JP6328347B2 - 風計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、大気中の風向及び風速を計測する風計測装置に関するものである。
従来から、大気中の遠隔点の風を計測する装置として、ドップラレーダ、ウィンドプロファイラ、ドップラライダ、ドップラソーダなどの装置が使用されている。これらの装置は、空間に電磁波や音波を放射し、雨滴や大気乱流、エアロゾルなどによる反射を受信して、受信信号のドップラ周波数偏移から大気中の風の風向風速を算出するものである。
以降、風計測装置としてドップラライダを例に説明を行う。ドップラライダで直接計測するものは、大気中の風に乗り風と同じ速度で移動するエアロゾルなどの速度を、ビーム方向に射影した視線方向成分(以降、これを視線速度という)である。3方向以上の異なる方向の視線速度を計測し、それらを用いて例えば非特許文献1に示されているVAD(Velocity Azimuth Display)法や、非特許文献2に示されている3ビーム法、4ビーム法、5ビーム法などの演算を行うことで風向風速を算出する。
このような風計測装置は、地上に固定するものの他に、船舶や航空機といった移動プラットフォームに搭載するものがある。このような移動プラットフォームは、自発的な移動の他に、風や波などの外界の影響を受けた移動、すなわち、動揺することが一般的である。そのため、例えば、特許文献1及び特許文献2に示すように、動揺検知装置を付加し、そこから得られる動揺情報、すなわち、ロール角、ピッチ角、ヨー角などの姿勢角(動揺角)や姿勢角速度及び角加速度情報を用いてプラットフォームが受ける動揺を打ち消すようなプラットフォームの動きの制御や、動揺の影響が含まれる計測データから計算された風向及び風速に対して動揺による回転及び移動(並進)量を加味した補正が行われる。
特開2005−241441号公報 特開2004−347550号公報
Browning,K.A.,and R.Wexler,The Determination of Kinematic Properties of a wind field using Doppler radar," J.Appl.Meteo.,7,105−113,1968. 小林 隆久、ウィンドプロファイラ― ―電波で探る大気の流れ― 気象研究ノート第205号、62−76、2004.
しかしながら、従来の動揺の補正は、風向及び風速、すなわち風ベクトルに対して行われている。風ベクトルを算出後に回転及び並進運動を補正しても、各視線方向の誤差は補正することができず、最終的な風ベクトルの推定精度が劣化するという課題があった。
この発明は、かかる問題を解決するためになされたもので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することのできる風計測装置を得ることを目的とする。
この発明に係る風計測装置は、大気中に電磁波または音波である放射信号を視線方向に放射し、大気と共に移動する粒子で反射された放射信号である反射信号を受信する信号送受信部と、信号送受信部で受信された反射信号である受信信号と放射信号の間のドップラ周波数偏移を求める周波数解析部と、ドップラ周波数偏移から視線速度を求める視線速度算出部と、信号送受信部が固定された支持物体の姿勢角である姿勢角情報を含む動揺情報を検出する動揺検出器と、姿勢角情報を用いて視線方向を補正する視線方向補正部と、視線方向補正部で補正された補正後視線方向と視線速度の組を視線データとして用い、信号送受信部から決められた位置に存在する計測点での大気の風向と風速を風ベクトルとして算出する風ベクトル算出部と、周波数解析部がドップラ周波数偏移を求める時間的に分割した受信信号の範囲である偏移検出範囲を、前記計測点の高度を含む決められた範囲内の高度の前記粒子で反射された前記受信信号の範囲となるように姿勢角情報に基づき変更する偏移検出範囲変更部とを備えたものである。
この発明に係る風計測装置によれば、風ベクトルを算出時の各視線方向の誤差を考慮して、精度の高い風ベクトルを求めることができる。
この発明に係る風計測装置のハードウェア構成図である。 この発明の実施の形態1の信号処理装置が実現する機能部を表すブロック構成図である。 風計測装置のxyz座標系を示す説明図である。 この発明の実施の形態1の風計測装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2の信号処理装置が実現する機能部を表すブロック構成図である。 この発明の実施の形態2の風計測装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3の信号処理装置が実現する機能部を表すブロック構成図である。 この発明の実施の形態3の風計測装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4の信号処理装置が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。 この発明の実施の形態4の風計測装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態5の信号処理装置が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。 この発明の実施の形態5の風計測装置における視線数と風速誤差の関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態5の風計測装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態6の信号処理装置が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。 この発明の実施の形態6の風計測装置における動揺周期と視線数の関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態6の風計測装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態7の信号処理装置が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。 この発明の実施の形態7の風計測装置における視線速度計測点を模式的に示す説明図である。 この発明の実施の形態7の風計測装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態8の信号処理装置が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。 この発明の実施の形態8の風計測装置における過去の風ベクトルと視線速度計測点の関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態8の風計測装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態9の信号処理装置が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。 この発明の実施の形態9の風計測装置における視線数と動揺情報誤差の関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態9の風計測装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態10の信号処理装置が実現する機能部を表すブロック構成図である。 この発明の実施の形態10の風計測装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態11の信号処理装置が実現する機能部を表すブロック構成図である。 この発明の実施の形態11の風計測装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態12の信号処理装置が実現する機能部を表すブロック構成図である。 この発明の実施の形態12の風計測装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態13の信号処理装置が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。 この発明の実施の形態13の風計測装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態14の信号処理装置が実現する機能部を表すブロック構成図である。 この発明の実施の形態14の風計測装置の動作を示すフローチャートである。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の風計測装置を示すハードウェア構成図である。この明細書では、すべての実施の形態でハードウェア構成は同じである。図1とは異なるハードウェア構成でも、この発明は実施できる。図1に示すのは、一例のハードウェア構成である。
図1に示す風計測装置は、光源1、分配器2、パルス変調器3、サーキュレータ4、光アンテナ装置5、合成器6、光受信機7、A/D変換器8、制御器9、動揺検出器10、表示器11、信号処理装置12を備えている。信号処理装置12は、制御器インタフェース13、動揺検出器インタフェース14、表示器インタフェース15、メモリ16、プロセッサ17、記憶装置18、A/D変換器インタフェース19を備えている。
光源1は、単一周波数からなる連続波の光を出力するものである。この光源1によるレーザ光は分配器2に出力される。分配器2は、光源1からのレーザ光を2分配するものである。この分配器2により2分配されたレーザ光は、一方がパルス変調器3に出力され、他方が合成器6に出力される。パルス変調器3は、分配器2から取得したレーザ光に対して、決められた周波数シフトを与え、更にパルス変調を行うものである。このパルス変調器3により周波数変調及びパルス変調されたレーザ光はサーキュレータ4に出力される。
サーキュレータ4は、レーザ光の入力元に応じて出力先を切り替えるものである。このサーキュレータ4は、パルス変調器3からのレーザ光は光アンテナ装置5に出力し、光アンテナ装置5からのレーザ光は合成器6へ出力する。光アンテナ装置5は、サーキュレータ4からのレーザ光を風計測装置に対して決められた方向で大気中に照射し、そのレーザ光に対するエアロゾルからの散乱光を集光する信号送受信部としての機能を有している。この光アンテナ装置5により集光された散乱光はサーキュレータ4を介して合成器6に出力される。合成器6は、分配器2からのレーザ光と、サーキュレータ4を介した光アンテナ装置5からのレーザ光とを合成するものである。この合成器6により合成されたレーザ光は光受信機7に出力される。光受信機7は、合成器6からのレーザ光に対してヘテロダイン検波により低周波成分を抽出し、抽出した低周波数で変動する光を光電変換素子に照射して、電気信号に変換するものである。この光受信機7により変換された電気信号はA/D変換器8に出力される。A/D変換器8は、光受信機7からの電気信号をA/D(Analog−to−Digital)変換するものである。このA/D変換器8により決められたサンプリングレート毎の信号に変換された信号は信号処理装置12内のA/D変換器インタフェース19を介して記憶装置18に出力される。
この明細書では、可視光領域のレーザ光を電磁波として使用する場合で説明する。電磁波としては、より波長が長い赤外線や電波を使用してもよい。また、音波を使用してもよい。電磁波または音波である放射信号を放射し、その反射波を受信できるように構成していれば、信号送受信部はどのような構成でもよい。
