JP6327003B2 - イミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法 - Google Patents

イミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、イミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、温和な条件でクロロメチル化スチレン系架橋共重合体にイミノジ酢酸基を効率的に導入することのできるイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法に関する。
イミノジ酢酸型キレート樹脂は、重金属の選択性が高く、食塩中の重金属除去や、薬液精製の分野で幅広く用いられている。イミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法としては、フタルイミド法によりアミノメチル化ポリマーを合成し、クロロ酢酸と反応させる方法(特許文献1)、クロロメチル化ポリマーにヘキサメチレンテトラミンを反応させアミノメチル化ポリマーを合成し、クロロ酢酸と反応させる方法(特許文献2)、クロロメチル化したスチレン系架橋共重合体とイミノジアセトニトリルを反応させる方法(非特許文献1)、クロロメチル化したスチレン系架橋共重合体とイミノジ酢酸エステルを反応させる方法(非特許文献2)等が知られている。
これらのようにイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法として種々の方法が提案されているが、触媒反応を用いる方法として、例えば、クロロメチル化したスチレン系架橋共重合体を原料とし、触媒としてジメチルアニリンを用いることで、架橋共重合体の母体に親水性を付与し、イミノジアセトニトリルと反応させる方法が知られている(特許文献3)。
特開2000−61320号公報 特開平10−296095号公報 英国特許第767821号明細書
高分子化学1960年第17巻第177,30〜36 J.Coord.Chem.,1980,Vol.10,257−262
本発明者らの詳細な検討によれば、前記特許文献3に記載の方法においては、ジメチルアニリンを触媒として用いる反応において、触媒使用量が少ないと反応が進行しないために過剰量の触媒添加が必要であるという問題があり、更に、得られたイミノジ酢酸型キレート樹脂中にアミンが残留するという問題も見出された。本発明はこのような従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、温和な条件で効率的にクロロメチル化スチレン系架橋共重合体にイミノジ酢酸基を導入することができるイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は優れた分離能を有するイミノジ酢酸型キレート樹脂を提供することを目的とする。
本発明は上記の従来技術の課題を解決することを目的としてなされたものであり、本発明者らが鋭意検討した結果、クロロメチル化スチレン系架橋共重合体とイミノジ酢酸エステルとをアミノ化反応させ、続いて加水分解させるイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方
法において、該アミノ化反応に特定の触媒を用いることにより、上記の課題が解決されることを見出したものである。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[11]に存する。
[1]クロロメチル化スチレン系架橋共重合体とイミノジ酢酸エステルとをアミノ化反応させて得られたアミノ化スチレン系架橋共重合体を加水分解することによるイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法において、該イミノジ酢酸エステルとして後述する式(1)で表される化合物を用い、該アミノ化反応の触媒としてヨウ化ナトリウム及び/又はヨウ化カリウムを用いることを特徴とするイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
(式(1)中、R 及びR は互いに異なっていてもよい炭素数2〜4のアルキル基である。)
[2]R 及びR が、エチル基である、[1]に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
[3]該アミノ化反応の溶媒として炭素数2〜4の脂肪族アルコールを用いることを特徴とする[1]又は[2]に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
[4]クロロメチル化スチレン系架橋共重合体とイミノジ酢酸エステルとをアミノ化反応させて得られたアミノ化スチレン系架橋共重合体を加水分解することによるイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法において、該アミノ化反応の溶媒として炭素数2〜4の脂肪族アルコールを用い、該アミノ化反応の触媒としてヨウ化ナトリウム及び/又はヨウ化カリウムを用いることを特徴とするイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
[5]該アミノ化反応の溶媒が、エタノール、イソプロパノールである、[3]又は[4]に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
[6]該アミノ化反応の溶媒が、エタノールである、[3]又は[4]に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
