以下、本発明の実施の形態に係る遊技機について、図面を参照しながら説明する。
なお、本実施の形態は、本発明の振動用スピーカ装置を遊技機としてのパチスロ機に適用した例を示している。
はじめに、図1を参照して、遊技機の実施の形態に係る機能フローについて説明する。
本実施の形態のパチスロ機では、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部当籤役決定手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役決定手段は、スタートレバーが操作されると、所定の開始条件が成立したものとして複数の役の中から所定の当籤確率で内部当籤役を決定する。この内部当籤役決定手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。
なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止させることにより図柄の変動を停止させる制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路及びステッピングモータが担う。
パチスロ機では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定時間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4コマ分に定め、規定時間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1コマ分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
入賞判定手段は、リール停止制御手段により複数のリールの回転がすべて停止し、図柄の変動が停止されたことに基づいて、入賞判定ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により役の入賞であるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロ機では、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。
また、パチスロ機では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの画像表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロ機の構造>
次に、図2を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機の外観構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ機1の外部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、パチスロ機1は、外装体2を備えている。外装体2は、リールや回路基板等を収容する筐体としてのキャビネット2aと、キャビネット2aの前面側(パチスロ機1の正面側)に設けられ、キャビネット2aに対して開閉自在に取付けられた開閉扉としてのフロントドア2bとを有している。キャビネット2aの両側面には、把手2cが設けられている(図2では一側面の把手2cのみを示す)。この把手2cは、パチスロ機1を運搬するときに手をかける凹部である。
フロントドア2bの裏側には、複数(例えば20個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて表示された複数(本実施の形態では3つ)のリール3L,3C,3Rが設けられている。
各リール3L,3C,3Rの内部には、図示しないがバックライトが設けられている。バックライトは、リール3L,3C,3Rの図柄を背後から照明するものであり、後述する表示窓4に停止表示される3つ分の図柄に対応させて、1つのリール3L,3C,3Rにつき、縦に並んで3つのバックライトが設けられている。
これらのバックライトは、リール3L,3C,3Rの停止後において発生させるランプ演出にも利用される。ランプ演出は、小役の種類に対応付けて複数種類設定されるが、所定の条件が成立した場合には強制終了させられる。本実施の形態において、所定の条件とは、例えば小役入賞に伴うメダルの払出が完了した場合、リプレイの入賞によるメダルの自動投入が完了した場合、あるいは遊技者がメダルを手入れした場合が該当する。
払出の完了による次回遊技へのメダルの投入許可、又は自動投入あるいは手入れによる次回遊技の開始操作の許可が行われた場合には、バックライトによる演出を強制的に終了させることで、次回遊技が開始する前に遊技者に表示結果を明確に表示することができる。
以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。上述の複数(例えば20個)の図柄は、前述のシート材の表面に描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、画像を表示する画像表示手段としての液晶表示装置11とを備えている。ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに開閉自在に取り付けられている。ヒンジは、パチスロ機1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられている。
液晶表示装置11は、表示窓4よりも大きな表示面を備え、例えば、遊技上の演出に係る画像や報知用の装飾図柄、過去の単位遊技の結果の履歴など、遊技に関する情報を表示するよう表示窓4の上方に設けられている。このように、液晶表示装置11は、履歴表示手段を構成する。また、液晶表示装置11は、映像の表示による演出を実行する他、例えば遊技機のカスタマイズや遊技履歴等の遊技台情報を表示することもできる。
