JP6326590B2 - スパーク発生を抑制する特定の導電率分布を有するブラシ及び整流子を伴う電気機械 - Google Patents

スパーク発生を抑制する特定の導電率分布を有するブラシ及び整流子を伴う電気機械 Download PDF

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Description

本発明は、ブラシ整流子構成体を備えた電気機械に関する。
電気機械は、電動機又は発電機として働き、種々の用途に適用することができる。多数の形式の電気機械が存在する。ある形式では、回転子が固定子に対して回転し、そして回転子は、回転子に含まれた電磁石により発生される磁界と、固定子に含まれた永久磁石又は電磁石により発生される磁界との相互作用により駆動される。そのような解決策では、回転子及びその電磁石に電力を供給しなければならない。
通常、そのような電力供給には、ブラシ整流子構成が使用される。典型的に、2つ以上のブラシが、固定位置、例えば、固定子に設けられ、そして2つ以上の薄膜(lamellae)をもつ整流子が回転子に設けられる。整流子は、ブラシに対して可動である。ブラシは、DC電源のような電源に電気的に接続される。整流子は、固定子の電磁石に電気的接続される。ブラシは、それが整流子の表面に機械的に接触する接触エリアを経て整流子に電気的に接触する。電気機械の動作中、ブラシは、回転する整流子の表面上をスライドして、回転子の電磁石に電力を供給する。
電気機械及びそこに含まれるブラシ整流子構成体の一例がWO2009/083433A1に記載されている。
ブラシ整流子構成体を含む電気機械を動作する際には、ブラシ及び/又は整流子に著しい磨耗が生じることが観察されている。
そこで、例えば、動作時の磨耗が少ないブラシ整流子構成体を含む改善された電気機械が要望される。
そのような要望は、独立請求項に記載の電気機械により満足される。好都合な実施形態は従属請求項に記載されている。
本発明のある観点によれば、少なくとも2つのブラシ及び整流子より成る特定のブラシ整流子構成体を伴う電気機械が提案される。ここで、ブラシ及び整流子の各々は、電気機械を動作する際に、ブラシ及び整流子が横変位方向に互いに変位され、そしてブラシの接触面が重畳エリアに沿って整流子の接触面と機械的に接触状態となって、重畳領域に沿ってブラシと整流子との間に電気的接触を生じるように、適応され及び配置される。そのような電気的接触の際に、重畳エリアを通してブラシと整流子との間に電流が伝達される。更に、ブラシ及び/又は整流子の接触面に直交する方向におけるブラシ及び/又は整流子の導電率は、各々、横変位方向に沿って局部的に変化する。ブラシ及び/又は整流子の接触面に直交する方向、ひいては、変位方向に直交する方向におけるそのような導電率は、ここでは、「直交導電率」と称される。ブラシ及び/又は整流子の直交導電率分布は、電気機械を最大許容電力で動作するときでも、ブラシ及び整流子を互いに変位する間に全空間構成の少なくとも90%について、重畳エリアを通る電流密度が、ブラシ整流子構成体を通る定格最大平均電流密度の130%を越えないように、特に適応されねばならない。
本発明の実施形態の基礎となるアイデア及び観察は、以下に詳細に述べるが、幾つかの一般的なアイデア及び観察は、次のように要約される。
ブラシと整流子との間にスパークが生じて、ブラシ整流子構成体の磨耗及び劣化の要因となることが観察されている。そのようなスパークは、特に、ブラシの接触面と整流子の接触面との重畳エリアのサイズが減少するとき、即ち整流子の回転中にブラシが整流子薄膜の横縁上を移動するときに、発生する。
これら作用は、観察されているが、せいぜい質的に理解されているだけであり、本発明の発明者は、そのような作用のある程度の量的な理解を許し、ひいては、そのような作用を減少し又は防止もするために量的な尺度の定義を許すモデルを開発した。
特に、ブラシ又は整流子を形成するのに使用される材料の特性は、ブラシ又は整流子の材料の直交導電率、即ち接触面に直交する方向における導電率が、接触面に平行な方向に変化するように影響されることが分かった。従って、直交導電率は、例えば、ブラシ又は整流子の先縁に近い領域、即ちブラシ及び整流子の接触面が互いに回転するときに最初に接触する領域の方が、後縁に近い領域よりも高い。
導電率に関するブラシ又は整流子の材料特性のそのような適応は、例えば、WO2009/083433 A1に記載されたように従来の電気機械において既に遂行されているが、そのような適応の作用は、量的に理解もモデリングもされていない。従って、量的なモデル又はシミュレーションに基づいて直交導電率の変化を最適化することはできていない。
本発明者は、ブラシ整流子構成体の特性が量的にシミュレーション及び分析されるモデルを開発した。
