JP6326851B2 - シート成形口金およびシート成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シート成形口金およびシート成形方法に関する。
一般的なシート成形口金としては、押出機などで溶融されたシート材料(典型的には溶融樹脂など)を、供給管を経てシート成形口金に供給し、マニホールドでシート幅方向(以下、幅方向と称する)に拡幅し、縮小部でシート厚み方向(以下、厚み方向と称する)に縮小し、スリットで流動方向へと導いて吐出し、シートを成形する方法が知られている。そして、吐出されたシートは固化され、そのまま、あるいは、延伸等の後処理が施され、フィルムとなる。
フィルムの高機能化によって、近年、その原料に様々な物性のシート材料が使用されている。これらのシート材料には、溶融状態でも、流体としての粘性の性質だけではなく、固体としての弾性の性質も併せ持つ粘弾性を有するものもある。この粘弾性によって、製膜工程上問題となる不良現象が発生することがある。その不良現象の一つに、バラス効果がある。この現象は、スリットから吐出されたシート材料がスリット間隙よりも厚くなり、製膜が不安定になるというものである。この現象は、粘性のシート材料でも生じるが、スウェル比(スリット間隙に対するシートの厚み)は1.13程度と小さく、製膜工程上問題となることは少ない。しかし、粘弾性のシート材料の場合は、スウェル比が2倍以上になることもあり、バラス効果が幅方向にばらつくことで厚みムラを引き起こすなどの製膜工程上問題となることが多い。
この現象は、口金内を流れる際にシート材料に蓄積される厚み方向の応力が吐出後に解放され、シート厚みが厚くなる。まず、マニホールドでシート材料が幅方向に拡幅される際、厚み方向には圧縮されて応力(以下、拡幅応力と称する)が蓄積される。その後、縮小部で厚み方向に縮小されて応力(以下、縮小応力と称する)が蓄積される。この拡幅応力と縮小応力(以下、総応力と称する)によって、バラス効果が発現する。ここで、本発明者らの検討によると、拡幅応力はシート材料がマニホールドを流れている間に緩和するため、幅方向端部ほど小さくなる。つまり、総応力が幅方向端部ほど小さくなるため、バラス効果も小さくなり、結果として幅方向のシート厚みムラが生じる。
ところで、本発明の好ましい形態と一見すると似ているように見える技術として、特許文献1に開示されている塗工装置がある。
特許文献1には、塗工液がマニホールド内を流れる際、塗工液中の粒子が沈殿・凝縮するのを防ぐ目的で、マニホールドの径が幅方向端部ほど小さい塗工装置が開示されている。図11は特許文献1の塗工装置の厚み方向に対して垂直な断面図である。図11に示すように、塗工液を供給する液入口11と、液入口11と連通して塗工液を幅方向に拡幅するマニホールド12と、マニホールド12と連通して塗工液を流動方向へと導いて吐出するスリット14からなる。塗工液に粒子が含まれる場合、マニホールド12の径が幅方向で同じだと、塗工液がマニホールド12を流れる際に、幅方向端部付近では塗工液の流動による剪断力が小さくなり粒子が沈殿・凝集する。図12は特許文献1の塗工装置の幅方向に対して垂直な断面図で、(A)は液入口11、(B)は幅方向端部での断面である。そこで、図12に示すように、マニホールド12の水力相当径を幅方向端部ほど小さくすることによって、幅方向端部付近でも塗工液の流動による剪断力を大きくすることができ、粒子が沈殿・凝集を防げるというものである。
しかし、本発明者らの知見によると、特許文献1のような技術では、粒子の沈殿・凝集は防げても、バラス効果を均一化し、製膜安定性を向上できない。
特許第4852808号公報
本発明の目的は、バラス効果を幅方向に均一にし、高品質なシートを安定して製造することが可能なシート成形口金を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のシート成形口金は、
シート材料を供給する供給口と、前記シート材料を幅方向に拡幅するマニホールドと、前記マニホールドと連通して前記シート材料を厚み方向に縮小する縮小部と、前記縮小部と連通して前記シート材料を流動方向へと導いて吐出するスリットとを有するシート成形口金であって、
前記縮小部を、前記供給口の幅方向中心位置から縮小部の幅方向端部まで幅方向に5等分し、これら供給口の幅方向中心の位置、縮小部を幅方向に5等分する位置および縮小部の幅方向端部の位置での縮小角を、供給口から縮小部の幅方向端部に向かってRn(n=1,2,3,4,5、6)としたとき、各Rnが式(1)および式(2)の関係を満足する。
式(1): R1≦R2≦R3≦R4≦R5≦R6
