JP6326734B2 - 石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法 - Google Patents

石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6326734B2
JP6326734B2 JP2013168507A JP2013168507A JP6326734B2 JP 6326734 B2 JP6326734 B2 JP 6326734B2 JP 2013168507 A JP2013168507 A JP 2013168507A JP 2013168507 A JP2013168507 A JP 2013168507A JP 6326734 B2 JP6326734 B2 JP 6326734B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
petroleum resin
phenol
fraction
catalyst
boron trifluoride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013168507A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015036407A (ja
Inventor
服部 晃幸
晃幸 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2013168507A priority Critical patent/JP6326734B2/ja
Publication of JP2015036407A publication Critical patent/JP2015036407A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6326734B2 publication Critical patent/JP6326734B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、新規な石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、色相および原料油のモノマー重合転化率に優れ、ゲル分の少ない石油樹脂、特にジシクロペンタジエン類を多く含有する原料油を用いることをも可能とする新規な石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法に関するものである。
石油類の分解、精製の際に得られる不飽和炭化水素含有留分を原料油として、フリーデルクラフツ型触媒の存在下に重合を行い、石油樹脂を製造する方法は良く知られている。そして、その際の不飽和炭化水素含有留分としては、沸点範囲が20〜110℃の不飽和炭化水素留分(脂肪族系炭化水素留分、C5留分ということもある。)と、沸点範囲が140〜280℃の不飽和炭化水素留分(芳香族系炭化水素留分、C9留分ということもある。)の2種類が一般的であり、該C5留分から得られる脂肪族石油樹脂、該C9留分から得られる芳香族石油樹脂、並びに該C5留分と該C9留分とを共重合して得られる脂肪族/芳香族共重合石油樹脂等が知られている。また、ジシクロペンタジエン類を熱重合することで得られる脂環族石油樹脂も知られている。
該脂環族石油樹脂の原料となるジシクロペンタジエン類としては、具体的にはジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン等が知られている。そして、該ジシクロペンタジエン類をフリーデルクラフツ型触媒の存在下で重合した場合、モノマー重合転化率が上がらない、不飽和結合が樹脂中に多量に存在することから樹脂の色相悪化やゲル生成により品質が低下するという課題が発生する。そのため、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂、脂肪族/芳香族共重合石油樹脂等を製造する際は、ジシクロペンタジエン類を蒸留等により除去した留分により製造することが一般的である。
石油樹脂は、一般的にゴム加工助剤、塗料、接着剤、インキ、アスファルト等の用途で使用され、これらの用途で併用されるゴム、ロジン系樹脂等の配合物と相溶する必要があるため、ゲル分が少ないことが望まれる。
そして、石油樹脂を製造する際の重合活性や樹脂物性を改良する試みとして、三フッ化ホウ素を主触媒とし、共触媒の存在下で炭化水素樹脂を製造する方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。また、色相を改良するため、C9留分とC5留分をフリーデルクラフト型触媒の存在下、低温で重合する石油樹脂の製造方法が提案されている(例えば特許文献2参照。)。
また、未利用留分の利用という観点から、ジシクロペンタジエン類を原料としてフリーデルクラフツ型触媒の存在下で重合反応を行い、石油樹脂を製造する方法も検討され、ジシクロペンタジエンを5%以上含有するC9留分を三フッ化ホウ素、又は三フッ化ホウ素錯体の存在下に、低温で重合する方法(例えば特許文献3参照。)、C9留分とジシクロペンタジエンとを、フリーデルクラフツ型触媒の存在下に重合する方法(例えば特許文献4〜6参照。)、C5留分とジシクロペンタジエンとを、フリーデルクラフツ型触媒の存在下に重合する方法(例えば特許文献7参照。)、等が提案されている。
石油樹脂の貯蔵時のゲル化を防止する為、石油樹脂にアミン系安定剤を添加する方法が提案されている(例えば特許文献6、7参照。)。
特開昭56−106912号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開昭61−197616号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開昭62−064811号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開平07−033951号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開平08−034824号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2011−127006号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2010−006901号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
