JP6328446B2 - 水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は水処理方法に関し、詳しくは、金属製錬における排水など、カドミウム、鉛およびマグネシウムを含有する水溶液に対する水処理方法に関する。
金属製錬に伴う排水においては、カドミウム、鉛、マグネシウムおよびカルシウムなどが含有されている。その中でもカドミウムおよび鉛の処理は重要である。
なお、鉱山廃水から所定の金属を取り除く技術が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1においては、複数の段階に分けて鉱山廃水を処理しており、段階1として、酸性の鉱山廃水に対して粉砕石灰石を投入してpHを5程度に上げて鉄を沈殿させ、段階2として、炭酸ナトリウムを投入してpHを8〜8.2として、廃水中のカドミウムの濃度を減少させ、段階3として、可溶性脂肪酸塩を投入し、カルシウム、マグネシウム、マンガン等を沈殿させ、残留する重金属(カドミウム等)を除去している。
また、金属製錬において有価物としてカドミウムを回収する技術も知られている(例えば特許文献2)。
上記のように、カドミウムを含有する液体中からカドミウムを除去、回収するための処置としては、カドミウムを沈殿可能な化合物へと変えた上で当該沈殿を分離するという方法が行われている。
特表平6−508060号公報 特開2005−256068号公報
例えば、日本における水質保全に関する法律や条例において、カドミウムおよび鉛の排水中の濃度を0.1mg/L(ppm)以下とする規定が設けられている場合がある。
特許文献1では、段階3として、可溶性脂肪酸塩を投入することにより、液中のカドミウム濃度を0.1mg/L(ppm)以下としている。
特許文献2はカドミウムの回収に関する技術であって、排水については記載が無い。
本発明者らは、カドミウムを処理するに際して、例えば強アルカリ性物質である水酸化カルシウム等を用いて排水のpHを高アルカリ側まで上げるという手法について検討した。こうすることにより、排水中のカドミウム濃度を下げ、更には鉛の濃度も水酸化物の沈殿により下げるという手法について試験的に検討した。
しかしながら、本発明者が上記の手法を検討したところ、以下の不具合が発生するという知見が得られた。
すなわち、カドミウム、鉛およびマグネシウムを含有する水溶液に、強アルカリ性物質である水酸化カルシウムを投入すると、確かにカドミウムや鉛は沈殿するものの、マグネシウムも沈殿してしまう。そうなると、沈殿物の総量が著しく大きくなってしまう。その結果、金属製錬における排水の処理にかかるコストが大きくなることが分かった。
本発明は、水溶液を処理する際に、カドミウムおよび鉛を当該水溶液中から除去する工程において、比較的容易に、マグネシウムを当該水溶液中に溶存させたままとして沈殿物の発生量を低減する技術を提案することを課題とするものである。
上記の課題を解決すべく、本発明者は鋭意検討を行った。具体的に言うと、上記の2つの内容「マグネシウムを水溶液中に溶存させたままとする」「カドミウムおよび鉛を水溶液中から除去する」を両立させるための手法について検討した。
特許文献1においては、マグネシウムは沈殿させたいものである。特許文献1の表3からわかるように、マグネシウムのほとんどは沈殿している。それに対し、本発明者は、あるpH範囲下において炭酸ナトリウムを「カドミウムは沈殿させる一方で、マグネシウムを沈殿させない」ものとして見出した。
以上の知見に基づいて成された本発明の具体的な態様は、以下の通りである。
本発明の第1の態様は、