一方、光アンテナ装置5等と同じプラットフォーム上に搭載される動揺検出器10は、プラットフォームの動揺を検知するジャイロセンサ、プラットフォームの位置を出力するGPS(全地球測位システム)、方位情報を出力する磁気コンパスなどによって構成され、プラットフォームの動揺情報(位置、方位、3軸姿勢角、姿勢角速度、3軸並進速度)を取得するものである。プラットフォームは、信号送受信部が固定された支持物体である。この動揺検出器10により取得された動揺情報は信号処理装置12内の動揺検出器インタフェース14を介して記憶装置18に出力される。信号処理装置12内のプロセッサ17は、制御器インタフェース13を介して制御器9から制御信号を受信し、記憶装置18から受信信号、動揺情報、プログラム等をメモリ16へ読み込み、視線速度算出、視線方向補正、並進速度補正、機器相対速度補正、風ベクトル算出などの機能部を実行するものである。このプロセッサ17により算出された風ベクトルは表示器インタフェース15を介して表示器11へ出力される。表示器11は、表示器インタフェース15を介してプロセッサ17で算出した風ベクトルを表示するものである。風ベクトルは記憶装置18に保存される。制御器9は、光源1へレーザ光送信の制御信号を出力し、光アンテナ装置5へビーム走査の制御信号を出力し、動揺検出器10へ動揺情報取得の制御信号を出力し、制御器インタフェース13を介してプロセッサ17へ視線速度算出から視線速度補正、風ベクトル算出に至る制御信号を出力するものである。
図2は、信号処理装置が実現する機能部を表すブロック構成図である。
周波数解析部101は、入力した受信信号に対してフーリエ変換を行い、ドップラスペクトルを算出する処理部である。すなわち、周波数解析部101は、光アンテナ装置5で送信された信号と受信された信号の間のドップラ周波数偏移を求める演算部である。視線速度算出部102は、ドップラスペクトルを決められた数分インコヒーレント積分し、ピーク検出を行い、補正前視線速度であるドップラ速度を算出する処理部である。視線方向補正部103は、動揺していない場合の風計測装置に対して決められた視線方向(これを補正前視線方向とする)と、図1に示す動揺検出器10から出力された動揺情報のうち姿勢角情報を用いて、補正前視線方向を動揺により生じた姿勢角の変化に応じて回転させ、実際の視線方向としての補正後視線方向を出力する処理部である。視線データ格納部104は、視線速度算出部102からの補正前視線速度と、視線方向補正部103からの補正後視線方向を含む視線データを格納する処理部である。風ベクトル算出部105は、視線データ格納部104に格納された複数の補正後視線方向と複数の補正前視線速度を用いて風ベクトルを算出し出力する処理部である。なお、これら周波数解析部101〜風ベクトル算出部105は、プロセッサ17が記憶装置18よりそれぞれの機能部に対応したプログラムを読み込み、メモリ16上に展開して実行することにより実現されている。
実施の形態1の風計測装置の動作について説明する。なお、動作における一般的な処理(例えば、FFT、モーメント法、パルスペア法など)については公知であるためこのような処理に関しては詳細な説明を省略する。
周波数解析部101には、大気中に光パルスを放射し、その後、大気と同様の動きをする粒子であるエアロゾルなどからの反射波を受信し、決められたサンプリング周波数でA/D変換した後の受信信号が入力される。周波数解析部101では、決められた風速を測る高度の区分に応じて、受信信号を時間的に分割し、分割したそれぞれの受信信号の部分をフーリエ変換(具体的手段としては、FFT(Fast Fourier Transform)処理)することにより、ドップラスペクトル(パワースペクトル)を算出し、視線速度算出部102へと出力する。
視線速度算出部102では、周波数解析部101から取得したドップラスペクトルに対し、予め設定した決められた数分だけドップラスペクトルを積分(インコヒーレント積分)処理し、積分後のドップラスペクトルに対して、モーメント法によりドップラ速度を算出し、視線データ格納部104へ出力する。このドップラ速度は、動揺補正前のドップラ速度であり、補正前視線速度である。なお、ここでは、モーメント法によりドップラ情報を得ているが、パルス間の位相の変化量からドップラ情報を得るパルスペア法などを用いてもよい。
視線方向補正部103では、決められた視線方向(ビーム方向)の単位ベクトルを、動揺情報中の姿勢角から導出した回転行列により回転演算を行うことで、動揺後、すなわち補正後の視線方向単位ベクトルを算出し、視線データ格納部104へ出力する。式で、表現すると、次式(1)となる。
Figure 0006328347
ただし、回転行列Tは、ロール、ピッチ、ヨーで表される姿勢角による回転を合成したものであり、図3のようにxyz座標系においてy軸を正面とし、ロールをy軸を中心とする回転(右ねじの進む方向の回転を正)でロール角をroll、ピッチをx軸を中心とする回転(右ねじの進む方向の回転を正)でピッチ角をpitch、ヨーをz軸を中心とする回転(右ねじの進む方向の回転を正)でヨー角をyawとすると、次式(2)となる。
Figure 0006328347
視線データ格納部104では、視線速度算出部102から取得した補正前視線速度と、視線方向補正部103から取得した補正後視線方向とを格納する。その後、決められた数以上の視線速度と視線方向のデータが蓄積されたところで、それらを視線データとして風ベクトル算出部105へ出力する。一般に、3つ以上の視線速度と視線方向の組があれば、3次元空間上の風ベクトルが算出できる。
風ベクトル算出部105では、視線データ格納部104から取得した複数の補正前視線速度と、同数の複数の補正後視線方向のデータとを用いて、風ベクトル(風向及び風速)を算出する。4本以上のn本の視線データから風ベクトルを求める場合は式(3)となり、3本の視線データから風ベクトルを求める場合は式(4)となる。
Figure 0006328347

Figure 0006328347
図4に、実施の形態1による風計測装置の信号処理部分のフローチャートを示す。
周波数解析部101に受信信号が入力された後、まず周波数解析部101によってドップラスペクトルを算出する(ステップST101)。次に、視線速度算出部102によって視線速度(ドップラ速度)を算出する(ステップST102)。一方、視線方向補正部103は、動揺情報に含まれる姿勢角情報を用いて回転行列を算出し(ステップST103)、それを用いて動揺していない場合の視線方向に対し視線方向を回転する(ステップST104)。この補正後視線方向のデータは視線データ格納部104に出力される。視線データ格納部104では、取得したデータ数が決められた数に達したかどうかを判定し(ステップST105)、決められた数に達していれば風ベクトル算出部105に出力し、風ベクトル算出部105によって風ベクトルを算出する(ステップST106)。ステップST105において、決められた数に達していなければ、視線データを格納し(ステップST107)、ステップST101に戻る。
実施の形態1では、計測に使用する視線データ毎に視線方向を補正するようにしたので、精度の高い風ベクトルを求めることができる。
実施の形態1の風計測装置によれば、大気中に電磁波または音波である放射信号を視線方向に放射し、大気と共に移動する粒子で反射された放射信号である反射信号を受信する信号送受信部と、信号送受信部で受信された反射信号である受信信号と放射信号の間のドップラ周波数偏移を求める周波数解析部と、ドップラ周波数偏移から視線速度を求める視線速度算出部と、信号送受信部が固定された支持物体の姿勢角である姿勢角情報を含む動揺情報を検出する動揺検出器と、姿勢角情報を用いて視線方向を補正する視線方向補正部と、視線方向補正部で補正された補正後視線方向と視線速度の組を視線データとして用い、信号送受信部から決められた位置に存在する計測点での大気の風向と風速を風ベクトルとして算出する風ベクトル算出部とを備えたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、動揺情報として姿勢角を用い、動揺によるロール、ピッチ、ヨーなどの姿勢角の変化に対する補正を行った。物体の運動は、動揺中心の周りの回転運動と、動揺中心の移動である並進運動に分解できる。並進運動の速度を並進速度と呼ぶ。この実施の形態2は、並進運動も補正する場合である。なお、以降の図において、既出の図の構成と機能的に同じものについては同一符号を付してその説明を省略する。
図5は、実施の形態2の風計測装置における信号処理装置が実現する機能部を表すブロック構成図である。なお、図2において動揺情報と表記した姿勢角の動揺情報は、図5では第一の動揺情報として区別している。視線速度補正部106は、第二の動揺情報として取得したプラットフォームの並進速度(ベクトル)と、視線速度算出部102から取得した補正前視線速度と、視線方向補正部103aから取得した補正後視線方向とを用いて、視線速度の補正を行う処理部である。
実施の形態2の動作について説明する。なお、実施の形態1とは異なる部分についてだけ説明を行う。
視線速度補正部106では、第二の動揺情報として得られるプラットフォームの並進速度(ベクトル)と、視線方向補正部103aから得られる補正後視線方向の単位ベクトルとの内積により、並進速度の補正後視線方向成分を算出し、これを補正前視線速度に付加した補正後視線速度を出力する。i番目の補正後視線速度は次式(5)となる。ただし、<,>は内積を表す。
Figure 0006328347
視線データ格納部104aでは、視線速度補正部106からの補正後視線速度と、視線方向補正部103aからの補正後視線方向とを格納する。その後、決められた数の補正後視線速度と補正後視線方向のデータが蓄積されたところで、それらを決められた数の視線データとして風ベクトル算出部105aへ出力する。
風ベクトル算出部105aでは、視線データ格納部104aから取得した複数の補正後視線速度のデータと、同数の複数の補正後視線方向のデータとを用いて、風ベクトルを算出する。補正後視線速度VCOiに対しても、4本以上のn本の視線データから風ベクトルを求める場合は式(3)となり、3本の視線データから風ベクトルを求める場合は式(4)となる。
図6に、実施の形態2による風計測装置の信号処理部分のフローチャートを示す。ここで、ステップST101〜ステップST104は図4に示した実施の形態1と同様であるため、これらの説明は省略する。次に、視線速度補正部106は、第二の動揺情報である並進速度を用いて、並進速度の視線方向成分を算出し(ステップST108)、補正した視線速度を補正後視線速度として視線データ格納部104aに出力する。視線データ格納部104aでは、取得した視線データ数が決められた数に達したかどうかを判定し(ステップST105)、決められた数に達していれば風ベクトル算出部105aに出力し、風ベクトル算出部105aによって風ベクトルを算出する(ステップST106)。ステップST105において、決められた数に達していなければ、取得した視線データを格納し(ステップST107)、ステップST101に戻る。
実施の形態2では、計測中の視線データ毎に視線方向を補正し、視線速度に並進速度を付加するように補正しているので、精度の高い風ベクトルを求めることができる。
実施の形態2の風計測装置によれば、動揺検出器は支持物体の移動速度である並進速度情報を検出し、かつ、並進速度情報を用いて視線速度算出部で求めた視線速度を補正する視線速度補正部を備えたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態3.
