JP6326299B2 - 有機系の放射性廃棄物の処理システムおよび処理方法 - Google Patents

有機系の放射性廃棄物の処理システムおよび処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機系の放射性廃棄物の処理システムおよび処理方法に関する。
原子力発電所の原子炉冷却材浄化系や燃料プール冷却浄化系等から発生するセルロース系のろ過助剤やイオン交換樹脂等を含むフィルタスラッジその他の有機系の放射性廃棄物(以下、廃樹脂という)は、貯蔵タンクに長期間貯蔵保管されている。これらの廃樹脂は、原子力発電所の運転に伴って定常的に発生する廃棄物である。従って、定常的に増加する廃棄物の保管スペースを確保するためには、現在貯蔵中の廃樹脂の体積を減容する処理技術が必要である。廃樹脂の体積を減容する処理方法として、特許文献1及び特許文献2に記載の処理方法が提案されている。
特許文献1に記載の処理方法は、使用済イオン交換樹脂に含まれる放射性核種を硫酸水溶液等で溶離させることにより、樹脂の放射能を少なくして樹脂の焼却又は化学分解を容易にするものであり、樹脂の減容を可能にしている。また、放射性核種を含む溶離液に2価の鉄イオンとアルカリを加えてフェライト粒子を生成させることで放射性核種をフェライト粒子に取り込ませ、フェライト粒子を固液分離器により溶離液から分離して無機固体化することにより、放射性核種を長期安定性に優れた処分形態にすると共に、フェライト粒子を分離した液は蒸発濃縮後固化又はそのまま固化させるものである。
また、特許文献2に記載の処理方法は、使用済イオン交換樹脂に物理吸着している放射性クラッドを機械的な力により物理的に分離して廃液へ移行させ、廃液中の放射性クラッドを中空糸フィルタ等を用いて除去すると共に、使用済イオン交換樹脂にイオン吸着している放射性イオンを硝酸ナトリウム等により化学的に分離して廃液へ移行させ、廃液中の放射性イオンをゼオライト等を用いて除去するものであり、発電所内で保管せざるを得なかった高レベルの廃樹脂の放射能レベルを低下させて、廃樹脂の最終処分を可能にしている。
特開昭63−040900号公報 特開昭63−175800号公報
上記の廃樹脂の減容処理技術については、適用に際して考慮すべき技術課題として、廃樹脂の除染により発生する廃液(以下、除染廃液という)の減容処理が挙げられる。
特許文献1に記載の処理方法においては、フェライト粒子を分離した液、つまり、最終的に残った除染廃液の減容方法として、蒸発濃縮処理を挙げている。しかし、蒸発濃縮処理では、大規模な排ガス設備が必要となるので、設備費及び運転費が高くなる。
また、他の減容方法として、除染廃液の乾燥粉体化処理も考えられるが、この場合も蒸発濃縮処理の場合と同様に、大規模な処理設備が必要になるので、設備費及び運転費が高くなる。
特許文献2に記載の処理方法においては、放射性クラッドの回収方法として中空糸膜フィルタの使用を挙げている。中空糸膜フィルタによる回収方法は、2wt%〜3wt%程度の低い固形分濃度のスラリから固形分を回収するのには適している。しかし、除染廃液は、10wt%程度の大量の固形分を含むスラリとして移送する場合があるので、このような濃度の高い性状の除染廃液から放射性クラッドを中空糸膜フィルタにより回収すると、目詰まりが起こりやすい。このため、中空糸膜フィルタの交換頻度が高くなり、除染廃液を効率的に処理できない虞がある。
さらに、中空糸膜フィルタにより回収される放射性クラッドは、純粋な固形物ではなく、除染廃液より更に固形分濃度が濃くなったスラリとして発生するので、その減容性が低い。すなわち、廃樹脂を減容処理しても、その処理に伴い発生する二次廃棄物の減容性が低く、放射性廃棄物全体としての減容性が低いという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、大規模な設備が不要で、かつ、減容性が高く効率的な有機系の放射性廃棄物の処理システムおよび処理方法を提供することである。
上記課題を解決するため、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、有機系の放射性廃棄物が供給され、前記有機系の放射性廃棄物を有機酸及び有機酸塩により化学除染する化学除染システムと、前記化学除染システムから化学除染により発生する除染廃液が移送され、前記除染廃液中に含まれる前記有機酸及び前記有機酸塩を無機物に分解して放射性固形物を析出させる除染廃液分解システムと、前記除染廃液分解システムから前記除染廃液の分解処理により発生する分解廃液が移送され、前記分解廃液中に析出している前記放射性固形物を回収する多層構造の無機系フィルタを有する放射性固形物回収システムと、前記放射性固形物回収システムから前記分解廃液が移送され、前記分解廃液中に含まれる放射性イオンを回収する無機系吸着材を有する放射性イオン回収システムとを備え、前記有機酸塩は、有機酸のヒドラジン塩であり、前記除染廃液分解システムは、過酸化水素を供給する過酸化水素供給装置と、オゾンを供給するオゾン供給装置と、前記過酸化水素供給装置から供給される過酸化水素により前記有機酸塩のヒドラジン塩を分解すると共に前記オゾン供給装置から供給されるオゾンにより前記有機酸を分解する除染廃液分解槽とを有することを特徴とする。