また、フロントドア2bは、3つのリール3L,3C,3Rを視認させることが可能な表示窓4を有する。表示窓4は、3つのリール3L,3C,3Rに対応する3つの左表示窓4L,中表示窓4C,右表示窓4Rによって構成されている。
これら表示窓4L,4C,4Rは、正面(遊技者側)から見て、3つのリール3L,3C,3Rの配置領域と重畳する位置に設けられ、かつ、3つのリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。これにより、表示窓4L,4C,4Rは、リール3L,3C,3Rに表示された複数の図柄の一部を表示することができる。したがって、遊技者は、表示窓4L,4C,4Rを介して、表示窓4の背後に設けられた3つのリール3L,3C,3Rを視認することができる。表示窓4L,4C,4Rは、図柄表示手段を構成する。
本実施の形態では、表示窓4L,4C,4Rは、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、各リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できる大きさに設定されている。すなわち、表示窓4L,4C,4Rの枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄が表示される。そして、本実施の形態では、左リール3Lの中段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの中段領域を結ぶラインを、入賞か否かの判定を行う入賞判定ライン(有効ラインともいう)8として定義する。
ドア本体9の中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口13、MAXベットボタン14、1ベットボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17R)が設けられている。
メダル投入口13は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。すなわち、メダル投入口13は、遊技者によってメダルが投入されるためのものである。メダル投入口13から投入されたメダルは、予め設定された枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、予め設定された枚数を超えた分は、パチスロ機1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン14及び1ベットボタン15は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。また、台座部12には、精算ボタン18が設けられる。この精算ボタン18は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
スタートレバー16は、遊技者の操作に応じて全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始させるためのものであり、開始操作手段を構成する。
ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応付けて設けられ、遊技者の操作に応じて対応する各リールの回転を停止させるためのものである。これらストップボタン17L,17C,17Rは、停止操作手段を構成する。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
また、表示窓4の左側には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器28が設けられている。この7セグ表示器28は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
また、表示窓4の右側には、GODボタン29が設けられている。このGODボタン29は、例えば遊技に係る演出において遊技者により押下されるもので、後述のランプ19L,19Rと連動した演出時に使用される。なお、GODボタン29は、前述した演出以外の演出時や演出発生時にも押下可能とされる。また、GODボタン29は、ランプ19L,19R以外にも例えばスピーカ23L,23Rと連動することで、特殊音声を再生するための押下操作にも使用される。
ドア本体9の下部には、メダル払出口21、メダル受皿22、スピーカ23L,23R等が設けられている。メダル払出口21は、後述のホッパー装置43の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿22は、メダル払出口21から排出されたメダルを貯める。また、スピーカ23L,23Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
また、ドア本体9の左右には、液晶表示装置11を挟むようにして、複数の色に発光可能なランプ19L,19Rが設けられている。ランプ19L,19Rは、後述する複数のLED25(図3参照)によって構成されている。なお、ランプ19L,19Rは、LEDに限らず、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等、少なくとも緑色、黄色、青色、赤色に発光可能であれば既存の発光素子を用いてもよい。
<パチスロ機の電気的構成>