[7]前記触媒の使用量がクロロメチル化スチレン系架橋共重合体100重量部(乾燥樹脂ベース、以下同じ)あたり0.1〜30重量部であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
[8]前記イミノジ酢酸エステルの使用量が前記クロロメチル化スチレン系架橋共重合体100重量部あたり40〜200重量部であることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかに記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
[9]前記イミノジ酢酸エステルの使用量が前記クロロメチル化スチレン系架橋共重合体100重量部あたり60〜180重量部であることを特徴とする、[8]に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
[10]前記アミノ化反応の反応温度が40〜120℃、反応時間が0.5〜15時間であることを特徴とする、[1]〜[9]のいずれかに記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
[11]前記加水分解反応を、酸又はアルカリを用いて行い、かつ酸を用いる場合は、塩酸、硫酸、及び硝酸からなる群から少なくとも1種以上を用い、アルカリを用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種以上を用いることを特徴とする[1]〜[10]のいずれかに記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
本発明のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法によれば、温和な条件でクロロメチル化スチレン系架橋共重合体にイミノジ酢酸基を効率的に導入することができる。また、得られたイミノジ酢酸型キレート樹脂はイミノジ酢酸基の導入量が多いため、重金属の吸着性に優れたものである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。なお、本明細書において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を示して範囲を表現する場合、その範囲には当該数値又は物性値が含まれるものとする。
本発明のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法は、クロロメチル化スチレン系架橋共重合体とイミノジ酢酸エステルとをアミノ化反応させ、得られたアミノ化スチレン系架橋共重合体を加水分解させるイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法であって、該アミノ化反応の触媒としてヨウ化ナトリウム及び/又はヨウ化カリウムを用いることを特徴とする。なお、本発明における「イミノジ酢酸型キレート樹脂」とは、スチレン系架橋共重合体にキレート形成能を有するイミノジ酢酸基を官能基として導入したものを意味する。
〔アミノ化反応〕
本発明の製造方法は、原料として、クロロメチル化スチレン系架橋共重合体とイミノジ酢酸エステルとを用いてアミノ化反応を行うに際し、アミノ化反応の触媒としてヨウ化ナトリウム及び/又はヨウ化カリウムを用いる。このアミノ化反応によりアミノ化スチレン系架橋共重合体を得ることができる。
本発明の製造方法において用いられるクロロメチル化スチレン系架橋共重合体は、特開平5−320233号公報、特開2010−42395号公報等に記載の公知の方法により、スチレン系架橋共重合体をクロロメチル化反応させることにより得ることができる。また、クロロメチル化スチレン系架橋共重合体は、クロロメチルスチレンモノマーを重合(共重合を含む)することによって得ることもできる。
本発明において「スチレン系架橋共重合体」とは、モノビニル芳香族モノマーと架橋性
芳香族モノマーとを共重合させて得られる架橋高分子であり、特開平5−320233号公報、特開2010−42395号公報等に記載の公知の方法により得ることができる。なお、このスチレン系架橋共重合体は、ゲル型であっても、ポーラス型であってもよい。
スチレン系架橋共重合体の原料であるモノビニル芳香族モノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等のアルキル置換スチレン類、ブロモスチレン等のハロゲン置換スチレン類が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。モノビニル芳香族モノマーとしては、中でも、スチレンまたはスチレンを主体とするモノマーが好ましい。
また、スチレン系架橋共重合体のもう一つの原料である架橋性芳香族モノマーとしては、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジビニルキシレン、ジビニルビフェニル、ビス(ビニルフェニル)メタン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ビス(ビニルフェニル)プロパン、ビス(ビニルフェニル)ブタン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。架橋性芳香族モノマーとしては、中でも、ジビニルベンゼンが好ましい。なお、工業的に製造されるジビニルベンゼンは、通常、副生物であるエチルビニルベンゼン(エチルスチレン)を多量に含有しているが、本発明においてはこのようなジビニルベンゼンも使用することができる。