本発明によれば、有機系の放射性廃棄物の化学除染により発生した高線量の除染廃液中に含まれる放射性核種を放射性固形物回収システムの多層構造の無機系フィルタ及び放射性イオン回収システムの無機系吸着材により回収するので、蒸発濃縮設備や乾燥粉体化処理設備のような大規模な設備を使用することなく、二次廃棄物を含む放射性廃棄物全体の効率的で高い減容化処理が可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の有機系の放射性廃棄物の処理システムの一実施の形態を示す構成図である。 本発明の有機系の放射性廃棄物の処理システムの一実施の形態の一部を構成するろ過装置のフィルタの多層構造を示す概念図である。 本発明の有機系の放射性廃棄物の処理方法の一実施の形態を示すフロー図である。
以下、本発明の有機系の放射性廃棄物の処理システムおよび処理方法の実施の形態を図面を用いて説明する。
原子炉冷却材浄化系や燃料プール冷却浄化系等の原子炉施設においては、セルロース系のろ過助剤やイオン交換樹脂を含むフィルタスラッジ等の有機系の放射性廃棄物(以下、廃樹脂という)が発生する。廃樹脂には、セシウム(Cs−137)やコバルト(Co−60)、ストロンチウム(Sr−90)、ヨウ素(I−131)、テクネチウム(Tc)、ニッケル(Ni−59/63)等のイオン状放射性核種が吸着されて存在している。また、廃樹脂の表面にはクラッド(主成分は鉄酸化物)が付着しており、このクラッドには、ニオブ(Nb−94)や一部のコバルト(Co−60)等のクラッド状放射性核種が取り込まれて存在している。本発明は、このようなイオン状放射性核種やクラッド状放射性核種を取り込んでいる廃樹脂を、大規模な設備を使用することなく効率的に減容処理するものである。
[一実施の形態]
本発明の有機系の放射性廃棄物の処理システムの一実施の形態を図1を用いて説明する。
図1は本発明の有機系の放射性廃棄物の処理システムの一実施の形態を示す構成図である。
図1において、有機系の放射性廃棄物の処理システムは、廃樹脂Sが供給され、廃樹脂Sを洗浄液により化学除染する化学除染システム1と、化学除染システム1から化学除染により発生した除染廃液が移送され、除染廃液中に含まれる洗浄液成分を分解して除染廃液中に含まれる放射性核種の一部を放射性固形物として析出させる除染廃液分解システム2と、除染廃液分解システム2から除染廃液の分解処理により発生した分解廃液が移送され、その分解廃液中に析出している放射性固形物を回収する放射性固形物回収システム3と、放射性固形物回収システム3から分解廃液が移送され、その分解廃液中に含まれる放射性イオンを回収する放射性イオン回収システム4と、化学除染システム1から化学除染された廃樹脂が移送され、その廃樹脂を廃棄体化する廃樹脂廃棄体化システム5とを備えている。
化学除染システム1は、例えば、廃樹脂Sを貯蔵する貯蔵タンク7から抜き出された廃樹脂Sを一定量受け入れる受入タンク11と、洗浄液を供給する洗浄液供給タンク12と、受入タンク11から移送された廃樹脂Sを洗浄液供給タンク12から供給された洗浄液により化学除染する化学反応槽13と、受入タンク11と化学反応槽13とを接続する廃樹脂移送配管14と、洗浄液供給タンク12と化学反応槽13とを接続する洗浄液供給配管15とを備えている。また、化学除染により発生した除染廃液中の洗浄液成分を回収する洗浄液回収装置17と、化学反応槽13と洗浄液回収装置17の入口側とを接続する除染廃液移送配管18と、洗浄液回収装置17の出口側と洗浄液供給タンク12とを接続し、洗浄液回収装置17で回収した洗浄液を洗浄液供給タンク12に戻す戻り配管19とを備えている。廃樹脂移送配管14、洗浄液供給配管15、除染廃液移送配管18中には、それぞれ廃樹脂移送ポンプ21、洗浄液供給ポンプ22、除染廃液移送ポンプ23が設置されている。化学反応槽13には、化学反応槽13内の溶液を加温する加熱装置24が設けられている。
本実施の形態においては、洗浄液として、還元性のある有機酸及び有機酸塩が用いられる。有機酸として、例えば、シュウ酸やギ酸、クエン酸等が挙げられる。有機酸塩として、例えば、ギ酸やシュウ酸、酢酸、クエン酸のヒドラジン塩等が挙げられる。