シミュレーション結果の分析で、ブラシと整流子との重畳エリアを通る電流密度が、ブラシ整流子構成体を通る定格最大平均電流密度の130%を越えないように又は好ましくは110%を越えないように、ブラシ及び/又は整流子の直交導電率が適応されたとき、ブラシ整流子構成体の特性が改善されることが明らかになった。
以下“RMAECD”と省略される定格最大平均電流密度は、ブラシ又は整流子のための所与の導電性材料について、ブラシと整流子との間の典型的な接触エリアにわたる平均値としてブラシ/整流子材料の製造者又は供給者により一般的に指示された、越えてはならない電流密度である。
電気機械を最大許容電力、即ち、例えば、電気機械の製造者により定格付けされた最大電力で動作するときでも、電流密度の制限を適用しなければならない。
ブラシ整流子構成体の考えられる全ての構成について、即ち相対的な回転運動中にブラシに対する整流子の考えられる全ての位置について電流密度を適宜に制限することは好都合であるが、ブラシ及び整流子の互いの変位中に全ての空間的構成の少なくとも90%について電流密度を適宜に制限すれば充分である。
ブラシ又は整流子の材料特性を適当に選択するか又は適当に作用させる結果としてブラシ又は整流子の変化する直交導電率に特に適応することにより、ブラシ整流子構成体の磨耗を著しく減少できることが実験で示された。特に、例えば、ブラシの直交導電率がブラシの区分において変化して、ブラシを整流子に対して変位する間に、電流密度がブラシ構成体を通る定格最大平均電流密度を越える構成が全くないか又はほんの僅かだけの場合には、スパーク発生が著しく抑制されて磨耗劣化を減少できることが観察された。
一実施形態によれば、横変位方向に関して、ブラシの第1区分の直交導電率は、ブラシの第1区分の下流に配置されたブラシの第2区分の直交導電率よりも高い。それとは別に又はそれに加えて、整流子の第1区分の直交導電率は、整流子の第1区分の上流に配置された整流子の第2区分の直交導電率よりも高い。
換言すれば、一般的に、ブラシ及び/又は整流子の薄膜の直交導電率は、その先縁に近い方が、その後縁に近い方に比して高くなければならない。従って、ブラシが整流子薄膜の後縁に接近してその上を移動し、そしてブラシの接触面と整流子の接触面との重畳エリアが次第に減少するときには、そのように減少する重畳エリアを通る電流は、次第に低下する直交導電率のために減少する。その結果、電流密度は、RMAECDの130%又は110%の限界を越えないか又は非常に短時間越えるだけとなり、そしてスパイクの発生は、全くないか又は僅かだけとなる。
一実施形態によれば、ブラシの第1区分内の単位面積全体にわたる平均直交導電率は、ブラシの第2区分内の単位面積全体にわたる平均直交導電率より少なくとも5倍、好ましくは10倍高い。それとは別に又はそれに加えて、整流子の第1区分内の単位面積全体にわたる平均直交導電率は、整流子の第2区分内の単位面積全体にわたる平均直交導電率より少なくとも5倍、好ましくは10倍高い。
換言すれば、ブラシの先縁及び/又は整流子の薄膜に近い単位面積における平均直交導電率は、後縁に近い単位面積より5倍以上又は10倍以上高いのが好ましい。ブラシ及び/又は整流子の薄膜の接触面の横変位方向に沿った直交導電率のそのような著しい変化は、スパーク又はアーク発生を有効に抑制することが分かった。
別の実施形態によれば、ブラシ及び/又は整流子は、少なくとも、横変位方向に沿って互いに後方に配置されて異なる直交導電率を有する第1区分、第2区分及び第3区分を備えている。
換言すれば、ブラシ及び/又は整流子の薄膜は、異なる区分を形成する少なくとも3つの層を備え、第1区分は先縁に接近し、第2区分は中央にあり、そして第3区分は後縁に接近している。これら区分は、例えば、異なる材料又は材料組成の結果として直交導電率が異なる。
一実施形態によれば、ブラシ及び/又は整流子の第1区分内の単位面積全体にわたる平均直交導電率は、各々、ブラシ及び/又は整流子の第2区分内の単位面積全体にわたる平均直交導電率より、少なくとも5倍、好ましくは、少なくとも10倍高い。更に、ブラシ及び/又は整流子の第2区分内の単位面積全体にわたる平均直交導電率は、各々、ブラシ及び/又は整流子の第3区分内の単位面積全体にわたる平均直交導電率より、少なくとも5倍、好ましくは、少なくとも10倍高い。
換言すれば、ブラシ及び/又は整流子の薄膜は、後縁に近い領域よりも先縁に近い領域の方が少なくとも25倍高い直交導電率を有する。ブラシ及び/又は整流子の薄膜の接触面の横変位方向に沿った直交導電率のそのような著しい変化は、スパーク又はアーク発生を有効に抑制することが分かった。
一実施形態によれば、ブラシ及び/又は整流子において、直交導電率は、横変位方向に連続的に変化する。