カドミウム、鉛およびマグネシウムを含有する水溶液に対し、pHが9〜9.8となるようにアルカリ金属の炭酸塩を添加する工程により、当該水溶液中のカドミウムおよび鉛の濃度を共に0.1mg/L以下とし、かつ、当該水溶液中のマグネシウムの濃度を、炭酸塩の添加前のマグネシウムの濃度の60%以上とする水処理方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
前記炭酸塩を添加する前の水溶液のpHが6〜8である。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、
前記炭酸塩を複数回投入する。
本発明の第4の態様は、第1〜第3のいずれかの態様に記載の発明において、
前記炭酸塩は粉末である。
本発明によれば、水溶液を処理する際に、カドミウムおよび鉛を当該水溶液中から除去する工程において、比較的容易に、マグネシウムを当該水溶液中に溶存させたままとして沈殿物の発生量を低減する技術を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、次の順序で説明を行う。
1.水処理方法
2.変形例
なお、以下に記載が無い構成については、公知の構成を一部採用しても構わない。
<1.水処理方法>
本実施形態においては、金属製錬における排水を処理する場合を例に説明を行なう。
本実施形態において処理する排水は、金属製錬の際に生じる排水である。そして、当該排水は、カドミウム、鉛およびマグネシウムを含有するものとする。もちろんこれら以外の元素を更に含む排水であっても構わない。なお、当該排水には、カドミウムおよび鉛以外の重金属を含んでいても構わない。例えば、亜鉛、銅、マンガン等の重金属が当該排水に含まれていても構わない。なお、金属製錬の際に生じる排水は初期状態では酸性である場合が多いが、本実施形態においては中性に近い、pHが6〜8の排水も処理することが可能である。
本実施形態の特徴部分の一つが、当該排水に対し、pHが9〜9.8となるまでアルカリ金属の炭酸塩を添加することにある。それに加え、単に当該排水のpHを上記範囲にするのではなく、カドミウムおよび鉛の濃度を共に0.1mg/L以下とする。その一方、本実施形態においては、カドミウムおよび鉛を当該排水中から除去することのみを目的とするものではない。本実施形態においては、pHが9〜9.8となるまでアルカリ金属の炭酸塩を添加しつつも、当該炭酸塩の添加前の排水中のマグネシウムの濃度の60%以上を保持する。つまり、沈殿物の総量を増やさないように、マグネシウムを当該排水中に溶存させたままとすることを大きな特徴としている。
アルカリ金属の炭酸塩を添加する際のpHの範囲を上記のように設定することにより、後述する実施例に示すように、2つの課題すなわち「マグネシウムを当該排水中に溶存させたままとする」「人体に対して有害なカドミウムおよび鉛を当該排水中から除去する」を両立させることができる。pHが9以上ならば、カドミウムおよび鉛を当該排水中から十分に除去することが可能となる。pHが9.8以下ならば、マグネシウムの沈殿量が少なくて済むため、廃棄物の発生量を低減することが可能となる。なお、pHが9.8を超えるとカドミウムと鉛の液中濃度のさらなる低減は見られないのみならず、マグネシウムの沈殿量が増加してしまう。上記の内容を鑑み、マグネシウムの沈殿を抑制することに重点を置くとすると、更に好ましいpHの範囲は9〜9.5である。
カドミウムおよび鉛の濃度を共に0.1mg/L以下に低減することにより、上述の通り、厳しい環境基準に適合する排水とする水処理が容易となる。
当該炭酸塩の添加前の排水中のマグネシウムの濃度の60%以上を保持することにより、マグネシウムを含む沈殿物の発生量を相当低減することが可能となる。
なお、アルカリ金属の炭酸塩としては特に制限は無い。アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムカリウム等が挙げられるが、後述の実施例を見る限り、炭酸ナトリウムが好ましい。