除染廃液分解システム2は、例えば、オゾンを供給するオゾン供給装置31と、過酸化水素を供給する過酸化水素供給装置32と、オゾン供給装置31から供給されたオゾンにより除染廃液中に含まれる有機酸を無機物に酸化分解すると共に、過酸化水素供給装置32から供給された過酸化水素により除染廃液中に含まれるヒドラジン塩等を無機物に酸化分解する除染廃液分解槽33と、洗浄液回収装置17の出口側と除染廃液分解槽33とを接続する除染廃液移送配管34とを備えている。
放射性固形物回収システム3は、例えば、除染廃液の分解処理により析出した放射性固形物を分解廃液から回収する多層構造の無機系フィルタ41a(詳細は後述する。図2参照)を有するろ過装置41と、ろ過装置41で回収した放射性固形物(クラッド)を一定量受け入れるクラッド受入タンク42と、ろ過装置41で回収した放射性固形物をセメントやガラス等の固型化剤により固化処理を行う既設の固化設備44と、除染廃液分解槽33とろ過装置41と接続する第1の分解廃液移送配管45とを備えている。ろ過装置41は、物理的に簡易な構造であるので、蒸発濃縮設備のような大規模な設備よりも格段に小さい設備となる。
放射性イオン回収システム4は、例えば、除染廃液の分解処理により発生した分解廃液中に含まれる放射性イオンを回収する無機系吸着材を有する放射性イオン回収装置51と、ろ過装置41及び放射性イオン回収装置51により分解廃液から放射性核種を分離した分離廃液を一時的に受け入れる分離廃液受入タンク52と、放射性イオンを吸着した使用済無機系吸着材を乾燥又は脱水処理する送風機等の乾燥・脱水処理装置53と、乾燥又は脱水処理した使用済無機系吸着材をセメントやガラス等の固型化剤により固化処理を行う既設の固化設備44と、ろ過装置41の出口側と放射性イオン回収装置51の入口側とを接続する第2の分解廃液移送配管55と、放射性イオン回収装置51の出口側と分離廃液受入タンク52とを接続する分離廃液移送配管56とを備えている。無機系吸着材としては、例えば、ゼオライトが用いられている。ゼオライトは、主にセシウムを、一部ヨウ素等を吸着する。放射性イオン回収装置51で用いる無機系吸着材の容量は、元々の処理対象である廃樹脂Sの容量の1/100程度である。このため、放射性イオン回収装置51は、蒸発濃縮設備のような大規模な設備よりも格段に小さい設備となる。
本実施の形態においては、ろ過装置41で回収した放射性固形物及びろ過装置41で用いた使用済無機系フィルタと、放射性イオン回収装置51の使用済無機系吸着材とを同一の固化設備44で固化処理を行う構成としている。
廃樹脂廃棄体化システム5は、化学除染された廃樹脂Sを一時的に受け入れる除染廃樹脂受入タンク61と、除染廃樹脂受入タンク61からの廃樹脂Sを焼却する既設の焼却設備62とを備えている。
次に、本発明の有機系の放射性廃棄物の処理システムの一実施の形態の一部を構成するろ過装置を図2を用いて説明する。
図2は本発明の有機系の放射性廃棄物の処理システムの一実施の形態の一部を構成するろ過装置のフィルタの多層構造を示す概念図である。なお、図2において、図1に示す符号と同符号のものは、同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
図2において、ろ過装置41(図1参照)は、多層構造(第1層から第4層までを示す)のフィルタ41aを有しており、フィルタ41aは、二次廃棄物としての埋設処分を考慮して無機系としている。フィルタ41aは、上流側から下流側に向かうにしたがってフィルタの目が密となるように構成されている。すなわち、フィルタ41aの最上流の第1層の目が最も粗く、第2層、第3層にいくにつれて目が密になっていく。このため、第1層では、残渣として比較的粒度の大きい固形物Rのみがろ過され、第2層、第3層と下流側に向かうにつれて粒度の小さい固形物Rがろ過されるので、多層構造のフィルタ41aは、目詰まりが生じにくい構成となっている。特に、2wt%〜3wt%程度の低い固形分濃度でなく、大量の固形分を含む10wt%のスラリをろ過する場合においても、中空糸膜フィルタとは異なり、目詰まりが起こりにくい。また、多層構造のフィルタ41aは、中空糸膜フィルタとは異なり、スラリの状態のものを純粋な固形物Rとして回収する。このような多層構造の無機系フィルタ41aとして、例えば、ガラス繊維フィルタ又はセラミックスフィルタによるろ過板が挙げられる。
次に、本発明の有機系の放射性廃棄物の処理方法の一実施の形態の概要を図3を用いて説明する。
図3は本発明の有機系の放射性廃棄物の処理方法の一実施の形態を示すフロー図である。なお、図3において、図1及び図2に示す符号と同符号のものは、同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