換言すれば、直交導電率は、横変位方向に沿って、好ましくは、先縁に近い高い値からブラシ/薄膜の後縁に近い低い値へと徐々に変化する。そのように徐々に変化する直交導電率は、整流子薄膜に対するブラシの変位全体にわたり電流密度の過剰ピーク値の発生を防止する上で役立つ。しかしながら、横変位方向に沿って直交導電率が連続的に変化する材料を準備することが技術的な課題となる。
別の実施形態によれば、ブラシ及び/又は整流子において、直交導電率は、横変位方向に段階的に変化する。
換言すれば、ブラシ及び/又は整流子の薄膜は、横変位方向に沿って互いに後方に配置された種々の区分を有し、各区分は、単一の均質な直交導電率を有する。そのような均質な単一区分は、製造及び積層が容易である。
一実施形態によれば、ブラシ及び/又は整流子において、導電率は、異方性であり、各接触面に直交する方向の直交導電率は、各接触面に平行な方向の横方向導電率より実質的に高い。
換言すれば、ブラシ及び/又は整流子の材料は、その導電率に関して等方性ではない。むしろ、横方向よりも各接触面に直交する方向に著しく高い導電率を示している。そのような異方性は、ブラシ/整流子材料の異方性特性から生じる。例えば、材料は、粒子が主として特定の方向に向けられる粒状構造を有する。そのような異方性のために、電流は、直交方向に容易に流れ、即ち、例えば、後側でブラシ又は薄膜に接触する電源ラインから各反対の前側接触面へ流れる。しかしながら、変位方向に平行な横方向電流は、この方向の導電率が低いために流れ難い。
この実施形態の特定の態様によれば、直交導電率は、横方向導電率より少なくとも50%高い。例えば、直交導電率及び横方向導電率は、少なくとも2の係数、好ましくは、少なくとも5、10又はそれ以上の係数で相違する。そのような係数は、例えば、特定タイプの黒鉛を使用することにより、及び/又は六方晶窒化硼素を黒鉛本体に合体することにより、得られる。
一実施形態によれば、ブラシ及び/又は整流子は、炭素が導電率に対して主たる貢献をなす材料から作られる。
換言すれば、ブラシ及び/又は整流子の薄膜は、例えば、黒鉛材料の実質的な体積部分から作られる。この黒鉛材料は、ブラシ/整流子の全導電率に主たる貢献をなす。一般的に、これは、例えば、銅含有量が黒鉛含有量より高くそして主たる部分又は装置の導電率をなす多くの従来のブラシ/整流子とは対照的である。
ここに示す実施形態によれば、任意に、バインダーのような添加物、又は金属粒子のような導電性粒子が基本材料に含まれるが、ブラシ/整流子の主たる導電率をなすことはない。そのような主たる炭素系材料は、ブラシ及び/又は薄膜の有利な特性を与える。例えば、黒鉛材料は、摩擦係数を減少し、磨耗が少ない。黒鉛結晶の形状及び真性異方性は、一般的に、しばしば整流に役立つ部品導電率の異方性の原点である。付加的な銅は、ある用途では、その高い導電率のために高い電気的性能を与える上で役立つ。
一実施形態によれば、ブラシ及び/又は整流子の直交導電率は、炭素マトリクスに含まれた黒鉛薄片、バインダー成分及び窒化硼素の少なくとも1つの変化する含有量の結果として、横変位方向に沿って局部的に変化する。
換言すれば、炭素系材料では、直交導電率は、材料に含まれる黒鉛薄片の含有量又はサイズ分布を意図的に変化することによって変化される。それとは別に又はそれに加えて、バインダー成分、及び炭素マトリクスにおけるその濃度が変化される。更に、それとは別に又はそれに加えて、窒化硼素の粒子、又は他の薄膜材料の粒子、例えば、MoS2又はWS2粒子は、変化する濃度で炭素マトリクスに含まれ、その導電率に影響を及ぼす。
一実施形態によれば、電気機械は、燃料ポンプに適用される。特に、乗物の燃料ポンプのための電気機械では、それらのブラシ及び/又は整流子に、ここに述べる変化する直交導電率を与えたときに、磨耗が著しく減少される。乗物の燃料ポンプでは、電気機械は、ブラシ及び/又は整流子に接触する液体燃料のような特定の条件の下で動作しなければならない。従来の燃料ポンプでは、そのような条件は、スパークの発生をサポートすると思われ、これは、本発明の特定の実施形態で抑制することができる。しかしながら、本発明の実施形態は、乗物の電気スターターのための電動機、或いは乗物又は他の用途におけるABS(アンチブロッキングシステム)構成のための電動機のような他の電気機械にも適用することができる。
本発明の実施形態の考えられる特徴及び効果は、電気機械又はブラシ整流子構成体の種々の細部に関して以下に説明することを指摘しておく。当業者であれば、種々の特徴は、更に別の実施形態を生成し及びおそらく相乗作用を得るように結合、変更又は置き換えできることが認識されよう。
本発明の実施形態の考えられる観点、特徴及び効果は、添付図面を参照した特定の実施形態の以下の説明から明らかであり、前記説明及び添付図面は、本発明を限定するものと解釈されてはならない。