しかしながら、特許文献1に提案された方法においては、単独の共触媒の効果については述べられているが、複数の共触媒を使用する効果については何ら検討がなされておらず、重合時のゲル化防止、モノマー重合転化率向上、色相改良のすべてを同時に満たす石油樹脂、その製造については何ら検討のなされていないものであった。特許文献2,3に提案された方法においては、低温で重合を行うためモノマー重合転化率が低下する、冷凍設備を必要とする、等の生産性、コスト面に課題を有する。また、特許文献4、5に提案された方法においては、重合触媒について詳細に述べられておらず、重合時のゲル化防止、モノマー重合転化率向上、色相改良のすべてを同時に満たすことができない。また、特許文献6、7に提案された方法においては、貯蔵時のゲル化を防止するためのものであり、重合時のゲル化については何ら検討がなされていない。重合触媒についても詳細に述べられておらず、重合時のゲル化防止、モノマー重合転化率向上、色相改良のすべてを同時に満たすことができない。
そこで、本発明は、色相およびモノマー重合転化率に優れ、ゲル分の少ない石油樹脂を製造するための石油樹脂製造用触媒、それを用いた石油樹脂、特にジシクロペンタジエン類の多い原料油を使用した石油樹脂の製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フッ化ホウ素アルコール錯体に特定の範囲のフェノールを加えた触媒組成物が、色相およびモノマー重合転化率に優れ、ゲル分の少ない石油樹脂を製造する石油樹脂製造用触媒として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、三フッ化ホウ素ブタノール錯体およびフェノールからなる石油樹脂製造用触媒であって、三フッ化ホウ素ブタノール錯体とフェノールの組成物であり、該石油樹脂製造用触媒は三フッ化ホウ素に対するフェノールとブタノールの合計(モル比)が2.8〜14.0であり、その際のフェノール/ブタノール(モル比)が0.3〜5.5の範囲内であることを特徴とする石油樹脂製造用触媒、およびそれを用いた石油樹脂の製造方法に関するものである。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の石油樹脂製造用触媒は、三フッ化ホウ素アルコール錯体およびフェノールからなる新規な石油樹脂製造用触媒である。
本発明の石油樹脂製造用触媒は、三フッ化ホウ素アルコール錯体に特定の範囲でフェノールを加えた触媒組成物とすることにより、原料油のモノマー重合転化率に優れ、得られる石油樹脂は、色調に優れ、ゲル分の少ない石油樹脂を提供する触媒となるものであり、特にジシクロペンタジエン類を多く含有する原料油を用いることをも可能となる石油樹脂製造用触媒となるものである。ここで、三フッ化ホウ素アルコール錯体にフェノールを加えない錯体、例えば三フッ化ホウ素アルコール錯体の単一錯体を触媒として用いた場合、原料油のモノマー重合転化率に劣り、得られる石油樹脂は、色調に劣り、ゲル分の多い石油樹脂となる。そして、その傾向は、ジシクロペンタジエン類を多く含有する原料油を用いる場合にはより顕著なものとなる。
本発明の石油樹脂製造用触媒の、三フッ化ホウ素アルコール錯体に対するフェノールの添加量は、三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計(モル比)が2.5〜14.0、好ましくは2.8〜10.0であり、その際のフェノール/アルコール(モル比)が0.2〜5.5、好ましくは0.3〜3.7の範囲内である。ここで、三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計(モル比)が2.5〜14.0であり、その際のフェノール/アルコール(モル比)が0.2〜5.5の範囲以外では、モノマー重合転化率の低い触媒となり、得られる石油樹脂は、色相に劣ったり、ゲル分の多いものとなる。
本発明の石油樹脂製造触媒を構成する三フッ化ホウ素アルコール錯体としては、三フッ化ホウ素メタノール錯体、三フッ化ホウ素エタノール錯体、三フッ化ホウ素ブタノール錯体などが挙げられる。三フッ化ホウ素アルコール錯体の濃度は、三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計(モル比)およびフェノール/アルコール(モル比)が上記の範囲内であれば特に限定されない。
そして、本発明の石油樹脂製造触媒を構成するフェノールの量は、最終的な三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計(モル比)およびフェノール/アルコール(モル比)が上記の範囲内であれば特に限定されない。
本発明の石油樹脂製造用触媒の調製方法としては、三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計(モル比)が2.5〜14.0であり、その際のフェノール/アルコール(モル比)が0.2〜5.5であれば如何なる方法を用いることも可能であり、例えば三フッ化ホウ素アルコール錯体とフェノールとを予め混合する方法;石油樹脂の原料油に、三フッ化ホウ素アルコール錯体とフェノールとを別々に混合する方法;等が例示される。石油樹脂の原料油中で触媒を調製する場合、これらの触媒原料を原料油に分割して添加してもよい。
本発明の石油樹脂製造用触媒は、例えば石油類の熱分解及び/又は精製により得られる不飽和炭化水素含有留分である原料油の重合反応に用いることにより、分子量、軟化点、色相に優れ、ゲルの生成量の少ない石油樹脂を生産効率よく製造することができる。
その際の原料油としては、例えば石油類の熱分解および精製により得られる、沸点範囲20〜110℃のC5留分、沸点範囲140〜280℃のC9留分、ジシクロペンタジエン留分、等を挙げることができる。
該C5留分としては、一般的に石油類の熱分解および精製により得られる沸点範囲20〜110℃の留分として知られているものであれば如何なるものを用いることも可能であり、例えばイソプレン、トランス−1,3−ペンタジエン、シス−1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン等に代表される炭素数4〜6の共役ジオレフィン性不飽和炭化水素類;ブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、シクロペンテン等に代表される炭素数4〜6のモノオレフィン性不飽和炭化水素類;シクロペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族系飽和炭化水素;これらの混合物、等が挙げられる。
