JP2013186020A - 吸着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】重金属イオンや放射性セシウム等の有害成分を含有する溶液から、これらを効率良く分離し、分離した有害成分を容易に回収する方法を提供する。
【解決手段】支持体上にセシウム吸着性化合物からなる層を設けた吸着剤、そのセシウム吸着性化合物からなる層に磁性体粒子を含有させた吸着剤、支持体上にセシウム吸着性化合物からなる層と磁性体粒子からなる層が設けられたことを特徴とする吸着剤を用いることにより、セシウムを含有する溶液から効率良くセシウムを分離し、かつ容易にセシウム吸着物を分離回収する。
【選択図】なし
【解決手段】支持体上にセシウム吸着性化合物からなる層を設けた吸着剤、そのセシウム吸着性化合物からなる層に磁性体粒子を含有させた吸着剤、支持体上にセシウム吸着性化合物からなる層と磁性体粒子からなる層が設けられたことを特徴とする吸着剤を用いることにより、セシウムを含有する溶液から効率良くセシウムを分離し、かつ容易にセシウム吸着物を分離回収する。
【選択図】なし
Description
本発明は、少なくともセシウムを含有する溶液から、効率良くセシウムを分離し、分離したセシウムを容易に回収する方法に関するものである。
セシウムは、試薬、光電変換素子、光学結晶、光学ガラス等の製造に用いられているレアメタルであり、地熱水等からセシウムを分離回収する技術は、資源確保の観点から重要である。また原子力利用施設から発生する廃液中には放射性セシウムが含まれており、このものを効率良く分離する技術が開発されてきた。さらに2011年に起きた福島第一原子力発電所の事故においては、放射性セシウムが広範囲に飛散し、さまざまな物質に付着した放射性セシウムを分離する技術が必要となってきた。
セシウムの分離に用いられる素材としては、ゼオライト、結晶質四チタン酸、スメクタイト、不溶性フェロシアン化物、リンモリブデン酸アンモニウム、シリコチタネート等が古くから知られている。しかしながらこれらの素材単独では、セシウムを含有する溶液から固液分離する際のハンドリング性が悪いため、種々の担体との複合化が検討されてきた。担体としては例えば、ベントナイト、シリカゲル、水酸化ジルコニウム、多孔性樹脂、有機ゲル等が取り上げられてきた。
複合体の具体例としては例えば、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅と陰イオン交換樹脂との複合体(非特許文献1)、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅と多孔性樹脂との複合体(特許文献1)、リンモリブデン酸アンモニウムとアルギン酸カルシウムゲルとの複合体(特許文献2)、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅とアルギン酸カルシウムゲルとの複合体(特許文献3)等を挙げることができる。
これらの複合体を用いて溶液からセシウムの分離を行う方法としては、複合体とセシウム含有溶液を一定時間接触させてから濾別する方法、複合体をカラムに充填してその中にセシウム含有溶液を流す方法等がある。いずれの場合においても、セシウム含有溶液が何らかの夾雑物を含む場合には、予めこれらを除く必要がある。特に夾雑物が汚泥、土壌、焼却灰等に由来する物質の場合には、この除去作業は多大な労力を要する。結果として、夾雑物を含むセシウム溶液から、これまで知られてきた複合体を用いる方法によりセシウムを分離することは極めて困難であった。
Journal of Nuclear Science and Technology、第2巻、321〜322ページ(1965年)
本発明の課題は、重金属イオンや放射性セシウム等の有害成分を含有し、夾雑物が混在する溶液から、夾雑物を取り除くことなく、効率良くこれら有害成分を分離し、回収することが可能な吸着剤を提供することにある。
上記課題を鋭意研究し、支持体上にセシウム吸着性化合物からなる層を設けた吸着剤、そのセシウム吸着性化合物からなる層に磁性体粒子を含有させた吸着剤、支持体上にセシウム吸着性化合物からなる層と磁性体粒子からなる層を設けた吸着剤を用いることにより、セシウムを含有する溶液から効率良くセシウムを分離し、かつ容易にセシウム吸着物を分離できることを見いだして、本発明に到達した。
