JP6327668B2 - 高純度のグリシン塩およびグリシン、ならびにその製造方法 - Google Patents
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Description
(I)ジエタノールアミンの含有濃度が0.05質量%以下である原料モノエタノールアミンを準備する工程、および
(II)前記原料モノエタノールアミンを、アルカリ金属の水酸化物および/またはアルカリ土類金属の水酸化物、水ならびに銅含有触媒の共存下にて、酸化脱水素する工程。
本工程(I)では、ジエタノールアミンの含有濃度が0.05質量%以下である原料モノエタノールアミンを準備する。
本工程(II)では、上記工程(I)で準備した原料モノエタノールアミンを、アルカリ金属の水酸化物および/またはアルカリ土類金属の水酸化物、水ならびに銅含有触媒の共存下にて、酸化脱水素反応してグリシン塩を含有する反応液を得る。本工程では、特表2002−524015号公報、特開平7−89912号公報に記載の方法等の公知の方法を同様にしてあるいは適宜修飾して適用できる。また、本工程(II)の好ましい形態を以下に詳述するが、本発明は下記形態に限定されない。
装置:ガスクロマトグラフGC−2010
カラム:PTA−5
キャリアーガス:ヘリウム
検出器:FID
カラム流量:10ml/min
パージ流量:3ml/min
スプリット比:10
カラム初期温度:40℃
カラム初期時間:3min
カラム昇温速度:20℃/min
カラム最終温度:300℃
カラム最終時間:5min。
装置:キャピラリー電気泳動システム Agilent7100
キャピラリーサイズ:内径75μm、全長80.5cm
泳動液:α−AFQ109
試料注入:加圧法(50mbar、8sec)
キャピラリー温調:25℃
電圧:−25kV
検出波長:Sig=400nm、20nm Ref=265nm、10nm
定量:濃度既知のイミノ二酢酸およびその塩の水溶液、グリシン及びその塩の水溶液を用いた検量線法。
例えば、モノエタノールアミンが反応してグリシンナトリウムが生成した場合の選択率は、反応したモノエタノールアミンの量(当量)と上記分析方法で検出されたグリシンナトリウム濃度から算出したグリシンナトリウム量(当量)を用いて下記式1により算出される。なお、上記では、グリシン塩がグリシンナトリウムである場合について説明したが、他の塩についても同様の方法によって算出できる。
下記条件にてイオンクロマトグラフィーにより、反応後の反応液中の未反応エタノールアミン量を測定する。モノエタノールアミン転化率は原料に用いたモノエタノールアミン量(当量)及び未反応モノエタノールアミン量(当量)から下記式2により算出される。
ジエタノールアミンが検出されなかった(ジエタノールアミンの含有濃度=0ppm)原料モノエタノールアミン230g、水酸化ナトリウム162g、水393g、ラネー銅触媒(BET比表面積:20.8m2/g)24gを1000mlのニッケル製オートクレーブに仕込み、窒素ガスで3回内部置換した後、反応温度160℃、反応圧力10kg/cm2Gで、水素の発生がなくなるまで反応を行った。反応に要した時間は160℃に昇温後5.0時間であった。
実施例1において、ジエタノールアミンを1ppm含有する原料モノエタノールアミンを用い、反応を160℃に昇温後5.5時間で行った以外は、実施例1と同様の操作を行った。
実施例1において、ジエタノールアミンを10ppm含有する原料モノエタノールアミンを用いる以外は、実施例1と同様の操作を行った。なお、反応に要した時間は160℃に昇温後5.0時間であった。
実施例1において、ジエタノールアミンを50ppm含有する原料モノエタノールアミンを用いる以外は、実施例1と同様の操作を行った。なお、反応に要した時間は160℃に昇温後5.0時間であった。
実施例1において、ジエタノールアミンを100ppm含有する原料モノエタノールアミンを用い、反応を160℃に昇温後4.8時間で行った以外は、実施例1と同様の操作を行った。
実施例1において、ジエタノールアミンを200ppm含有する原料モノエタノールアミンを用い、反応を160℃に昇温後4.5時間で行った以外は、実施例1と同様の操作を行った。
実施例1において、ジエタノールアミンを500ppm含有する原料モノエタノールアミンを用いる以外は、実施例1と同様の操作を行った。なお、反応に要した時間は160℃に昇温後5.0時間であった。