該C9留分としては、一般的に石油類の熱分解および精製により得られる沸点範囲140〜280℃の留分として知られているものであれば如何なるものを用いることも可能であり、例えばスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、インデンのアルキル誘導体等に代表される炭素数8〜10のビニル芳香族炭化水素類;炭素数10以上のオレフィン類;炭素数9以上の飽和芳香族類;ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン等のジシクロペンタジエン類;これらの混合物、等が挙げられる。
該ジシクロペンタジエン留分は、一般的に石油類の熱分解および精製により得られるものであれば如何なるものを用いることも可能であり、該C9留分を更に精製したもの、該C5留分中のシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンを二量化し精製したもの、等が挙げられる。
本発明の石油樹脂製造用触媒を用いて得られる石油樹脂は、特に色相に優れ、ゲル生成が少ないものとなることから、原料油としてはジシクロペンタジエン類を10重量%以上含むものであることが好ましい。その際のジシクロペンタジエン類としては、一般的に石油類の熱分解および精製により得られるジシクロペンタジエン類として知られているものであれば如何なるものでもよく、例えばジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、これらの混合物等が挙げられる。
該原料油として、該C5留分を主成分として用いた場合、得られる石油樹脂は脂肪族系石油樹脂と称されるものとなる。また、該C9留分を主成分として用いた場合、得られる石油樹脂は芳香族系石油樹脂と称されるものとなる。該C5留分と該C9留分の混合物(その際の混合割合は任意である。)を用いた場合、得られる石油樹脂は脂肪族/芳香族系石油樹脂と称されるものとなる。さらに、ジシクロペンタジエン類を用いた場合、得られる石油樹脂は脂環族石油樹脂と称されるものとなる。
そして、石油樹脂の製造する際の製造条件としては、本発明の石油樹脂製造用触媒の存在下で重合を行うこと以外の如何なる制限を受けることはなく、例えば原料油に本発明の石油樹脂製造用触媒を加え加熱し重合することにより石油樹脂を製造することができる。
その際の重合温度としては、任意であり、特に色相に優れる石油樹脂を生産効率よく製造できることから、0〜100℃が好ましく、特に0〜80℃であることが好ましい。ここで、色相の優れる石油樹脂を製造する際には、一般的には重合温度を0℃未満とする低温重合法がとられているが、低温重合法は、モノマー重合転化率が低く生産効率に劣るという課題を有する。本発明の石油樹脂製造用触媒を用いることにより、0℃以上の条件下であっても、色相に優れる石油樹脂を生産効率よく製造することが可能となる。また、該石油樹脂製造用触媒の添加量としては、任意であり、その中でも特に生産効率に優れた製造方法となることから、該原料油100重量部に対して0.1〜2重量部であることが好ましい。さらに、重合時間としては、0.1〜10時間の範囲が好ましい。反応圧力は大気圧〜1MPaが好ましい。
石油樹脂の重合反応の後には、石油樹脂製造用触媒の除去を行うことも可能であり、その際は、塩基による中和処理、水洗、溶媒による留去等の常法を選択することも可能である。
そして、得られる石油樹脂は、色相およびモノマー重合転化率に優れ、ゲル分の少ないことを特徴とするものであり、特に色相10以下、全モノマーの平均重合転化率が70重量%以上であることが好ましい。また、軟化点60〜160℃、特に70〜150℃を有するものであることが好ましい。特に加工性に優れるものとなることから重量平均分子量(Mw)500〜5000である石油樹脂が好ましい。
色相および原料油のモノマー重合転化率に優れ、ゲル分の少ない石油樹脂、特にジシクロペンタジエン類を多く含有する原料油を用いることをも可能とする新規な石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法を提供するものである。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限を受けるものではない。尚、実施例、比較例において用いた原料油、得られた石油樹脂の分析方法は下記の通りである。
<原料油>
ナフサの分解・精製により得られた沸点範囲140〜280℃のC9((A)、(B))留分(表1)、ジシクロペンタジエン留分(表2)、沸点範囲20〜110℃のC5留分(表3)のそれぞれの組成を表1〜3に示す。なお、表1〜3中のDCPDはジシクロペンタジエン、CPDはシクロペンタジエンの略記である。
Figure 0006326734
Figure 0006326734
Figure 0006326734
<石油樹脂製造用触媒成分>
三フッ化ホウ素メタノール錯体:三フッ化ホウ素50重量%(ALDRICH(株)製)。
三フッ化ホウ素ブタノール錯体:三フッ化ホウ素30重量%(ステラケミファ(株)製)。
フェノール:(和光純薬(株)製、試薬特級)
〜分析方法〜
<各原料油中の成分分析>
JIS K−0114(2000年)に準拠してガスクロマトグラフ法を用いて分析した。
<モノマー重合転化率の測定>
JIS K−0114(2000年)に準拠してガスクロマトグラフ法により重合前後の油中の全モノマー量の測定を行い、モノマー重合転化率を算出した。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
ポリスチレンを標準物質とし、JIS K−0124(1994年)に準拠してゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した。
<軟化点の測定>
JIS K−2531(1960)(環球法)に準拠した方法で測定した。
<色相(ガードナー)の測定>
得られた石油樹脂を50重量%トルエン溶液として、ASTM D−1544−63Tに従って測定した。
実施例1
三フッ化ホウ素ブタノール錯体3.00gおよびフェノール1.30gを混合(三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計(モル比)が3.2、フェノール/アルコール(モル比)が0.5に相当)して、石油樹脂製造用触媒の調製を行った。
内容積2リットルのガラス製オートクレーブに、原料油としてナフサの分解により得たC9(A)留分(表1参照)400gとDCPD留分(表2参照)100gを仕込んだ(C9留分/DCPD留分=80/20(重量%))。次に、窒素雰囲気下で40℃に加熱した後、得られた石油樹脂製造用触媒4.30g(原料油100重量部に対して、0.86重量部に相当。)を加えて40℃で3時間重合した。仕込条件(割合)を表4に示す。
重合反応終了後、苛性ソーダ水溶液を添加して中和した後、ろ過によりゲル分を回収し、乾燥してゲル分の重量を測定した。また、油層の未反応油を蒸留して石油樹脂を回収した。
