JP4168753B2 - 風速ベクトル計測装置及び風速ベクトル計測方法 - Google Patents

風速ベクトル計測装置及び風速ベクトル計測方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電波、光波又は音波を用いて遠隔点の風速ベクトルを計測する風速ベクトル計測装置及び風速ベクトル計測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
風速の空間分布の観測は、気象監視や気象予測において重要な観測項目となっている。例えば空港気象ドップラレーダでは、滑走路周辺の風速分布を観測することにより、風が急変している位置を検出している。検出結果を飛行計画に反映させることにより、航空交通の安全性が向上されている。このようなドップラ効果を用いて風観測を行うレーダでは、レーダから観測対象を見たときの視線方向の風速成分のみが計測され、レーダの視線方向と直交する方向の風速成分は直接計測することができない。ただし、レーダの視線方向と直交する方向の風速成分をも計測することにより、風速の三次元ベクトルを観測したいというニーズも多い。
【0003】
複数の地点にドップラレーダを配置し、同じ観測領域を同時に観測し、異なる方向から計測したドップラ速度を合成することにより、風速ベクトルを算出する観測手法が取られることもある。ただし、複数のドップラレーダの利用は費用がかかるため、単一のドップラレーダで風速ベクトルを算出する観測手法が取られることも多い。この場合、観測対象である大気の風速分布が空間的に一様であるという仮定を利用して、異なる観測方向で得られたドップラ速度を合成することにより風速ベクトルを求める。このような方法の1つに、VAD(Velocity Azimuth Display)法と呼ばれているものがある。VAD法については、例えば、非特許文献1に紹介されている。
【0004】
図19はVAD法の原理を示す図である。この図の左側はVAD法におけるビーム走査を図示したものである。一定の仰角θで水平方向に空中線ビームを走査しながら、各距離でのドップラ速度を算出する。観測範囲のうちの距離rの部分のみを取り出すと、高度 r sinθの水平面上の円周が得られる。VAD法では、この円周内で風速が一様であるとして、風速ベクトルを算出する。今、風速ベクトルの x成分がu, y成分がv,z成分(すなわち鉛直成分)がw であるとする。
【0005】
観測されたドップラ速度のうち、ある距離のドップラ速度のみを抽出して、方位角を横軸として、ドップラ速度をプロットすると、図19右側の図のように、正弦波状の曲線がプロットされる。この正弦波の直流成分はw sinθとなり、鉛直風の大きさに対応するものとなる。正弦波の振幅はuh cosθとなり、水平風の大きさに対応するものとなる。ただし、uh は水平風ベクトル(u, v)の大きさである。さらに、正弦波の位相は水平風の方向に対応する量となる。
【0006】
実際に観測されるドップラ速度には観測誤差が含まれる。そこで、観測データに対して正弦波をモデルフィッティングすることにより、風速ベクトルを算出する方法が用いられる。モデルフィッテイングには例えば最小ニ乗法が用いられる。
【0007】
図17は従来の風速ベクトル計測装置の構成例を示すブロック図である。この図において、001は放射部、002は送受信部、003は信号処理部、005は駆動部、006は表示・記録部である。信号処理装置003の内部構成を図18に示す。この図において、031はドップラ速度算出部、032は距離平均処理部、033は風速ベクトル算出部である。
【0008】
次に従来の風速ベクトル計測装置の動作を説明する。送受信部002で生成した送信波は放射部001から大気中へ放射される。大気中に放射された送信波の電力のうちの一部は、大気によって反射され、さらにその一部が放射部001によって受信される。受信された反射波は送受信部002へ伝送される。送受信部002では、入力した反射波に増幅及び周波数変換などの処理を施し、受信信号を出力する。受信信号は信号処理部003においてドップラ速度算出及び風速ベクトル算出の信号処理が施される。その結果は操作・表示部006に入力され、信号処理の結果が表示される。駆動部005は、放射部002の走査を行う。
【0009】
次に信号処理部003の内部の動作を説明する。送受信部002から出力された受信信号を入力する。ドップラ速度算出部031は入力した受信信号から観測距離範囲内の各距離におけるドップラ速度を算出する。ドップラ速度の算出方法としては、例えば受信信号のフーリエ変換を行い、スペクトルピークのドップラ周波数からドップラ速度に換算する方法がある。距離平均処理部032では、連続する複数の距離で得られたドップラ速度を平均することにより距離平均処理を行う。なお、距離平均処理は必ずしも行う必要はないが、ドップラ速度算出部031で算出されたドップラ速度の精度が十分でない場合には、この処理により距離方向の平均処理によりドップラ速度のランダム誤差を低減することができる。
【0010】
風速ベクトル算出部では、風速ベクトルの空間一様性を仮定して、ドップラ速度の方位角方向の空間分布から風速ベクトルを算出する。今、ビームの水平走査における仰角をθ、i番目の方位角における方位角をΦi、風速ベクトルを(u,v,w)と置く。ただし、風速ベクトルにおいて、(u,v)が水平風成分、wが鉛直風成分であるとする。このとき、方位角Φiで観測されるドップラ速度vdiは式(1)で表される。
【0011】
【数1】
Figure 0004168753
【0012】
ここで、ヤコビアン行列Aを式(2)のように定義する。
【0013】
【数2】
Figure 0004168753
【0014】
一般的な最小二乗法の理論によれば、線形最小条件から式(3)の方程式が得られる。
【0015】
【数3】
Figure 0004168753
【0016】
ただし、x及びyはそれぞれ式(4)及び式(5)で定義されるベクトルである。
【0017】
【数4】
Figure 0004168753
【0018】
【数5】
Figure 0004168753
【0019】
また、Wは誤差行列であり、式(6)で表される。
【0020】
【数6】
Figure 0004168753
【0021】
ただし、σiはドップラ速度観測値vdiの誤差の標準偏差である。
【0022】
式(3)の方程式は例えば次の計算により解くことができる。
【0023】
【数7】
Figure 0004168753
【0024】
あるいは、実際の数値計算では、ヤコビアン行列のQR分解による解法が用いられることも多い。
【0025】
図20はVAD法による風速ベクトル算出方法の処理の流れを示すフロー図である。st901から st904のループでは、送受信部002から出力される受信信号をステップst902で入力し、ステップst903においてフーリエ変換などの周波数解析によりドップラ速度を算出する。方位角全周分のドップラ速度が蓄積された時点でst901〜st904のループを抜ける。ステップst905では、各方位角におけるヤコビアン行列を算出する。ステップst906では、ステップst903で算出したドップラ速度とステップst905で算出されたヤコビアン行列を用いて、風速ベクトルを算出する。以上の処理を継続する場合は、 st907からst901へ分岐し、処理を継続する。処理を終了する場合には、st907から処理終了へと分岐する。
【0026】
なお、非降水の大気をターゲットとする光波レーダでは、w は風の鉛直成分に対応するが、降雨をターゲットとする一般の気象レーダでは、wは雨滴の落下速度に対応するものとなる。
【0027】
図19では方位角方向の全周を観測することにより、1周期分の正弦波に対応するドップラ速度が得られているが、一般にはある限られた範囲の方位角のデータのみを用いても良い。一部分の方位角範囲のみを用いたVAD法は特に局所VAD法と呼ばれている。
【0028】
図21は局所VAD 法で算出される風速ベクトルの大きさの測定精度を,モンテカルロシミュレーションで求めた例である.この図において,横軸が局所VAD 計算に用いるデータの方位角幅,縦軸が算出された風速ベクトルの標準偏差である.ただし,水平方向のビーム走査を 4 度/秒 で行い,精度 1.0 m/s のドップラー速度データを 50 Hz のデータレートで得ることを想定している.このグラフには 3つのデータがプロットされており,それぞれ,
○ : ビームと平行な風向を仮定して精度を算出.