式(2): R1<R6。
また、本発明のシート成形方法は、
本発明のシート成形口金を用い、前記供給口にシート材料を供給し、次いで前記マニホールドで前記シート材料を幅方向に拡幅し、次いで前記縮小部で前記シート材料を厚み方向へ縮小し、次いで前記スリットで前記シート材料を流動方向へ導いて吐出する。
次に、本発明における各用語の意味を説明する。
「シート材料」とは、シートを構成する材料をいう。シート材料としては、たとえば、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレン・ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、脂環族ポリオレフィン樹脂、ナイロン6・ナイロン66などのポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレート・ポリプロピレンテレフタレート・ポリブチルサクシネート・ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、4フッ化エチレン樹脂・3フッ化エチレン樹脂・3フッ化塩化エチレン樹脂・4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体・フッ化ビニリデン樹脂などのフッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリ乳酸樹脂、などを溶媒に溶かすか溶融するなどして流動化したものを用いることができる。またこれらの熱可塑性樹脂としてはホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。また、各熱可塑性樹脂中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤などが添加されていてもよい。
「供給口」とは、シート成形口金にシート材料を供給する部分をいう。
「マニホールド」とは、供給口と連通して、シート材料を幅方向に拡幅する部分をいう。
「縮小部」とは、マニホールドと連通して、シート材料を厚み方向に縮小する部分をいう。ここで、縮小部は縮小部の厚み方向寸法を流動方向で微分した値が−0.1より小さい範囲をいう。
「スリット」とは、縮小部と連通して、シート材料を流動方向へと導いて吐出する部分をいう。
「幅方向」とは、シート材料が口金から吐出されてシートに成形されたときに、シートの幅方向と一致する方向をいう。
「厚み方向」とは、シート材料が口金から吐出されてシートに成形されたときに、シートの厚み方向と一致する方向をいう。
「流動方向」とは、スリット内でのシート材料の主な流れ方向をいう。
「幅方向端部」とは、幅方向において最も端の部分をいう。
「縮小角」とは、縮小部での厚み方向変化量、つまりマニホールドとの連通部とスリットとの連通部での縮小部の厚み方向寸法の差を縮小部の流動方向寸法で除した値をいう。
「Rn」とは、縮小部を、供給口の幅方向中心の位置から縮小部の幅方向端部まで幅方向に5等分し、これら供給口の幅方向中心の位置、縮小部を幅方向に5等分する位置および縮小部の幅方向端部の位置での縮小角をいう。ここで、供給口側がn=1、縮小部の幅方向端部へ向かってn=2、3、4、5、縮小部の幅方向端部がn=6である。
「最長緩和時間」とは、JIS K7117−2の方法でせん断速度(1/s)とせん断粘度(Pa・s)の関係をもとめ、ニュートン領域と非ニュートン領域の変曲点でのせん断速度の逆数である。ここで、変曲点とは、せん断粘度の常用対数をせん断速度の常用対数で微分した値が−0.05以下になる点である。
本発明のシート成形口金では、縮小部の形状を幅方向に変化させることで、発生する応力をコントロールし、複雑な制御装置を必要とせず、バラス効果を幅方向に均一にし、高品質なシートを安定して製造することができる。
本実施形態のシート成形口金の概略斜視図である 本実施形態のシート成形口金のシート材料等が通り得る内部空間のみを表示したものの斜視図 本実施形態のシート成形口金の厚み方向に対して垂直な断面図 本実施形態のシート成形口金のn=1、6における幅方向に対して垂直な断面図 従来と本実施形態のシート成形口金における縮小部での各nに対する縮小角Rnを表すグラフ シート成形口金のn=1,6における幅方向に対して垂直な断面図 本実施形態のシート成形口金における縮小部での各nに対する縮小角Rnを表すグラフ 本実施形態のシート成形口金の幅方向に対して垂直な断面図 本実施形態のシート成形口金の厚み方向に対して垂直な断面図 各実施例および比較例におけるRn/R1の値をプロットした図9のグラフ 特許文献1のシート成形口金の厚み方向に対して垂直な断面図 特許文献1のシート成形口金の幅方向に対して垂直な断面図
