JP3707469B2 - 二重偏波レーダ装置及びその信号処理方法 - Google Patents

二重偏波レーダ装置及びその信号処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、気象レーダ装置、特に二重偏波レーダ装置及びその信号処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から広く用いられている単一偏波の気象レーダでは、エコー強度と降雨強度の間に成立する関係式を用いて、降雨強度の推定を行っている。しかし、この関係式は雨滴の粒径分布によって大きく変化するため、単一偏波の気象レーダで正確な降雨強度を求めることは困難であった。
【0003】
一般に雨滴は球を垂直方向に押し潰した回転楕円体に近い形状をしている。大きな粒径の雨滴は扁平度が大きく、小さな粒径の雨滴は扁平度が小さくほぼ球形となる。そのため、水平偏波と垂直偏波を用いた二重偏波レーダ観測を行えば、雨滴の形状に関する情報、すなわち粒径分布に対応する情報が得られるため、精度の高い降雨強度計測が可能になる。降雨領域を電波が通過する途中で生じる偏波間位相差に関する量であるKdpは、降雨強度計測の精度向上に有効であると特に近年注目されている。二重偏波レーダによる気象観測については、例えば「非特許文献1」に一般的な説明がある。
【0004】
図10は従来からある二重偏波レーダの例である。この図において、001は種信号発生部、002は送信部、003は分割部、004Aは第1の送受切替部(送受信切替部1)、004Bは第2の送受切替部(送受切替部2)、005は空中線、006Aは第1の受信部(受信部1)、006Bは第2の受信部(受信部2)、007は信号処理部、008Aは第1のAD変換部(AD変換部1)、008Bは第2のAD変換部(AD変換部2)、010は計測値算出部である。
【0005】
次に動作を説明する。種信号発生部001では、レーダが空中に放射する送信波のもととなる種信号を発生する。この種信号は送信部002にて加工され、その結果として送信波が送信部002から出力される。具体的には、送信部002にて種信号は大電力信号へと増幅される。送信部002ではさらに必要に応じて送信波を変調する。通常は、レーダ観測における距離分解能を得るために、パルス変調が施される。
【0006】
分割部003では、送信部から出力された送信波を2分割し、それぞれ第1の送受信切替部004Aと第2の送受信切替部004Bへと出力される。第1の送受信切替部004A及び第2の送受信切替部004Bでは、レーダ装置の送信タイミングにおいては、分割部003から出力された送信波を空中線005へと伝送する。またレーダ装置の受信タイミングにおいては、空中線で受信された受信波をそれぞれ第1の受信部006A及び第2の受信部006Bへと伝送する。
【0007】
空中線005は、第1の送受信切替部004Aから伝送される送信波と第2の送受信切替部004Bから伝送される送信波の2つが入力される。空中線005では、第1の送受信切替部004Aから伝送された送信波を水平偏波で大気中へ放射し、第2の送受信切替部004Bから伝送された送信波を垂直偏波で大気中へ放射する。
【0008】
大気で反射された反射電波は空中線005で受信される。反射電波のうちの水平偏波成分は空中線005から第1の送受切替部004Aを経て第1の受信部006Aへと伝送される。また、反射電波のうちの垂直偏波成分は空中線005から第2の送受切替部004Bを経て第2の受信部006Bへと伝送される。第1の受信部006Aと第2の受信部006Bは、それぞれ入力された水平偏波受信信号と垂直偏波受信信号に対して増幅及び周波数変換を施す。
【0009】
第1の受信部006A及び第2の受信信号006Bから出力される周波数変換後の受信信号は、信号処理部007において信号処理が施される。信号処理部007は第1のAD変換部008A、第2のAD変換部008B、計測値算出部010から構成される。第1の受信部006Aから出力される周波数変換後の水平偏波受信信号は第1のAD変換部008Aによってアナログ信号からディジタル信号へと変換される。変換された後の信号を以後は単に水平偏波受信信号と呼ぶことにする。また、第2の受信部006Bから出力される周波数変換後の垂直偏波受信信号は第2のAD変換部008Bによってアナログ信号からディジタル信号へと変換される。変換された後の信号を以後は単に垂直偏波受信信号と呼ぶことにする。
【0010】
二重偏波レーダで計測できる代表的な計測値として、偏波間強度比Zdrと偏波間位相差の距離微分Kdpがある。
【0011】
Zdrは水平偏波で観測される受信電力と垂直偏波で観測される受信電力の比であり、次式によってレーダ観測データから算出される。
【0012】
【数1】
Figure 0003707469
【0013】
【外1】
Figure 0003707469
実際の信号処理では、信号のエルゴード性を仮定して、時間平均あるいは時間積分によって集合平均を実現する。すなわち、複数回のパルス送信により得られる信号を平均または積分する処理となる。この平均または積分に用いるデータ数をここでは積分数と呼ぶことにする。
【0014】
Zdrが受信信号の強度に関する計測値であるのに対し、Kdpは受信信号の位相に関する計測値である。 降雨領域では、水平偏波と垂直偏波とで電波伝播媒体の屈折率が異なるため、両偏波で伝播遅延の量が異なる。このことから、単位距離当たりで水平偏波と垂直偏波の位相がどれだけずれるかを表すKdpの値から降雨強度を推定することが可能である。Kdpによる降雨強度推定は、レーダ反射因子による降雨強度推定よりも降雨粒径分布への依存性が小さい。そのため、Kdp計測は降雨強度計測精度の改善に有効であると期待されている。
【0015】
Kdpは、レーダ観測データから得られる水平偏波と垂直偏波の間の偏波間位相差φdpを距離微分することにより得られる。
【0016】
【数2】
Figure 0003707469
【0017】
【外2】
Figure 0003707469
この位相差φdpは、次式のように、水平偏波信号と垂直偏波信号の相互相関係数の位相を計算することにより得られる。