ブラシ整流子構成体の原理を示す電気機械の前面図である。 本発明の実施形態による電気機械のブラシ整流子構成体の部分側面図である。 図2のA−A線に沿った本発明の実施形態による電気機械のブラシ整流子構成体におけるブラシ及び整流子の区分及び重畳エリアを示す図である。
添付図面は、概略的なものに過ぎず、正しいスケールではない。種々の図面全体を通じて同じ又は同様の特徴部は、同じ参照符号で示されている。
図1は、電気機械100の基本的な特徴を示す。電気機械100は、固定子102及び回転子104を備えている。固定子102は、固定子102の周囲に沿って配置された複数の永久磁石又は電磁石(図示せず)を備えている。回転子104は、回転子104の周囲に沿って配置された電磁石(図示せず)を備えている。回転子104は、固定された固定子102に対して軸106の周りで回転される。
回転可能な回転子104の電磁石に電力を供給するために、ブラシ整流子構成体1が設けられる。ブラシ整流子構成体1は、少なくとも2つのブラシ3と、少なくとも2つの薄膜2を有する整流子5とを備えている。ブラシ3は、固定位置に配置され、例えば、固定子102に固定される。整流子5は、回転子104と一緒に回転し、例えば、そこに固定される。
従って、電気機械100を動作する際には、電力がブラシ3から整流子5へ伝送され、次いで、電磁石へ更に伝送される。そのような電力供給時に電磁石が磁界を発生しそしてそれら磁界が固定子102の永久磁石により発生される磁界と相互作用するとき、回転子104が固定子102に対して回転するような力が回転子104に発生される。そのような回転時に、整流子5は、ブラシ3に対して連続的に変位される。図1に示す簡単な設計では、そのような変位は、ほぼ180°の回転に対して続く。次いで、ブラシ3は、整流子5のギャップ8に到達し、そのようなギャップは、整流子5の第1の薄膜2を整流子5の第2の薄膜2から分離している。ブラシ3の各々が後縁6において整流子5の2つの薄膜2の一方との接触を解除し、次いで、先縁4において整流子の薄膜2の他方と接触状態になるとき、回転子4の電磁石に供給される電気の極性が逆転される。そのような逆転により、回転子104は、回転運動を継続し、そして整流子5は、図1に矢印で示すように、ブラシ3に対して横変位方向7に連続的に変位される。
回転子104が回転し、それに対応して横変位方向7に整流子5が移動するとき、ブラシ3の接触面9は、整流子5の薄膜2の接触面11に沿ってスライドしてそれと接触し、ブラシ3から整流子5へ電流が伝達される。そのような回転の際に、ブラシの接触面9は、先ず、先縁4において整流子5の薄膜2に接触し、次いで、接触面11に沿って移動し、そして最終的に、後縁6において接触が解除される。先縁4がブラシ3に到達すると、整流子5の接触面11が、先ず、ブラシ3の先縁10においてブラシ3の接触面9に接触し、そして整流子5がほぼ180°回転した後に、ブラシ3の接触面9の後縁12において接触が解除される。
ブラシ整流子構成体1の磨耗及び腐食は、主として、整流子5の薄膜2及びブラシ3の各々先縁4、10及び特に後縁6、12に発生することが観察された。
一般的に、電気的接触を形成する2つの本体間でのスパーク又はアークは、特定の点火電圧を越え及び最小接触電流が流れたときだけ発生すると仮定する。
例えば、2つの炭素接点が電気的接点を形成するときに、そのような点火電圧は20V程度であり、そして最小接触電流は少なくとも約100mAである。一般的に、点火電圧及び最小接触電流は、とりわけ、接点の材料及びそれらの形状又はトポグラフィーに依存する。
電気機械の通常の動作条件のもとでは、理論的に、いかなる時点でも点火電圧及び最小接触電流を越えてはならない。しかしながら、そのような理論は、電気機械のブラシ整流子構成体に外部から供給される電圧及び電流に基づくもので、ブラシ3の接触面9と整流子5の接触面11との間の接触面積が大きいと仮定している。
しかしながら、そのような巨視的な大きな接触面積は、おそらく、ブラシ3及び整流子5の接触面9、11間の接触の微視的な現実を正確に表わしていない。実際に、これらの接触面9、11は、理想的な平面ではなく、それ故、一方ではブラシ3の接触面9、及び他方では整流子5の接触面11、の隣接部分の全エリアに沿って広い機械的接触面積を形成するものではない。むしろ、サイズが平方マイクロメータ程度の微視的な小さな接触スポットが見掛け上形成される。そのような接触スポットが形成されるため、電流は、ブラシ3から広い重畳接触面を通して整流子5へ流れないが、接触スポットの限定エリアのみに集中しなければならない。従って、これらの接触スポットでは、著しく高い局部的電流密度が生じる。
これは、接触スポットを通る導通メカニズムで、それにより局部的電流密度の増加が生じ、最終的に、ブラシ3と整流子5との間にスパーク又はアークが生じると仮定する。