以下に本発明について詳細に述べるが、本発明は以下の実施例を含む実施形態に限定されるものではない。
図1〜10は本発明のシート成形口金に関する図である。なお、従来の技術と同じ用途および機能を有している部材については、同じ符号を有している場合がある。
本発明では、押出機などで溶融されたシート材料(典型的には溶融樹脂など)を、供給管を経てシート成形口金に供給し、マニホールドでシート幅方向(以下、幅方向と称する)に拡幅し、縮小部でシート厚み方向(以下、厚み方向と称する)に縮小し、スリットで流動方向へと導いて吐出し、シートを成形する。
次に、本発明のシート成形口金の基本構成を説明する。図1は、本発明のシート成形口金の概略斜視図である。シート成形口金は、図1に示すように、シート材料を供給する供給管1、供給管1により供給されたシート材料の幅と厚みを所定の値に調整し、調整されたシート材料を吐出し、シート3を成形するシート成形口金2、およびシート成形口金2から吐出されたシート3を冷却し固化させるキャスティングドラム4からなる。キャスティングドラム4で固化したシートは、通常、矢印NSで示すように、延伸工程(示せず)に送られ、一方向あるいは二方向に延伸され、フィルムとなる。
本発明のシート成形口金の内部構成を説明する。図2は、シート成形口金のシート材料等が通り得る内部空間のみを表示したものの斜視図である。シート成形口金2は、図2に示すように、シート材料を供給する供給管1に連通する供給口11、供給口11に連通してシート材料を幅方向に拡幅するマニホールド12、マニホールド12に連通してシート材料を厚み方向に縮小する縮小部13、縮小部13に連通してシート材料を流動方向へと導いて吐出するスリット14からなる。
シート成形口金の縮小部を説明する。図3は、シート成形口金の厚み方向に対して垂直な断面図である。点線は縮小部13を、供給口11の幅方向中心の位置から縮小部の幅方向端部まで幅方向に5等分し、これら供給口の幅方向中心の位置、縮小部を幅方向に5等分する位置および縮小部の幅方向端部の位置を通る直線で、供給口11から縮小部の幅方向端部へ向かってn=1,2,3,4,5,6である。図4は、図3のシート成形口金のn=1,6における幅方向に対して垂直な断面図である。ここで、L1、L6はそれぞれn=1、6における縮小部13の流動方向寸法、β1、β6はそれぞれn=1、6における縮小部13の厚み方向変化量つまりマニホールドとの連通部とスリットとの連通部での縮小部の厚み方向寸法の差である。なお、β1、β6は、それぞれスリット14を挟んだ両側の厚み方向変化量の合計値である。つまり、図4で説明すると、β1=β1’+β1’’、β6=β6’+β6’’である。n=1、6における縮小部13の縮小角はR1=β1/L1、R6=β6/L6である。
図5は、従来のシート成形口金と本発明のシート成形口金における縮小部での各nに対する縮小角Rnを表すグラフである。図5において、縦軸はRn/R1(n=1,2,3,4,5、6)、横軸はnを表し、破線は従来技術、実線は本発明を表す。図5に示すように、n=1〜6において、従来のシート成形口金はRnが一定であるのに対し、本発明のシート成形口金はRnが幅方向端部ほど大きく、つまり式(1)および式(2)を満足する。
式(1): R1≦R2≦R3≦R4≦R5≦R6
式(2): R1<R6。
そこで、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、図5に示すように、Rnが式(1)および式(2)を満足することにより、発生する伸長速度、応力をコントロールし、バラス効果を均一にし、高品質なシートを安定して得られることを見出した。
ここで、本発明の技術的意味を以下に説明する。まず、シート成形口金内でのシート材料の状態を説明する。図6は、シート成形口金のn=1,6における幅方向に対して垂直な断面図である。図6に示すように、n=1では、供給口11から供給されたシート材料はマニホールド12で幅方向に拡幅される際、厚み方向には圧縮されて応力(以下、拡幅応力と称する)が蓄積される。その後、縮小部13で厚み方向に縮小されて応力(以下、縮小応力と称する)がさらに蓄積され、スリット14から吐出された際に、これらの蓄積された応力(以下、総応力と称する)が解放され、シートが厚み方向に厚くなるバラス効果が発現する。ここで、縮小応力は縮小部の縮小角が大きいほど大きく、バラス効果は総応力が大きいほど大きくなる。n=6では、シート材料がマニホールド12を幅方向に流れている間に拡幅応力は緩和する。従来技術では、縮小部13での縮小角度がn=1と同じ(R6=R1)ため、縮小応力が同等となり、総応力は小さくなる。ゆえに、n=1よりもバラス効果が小さく、シート厚みも薄くなり、シート厚みが不均一になる。