【0018】
【数3】
Figure 0003707469
【0019】
なお、二重偏波レーダ装置の構成として、図10では一つの送信部で発生された送信波を分割部で2分割し、水平偏波と垂直偏波を同時に送信するようなものとしているが、従来の二重偏波レーダ装置にはその他の構成を持つものもある。例えば、水平偏波と垂直偏波を同時に送信するのではなく、スイッチで両偏波を切り替えることにより、水平偏波と垂直偏波を交互に観測するものもある。
【0020】
このような二重偏波レーダを船舶などの移動体上に搭載し、海洋上の気象観測を行う場合、船体の動揺によって偏波の方向が水平と垂直からずれるおそれがある。従来の船舶搭載気象レーダには、動揺修正装置として、船体動揺を打ち消す方向にレーダー空中線の方向を自動制御する装置を備えているが、この装置では空中線の偏波方向の補正まではできない。艦上で絶対水平面を保つ技術を採用することも考えられるが、気象レーダの数倍以上の費用となるため、この技術を利用することは現実的でない。
【0021】
【非特許文献1】
「若山他、「気象レーダにおけるニ周波観測及び二重偏波観測の測定精度」、電子情報通信学会信学技報SANE2000−6」
【0022】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、二重偏波観測で得られる偏波間の強度比Zdrと偏波間位相差Φdp及びその距離微分Kdpに対して、信号処理によって動揺補正を実現することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る二重偏波レーダ装置は、水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置において、水平偏波で受信波を受信する第1の受信部と、垂直偏波で受信波を受信する第2の受信部と、当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角を計測する動揺センサと、このロール角とピッチ角とヨー角から算出される偏波のずれ角を用い上記第1の受信部からの水平偏波の受信波及び第2の受信部からの垂直偏波の受信波の信号から上記動揺による影響を除去する補正をする動揺補正処理部と、この補正後の水平偏波受信信号及び垂直偏波受信信号から上記二重偏波の計測値を算出する計測値算出部とを備えたものである。
【0024】
この発明の請求項2に係る二重偏波レーダ装置は、水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置において、水平偏波で受信波を受信する第1の受信部と、垂直偏波で受信波を受信する第2の受信部と、上記水平偏波受信信号及び垂直偏波受信信号から上記二重偏波の計測値を算出する計測値算出部と、当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角を計測する動揺センサと、このロール角とピッチ角とヨー角から算出される偏波のずれ角を用い上記二重偏波の計測値から上記動揺による影響を除去する補正をする動揺補正処理部とを備えたものである。
【0025】
この発明の請求項3に係る二重偏波レーダ装置は、水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置において、水平偏波で受信波を受信する第1の受信部と、垂直偏波で受信波を受信する第2の受信部と、当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角を計測する動揺センサと、このロール角とピッチ角とヨー角から算出される偏波のずれ角と所定のずれ角しきい値との比較に基づき上記第1の受信部からの水平偏波の受信波及び第2の受信部からの垂直偏波の受信波の信号を選別し除去する動揺信号除去部と、この除去後の残りの水平偏波受信信号及び垂直偏波受信信号から上記二重偏波の計測値を算出する計測値算出部とを備えたものである。
【0026】
この発明の請求項4に係る二重偏波レーダ装置は、水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置において、水平偏波で受信波を受信する第1の受信部と、垂直偏波で受信波を受信する第2の受信部と、上記水平偏波受信信号及び垂直偏波受信信号から上記二重偏波の計測値を算出する計測値算出部と、当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角を計測する動揺センサと、このロール角とピッチ角とヨー角から算出される偏波のずれ角と所定のずれ角しきい値との比較に基づき上記二重偏波の計測値を選別し除去する動揺信号除去部とを備えたものである。
【0027】
この発明の請求項5に係る二重偏波レーダ装置の信号処理方法は、水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置において、次のステップを有するものである。
(1)1パルス分の水平偏波及び垂直偏波の受信信号を入力するステップ。
(2)当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角から偏波のずれ角を算出するステップ。
(3)この偏波のずれ角を用い上記1パルス分の水平偏波及び垂直偏波の受信信号に動揺補正を施すステップ。
(4)上記ステップ(1)から(3)の処理を複数パルス分繰り返すステップ。
(5)上記ステップ(4)の処理によりNパルス分の受信信号を蓄積し、その蓄積データを用いて1時刻分の二重偏波の計測値を算出するステップ。
【0028】
この発明の請求項6に係る二重偏波レーダ装置の信号処理方法は、水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置の信号処理方法において、次のステップを有するもの。
(1)1パルス分の水平偏波及び垂直偏波の受信信号を入力するステップ。
(2)当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角から偏波のずれ角を算出するステップ。