図3において、まず、高線量の廃樹脂Sを洗浄液により化学除染する化学除染工程S10を行う。化学除染工程S10は、廃樹脂Sに付着しているクラッドをシュウ酸等の還元性のある有機酸溶液により溶解させ、廃樹脂Sからクラッド状放射性核種(Nb−94やCo−60等)を除去する第1の化学除染工程S11と、廃樹脂Sに吸着された放射性イオン(Cs−137やCo−60、Sr−90、I−131、Tc、Ni−59/63等)をギ酸ヒドラジン等の還元性のある有機酸塩溶液により溶離する第2の化学除染工程S12とで構成されている。第1の化学除染工程S11では、クラッドの溶解以外に、廃樹脂Sに吸着された放射性イオンが一部溶離する。第2の化学除染工程S12では、廃樹脂Sに吸着された放射性イオンが第1の化学除染工程S11よりも効率的に溶離する。この工程S11及びS12により廃樹脂Sの放射性核種が除去され、廃樹脂Sの放射線量が低減される。
次に、化学除染されて低線量になった廃樹脂Sを焼却して所定の容器に保管する廃樹脂廃棄体化工程S20を行う。このように、廃樹脂Sは、減容されて廃棄体として処分される。
また、工程S11及びS12で発生した高線量の除染廃液(クラッド溶解液及びイオン溶離液)中に含まれる有機物(有機酸及び有機酸塩)を過酸化水素やオゾン等の酸化剤により無機物に分解する除染廃液分解工程S30を行う。工程S30では、クラッドの溶解している有機酸が分解されることで、除染廃液中のクラッド成分およびクラッド状放射性核種(Nb−94やCo−60の一部等)が析出する。また、除染廃液中に溶解している放射性イオンの一部であるNi−59/63等の重金属イオンも析出する。
次に、除染廃液分解工程S30で発生した分解廃液中に含まれる放射性固形物及び放射性イオン(セシウム、ストロンチウム、ヨウ素、テクネチウム等)を分解廃液から回収する高線量残渣回収工程S40を行う。工程40は、除染廃液分解工程S30で析出した分解廃液中の放射性固形物を多層構造の無機系フィルタ41a(図2参照)によりろ過回収する放射性固形物回収工程S41と、この工程S41で放射性固形物を回収した後の分解廃液中に含まれる放射性イオンを無機系吸着材により回収する放射性イオン回収工程S42とで構成されている。工程S42における無機系吸着材は、放射性固形物回収工程S41で回収しきれなかった放射性固形物等を物理的にろ過回収するフィルタの役割も担っている。
さらに、工程S41で回収した放射性固形物(クラッド)、工程S41で使用したフィルタ41a、及び工程S42で放射性イオンを吸着した無機系吸着材の二次廃棄物を廃棄体化する二次廃棄物廃棄体化工程S50を行う。具体的には、回収した放射性固形物及び使用済フィルタ41aを水切り等の乾燥処理をした後、セメントやガラス等の固型化材による固化処理を行う。また、使用済吸着材を脱水処理した後、セメントやガラス等の固型化材による固化処理を行う。
次に、本発明の有機系の放射性廃棄物の処理システムの一実施の形態を用いた具体的な処理方法を図1及び図3を用いて説明する。
図1に示す有機系の放射性廃棄物の処理システムにおいて、まず、廃棄物貯蔵タンク7から廃樹脂Sを約10wt%のスラリ状にして一定量抜き出し化学除染システム1の受入タンク11に受け入れる。受入タンク11内の廃樹脂Sを廃樹脂移送配管14を介して廃樹脂移送ポンプ21により化学反応槽13に移送する。化学反応槽13内の水分は、その重量が廃樹脂Sの重量と同程度になるように調整される。
次に、化学反応槽13内の廃樹脂Sに対して、洗浄液供給タンク12から洗浄液供給配管15を介して洗浄液供給ポンプ22により洗浄液を供給して化学除染を行う(図3の工程S10)。
具体的には、化学反応槽13内の廃樹脂Sに対して、72g/L程度のシュウ酸溶液を洗浄液として供給し、廃樹脂Sに付着したクラッドの溶解処理を行う(図3の工程S11)。このシュウ酸溶液は、飽和溶解液であり、その濃度は0.8mol/L程度である。シュウ酸溶液の供給量は、廃樹脂Sの重量と同程度としている。なお、洗浄液として、ギ酸やクエン酸等の還元性のあるシュウ酸以外の有機酸溶液の使用が可能である。このとき、化学反応槽13を加熱装置24により加温することでクラッドの溶解処理を促進させることができる。このときの加熱温度は、溶解処理の促進効果を考慮して、100℃未満とする。なお、廃樹脂Sには、一般的に、廃樹脂Sの約10%程度の重量のクラッドが付着している。
その後、この溶解処理で発生したクラッド溶解液(除染廃液)を除染廃液移送配管18を介して洗浄液回収装置17に移送し、クラッド溶解液からシュウ酸(洗浄液成分)のみを洗浄液回収装置17により回収する。回収したシュウ酸を戻り配管19を介して除染廃液移送ポンプ23により洗浄液供給タンク12に受け入れ、再びクラッドの溶解処理に使用する。発生したクラッド溶解液は、最終的には、除染廃液分解システム2の除染廃液移送配管34を介して除染廃液分解槽33に移送される。このクラッド溶解処理(図3の工程S11)では、廃樹脂Sに吸着されている放射性イオンが一部溶離する。