次に、パチスロ機1の電気的構成について、図3を参照して説明する。図3は、パチスロ機1の電気的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、パチスロ機1は、キャビネット2aに配設された主制御基板41と、フロントドア2bに配設された副制御基板42とを有している。主制御基板41には、リール中継端子板51と、設定用鍵型スイッチ52と、キャビネット側中継基板53と、ドア中継端子板54と、電源装置44の電源基板44bとが電気的に接続されている。
リール中継端子板51は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板51は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ51L,51C,51Rに電気的に接続されており、主制御基板41からステッピングモータ51L,51C,51Rに出力される信号を中継する。
ステッピングモータ51L,51C,51Rは、所定の開始条件の成立、すなわちスタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)に基づき、各リール3L,3C,3Rを回転させることにより図柄を変動させる。ステッピングモータ51L,51C,51Rは、図柄変動手段を構成する。設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ機1の設定を変更する際又はパチスロ機1の設定を確認する際に使用する。
キャビネット側中継基板53には、外部集中端子板56と、ホッパー装置43と、メダル補助収納庫スイッチ57とが電気的に接続されている。このキャビネット側中継基板53は、主制御基板41から外部集中端子板56、ホッパー装置43、メダル補助収納庫スイッチ57に出力される信号を中継する。つまり、外部集中端子板56、ホッパー装置43及びメダル補助収納庫スイッチ57は、キャビネット側中継基板53を介して主制御基板41に接続されている。
外部集中端子板56は、キャビネット2aに取り付けられており、メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1〜4及びセキュリティ信号などの信号をパチスロ機1の外部へ出力するために設けられている。
メダル補助収納庫スイッチ57は、図示しないメダル補助収納庫を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ57は、メダル補助収納庫がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置44の電源基板44bには、電源スイッチ44aが接続されている。この電源スイッチ44aは、パチスロ機1に必要な電源を供給するときにONにする。
ドア中継端子板54には、メダルセンサ46、ドア開閉監視スイッチ61、BETスイッチ62、精算スイッチ63、スタートスイッチ64、ストップスイッチ基板65、遊技動作表示基板66及び副中継基板69が接続されている。つまり、メダルセンサ46、ドア開閉監視スイッチ61、BETスイッチ62、精算スイッチ63、スタートスイッチ64、ストップスイッチ基板65、遊技動作表示基板66及び副中継基板69は、ドア中継端子板54を介して主制御基板41に接続されている。
メダルセンサ46は、メダルが図示しないセレクタ内を通過したことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。ドア開閉監視スイッチ61は、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティ信号をパチスロ機1の外部へ出力する。BETスイッチ62は、MAXベットボタン14及び1ベットボタン15(図2参照)が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。
精算スイッチ63は、精算ボタン18が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。スタートスイッチ64は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。
ストップスイッチ基板65は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板65には、3つのリール3L,3C,3Rに対応するストップスイッチ17Sが設けられている。ストップスイッチ17Sは、リール3L,3C,3Rの回転を停止させるための停止操作、すなわち各ストップボタン17L,17C,17Rが遊技者により押されたことを検出する。
遊技動作表示基板66は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器28に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板66には、7セグ表示器28とLED70が接続されている。LED70は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副中継基板69は、副制御基板42と主制御基板41とを接続する配線を中継する。また、副中継基板69は、副制御基板42と副制御基板42の周辺に配設された複数の基板とを接続する配線を中継する。すなわち、副中継基板69には、副制御基板42と、サウンドI/O基板71と、LED基板72と、24hドア開閉監視ユニット74とが電気的に接続されている。
副制御基板42は、ドア中継端子板54と副中継基板69を介して主制御基板41に接続されている。また、副制御基板42は、副中継基板69を介して、サウンドI/O基板71と、LED基板72と、24hドア開閉監視ユニット74とに電気的に接続されている。