(3)上記ステップ(1)から(2)の処理を複数パルス分繰り返すステップ。
(4)上記ステップ(3)の処理によりNパルス分の受信信号を蓄積し、その蓄積データを用いて1時刻分の二重偏波の計測値を算出するステップ。
(5)上記ステップ(3)の処理による偏波のずれ角を用い上記1時刻分の二重偏波の計測値に動揺補正を施すステップ。
【0029】
この発明の請求項7に係る二重偏波レーダ装置の信号処理方法は、水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置の信号処理方法において、次のステップを有するもの。
(1)1パルス分の水平偏波及び垂直偏波の受信信号を入力するステップ。
(2)当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角から偏波のずれ角を算出するステップ。
(3)上記ステップ(1)から(2)の処理を複数パルス分繰り返すステップ。
(4)上記ステップ(3)の処理によりNパルス分の受信信号を蓄積し、その蓄積データを用いて1時刻分の偏波間強度比並びに偏波間相互相関係数の大きさ及び位相を算出するステップ。
(5)上記算出した偏波間強度比、偏波間相互相関係数の大きさ又は位相のうち、少なくとも1種類の算出値に距離方向の平滑処理を行うステップ。
(6)上記ステップ(5)の処理で平滑処理が行われた偏波間強度比、偏波間相互相関係数の大きさ及び位相と、上記平滑処理が行われていないパラメータについては上記ステップ(4)の処理で算出した偏波間強度比、偏波間相互相関係数の大きさ及び位相とを組み合わせて用い、1時刻分の二重偏波の計測値を算出するステップ。
(7)上記ステップ(3)の処理による偏波のずれ角を用い上記1時刻分の二重偏波の計測値に動揺補正を施すステップ。
【0030】
この発明の請求項8に係る二重偏波レーダ装置の信号処理方法は、水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置の信号処理方法において、次のステップを有するもの。
(1)1パルス分の水平偏波及び垂直偏波の受信信号を入力するステップ。
(2)当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角から偏波のずれ角を算出するステップ。
(3)この偏波のずれ角と所定のずれ角しきい値との比較に基づき上記水平偏波の受信波及び垂直偏波の受信波の信号を選別し除去するステップ。
(4)上記ステップ(1)から(3)の処理を複数パルス分繰り返すステップ。
(5)上記ステップ(4)の処理によりNパルス分の受信信号を蓄積し、その蓄積データを用いて1時刻分の二重偏波の計測値を算出するステップ。
【0031】
この発明の請求項9に係る二重偏波レーダ装置の信号処理方法は、水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置の信号処理方法において、次のステップを有するもの。
(1)1パルス分の水平偏波及び垂直偏波の受信信号を入力するステップ。
(2)当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角から偏波のずれ角を算出するステップ。
(3)上記ステップ(1)から(2)の処理を複数パルス分繰り返すステップ。
(4)上記ステップ(3)の処理によりNパルス分の受信信号を蓄積し、その蓄積データを用いて1時刻分の二重偏波の計測値を算出するステップ。
(5)上記偏波のずれ角と所定のずれ角しきい値との比較に基づき上記1時刻分の二重偏波の計測値を選別し除去するステップ。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の二重偏波レーダ装置の構成を示すブロック図である。図において、001は種信号発生部、002は送信部、003は分割部、004Aは第1の送受切替部(送受信切替部1)、004Bは第2の送受切替部(送受切替部2)、005は空中線、006Aは第1の受信部(受信部1)、006Bは第2の受信部(受信部2)、007は信号処理部、008Aは第1のAD変換部(AD変換部1)、008Bは第2のAD変換部(AD変換部2)、009は受信信号動揺補正処理部、010は計測値算出部である。
【0033】
次に動作を説明する。種信号発生部001では、レーダが空中に放射する送信波のもととなる種信号を発生する。この種信号は送信部002にて加工され、その結果として送信波が送信部002から出力される。具体的には、送信部002にて種信号は大電力信号へと増幅される。送信部002ではさらに必要に応じて送信波を変調する。通常は、レーダの距離分解能を得るために、パルス変調が施される。
【0034】
分割部003では、送信部から出力された送信波を2分割し、それぞれ第1の送受信切替部004Aと第2の送受信切替部004Bへと出力される。第1の送受信切替部004A及び第2の送受信切替部004Bでは、レーダ装置の送信タイミングにおいては、分割部002から出力された送信波を空中線005へと伝送する。またレーダ装置の受信タイミングにおいては、空中線で受信された受信波をそれぞれ第1の受信部006A及び第2の受信部006Bへと伝送する。
【0035】
空中線005は、第1の送受信切替部004Aから伝送される送信波と第2の送受信切替部004Bから伝送される送信波の2つが入力される。空中線005では、第1の送受信切替部004Aから伝送された送信波を水平偏波で大気中へ放射し、第2の送受信切替部004Bから伝送された送信波を水平偏波で大気中へ放射する。
【0036】
大気で反射された反射電波は空中線005で受信される。反射電波のうちの水平偏波成分は空中線005から第1の送受切替部004Aを経て第1の受信部006Aへと伝送される。また、反射電波のうちの垂直偏波成分は空中線005から第2の送受切替部004Bを経て第2の受信部006Bへと伝送される。第1の受信部006Aと第2の受信部006Bは、それぞれ入力された水平偏波受信信号と垂直偏波受信信号に対して増幅及び周波数変換を施す。
【0037】