スチレン系架橋共重合体の架橋度は通常、3〜20重量%であり、好ましくは5〜15重量%である。ここで、「架橋度」とは、モノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーとの合計量に対する架橋性芳香族モノマーの重量%を意味する。
本発明ではクロロメチル化スチレン系架橋共重合体のアミノ化反応において、イミノジ酢酸エステルをアミノ化剤として用いる。なお、未反応のイミノジ酢酸エステルはアミノ化反応の終了後、後述するアミノ化反応の溶媒により抽出して再利用することもできる。
イミノジ酢酸エステルの好ましいものとしては下記式(1)で表される化合物が挙げられる。式(1)中、R及びRは互いに異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である。R及びRは好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基であり、最も好ましいのはエチル基である。式(1)で表される化合物としては例えば、イミノジ酢酸ジメチルエステル、イミノジ酢酸ジエチルエステル、イミノジ酢酸ジプロピルエステル、イミノジ酢酸ジイソプロピルエステル、イミノジ酢酸ジブチルエステル等が挙げられる。
Figure 0006327003
本発明においては、アミノ化反応の触媒としてヨウ化ナトリウム及び/又はヨウ化カリウムを用いる。ヨウ化ナトリウム及びヨウ化カリウム中のヨウ素原子はクロロメチル化架橋共重合体のクロロメチル基との置換効率が高く、また、ヨウ素が置換した部位はアミノ化剤との反応性が高められ、結果としてアミノ化反応を温和な条件で効率的に進行させることができるものと考えられる。
アミノ化剤として用いるイミノジ酢酸エステルの使用量はクロロメチル化スチレン系架橋共重合体100重量部に対して40重量部以上であることが好ましく、60重量部以上であることがより好ましく、80重量部以上であることが更に好ましい。一方、その上限は200重量部以下であることが好ましく、180重量部以下であることがより好ましく
、150重量部以下であることが更に好ましい。
イミノジ酢酸エステルの使用量が40重量部以上であると、官能基の導入効率の観点で好ましく、一方、200重量部以下であると、未反応で残留するアミノ化剤が少なくなり、アミノ化剤を効率的に反応に用いることができる。なお、本発明において「乾燥したクロロメチル化スチレン系架橋共重合体」とは50℃で8時間以上真空乾燥したクロロメチル化スチレン系架橋共重合体を意味する。
アミノ化反応の触媒として用いるヨウ化ナトリウム及び/又はヨウ化カリウムは、乾燥したクロロメチル化スチレン系架橋共重合体100重量部に対して0.1〜30重量部用いることが好ましい。ヨウ化ナトリウム及び/又はヨウ化カリウムの使用量は、下限値として、より好ましくは3重量部以上であり、更に好ましくは5重量部以上、特に好ましくは10重量部以上であり、一方、上限値として、より好ましくは25重量部以下、更に好ましくは20重量部以下、特に好ましくは18重量部以下である。
ヨウ化ナトリウム及び/又はヨウ化カリウムの使用量が上記下限値以上であると、反応を効率的に進行させる観点で好ましく、一方、上記上限値以下であると、得られるイミノジ酢酸型キレート樹脂中の触媒残渣を低減する観点で好ましい。
アミノ化反応において、ヨウ化ナトリウム及び/又はヨウ化カリウムの他に、本発明の効果を著しく阻害しない範囲でその他の触媒を用いてもよい。その他の触媒としては例えばジメチルアニリン等が挙げられる。
アミノ化反応の溶媒としては、特に制限されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール等の炭素数1〜4の脂肪族アルコール;メチラール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等の有機ハロゲン系溶媒、水等が挙げられる。これらの中でも炭素数1〜4の脂肪族アルコールが好ましく、エタノール、イソプロパノールがより好ましい。
アミノ化反応において、反応を開始する際にpHを調整することが好ましい。反応開始時のpHとしては、pH8〜13が好ましく、pH9〜12がより好ましい。pHをこの範囲とするために、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のpH調整剤を用いてもよく、またこれらはその1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミノ化反応の反応温度は、その下限として、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。また上限は、120℃以下が好ましく、105℃以下がより好ましく、95℃以下が更に好ましい。反応温度を上記下限値以上とすることで官能基導入率を高くでき、また上記上限値以下とすることで、溶媒の劣化や揮散を抑制できるので好ましい。
アミノ化反応の圧力は特に限定されず、大気圧付近〜やや加圧下で実施すればよい。具体的には、絶対圧として0.1〜0.5MPa、好ましくは0.1〜0.3MPaである。
アミノ化反応の反応時間は、反応が順調に進行すれば特に限定されないが、通常0.5時間以上、15時間以下であり、好ましくは2時間以上、12時間以下である。反応時間を上記範囲内とすることで、生成するアミノ化スチレン系架橋共重合体の副反応を抑制しながら、反応を十分に進行させることができる。
〔加水分解反応〕
前述したアミノ化反応により得られたアミノ化スチレン系架橋共重合体を加水分解することにより、目的とするイミノジ酢酸型キレート樹脂を得ることができる。
本発明の製造方法においては、アミノ化スチレン系架橋共重合体が、イミノジ酢酸エステルに由来するエステル基を有しており、この酢酸エステル基を加水分解することにより、イミノジ酢酸基を導入することができる。