サウンドI/O基板71は、スピーカ23L,23Rへの音声の出力および後述する振動用スピーカ装置110に対して駆動電流の出力を行う。LED基板72は、副制御回路101(図5参照)の制御により実行される演出に応じて、光源の一具体例を示す複数のLED25を発光させて、点滅パターンを表示する。
24hドア開閉監視ユニット74は、フロントドア2bの開閉の履歴を保存する。また、24hドア開閉監視ユニット74は、フロントドア2bを開放したときに、液晶表示装置11にエラー表示を行うための信号を副制御基板42(副制御回路101)に出力する。
副制御基板42には、ロムカートリッジ基板76と、液晶中継基板77と、GODボタン29が接続されている。ロムカートリッジ基板76は、演出用の画像(映像)、音声、光(複数のLED25)及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板77は、副制御基板42と液晶表示装置11とを接続する配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板41により構成される主制御回路91について、図4を参照して説明する。図4は、パチスロ機1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、主制御部としての主制御回路91は、主制御基板41上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素とし、遊技の進行を制御するものである。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド信号)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続されている。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ51L,51C,51Rに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール3L,3C,3Rの所定の位置に設けられ、各リール3L,3C,3Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール3L,3C,3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータ51L,51C,51Rに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L,3C,3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
本実施の形態では、基本的に滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン17Lが押されたときに表示窓4の中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、表示窓4の中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板42により構成される副制御回路101について、図5を参照して説明する。図5は、パチスロ機1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、副制御部としての副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンド信号に基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行うとともに、液晶表示装置11、複数のLED25、スピーカ23L,23R等の周辺装置の制御を行うものである。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成されている。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンド信号に応じて、ロムカートリッジ基板76に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音及び光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板76は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11(図2参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、複数のLED25等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ23L,23Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM103は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ23L,23Rにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従って複数のLED25の点灯及び消灯を制御する。
<振動用スピーカ装置>
図6〜図10において、振動用スピーカ装置110は、筐体111を備えており、筐体111は、両端が開口された環状(中空状)の周壁111Aと、周壁111Aの両端の開口を閉止するアルミニウム製のカバー部材111B,111Cとを備えている。なお、カバー部材111B,111Cは、アルミニウム製に限らない。本実施の形態の周壁111Aは、本発明の筐体本体を構成する。
本実施の形態の振動用スピーカ装置110は、キャビネット2a(図2参照)の内部に収容され、具体的には、図2に示すフロントドア2bの背面において、例えば、スタートレバー16やストップボタン17L,17C,17Rの背面のキャビネット2aの内部の空間や、メダル受け皿22の上方のキャビネット2aの内部の空間に設置される。なお、振動用スピーカ装置110の設置場所は、これらに限定されるものでない。また、スピーカ23L、23Rを振動用スピーカ110で構成してもよい。