第1の受信部006A及び第2の受信信号006Bから出力される周波数変換後の受信信号は、信号処理部007において信号処理が施される。信号処理部007は第1のAD変換部008A、第2のAD変換部008B、受信信号動揺補正処理部009、計測値算出部010から構成される。第1の受信部006Aから出力される周波数変換後の水平偏波受信信号は第1のAD変換部008Aによってアナログ信号からディジタル信号へと変換される。変換された後の信号を以後は単に水平偏波受信信号と呼ぶことにする。また、第2の受信部006Bから出力される周波数変換後の垂直偏波受信信号は第2のAD変換部008Bによってアナログ信号からディジタル信号へと変換される。変換された後の信号を以後は単に垂直偏波受信信号と呼ぶことにする。
【0038】
受信信号動揺補正処理部009では、水平偏波受信信号と垂直偏波受信信号を入力する。さらに受信信号動揺補正処理部009は動揺センサからロール角、ピッチ角、ヨー角の3成分から成る動揺センサデータを入力する。受信信号動揺補正処理部009では、動揺センサデータをもとに水平偏波受信信号と垂直偏波受信信号に動揺補正を施し、動揺補正後水平偏波受信信号と動揺補正後垂直偏波受信信号を出力する。
【0039】
なお、二重偏波レーダ装置の構成として、図1では一つの送信部で発生された送信波を分割部で2分割し、水平偏波と垂直偏波を同時に送信するようなものとしているが、従来の二重偏波レーダ装置にはその他の構成を持つものもある。例えば、水平偏波と垂直偏波を同時に送信するのではなく、スイッチで両偏波を切り替えることにより、水平偏波と垂直偏波を交互に観測するものもある。この場合にも、動揺補正を信号処理で行う原理は同様に適用することができる。
【0040】
動揺補正の具体的な方法を以下に説明する。
【0041】
まず動揺データから偏波方向のずれ角θaを算出する手順を説明する。ロール角をθr、ピッチ角をθp、ヨー角をθyとする。動揺がない場合に空中線が水平偏波として放射する電波の偏波方向を単位ベクトルehとする。電波を放射する方位角をφとすると、ehは次式で表される。
【0042】
【数4】
Figure 0003707469
【0043】
ロール角θrが、ピッチ角がθp、ヨー角がθyの動揺がある場合に、空中線が水平偏波として放射する電波の偏波方向を単位ベクトルehtとすると、ehtは次式で表される。
【0044】
【数5】
Figure 0003707469
【0045】
ここで、Rr、Rp、Ryはそれぞれ次の式で定義される回転行列である。
【0046】
【数6】
Figure 0003707469
【0047】
【数7】
Figure 0003707469
【0048】
【数8】
Figure 0003707469
【0049】
水平面の単位法線ベクトルnhは次式で表される。
【0050】
【数9】
Figure 0003707469
【0051】
水平偏波の方向が水平面となす角、すなわち偏波方向のずれ角をθaとする。θaは次式で算出される。
【0052】
【数10】
Figure 0003707469
【0053】
次に受信信号に動揺補正を施す手順を説明する。
【0054】
大気中の電波伝播及び後方散乱の効果を表す散乱行列Sを次式で定義する。
【0055】
【数11】
Figure 0003707469
【0056】
空中線から放射される直前の送信電界Etは、空中線の水平偏波チャネルから放射される電界成分Et1と垂直偏波チャネルから放射される電界成分Et2を用いて次式で定義される。
【0057】
【数12】
Figure 0003707469
【0058】
また、空中線で受信された直後の受信電界Erは、空中線の水平偏波チャネルで受信される電界成分Er1と垂直偏波チャネルで受信される電界成分Er2を用いて次式で定義される。
【0059】
【数13】
Figure 0003707469
【0060】
tとErの間には次式の関係がある。
【0061】
【数14】
Figure 0003707469
【0062】
ただし、Ra+及びRa-は偏波方向のずれ角θaを用いて次式で定義される回転行列である。
【0063】
【数15】
Figure 0003707469
【0064】
【数16】
Figure 0003707469
【0065】
以上から、次式によりShh、Svvを算出することができる。
【0066】
【数17】
Figure 0003707469
【0067】
【外3】
Figure 0003707469
【0068】
【数18】
Figure 0003707469
【0069】
【外4】
Figure 0003707469
【0070】
【数19】
Figure 0003707469
【0071】
ただし、*は複素共役を表す。
【0072】
計測値算出部010では、動揺補正後水平受信信号と動揺補正後垂直偏波受信信号を用いてZdrやKdpなどの計測値を算出する。計測値算出方法は従来の二重偏波レーダと同じ方法、すなわち数1、数2、数3を用いれば良い。
【0073】
図2は以上の処理の流れをフロー図にしたものである。ステップst001とステップst005で囲まれたステップst002〜ステップst004の処理は積分数回だけ繰り返される。ステップst002では1ヒット分、すなわち1送信パルスに対応する受信信号を入力する。ステップst003では、st002で入力したデータを観測した時刻におけるロール、ピッチ、ヨーの動揺データから、偏波方向のずれの角度(偏波ずれ角)を算出する。ステップst004では数17により受信信号に対して動揺補正を行う。ステップst006では、ステップst001からステップst005までの処理で得られた積分数分の受信信号を用いて、計測値を算出する。
【0074】
なお、以上の説明では二重偏波レーダについて説明したが、本実施形態の動揺補正方法は気象観測用途に限らず、一般的な二重偏波レーダに適用できるものである。
【0075】
以上のように、本発明の実施の形態1では、信号処理によって船舶の動揺を補正するため、レーダ装置自体の水平面を安定に保つ機構を用いずに、正確な二重偏波観測を行うことが可能である。
【0076】
実施の形態2.