これに対し、本発明では、縮小部13での縮小角度をn=1よりも大きく(R6>R1)することで、縮小応力を増やし、総応力を同等にすることができる。ゆえに、n=1とバラス効果、シート厚みが同等になり、シート厚みが均一になる。このように、本発明のシート成形口金では、発生する応力をコントロールして、バラス効果を幅方向に均一にし、高品質なシートを安定して得られる。
本発明のシート成形口金は、さらに式(3)の関係を満足する範囲が好ましい。このような範囲とすることにより、口金から吐出されたシート厚みをより均一にすることができる。
式(3): Rn/R1≦1.0+0.55(n−1)
つまり、各Rn/R1が次の関係を満たす。R2/R1≦1.55、R3/R1≦2.1、R4/R1≦2.65、R5/R1≦3.2、R6/R1≦3.75。
ここで、グラフを用いて上記範囲を説明する。図7は、本発明のシート成形口金における縮小部での各nに対する縮小角Rnを表すグラフである。図7において、縦軸はRn/R1(n=1,2,3,4,5、6)、横軸はnを表し、破線はそれぞれ、式(4)、式(5)を表す。この図7の色のついた部分が、式(1)、式(2)および式(3)の範囲を表す。
式(4): Rn/R1=1.0+0.55(n−1)
式(5): Rn/R1=1。
次に、上記範囲に含まれるよう構成できる例を説明する。
図8は、本発明のシート成形口金の幅方向に対して垂直な断面図である。この縮小部13は流動方向に対して曲線的に縮小している。
図9は、本発明のシート成形口金の厚み方向に対して垂直な断面図である。この縮小部13の縮小角は幅方向に変化しているが、スリット14の流動方向寸法は変化しない。
このように、本発明のシート成形口金は、縮小部13の縮小角が重要技術であるため、スリット14の寸法や、マニホールド12や縮小部13の幅方向に対して垂直な断面の断面積が幅方向に対して変化する形態、または変化しない形態のどちらもとることができる。
本発明のシート成形口金は、縮小部13の縮小角が幅方向に対して不連続に変化する形態をとることもできる。
本発明のシート成形口金は、縮小部の流動方向長さがスリットの厚み方向長さの5倍以上100倍以下が好ましい。スリットの厚み方向長さの5倍未満の場合でも本発明の効果が得られるが、スリットの厚み方向長さの5倍以上にすることで急激な縮流によって生じる渦が減少し、本発明の効果が顕著となる。また、スリットの厚み方向長さの100倍より大きい場合でも本発明の効果が得られるが、スリットの厚み方向長さの100倍以下にすることで蓄積される応力が大きくなり、本発明の効果が顕著となる。縮小部の流動方向寸法はスリットの厚み方向長さの10倍以上であることがより好ましい。また、縮小部の流動方向寸法はスリットの厚み方向長さの50倍以下であることがより好ましい。
本発明のシート成形口金で成形するシート材料は、最長緩和時間を0.01s以上にすることが好ましい。最長緩和時間が0.01s未満の場合でも本発明の効果が得られるが、最長緩和時間を0.01s以上にすることで蓄積される応力が大きくなり、本発明の効果が顕著となる。より好ましくは、最長緩和時間が0.1s以上である。
本発明のシート成形口金は、シート材料の最長緩和時間が0.1以上の場合、R6/R1を1.2以上にすることが好ましい。R6/R1が1.2未満の場合でも本発明の効果が得られるが、最長緩和時間が0.1以上では、幅方向のバラス効果のばらつきが大きくなるため、R6/R1を1.2以上にすることで、本発明の効果が顕著となる。
本発明のシート成形口金で成形するシート材料は、総流量が50kg/h以上にすることが好ましい。総流量が50kg/h未満でも本発明の効果が得られるが、総流量が50kg/h以上にすることで蓄積される応力が大きくなり、本発明の効果が顕著となる。より好ましくは、総流量が100kg/h以上である。
[実施例1]
図4に示すシート成形口金を用いて、実際にフィルムを製造しバラス効果を評価した結果を説明する。本実施形態における具体的なフィルムの製造方法は以下の通りである。
(1)シート材料:ポリプロピレン(PP)、温度190℃条件での最長緩和時間60s。
(2)仕込み:シート材料を乾燥後、押出機に供給。押出機は190℃に設定し、ギヤポンプ、フィルターを介した後、シート成形口金に供給した。