また、アルカリ金属の炭酸塩が適切である理由については、本発明者が鋭意検討中である。推測であるが、以下の理由が考えられる。
まず、アルカリ金属の炭酸塩は程よい程度の弱アルカリであることから、当該炭酸塩を排水に投入したとしても、一気にアルカリ性に移行するわけではない。いわば、時間をかけてじっくりとカドミウムおよび鉛を沈殿させることが可能となる。しかも、当該炭酸塩は、中和の際に多段平衡を有する。そのため、更にマイルドに中和させることが可能となり、上記の効果を増幅させることが可能となる。その一方で、pHの範囲を、マグネシウムの沈殿が生じるpHよりも小さいpHとすることにより、マグネシウムの沈殿量を抑制する。また、アルカリ金属の炭酸塩は程よい程度の弱アルカリであることから、投入量が一つの最適値でなくとも、マグネシウムを沈殿させ過ぎずに済む。つまり、本実施形態においては、カドミウムおよび鉛を沈殿させるためのアルカリ金属の炭酸塩の投入量の調整が比較的容易になる。
なお、本実施形態においてアルカリ土類金属の炭酸塩を用いた場合について、本発明者は既に検討している。例えば炭酸カルシウム(石灰石など)を使用した場合、炭酸カルシウムは中性の水に難溶であるため、pHが6〜8の水溶液に使用するのは非現実的となる。特許文献1のように炭酸カルシウムを用いる工程は、酸性領域でなければ適用が難しい。
ところで、処理時間については、アルカリ金属の炭酸塩の投入後、化学反応が起こり、その後、排水が平衡状態(すなわちpHの変動が止まった状態)となるまで待つのが望ましい。また、化学反応における温度については限定しないが、安定して化学反応を起こさせるという点を考慮すると0℃〜80℃が望ましい。
また、アルカリ金属の炭酸塩の投入回数であるが、1回でももちろん構わないが、好ましい例として、当該炭酸塩を複数回投入することが挙げられる。更に好ましくは、排水のpHが9〜9.8に至るまでに必要な量の炭酸塩を、複数回に分けて排水に投入する。後述の実施例に示すように、当該炭酸塩を複数回投入することにより、マグネシウムの沈殿を抑制しつつ液中のカドミウムのさらなる低下が可能となっている。その理由は本発明者が鋭意検討中であるが、複数回の投入を行うことにより時間をかけてじっくりとカドミウムおよび鉛を沈殿させられつつも、pHは10未満となっているためマグネシウムはほとんど沈殿しないためと考えられる。好ましくは、排水のpHが9未満(かつ9近傍)となるまで当該炭酸塩を投入する。そして、十分に反応が進んだ後に、改めて、当該炭酸塩の投入を行う。こうして排水のpHを上記の範囲とする。こうすることにより、マグネシウムはほとんど沈殿しないまま、更なるカドミウムの低減が可能となる。
アルカリ金属の炭酸塩の添加方法としては、粉末状態、固形、水に溶かして、といった通常の添加方法を用いることができるが、その中でも粉末状態が最も好ましい。その理由としては、まず、当該炭酸塩を水に溶解させる工程が不要となり、投入方法が簡素である。また、本発明者が、添加方法の違いについて鋭意検討したところ、当該炭酸塩の水溶液を添加した場合、本工程の終了時の排水中のカドミウムの濃度は0.1〜0.05mg/Lの範囲であった。その一方、粉末状態で当該炭酸塩を添加した場合、本工程の終了時の排水中のカドミウムの濃度は0.05mg/L以下となり、比較的に濃度低減の効果が高いことが分かったためである。
<2.変形例>
本実施形態においては、排水処理の対象となる元素としてカドミウムおよび鉛を挙げた。その一方、カドミウムおよび鉛を含まない一方で他の重金属(亜鉛、銅、マンガン等)が含まれる排水であって金属製錬の際に生じる排水に対しても本実施形態を採用可能である。また、本実施形態においてはカドミウムおよび鉛を含む排水を例示したが、少なくともカドミウムを含む排水であっても本実施形態を適用可能である。さらに言うと、排水ではなく、カドミウムおよび鉛を含む水溶液に対しても本実施形態を適用可能である。