X : ビームと直交する風向を仮定して精度を算出.
+ : ビームとのなす角が 45度の風向を仮定して精度を算出.
のデータである.
【0029】
この図から,ビームと平行な風向の場合に風速ベクトル算出精度が高く,ビームと直交する風向の場合に風速ベクトル算出精度が低くなり,それ以外の場合には中間的な風速ベクトル算出精度となることが確認できる.
【0030】
このように風向と観測方向の角度の関係によって、風速ベクトルの一様性を仮定する方位角区間幅は異なる。しかし、従来の風速ベクトル計測装置では、観測方向によらず一定の方位角区間幅で風速ベクトルを算出していた。この場合、必要な風速精度を得るためには、風向と観測方向が直交する場合に合わせて、方位角区間幅を設定する必要がある。このようにすると、風向と観測方向が平行となる観測方向に対しては必要以上に広く方位角区間幅を設定することになり、方位角方向の空間分解能を必要以上に悪くする結果となる。
【0031】
あるいは、風速精度が低い場合にこれを向上させるのに、ビーム走査を遅くし受信信号の積分数を増やすことも考えられる。この場合、ドップラ速度の得られる方位角分解能を変えることなく、ドップラ速度算出精度を向上させることができる。これにより、ドップラ速度から算出される風速の精度も向上される。従来の風速ベクトル計測装置のようにビーム走査速度を等速で行う場合、風向と観測方向が直交する場合に風速精度が得られるようなビーム走査速度を設定することになる。しかし、風向と平行となる観測方向では必要以上にビーム走査速度を遅くする必要があり、観測範囲全体を観測する周期が長くなるという問題があった。
【0032】
【非特許文献1】
Henri Sauvageot 著「Radar Meteorology」、Artech House、1992年(1月)、p.210−212。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、風向と観測方向のなす角に応じて、風速ベクトル算出を行う信号処理の諸元を変更することにより、又はビーム走査方法を変更することにより、部分的に空間分解能を向上させ、又は観測周期を短縮することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る風速ベクトル計測装置は、送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射しその反射波を受信する放射部と、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出するドップラ速度算出部と、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル算出部と、この風速ベクトルによる風向と上記観測方向とのずれ角に応じ上記方位角範囲の幅を変更し上記風速ベクトル算出部に対し設定する方位角区間設定部とを備えたものであって、上記方位角区間設定部は、風速ベクトルによる風向と観測方向とのずれ角が直角に近づくほど、上記方位角範囲の幅が広くなるように方位角範囲の幅を変更し上記風速ベクトル算出部に対し設定するようにしたものである。
【0035】
この発明の請求項2に係る風速ベクトル計測装置は、送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射しその反射波を受信する放射部と、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出するドップラ速度算出部と、方位角毎に一定幅を有する距離範囲で算出された複数個の上記ドップラ速度を平均する距離平均処理部と、この平均ドップラ速度の一定幅の方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル算出部と、この風速ベクトルによる風向と上記観測方向とのずれ角に応じ上記距離範囲の幅を変更し上記距離平均処理部に対し設定する距離平均区間設定部とを備えたものであって、上記距離平均区間設定部は、風速ベクトルによる風向と観測方向とのずれ角が直角に近づくほど、上記距離範囲の幅が広くなるように距離範囲の幅を変更し上記距離平均処理部に対し設定するようにしたものである。
【0036】
この発明の請求項3に係る風速ベクトル計測装置は、ビームの走査制御を行う駆動部と、この走査制御のもと送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射しその反射波を受信する放射部と、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出するドップラ速度算出部と、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル算出部と、この風速ベクトルによる風向と上記観測方向とのずれ角に応じ上記走査制御のパラメータを変更し上記駆動部に対し設定するビーム走査方法設定部とを備えたものであって、上記ビーム走査方法設定部は、風速ベクトルによる風向と観測方向とのずれ角が直角に近づくほど、観測方向のビーム走査速度が遅くなるように又は観測方向のビーム走査数が多くなるように走査制御のパラメータを変更し上記駆動部に対し設定するようにしたものである。
【0038】
この発明の請求項4に係る風速ベクトル計測装置は、風向計により計測された風向データを入力する風向データ入力部を備え、上記方位角区間設定部は、上記風速ベクトル算出部が算出する風速ベクトルによる風向に代え上記風向データによる風向を用い上記観測方向とのずれ角を求め、このずれ角に応じ上記方位角範囲の幅を変更し上記風速ベクトル算出部に対し設定することを特徴とする請求項1に記載のものである。
【0039】
この発明の請求項5に係る風速ベクトル計測装置は、風向計により計測された風向データを入力する風向データ入力部を備え、上記距離平均区間設定部は、上記風速ベクトル算出部が算出する風速ベクトルによる風向に代え上記風向データによる風向を用い上記観測方向とのずれ角を求め、このずれ角に応じ上記距離範囲の幅を変更し上記距離平均処理部に対し設定することを特徴とする請求項2に記載のものである。
【0040】
この発明の請求項6に係る風速ベクトル計測装置は、風向計により計測された風向データを入力する風向データ入力部を備え、上記ビーム走査方法設定部は、上記風速ベクトル算出部が算出する風速ベクトルによる風向に代え上記風向データによる風向を用い上記観測方向とのずれ角を求め、このずれ角に応じ上記走査制御のパラメータを変更し上記駆動部に対し設定することを特徴とする請求項3に記載のものである。
【0041】
この発明の請求項7に係る風速ベクトル計測方法は、送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射し、その反射波を受信し、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出し、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル計測方法であって、次のステップを有するものである。
(ステップ1)ドップラ速度の空間分布を試行測定するステップ。
(ステップ2)上記ステップ1の試行測定によって得られたドップラ速度の空間分布から風速ベクトルの空間分布を算出するステップ。
(ステップ3)上記ステップ2で得られた風速ベクトルによる風向と上記観測方向のなす角δ(r)を各距離で算出するステップ。
(ステップ4)上記ステップ3で得られたδ(r)のうち、最も直交に近い場合の角度δmaxを抽出するステップ。