(3)シート成形口金:スリット幅300mm、縮小部の縮小角は表1に示した通りに設定し、上記樹脂を流量100kg/hで吐出させた。
(4)吐出:シート成形口金からシート状に押出した後、冷水で急冷固化し、成形した。
(5)厚みムラの評価:冷却固化したシートにおいて、シートの幅方向にほぼ等分に10区分する点におけるシート厚みを電子マイクロメータ「PK−1012CPX」(ミツトヨ製)で測定し、その最大値と最小値の差を平均値で除した値を厚みムラとした。結果を表1に示す。この縮小部は式(1)および式(2)を満足する。
[実施例2]
縮小角の各寸法を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを製造した。結果を表1に示す。この縮小部は式(1)および式(2)を満足する。
[実施例3]
縮小角の各寸法を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを製造した。結果を表1に示す。この縮小部は式(1)式(2)および式(3)を満足する。
[実施例4]
縮小角の各寸法を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを製造した。結果を表1に示す。この縮小部は式(1)、式(2)および式(3)を満足する。
[比較例1]
縮小角の各寸法を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを製造した。この縮小部は式(2)を満たしていない。
[比較例2]
縮小角の各寸法を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを製造した。この縮小部は式(1)および式(2)を満たしていない。
Figure 0006326851
図10は、各実施例および比較例におけるRn/R1の値をプロットした図7のグラフである。図10において、△は実施例1、2、○は実施例3,4、□は比較例1、2を示す。また、色のついた部分は、式(1)、式(2)および式(3)の範囲を表す。これらの実施例の結果、表1から、比較例1、2は、厚みムラが0.05以上と大きく、バラス効果による厚みムラが発生している。それに対し、実施例1、2、3、4は、厚みムラが0.03以下と小さく、バラス効果を幅方向に均一化し、高品質なシートを安定して得られる。その上、実施例3、4、つまり式(3)の条件を満足する場合は、厚みムラが0.01以下と小さく、よりバラス効果を均一化し、高品質なシートを安定して得られる。なお、実施例1,2は参考例である。




本発明により製造されるシートは、縮小部の形状を幅方向に変化させることで、発生する応力をコントロールしたものである。本発明によれば、複雑な制御装置を必要とせず、バラス効果を幅方向に均一にし、高品質なシートを安定して製造することができる。
1:シート材料を供給する供給管
2:シート成形口金
3:シート
4:キャスティングドラム
11:供給口(液入口)
12:マニホールド
13:縮小部
14:スリット

Claims (4)

  1. シート材料を供給する供給口と、
    前記シート材料を幅方向に拡幅するマニホールドと、
    前記マニホールドと連通して前記シート材料を厚み方向に縮小する縮小部と、
    前記縮小部と連通して前記シート材料を流動方向へと導いて吐出するスリットと、を有するシート成形口金であって、
    前記縮小部を、前記供給口の幅方向中心の位置から縮小部の幅方向端部まで幅方向に5等分し、これら供給口の幅方向中心の位置、縮小部を幅方向に5等分する位置および縮小部の幅方向端部の位置での縮小角を、供給口から縮小部の幅方向端部に向かってRn(n=1,2,3,4,5,6)としたとき、各Rnが式(1)〜式(3)を満たすシート成形口金。
    式(1): R1≦R2≦R3≦R4≦R5≦R6
    式(2): R1<R6
    式(3): Rn/R1≦1.0+0.55(n−1)
  2. 前記縮小部の流動方向長さが前記スリットの厚み方向長さの5倍以上100倍以下である請求項のシート成形口金。
  3. 請求項1または2のシート成形口金を用い、
    前記供給口にシート材料を供給し、
    次いで、前記マニホールドで前記シート材料を幅方向に拡幅し、
    次いで、前記縮小部で前記シート材料を厚み方向へ縮小し、
    次いで、前記スリットで前記シート材料を流動方向へ導いて吐出する、シート成形方法。
  4. 前記シート材料の最長緩和時間が0.01s以上である請求項のシート成形方法。
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