特に、ブラシ3が整流子5の薄膜2間のギャップ8にあるか又はそれに接近したとき、ブラシ3の接触面9の部分的エリアだけが整流子5の接触面11の部分的エリアに接触する。従って、接触面9、11の後縁6、12においてブラシ3と整流子5との間の電気的接触を完全に解除する直前に、これら接触面9、11間の接触スポットを通して伝達される電力が著しく増加する。伝達される電力のそのような増加のため、接触スポットの局部的欠陥が生じ得る。例えば、ブラシ3及び/又は整流子5の材料は、急激に加熱して溶融又は蒸発し、ブラシ3が整流子5の後縁6に接近したとき接触スポットの幾つか又は全部が突然遮断される。しかしながら、その時点では、整流プロセスがまだ終了せず、即ちコイルの電流がまだその整流値に到達しておらず及び/又はブラシ3がギャップ8に完全に到達しておらず、回転子104の電磁石の巻線の電流が短期間に著しく変化する。その結果、大きな電圧が誘起される。この誘起された電圧は、次いで、ブラシ3と整流子5との間の電位差を著しく増加させて、点火電圧を越える。そのような過剰電圧は、ブラシ3と整流子5との間の電気的接触が急激に遮断する瞬間に、そのような電圧でのアーク点火に必要な最小接触電流を依然越える電流とあいまって、ブラシ3と整流子5との間にアーク点火を生じさせる。
本発明者は、ブラシ整流子構成体におけるアーク及びスパーク発生を説明するために考えられる前記理論をコンピュータモデルへと実施した。このコンピュータモデルを使用して種々のシミュレーションが遂行され、そしてシミュレーション結果とじっけんとの間の良好な対応関係が観察された。
シミュレーション結果の分析に基づき、本発明者は、ブラシ3の接触面9と整流子5の接触面11との間の重畳エリアを通る電流密度は、ある電流密度限界より低く維持するように制限しなければならないことが分かった。
電流密度のそのような制限は、変位方向7に沿ったブラシ3に対する整流子5の変位中に全ての空間的構成に対して考えられるものではないが、電流密度は、全てのそのような空間的構成の少なくとも90%、或いは好ましくは少なくとも95%又は98%に対して最大電流密度限界より低く制限されねばならない。
特定のブラシ整流子構成体の最大電流密度限界を決定することは、困難な作業であることが分かっている。一般的に、そのような限界は、電気接点を形成する材料、及び電気接点を形成する接触面9、11の構造的特性に強く依存している。材料特性は、とりわけ、材料の比電気抵抗率、そのような電気抵抗率の異方性、電気抵抗率の空間的分布、温度振舞い、等を含む。構造的特性は、とりわけ、接触面9、11の平滑さ又は曲率のような表面特性、或いはそのような接触面9、11間の重畳エリアの幾何学形状を含む。そのような多数の影響のため、特定のブラシ整流子構成体の最大電流密度限界を正確に決定することは困難である。実際に、特定のタイプ及び構成の接触に対してそのような限界値を決定するために特定のシミュレーション及び/又は実験を遂行する必要がある。
しかしながら、本発明者は、そのような限界値を決定するための適当なそして信頼性のある近似を、ブラシ整流子構成体1を通る定格最大平均電流密度に基づいて実行できると分かった。そのような定格最大平均電流密度“RMAECD”は、ブラシ3、整流子5、又は全ブラシ整流子構成体1の製造者により一般的に指示される値である。ブラシ3の接触面9と整流子5の接触面11との間の重畳エリアを通る電流密度が、ブラシ整流子構成体1を通る定格最大平均電流密度の130%を越えず、好ましくは、110%を越えないときに、ブラシ整流子構成体1の磨耗又は腐食が著しく減少されることが分かっている。
本発明の基礎となる主たるアイデアとして、ブラシ及び/又は整流子の直交導電率分布を特別に適応させることによって重畳エリアを通る電流密度をそのような最大限界値より低く制限することが明らかである。直交導電率は、横変位方向7に沿って変化するように適応されねばならない。好ましくは、直交導電率は、整流子5及び/又はブラシ3の後縁6、12に近いエリアの方が、そのような後縁6、12の更に上流のエリア、即ち各先縁4、10に近いエリアより相当に小さくセットされる。
一般的に、一種の「経験則」として、ブラシ整流子構成体1を有する電気機械の満足な整流を達成するためには、ブラシ3と整流子5の薄膜2との間の接触エリアの導電率は、以下の仮定及び/又は要件が満足されるように適応されねばならない。
−ブラシ3及び/又は整流子5の直交導電率は、後縁12、6から離れたエリアでは大きくなければならず、且つ後縁12、6に向かって減少しなければならない。特に、そのような直交導電率は、ブラシ3の接触面9と整流子5の薄膜2の接触面11との間の重畳エリアにおける接触スポットの数と比べたときに後縁12、6に向かって比例的に減少しなければならない。