実施の形態1及び実施の形態2では、動揺情報として姿勢角を用い、ロール、ピッチ、ヨーなどの姿勢角の動揺に対する補正及び並進運動に対する補正を行っていた。ドップラライダと動揺検出器10とが離れた位置に設置されている場合には、動揺検出器10が検出する速度及び角速度は、ドップラライダの位置での速度及び角速度とは異なるものとなり、回転運動の際にこれら機器間の相対速度も誤差として視線速度に重畳する。従って、このような機器の相対速度の影響も補正することが必要であり、このような補正を行う例を実施の形態3として説明する。
図7は、実施の形態3の風計測装置における信号処理装置が実現する機能部を表すブロック構成図である。なお、図2において動揺情報と表記した姿勢角の動揺情報は、図7では第一の動揺情報として区別している。視線速度補正部106aは、第二の動揺情報として取得したプラットフォームの並進速度(ベクトル)と、第三の動揺情報として取得したプラットフォームの姿勢角速度と、位置ベクトル情報と、視線速度算出部102から取得した補正前視線速度と、視線方向補正部103aから取得した補正前視線方向及び補正後視線方向とを用いて、視線速度の補正を行う処理部である。ここで、位置ベクトル情報とは、プラットフォーム動揺中心に対するドップラライダの位置ベクトル及び動揺中心に対する動揺検出器10の位置ベクトル、または、動揺検出器10に対するドップラライダの位置ベクトルである。
実施の形態3の動作について説明する。なお、実施の形態1及び実施の形態2とは異なる部分についてだけ説明を行う。
視線速度補正部106aでは、第三の動揺情報として得られるプラットフォームの姿勢角速度と、位置ベクトル情報として得られる、動揺中心に対するドップラライダの位置ベクトル及び動揺中心に対する動揺検出器の位置ベクトル、または動揺検出器10に対するドップラライダの相対的な位置ベクトルとの外積により、機器の相対速度成分を算出する。更に、補正前視線速度の単位ベクトルとの内積により、視線速度成分を算出し、これを補正前視線速度に付加した補正後視線速度を出力する。補正後視線速度は式(6)となる。なお、式(6)においては、姿勢角速度と機器の位置ベクトルとの外積の結果と、補正前視線方向の単位ベクトルの両方に回転行列をかけ、補正前視線方向の単位ベクトルの代わりに補正後視線方向の単位ベクトルを用いることもでき、これを式で表すと式(7)となる。ただし、<,>は内積を、×は外積を表す。なお、並進運動の補正を行わなくてもよい。
Figure 0006328347

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視線データ格納部104aは、上記の補正後視線速度と、視線方向補正部103aからの補正後視線方向とを視線データとして格納する。その後、決められた数の視線速度と視線方向のデータが蓄積されたところで、それらを風ベクトル算出部105aへ出力する。
風ベクトル算出部105aでは、視線データ格納部104aから取得した複数の補正後視線速度と、同数の補正後視線方向のデータとを用いて、風ベクトルを算出する。4本以上のn本の視線データから風ベクトルを求める場合は、式(3)となる。また、3本の視線データから風ベクトルを求める場合は、式(4)となる。
図8に、実施の形態3による風計測装置の信号処理部分のフローチャートを示す。ここで、ステップST101〜ステップST108は図6に示した実施の形態2の処理と同様であるため、これらの説明は省略する。次に、視線速度補正部106aでは、第三の動揺情報すなわち姿勢角速度を用いて、機器相対速度の視線方向成分を算出し(ステップST109)、補正した視線速度を補正後視線速度として視線データ格納部104aに出力する。視線データ格納部104aでは、取得した視線データ数が決められた数に達したかどうかを判定し(ステップST105)、決められた数に達していれば風ベクトル算出部105aに出力し、風ベクトル算出部105aによって風ベクトルを算出する(ステップST106)。ステップST105において、決められた数に達していなければ、取得した視線データを格納し(ステップST107)、ステップST101に戻る。
実施の形態3では、計測中の視線データ毎に視線方向を補正し、視線速度に並進速度及び機器相対速度を付加するように補正しているので、精度の高い風ベクトルを求めることができる。
実施の形態3の風計測装置によれば、動揺検出器は支持物体の移動速度である並進速度情報と支持物体の姿勢角の変化速度である姿勢角速度情報を検出し、視線速度補正部は、並進速度情報及び姿勢角速度情報を用いて視線速度算出部で求めた視線速度を補正するようにしたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態4.
実施の形態1〜3では、風ベクトル算出に用いる視線データ数を単に決められた数としていた。本発明による風計測装置では望ましい更新レートである所望更新レート、すなわち風ベクトルの算出時間間隔に合わせた3以上の視線データ数を用いることもでき、これを実施の形態4として説明する。
図9は、実施の形態4における信号処理装置が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。
視線データ数制御部107は、予め設定した所望更新レートを用いて、使用する視線データ数を算出し、それを視線データ格納部104bへ出力する処理部である。また、視線データ格納部104bは、視線データ数制御部107で求めた視線データ数に基づいて、取得した視線データ数が決められた数に達したかどうかを判定するよう構成されている。
実施の形態4の動作について説明する。
視線データ数制御部107では、予め設定した所望更新レートの間に取得される視線データ数を算出する。例えば、ドップラライダの各視線速度データを取得する時間間隔である視線データ更新レートがa秒、所望更新レートがb秒の場合、[b/a]([x]はxを超えない最大の整数)を使用する視線数とする。ただし、[b/a]が3に満たない場合は、視線数を3以上とする。
図10に、実施の形態4による風計測装置の信号処理部分のフローチャートを示す。なお、図10においては、実施の形態1〜3と共通する部分については記載を省略している。すなわち、実施の形態1のステップST101〜ステップST104、実施の形態2のステップST101〜ステップST108及び実施の形態3のステップST101〜ステップST109のうち、いずれかの処理を行った後、ステップST110に移行する。ステップST110では、視線データ数制御部107により、所望更新レートと、視線データ更新レートを用いて視線データ数を算出し、これを視線データ格納部104bに出力する。視線データ格納部104bでは、視線データ数制御部107で求めた視線データ数に基づいて、取得した視線データ数が決められた数に達したかどうかを判定し(ステップST105)、決められた数に達していれば決められた数の視線データを出力する。風ベクトル算出部105aでは視線データ格納部104bから取得した視線データに基づいて風ベクトルを算出する(ステップST106)。一方、視線データ格納部104bで、視線データ数が決められた数に達していなければ、視線データを格納し(ステップST107)、次の視線データの取得処理に戻る。すなわち、図4、図6、図8に示すいずれかのステップST101に戻る。
実施の形態4では、視線データを更新するレートによらず、所望更新レートにより風ベクトルを算出できるようになるため、例えば、動揺周期と視線データを更新するレートの例えば3倍の風ベクトルの更新レートが近くなり、動揺補正が十分にできない場合を回避できる。動揺周期と風ベクトルの更新レートが近くなると、元の風ベクトルには見かけ上、常に同じ大きさの姿勢角や姿勢角速度の動揺が定常的に加わっているように見えるため、十分な補正ができなくなる。
実施の形態4の風計測装置によれば、風ベクトル算出の更新レートに基づき視線データ数を算出する視線データ数制御部を備え、風ベクトル算出部は、視線データ数の視線データを用いて風ベクトルを算出するようにしたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態5.