さらに、化学反応槽13に残る、クラッドの溶解した廃樹脂Sに対して、洗浄液供給タンク12から40〜400g/L程度のギ酸ヒドラジン溶液を洗浄液として連続供給し、廃樹脂Sに吸着された放射性イオンの溶離処理を行う(図3の工程S12)。ギ酸ヒドラジン溶液は、pH5程度とし、その供給量を廃樹脂Sの重量と同程度としている。なお、洗浄液として、シュウ酸や酢酸、クエン酸のヒドラジン塩等のギ酸ヒドラジン以外の還元性のある有機酸塩の代用が可能である。この溶離処理は、上述のクラッド溶解処理と異なり、化学反応槽13を加温せずに室温で行う。
その後、上述のクラッド溶解処理と同様に、イオン溶離処理で発生するイオン溶離液(除染廃液)からギ酸ヒドラジン(洗浄液成分)のみを洗浄液回収装置17により回収し、回収したギ酸ヒドラジンを洗浄液供給タンク12に受け入れ、再び放射性イオンの溶離処理に使用する。発生したイオン溶離液は、最終的には、除染廃液移送配管34を介して除染廃液分解槽33に移送される。
上記の化学除染(図3の工程10)により、廃樹脂Sから放射性核種が除去され、廃樹脂Sの放射線量が低減される。なお、上記のクラッド溶解処理(図3の工程S11)において、洗浄液をシュウ酸とした場合、廃樹脂Sに吸着されたCo−60に対して除染性能はDF4程度であった。一方、上記のイオン溶離処理(図3の工程S12)において、洗浄液をギ酸ヒドラジンとした場合、DF1000以上であった。すなわち、吸着したCo−60に対する除染性能は、ギ酸ヒドラジンの方がシュウ酸より高く、有機酸単独で廃樹脂Sを化学除染する場合よりも、有機酸と有機酸塩を併用して化学除染する方が、廃樹脂Sの放射線量の低減効果を向上させることができる。
次に、化学除染されて低線量となった廃樹脂Sを、約10wt%のスラリ状で化学反応槽13から抜き出し、廃樹脂廃棄体化システム5の除染廃樹脂受入タンク61に受け入れる。その後、除染済廃樹脂の一定量を既設の焼却設備62で焼却する(図3の工程S20)。このように、廃樹脂Sの放射線量を低減することにより、新たな設備を導入することなく、原子力発電所に備えられている既設の焼却設備62で廃樹脂Sを焼却して減容することができる。
また、上述のクラッド溶解処理及びイオン溶離処理により発生し、除染廃液分解槽33に移送された高線量の除染廃液(クラッド溶解液及びイオン溶離液)に対して、除染廃液中に含まれる洗浄液成分(有機酸及び有機酸塩)の分解処理を行う(図3の工程S30)。
具体的には、先ず、除染廃液分解槽33内の除染廃液に対して、過酸化水素供給装置32から過酸化水素を注入し、除染廃液中のヒドラジンを先に窒素と水とに分解する。除染廃液中のヒドラジンの濃度が数十ppm程度になるまで上記処理を行う。このとき、分解性能を向上させるためにRu−C等の触媒を使用することが可能である。次に、オゾン供給装置31からオゾンを注入し、除染廃液中に残存する有機物(シュウ酸、ギ酸等)を二酸化炭素や水等に分解する。
上述のように除染廃液中の有機酸及び有機酸塩を酸化分解することにより、除染廃液は無機化される。また、クラッドの溶解している還元性のある有機酸が分解されることで、除染廃液中に溶解しているクラッド成分及びクラッド状放射性核種が析出する。この分解処理では、過酸化水素及びオゾンという酸化剤を用いているため、クラッド成分及びクラッド状放射性核種は酸化物(Co−60やNb−94等の酸化化合物)として析出する。さらに、除染廃液中に溶離している放射性イオンの一部であるNi−59/63等の重金属イオンも酸化剤により酸化物として析出する。このため、除染廃液の分解処理により発生した分解廃液中に含まれる固形分は、これらの酸化物や溶離した放射性イオン、その他の塩となり、分解廃液は約10%のスラリとなる。
上述の除染廃液の分解処理(図3の工程S30)において、除染廃液中の有機酸及び有機酸塩に対してオゾンのみで分解処理を行わない理由は、ヒドラジンとオゾンが反応すると、窒素と水以外に硝酸が発生し、除染廃液中の固形分が増加するためである。除染廃液中の固形分(硝酸)が増加すると、その処理・除去システム及び工程が必要となり、除染廃液の効率的な処理を行うことができない。そこで、ヒドラジンを先に過酸化水素で分解処理することで固形分の増加を防止している。
次に、除染廃液分解槽33で発生した約10wt%のスラリ状の分解廃液を、放射性固形物回収システム3の第1の分解廃液移送配管45を介してろ過装置41に一定量移送し、一定圧(1MPa以下)をかけてろ過装置41の多層構造の無機系フィルタ41a(図2参照)により分解廃液から固形物(放射性核種を含む酸化物)をろ過分離させる(図3のS41)。このとき、フィルタ41aは、スラリ状の放射性核種を純粋な固形物Rとして回収する(図2参照)。フィルタ41aは、約10wt%のスラリをろ過しても目詰まりが起こりにくいので、交換頻度が少なく、効率的に放射性固形物を除去可能である。このフィルタ41aは繰り返し使用され、その繰り返し回数は分解廃液の性状によって設定する。