本発明においては、支持体上にセシウム吸着性化合物からなる層を設けた吸着剤をセシウム含有溶液に浸漬させた後、回収する。吸着剤は、攪拌等による液の移動、循環によりセシウムを吸着させる。セシウム含有溶液が汚泥、土壌、焼却灰等に由来する夾雑物を含んでいても、予めこれらを除くことなく吸着処理を行い、セシウムを吸着した吸着剤だけを取り出すことにより、容易に液中からセシウムを除去することが可能である。この吸着剤におけるセシウム吸着性化合物からなる層に磁性体粒子を含有させる、または、支持体上にさらに磁性体粒子からなる層を設けることにより、磁気分離し、より簡便に回収することができる。夾雑物が汚泥、土壌、焼却灰等に由来する物質であっても、分離には何ら影響しない。その結果、本発明においてはセシウム含有溶液から、極めて短時間かつ簡単な操作によりセシウムを分離することが可能になる。
本発明に使用される支持体は、透明、半透明、及び不透明のいずれであってもよく、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、セラミック紙、ガラス板、蒸着シート等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができる。その中でも不織布は、厚み、空隙率、表面積の制御が容易で、安価に大量生産できることから、好ましく用いられる。支持体の厚みは、特に制限されるものではないが、10〜300μmが好ましい。10μm未満だと、支持体としての機械的強度に劣り、破断等の問題を引き起こす場合があり、300μmより大きいと剛性が高くなり、製造時のハンドリングに困難が生ずることがある。
不織布を構成する繊維としては、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ジエン系樹脂、及びポリウレタン系樹脂等の熱可塑性合成樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂よりなる繊維が挙げられる。また、木材パルプ、楮、三椏、藁、ケナフ、竹、リンター、バガス、エスパルト、サトウキビ等の植物繊維、あるいはこれらを微細化したものを用いることができ、さらに、セルロース再生繊維であるレーヨン繊維、アセテート等の半合成繊維、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂系繊維、シリコーン樹脂系繊維等を使用することもできる。本発明では、製造時の加工性が失われない範囲で、ステンレスやニッケルウール等の金属繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ガラス繊維等も用いることができる。
本発明に用いられるセシウム吸着性化合物としては特に制限はなく、公知のものを用いることができる。例えば、ゼオライト、結晶質四チタン酸、スメクタイト、不溶性フェロシアン化物、リンモリブデン酸アンモニウム、リンタングステン酸アンモニウム、シリコチタネート等を挙げることができる。セシウム吸着性化合物を粉体として入手し、支持体上に少なくともセシウム吸着性化合物からなる層を設けて本発明の吸着剤を得る場合、セシウム吸着性化合物の粒径は、特に制限されるものではないが、0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満では、製造時のハンドリングが困難になり、100μmを超えると、製造後、支持体から脱落する場合がある。
本発明に用いられる磁性体粒子としては特に制限はなく、磁性を示すあらゆる材料を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の金属またはこれらを主成分とする磁性合金の粉末、四三酸化鉄、三二酸化鉄、コバルト添加酸化鉄、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の金属酸化物系磁性体の粉末が挙げられる。磁性体粒子の粒径は0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満では、製造時のハンドリングが困難になり、100μmを超えると、製造後、支持体から脱落する場合がある。
本発明の吸着剤において、支持体にセシウム吸着性化合物、または磁性体粒子からなる層を設ける方法としては、塗工分野において知られている各種コーティング法を用いることができる。コーティング液としては、セシウム吸着性化合物、または磁性体粒子を含有する溶液または分散液を使用する。媒体としては、水、水とアルコール類、ケトン類、芳香族等の有機溶剤との混合液を好適に用いることができる。コーティング方法の具体例としては、サイズプレス、ゲートロールコーター、エアナイフコーター、ロールナイフコーター、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、コンマコーター、バーコーター、キスコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、カーテンコーター、ファウンテンコーター、スプレーコーター機等の塗工、または含浸装置を使用することができる。