実施の形態4では、風ベクトル算出に用いる視線データ数を、決められた更新レートに合わせて決定していた。所望風速精度、すなわち風ベクトルを算出する際の望ましい精度を満たすように視線データ数を決定することもでき、これを実施の形態5として説明する。
図11は、実施の形態5における信号処理装置12が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。
視線データ数制御部107aは、予め設定した所望風速精度を用いて、使用する視線データ数を算出し、それを視線データ格納部104bへ出力する処理部である。また、視線データ格納部104bは、視線データ数制御部107aで求めた視線データ数に基づいて、取得した視線データ数が決められた数に達したかどうかを判定するよう構成されている。
実施の形態5の動作について説明する。
視線データ数制御部107aでは、予め設定した所望風速精度を満たす視線数を、予め取得した風速精度と視線数の関係に基づいて決定し、視線データ格納部104bへ出力する。図12は風速精度と視線数の一般的な関係を示す図である。このような関係は、視線速度あたりの精度と、風ベクトル算出部105aにおける算出方法から、経験的かモンテカルロシミュレーションにより、または、誤差解析理論検討から導出することができる。なお、図12における縦軸は精度として風速誤差を示している。図12においては、所望風速精度を設定すると、その値と特性曲線との交点を視線数を表す軸へ下した点から必要視線数を求めることができる。
図13に、実施の形態5による風計測装置の信号処理部分のフローチャートを示す。なお、図13においても、実施の形態1〜3と共通する部分については記載を省略している。すなわち、実施の形態1のステップST101〜ステップST104、実施の形態2のステップST101〜ステップST108及び実施の形態3のステップST101〜ステップST109のうち、いずれかの処理を行った後、ステップST111に移行する。ステップST111では、視線データ数制御部107aにより、所望風速精度に対する視線データ数を、予め取得した風速精度と視線データ数の関係から照合し視線数を求め、これを視線データ格納部104bに出力する。視線データ格納部104bでは、視線データ数制御部107aで求めた視線データ数に基づいて、取得した視線データ数が決められた数に達したかどうかを判定し(ステップST105)、決められた数に達していれば決められた数の視線データを出力する。風ベクトル算出部105aでは視線データ格納部104bから取得した視線データに基づいて風ベクトルを算出する(ステップST106)。一方、視線データ格納部104bで、視線データ数が決められた数に達していなければ、視線データを格納し(ステップST107)、次の視線データの取得処理に戻る。すなわち、図4、図6、図8に示すいずれかのステップST101に戻る。
実施の形態5では、所望風速精度を考慮して風ベクトルを算出できるようになるため、例えば、観測環境において風況、大気の状態、機器の状態等により風速精度が変化することが予想される状況においても、決められた精度で風観測を行うことができる。
実施の形態5の風計測装置によれば、風ベクトル算出を行う際の精度の値に基づき視線データ数を算出する視線データ数制御部を備え、風ベクトル算出部は、視線データ数の視線データを用いて風ベクトルを算出するようにしたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態6.
実施の形態4及び実施の形態5では、風ベクトル算出に用いる視線データ数を、決められた更新レートに合わせて決定したり、所望風速精度に合わせて決定したりしていた。プラットフォームの動揺周期を基に、動揺補正効果が高くなるように視線データ数を決定することもでき、これを実施の形態6として説明する。
図14は、実施の形態6における信号処理装置が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。
動揺周期解析部108は、動揺情報を周波数解析して動揺の周期または周波数を算出し、動揺周期情報として視線データ数制御部107bへ出力する処理部である。実施の形態6では動揺情報として姿勢角情報を用いる。視線データ数制御部107bは、動揺周期解析部108から取得した動揺周期情報に基づき、使用する視線データ数を算出し、この視線データ数情報を視線データ格納部104bへ出力する処理部である。
実施の形態6の動作について説明する。
動揺周期解析部108では、動揺検出器10から出力された姿勢角情報を用いて、それを例えばFFT等による周波数解析を行い、動揺の主成分の周期を求める。動揺の主成分の周期と風ベクトル算出レートが等しいか近い場合には、動揺の補正効果が低下する。視線データ数制御部107bでは、風ベクトル算出レートが動揺の主成分の動揺周期とは異なる時間になる数に、例えば、動揺周期の1/2以下の時間になる視線数を設定し、視線データ格納部104bへ出力する。図15に、動揺周期と視線速度取得タイミングの関係を示す。図15において、動揺の主成分の周期に近い時間間隔で視線データ数を設定した場合、動揺補正の効果が劣化する。そのため、視線データ数制御部107bでは、動揺の主成分の動揺周期とはならない時間間隔の視線データ数を選択する。
図16に、実施の形態6による風計測装置の信号処理部分のフローチャートを示す。なお、図16においては、実施の形態1〜3と共通する部分については記載を省略している。すなわち、実施の形態1のステップST101〜ステップST104、実施の形態2のステップST101〜ステップST108及び実施の形態3のステップST101〜ステップST109のうち、いずれかの処理を行った後、ステップST112に移行する。ステップST112では、動揺周期解析部108により、姿勢角情報を用いて動揺周期を算出する。次に、視線データ数制御部107bによって、動揺周期に基づき視線データ数を算出し(ステップST110a)、これを視線データ格納部104bに出力する。視線データ格納部104bでは、格納された視線データ数が決められた数に達したかどうかを判定し(ステップST105)、決められた数に達していれば決められた数の視線データを出力する。風ベクトル算出部105aでは視線データ格納部104bから取得した視線データに基づいて風ベクトルを算出する(ステップST106)。一方、視線データ格納部104bで、視線データ数が決められた数に達していなければ、視線データを格納し(ステップST107)、次の視線データの取得処理に戻る。すなわち、図4、図6、図8に示すいずれかのステップST101に戻る。
実施の形態6では、動揺の周期または周波数を考慮して風ベクトルを算出できるようになるため、動揺周期と風ベクトル算出レートが近づくことによる動揺補正効果の低減を防ぐことができる。
実施の形態6の風計測装置によれば、動揺検出器が検出する姿勢角情報から支持物体の動揺周期を求める動揺周期解析部と、動揺周期解析部が求めた動揺周期に基づき視線データ数を算出する視線データ数制御部とを備え、風ベクトル算出部は、動揺周期を考慮した視線データ数の視線データを用いて風ベクトルを算出するようにしたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態7.