(ステップ5)風向と観測方向のなす角が上記ステップ4で得られたδmaxと等しい場合に、所要風速精度を得るのに必要となる風速ベクトル算出方位角区間幅を算出するステップ。
(ステップ6)上記ステップ3からステップ5の処理を全観測方位角の範囲で繰り返すステップ。
(ステップ7)ドップラ速度の空間分布を測定し、上記ステップ5で設定した風速ベクトル算出方位角区間幅を用いて、ドップラ速度の空間分布から風速ベクトルを算出するステップ。
【0042】
この発明の請求項8に係る風速ベクトル計測方法は、送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射し、その反射波を受信し、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出し、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル計測方法であって、次のステップを有するものである。
(ステップ1)ドップラ速度の空間分布を試行測定するステップ。
(ステップ2)上記ステップ1の試行測定によって得られたドップラ速度の空間分布から風速ベクトルの空間分布を算出するステップ。
(ステップ3)上記ステップ2で得られた風速ベクトルによる風向と上記観測方向のなす角δ(r)を各距離で算出するステップ。
(ステップ4)上記ステップ3で得られたδ(r)のうち、最も直交に近い場合の角度δmaxを抽出するステップ。
(ステップ5)風向と観測方向のなす角が上記ステップ4で得られたδmaxと等しい場合に、所要風速精度を得るのに必要となる距離平均区間幅を算出するステップ。
(ステップ6)上記ステップ3からステップ5の処理を全観測方位角の範囲で繰り返すステップ。
(ステップ7)ドップラ速度の空間分布を測定し、上記ステップ5で設定した距離平均区間幅を用いて、ドップラ速度の空間平均処理を行った後にドップラ速度の空間分布から風速ベクトルを算出するステップ。
【0043】
この発明の請求項9に係る風速ベクトル計測方法は、送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射し、その反射波を受信し、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出し、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル計測方法であって、次のステップを有するものである。
(ステップ1)ドップラ速度の空間分布を試行測定するステップ。
(ステップ2)上記ステップ1の試行測定によって得られたドップラ速度の空間分布から風速ベクトルの空間分布を算出するステップ。
(ステップ3)上記ステップ2で得られた風速ベクトルによる風向と上記観測方向のなす角δ(r)を各距離で算出するステップ。
(ステップ4)上記ステップ3で得られたδ(r)のうち、最も直交に近い場合の角度δmaxを抽出するステップ。
(ステップ5)風向と観測方向のなす角が上記ステップ4で得られたδmaxと等しい場合に、所要風速精度を得るのに必要となるビーム走査速度を算出するステップ。
(ステップ6)上記ステップ3からステップ5の処理を全観測方位角の範囲で繰り返すステップ。
(ステップ7)上記ステップ5で算出したビーム走査速度によりドップラ速度の空間分布を測定するとともに、ドップラ速度の空間分布から風速ベクトルを算出するステップ。
【0044】
この発明の請求項10に係る風速ベクトル計測方法は、送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射し、その反射波を受信し、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出し、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル計測方法であって、次のステップを有するものである。
(ステップ1)ドップラ速度の空間分布を試行測定するステップ。
(ステップ2)上記ステップ1の試行測定によって得られたドップラ速度の空間分布から風速ベクトルの空間分布を算出するステップ。
(ステップ3)上記ステップ2で得られた風向と上記観測方向のなす角δ(r)を各距離で算出するステップ。
(ステップ4)上記ステップ3で得られたδ(r)のうち、最も直交に近い場合の角度δmaxを抽出するステップ。
(ステップ5)風向と観測方向のなす角が上記ステップ4で得られたδmaxと等しい場合に、所要風速精度を得るのに必要となるビーム走査回数を算出するステップ。
(ステップ6)上記ステップ3からステップ5の処理を全観測方位角の範囲で繰り返すステップ。
(ステップ7)上記ステップ5で算出した各方位角に必要な走査回数を満足するような走査方法を設定するステップ。
(ステップ8)上記ステップ7で算出したビーム走査方法によりドップラ速度の空間分布を測定するとともに、ドップラ速度の空間分布から風速ベクトルを算出するステップ。
【0045】
この発明の請求項11に係る風速ベクトル計測方法は、送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射し、その反射波を受信し、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出し、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル計測方法であって、次のステップを有するものである。
(ステップ1)風向計で計測された風向データを入力するステップ。
(ステップ2)上記ステップ1で得られた風向と上記観測方向のなす角δ(r)を各距離で算出するステップ。
(ステップ3)上記ステップ2で得られたδ(r)のうち、最も直交に近い場合の角度δmaxを抽出するステップ。
(ステップ4)風向と観測方向のなす角が上記ステップ4で得られたδmaxと等しい場合に、所要風速精度を得るのに必要となる風速ベクトル算出方位角区間幅を算出するステップ。
(ステップ5)上記ステップ2からステップ4の処理を全観測方位角の範囲で繰り返すステップ。
(ステップ6)ドップラ速度の空間分布を測定し、上記ステップ4で設定した風速ベクトル算出方位角区間幅を用いて、ドップラ速度の空間分布から風速ベクトルを算出するステップ。
【0046】
この発明の請求項12に係る風速ベクトル計測方法は、送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射し、その反射波を受信し、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出し、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル計測方法であって、次のステップを有するものである。
(ステップ1)風向計で計測された風向データを入力するステップ。
(ステップ2)上記ステップ1で得られた風向と上記観測方向のなす角δ(r)を各距離で算出するステップ。
(ステップ3)上記ステップ2で得られたδ(r)のうち、最も直交に近い場合の角度δmaxを抽出するステップ。
(ステップ4)風向と観測方向のなす角が上記ステップ3で得られたδmaxと等しい場合に、所要風速精度を得るのに必要となるビーム走査速度を算出するステップ。
(ステップ5)上記ステップ2からステップ4の処理を全観測方位角の範囲で繰り返すステップ。
(ステップ6)上記ステップ4で算出したビーム走査速度によりドップラ速度の空間分布を測定するとともに、ドップラ速度の空間分布から風速ベクトルを算出するステップ。
