している。
そして、A相ステータ3aの環状巻線61には2相交流電源のうちのA相入力電圧vaが印加され、B相ステータ3bの環状巻線61には2相交流電源のうちのB相入力電圧vbが印加される。
図8に示すように、駆動制御回路は、A相駆動回路部71、B相駆動回路部72、及び、両駆動回路部71,72を駆動制御する制御回路73を有している。
A相駆動回路部71は、MOSトランジスタQaを有し、そのMOSトランジスタQaに対してA相ステータ3aの環状巻線61(以下、A相環状巻線61aという)が直列に接続されている。そして、MOSトランジスタQaとA相環状巻線61aの直列回路は、直流電源Gに接続され、MOSトランジスタQaのオン・オフ(開閉)動作にて、A相環状巻線61aに12ボルトの直流電源Gの電源電圧が印加されるようになっている。
(B相駆動回路部72)
B相駆動回路部72は、MOSトランジスタQbを有し、そのMOSトランジスタQbに対してB相ステータ3bの環状巻線61(以下、B相環状巻線61bという)が直列に接続されている。そして、MOSトランジスタQbとB相環状巻線61bの直列回路は、直流電源Gに接続され、MOSトランジスタQbのオン・オフ(開閉)動作にて、B相環状巻線61bに直流電源Gの電源電圧が印加されるようになっている。
(制御回路73)
制御回路73は、A相駆動回路部71のMOSトランジスタQaのゲート端子に出力する駆動信号Saを生成する。つまり、制御回路73は、MOSトランジスタQaをオン・オフさせて、A相環状巻線61aを図8に示す矢印方向に通電する駆動信号Saを生成する。
また、制御回路73は、B相駆動回路部72のMOSトランジスタQbのゲート端子に出力する駆動信号Sbを生成する。つまり、制御回路73は、MOSトランジスタQbをオン・オフさせて、B相環状巻線61bを図8に示す矢印方向に通電する駆動信号Sbを生成する。
ここで、図9(a)(b)に示すように、本実施形態では、制御回路73は、A相及びB相環状巻線61a,61bにそれぞれ印加するA相及びB相入力電圧va,vbの周波数が同じになる駆動信号Sa,Sbを生成する。しかも、制御回路73は、MOSトランジスタQaがオンする時、MOSトランジスタQbがオフし、反対に、MOSトランジスタQaがオフする時、MOSトランジスタQbがオンする駆動信号Sa,Sbを生成する。すなわち、駆動信号Sa,Sbは、相補信号である。
今、モータMに、A相入力電圧va及びB相入力電圧vbが印加される。このとき、A相駆動回路部71及びB相駆動回路部72に設けた2つのMOSトランジスタQa,Qbを用い、これをオン・オフさせる簡単な構成で、2層2相のマルチランデル型のモータMの2相電源(A相入力電圧va及びB相入力電圧vb)が生成される。
しかも、A相、B相ステータ3a,3bのA相及びB相環状巻線61a,61bに流れる各電流による第1及び第2ステータ側爪状磁極43,53の切り替わりに対してロータ2の移動量(回動量)を大きくすることができことから、回転数を上げることができる。
(1)上記実施形態によれば、モータMを2層2相のモータ、即ち、ステータ3を、A相及びB相ステータ3a,3bの2段構造にするとともに、これに対応してロータ2も、A相及びB相ロータ2a,2bも同じ2段構造にした。そして、A相ステータ3aにA相入力電圧vaを、B相ステータ3aにB相入力電圧vbを印加した。そして、各相のステータ3a,3bとロータ2a,2bにおいて、それぞれロータ2a,2bの界磁磁石30の磁束を、軸方向に沿って対向するステータ3a,3bが個々に受けることができるようにしたので、モータMの出力アップを図ることができる。
しかも、A相、B相ステータ3a,3bのA相及びB相環状巻線61a,61bに流れる各電流による第1及び第2ステータ側爪状磁極43,53の切り替わりに対してロータ2の移動量(回動量)を大きくすることができことから、回転数を上げることができる。
次に、モータMの第2実施形態について説明する。
なお、本実施形態は、第1実施形態のA相及びB相ステータ3a、3bのコイル部60の環状巻線61の構成が異なるだけなので、説明の便宜上、その相異する部分について詳細に説明する。
第1系統環状巻線61xは、MOSトランジスタQaと直列接続されて第1系統駆動回路部81を構成している。そして、MOSトランジスタQaと第1系統環状巻線61xの直列回路は、12ボルトの直流電源Gに接続され、MOSトランジスタQaのオン・オフ(開閉)動作にて、第1系統環状巻線61xに直流電源Gの電源電圧が印加されるようになっている。
また、制御回路83は、第2系統駆動回路部82のMOSトランジスタQbのゲート端子に出力する駆動信号Sbを生成する。つまり、制御回路83は、MOSトランジスタQbをオン・オフさせて、第2系統環状巻線61yを図11に示す矢印方向に通電する駆動信号Sbを生成する。
ここで、図12(a)(b)に示すように、本実施形態では、制御回路83は、第1及び第2系統環状巻線61x,61yにそれぞれ印加する第1及び第2系統入力電圧vx,vyの周波数が同じになる駆動信号Sa,Sbを生成する。