次いで、ろ過装置41により放射性固形物を分離した分解廃液を、放射性イオン回収システム4の第2の分解廃液移送配管55を介して放射性イオン回収装置51に移送し、放射性イオン回収装置51の無機系吸着材により分解廃液から放射性イオンを吸着分離させる(図3の工程S42)。このとき、この無機系吸着材により、ろ過装置41のフィルタ41aで回収しきれなかった放射性固形物もろ過回収される。無機系吸着材は、放射性イオンを所定量の放射能濃度になるまで繰り返し吸着させる。所定量の放射能濃度は、処理する廃樹脂Sごとに設定する。
ろ過装置41及び放射性イオン回収装置51により分解廃液から放射性核種を分離して残った分離廃液を、分離廃液移送配管56を介して分離廃液受入タンク52で受け入れる。この分離廃液は、放射線量が低下しているので、既設の液体廃棄物処理系統に移送して処理水として処理することができる。このため、廃樹脂Sの化学除染により発生した高線量の除染廃液を処理するための、大規模な排ガス設備を備える蒸発濃縮設備が不要となる。
また、ろ過装置41により回収した放射性固形物及びろ過装置41の使用済フィルタ41aに対しては、水切り等の乾燥処理を行い、クラッド受入タンク42に移送する。また、放射性イオンを吸着した放射性イオン回収装置51の使用済無機系吸着材に対しては、乾燥・脱水処理装置53により乾燥又は脱水処理を行う。これら固形物、使用済フィルタ41a、使用済無機系吸着材を、固化設備44に移送し、セメントやガラス等の固型化材により固化処理する。
このように、二次廃棄物として処理される放射性固形物(クラッド)は、純粋な固形物として回収されるので、放射性廃棄物全体としての減容性を損なうことがない。また、無機系吸着材の使用量は処理対象である廃樹脂Sの容量の1/100程度であるので、二次廃棄物として処理される使用済吸着材の発生量は少なく、放射性廃棄物全体としての減容性を損なうことがない。
上述したように、本発明の有機系の放射性廃棄物の処理システム及び処理方法の一実施の形態によれば、有機系の放射性廃棄物(廃樹脂S)の化学除染により発生した高線量の除染廃液中に含まれる放射性核種を放射性固形物回収システム3の多層構造の無機系フィルタ41a及び放射性イオン回収システム4の無機系吸着材により回収するので、蒸発濃縮設備や乾燥粉体化処理設備のような大規模な設備を使用することなく、二次廃棄物を含む放射性廃棄物全体の効率的で高い減容化処理が可能となる。
すなわち、高線量の除染廃液中に含まれる放射性固形物をろ過回収すると共に放射性イオンを吸着回収するので、最終的に残った分離廃液を処理水として既設の液体系廃棄物処理系統で処理可能で、大規模な設備である蒸発濃縮設備や乾燥粉体化処理設備が不要となる。また、ろ過装置41は物理的に簡易な構造であり、放射性イオン回収装置51の無機系吸着材の使用量は廃樹脂Sと比較して少量でよいので、放射性核種を回収するろ過装置41及び放射性イオン回収装置51は蒸発濃縮設備等よりも小規模な設備とすることができる。
また、上記処理に伴い発生する放射性固形物、使用済無機系フィルタ及び使用済無機系吸着材等の二次廃棄物の発生量も処理対象である廃樹脂Sに対して十分少ないので、放射性廃棄物全体に対する高い減容性を確保することができる。さらに、多層構造の無機系フィルタ41aは、中空糸膜フィルタよりも目詰まりが生じにくいので、交換頻度が少なく、放射性核種を効率的に除去することができる。
また、本実施の形態によれば、廃樹脂Sに付着したクラッドを還元性のある有機酸により溶解することで化学除染し、クラッドの溶解している有機酸を分解して無機化することで除染廃液中の放射性核種を固形物として析出させるので、除染廃液中の放射性核種を鉄イオン等の投入により析出させる場合と比較して、析出する放射性固形物の容量が少なくなる。すなわち、二次廃棄物である放射性固形物の発生量が抑制される。このため、放射性廃棄物全体としての高い減容性を確保することができる。
さらに、本実施の形態によれば、有機酸と有機酸塩とを併用して化学除染するので、有機酸単独で化学除染する場合より、廃樹脂Sに吸着した放射性核種を効率的に溶離することができる。そのため、廃樹脂Sの放射線量がより低減され、廃樹脂Sを確実に既設の焼却設備62で減容化処理することができる。
また、本実施の形態によれば、除染廃液から洗浄液成分(有機酸及び有機酸塩)のみを洗浄液回収装置17により回収して化学除染に再利用するので、洗浄液の消費量を抑制することができる。