【0047】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態の風速ベクトル計測装置の構成を示すブロック図である。この図において、004は測定諸元設定部である。他の符号は前述のものと同じである。また、図2はこの発明の実施の形態の風速ベクトル計測装置の信号処理部と測定諸元設定部の内部構成を示すブロック図である。この図において、041は風速ベクトル算出方位角区間設定部、042は距離平均区間設定部である。他の符号は前述のものと同じである。
【0048】
次に動作を説明する。送受信部002で生成した送信波は放射部001から大気中へ放射される。大気中に放射された送信波の電力のうちの一部は、大気によって反射され、さらにその一部が放射部001によって受信される。受信された反射波は送受信部002へ伝送される。送受信部002では、入力した反射波に増幅及び周波数変換などの処理を施し、受信信号を出力する。受信信号は信号処理部003においてドップラ速度算出及び風速ベクトル算出の信号処理が施される。その結果は操作・表示部006に入力され、信号処理の結果が表示される。駆動部005は、放射部001の走査を行う。
【0049】
信号処理部003によって算出された風速ベクトルの方向、すなわち風向は測定諸元設定部004に入力される。測定諸元設定部004内部の風速ベクトル算出方位角設定部041では、入力された風向をもとに風速ベクトル算出に利用する方位角区間、すなわち風速ベクトルの算出で風速ベクトルが一様であると仮定する方位角範囲幅を設定する。また、測定諸元設定部004内部の距離平均区間設定部042も信号処理部003で算出された風向を入力し、距離平均区間を設定する。
【0050】
測定諸元設定部004で設定された方位角区間は風速ベクトル算出部に入力され、次の時刻の風速ベクトル算出においては、この方位角区間を用いて風速ベクトルが算出される。同様に、測定諸元設定部004で設定された距離平均区間は距離平均処理部に入力され、次の時刻のドップラ速度算出においては、この距離平均区間を用いてドップラ速度の平均処理が行われる。
【0051】
あるいは、測定諸元設定部で設定した諸元を用いて、現時刻の風速ベクトル算出を再度実行するようにしても良い。この場合、風速ベクトル算出を所定の回数実行するか、あるいは、反復計算によって風速ベクトル算出結果がほぼ変化しなくなったと判断された時点で反復を完了する方法がある。
【0052】
なお、図2では風速ベクトル算出方位角区間設定部041と距離平均区間設定部042の2つを備えているが、どちらか一方を備えるようにしても良い。
【0053】
図3は風速ベクトル算出方位角区間設定部041で方位角区間を設定する方法の概略を説明するものである。この図は水平面を上から見たものであり、●が風速ベクトル計測装置の位置を表し、全体として図面上の右上の方向から風が吹いているとしている。この場合、風速ベクトル計測装置の位置から見て図面上の右上の方向を観測する場合には、観測方向と平行な風向となる。一方、風速ベクトル計測装置の位置から見て図面上の左上の方向を観測する場合には、観測方向と直交する風向となる。そのため、風速ベクトル算出において全方向で同じ風速精度を得るためには、右上の方向に比べて左上の方向で広い方位角区間を風速ベクトル算出方位角区間設定部041で設定することになる。
【0054】
図4は風速ベクトル算出方位角区間設定部042で距離平均区間を設定する方法の概略を説明するものである。この図では図3と同様に、全体として図面上の右上の方向から風が吹いている状況を表している。距離平均区間設定部042で距離平均区間を設定する際には、図面上の右上の方向よりも左上の方向において、広い距離平均区間を設定することになる。
【0055】
以上の図3又は図4の例では、左上の方向では風速ベクトル算出の空間分解能は低下するが、風速ベクトルの算出精度は維持することができる。
【0056】
図5は、測定諸元設定部004が風速ベクトル算出方位角区間設定部041のみを備えた場合の、方位角区間設定の方法の例をフロー図にしたものである。ステップst001では風速ベクトル計測装置を用いてドップラ速度の空間分布を試行的に観測する。ステップst002ではst001で得られたドップラ速度の空間分布を用いて、各方向における風速ベクトルを算出する。風速ベクトル算出には例えば前述のVAD法を用いる。このステップでの風速ベクトル算出は、測定諸元を決めるための風向の空間分布の大雑把な傾向がわかれば良い。したがって、空間分解能は必ずしも高くなくても良いため、観測方向によらず十分広い距離平均区間又は方位角区間を用いてドップラ速度及び風速ベクトル算出を行えばよい。
【0057】
ステップst003からステップst007で囲まれた範囲は、ステップst002で風速ベクトルを算出した際の各方位角区間で次に説明する処理を繰り返すループである。まずステップst004では、st002で得られた風向と観測方向のなす角δ(r)を各距離rで算出する。ステップst005では、各距離で算出したδ(r)のうち、最も直交に近い場合の角度をδmaxとして抽出する。1つの方位角のみを考えた場合、δ(r)=δmaxとなる距離において風速精度が最も低下するため、この距離での風速精度を維持するように方位角区間を設定する。具体的には、ステップst006において、風向と観測方向のなす角がδmaxの場合に所要風速精度を得るのに必要となる方位角区間幅を設定する。例えば、前述の図21で示したような、方位角区間幅、風向と観測方向のなす角、風速精度の関係を表すグラフを予め作成しておき、そのデータを用いて方位角幅を設定すれば良い。
【0058】
ステップst003からステップst007で囲まれる処理を全観測方向で繰り返すことにより、全観測方向での測定諸元が設定される。この測定諸元を用いてステップst008で本観測を行い、風速ベクトルを計測する。ステップst003からステップst008までの処理は観測が終了するまで繰り返す。
【0059】
図5では試観測を観測開始時の1回だけ行うようにしているが、試観測をある時間周期で定期的に行うようにしても良い。
【0060】
図6に、方位角区間と距離平均区間の両方を設定するようにした場合の、風速ベクトル計測方法の流れをフロー図にしたものである。この図において、ステップst101からステップst106までの処理は、図5のステップst001からステップst006と同じ手順である。ただし、図6では、方位角区間幅に上限を設けるようにしている。そのため、ステップst106で設定した方位角区間幅が上限を超えるとステップst107で判定された場合には、ステップst108にて方位角区間幅として上限値を設定する。さらに、方位角区間幅の上限値を採用したことにより、風速精度が劣化する分を、距離平均を行うことにより風速精度を補う。ステップst110では、それに必要となる距離平均区間を設定する。
【0061】
ステップst103からステップst111で囲まれる処理を全観測方向で繰り返すことにより、全観測方向での測定諸元が設定される。この測定諸元を用いてステップst112で本観測を行い、風速ベクトルを計測する。ステップst103からステップst112までの処理は観測が終了するまで繰り返す。
【0062】
図6では試観測を観測開始時の1回だけ行うようにしているが、試観測をある時間周期で定期的に行うようにしても良い。
【0063】
以上のように、本発明の実施形態では、試観測で得られる風向と観測方向のなす角に応じて、風速ベクトル算出に用いるデータの方位角区間幅、又は距離平均を行う距離区間幅を設定することにより、必要な風速計測精度を維持したまま、一部の空間範囲で風速ベクトルを算出する空間分解能を向上させることができる。
【0064】
実施の形態2.