この酢酸エステル基の加水分解反応においては、酸又はアルカリを用いることができ、アルカリを用いることが好ましい。
加水分解反応に用いる酸としては強酸が好ましく、例えば塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられ、中でも硫酸が好ましい。これらの酸は1種のみでも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
加水分解反応に用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがより好ましい。これらのアルカリは、その1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、アルカリは水溶液として用いることが好ましく、その濃度は5〜60重量%好ましい。より好ましい濃度は15〜50重量%である。
加水分解反応の温度は40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。またその上限は100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。
加水分解反応の圧力は特に限定されず、大気圧付近〜やや加圧下で実施すればよい。具体的には、絶対圧として0.1〜0.5MPa程度で、0.1〜0.3MPaがより好ましい。
加水分解反応の反応時間は、加水分解が十分進行すれば特に限定されないが、通常0.5時間以上、15時間以下であり、2時間以上、12時間以下がより好ましい。
本発明のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法によれば、従来の触媒反応を用いた製造方法と比較してイミノジ酢酸基を効率的に導入することができる。このため、本発明により得られたイミノジ酢酸型キレート樹脂は重金属の吸着性が良好であり、例えば、以下の実施例でその一例を示すように銅(Cu)の吸着性が非常に良好である。
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限または下限の値と、下記実施例の値または実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[評価方法]
以下の実施例及び比較例における評価方法を下記に示す。
(1)収量
一連の反応によって得られたNa形イミノジ酢酸型キレート樹脂の収量は、この樹脂を回転式遠心濾過器を用いて3000rpmで7分間水切りを行った後、電子天秤を用いて重量を測定して求めた。
(2)Cu吸着容量
付着した水分を遠心分離して除去したNa形キレート樹脂(試料)6gを採取し、その重量を精秤した。これを1L共栓付き三角フラスコに入れ、0.05M−CuCl水溶液200mLをホールピペットを用いて添加した。この三角フラスコを(30±2)℃の恒温振盪器中で6時間振盪した。振盪終了後、上澄み液5mLをホールピペットを用いて300mLのコニカルビーカーに採取した。
このビーカー中に蒸留水90mLを加えた後、緩衝液1mL(下記注1)、ドータイトPAN指示薬(下記注2)を加え、0.01M−EDTAで滴定した(滴定値:a(mL))。
ブランク試験として、0.05M−CuCl水溶液のみについて、上記と同様にして
滴定を行った(滴定値:b(mL))。
これらの結果を用いて、Cu吸着容量を次式により算出した。
Cu吸着量が多いほど、イミノジ酢酸基が効率的に導入されているものと評価され、また、Cuの吸着能が優れることを意味するために好ましい。
[銅吸着容量(mmol/mL)]=[{(b−a)×F×0.01×(200/5)}]/[試料(g)/{(見掛密度)/1000}]
(注1)緩衝液:氷酢酸5.8mLを水100mLに溶解した溶液と、酢酸ナトリウム13.6gを水100mLに溶解した溶液とを、それぞれ全量を混合して緩衝液とした。
(注2)指示薬:PAN-0.1gをメタノール100mLに溶解して用いた。
(注3)F:0.01M−EDTAの力価である。
(注4)見掛け密度:Na形キレート樹脂試料約150gを採取し、精秤した(x(g))。次にこれを脱塩水を500mL含むメスシリンダーに添加し、体積が減少しなくなるまで底部を軽く叩き、その体積x(mL)を読み取り、次式から見掛密度を求めた。[見掛密度(g/L)]={(x(g))/(x(mL))}×1000
[実施例1]
<クロロメチル化反応>
攪拌翼を備えた3Lの四つ口フラスコに、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体(DP)150gにクロロメチルメチルエーテル(CME)900gを加え、30分間、室温(25℃)で膨潤させた。その後、塩化亜鉛(II)を105g加え、2時間で50℃まで昇温し、9時間反応させた。反応終了後、40℃以下まで冷却し、35重量%塩酸を384g加え、触媒を失活させ、クロロメチル化架橋共重合体を得た。
<CMEの留去>
クロロメチル化後、ト字管と留去アダプターを四つ口フラスコに取り付け、4時間40分間かけてバス温度を113℃まで昇温し、この温度で2.5時間保持することで、CMEを留去した。昇温の際に内温46℃で561gの35重量%塩酸を2時間かけて添加した。
反応後、得られた反応物を中性になるまで水洗した後、回転式遠心濾過器を用いて3700rpmで10分間水切りを行った。
<アミノ化反応>
攪拌翼を備えた3Lの四つ口フラスコに、上記で得た含水状態のクロロメチル化ポリマー(CMP)310g(乾燥重量217g)について、エタノールによるバッチ溶媒置換(1550mL×3回)を行なった。その後、エタノールを1085mL加え、イミノジ酢酸ジエチル(IDE)を266.6g、ヨウ化カリウム18.6g、炭酸ナトリウム68.2gを加え、75℃で10時間反応させてアミノ化スチレン系架橋共重合体を得た。