詳述すると、図12(a)(b)に示すように、本実施形態では、第1系統入力電圧vxが+12ボルトから0ボルトに立ち下がった後、予め定めた位相差θd1だけ遅れて第2系統入力電圧vyが0ボルトから+12ボルトに立ち上がるようにしている。
今、モータMに、第1系統入力電圧vx及び第2系統入力電圧vyが印加される。このとき、第1系統駆動回路部81及び第2系統駆動回路部82に設けた2つのMOSトランジスタQa,Qbを用い、これをオン・オフさせる簡単な構成で、2層2相のマルチランデル型のモータMの2相電源(第1系統入力電圧vx及び第2系統入力電圧vy)が生成される。
図13から明らかなように、特性線L1で示すリップル率は、位相差θd1を0度から20度付近までは減少し、位相差θd1が20度を超えたのち60度まで増加する。
(1)上記第2実施形態によれば、第1系統駆動回路部81及び第2系統駆動回路部82に設けた2つのMOSトランジスタQa,Qbを用い、これをオン・オフさせる簡単で安価な構成で、2層2相のマルチランデル型のモータMの2相電源が生成することができる。
○上記第1実施形態では、制御回路73が、A相入力電圧vaが0ボルトに立ち下がるとき、B相入力電圧vbが12ボルトに立ち上がるように制御した。これを、A相入力電圧vaが0ボルトに立ち下がった後、予め定めた位相差を経てB相入力電圧vbが12ボルトに立ち上がるように制御してもよい。
Claims (6)
- 周方向等間隔に複数の爪状磁極を有する一対のA相用ロータコアベース間にA相用界磁磁石を配置したA相用ロータと、周方向等間隔に複数の爪状磁極を有する一対のB相用ロータコアベース間にB相用界磁磁石を配置したB相用ロータとを積層した2層ロータと、
周方向等間隔に複数の爪状磁極を有する一対のA相用ステータコアベース間に巻線を配置したA相用ステータと、周方向等間隔に複数の爪状磁極を有する一対のB相用ステータコアベース間に巻線を配置したB相用ステータとを積層した2層ステータと
からなるモータの駆動制御装置であって、
直流電源と、
前記A相用ステータに配置した巻線に前記直流電源を印加するための第1スイッチング素子と、
前記B相用ステータに配置した巻線に前記直流電源を印加するための第2スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子を開閉させて、前記A相用ステータの巻線及び前記B相用ステータの巻線を、前記直流電源にて一方向から通電させる制御回路と
を備えたことを特徴とするモータの駆動制御装置。 - 請求項1に記載のモータの駆動制御装置において、
前記A相用ステータの巻線と前記第1スイッチング素子とが直列に接続されるとともに、前記B相用ステータの巻線と前記第2スイッチング素子とが直列に接続され、その両直列回路に前記直流電源が印加されることを特徴とするモータの駆動制御装置。 - 周方向等間隔に複数の爪状磁極を有する一対のA相用ロータコアベース間にA相用界磁磁石を配置したA相用ロータと、周方向等間隔に複数の爪状磁極を有する一対のB相用ロータコアベース間にB相用界磁磁石を配置したB相用ロータとを積層した2層ロータと、
周方向等間隔に複数の爪状磁極を有する一対のA相用ステータコアベース間に巻線を配置したA相用ステータと、周方向等間隔に複数の爪状磁極を有する一対のB相用ステータコアベース間に巻線を配置したB相用ステータとを積層した2層ステータと
からなり、前記A相用ステータに配置した巻線及び前記B相用ステータに配置した巻線は、それぞれ第1系統環状巻線と第2系統環状巻線の2つからなるモータの駆動制御装置であって、
直流電源と、
前記A相用ステータの第1系統巻線、及び、前記B相用ステータの第1系統巻線に前記直流電源を印加するための第1スイッチング素子と、
前記A相用ステータの第2系統巻線、及び、前記B相用ステータの第2系統巻線に前記直流電源を印加するための第2スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子を開閉させて、前記A相用及びB相用ステータの第1系統巻線及び前記A相用及びB相用ステータの第2系統巻線を、前記直流電源にて一方向から通電させる制御回路と
を備えたことを特徴とするモータの駆動制御装置。 - 請求項3に記載のモータの駆動制御装置において、
前記第1系統巻線と前記第1スイッチング素子とが直列に接続されるとともに、前記第2系統巻線と前記第2スイッチング素子とが直列に接続され、その両直列回路に前記直流電源が印加されることを特徴とするモータの駆動制御装置。 - 請求項3又は4に記載のモータの駆動制御装置において、
前記制御回路は、前記第1系統巻線と前記第2系統巻線を、位相の異なる通電が行われるように、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子を開閉制御することを特徴とするモータの駆動制御装置。 - 請求項5に記載のモータの駆動制御装置において、
前記位相の異なる通電は、その位相差が20度から60度であることを特徴とするモータの駆動制御装置。
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