図9、図10に示すように、筐体111の内部には第1の振動発生部112Aおよび第2の振動発生部112Bが収容されている。
第1の振動発生部112Aおよび第2の振動発生部112Bのそれぞれは、磁性材料からなるヨーク113,114と、ヨーク113,114に取付けられた永久磁石からなる環状の磁石115,116と、磁石115,116に取付けられた磁性材料からなるトッププレート117,118とを備えている。
ヨーク113,114は、円板状のボトムプレート113A,114Aと、ボトムプレート113A,114Aの中央部から突出するように形成される柱状のセンターポール113B,114Bとを備えている。ここで、本実施の形態のボトムプレート113A,114Aは、本発明の底板を構成し、センターポール113B,114Bは、本発明の突出部を構成する。
磁石115,116は、センターポール113B,114Bを取り囲んでおり、ボトムプレート113A,114Aに接着等によって固定されている。トッププレート117,118は、センターポール113B,114Bを取り囲むようにして磁石115,116に接着等によって固定されており、ボトムプレート113A,114Aと共に磁石115,116を振動用スピーカ装置110の中心軸Oの方向において挟持している。
トッププレート117,118は、磁石115,116の一方の極(例えば、N極)に対向しており、トッププレート117,118は、センターポール113B,114Bの上端側外周面との間に磁気ギャップ部119A,119Bを形成する内周部117a,118aを有する。ここで、本実施の形態のトッププレート117,118は、本発明の環状部材を構成する。
第1の振動発生部112Aおよび第2の振動発生部112Bのそれぞれは、ボイスコイルボビン120,121、ダンパ122,123およびシールパッキン124,125を備えている。
ボイスコイルボビン120,121は、筒状に形成されており、それぞれカバー部材111B,111Cに固定されている。ボイスコイルボビン120,121のカバー部材111B,111C側の固定端と反対側の自由端には電導性を有するボイスコイル120A,121Aが巻回されており、ボイスコイル120A,121Aは、磁気ギャップ部119A,119Bに収容されている。
ダンパ122,123は、パラ系アラミド繊維から構成されており、ダンパ122,123は、センターポール113B,114Bを取り囲むように環状に形成されている。ダンパ122,123の径方向の内周部は、トッププレート117,118とシールパッキン124,125とに挟持されてトッププレート117,118に固定されており、ダンパ122,123の径方向の外周部は、ヨーク113,114の径方向外方において、筐体111の周壁111Aの内周部に固定された樹脂部材133A、133Bに固着されている。このようにダンパ122,123は、トッププレート117,118と周壁111Aとの間に介装されている。これにより、ヨーク113,114は、正規の姿勢に保持される。
ダンパ122,123は、径方向の内周部から外周部に向かって、すなわち、センターポール113B,114Bの中心軸(筐体111の中心軸O)から周壁111Aに向かって波状に形成されている。
第1の振動発生部112Aおよび第2の振動発生部112Bに対向するカバー部材111B,111Cの内周部にはシールパッキン126,127が取付けられており、シールパッキン126,127は、シールパッキン124,125に対向している。
本実施の形態の第1の振動発生部112Aおよび第2の振動発生部112Bは、同一の構成(同一の規格)を有しており、ボトムプレート113A,114Aが対向するようにして筐体111に収容されている。すなわち、本実施の形態の第1の振動発生部112Aおよび第2の振動発生部112Bは、反対向きになるようにして筐体111に収容されている。
また、ボトムプレート113A,114Aの間には、例えば、ガスケット129が介装されており、ボトムプレート113A,114Aは、ガスケット129を介して連結されている。
図10において、ボイスコイル120A,121Aは、1組のプラスのリード線130A,131Aおよびマイナスのリード線130B,131Bを備えている。
リード線130A,130B,131A,131Bは、ワイヤハーネス132を介してサウンドI/O基板71に接続されている。ボイスコイル120A,121Aにはリード線130A,130Bを通してサウンドI/O基板71から駆動電流が入力され、リード線130B,131Bは、ボイスコイル120A,121Aから駆動電流を取り出す。
ここで、ワイヤハーネス132は、リード線130A、131Aに接続されるプラスの配線と、リード線130B、131Bに接続されるマイナスの配線からなる少なくとも2本の配線を備えている。
振動用スピーカ装置110は、サウンドI/O基板71からワイヤハーネス132およびリード線130A,131Aを通してボイスコイル120A,121Aに駆動電流が流されると、磁気ギャップ部119A,119Bで略水平方向に流れている磁束とボイスコイル120A,121Aに流された電流との相互作用でボイスコイル120A,121Aに対して、ガスケット129を介して互いに連結されたヨーク113,114が筐体111の中心軸Oの軸線方向に沿って同一方向に往復運動する。
このとき、ヨーク113とヨーク114とがガスケット129を介して互いに連結されているので、ヨーク113とヨーク114とを1つの振動子として機能させることができる。これにより、振動用スピーカ装置110は、より大きな振動を発生させることが可能となる。