支持体にセシウム吸着性化合物、または磁性体粒子からなる層を設けた後、表面の平滑性を制御するため、必要に応じて、カレンダー処理等の表面処理を行うことができる。
本発明の吸着剤において、セシウム吸着性化合物、または磁性体粒子を支持体に結着させるため、セシウム吸着性化合物、または磁性体粒子を含有する溶液または分散液にバインダーを含有させることが好ましい。バインダーの含有率は、セシウム吸着性化合物、または磁性体粒子に対して1〜50質量%が好ましく、特に1〜20質量%となるようにするのが好ましい。含有率が1質量%を下回ると磁性体粒子、セシウム吸着性化合物と支持体との結着強度が低下して、セシウム吸着性化合物、磁性体粒子が支持体から脱離しやすくなるので好ましくない。含有率が50質量%を上回ると、有害成分の吸着効率が低下するので好ましくない。
本発明の吸着剤に用いられるバインダーの種類に特に制限はなく、塗工分野において知られているバインダーを用いることができる。具体的には例えばセメント、石膏、水ガラス、鉱物等の無機系バインダー、デンプン、カゼイン、ゼラチン、キトサン類等の天然有機系水溶性バインダー、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等)、セルロース系樹脂(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等の合成有機系水溶性バインダー、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ(スチレン/ブタジエン)樹脂、ポリ(エチレン/酢酸ビニル)樹脂、ニトリルゴム等の非水溶性樹脂を水中に分散させたバインダー等が挙げられ、これらのうちの1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用することもできる。さらに、これらの樹脂を変性した変性樹脂のエマルジョンも使用できる。
これらのバインダーの耐水性を向上するには、架橋剤を使用する方法や加熱により結晶化を促進する方法がある。架橋剤としては特に制限はなく、公知のものを用いることができる。例えば、オキサゾリンポリマー、水溶性エポキシ化合物、水溶性メラミン化合物、水分散ブロックイソシアネート、水系アジリジン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物、ケイ素化合物、アルデヒド化合物、ホウ酸等を挙げることができる。
有害成分を含む溶液と本発明の吸着剤の接触方法としては、吸着剤を設置した装置に溶液を投入し、攪拌、もしくはポンプ等で循環させる方法、フィルター状に成型した吸着剤に溶液を通水する方法、溶液に吸着剤を投入し攪拌する方法等が挙げられる。攪拌する方法としては、攪拌羽根で攪拌する方法やエアレーション等の曝気による方法等を例示することができる。有害成分を含む溶液と吸着剤の接触時間は、10分〜2時間が好ましい。接触時間が10分より短いと、有害成分の吸着が不十分となることがある。2時間より長く接触させても、吸着がすでに平衡に達しているため作業効率上好ましくない上に、長時間の攪拌が吸着剤の機械的な強度に悪影響を与えることがある。
有害成分を含む溶液に対する、本発明の吸着剤の添加量に制限はなく、有害成分が目的とするレベルまで除去される添加量を、有害成分の濃度に応じて実験的に定めれば良い。
本発明の吸着剤は、セシウム吸着性化合物が支持体に結着しているため、有害成分を吸着した吸着剤を溶液内から容易に回収することができる。また、有害成分を含む溶液に汚泥、土壌、焼却灰等の固形物が混在していても、それらと吸着剤を分離して回収することが可能である。特に、磁性体粒子を含有させた吸着剤は、永久磁石、電磁石、超電導磁石によって短時間に集磁され、有害成分が除かれた溶液から容易に分離、回収することができる。磁気による回収に用いられる磁気分離装置に関して特に制限はない。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の百分率は、特にことわりのない場合、質量基準である。
<不織布Aの作製>
ビニロン繊維(繊度1.7デシテックス、繊維長50mm)/ビニロン繊維(繊度7.8デシテックス、繊維長50mm)/ポリエステル系繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長50mm)=40/40/20の質量比で解繊混合し、28g/m2のウェブを作製し、該ウェブにアクリル樹脂エマルジョンを有効成分換算で22g/m2含浸、乾燥させて強度を付与して、坪量50g/m2のケミカルボンド不織布を作製した。