得られた共重合体を水で洗浄して、残留する原料を除去した。
<加水分解反応>
上記で得たアミノ化スチレン系架橋共重合体(全量)を含むフラスコに、48重量%水酸化ナトリウム水溶液を31mL加え、60℃で6時間加水分解反応を行った。反応終了後、水洗と2N−塩酸100mLによる洗浄を行い、次いで2N−水酸化ナトリウム水溶液100mLを用いて再生を行い、イミノジ酢酸型キレート樹脂を得た。
得られた樹脂を再度水洗した上、回転式遠心濾過器を用いて3700rpm×7分間、水
切りを行った。
<評価>
上記で得られたイミノジ酢酸型キレート樹脂の収量及びCu吸着容量を前記の方法で評価したところ、収量は981.0g(含水物)、Cu吸着容量は0.65mmol/mLであった。
[比較例1、2]
触媒としてヨウ化カリウムに代えてジメチルアニリンを用いたこと(比較例1)及び、触媒を用いなかったこと(比較例2)以外は、上記と同様にアミノ化反応・加水分解反応を行い、イミノジ酢酸型キレート樹脂を作成した。
これらの樹脂について上記と同様にして評価を行ったところ、比較例1の樹脂については、収量:18.7g、Cu吸着容量:0.44mmol/mLであり、比較例2の樹脂では、それぞれ、11.0g、0.06mmo;/mLであった。
上記結果から、本発明方法で得られたイミノジ酢酸型キレート樹脂は、比較例の樹脂に比べて、収量、Cu交換容量とも優れていることが判る。
本発明により、温和な条件でクロロメチル化スチレン系架橋共重合体にイミノジ酢酸基を効率的に導入可能なイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法が提供される。

Claims (11)

  1. クロロメチル化スチレン系架橋共重合体とイミノジ酢酸エステルとをアミノ化反応させて得られたアミノ化スチレン系架橋共重合体を加水分解することによるイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法において、該イミノジ酢酸エステルとして下記式(1)で表される化合物を用い、該アミノ化反応の触媒としてヨウ化ナトリウム及び/又はヨウ化カリウムを用いることを特徴とするイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
    Figure 0006327003
    (式(1)中、R 及びR は互いに異なっていてもよい炭素数2〜4のアルキル基である。)
  2. 及びR が、エチル基である、請求項1に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
  3. 該アミノ化反応の溶媒として炭素数2〜4の脂肪族アルコールを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
  4. クロロメチル化スチレン系架橋共重合体とイミノジ酢酸エステルとをアミノ化反応させて得られたアミノ化スチレン系架橋共重合体を加水分解することによるイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法において、該アミノ化反応の溶媒として炭素数2〜4の脂肪族アルコールを用い、該アミノ化反応の触媒としてヨウ化ナトリウム及び/又はヨウ化カリウムを用いることを特徴とするイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
  5. 該アミノ化反応の溶媒が、エタノール、イソプロパノールである、請求項3又は4に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
  6. 該アミノ化反応の溶媒が、エタノールである、請求項3又は4に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
  7. 前記触媒の使用量がクロロメチル化スチレン系架橋共重合体100重量部(乾燥樹脂ベース、以下同じ)あたり0.1〜30重量部であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
  8. 前記イミノジ酢酸エステルの使用量が前記クロロメチル化スチレン系架橋共重合体100重量部あたり40〜200重量部であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
  9. 前記イミノジ酢酸エステルの使用量が前記クロロメチル化スチレン系架橋共重合体100重量部あたり60〜180重量部であることを特徴とする、請求項に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
  10. 前記アミノ化反応の反応温度が40〜120℃、反応時間が0.5〜15時間であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
  11. 前記加水分解反応を、酸又はアルカリを用いて行い、かつ酸を用いる場合は、塩酸、硫酸、及び硝酸からなる群から少なくとも1種以上を用い、アルカリを用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種以上を用いることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のイミノジ酢酸型キレート樹脂の製造方法。
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