−従って、ブラシ3と整流子5との間の接触をオープンする直前の時間の整流子5への電流、及びそれに対応する電流密度は、ブラシ整流子構成体1を通る定格最大平均電流密度の例えば130%の特定許容限界値より低く制限される。
−従って、ブラシ3と整流子5との間の電気接点がもはや伝送電力を搬送しない状態が適当に防止される。
−回転子104の電磁石の整流コイルの電力供給は、整流子5の先行薄膜2へのブラシ3の接触を最終的にオープンする充分前に整流子5の次の薄膜2により引き継がれ、早期に完全な整流が行えるようにする。
ここでは、ブラシ3の接触面9と整流子5の接触面11との重畳エリアを通る電流密度が、ブラシ整流子構成体1を通る定格最大平均電流密度(RMAECD)の130%を越えないように、ブラシ3及び/又は整流子5の直交導電率分布を適応させねばならないことが教示されたので、RMAECDは、一般的に、任意の値ではなく、ブラシ整流子構成体1ごとに特別に決定されることに注意されたい。
典型的に、RMAECDは、ブラシ整流子構成体の製造者によりデータシート書面に指示される。RMAECDは、一般的に、変化する値の電流密度を伝送する際にブラシ整流子構成体のある磨耗又は劣化特性を評価する実験に基づいて決定される。
例えば、実験で使用される整流子リング又はスリップリングは、ブラシに接触され、そしてブラシ整流子構成体のその後の実際の動作について仮定したものと同様の条件のもとで動作される。先ず、電流密度の低い値が確立され、そしてブラシ及び/又は整流子の関連磨耗が決定される。次いで、電流密度が次第に増加され、そしてブラシ及び/又は整流子の磨耗が監視される。特定の電流密度を越えると、そのような磨耗は、急激に増加し始める。磨耗が20%増加する電流密度が、典型的に、RMAECDとしてセットされる。
RMAECDを決定するためのそのような実験では、例えば、ブラシへの電源ラインは、実験結果が主としてブラシ整流子構成体に使用された材料の特性を表わし且つそれが例えばブラシの特定の設計又は電源ラインの寸法により著しく影響されないことを保証するに充分な断面積を有することを考慮しなければならないことを述べておく。
以下、本発明の特定の実施形態の幾つかの特徴を、図2及び3を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態による電気機械のブラシ整流子構成体1の部分側面図である。図3は、そのブラシ整流子構成体1におけるブラシ3及び整流子5の区分及び重畳エリアを示す図である。
ブラシ3及び/又は整流子5は、主として、炭素系材料より成る。そのような炭素系材料において、炭素は、材料の導電率に対して主な貢献をなし、即ち材料の導電率の50%以上、好ましくは90%以上、又は95%以上もの貢献をなす。炭素粒子又は炭素マトリクスに加えて、炭素系材料は、とりわけ、黒鉛薄片、バインダー成分及び/又は窒化硼素粒子を含む。これらの添加物は、基本材料の導電率に影響する。例えば、炭素材料に含まれる窒化硼素の影響が米国特許第7,586,230 B2号に記載されている。
しかしながら、主として炭素系材料より成るブラシ3及び/又は整流子5を設けることは、例えば、潤滑又は磨耗特性に関しては有益であるが、著しい量の金属粒子、例えば、銅粒子をブラシ3及び/又は整流子5に含ませることを除外してはならないことに注意されたい。
ブラシ3及び/又は整流子5又はその区分は、炭素粒子を含み且つ上述したように更に別の添加物も任意に含む粉末をプレス及び焼結することにより形成される。そのようなプレス及び焼結のために、炭素粒子の粒が典型的に形成され、それにより生じる炭素系材料は、異方性の物理的特性を得る。
例えば、そのような材料の導電率は、粒子を横切る方向に比して粒子に沿った方向において異なる。そのような異方性導電率特性は、ここに述べるブラシ整流子構成体1にとって有益である。
ブラシ3の接触面9又は整流子5の接触面11に直交する方向25の導電率は、ここでは、「直交導電率」と称される。この直交導電率は、主として、ブラシ整流子構成体1の電気的特性に影響する。というのは、一般的に、電気機械における電流は、主として、この直交導電率の方向にブラシ整流子構成体1を通して供給されるからである。図2の矢印25に垂直な方向、ひいては、接触面9、11に平行な方向の横方向導電率は、直交導電率より著しく小さく、例えば、直交導電率の半分以下である。導電率のそのような異方性は、ブラシ整流子構成体1を通る電流が主として接触面9、11に直交する方向25に流れるが、それら接触面9、11に平行な方向には実質的に流れないことをサポートする。