ここで、ヨーク113の振動方向とヨーク114の振動方向とが同一となるように制御するには、ボイスコイル120Aの始端(巻き始め)に駆動電流を入力するリード線130Aを接続するとともに、ボイスコイル120Aの終端(巻き終わり)に駆動電流を取り出すリード線130Bを接続するのに対して、ボイスコイル121Aの終端に駆動電流を入力するリード線131Aを接続するとともに、ボイスコイル121Aの始端に駆動電流を取り出すリード線131Bを接続すればよい。
あるいは、ボイスコイル120A,121Aの巻回方向を反対側にして、例えば、ボイスコイル120Aの巻回方向を時計回転方向とし、ボイスコイル120Aの始端に駆動電流を入力するリード線130Aを接続するとともに、ボイスコイル120Aの終端に駆動電流を取り出すリード線130Bを接続し、ボイスコイル121Aの巻回方向を反時計回転方向にして、ボイスコイル121Aの始端に駆動電流を入力するリード線131Aを接続するとともに、ボイスコイル121Aの終端に駆動電流を取り出すリード線131Bを接続すればよい。
上記のいずれの方法にあっても、磁気ギャップ部119A,119Bで略水平方向に流れている磁束の向きを同じ向きにすることができ、第1の振動発生部112Aのヨーク113および第2の振動発生部112Bのヨーク114の振動方向が同一方向となるように制御できる。
上述したように、ヨーク113,114が一体で上下方向に往復運動すると、この往復運動による振動が発生し、この振動による音圧がフロントドア2bに伝達されることにより、振動用スピーカ装置110が設置される前面側のフロントドア2bが振動する。
これにより、スタートレバー16やストップボタン17L,17C,17Rの付近が振動して遊技者の指に振動を伝達させることができ、あるいは、メダル受け皿22の上方のフロントドア2bの部位を振動させることができる。この結果、遊技状態の報知を体感的に遊技者に伝えることができる。
また、ヨーク113、114が過度に振動する場合には、シールパッキン124,125がシールパッキン126,127に衝突することで、カバー部材111B,111Cとヨーク113,114とが直接接触することを防止できる。これにより、カバー部材111B,111Cおよびヨーク113,114が損傷することを防止できるとともに、カバー部材111B,111Cおよびヨーク113,114の衝突音が発生することを防止できる。
このように本実施の形態の振動用スピーカ装置110は、第1の振動発生部112Aおよび第2の振動発生部112Bを収容する周壁111Aの両端の開口をカバー部材111B,111Cが閉止するので、振動用スピーカ装置110を介したパチスロ機本体内部への不正アクセスを防止することができる。
また、本実施の形態の振動用スピーカ装置110は、筐体111に収容された第1の振動発生部112Aおよび第2の振動発生部112Bを有し、第1の振動発生部112Aおよび第2の振動発生部112Bが、ヨーク113,114が対向するようにして筐体111に収容され、第1の振動発生部112Aのヨーク113および第2の振動発生部112Bのヨーク114の振動方向が同一方向となるように制御される。
これにより、磁気回路および振動体を兼用するヨーク113,114の径方向の長さを長くして振動用スピーカ装置110を大型化することなく、大きい振動を発生することができる。
このため、振動用スピーカ装置110を搭載したパチスロ機1においては、パチスロ機1のキャビネット2aを大きくする等してキャビネット2aの設計を変更することを不要にでき、パチスロ機1の製造コストが増大することを防止できる。
また、本実施の形態のパチスロ機1は、振動用スピーカ装置110によって遊技状態を報知できるので、遊技状態の報知の決定がなされてから振動用スピーカ装置110により実際の振動が発生するまでにタイムラグが生じてしまうことを防止でき、遊技状態の報知と振動とを同期させることができる。
また、本実施の形態の振動用スピーカ装置110によれば、ダンパ122,123にパラ系アラミド繊維を用いている。このパラ系アラミド繊維は、引っ張り強度が強く、熱や摩擦、衝撃にも強く、さらに、電気を通さない特性を備えている。
このため、本実施の形態のダンパ122,123は、従来型のコーン紙で構成されたダンパと比較して、外部から加えられる負荷に対して強度を保つことができる。これにより、振動用スピーカ装置110を介したパチスロ機本体内部への不正アクセスをさらに防止することができる。
また、従来の振動用スピーカ装置よりも小型で、かつより大きな振動を発生する振動用スピーカ装置110にパラ系アラミド繊維のダンパ122,123を用いた場合に、耐久性を増大させることができる。
特に、本実施の形態のダンパ122,123は、径方向の内周部から外周部に向かって波状に形成されているので、振動用スピーカ装置110を長期に亙って使用した場合であっても、ダンパ122,123は、ヨーク113,114が振動するのに最適な共振周波数を維持できる。
具体的には、パラ系アラミド繊維をならした(パラ系アラミド繊維を伸縮させて経時変化させた状態)後の共振周波数が、例えば、26.5Hz±0.5Hz程度になるようにパラ系アラミド繊維を設計し、振動用スピーカ装置110を、例えば、27Hz〜30Hzの周波数域(重低音域)で振動するように設計した場合には、ダンパ122,123の耐久性を維持しながら、振動用スピーカ装置110によってより大きな振動を発生させることができる。これにより、振動用スピーカ装置110の信頼性を長期に亙って維持することができる。
また、本実施の形態においては、本発明に係る遊技機としてパチスロ機1を例に説明したが、これに限定されず、本発明に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機等、他の遊技機にも適用することができる。また、遊技機に限定されるものでもない。