[その他の実施の形態]
なお、上述した本発明の有機系の放射性廃棄物の処理システム及び処理方法の一実施の形態においては、放射性イオン回収装置51の無機系吸着材として、主にセシウムを一部ヨウ素等も吸着するゼオライトを一種類用いた例を示したが、セシウム以外のストロンチウム、ヨウ素、テクネチウム等の複数の放射性核種を吸着するために、複数種の無機系吸着材を併用することもできる。例えば、ゼオライトの他に、主にストロンチウムを吸着するTi含有複合酸化物系吸着材や主にテクネチウム及びヨウ素を吸着する酸化アルミニウム系吸着材、主にセシウム及びストロンチウムを吸着するシリカ系吸着材を併用することができる。これにより、除染廃液中に含まれる複数種の放射性イオンをゼオライトのみの場合よりも確実に吸着回収することができる。このため、分離廃液の放射線量がより低下するので、分離廃液を処理水として確実に既設の液体系廃棄物処理系統で処理することができる。
また、上述した実施の形態においては、化学除染工程S11及びS12で処理すべき廃樹脂Sのクラッド成分が少ない場合、廃液分解工程S30で析出する放射性固形物の析出量が少なくなるので、放射性固形物回収工程S41を省略して、放射性イオン回収工程S42のみで放射性固形物及び放射性イオンを回収することも可能である(図3参照)。すなわち、廃液分解工程S30における放射性固形物の析出量が放射性イオン回収工程S42における無機系吸着材の物理的なろ過回収可能な量である場合には、放射性固形物回収工程S41を省略することができる。
放射性固形物回収工程S41を省略可能な構成として、例えば、図1に示す放射性固形物回収システム3の第1の分解廃液移送配管45と放射性イオン回収システム4の第2の分解廃液移送配管55とを接続し、分解廃液を放射性固形物回収システム3のろ過装置41を迂回して放射性イオン回収システム4の放射性イオン回収装置51に移送可能とするバイパス配管58(二点鎖線で示す)を設ける。このような構成とすることにより、除染廃液の効率的な処理が可能となる。
なお、上述した実施の形態においては、ろ過装置41により回収した放射性固形物、ろ過装置41の使用済無機系フィルタ41a、及び放射性イオン回収装置51の使用済無機系吸着材を同一の固化設備44で固化処理する構成の例を示したが(図1参照)、ろ過装置41と放射性イオン回収装置51の各々に対して別個の固化設備を用いることも可能である。
また、上述した実施の形態においては、放射性固形物、使用済無機系フィルタ、及び使用済無機系吸着材を固化設備44で固化処理する例を示したが(図1及び図3参照)、これらを固化処理することなく、角型容器やドラム缶等の容器内充填設備で充填したまま保管することも可能である。
なお、上述した実施の形態においては、除染済みの廃樹脂を焼却設備62で焼却して減容する例を示したが(図1参照)、除染済廃樹脂は、セメント固化設備でセメント固化することで廃棄体化処理することも可能である。
また、本発明は上述した一実施の形態に限られるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施形態は本発明をわかり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、一実施形態の構成の一部をその他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、一実施形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
1 化学除染システム
2 除染廃液分解システム
3 放射性固形物回収システム
4 放射性イオン回収システム
12 洗浄液供給タンク
13 化学反応槽
14 洗浄液供給配管
17 洗浄液回収装置
18 除染廃液移送配管
19 戻り配管
31 オゾン供給装置
32 過酸化水素水供給装置
33 除染廃液分解槽
41 ろ過装置
41a 多層構造の無機系フィルタ
51 放射性イオン回収装置
58 バイパス系統(バイパス配管)
S10 化学除染工程
S30 除染廃液分解工程
S41 放射性固形物回収工程
S42 放射性イオン回収工程
S 廃樹脂(有機系の放射性廃棄物)

Claims (8)

  1. 有機系の放射性廃棄物が供給され、前記有機系の放射性廃棄物を有機酸及び有機酸塩により化学除染する化学除染システムと、
    前記化学除染システムから化学除染により発生する除染廃液が移送され、前記除染廃液中に含まれる前記有機酸及び前記有機酸塩を無機物に分解して放射性固形物を析出させる除染廃液分解システムと、
    前記除染廃液分解システムから前記除染廃液の分解処理により発生する分解廃液が移送され、前記分解廃液中に析出している前記放射性固形物を回収する多層構造の無機系フィルタを有する放射性固形物回収システムと、