以上の実施形態1では、風向に応じて信号処理の諸元を変更するようにしたものであるが、次に風向に応じてビーム走査方法を変更するようなする実施形態を示す。図7は本実施形態の風速ベクトル計測装置の構成を示す図である。この図中の符号は全て前述のものと同じであるが、測定諸元設定部004の内部構成が前述のものと異なり、さらに、測定諸元設定部で設定した諸元が駆動部005へと出力される点が前述のものと異なる。図8は測定諸元設定部004の内部構成を示す図である。この図において、043はビーム走査方法設定部である。
【0065】
放射部001、送受信部002、信号処理部003、表示・記録部006の動作は前述の図17に示した従来技術のものと同じである。ただし本実施形態では、測定諸元設定部004を備え、その結果に従って駆動部がビーム走査を行う点が従来と異なる。測定諸元設定部004は内部にビーム走査方法設定部043を備える。ビーム走査方法設定部は、信号処理部003で得られた風向をもとに、ビーム走査方法を決定する。
【0066】
ビーム走査方法の設定の概略は図9に示すようなものである。この図では図3と同様に、全体として図面上の右上の方向から風が吹いている状況を表している。本実施形態では、風向と観測方向のなす角によって、ビーム走査速度を変えるようにしている。具体的には、風向と平行となる観測方向では相対的に高速にビームを走査する。逆に風向と直交する観測方向では相対的に低速にビームを走査する。ドップラ速度算出の方位角単位が全観測方向で同じであるとすれば、高速で走査した観測方向では受信信号の積分数が相対的に少なく、低速で走査した観測方向では受信信号の積分数が相対的に多くなる。その結果、風向と直交する観測方向においてドップラ速度算出精度が高くなるため、風速ベクトル算出の方位角区間幅が全観測方向で同じであっても、風向と直交する観測方向での風速精度を他の方向と同じ程度に維持することができる。さらに、風向と平行となる観測方向でのビーム走査を速く行うため、ビーム走査を等速に行う場合に比べて全観測範囲を観測する周期を短縮することができる。
【0067】
図10は以上の風速ベクトル計測方法をフロー図にしたものである。この図のステップst201からst205までは、前述の図5のステップst001からステップst005と同じものである。ステップst206において、風向と観測方向のなす角がδmaxの場合に所要風速精度を得るのに必要となる受信信号の積分数を算出し、その積分数を実現するビーム走査速度を設定する。概算として、算出されるドップラ速度のランダム誤差を1/Nとするには、積分数をN倍にする必要がある。そのためにはビーム走査速度を1/N倍にすれば良い。
【0068】
ステップst203からステップst207で囲まれる処理を全観測方向で繰り返すことにより、全観測方向での測定諸元が設定される。この測定諸元を用いてステップst208で本観測を行い、風速ベクトルを計測する。ステップst203からステップst208までの処理は観測が終了するまで繰り返す。
【0069】
図10では試観測を観測開始時の1回だけ行うようにしているが、試観測をある時間周期で定期的に行うようにしても良い。
【0070】
以上のように、本発明の実施形態では、試観測で得られる風向と観測方向のなす角に応じて、ビーム走査速度を変更し、それによって積分数を変更するようにしているため、必要な観測精度を全観測方向で維持したまま、全観測範囲を観測する周期を短縮することができる。
【0071】
実施の形態3.
前述の実施の形態2では、観測方向によってビーム走査速度を変更していたが、本実施の形態では、観測方向によって走査回数を変更するような実施形態を示す。本実施形態の風速ベクトル計測装置の構成は前述の実施形態2で示した図7及び図8と同じであるが、図8のビーム走査方法設定部043でビーム走査方法を設定する方法が実施形態2のものと異なる。
【0072】
図11は本実施形態におけるビーム走査方法の概略を説明する図である。この図では図3と同様に、全体として右上の方向から風が吹いている状況を表している。本実施形態ではビーム走査速度は全観測方向で同じであるが、走査回数が観測方向によって異なっている。図11では1、2、3、4、5、6、7の順で行う。このようにビームを走査することにより、風向と平行となる観測方向では観測回数が少なくなり、それ以外の方向では観測回数が多くなる。観測回数が多くなれば、受信信号の積分回数を増やすことができ、あるいはドップラ速度又は風速ベクトルを平均処理に用いるデータ数を増やすことができる。そのため、観測方向と風向が直交に近くなることによる風速精度の低下を補うことが可能となる。
【0073】
具体的には図12のような手順で風速ベクトル計測を行う。ステップst301からステップst305までの手順は前述図5のステップst001からステップst005と同じものである。ステップst306において、風向と観測方向のなす角がδmaxの場合に所要風速精度を得るのに必要となる受信信号の積分数を算出し、その積分数を実現するために必要となる走査回数を設定する。概算として、算出されるドップラ速度のランダム誤差を1/Nとするには、データ平均数をN倍にする必要がある。そのためにはビーム走査回数をN倍にすれば良い。
【0074】
ステップst303からステップst307で囲まれる処理を全観測方向で繰り返すことにより、全観測方向で必要なビーム走査回数が算出される。このビーム走査回数を全観測方向で実現するようなビーム走査方法をステップst308で設定する。設定されたビーム走査方法を用いてステップst208で本観測を行い、風速ベクトルを計測する。ステップst303からステップst309までの処理は観測が終了するまで繰り返す。図12では試観測を観測開始時の1回だけ行うようにしているが、試観測をある時間周期で定期的に行うようにしても良い。
【0075】
以上のように、本発明の実施形態では、試観測で得られる風向と観測方向のなす角に応じて、ビーム走査回数を変更し、それによってデータ平均数を変更するようにしているため、必要な観測精度を全観測方向で維持することができる。また、単純に全観測方向で同じビーム走査回数とする場合に比べて、本実施形態では一部の観測方向のみでビーム走査回数を増やすため、全観測範囲を観測する周期を短縮することができる。また、駆動部がビーム走査速度を可変にできないような場合にも本実施形態を適用することができる。
【0076】
実施の形態4.