実施の形態4〜6では、風ベクトル算出に用いる視線データ数を、決められた更新レートに合わせて決定したり、所望風速精度に合わせて決定したり、動揺周期を用いて決定したりしていた。傾斜角を考慮した計測点の空間的配置状況から視線データ数を決定することもでき、これを実施の形態7として説明する。
図17は、実施の形態7における信号処理装置12が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。
計測点算出部109は、補正後視線方向及び動揺情報として得られるプラットフォームの位置情報から計測点の座標を算出し、これを計測点情報として視線データ数制御部107cへ出力する処理部である。視線データ数制御部107cは、計測点が入ることが望ましい領域である所望観測領域と計測点算出部109からの計測点情報を用いて、使用する視線データ数を算出し、これを風ベクトル算出制御信号として視線データ格納部104bへ出力する処理部である。なお、ここでは視線データ数制御部107cが用いる所望観測領域は高度で区分された領域であるとする。
実施の形態7の動作について説明する。
計測点算出部109では、補正後視線方向及びプラットフォームの位置情報を用いて、実際に計測した計測点の位置、すなわち計測点の方位及びレンジ(距離)を算出し、これを計測点情報として視線データ数制御部107cへ出力する。次に、視線データ数制御部107cでは、取得した計測点情報と、予め取得した高度情報を用いて、傾斜角を考慮した計測点の空間的な広がりを算出する。空間的な広がりとしては、例えば、傾斜角を考慮した計測点を頂点とする多角形の面積と、決められた面積の値とを比較し、決められた割合以上を占めていれば十分な広がりがあり、風ベクトルを算出できると判断することが考えられる。また、例えば動揺していない場合の計測点の中心などの基準点から見て、計測点の広がりを表す角度が決められた値以上であれば、十分な広がりがあり、風ベクトルを算出できると判断することができる。計測点の広がりを表す角度とは、例えば、基準点及び計測点を頂点とする多角形の基準点に対応する頂点での内角である。
図18は、観測領域を鉛直上方から見た図である。ここで、○(白丸)は動揺していない場合の視線速度計測点であり、●(黒丸)で示すA〜E点は動揺した場合の視線速度計測点を示している。図18において、なす角∠DOC、∠COA、∠AOB、∠BOE、∠EODの総和を計測点の広がりを表す角度として求め、それが決められた値以上であれば、十分な広がりがあると判定する。一般に、180°以上あれば正しい風ベクトルを算出することができる。視線データ数制御部107cにおいて、十分な広がりがあると判定できた場合には、その視線数の情報を風ベクトル算出制御信号として視線データ格納部104bへ出力する。十分な広がりがあると判定できない場合には、順次視線速度データを増やし、同様の判定を繰り返す。なお、計測点の空間的な広がりの他に、高度分布を用いて、ほぼ同一高度とみなせるかどうかを判定することもできる。一般に、風速は高度毎に異なる分布を持つため、動揺によってプラットフォームが傾き、計測点同士の高度に差異が生じると、各観測点では異なる風速を計測することになるため、風計測精度が劣化する。このような場合は、同一高度の計測点の視線速度のみを用いることの他に、ライダにおいて視線速度を算出する距離、すなわち高度の視線速度を算出するための受信信号の範囲を変えることで、同一高度の計測点を得ることもできる。
図19に、実施の形態7による風計測装置の信号処理部分のフローチャートを示す。なお、図19においては、実施の形態1〜3と共通する部分については記載を省略している。すなわち、実施の形態1のステップST101〜ステップST104、実施の形態2のステップST101〜ステップST108及び実施の形態3のステップST101〜ステップST109のうち、いずれかの処理を行った後、ステップST113に移行する。ステップST113では、計測点算出部109により傾斜角を考慮した計測点を算出する。次に、視線データ数制御部107cは、その計測点が空間的に十分な広がりをもっているか否かを判定し(ステップST114)、十分な広がりがある場合は風ベクトルが算出可能であるとの風ベクトル算出制御信号として視線データ格納部104bに出力する。視線データ格納部104bでは、視線データ数制御部107cからの風ベクトル算出制御信号に基づいて、風ベクトルを算出可能かどうかを判定し(ステップST105a)、風ベクトルを算出可能であれば視線データを出力する。風ベクトル算出部105aでは視線データ格納部104bから取得した視線データに基づいて風ベクトルを算出する(ステップST106)。一方、視線データ格納部104bで、視線データ数が決められた数に達していなければ、視線データを格納し(ステップST107)、次の視線データの取得処理に戻る。すなわち、図4、図6、図8に示すいずれかのステップST101に戻る。
実施の形態7では、傾斜角を考慮した計測点の空間的広がりまたは、高度分布の同一性から、計測点の有効無効を判定して風ベクトルを算出できるようにしているため、動揺により計測点が変動した場合でも精度の高い風ベクトル推定が可能となる。
実施の形態7の風計測装置によれば、風ベクトルを算出する計測点の位置を表す計測点情報を求める計測点算出部と、計測点情報と風ベクトルを算出する観測領域の情報から計測点の空間的配置状況を求め、計測点の空間的配置状況に基づき視線データ数を算出する視線データ数制御部とを備え、風ベクトル算出部は、計測点の空間的配置状況を考慮した視線データ数の視線データを用いて風ベクトルを算出するようにしたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態8.
実施の形態7では、傾斜角を考慮した計測点の空間的配置状況から風ベクトル算出に用いる視線データ数を決定していた。過去の観測時、例えば前回の観測時の風との変化状況から、動揺補正効果が高くなるように視線データ数を決定することもでき、これを実施の形態8として説明する。
図20は、実施の形態8における信号処理装置12が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。
予想視線速度算出部110は、過去の観測時の風ベクトルと、補正度視線方向を用いて、現在予想される視線速度を算出し、それを視線データ数制御部107dへ出力する処理部である。視線データ数制御部107dは、予想視線速度と、実測した補正後視線速度を用いて風況、例えば風向の変化を判定し、使用する視線データ数を算出し、それを視線データ格納部104bへ出力する処理部である。
実施の形態8の動作について説明する。
予想視線速度算出部110では、前回観測時の風ベクトルと、補正後視線方向との内積により、現在、同じ風況(風向及び風速が同じ)であると仮定した場合の視線速度である予想視線速度を算出し、視線データ数制御部107dへ出力する。
視線データ数制御部107dでは、予想視線速度と、実測した補正後視線速度の比較を行い、差異が決められた値未満であれば、風況が変化しておらず、風ベクトル算出で使用する視線データを増やすことができると判断し、差異が決められた値以上であれば、前回観測時とは風況が変化しており、今回の視線速度を含めて風ベクトルを計算すると精度が劣化すると判断し、使用する視線データ数を視線データ格納部104bへ出力する。図21に、過去の風ベクトルと計測点の関係を示す模式図を示す。図21は、観測領域を鉛直上方から見た図である。●(黒丸)で示すA〜E点は動揺した場合の視線速度計測点を示している。また、200aは過去の風ベクトル、200bは予想視線速度を示している。
図22に、実施の形態8による風計測装置の信号処理部分のフローチャートを示す。なお、図22においては、実施の形態1〜3と共通する部分については記載を省略している。すなわち、実施の形態1のステップST101〜ステップST104、実施の形態2のステップST101〜ステップST108及び実施の形態3のステップST101〜ステップST109のうち、いずれかの処理を行った後、ステップST115に移行する。ステップST115では、予想視線速度算出部110により予想視線速度を算出する。次に、視線データ数制御部107dは、予想視線速度と計測した視線速度の一致度を判定し(ステップST114a)、一致度が決められた値以上かどうかを風ベクトル算出制御信号として出力する。視線データ格納部104bでは、視線データ数制御部107aで求めた風ベクトル算出制御信号に基づいて、予想視線速度と計測した視線速度が一致しているかどうかを判定し(ステップST105b)、予想視線速度と計測した視線速度が一致していれば、視線データ数が上限に達したかどうかを判定する(ステップST105c)。視線データ数の上限は、風速に変化が無い状態が継続する場合でも、風ベクトルを算出すべき時間間隔から決める。視線データ数が上限に達した場合には、今回の視線データも使用して風ベクトルを算出する(ステップST106)。視線データ数が上限に達していない場合には、視線データを格納し(ステップST107)、次の視線データの取得処理に戻る。すなわち、図4、図6、図8に示すいずれかのステップST101に戻る。予想視線速度と計測した視線速度が一致していなければ、風況が変化しているので、前回までの視線データを使用して風ベクトルを算出する(ステップST106a)。今回の視線データを格納し(ステップST107)、次の視線データの取得処理に戻る。
実施の形態8では、風況の変化に応じて風ベクトル算出で使用する視線データ数の数を変えているため、風況が安定しているときには雑音成分を低減でき、風況が変化した場合でも風ベクトルの推定精度劣化を抑えることができる。
実施の形態8の風計測装置によれば、過去の風ベクトル算出結果から予想視線速度を求める予想視線速度算出部と、予想視線速度と実測した視線速度との比較により視線データ数を算出する視線データ数制御部とを備え、風ベクトル算出部は、予想視線速度と実測した視線速度との比較により算出した視線データ数の視線データを用いて風ベクトルを算出するようにしたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態9.