以上の実施形態1は、AD変換直後の受信信号に対して動揺補正の処理を行うものであるが、次に計測値を算出した後、すなわち積分処理を行った後のデータに対して動揺補正処理を行う実施形態を示す。図3は、本発明の実施の形態2の二重偏波レーダの構成を示す図である。この図において、109は計測値動揺補正処理部である。その他の符号は前述のものと同じである。
【0077】
次に動作を説明する。本実施の形態における二重偏波レーダの動作は、第1のAD変換部008A及び第2のAD変換部008Bによって、水平偏波及び垂直偏波の受信信号をディジタル化するところまでは、前述の実施の形態1の二重偏波レーダと同じ動作である。実施の形態1の二重偏波レーダではAD変換直後の信号に動揺補正を行っていたが、本実施の形態の二重偏波レーダでは、動揺補正を行う前に、計測値算出部010によって計測値をまず算出する。計測値を算出する式は従来と同じ方法、すなわち数1、数2、数3を用いる。
【0078】
ただし、動揺補正が行われていないため、計測値算出部010から出力される計測値は動揺による誤差が含まれている。そこで、計測値動揺補正処理部では、動揺補正前の受信信号から算出された計測値に対して、動揺補正を行う。
【0079】
なお、二重偏波レーダ装置の構成として、図3では一つの送信部で発生された送信波を分割部で2分割し、水平偏波と垂直偏波を同時に送信するようなものとしているが、従来の二重偏波レーダ装置にはその他の構成を持つものもある。例えば、水平偏波と垂直偏波を同時に送信するのではなく、スイッチで両偏波を切り替えることにより、水平偏波と垂直偏波を交互に観測するものもある。この場合にも、動揺補正を信号処理で行う原理は同様に適用することができる。
【0080】
動揺補正に用いる式を以下に示す。まず、数17によりShhは次式で表される。
【0081】
【数20】
Figure 0003707469
【0082】
ただし、Aは次式で定義される。
【0083】
【数21】
Figure 0003707469
【0084】
【外5】
Figure 0003707469
【0085】
【数22】
Figure 0003707469
【0086】
【数23】
Figure 0003707469
【0087】
同様にして、数17によりSvvは次式で表される。
【0088】
【数24】
Figure 0003707469
【0089】
ただし、Bは次式で定義される。
【0090】
【数25】
Figure 0003707469
【0091】
【外6】
Figure 0003707469
【0092】
【数26】
Figure 0003707469
【0093】
ただし、C及びDは次式で定義される。
【0094】
【数27】
Figure 0003707469
【0095】
【数28】
Figure 0003707469
【0096】
【外7】
Figure 0003707469
【0097】
【数29】
Figure 0003707469
【0098】
【外8】
Figure 0003707469
【0099】
【数30】
Figure 0003707469
【0100】
図4は以上の処理の流れをフロー図にしたものである。ステップst101とステップst104で囲まれたst102〜st103の処理は積分数回だけ繰り返される。ステップst102では1ヒット分の受信信号を入力する。ステップst103では、st102で入力したデータを観測した時刻におけるロール、ピッチ、ヨーの動揺データから、偏波方向のずれの角度(偏波ずれ角)を算出する。
【0101】
ステップst101からステップst104までの処理によって、積分数分の受信信号が得られる。この積分数分のデータを用いて、ステップst105、ステップst106、ステップst107では、動揺による偏波のずれがないと仮定して、偏波間強度比Zdr、偏波間相互相関係数の大きさと位相の計測値を算出する。
【0102】
【外9】
Figure 0003707469
ただし、集合平均は積分数分のデータを時間平均または時間積分することにより実現する。
【0103】
【外10】
Figure 0003707469
【0104】
なお、信号処理の途中で算出する補正前計測値の精度が不足する場合、距離方向に平滑化することによりランダムな誤差を低減することも有効である。図5はそのような処理を行う場合の処理の流れを示すフロー図である。この図において、ステップst201からステップst207の処理は図4のステップst101からステップst107の処理と同じであり、ステップst209からステップst214の処理は図4のステップst108からステップst113までの処理と同じである。図4と比較して図5の異なるのは、ステップst208が新たに挿入されたことである。ステップst208では各補正前計測値を距離方向に平滑化することにより、ランダムな誤差を低減するものである。
【0105】
以上のように、計測値算出後のデータに対しても、動揺補正により正しい計測値を得ることが可能である。計測値算出後ということは、すなわち積分後のデータに対して動揺補正を行うことを意味する。したがって、動揺補正の演算量は、受信信号に動揺補正を適用する場合に比べて少なくて済む。
【0106】
実施の形態3.