得られた石油樹脂の物性を表5に示す。モノマー重合転化率は70%であり、得られた石油樹脂はゲルを含まず、色相も7と優れるものであった。
比較例1
三フッ化ホウ素ブタノール錯体3.00gおよびフェノール16.00gを混合(三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計(モル比)が15.0、フェノール/アルコール(モル比)が6.0に相当)とし、触媒の調製を行った。
得られた触媒19.00gを用いた以外は、実施例1と同様の方法により石油樹脂の製造を行った。仕込条件(割合)を表4に示す。
得られた石油樹脂の物性を表5に示す。モノマー重合転化率は60%であり、得られた石油樹脂は色相15と悪いものであった。
実施例2
三フッ化ホウ素ブタノール錯体4.00gおよびフェノール1.50gを混合(三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計モル比が3.0、フェノール/アルコール(モル比)が0.4に相当)とし、石油樹脂製造用触媒の調製を行った。
内容積2リットルのガラス製オートクレーブに、原料油としてナフサの分解により得たC9(B)留分(表1参照)400gとC5留分(表3参照)100gを仕込んだ(C9留分/C5留分=80/20(重量%))。次に、窒素雰囲気下で40℃に加熱した後、得られた石油樹脂製造用触媒5.50g(原料油100重量部に対して、1.10重量部に相当。)を加えて40℃で2時間重合した。仕込条件(割合)を表4に示す。
重合反応終了後、苛性ソーダ水溶液を添加して中和した後、ろ過によりゲル分を回収し、乾燥してゲル分の重量を測定した。また、油層の未反応油を蒸留して石油樹脂を回収した。
得られた石油樹脂の物性を表5に示す。モノマー重合転化率は85%であり、得られた石油樹脂はゲルを含まず、色相も7と優れるものであった。
実施例3
内容積2リットルのガラス製オートクレーブに、原料油としてナフサの分解により得たC9(B)留分(表1参照)300gとC5留分(表3参照)200gを仕込んだ(C9留分/C5留分=60/40(重量%))。それ以外は、実施例2と同様の方法により石油樹脂の製造を行った。仕込条件(割合)を表4に示す。
得られた石油樹脂の物性を表5に示す。モノマー重合転化率は86%であり、得られた石油樹脂はゲルを含まず、色相も6と優れるものであった。
比較例2
三フッ化ホウ素ブタノール錯体4.00gおよびフェノール0.40g(三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計(モル比)が2.4、フェノール/アルコール(モル比)が0.1に相当)を用いた以外は、実施例3と同様の方法により石油樹脂の製造を行った。仕込条件を表4に示す。
得られた石油樹脂の物性を表5に示す。モノマー重合転化率は64%で、得られた石油樹脂はゲルを含まず、色相は11であった。
実施例4
内容積2リットルのガラス製オートクレーブに、原料油としてナフサの分解により得たC9(B)留分(表1参照)300gとC5留分(表3参照)200gを仕込んだ(C9留分/C5留分=60/40(重量%))。次に、窒素雰囲気下で40℃に加熱した後、三フッ化ホウ素ブタノール錯体4.00gおよびフェノール1.20g(三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計(モル比)が2.9、フェノール/アルコール(モル比)が0.3に相当)を加えて40℃で2時間重合した。仕込条件(割合)を表4に示す。
得られた石油樹脂の物性を表5に示す。モノマー重合転化率は75%であり、得られた石油樹脂はゲルを含まず、色相も6と優れるものであった。
比較例3
三フッ化ホウ素ブタノール錯体4.00gおよびフェノール20.00g(三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計(モル比)が14.2、フェノール/アルコール(モル比)が5.6に相当)を用いた以外は、実施例4と同様の方法により石油樹脂の製造を行った。仕込条件を表4に示す。
得られた石油樹脂の物性を表5に示す。モノマー重合転化率は66%で、得られた石油樹脂はゲルを含まず、色相は14であった。
実施例5
三フッ化ホウ素メタノール錯体2.40gおよびフェノール1.70g(三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計(モル比)が3.1、フェノール/アルコール(モル比)が0.5に相当)を用いた以外は、実施例4と同様の方法により石油樹脂の製造を行った。仕込条件を表4に示す。
得られた石油樹脂の物性を表5に示す。モノマー重合転化率は89%で、得られた石油樹脂はゲルを含まず、色相は7であった。
実施例6
原料油にフェノール3.50gを先に添加した後、三フッ化ホウ素メタノール錯体2.40g(三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計(モル比)が4.2
、フェノール/アルコール(モル比)が1.0に相当)を加える以外は、実施例4と同様の方法により石油樹脂の製造を行った。仕込条件を表4に示す。
得られた石油樹脂の物性を表5に示す。モノマー重合転化率は86%で、得られた石油樹脂はゲルを含まず、色相は7であった。
実施例7
三フッ化ホウ素ブタノール錯体3.00gおよびフェノール10.00gを混合(三フッ化ホウ素に対するフェノールとアルコールの合計(モル比)が10.2、フェノール/アルコール(モル比)が3.7に相当)し、石油樹脂製造用触媒の調製を行った。
内容積2リットルのガラス製オートクレーブに、原料油としてナフサの分解により得たC9(B)留分(表1参照)500gを仕込んだ。次に、窒素雰囲気下で40℃に加熱した後、得られた石油樹脂製造用触媒13.00g(原料油100重量部に対して、2.60重量部に相当。)を加えて40℃で3時間重合した。仕込条件(割合)を表4に示す。
重合反応終了後、苛性ソーダ水溶液を添加して中和した後、ろ過によりゲル分を回収し、乾燥してゲル分の重量を測定した。また、油層の未反応油を蒸留して石油樹脂を回収した。
得られた石油樹脂の物性を表5に示す。モノマー重合転化率は94%であり、得られた石油樹脂はゲルを含まず、色相も7と優れるものであった。
Figure 0006326734
Figure 0006326734
色相および原料油のモノマー重合転化率に優れ、ゲル分の少ない石油樹脂、特にジシクロペンタジエン類を多く含有する原料油を用いることをも可能とする新規な石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法を提供するものであり、その産業的価値は極めて高いものである。