実施の形態8では、風況の変化に応じて風ベクトル算出で使用する視線データ数を変化させていたが、動揺状況に応じて視線データ数を決定することもでき、これを実施の形態9として説明する。
図23は、実施の形態9における信号処理装置が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。
動揺精度算出部116は、動揺情報の精度を算出し、それを視線データ数制御部107eに出力する処理部である。視線データ数制御部107eは、動揺精度算出部116で求めた動揺精度情報を用いて、使用する視線データ数を算出し、これを風ベクトル算出制御信号として視線データ格納部104bへ出力する処理部である。
実施の形態9の動作について説明する。
動揺精度算出部116では、動揺検出器10から出力される動揺情報に対して、平均値、分散値または標準偏差といった統計量を算出し、これら動揺精度情報を視線データ数制御部107eへ出力する。
視線データ数制御部107eでは、所望動揺精度と、動揺精度算出部116で求めた動揺精度情報とを比較し、計測した動揺の精度が所望動揺精度よりも良い場合は現在の視線データ数を継続して出力し、悪い場合はデータ数を増やすことで雑音成分を低減させるため、視線データ数を増やしたものを出力する。図24は、動揺精度と視線数との関係を示す図である。動揺の誤差成分が雑音によるものであれば、視線数を増やすことで低減させることができる。図24に示す動揺精度と視線数の特性は、事前に取得しておく。
図25に、実施の形態9による風計測装置の信号処理部分のフローチャートを示す。なお、図25においては、実施の形態1〜3と共通する部分については記載を省略している。すなわち、実施の形態1のステップST101〜ステップST104、実施の形態2のステップST101〜ステップST108及び実施の形態3のステップST101〜ステップST109のうち、いずれかの処理を行った後、ステップST127に移行する。ステップST127では、動揺精度算出部116により動揺精度を算出する。次に、視線データ数制御部107eは、動揺精度に対する視線データ数を事前に取得した特性と照合し、視線データ数を決定し(ステップST116)、風ベクトル算出制御信号として出力する。視線データ格納部104bでは、視線データ数制御部107eで求めた視線データ数に基づいて、取得した視線データ数が動揺精度に応じて決められた数に達したかどうかを判定し(ステップST105d)、動揺精度に応じて決められた数に達していれば動揺精度に応じて決められた数の視線データを出力する。風ベクトル算出部105aでは視線データ格納部104bから取得した視線データに基づいて風ベクトルを算出する(ステップST106)。一方、視線データ格納部104bで、視線データ数が動揺精度に応じて決められた数に達していなければ、視線データを格納し(ステップST107)、次の視線データの取得処理に戻る。すなわち、図4、図6、図8に示すいずれかのステップST101に戻る。
実施の形態9では、動揺の精度により風ベクトル算出で使用する視線データ数の数を変えているため、例えば動揺状況が変わり、ランダム性が増加した場合でも精度の高い風ベクトル推定を行うことができる。
実施の形態9の風計測装置によれば、動揺情報の統計量により動揺情報の精度を求める動揺精度算出部と、動揺情報の精度により視線データ数を算出する視線データ数制御部とを備え、風ベクトル算出部は、動揺情報の精度を考慮した視線データ数の視線データを用いて風ベクトルを算出するようにしたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態10.
実施の形態5や実施の形態9では、視線速度の精度や、動揺情報の精度により風ベクトル推定で使用する視線データ数を変化させていたが、例えば、鳥や飛行機などのハードターゲットが観測領域内に現れた場合、局所的に視線速度の精度が劣化することが考えられる。このような場合は、視線データ数ではなく、視線データを個別に使用するか否かを判定した方が効果的であり、これを実施の形態10として説明する。
図26は、実施の形態10における信号処理装置12が実現する機能部を表すブロック構成図である。
強度情報算出部111は、受信信号のドップラスペクトルから信号の強度情報を算出し、視線データ判定部112へ出力する処理部である。視線データ判定部112は、取得した受信信号の強度情報に基づき、視線データの有効無効を判定し、判定結果を視線データ格納部104cへ出力する処理部である。
実施の形態10の動作について説明する。
強度情報算出部111では、受信信号のドップラスペクトルを用いて、ピーク検出を行い、振幅値を算出する。振幅値は信号の強度を示す指標であり、これを視線速度強度情報とすることができる。または、予め求めた雑音レベルとの比から信号対雑音比を算出し、これを視線速度強度情報とすることもできる。
視線データ判定部112では、取得した視線速度強度情報の値が、風速として有効な決められた範囲内にあるか否かを判定する。この決められた範囲は予め取得し、設定するものである。例えば、強度が範囲を超える場合には、ハードターゲットからの反射波である可能性が高く、逆に範囲よりも低い場合には、エアロゾル濃度が低く、データとしての信頼性が低いことや、動揺が激しく、計測時間内の速度の変動が大きいために、信号が積み上がらなかったと考えられる。強度が決められた範囲内にある場合には、視線データ格納部104cに対し、データを有効とする視線データ判定情報を出力し、強度が決められた範囲外にある場合には、視線データ格納部104cに対し、当該視線データを無効とする視線データ判定情報を出力する。視線データ格納部104cでは、有効と判定された視線データのみを風ベクトル算出部105に出力する。
図27に、実施の形態10による風計測装置の信号処理部分のフローチャートを示す。なお、図27において、ステップST101〜ST104は、実施の形態1〜3と同様であるため、ここでの説明は省略する。
実施の形態10では、視線方向補正部103により視線方向を回転する(ステップST104)と共に、強度情報算出部111によってドップラスペクトルから強度情報を算出する(ステップST117)。次に、視線データ判定部112は、強度情報算出部111で算出した強度情報が決められた条件を満たしているか否かを判定し(ステップST118)、満たしている場合は視線データを有効とする視線データ判定情報を出力し、強度が決められた条件を満たしていない場合には視線データを無効とする視線データ判定情報を出力する。視線データ格納部104cでは、視線データ判定情報に基づいて、取得した視線データのうち有効な視線データの数が決められた数に達したかどうかを判定し(ステップST105)、決められた数に達していれば決められた数の有効な視線データを出力する。風ベクトル算出部105では視線データ格納部104cから取得した視線データに基づいて風ベクトルを算出する(ステップST106)。一方、視線データ格納部104cで、有効な視線データ数が決められた数に達していなければ、視線データを格納し(ステップST107)、ステップST101に戻る。また、ステップST118において、強度情報が決められた条件を満たしていない場合はその視線データを破棄し、ステップST101に戻る。
実施の形態10では、視線データの強度条件に基づいてデータの有効無効を判定するようにしているので、有効な、すなわち精度の高いデータのみを用いて風ベクトルを計測することができ、高い風ベクトル推定精度を得ることができる。
実施の形態10の風計測装置によれば、信号送受信部で受信された受信信号の強度情報を算出する強度情報算出部と、強度情報の値が設定された条件を満たす場合に受信信号から算出される視線データが有効であると判定する視線データ判定部とを備え、風ベクトル算出部は、視線データ判定部で有効と判定された視線データを用いて風ベクトルを算出するようにしたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態11.
実施の形態10では、視線データの強度条件により有効無効を判定していた。ドップラ速度の値を用いて判定することもでき、これを実施の形態11として説明する。
図28は、実施の形態11における信号処理装置12が実現する機能部を表すブロック構成図である。
視線データ判定部112aは、取得した視線速度に基づき、視線データの有効無効を判定し、判定結果を視線データ格納部104cへ出力する処理部である。
実施の形態11の動作について説明する。
視線データ判定部112aでは、視線速度算出部102で算出した補正前の視線速度に基づき、視線速度の値が、風速として有効な決められた範囲内にあるか否かを判定する。例えば、ドップラ速度が有効な決められた範囲外で高い場合には、雑音成分を誤推定していることが考えられる。また、過去、例えば前回時刻の風ベクトルとの比較を行い、差異が大きい場合にも視線速度を誤推定していることが考えられる。有効な場合には、当該視線データが有効という視線データ判定情報を視線データ格納部104cへ出力し、無効な場合は、当該視線データ無効という視線データ判定情報を視線データ格納部104cへ出力する。
図29に、実施の形態11による風計測装置の信号処理部分のフローチャートを示す。なお、図29において、ステップST101〜ST104は、実施の形態1〜3と同様であるため、ここでの説明は省略する。
実施の形態11では、視線方向補正部103により視線方向を回転する(ステップST104)と共に、視線データ判定部112aによって視線速度算出部102が求めた補正前視線速度が決められた条件に適合するか否かを判定し(ステップST119)、満たしている場合は視線データを有効とする視線データ判定情報を出力し、強度が決められた条件を満たしていない場合には視線データを無効とする視線データ判定情報を出力する。視線データ格納部104cでは、視線データ判定情報に基づいて、取得した視線データのうち有効な視線データの数が決められた数に達したかどうかを判定し(ステップST105)、決められた数に達していれば決められた数の有効な視線データを出力する。風ベクトル算出部105では視線データ格納部104cから取得した視線データに基づいて風ベクトルを算出する(ステップST106)。一方、視線データ格納部104cで、有効な視線データ数が決められた数に達していなければ、視線データを格納し(ステップST107)、ステップST101に戻る。また、ステップST119において、視線速度が決められた条件を満たしていない場合は、その視線データを破棄し、ステップST101に戻る。
実施の形態11では、視線データのドップラ速度に関する条件に基づいてデータの有効無効を判定するようにしているので、有効な、すなわち精度の高いデータのみを用いて風ベクトルを計測することができ、高い風ベクトル推定精度を得ることができる。
実施の形態11の風計測装置によれば、視線速度算出部が求めた視線速度が設定された条件を満たす場合に視線速度の視線データが有効であると判定する視線データ判定部を備え、風ベクトル算出部は、視線データ判定部で有効と判定された視線データを用いて風ベクトルを算出するようにしたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態12.