以上の実施形態では、信号処理によって動揺補正を行うものであるが、本実施の形態では、動揺量の小さい時間のデータのみを利用して信号処理を行うことにより、動揺による二重偏波計測値の誤差を低くするような二重偏波レーダ装置の形態について説明する。
【0107】
図6は本発明の実施の形態の二重偏波レーダの構成を示すブロック図である。この図において、209は大動揺受信信号除去部である。他の符号は前述のものと同じである。
【0108】
次に動作を説明する。
【0109】
動揺センサデータから偏波方向のずれ角θaを算出する。算出されたθaが予め設定したしきい値よりも大きくなる場合には、第1のAD変換部008A及び第2のAD変換部008Bから出力されるデータを除去する。具体的には、受信信号の値に欠損値を入れるようにしても良いし、あるいは欠損であることを示す印をつけるようにしても良い。
【0110】
計測値算出部では、大動揺受信信号除去部209で除去されなかったデータのみを用いて計測値を算出する。動揺の状況によっては、大動揺受信信号除去部209におけるデータ除去により、十分な積分数が得られないこともある。そこで、予め設定した最低積分数よりも少ないデータ数しか積分できなかった場合には、その計測値を無効なものとするようにしても良い。
【0111】
なお、二重偏波レーダ装置の構成として、図6では一つの送信部で発生された送信波を分割部で2分割し、水平偏波と垂直偏波を同時に送信するようなものとしているが、従来の二重偏波レーダ装置にはその他の構成を持つものもある。例えば、水平偏波と垂直偏波を同時に送信するのではなく、スイッチで両偏波を切り替えることにより、水平偏波と垂直偏波を交互に観測するものもある。この場合にも、動揺補正を信号処理で行う原理は同様に適用することができる。
【0112】
図7は本発明の実施の形態の二重偏波レーダ装置の信号処理の流れを示すフロー図である。ステップst301からステップst306で囲まれたステップst302からst305までの処理は積分数回だけ繰り返される。ステップst302では1ヒット分の受信信号を入力する。ステップst303では、st302で入力したデータを観測した時刻におけるロール、ピッチ、ヨーの動揺データから、偏波方向のずれの角度(偏波ずれ角)を算出する。
【0113】
ステップst304ではステップst303で算出した偏波ずれ角が予め設定した値を超えているか否かを判定する。もし超えている場合はステップst305へ進み、そうでない場合はst306へ進む。ステップst305では、偏波ずれ角が設定値を超える、すなわち動揺による観測誤差が大きくなると見なせる場合に、その時刻の受信信号を除去する。ステップst307では、ステップst305で除去されずに残ったデータを用いて計測値を算出する。
【0114】
本発明の実施形態によれば、動揺の小さい時間のデータのみを用いて計測値を算出するようにしているので、少ない演算量で誤差の少ない計測値を得ることができる。
【0115】
実施の形態4.
前述の実施の形態3では、動揺量の小さい時間のデータのみを利用して信号処理を行うことを考えた。動揺の周期がデータ積分時間に比べて十分に長い場合は、積分時間中の全データが動揺の大きい時間のデータとなるか、あるいは積分時間中の全データが動揺の小さい時間のデータとなるかのいずれかとなることがほとんどである。このことから本実施の形態では、動揺の周期が長い場合には計測値算出後にデータ除去の判定を行うようにする。
【0116】
図8は本発明の実施の形態の二重偏波レーダの構成を示すブロック図である。この図において、309は大動揺計測値除去部である。他の符号は前述のものと同じである。次に動作を説明する。
【0117】
動揺センサデータから偏波方向のずれ角θaを算出する。算出されたθaが予め設定したしきい値よりも大きくなる場合には、計測値算出部から出力されたデータを除去する。具体的には、計測値に欠損値を入れるようにしても良いし、あるいは欠損であることを示す印をつけるようにしても良い。
【0118】
動揺の大きさを評価する方法として、例えば積分開始時刻から積分終了時刻までの間に偏波ずれ角の絶対値が予め設定したしきい値を超えるか否かを判定することが考えられる。あるいは簡単には、積分時間中のある一時刻、例えば積分時間の区間の中央の時刻(平均時刻)の動揺量を判定するようにしても良い。
【0119】
なお、二重偏波レーダ装置の構成として、図8では一つの送信部で発生された送信波を分割部で2分割し、水平偏波と垂直偏波を同時に送信するようなものとしているが、従来の二重偏波レーダ装置にはその他の構成を持つものもある。例えば、水平偏波と垂直偏波を同時に送信するのではなく、スイッチで両偏波を切り替えることにより、水平偏波と垂直偏波を交互に観測するものもある。この場合にも、動揺補正を信号処理で行う原理は同様に適用することができる。
【0120】
図9は本発明の実施の形態の二重偏波レーダ装置の信号処理の流れを示すフロー図である。ステップst401からステップst404で囲まれたステップst402からst403までの処理は積分数回だけ繰り返される。ステップst402では1ヒット分の受信信号を入力する。ステップst403では、st402で入力したデータを観測した時刻におけるロール、ピッチ、ヨーの動揺データから、偏波方向のずれの角度(偏波ずれ角)を算出し、その値を蓄積する。
【0121】
ステップst405では、ステップst402で入力した積分数分の受信信号を用いて計測値を計算する。ステップst406では、st403で算出した積分数個の偏波ずれ角のうち、絶対値が最小となるものを抽出する。ステップst407では、ステップst406で抽出した偏波ずれ角の最小値がしきい値を超えるか否かを判定する。しきい値を超えた場合には、ステップst408にてその時刻の計測値を除去する。
【0122】
本発明の実施形態によれば、動揺の小さい時間の信号処理結果のみを残すようにするため、動揺による誤差の大きい計測値を出力することがない。