Claims (4)

  1. 三フッ化ホウ素ブタノール錯体およびフェノールからなる石油樹脂製造用触媒であって、三フッ化ホウ素ブタノール錯体とフェノールの組成物であり、該石油樹脂製造用触媒は三フッ化ホウ素に対するフェノールとブタノールの合計(モル比)が2.5〜14.0であり、その際のフェノール/ブタノール(モル比)が0.2〜5.5の範囲内であることを特徴とする石油樹脂製造用触媒。
  2. 石油類の熱分解及び/又は精製により得られる不飽和炭化水素含有留分である原料油を請求項1に記載の石油樹脂製造用触媒を用い、重合することを特徴とする石油樹脂の製造方法。
  3. 原料油が、ジシクロペンタジエン類を10重量%以上含む原料油であることを特徴とする請求項2に記載の石油樹脂の製造方法
  4. 原料油が、沸点範囲20〜110℃のC5留分、沸点範囲140〜280℃のC9留分及びジシクロペンタジエン留分からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の石油樹脂の製造方法
JP2013168507A 2013-08-14 2013-08-14 石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法 Active JP6326734B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013168507A JP6326734B2 (ja) 2013-08-14 2013-08-14 石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013168507A JP6326734B2 (ja) 2013-08-14 2013-08-14 石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015036407A JP2015036407A (ja) 2015-02-23
JP6326734B2 true JP6326734B2 (ja) 2018-05-23