実施の形態10及び実施の形態11では、視線データの強度または視線速度の値に基づき、視線データの有効判定を行っていたが、動揺情報を用いて判定することもでき、これを実施の形態12として説明する。
図30は、実施の形態12における信号処理装置が実現する機能部を表すブロック構成図である。
第一の動揺情報判定部113は、取得した第一の動揺情報(姿勢角)の有効無効性を判定し、判定結果を視線方向補正部103bへ出力する処理部である。第二の動揺情報判定部114は、取得した第二の動揺情報(並進速度)の有効無効性を判定し、判定結果を視線速度補正部106bへ出力する処理部である。第三の動揺情報判定部115は、取得した第三の動揺情報(姿勢角速度)の有効無効性を判定し、判定結果を視線速度補正部106bへ出力する処理部である。その他の構成は図7に示した実施の形態3の構成と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
実施の形態12の動作について説明する。
第一の動揺情報判定部113では、動揺検出器10から得られる第一の動揺情報(姿勢角)に対して、有効無効判定を行う。判定方法としては、例えば、姿勢角の時系列の値が急激に変動している場合を無効とする方法が考えられる。視線方向補正部103bでは、この有効無効判定情報に基づき、有効である場合のみ視線方向補正処理を行う。
また、第二の動揺情報判定部114では、動揺検出器から得られる第二の動揺情報(並進速度)に対して、有効無効判定を行う。判定方法としては、例えば、並進速度の時系列の値が急激に変動している場合を無効とする方法が考えられる。視線速度補正部106bでは、この有効無効判定情報に基づき、有効である場合のみ並進速度に関する視線速度補正処理を行う。
また、第三の動揺情報判定部115では、動揺検出器から得られる第三の動揺情報(姿勢角速度)に対して、有効無効判定を行う。判定方法としては、例えば、姿勢角速度の時系列の値が急激に変動している場合を無効とする方法が考えられる。視線速度補正部106bでは、この有効無効判定情報に基づき、有効である場合のみ姿勢角速度に関する視線速度補正処理を行う。
図31に、実施の形態12による風計測装置の信号処理部分のフローチャートを示す。ステップST101及びST102は実施の形態3と同様である。実施の形態12では、第一の動揺情報判定部113が、第一の動揺情報(姿勢角)の時系列分布または平均、分散といった統計値を算出し(ステップST120)、その値が決められた範囲内であれば有効と判定する(ステップST121)。ステップST121で有効と判定した場合は、視線方向補正部103bによって回転行列算出(ステップST103)及び視線方向回転(ステップST104)を行う。
ステップST104の後、またはステップST121で無効と判定した場合、第二の動揺情報判定部114は、第二の動揺情報(並進速度)の時系列分布または平均、分散といった統計値を算出し(ステップST122)、その値が決められた範囲内であれば有効と判定する(ステップST123)。ステップST123で有効と判定した場合は、視線速度補正部106bによって並進速度を算出する(ステップST108)。
ステップST108の後、または、ステップST123で無効と判定した場合、第三の動揺情報判定部115は、第三の動揺情報(姿勢角速度)の時系列分布または平均、分散といった統計値を算出し(ステップST124)、その値が決められた範囲内であれば有効と判定する(ステップST125)。ステップST125で有効と判定した場合、視線速度補正部106bは、機器相対速度を算出する(ステップST109)。その後のステップST105〜ステップST107の動作は実施の形態3と同様である。
実施の形態12では、動揺情報毎に有効無効を判定しているため、動揺情報の劣化による風ベクトルの精度劣化を低減することができる。
実施の形態12の風計測装置によれば、姿勢角情報が設定条件を満たしている場合に姿勢角情報が有効と判定する第一の動揺情報判定部と、並進速度情報が設定条件を満たしている場合に並進速度情報が有効と判定する第二の動揺情報判定部と、姿勢角速度情報が設定条件を満たしている場合に姿勢角速度情報が有効と判定する第三の動揺情報判定部とを備え、視線方向補正部は、第一の動揺情報判定部が有効と判定した場合の姿勢角情報を用いて補正を行い、かつ、視線速度補正部は、第二の動揺情報判定部が有効と判定した場合の並進速度情報を用いて補正を行うと共に、第三の動揺情報判定部とが有効と判定した場合の姿勢角速度情報を用いて補正を行うようにしたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態13.
実施の形態7では、計測点の空間的な広がりにより視線データ数を設定していた。所望観測領域を外れた視線速度データは風ベクトルの推定精度を劣化させるため、事前に無効化することもでき、これを実施の形態13として説明する。
図32は、実施の形態13における信号処理装置が実現する機能部の要部を表すブロック構成図である。
視線データ判定部112bは、所望観測領域または所望観測高度と補正後視線方向とを入力とし、当該視線データの有効無効判定を行い、結果を視線データ格納部104aへ出力する。
実施の形態13の動作について説明する。
視線データ判定部112bでは、所望観測領域または所望観測高度と補正後視線方向を用いて、計測点が所望観測領域内にあるか否か、または所望観測高度にあるか否かを判定し、無効と判定した場合は、視線データ格納部104aに対し当該視線データを破棄する信号を出力する。
図33に、実施の形態13による風計測装置の信号処理部分のフローチャートを示す。なお、図33においては、実施の形態1〜3と共通する部分については記載を省略している。すなわち、実施の形態1のステップST101〜ステップST104、実施の形態2のステップST101〜ステップST108及び実施の形態3のステップST101〜ステップST109のうち、いずれかの処理を行った後、ステップST113aに移行する。ステップST113aでは、視線データ判定部112bにより傾斜角を考慮した計測点を算出する。次に、視線データ判定部112bは、その計測点が所望観測領域または所望観測高度を満たしているか否かを判定し(ステップST126)、満たしている場合は視線データを有効とする視線データ判定情報を出力し、計測点が所望観測領域または所望観測高度を満たしていない場合には視線データを無効とする視線データ判定情報を出力する。視線データ格納部104aでは、視線データ判定情報に基づいて、取得した視線データのうち有効な視線データの数が決められた数に達したかどうかを判定し(ステップST105)、決められた数に達していれば決められた数の有効な視線データを出力する。風ベクトル算出部105では視線データ格納部104aから取得した視線データに基づいて風ベクトルを算出する(ステップST106)。一方、視線データ格納部104aで、有効な視線データ数が決められた数に達していない場合は視線データを格納し(ステップST107)、ドップラスペクトル算出処理、すなわち実施の形態1〜3におけるステップST101に戻る。また、ステップST126において、計測点が所望観測領域を満たしていない場合は実施の形態1〜3におけるステップST101に戻り、再度視線速度の計測を行う。
実施の形態13では、所望観測領域に対し、計測点の有効無効判定を行い、無効なデータを破棄しているため、風ベクトルの精度劣化を低減することができる。
実施の形態13の風計測装置によれば、風ベクトルを算出する計測点の位置が設定条件を満たす場合に視線データが有効であると判定する視線データ判定部を備え、風ベクトル算出部は、有効と判定された視線データを用いて風ベクトルを算出するようにしたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態14.