【0123】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1の二重偏波レーダ装置によれば、信号処理によって船舶の動揺を補正するため、レーダ装置自体の水平面を安定に保つ機構を用いずに、正確な二重偏波観測が可能となる。また、信号処理における積分処理前の受信信号に対して動揺補正を行うため、動揺補正の精度が高いという効果がある。
【0124】
また、この発明の請求項2の二重偏波レーダ装置によれば、積分処理後の計測値に対して動揺補正を行うため、動揺補正の演算量が少なくて済むという効果がある。
【0125】
また、この発明の請求項3の二重偏波レーダ装置によれば、動揺の小さい時間の受信信号のみを用いて計測値を算出するようにしているので、少ない演算量で誤差の少ない計測値を得ることができるという効果がある。
【0126】
また、この発明の請求項4の二重偏波レーダ装置によれば、動揺の小さい時間の信号処理結果のみを残すようにするため、動揺による誤差の大きい計測値を出力することがないという効果がある。
【0127】
また、この発明の請求項5のレーダ信号処理方法によれば、信号処理における積分処理前の受信信号に対して動揺補正を行うため、動揺補正の精度が高いという効果がある。
【0128】
また、この発明の請求項6のレーダ信号処理方法によれば、積分処理後の計測値に対して動揺補正を行うため、動揺補正の演算量が少なくて済むという効果がある。
【0129】
また、この発明の請求項7のレーダ信号処理方法によれば、信号処理の途中で距離方向に平滑化するため、動揺補正の精度が高くなるという効果がある。
【0130】
また、この発明の請求項8のレーダ信号処理方法によれば、動揺の小さい時間の受信信号のみを用いて計測値を算出するようにしているので、少ない演算量で誤差の少ない計測値を得ることができるという効果がある。
【0131】
また、この発明の請求項9のレーダ信号処理方法によれば、動揺の小さい時間の信号処理結果のみを残すようにするため、動揺による誤差の大きい計測値を出力することがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の二重偏波レーダ装置の構成を示すブロック図。
【図2】 この発明の実施の形態1の二重偏波レーダ信号処理方法の流れを示すフロー図。
【図3】 この発明の実施の形態2のレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図4】 この発明の実施の形態2の二重偏波レーダ信号処理方法の流れを示すフロー図。
【図5】 この発明の実施の形態2の二重偏波レーダ信号処理方法の別の流れを示すフロー図。
【図6】 この発明の実施の形態3のレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図7】 この発明の実施の形態3の二重偏波レーダ信号処理方法の流れを示すフロー図。
【図8】 この発明の実施の形態4のレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図9】 この発明の実施の形態4の二重偏波レーダ信号処理方法の流れを示すフロー図。
【図10】 従来のレーダ装置の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
001 種信号発生部、 002 送信部、 003 分割部、 004A 第1の送受切替部、 004B 第2の送受切替部、 005 空中線、 006A 第1の受信部、 006B 第2の受信部、 007 信号処理部、 008A 第1のAD変換部、 008B 第2のAD変換部、 009 受信信号動揺補正処理部、 010 計測値算出部、 109 計測値動揺補正処理部、 209 大動揺受信信号除去部、 309 大動揺計測値除去部。

Claims (9)

  1. 水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置において、水平偏波で受信波を受信する第1の受信部と、垂直偏波で受信波を受信する第2の受信部と、当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角を計測する動揺センサと、このロール角とピッチ角とヨー角から算出される偏波のずれ角を用い上記第1の受信部からの水平偏波の受信波及び第2の受信部からの垂直偏波の受信波の信号から上記動揺による影響を除去する補正をする動揺補正処理部と、この補正後の水平偏波受信信号及び垂直偏波受信信号から上記二重偏波の計測値を算出する計測値算出部とを備えたことを特徴とする二重偏波レーダ装置。
  2. 水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置において、水平偏波で受信波を受信する第1の受信部と、垂直偏波で受信波を受信する第2の受信部と、上記水平偏波受信信号及び垂直偏波受信信号から上記二重偏波の計測値を算出する計測値算出部と、当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角を計測する動揺センサと、このロール角とピッチ角とヨー角から算出される偏波のずれ角を用い上記二重偏波の計測値から上記動揺による影響を除去する補正をする動揺補正処理部とを備えたことを特徴とする二重偏波レーダ装置。
  3. 水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置において、水平偏波で受信波を受信する第1の受信部と、垂直偏波で受信波を受信する第2の受信部と、当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角を計測する動揺センサと、このロール角とピッチ角とヨー角から算出される偏波のずれ角と所定のずれ角しきい値との比較に基づき上記第1の受信部からの水平偏波の受信波及び第2の受信部からの垂直偏波の受信波の信号を選別し除去する動揺信号除去部と、この除去後の残りの水平偏波受信信号及び垂直偏波受信信号から上記二重偏波の計測値を算出する計測値算出部とを備えたことを特徴とする二重偏波レーダ装置。