図2は、ブラシ3が3つの区分15、17、19を含むブラシ整流子構成体1を示している。第1区分15は、ブラシ3の先縁10又はその付近に配置される。換言すれば、ブラシ整流子構成体1を動作し、そして図2及び3において矢印7で示す横変位方向にブラシ3及び整流子5を互いに移動するとき、ブラシ3の第1区分15が先ず整流子5に接触する。第2区分17は、第1区分15に隣接配置され、その後に整流子5に接触する。最後に、第3区分19は、先縁10から最も遠くにあり、ブラシ3の後縁12に最も接近している。
同様に、整流子5にも複数の区分が設けられている。図2及び3に示す実施形態では、整流子は、先縁4に接近した第1区分21、及び後縁6に接近した第2区分を含む。
ブラシ3及び整流子5の各1つ又は両方は、2つ、3つ又はそれ以上のそのような区分15、17、19、21、23を有する。
ブラシ3の第1区分15は、第2区分17より直交導電率が高く、そして第2区分17は、第1及び第2区分15、17の下流に配置されたブラシ3の第3区分19より直交導電率が高い。従って、先縁10に接近する方が、後縁12に接近するより、ブラシの直交導電率は著しく高い。同様に、整流子5の第1区分21は、第2区分23より直交導電率が高く、整流子5の直交導電率も、その先縁4に近い方が、その後縁6に近いより高い。
種々の区分15、17、19、21、23の直交導電率は、例えば、5以上の係数、好ましくは、10以上の係数で異なる。換言すれば、第1区分15の直交導電率は、第2区分17の直交導電率より5倍以上高く、そして第3区分19の直交導電率より25倍以上高い。
ブラシ整流子構成体1の特定例において、導電率ではなく電気抵抗率で表すと、第1区分15の直交電気抵抗率は、9μΩmであり、第2区分17の直交電気抵抗率は、45μΩmであり、そして第3区分19の直交電気抵抗率は、225μΩmである。これら第1、第2及び第3区分15、17、19の横方向電気抵抗率は、3倍高く、即ち各々、27μΩm、135μΩm及び675μΩmである。換言すれば、横方向電気抵抗率は、対応的に、各区分15、17、19において、直交導電率より3倍低い。
図2及び3に示す実施形態では、ブラシ3及び整流子5は、両方とも、多数の区分15、17、19、21、23を含むが、直交導電率の変化するそのような多数の区分をブラシ3及び整流子5の一方のみに設ければ充分であることに注意されたい。
更に、ここに示す実施形態では、区分15、17、19、21、23は、直交導電率が横変位方向7に段階的に変化するように確立されるが、直交導電率のそのような変化は、徐々に又は連続的に確立されてもよい。換言すれば、1つの同じ区分内に均質な直交導電率を有する区分15、17、19、21、23が図2及び3を参照して説明したが、そのような直交電気抵抗率は、横変位方向7全体を通して連続的に変化し、例えば、ブラシ3又は整流子5の各々先縁10、4に近い位置から後縁12、6に近い位置へと連続的に減少する。
ブラシ整流子構成体1のブラシ3及び/又は整流子5に、ここに述べるように、横変位方向7に沿った方向に変化する直交導電率を与えると、ブラシ3の接触面9と整流子5の接触面11との間の重畳エリア13を通る電流密度は、横変位方向7に沿ったブラシ3及び整流子5の変位中のほぼ全ての空間的構成に対して、電流密度がブラシ整流子構成体1を通る定格最大平均電流密度の130%を越えないように、作用を受ける。
又、重畳エリア13が小さく且つ整流子5及びブラシ3の後縁6、12に接近していてRMAECDの130%より低い状態にある空間的構成において電流密度を制限することにより、電気機械の整流中の過剰なスパーク又はアーク発生が防止され、そしてブラシ整流子構成体1の磨耗及び劣化が減少される。その結果、電気機械の寿命及び信頼性が改善される。
最後に、「備える(comprise)」、「有する(have)」、等の語は、更なる付加的な要素の存在を排除するものではないことを指摘しておく。又、「一(a)」又は「1つ(one)」といった語は、複数の要素又は要旨の存在を除外するものではない。又、「A及びBの少なくとも1つ」といった語は、「A及び/又はB」を意味するものと解釈される。請求項における参照番号は、理解を容易にするものに過ぎず、請求項の保護範囲を何ら限定するものではない。
1:ブラシ整流子構成体
2:整流子の薄膜
3:ブラシ
4:整流子の先縁
5:整流子
6:整流子の後縁
7:横変位方向
8:整流子薄膜間のギャップ
9:ブラシの接触面
10:ブラシの後縁
11:整流子の接触面
12:ブラシの後縁
13:重畳エリア
15:ブラシの第1区分
17:ブラシの第2区分
19:ブラシの第3区分
21:整流子の第1区分
23:整流子の第2区分
25:接触面に直交する方向
100:電気機械
102:固定子
104:回転子
106:軸

Claims (13)

  1. ブラシ整流子構成体(1)を伴う電気機械において、
    少なくとも2つのブラシ(3)、及び
    整流子(5)、