また、本実施形態においては、排水中に溶存させる元素としてマグネシウムを挙げたが、マグネシウム以外の元素(ナトリウム等)が排水中に溶存していても良い。その方が、沈殿物の総量が減り、ひいては廃棄物の量を更に低減させることができるためである。
本実施形態の水処理を行った後の排水を、液中のマグネシウムの濃度や、その他の元素の濃度を基準値以下に制御して、水質検査により良好な結果が出れば、放流することが可能となる。
以下に実施例および比較例を記載し本発明をさらに具体的に示すが、本発明の技術的範囲はこれらの記載に限定されるものではない。
(実施例1)
マグネシウムMg:659mg/L、カドミウムCd:142.8mg/L、鉛Pb:0.88mg/Lが含まれている排水(pH:7.6)0.8Lを1Lのビーカーに入れ、攪拌しながら、ヒーターを用いて液温を45℃に維持した。温度維持の状態で、試薬(和光製)の炭酸ナトリウム2.86gを粉末状態で当該排水に投入し、15分間攪拌を行った。化学反応が平衡状態となったことを確認した際の当該排水のpHは9.03であった。
(実施例2)
実施例1よりも多い3.21gの炭酸ナトリウムを投入した以外は、実施例1と同様とした。投入前のpHは7.7であり、化学反応が平衡状態となったことを確認した際の当該排水のpHは9.45であった。
(比較例1)
比較例1〜2においては、アルカリ金属の炭酸塩ではなく、水酸化カルシウムを用いた。
マグネシウム:1129mg/L、カドミウム:355.0mg/L、鉛:1.21mg/Lが含まれている排水(pH:7.3)0.8Lを1Lのビーカーに入れ、攪拌しながら、ヒーターを用いて液温を45℃に維持した。温度維持の状態で試薬の水酸化カルシウム(消石灰)(宮城石灰製)をパルプ濃度300g/Lの水溶液にしたもので15.00g投入し、30分間攪拌を行った。化学反応が平衡状態となったことを確認した際の当該排水のpHは10.0であった。
(比較例2)
比較例1よりも多い16.82gの水酸化カルシウムを投入した以外は、比較例1と同様とした。化学反応が平衡状態となったことを確認した際の当該排水のpHは11.0であった。
(比較例3)
比較例3〜5においては、排水の条件を実施例1と同じとしつつ、特許文献1のように、本実施形態におけるpHの範囲を下回る程度にしか炭酸カルシウムを投入しなかった。
比較例3においては、実施例1よりも少ない2.58gの炭酸ナトリウムを投入した以外は、実施例1と同様とした。投入前のpHは7.5であり、化学反応が平衡状態となったことを確認した際の当該排水のpHは8.93であった。
(比較例4)
実施例1よりも少ない2.27gの炭酸ナトリウムを投入した以外は、実施例1と同様とした。投入前のpHは7.6であり、化学反応が平衡状態となったことを確認した際の当該排水のpHは8.81であった。
(比較例5)
実施例1よりも少ない1.98gの炭酸ナトリウムを投入した以外は、実施例1と同様とした。投入前のpHは7.3であり、化学反応が平衡状態となったことを確認した際の当該排水のpHは8.55であった。
(結果1)
上記の実施例1〜2および比較例1〜5について、水処理方法を行う前後の各元素の濃度とpHについて調べた。その結果を表1に示す。
Figure 0006328446
まず、実施例1〜2に対し、比較例1だと、相当量のマグネシウムが沈殿してしまった上、カドミウムの濃度を0.1mg/L以下に低減させることができなかった。また、実施例1〜2に対し、比較例2だと、カドミウムの濃度を0.1mg/L以下に低減させることができなかった。その上、排水中のマグネシウムがほとんど存在しなくなるくらいマグネシウムが沈殿してしまい、相当量の廃棄物が発生してしまった。
その一方、実施例1〜2においては、炭酸ナトリウムを排水に添加することにより、より多くのマグネシウムを排水中に溶存させた状態を維持しつつ、排水中の鉛とカドミウム濃度を0.1mg/L以下に低減できることが示された。