ビニロン繊維(繊度1.7デシテックス、繊維長50mm)/ビニロン繊維(繊度7.8デシテックス、繊維長50mm)/ポリエステル系繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長50mm)=40/40/20の質量比で解繊混合し、28g/m2のウェブを作製し、該ウェブにアクリル樹脂エマルジョンを有効成分換算で22g/m2含浸、乾燥させて強度を付与して、坪量50g/m2のケミカルボンド不織布を作製した。
<吸着剤サンプル1の作製>
セシウム吸着性化合物としてゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィル)80%、バインダーとしてポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水性塗液を調製し、作製した不織布Aの片面にキスコーターにて塗工量が62g/m2になるように塗工して、坪量112g/m2の吸着剤サンプル1を作製した。
セシウム吸着性化合物としてゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィル)80%、バインダーとしてポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水性塗液を調製し、作製した不織布Aの片面にキスコーターにて塗工量が62g/m2になるように塗工して、坪量112g/m2の吸着剤サンプル1を作製した。
<吸着剤サンプル2の作製>
セシウム吸着性化合物としてゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィル)80%、バインダーとしてポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水性塗液を調製し、作製した不織布Aの両面にキスコーターにて片面の塗工量がそれぞれ31g/m2になるように塗工して、坪量112g/m2の吸着剤サンプル2を作製した。
セシウム吸着性化合物としてゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィル)80%、バインダーとしてポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水性塗液を調製し、作製した不織布Aの両面にキスコーターにて片面の塗工量がそれぞれ31g/m2になるように塗工して、坪量112g/m2の吸着剤サンプル2を作製した。
<吸着剤サンプル3の作製>
ゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィルCP)40%、磁性体粒子として平均粒子径2μmの四三酸化鉄40%、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水溶性塗液を調製し、作製した不織布Aの片面にキスコーターにて塗工量が124g/m2になるように塗工して、坪量174g/m2の吸着剤サンプル3を作製した。
ゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィルCP)40%、磁性体粒子として平均粒子径2μmの四三酸化鉄40%、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水溶性塗液を調製し、作製した不織布Aの片面にキスコーターにて塗工量が124g/m2になるように塗工して、坪量174g/m2の吸着剤サンプル3を作製した。
<吸着剤サンプル4の作製>
ゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィル)80%、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水性塗液を調製し、作製した不織布Aにキスコーターにて塗工量が62g/m2になるように塗工した後、ゼオライト層を設けた面と反対の面に平均粒子径2μmの四三酸化鉄80%、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水性塗液をキスコーターにて塗工量が62g/m2になるように塗工して、坪量174g/m2の吸着剤サンプル4を作製した。
ゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィル)80%、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水性塗液を調製し、作製した不織布Aにキスコーターにて塗工量が62g/m2になるように塗工した後、ゼオライト層を設けた面と反対の面に平均粒子径2μmの四三酸化鉄80%、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水性塗液をキスコーターにて塗工量が62g/m2になるように塗工して、坪量174g/m2の吸着剤サンプル4を作製した。
<吸着剤サンプル5の作製>
平均粒子径2μmの四三酸化鉄80%、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水性塗液を、作製した不織布Aの両面にキスコーターにて片面塗工量が31g/m2になるように塗工した後、ゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィル)80%、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水性塗液を両面にキスコーターにて片面塗工量が31g/m2になるように塗工して、坪量174g/m2の吸着剤サンプル5を作製した。
平均粒子径2μmの四三酸化鉄80%、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水性塗液を、作製した不織布Aの両面にキスコーターにて片面塗工量が31g/m2になるように塗工した後、ゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィル)80%、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水性塗液を両面にキスコーターにて片面塗工量が31g/m2になるように塗工して、坪量174g/m2の吸着剤サンプル5を作製した。
<比較サンプル1の作製>
作製した不織布Aに、平均粒子径2μmの四三酸化鉄80%、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水溶性塗液を調製し、キスコーターにて塗工量が62g/m2になるように塗工して、坪量112g/m2の比較サンプル1を作製した。
作製した不織布Aに、平均粒子径2μmの四三酸化鉄80%、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680)20%を含有してなる水溶性塗液を調製し、キスコーターにて塗工量が62g/m2になるように塗工して、坪量112g/m2の比較サンプル1を作製した。
実施例1
塩化セシウム6.33mgを蒸留水500mlに溶かして、セシウムイオン濃度が0.001%(10ppm)の水溶液を調製した。この液に10cm2分(ゼオライト量で50mg)の吸着剤サンプル1を加えて10秒攪拌、30分静置した後、水相の一部を取り出し、水相に残留しているセシウムイオン濃度をICP−MSで求めたところ1.6ppmであり、84%のセシウムイオンが除去されていることが分かった。残りをさらに攪拌しながら容器内部に磁石を30秒間挿入した後、ピンセットにて水相から取り出し、容器内部を観察したところ、残留固形物は認められず、セシウム吸収性化合物が吸着剤サンプル1より脱離せず、回収できたことを確認した。
塩化セシウム6.33mgを蒸留水500mlに溶かして、セシウムイオン濃度が0.001%(10ppm)の水溶液を調製した。この液に10cm2分(ゼオライト量で50mg)の吸着剤サンプル1を加えて10秒攪拌、30分静置した後、水相の一部を取り出し、水相に残留しているセシウムイオン濃度をICP−MSで求めたところ1.6ppmであり、84%のセシウムイオンが除去されていることが分かった。残りをさらに攪拌しながら容器内部に磁石を30秒間挿入した後、ピンセットにて水相から取り出し、容器内部を観察したところ、残留固形物は認められず、セシウム吸収性化合物が吸着剤サンプル1より脱離せず、回収できたことを確認した。
実施例2
吸着剤サンプル1を吸着剤サンプル2に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。セシウムイオン濃度は0.5ppmであり、95%のセシウムイオンが除去されていることが分かった。また、残留固形物は認められず、セシウム吸収性化合物が吸着剤サンプル2より脱離せず、回収できたことを確認した。
吸着剤サンプル1を吸着剤サンプル2に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。セシウムイオン濃度は0.5ppmであり、95%のセシウムイオンが除去されていることが分かった。また、残留固形物は認められず、セシウム吸収性化合物が吸着剤サンプル2より脱離せず、回収できたことを確認した。