この実施の形態14では、ドップラ周波数偏移を求める受信信号の範囲である偏移検出範囲をプラットフォームの姿勢角と姿勢角の変化である姿勢角速度をもとに変更する場合である。
図34は、この実施の形態14の信号処理装置が実現する機能部を表すブロック構成図である。実施の形態3の場合の図7との相違点を説明する。第一の動揺情報である姿勢角と、第三の動揺情報である姿勢角速度とが、周波数解析部101aに入力される。周波数解析部101aが有する偏移検出範囲変更部101bは、姿勢角と姿勢角速度を使用して姿勢角を予測し、予測した姿勢角に基づき偏移検出範囲を変更する。具体的には、偏移検出範囲変更部101bは、姿勢角のロール、ピッチ、ヨーごとに時系列で入力される角度をカルマンフィルタなどにより平滑化する。ロール、ピッチ、ヨーごとの角速度にもカルマンフィルタを適用して平滑化する。平滑化した角度と角速度から、その時点からm(1以上)回後の視線速度を求める時点でのプラットフォームの姿勢角を予測する。なお、予測姿勢角を求める将来の時点を決める数mは、偏移検出範囲を決めるための時間と、姿勢角の情報が得られる時間とを考慮して適切に決める。
ある視線方向にレーザ光を照射して反射光からドップラ周波数偏移を求める際に使用する偏移検出範囲の決定方法を説明する。予測姿勢角による回転行列Tにより、プラットフォームに対する視線方向をプラットフォームの予測する傾斜角での地表面または水面を基準とした3次元座標での予測視線方向を求める。視線方向と予測視線方向をともに、方位角と高度角(仰角)で表現する。偏移検出範囲は、動揺による高度角の変化に基づき変化させる。
z軸方向で高度角を0度とする。動揺が存在しない場合の視線方向の高度角をELとし、予測した姿勢角での視線方向の高度角をELとする。偏移検出範囲は、姿勢角によらず同じ高度での風速を計測できるように、姿勢角に応じて以下のように変化させる。光アンテナ装置5から、高度Hにある点までの距離を、動揺が存在しない場合にLとし、動揺があるとして予測した姿勢角の場合にLとする。以下の関係が成立する。
H=L*cos(EL)=L*cos(EL) (8)
式(8)を変形して、以下の式が得られる。
β=cos(EL)/cos(EL) (9)
=β*L (10)
式(9)と式(10)は、動揺により視線方向が変化した場合に、偏移検出範囲を動揺が存在しない場合の値を、式(9)で計算される係数βで乗算すればよいことを意味している。係数βを、距離補正係数と呼ぶ。
図35は、この実施の形態14の風計測装置の動作を説明するフローチャートである。偏移検出範囲変更部101bは、ステップST131で、姿勢角を予測する。ステップST132で、予測した姿勢角で回転行列を算出する。ステップST133では、回転行列により視線方向を回転させる。ステップST134で、予測した視線方向から距離補正係数βを算出する。ステップST135で、距離補正係数βを使用して偏移検出範囲を算出する。その後、ステップST101で、偏移検出範囲の受信信号からドップラスペクトルを算出する。以降の動作は、実施の形態3と同様である。なお、ステップST131からST135までの処理は、正確にはm回前の視線データを算出する際に実施される。
姿勢角に応じて偏移検出範囲を変化させて、動揺により姿勢角が変化する場合でも、同じ高度で反射された受信信号を使用して視線速度を求めるので、従来よりも正確に風ベクトルを算出できる。この発明に係る風計測装置では、高度により風速が同じという前提が成立ものとして、複数の視線方向にレーザ光を照射し、動揺が存在しない場合に同じ高度で反射されることになる偏移検出範囲を視線方向ごとに決めている。
動揺する場合には、視線方向が動揺しない場合とは変化して、式(9)にしたがって距離補正係数βが1ではない値になる。偏移検出範囲を固定にしていると、別の高度で反射された視線高度を、計測しようとする高度での視線速度として使用することになる。高度により風速が大きく異なる場合には、別の高度での視線速度を使用すると、算出した風ベクトルの風速は実際の風速とは異なることになる。
この実施の形態14では、視線方向の変化を予測し、予測した視線方向に応じて偏移検出範囲を変更するようにしたので、動揺する場合でも同じ高度の計測点での視線速度を計測でき、風ベクトルを精度よく計測できる。実施の形態3ではなく、他の実施の形態にも適用できる。
この実施の形態では、視線方向を予測するために、動揺検出器10により検出された姿勢角と姿勢角の変化である角速度の両方を使用した。動揺検出器10が姿勢角だけを検出し、入力された姿勢角の時系列データから角速度を推測し、推測した角速度から姿勢角を予測するようにしてもよい。また、A/D変換器8により変換された信号を実際の姿勢角が判明するまで保存し、実際の姿勢角に応じた偏移検出範囲で区分してドップラスペクトルを算出するようにしてもよい。実際の姿勢角に応じて偏移検出範囲を区分する場合には、動揺検出器10の出力を周波数解析部101aに入力しなくてもよい。計測点の高度を含む決められた範囲内の高度の粒子で反射された受信信号となるように偏移検出範囲を決めることができれば、どのような方法で偏移検出範囲を決めてもよい。偏移検出範囲変更部101bを、周波数解析部101aとは独立した機能部として構成してもよい。
実施の形態14の風計測装置によれば、周波数解析部がドップラ周波数偏移を求める受信信号の範囲である偏移検出範囲を姿勢角情報に基づき変更する偏移検出範囲変更部を備えたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態14の風計測装置によれば、周波数解析部がドップラ周波数偏移を求める受信信号の範囲である偏移検出範囲を姿勢角情報及び姿勢角速度情報に基づき変更する偏移検出範囲変更部を備えたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態14の風計測装置によれば、周波数解析部が、計測点の高度を含む決められた範囲内の高度の粒子で反射された受信信号となるように決められた受信信号の範囲である偏移検出範囲を使用してドップラ周波数偏移を求めるようにしたので、風ベクトルの推定精度の劣化を抑制することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
以上のように、この発明に係る風計測装置は、大気中の遠隔点の風を計測する構成に関するものであり、ドップラレーダ、ウィンドプロファイラ、ドップラライダ、ドップラソーダなどの装置に用いるのに適している。
101,101a 周波数解析部、101b 偏移検出範囲変更部、102 視線速度算出部、103,103a,103b 視線方向補正部、104,104a,104b,104c 視線データ格納部、105,105a 風ベクトル算出部、106,106a,106b 視線速度補正部、107,107a,107b,107c,107d,107e 視線データ数制御部、108 動揺周期解析部、109 計測点算出部、110 予想視線速度算出部、111 強度情報算出部、112,112a,112b 視線データ判定部、113 第一の動揺情報判定部、114 第二の動揺情報判定部、115 第三の動揺情報判定部、116 動揺精度算出部。

Claims (6)

  1. 大気中に電磁波または音波である放射信号を視線方向に放射し、大気と共に移動する粒子で反射された前記放射信号である反射信号を受信する信号送受信部と、
    前記信号送受信部で受信された前記反射信号である受信信号と前記放射信号の間のドップラ周波数偏移を求める周波数解析部と、
    前記ドップラ周波数偏移から視線速度を求める視線速度算出部と、
    前記信号送受信部が固定された支持物体の姿勢角である姿勢角情報を含む動揺情報を検出する動揺検出器と、
    前記姿勢角情報を用いて前記視線方向を補正する視線方向補正部と、
    前記視線方向補正部で補正された補正後視線方向と前記視線速度の組を視線データとして用い、前記信号送受信部から決められた位置に存在する計測点での大気の風向と風速を風ベクトルとして算出する風ベクトル算出部と、
    前記周波数解析部が前記ドップラ周波数偏移を求める時間的に分割した前記受信信号の範囲である偏移検出範囲を、前記計測点の高度を含む決められた範囲内の高度の前記粒子で反射された前記受信信号の範囲となるように前記姿勢角情報に基づき変更する偏移検出範囲変更部とを備えた風計測装置。
  2. 前記動揺検出器は前記支持物体の移動速度である並進速度情報を検出し、
    記並進速度情報を用いて前記視線速度算出部で求めた視線速度を補正する視線速度補正部を備え、
    前記風ベクトル算出部は、前記視線速度補正部で補正された視線速度を用いて前記風ベクトルの算出を行うことを特徴とする請求項1に記載の風計測装置。
  3. 前記動揺検出器は前記支持物体の移動速度である並進速度情報と前記支持物体の前記姿勢角の変化速度である姿勢角速度情報を検出し、
    前記並進速度情報および前記姿勢角情報を用いて前記視線速度算出部で求めた視線速度を補正する視線速度補正部を備え、
    前記風ベクトル算出部は、前記視線速度補正部で補正された視線速度を用いて前記風ベクトルの算出を行うことを特徴とする請求項1に記載の風計測装置。
  4. 前記動揺検出器は前記支持物体の前記姿勢角の変化速度である姿勢角速度情報を検出し、
    前記姿勢角速度情報を用いて前記視線速度算出部で求めた視線速度を補正する視線速度補正部を備え、
    前記風ベクトル算出部は、前記視線速度補正部で補正された視線速度を用いて前記風ベクトルの算出を行うことを特徴とする請求項1に記載の風計測装置。
  5. 前記偏移検出範囲変更部が、前記偏移検出範囲を前記姿勢角情報及び前記姿勢角速度情報に基づき変更することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の風計測装置。
  6. 前記偏移検出範囲変更部が、予測した前記姿勢角情報に基づき前記偏移検出範囲を変更する請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の風計測装置。
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