ちなみに、比較例1と比較例2との比較から、水酸化カルシウム(消石灰)を用いた場合、pHを11まで高めたとしても、排水中のカドミウムは0.26mg/Lまでしか低減できないことも示された。
また、実施例1〜2と比較例3〜5の比較から、比較例3〜5のように、本実施形態におけるpHの範囲を下回る程度にしか炭酸カルシウムを投入しなかった場合、そもそも、排水中の鉛とカドミウム濃度を共に0.1mg/L以下に低減させることができなかった。
(実施例3)
本実施例においては、炭酸ナトリウムを複数回投入した。その際、炭酸ナトリウムの投入回数を追うごとに投入量を徐々に減らしていった。
マグネシウム:659mg/L、カドミウム:142.8mg/L、鉛:0.88mg/Lが含まれている排水(pH:7.6)0.8Lを1Lのビーカーに入れ、攪拌しながら、ヒーターを用いて液温を45℃に維持した。温度維持の状態で、試薬(和光製)の炭酸ナトリウム2.27gを粉末状態で当該排水に投入し、15分間攪拌を行った(投入1回目)。1回目の投入における反応終了時の排水のpHは8.81であり、この状態では比較例4と同じである。
更に、化学反応の平衡状態を確認後、試薬(和光製)の炭酸ナトリウム0.66gを粉末状態で追加投入し、さらに15分間攪拌を行った(投入2回目)。2回目の投入における反応終了時の排水のpHは9.28であった。
更に、化学反応の平衡状態を確認後、試薬(和光製)の炭酸ナトリウム0.33gを粉末状態で追加投入し、さらに15分間攪拌を行った(投入3回目)。3回目の投入における反応終了時の排水のpHは9.49であった。
(結果2)
上記について、投入前と1〜3回目の投入後における各元素の濃度とpHについて調べた。その結果を表2に示す。なお、1回目の投入における反応終了時の状態は比較例4と同じであることから、実施例3との対比のために比較例4を表2において再掲する。
Figure 0006328446
実施例1〜2と実施例3の比較から、炭酸ナトリウムの投入を複数回に分けて行うことで、排水中のカドミウムの低減効果が増大したことが示された。具体的に言うと、実施例1の場合では水処理を行った後の排水中のカドミウムの濃度は0.10mg/Lであったが、実施例3の場合だと2回目の投入が終了した後では0.02mg/Lとなっていた。
また、実施例2における炭酸ナトリウムの投入量は3.21gであり、実施例3での炭酸ナトリウムの2回目までの総投入量(2.93g)よりも多い投入量である。それにもかかわらず、炭酸ナトリウムを2回投入した実施例3の方が、水処理を行った後の排水中のカドミウムの濃度が低く、しかもマグネシウムを排水中に多く溶存させることができていた。そして、3回目までの総投入量(3.26g)では、排水中のカドミウムをほぼゼロ(分析下限値以下)とすると共に、マグネシウムを多く排水中に残すことができた。
以上の結果により、炭酸ナトリウムを複数回投入することの有意性が示された。

Claims (3)

  1. カドミウム、鉛およびマグネシウムを含有し、カドミウムの濃度が142.8mg/L以下であり、且つ鉛の濃度が0.88mg/L以下であり、且つpHが6〜8である金属製錬における排水に対し、pHが9〜9.8となるようにアルカリ金属の炭酸塩を添加する工程により、当該排水中のカドミウムおよび鉛の濃度を共に0.1mg/L以下とし、かつ、当該排水中のマグネシウムの濃度を、炭酸塩の添加前のマグネシウムの濃度の60%以上とする、水処理方法。
  2. 前記炭酸塩を複数回添加する、請求項に記載の水処理方法。
  3. 前記炭酸塩は粉末である、請求項1又は2に記載の水処理方法。
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