Family

ID=52687034

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013168507A Active JP6326734B2 (ja) 2013-08-14 2013-08-14 石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6326734B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111072854A (zh) * 2019-12-26 2020-04-28 广东新华粤石化集团股份公司 一种苯酚改性c9石油树脂及其制备方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56106912A (en) * 1980-01-30 1981-08-25 Toho Sekiyu Jushi Kk Production of hydrocarbon resin
DE3044592C2 (de) * 1980-11-27 1982-09-23 Rütgerswerke AG, 6000 Frankfurt Verfahren zur katalytischen Polymerisation ungesättigter, aromatischer Kohlenwasserstoffe
JP6194648B2 (ja) * 2013-06-07 2017-09-13 東ソー株式会社 石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015036407A (ja) 2015-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6870365B2 (ja) 水添スチレン系共重合樹脂
DE69028210T2 (de) Harzverwendung als klebrigmacher
CN106543362B (zh) 一种c5/c10共聚树脂的制备方法
JP6326749B2 (ja) 石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法
US4189548A (en) Epoxy resin composition
JP6179095B2 (ja) 石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法
JP6083196B2 (ja) 石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法
JP6326734B2 (ja) 石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法
JP6194648B2 (ja) 石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法
KR101919398B1 (ko) 석유수지 제조용 분자량 조절제 및 이를 이용한 석유수지의 제조방법
JP6083224B2 (ja) 石油樹脂製造用触媒およびそれを用いた石油樹脂の製造方法
JP3425024B2 (ja) トラクションドライブ用流体
US10676546B2 (en) Hydrocarbon resin, method for preparing hydrocarbon resin, and adhesive composition
CN108017759B (zh) 一种改性间戊二烯氢化石油树脂及其制备方法
JP5123461B2 (ja) 貯蔵安定性に優れる脂肪族−芳香族共重合石油樹脂組成物及びその製造方法
US2994689A (en) Utilization of high boiling fractions in preparing petroleum resins
JP6264945B2 (ja) 極性石油樹脂の製造方法
JP5974676B2 (ja) 酸変性石油樹脂組成物及びその製造方法
KR20160001424A (ko) 석유수지, 이를 포함하는 점착제 조성물 및 점착테이프
US2991275A (en) Hydrocarbon resins produced using cycloparaffinic diluent
KR102122943B1 (ko) 점착제 조성물 및 이를 포함하는 점착테이프
GB1568330A (en) Process for manufacturing petroleum resins for adhesive thermofusible compositions
CA1080891A (en) Process for the preparation of petroleum resins
JP2005336343A (ja) 脂環式炭化水素と芳香族炭化水素からなる石油樹脂の製造方法
JPS6264811A (ja) 塗料用淡色石油樹脂の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160721

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171003

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180320

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180402

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6326734

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151