以上の実施形態では、測定諸元設定の際に用いる風向データとして、風速ベクトル計測装置自体で測定したものを用いていたが、本実施形態では、外部の風向データを用いるようにしたものである。
【0077】
図13は本実施形態の風速ベクトル計測装置の構成を示すブロック図である。この図において、007は風向データ入力部である。その他の符号は前述のものと同じである。次に動作を説明する。風向データ入力部007は、外部に設置した風向計から風向データを入力し、これを測定諸元設定部004に伝送する。測定諸元設定部004では、この風向データを用いて信号処理部で実行する信号処理の諸元を設定する。その他の動作は前述の実施形態1と同じである。
【0078】
外部の風向計は1台でも良いし、異なる場所に複数設置されていても良い。ただし、風向計が1台の場合は、風速ベクトル計測装置の観測範囲の全体を1点の風向データで代表するため、測定諸元設定部004での測定諸元設定の最適化の精度は低くなる可能性がある。
【0079】
図14は本実施形態の風速ベクトル計測装置による風速ベクトル計測方法のフロー図である。ステップst401では外部の風向計で観測された風向データを入力するステップst402からステップst408では、ステップst401で入力した風向データを用いて、風速ベクトル算出の方位角区間幅を算出し、この方位角区間幅を用いた本観測により風速ベクトルを計測する。風速ベクトル計測装置で観測された風向データの代わりに外部の風向計で観測された風向データを用いる以外は、ステップst402からステップst408の処理は図5のステップst003からステップst009の手順と同様のものとなる。
【0080】
本実施形態によれば、試観測を行うことなく実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0081】
実施の形態5.
前述の実施形態4では、外部の風向計で得られた風向データを用いて信号処理の諸元を設定するようにしていたが、外部の風向計で得られた風向データを用いてビーム走査方法を設定するようにしたのが本実施形態である。
【0082】
図15は本実施形態の構成を示すブロック図である。この図の符号は全て前述のものと同じである。次に動作を説明する。風向データ入力部007は、外部に設置した風向計から風向データを入力し、これを測定諸元設定部004に伝送する。測定諸元設定部004では、この風向データを用いてビーム走査方法を設定する。ビーム走査方法の設定としては、実施形態2のようにビーム走査速度を観測方向によって変えるか、あるいは実施形態3のようにビーム走査回数を観測方向によって変えるようにする。前者の場合、その他の動作は実施形態2と同じであり、後者の場合、その他の動作は実施形態3と同じである。
【0083】
外部の風向計は1台でも良いし、異なる場所に複数設置されていても良い。ただし、風向計が1台の場合は、風速ベクトル計測装置の観測範囲の全体を1点の風向データで代表するため、測定諸元設定部004での測定諸元設定の最適化の精度は低くなる可能性がある。
【0084】
図16は本実施形態の風速ベクトル計測装置による風速ベクトル計測方法のフロー図である。ステップst501では外部の風向計で観測された風向データを入力する。ステップst502からステップst508では、ステップst501で入力した風向データを用いて、風速ベクトル計測におけるビーム走査速度を算出し、このビーム走査速度を用いた本観測により風速ベクトルを計測する。風速ベクトル計測装置で観測された風向データの代わりに外部の風向計で観測された風向データを用いる以外は、ステップst502からステップst508の処理は図10のステップst203からステップst209の手順と同様のものとなる。
【0085】
図16の例ではビーム走査速度を観測方向によって変更するようにしているが、前述実施の形態3のようにビーム走査回数を観測方向によって変更するようにしても良い。
【0086】
本実施形態によれば、試観測を行うことなく実施形態2又は実施形態3と同様の効果を得ることができる。
【0087】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1の風速ベクトル計測装置によれば、試観測で得られる風向と観測方向のなす角に応じて、風速ベクトル計測諸元を変更するようにしているので、必要な風速計測精度を全方向で維持したまま、風速ベクトル計測の空間分解能又は時間分解能を向上できるという効果がある。特に、試観測で得られる風向と観測方向のなす角に応じて、風速ベクトル算出に用いるデータの方位角区間幅を設定するようにしているので、必要な風速計測精度を維持したまま、一部の空間範囲で風速ベクトルを算出する空間分解能を方位角方向に向上させることができる。
【0088】
またこの発明の請求項2の風速ベクトル計測装置によれば、試観測で得られる風向と観測方向のなす角に応じて、距離平均を行う距離区間幅を設定することにより、必要な風速計測精度を維持したまま、一部の空間範囲で風速ベクトルを算出する空間分解能を距離方向に向上させることができる。
【0090】
またこの発明の請求項3の風速ベクトル計測装置によれば、試観測で得られる風向と観測方向のなす角に応じて、ビーム走査速度を変えるようにしているので、必要な風速計測精度を維持したまま、全観測範囲を観測する周期を短縮することができる。また、試観測で得られる風向と観測方向のなす角に応じて、ビーム走査回数を変えるようにしているので、必要な風速計測精度を維持したまま、全観測範囲を観測する周期を短縮することができる。
【0091】
またこの発明の請求項4又は請求項5の風速ベクトル計測装置によれば、外部の風向計のデータを用いて信号処理諸元を設定するようにしているため、試観測を行うことなく請求項1又は請求項2の効果を得ることができる。
【0092】
またこの発明の請求項6の風速ベクトル計測装置によれば、外部の風向計のデータを用いてビーム走査方法を設定するようにしているため、試観測を行うことなく請求項3の効果を得ることができる。
【0093】
またこの発明の請求項7の風速ベクトル計測方法によれば、試観測で得られる風向と観測方向のなす角に応じて、風速ベクトル算出に用いるデータの方位角区間幅を設定するようにしているので、必要な風速計測精度を維持したまま、一部の空間範囲で風速ベクトルを算出する空間分解能を方位角方向に向上させることができる。
【0094】
またこの発明の請求項8の風速ベクトル計測方法によれば、試観測で得られる風向と観測方向のなす角に応じて、距離平均を行う距離区間幅を設定することにより、必要な風速計測精度を維持したまま、一部の空間範囲で風速ベクトルを算出する空間分解能を距離方向に向上させることができる。
【0095】
またこの発明の請求項9の風速ベクトル計測方法によれば、試観測で得られる風向と観測方向のなす角に応じて、ビーム走査速度を変えるようにしているので、必要な風速計測精度を維持したまま、全観測範囲を観測する周期を短縮することができる。
【0096】
またこの発明の請求項10の風速ベクトル計測方法によれば、試観測で得られる風向と観測方向のなす角に応じて、ビーム走査回数を変えるようにしているので、必要な風速計測精度を維持したまま、全観測範囲を観測する周期を短縮することができる。
【0097】
またこの発明の請求項11の風速ベクトル計測方法によれば、外部の風向計のデータを用いて信号処理諸元を設定するようにしているため、試観測を行うことなく請求項9又は請求項10の効果を得ることができる。
【0098】
またこの発明の請求項12の風速ベクトル計測方法によれば、外部の風向計のデータを用いてビーム走査方法を設定するようにしているため、試観測を行うことなく請求項11又は請求項12の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の風速ベクトル計測装置の構成を示すブロック図。