実施例1において、ジエタノールアミンを1000ppm含有する原料モノエタノールアミンを用い、反応を160℃に昇温後4.5時間で行った以外は、実施例1と同様の操作を行った。
実施例1において、ジエタノールアミンを3000ppm含有する原料モノエタノールアミンを用いる以外は、実施例1と同様の操作を行った。なお、反応に要した時間は160℃に昇温後5.0時間であった。
実施例1で得られた反応液(シュウ酸塩濾別後の濾液)200gを水500gで希釈して、13.5質量%のグリシンナトリウム水溶液700gを調製した。このグリシンナトリウム水溶液を弱酸性陽イオン交換樹脂アンバーライトIRC−76(オルガノ(株))230mlを充填した樹脂塔にダウンフローで通液し、フラクションコレクターで採取した。各フラクションのナトリウム交換の状況は、フラクション液の電導度及びpH測定結果からリアルタイムでモニタリングし、最終的にはイオンクロマト分析より決定した。通液の操作温度は25℃、流速はSV1(1時間に樹脂量の1倍の液量を通液する)で行った。初期仕込み水をグリシンソーダ水溶液で置換した時点から、破過前(フラクションコレクターで順次採取したサンプルの内、ナトリウムイオン濃度が急激に上昇する直前)までのフラクションを全て混合し、粗グリシン水溶液を得た。得られた粗グリシン水溶液を分析したところ、イミノ二酢酸は検出されなかった。
実施例8において、実施例1で得られた反応液の代わりに、実施例2〜7で得られた反応液(シュウ酸塩濾別後の濾液)をそれぞれ使用する以外は、実施例8と同様の操作を行った。得られた粗グリシン水溶液中を分析して、イミノ二酢酸量を、得られたグリシン結晶を篩分け試験して、微小結晶量を測定した。グリシンの質量に対するイミノ二酢酸の含有濃度の結果及び微小結晶量を表2に示す。
実施例8において、実施例1で得られた反応液の代わりに、比較例1〜2で得られた反応液(シュウ酸塩濾別後の濾液)をそれぞれ使用する以外は、実施例8と同様の操作を行った。得られた粗グリシン水溶液中を分析して、イミノ二酢酸量を、得られたグリシン結晶を篩分け試験して、微小結晶量を測定した。グリシンの質量に対するイミノ二酢酸の含有濃度の結果及び微小結晶量を表2に示す。下記表2中、「イミノ二酢酸量が未検出である」とは、イミノ二酢酸の含有量が検出限界(5ppm)以下であることを示す。
Claims (5)
- (I)原料モノエタノールアミン中のジエタノールアミンの含有濃度を測定し、前記含有濃度が0.05質量%を超える場合には、前記ジエタノールアミンの含有濃度を0.05質量%以下にまで低減し、ジエタノールアミンの含有濃度が0.05質量%以下である原料モノエタノールアミンを準備する工程、
(II)前記工程(I)で準備した原料モノエタノールアミンを、アルカリ金属の水酸化物および/またはアルカリ土類金属の水酸化物、水ならびに銅含有触媒の共存下にて、酸化脱水素して、グリシン塩を得る工程、および
(III)前記グリシン塩を脱塩してグリシンを得る工程、
を有する、グリシンの製造方法。 - 前記工程(I)において、原料モノエタノールアミン中のジエタノールアミンの含有濃度を測定し、前記含有濃度が0.02質量%を超える場合には、前記ジエタノールアミンの含有濃度を0.02質量%以下にまで低減し、ジエタノールアミンの含有濃度が0.02質量%以下である原料モノエタノールアミンを準備する、請求項1に記載の方法。
- 前記工程(I)において、原料モノエタノールアミン中のジエタノールアミンの含有濃度を測定し、前記含有濃度が0.01質量%を超える場合には、前記ジエタノールアミンの含有濃度を0.01質量%以下にまで低減し、ジエタノールアミンの含有濃度が0.01質量%以下である原料モノエタノールアミンを準備する、請求項1または2に記載の方法。
- 前記工程(I)において、原料モノエタノールアミン中のジエタノールアミンの含有濃度を測定し、前記含有濃度が0.005質量%を超える場合には、前記ジエタノールアミンの含有濃度を0.005質量%以下にまで低減し、ジエタノールアミンの含有濃度が0.005質量%以下である原料モノエタノールアミンを準備する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記工程(III)で得られるグリシン中のイミノ二酢酸の含有量がグリシンの全質量に対して550ppm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
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