  4. 水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置において、水平偏波で受信波を受信する第1の受信部と、垂直偏波で受信波を受信する第2の受信部と、上記水平偏波受信信号及び垂直偏波受信信号から上記二重偏波の計測値を算出する計測値算出部と、当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角を計測する動揺センサと、このロール角とピッチ角とヨー角から算出される偏波のずれ角と所定のずれ角しきい値との比較に基づき上記二重偏波の計測値を選別し除去する動揺信号除去部とを備えたことを特徴とする二重偏波レーダ装置。
  5. 水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置の信号処理方法において、次のステップを有するもの。
    (1)1パルス分の水平偏波及び垂直偏波の受信信号を入力するステップ。
    (2)当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角から偏波のずれ角を算出するステップ。
    (3)この偏波のずれ角を用い上記1パルス分の水平偏波及び垂直偏波の受信信号に動揺補正を施すステップ。
    (4)上記ステップ(1)から(3)の処理を複数パルス分繰り返すステップ。
    (5)上記ステップ(4)の処理によりNパルス分の受信信号を蓄積し、その蓄積データを用いて1時刻分の二重偏波の計測値を算出するステップ。
  6. 水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置の信号処理方法において、次のステップを有するもの。
    (1)1パルス分の水平偏波及び垂直偏波の受信信号を入力するステップ。
    (2)当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角から偏波のずれ角を算出するステップ。
    (3)上記ステップ(1)から(2)の処理を複数パルス分繰り返すステップ。
    (4)上記ステップ(3)の処理によりNパルス分の受信信号を蓄積し、その蓄積データを用いて1時刻分の二重偏波の計測値を算出するステップ。
    (4)上記ステップ(3)の処理による偏波のずれ角を用い上記1時刻分の二重偏波の計測値に動揺補正を施すステップ。
  7. 水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置の信号処理方法において、次のステップを有するもの。
    (1)1パルス分の水平偏波及び垂直偏波の受信信号を入力するステップ。
    (2)当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角から偏波のずれ角を算出するステップ。
    (3)上記ステップ(1)から(2)の処理を複数パルス分繰り返すステップ。
    (4)上記ステップ(3)の処理によりNパルス分の受信信号を蓄積し、その蓄積データを用いて1時刻分の偏波間強度比並びに偏波間相互相関係数の大きさ及び位相を算出するステップ。
    (5)上記算出した偏波間強度比、偏波間相互相関係数の大きさ又は位相のうち、少なくとも1種類の算出値に距離方向の平滑処理を行うステップ。
    (6)上記ステップ(5)の処理で平滑処理が行われた偏波間強度比、偏波間相互相関係数の大きさ及び位相と、上記平滑処理が行われていないパラメータについては上記ステップ(4)の処理で算出した偏波間強度比、偏波間相互相関係数の大きさ及び位相とを組み合わせて用い、1時刻分の二重偏波の計測値を算出するステップ。
    (7)上記ステップ(3)の処理による偏波のずれ角を用い上記1時刻分の二重偏波の計測値に動揺補正を施すステップ。
  8. 水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置の信号処理方法において、次のステップを有するもの。
    (1)1パルス分の水平偏波及び垂直偏波の受信信号を入力するステップ。
    (2)当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角から偏波のずれ角を算出するステップ。
    (3)この偏波のずれ角と所定のずれ角しきい値との比較に基づき上記水平偏波の受信波及び垂直偏波の受信波の信号を選別し除去するステップ。
    (4)上記ステップ(1)から(3)の処理を複数パルス分繰り返すステップ。
    (5)上記ステップ(4)の処理によりNパルス分の受信信号を蓄積し、その蓄積データを用いて1時刻分の二重偏波の計測値を算出するステップ。
  9. 水平偏波及び垂直偏波で受信した受信波から二重偏波の計測値を計測する二重偏波レーダ装置の信号処理方法において、次のステップを有するもの。
    (1)1パルス分の水平偏波及び垂直偏波の受信信号を入力するステップ。
    (2)当該レーダ装置の動揺を表すロール角とピッチ角とヨー角から偏波のずれ角を算出するステップ。
    (3)上記ステップ(1)から(2)の処理を複数パルス分繰り返すステップ。
    (4)上記ステップ(3)の処理によりNパルス分の受信信号を蓄積し、その蓄積データを用いて1時刻分の二重偏波の計測値を算出するステップ。
    (5)上記偏波のずれ角と所定のずれ角しきい値との比較に基づき上記1時刻分の二重偏波の計測値を選別し除去するステップ。
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