    前記放射性固形物回収システムから前記分解廃液が移送され、前記分解廃液中に含まれる放射性イオンを回収する無機系吸着材を有する放射性イオン回収システムとを備え、
    前記有機酸塩は、有機酸のヒドラジン塩であり、
    前記除染廃液分解システムは、過酸化水素を供給する過酸化水素供給装置と、オゾンを供給するオゾン供給装置と、前記過酸化水素供給装置から供給される過酸化水素により前記有機酸塩のヒドラジン塩を分解すると共に前記オゾン供給装置から供給されるオゾンにより前記有機酸を分解する除染廃液分解槽とを有する
    ことを特徴とする有機系の放射性廃棄物の処理システム。
  2. 請求項1に記載の有機系の放射性廃棄物の処理システムにおいて、
    前記除染廃液分解システムからの前記分解廃液を前記放射性固形物回収システムを迂回して前記放射性イオン回収システムに移送するバイパス系統を更に備える
    ことを特徴とする有機系の放射性廃棄物の処理システム。
  3. 請求項1に記載の有機系の放射性廃棄物の処理システムにおいて、
    前記無機系フィルタは、ガラス繊維フィルタ又はセラミックスフィルタである
    ことを特徴とする有機系の放射性廃棄物の処理システム。
  4. 請求項1に記載の有機系の放射性廃棄物の処理システムにおいて、
    前記放射性イオン回収システムは、シリカ系吸着材、酸化アルミニウム系吸着材、及びTi含有複合酸化物系吸着材のうち少なくとも1つと、ゼオライト系吸着材とを有する
    ことを特徴とする有機系の放射性廃棄物の処理システム。
  5. 請求項1に記載の有機系の放射性廃棄物の処理システムにおいて、
    前記化学除染システムは、前記有機酸及び前記有機酸塩を供給する洗浄液供給タンクと、前記洗浄液供給タンクから供給される前記有機酸及び前記有機酸塩により前記有機系の放射性廃棄物を化学除染する化学反応槽と、前記洗浄液供給タンクと前記化学反応槽とを接続する洗浄液供給配管と、前記除染廃液中に含まれる前記有機酸及び前記有機酸塩を回収する洗浄液回収装置と、前記化学反応槽と前記洗浄液回収装置の入口側とを接続する除染廃液移送配管と、前記洗浄液回収装置の出口側と前記洗浄液供給タンクとを接続し、前記洗浄液回収装置で回収した前記有機酸及び前記有機酸塩を前記洗浄液供給タンクに戻す戻り配管とを有する
    ことを特徴とする有機系の放射性廃棄物の処理システム。
  6. 有機系の放射性廃棄物を有機酸及び有機酸塩により化学除染する化学除染工程と、
    前記化学除染工程で発生した除染廃液中に含まれる前記有機酸及び前記有機酸塩を無機物に分解し、放射性核種の一部を放射性固形物として析出させる除染廃液分解工程と、
    前記除染廃液分解工程で発生した分解廃液中に析出している前記放射性固形物を多層構造の無機系フィルタによりろ過回収する放射性固形物回収工程と、
    前記除染廃液分解工程で発生した分解廃液中に含まれる放射性イオンを無機系吸着材により吸着回収する放射性イオン回収工程とを備え、
    前記有機酸塩は、有機酸のヒドラジン塩であり、
    前記除染廃液分解工程は、前記有機酸塩のヒドラジン塩を過酸化水素により無機物に分解する第1の分解工程と、前記第1の分解工程後に前記有機酸をオゾンにより無機物に分解する第2の分解工程とを有する
    ことを特徴とする有機系の放射性廃棄物の処理方法。
  7. 有機系の放射性廃棄物を有機酸及び有機酸塩により化学除染する化学除染工程と、
    前記化学除染工程で発生した除染廃液中に含まれる前記有機酸及び前記有機酸塩を無機物に分解し、放射性核種の一部を放射性固形物として析出させる除染廃液分解工程と、
    前記除染廃液分解工程で発生した分解廃液中に析出している前記放射性固形物及び前記除染廃液分解工程で発生した分解廃液中に含まれる放射性イオンを無機系吸着材により回収する高線量残渣回収工程とを備え、
    前記有機酸塩は、有機酸のヒドラジン塩であり、
    前記除染廃液分解工程は、前記有機酸塩のヒドラジン塩を過酸化水素により無機物に分解する第1の分解工程と、前記第1の分解工程後に前記有機酸をオゾンにより無機物に分解する第2の分解工程とを有する
    ことを特徴とする有機系の放射性廃棄物の処理方法。
  8. 請求項6又は7に記載の有機系の放射性廃棄物の処理方法において、
    前記化学除染工程において、前記除染廃液中に含まれる前記有機酸及び前記有機酸塩を回収し、前記回収した有機酸及び有機酸塩を前記有機系の放射性廃棄物の化学除染に再使用する
    ことを特徴とする有機系の放射性廃棄物の処理方法。
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