【図2】 この発明の実施の形態1の風速ベクトル計測装置の信号処理部と測定諸元設定部の内部構成を示すブロック図。
【図3】 この発明の実施の形態1の風速ベクトル計測装置において、風向によって風速ベクトル算出の方位角区間を変更することを説明する図。
【図4】 この発明の実施の形態1の風速ベクトル計測装置において、風向によってドップラ速度の距離平均区間を変更することを説明する図。
【図5】 この発明の実施の形態1の風速ベクトル計測方法の流れを示すフロー図。
【図6】 この発明の実施の形態1の別の風速ベクトル計測方法の流れを示すフロー図。
【図7】 この発明の実施の形態2の風速ベクトル計測装置の構成を示すブロック図。
【図8】 この発明の実施の形態2の風速ベクトル計測装置の測定諸元設定部の内部構成を示すブロック図。
【図9】 この発明の実施の形態2の風速ベクトル計測装置において、風向によってビーム走査速度を変更することを説明する図。
【図10】 この発明の実施の形態2の風速ベクトル計測方法の流れを示すフロー図。
【図11】 この発明の実施の形態3の風速ベクトル計測装置において、風向によってビーム走査方法を変更することを説明する図。
【図12】 この発明の実施の形態3の風速ベクトル計測方法の流れを示すフロー図。
【図13】 この発明の実施の形態4の風速ベクトル計測装置の構成を示すブロック図。
【図14】 この発明の実施の形態4の風速ベクトル計測方法の流れを示すフロー図。
【図15】 この発明の実施の形態5の風速ベクトル計測装置の構成を示すブロック図。
【図16】 この発明の実施の形態5の風速ベクトル計測方法の流れを示すフロー図。
【図17】 従来の風速ベクトル計測装置の構成を示すブロック図。
【図18】 従来の風速ベクトル計測装置の信号処理部の内部構成を示すブロック図。
【図19】 風速ベクトル算出方法であるVAD法の原理を説明する図。
【図20】 風速ベクトル算出方法の流れを示すフロー図。
【図21】 風速ベクトル算出方位角区間幅と風速算出精度の関係を説明する図。
【符号の説明】
001 放射部、 002 送受信部、 003 信号処理部、 004 測定諸元設定部、 005 駆動部、 006 表示・記録部、 031 ドップラ速度算出部、 032 距離平均処理部、 033 風速ベクトル算出部、 041 風速ベクトル算出方位角区間設定部、 042 距離平均区間設定部、 043 ビーム走査方法設定部、 007 風向データ入力部。

Claims (12)

  1. 送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射しその反射波を受信する放射部と、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出するドップラ速度算出部と、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル算出部と、この風速ベクトルによる風向と上記観測方向とのずれ角に応じ上記方位角範囲の幅を変更し上記風速ベクトル算出部に対し設定する方位角区間設定部とを備えた風速ベクトル計測装置であって、上記方位角区間設定部は、風速ベクトルによる風向と観測方向とのずれ角が直角に近づくほど、上記方位角範囲の幅が広くなるように方位角範囲の幅を変更し上記風速ベクトル算出部に対し設定するようにしたことを特徴とする風速ベクトル計測装置。
  2. 送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射しその反射波を受信する放射部と、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出するドップラ速度算出部と、方位角毎に一定幅を有する距離範囲で算出された複数個の上記ドップラ速度を平均する距離平均処理部と、この平均ドップラ速度の一定幅の方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル算出部と、この風速ベクトルによる風向と上記観測方向とのずれ角に応じ上記距離範囲の幅を変更し上記距離平均処理部に対し設定する距離平均区間設定部とを備えた風速ベクトル計測装置であって、上記距離平均区間設定部は、風速ベクトルによる風向と観測方向とのずれ角が直角に近づくほど、上記距離範囲の幅が広くなるように距離範囲の幅を変更し上記距離平均処理部に対し設定するようにしたことを特徴とする風速ベクトル計測装置。
  3. ビームの走査制御を行う駆動部と、この走査制御のもと送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射しその反射波を受信する放射部と、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出するドップラ速度算出部と、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル算出部と、この風速ベクトルによる風向と上記観測方向とのずれ角に応じ上記走査制御のパラメータを変更し上記駆動部に対し設定するビーム走査方法設定部とを備えた風速ベクトル計測装置であって、上記ビーム走査方法設定部は、風速ベクトルによる風向と観測方向とのずれ角が直角に近づくほど、観測方向のビーム走査速度が遅くなるように又は観測方向のビーム走査数が多くなるように走査制御のパラメータを変更し上記駆動部に対し設定するようにしたことを特徴とする風速ベクトル計測装置。
  4. 風向計により計測された風向データを入力する風向データ入力部を備え、上記方位角区間設定部は、上記風速ベクトル算出部が算出する風速ベクトルによる風向に代え上記風向データによる風向を用い上記観測方向とのずれ角を求め、このずれ角に応じ上記方位角範囲の幅を変更し上記風速ベクトル算出部に対し設定することを特徴とする請求項1に記載の風速ベクトル計測装置。
  5. 風向計により計測された風向データを入力する風向データ入力部を備え、上記距離平均区間設定部は、上記風速ベクトル算出部が算出する風速ベクトルによる風向に代え上記風向データによる風向を用い上記観測方向とのずれ角を求め、このずれ角に応じ上記距離範囲の幅を変更し上記距離平均処理部に対し設定することを特徴とする請求項2に記載の風速ベクトル計測装置。
  6. 風向計により計測された風向データを入力する風向データ入力部を備え、上記ビーム走査方法設定部は、上記風速ベクトル算出部が算出する風速ベクトルによる風向に代え上記風向データによる風向を用い上記観測方向とのずれ角を求め、このずれ角に応じ上記走査制御のパラメータを変更し上記駆動部に対し設定することを特徴とする請求項3に記載の風速ベクトル計測装置。
  7. 送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射し、その反射波を受信し、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出し、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル計測方法であって、次のステップを有するもの。
    (ステップ1)ドップラ速度の空間分布を試行測定するステップ。
    (ステップ2)上記ステップ1の試行測定によって得られたドップラ速度の空間分布から風速ベクトルの空間分布を算出するステップ。
    (ステップ3)上記ステップ2で得られた風速ベクトルによる風向と上記観測方向のなす角δ(r)を各距離で算出するステップ。