    を備え、各ブラシ(3)及び整流子(5)は、電気機械の動作時に、ブラシ(3)及び整流子(5)が横変位方向(7)に互いに変位され、そしてブラシ(3)の接触面(9)が重畳エリア(13)に沿って整流子(5)の接触面(11)に接触して、重畳エリア(13)に沿ってブラシ(3)と整流子(5)との間に電気的接触を発生し、そして重畳エリア(13)を通してブラシ(3)と整流子(5)との間に電流が伝達されるように、適応され且つ配置され、
    各接触面(9,11)に直交する方向(25)におけるブラシ(3)及び整流子(5)の少なくとも一方の直交導電率は、横変位方向(7)に沿って局部的に変化し、及び
    ブラシ(3)及び整流子(5)の少なくとも一方における直交導電率分布は、電気機械を最大許容電力で動作するときでも、相対的な回転運動中にブラシ(3)及び整流子(5)を互いに変位する間に全空間構成の少なくとも90%について、重畳エリア(13)を通る電流密度がブラシ整流子構成体(1)を通る定格最大平均電流密度の130%を越えないように、適応される、電気機械。
  2. 横変位方向(7)に関して、
    ブラシ(3)の第1区分(15)の直交導電率は、ブラシ(3)の第1区分(15)の下流に配置されたブラシ(3)の第2区分(19)の直交導電率より高く、及び
    整流子(5)の第1区分(21)の直交導電率は、整流子(5)の第1区分(21)の上流に配置された整流子(5)の第2区分(23)の直交導電率より高い、
    のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の電気機械。
  3. ブラシ(3)の第1区分(15)内の単位面積全体にわたる平均直交導電率は、ブラシ(3)の第2区分(19)内の単位面積全体にわたる平均直交導電率より少なくとも5倍高く、及び
    整流子(5)の第1区分(21)内の単位面積全体にわたる平均直交導電率は、整流子(5)の第2区分(23)内の単位面積全体にわたる平均直交導電率より少なくとも5倍高い、
    のうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の電気機械。
  4. ブラシ(3)及び整流子(5)の少なくとも一方は、横変位方向(7)に沿って互いに後方に配置されて異なる直交導電率を有する少なくとも第1区分(15)、第2区分(17)及び第3区分(19)を含む、請求項1から3のいずれか1つに記載の電気機械。
  5. ブラシ(3)の第1区分(15)内の単位面積全体にわたる平均直交導電率は、ブラシ(3)の第2区分(17)内の単位面積全体にわたる平均直交導電率より少なくとも5倍高く、且つブラシ(3)の第2区分(17)内の単位面積全体にわたる平均直交導電率は、ブラシ(3)の第3区分(19)内の単位面積全体にわたる平均直交導電率より少なくとも5倍高く、及び
    整流子(5)の第1区分(21)内の単位面積全体にわたる平均直交導電率は、整流子(5)の第2区分(23)内の単位面積全体にわたる平均直交導電率より少なくとも5倍高く、且つ整流子(5)の第2区分(23)内の単位面積全体にわたる平均直交導電率は、整流子(5)の第3区分内の単位面積全体にわたる平均直交導電率より少なくとも5倍高い、
    のうちの少なくとも1つである、請求項4に記載の電気機械。
  6. ブラシ(3)及び整流子(5)の少なくとも1つにおいて、直交導電率は、横変位方向(7)に連続的に変化する、請求項1から5のいずれか1つに記載の電気機械。
  7. ブラシ(3)及び整流子(5)の少なくとも1つにおいて、直交導電率は、横変位方向(7)に段階的に変化する、請求項1から5のいずれか1つに記載の電気機械。
  8. ブラシ(3)及び整流子(5)の少なくとも1つにおいて、導電率は異方性であり、各接触面(9,11)に直交する方向(6)における直交導電率は、各接触面(9,11)に平行な方向における横方向導電率より実質的に高い、請求項1から7のいずれか1つに記載の電気機械。
  9. 直交導電率は、横方向導電率より少なくとも50%高い、請求項8に記載の電気機械。
  10. ブラシ(3)及び整流子(5)の少なくとも一方は、炭素が導電率に大きく貢献する材料から作られる、請求項1から9のいずれか1つに記載の電気機械。
  11. ブラシ(3)及び整流子(5)の少なくとも一方の直交導電率は、炭素マトリクスに含まれる黒鉛薄片、バインダー成分及び窒化硼素の少なくとも1つの含有量変化の結果として横変位方向(7)に沿って局部的に変化する、請求項10に記載の電気機械。
  12. 前記電気機械は、燃料ポンプに適用されるように適応される、請求項1から11のいずれか1つに記載の電気機械。
  13. 請求項1から12のいずれか1つに記載の電気機械を備えた乗物用の燃料ポンプ。
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