    (ステップ4)上記ステップ3で得られたδ(r)のうち、最も直交に近い場合の角度δmaxを抽出するステップ。
    (ステップ5)風向と観測方向のなす角が上記ステップ4で得られたδmaxと等しい場合に、所要風速精度を得るのに必要となる風速ベクトル算出方位角区間幅を算出するステップ。
    (ステップ6)上記ステップ3からステップ5の処理を全観測方位角の範囲で繰り返すステップ。
    (ステップ7)ドップラ速度の空間分布を測定し、上記ステップ5で設定した風速ベクトル算出方位角区間幅を用いて、ドップラ速度の空間分布から風速ベクトルを算出するステップ。
  8. 送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射し、その反射波を受信し、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出し、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル計測方法であって、次のステップを有するもの。
    (ステップ1)ドップラ速度の空間分布を試行測定するステップ。
    (ステップ2)上記ステップ1の試行測定によって得られたドップラ速度の空間分布から風速ベクトルの空間分布を算出するステップ。
    (ステップ3)上記ステップ2で得られた風速ベクトルによる風向と上記観測方向のなす角δ(r)を各距離で算出するステップ。
    (ステップ4)上記ステップ3で得られたδ(r)のうち、最も直交に近い場合の角度δmaxを抽出するステップ。
    (ステップ5)風向と観測方向のなす角が上記ステップ4で得られたδmaxと等しい場合に、所要風速精度を得るのに必要となる距離平均区間幅を算出するステップ。
    (ステップ6)上記ステップ3からステップ5の処理を全観測方位角の範囲で繰り返すステップ。
    (ステップ7)ドップラ速度の空間分布を測定し、上記ステップ5で設定した距離平均区間幅を用いて、ドップラ速度の空間平均処理を行った後にドップラ速度の空間分布から風速ベクトルを算出するステップ。
  9. 送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射し、その反射波を受信し、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出し、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル計測方法であって、次のステップを有するもの。
    (ステップ1)ドップラ速度の空間分布を試行測定するステップ。
    (ステップ2)上記ステップ1の試行測定によって得られたドップラ速度の空間分布から風速ベクトルの空間分布を算出するステップ。
    (ステップ3)上記ステップ2で得られた風速ベクトルによる風向と上記観測方向のなす角δ(r)を各距離で算出するステップ。
    (ステップ4)上記ステップ3で得られたδ(r)のうち、最も直交に近い場合の角度δmaxを抽出するステップ。
    (ステップ5)風向と観測方向のなす角が上記ステップ4で得られたδmaxと等しい場合に、所要風速精度を得るのに必要となるビーム走査速度を算出するステップ。
    (ステップ6)上記ステップ3からステップ5の処理を全観測方位角の範囲で繰り返すステップ。
    (ステップ7)上記ステップ5で算出したビーム走査速度によりドップラ速度の空間分布を測定するとともに、ドップラ速度の空間分布から風速ベクトルを算出するステップ。
  10. 送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射し、その反射波を受信し、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出し、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル計測方法であって、次のステップを有するもの。
    (ステップ1)ドップラ速度の空間分布を試行測定するステップ。
    (ステップ2)上記ステップ1の試行測定によって得られたドップラ速度の空間分布から風速ベクトルの空間分布を算出するステップ。
    (ステップ3)上記ステップ2で得られた風向と上記観測方向のなす角δ(r)を各距離で算出するステップ。
    (ステップ4)上記ステップ3で得られたδ(r)のうち、最も直交に近い場合の角度δmaxを抽出するステップ。
    (ステップ5)風向と観測方向のなす角が上記ステップ4で得られたδmaxと等しい場合に、所要風速精度を得るのに必要となるビーム走査回数を算出するステップ。
    (ステップ6)上記ステップ3からステップ5の処理を全観測方位角の範囲で繰り返すステップ。
    (ステップ7)上記ステップ5で算出した各方位角に必要な走査回数を満足するような走査方法を設定するステップ。
    (ステップ8)上記ステップ7で算出したビーム走査方法によりドップラ速度の空間分布を測定するとともに、ドップラ速度の空間分布から風速ベクトルを算出するステップ。
  11. 送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射し、その反射波を受信し、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出し、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル計測方法であって、次のステップを有するもの。
    (ステップ1)風向計で計測された風向データを入力するステップ。
    (ステップ2)上記ステップ1で得られた風向と上記観測方向のなす角δ(r)を各距離で算出するステップ。
    (ステップ3)上記ステップ2で得られたδ(r)のうち、最も直交に近い場合の角度δmaxを抽出するステップ。
    (ステップ4)風向と観測方向のなす角が上記ステップ4で得られたδmaxと等しい場合に、所要風速精度を得るのに必要となる風速ベクトル算出方位角区間幅を算出するステップ。
    (ステップ5)上記ステップ2からステップ4の処理を全観測方位角の範囲で繰り返すステップ。
    (ステップ6)ドップラ速度の空間分布を測定し、上記ステップ4で設定した風速ベクトル算出方位角区間幅を用いて、ドップラ速度の空間分布から風速ベクトルを算出するステップ。
  12. 送信波を方位角方向に走査しながら空間に放射し、その反射波を受信し、この反射波から空間内の各位置での大気のドップラ速度を算出し、このドップラ速度の一定幅を有する方位角範囲の空間分布に基づき所定の観測方向における風速ベクトルを算出する風速ベクトル計測方法であって、次のステップを有するもの。
    (ステップ1)風向計で計測された風向データを入力するステップ。
    (ステップ2)上記ステップ1で得られた風向と上記観測方向のなす角δ(r)を各距離で算出するステップ。
    (ステップ3)上記ステップ2で得られたδ(r)のうち、最も直交に近い場合の角度δmaxを抽出するステップ。
    (ステップ4)風向と観測方向のなす角が上記ステップ3で得られたδmaxと等しい場合に、所要風速精度を得るのに必要となるビーム走査速度を算出するステップ。
    (ステップ5)上記ステップ2からステップ4の処理を全観測方位角の範囲で繰り返すステップ。
    (ステップ6)上記ステップ4で算出したビーム走査速度によりドップラ速度の空間分布を測定するとともに、ドップラ速度の空間分布から風速ベクトルを算出するステップ。
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