実施例3
塩化セシウム6.33mgを蒸留水500mlに溶かして、セシウムイオン濃度が0.001%(10ppm)の水溶液を調製した。この液に10cm2分(ゼオライト量で50mg)の吸着剤サンプル3を加えて10秒攪拌、30分静置した後、水相の一部を取り出し、水相に残留しているセシウムイオン濃度をICP−MSで求めたところ2.3ppmであり、77%のセシウムイオンが除去されていることが分かった。サンプルを取り出した残りをさらに攪拌しながら容器内部に磁石を30秒間挿入した後、磁石を取り出し、攪拌を停止させ、容器内部を観察したところ、集磁されない残留固形物は認められず、セシウム吸収性化合物が吸着剤サンプル3より脱離せず、吸着剤サンプル3が磁気分離により回収できたことを確認した。
塩化セシウム6.33mgを蒸留水500mlに溶かして、セシウムイオン濃度が0.001%(10ppm)の水溶液を調製した。この液に10cm2分(ゼオライト量で50mg)の吸着剤サンプル3を加えて10秒攪拌、30分静置した後、水相の一部を取り出し、水相に残留しているセシウムイオン濃度をICP−MSで求めたところ2.3ppmであり、77%のセシウムイオンが除去されていることが分かった。サンプルを取り出した残りをさらに攪拌しながら容器内部に磁石を30秒間挿入した後、磁石を取り出し、攪拌を停止させ、容器内部を観察したところ、集磁されない残留固形物は認められず、セシウム吸収性化合物が吸着剤サンプル3より脱離せず、吸着剤サンプル3が磁気分離により回収できたことを確認した。
実施例4
吸着剤サンプル3を吸着剤サンプル4に変更した以外は、実施例3と同様の操作を行った。セシウムイオン濃度は、0.9ppmであり、91%のセシウムイオンが除去されていることが分かった。また、集磁されない残留固形物は認められず、セシウム吸収性化合物が吸着剤サンプル4より脱離せず、吸着剤サンプル4が磁気分離により回収できたことを確認した。
吸着剤サンプル3を吸着剤サンプル4に変更した以外は、実施例3と同様の操作を行った。セシウムイオン濃度は、0.9ppmであり、91%のセシウムイオンが除去されていることが分かった。また、集磁されない残留固形物は認められず、セシウム吸収性化合物が吸着剤サンプル4より脱離せず、吸着剤サンプル4が磁気分離により回収できたことを確認した。
実施例5
吸着剤サンプル3を吸着剤サンプル5に変更した以外は、実施例3と同様の操作を行った。セシウムイオン濃度は、0.4ppmであり、96%のセシウムイオンが除去されていることが分かった。また、集磁されない残留固形物は認められず、セシウム吸収性化合物が吸着剤サンプル5より脱離せず、吸着剤サンプル5が磁気分離により回収できたことを確認した。
吸着剤サンプル3を吸着剤サンプル5に変更した以外は、実施例3と同様の操作を行った。セシウムイオン濃度は、0.4ppmであり、96%のセシウムイオンが除去されていることが分かった。また、集磁されない残留固形物は認められず、セシウム吸収性化合物が吸着剤サンプル5より脱離せず、吸着剤サンプル5が磁気分離により回収できたことを確認した。
比較例1
吸着剤サンプル1を不織布Aに変更した以外は、実施例1と同様に操作した。セシウムイオン濃度は10ppmであり、セシウムイオンが全く除去されていなかった。
吸着剤サンプル1を不織布Aに変更した以外は、実施例1と同様に操作した。セシウムイオン濃度は10ppmであり、セシウムイオンが全く除去されていなかった。
比較例2
吸着剤サンプル1を比較サンプル1に変更した以外は、実施例1と同様に操作した。セシウムイオン濃度は10ppmであり、セシウムイオンが全く除去されていなかった。
吸着剤サンプル1を比較サンプル1に変更した以外は、実施例1と同様に操作した。セシウムイオン濃度は10ppmであり、セシウムイオンが全く除去されていなかった。
比較例3
吸着剤サンプル1をゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィル)粉末50mgに変更した以外は、実施例1と同様に操作した。セシウムイオン濃度は1.0ppmであり、90%のセシウムイオンが除去されていたが、集磁しても、全くゼオライトを回収することができなかった。
吸着剤サンプル1をゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィル)粉末50mgに変更した以外は、実施例1と同様に操作した。セシウムイオン濃度は1.0ppmであり、90%のセシウムイオンが除去されていたが、集磁しても、全くゼオライトを回収することができなかった。
実施例1〜5、比較例1〜3の結果から、本発明によれば有害成分を効率的に分離できるとともに、吸着剤を回収できることが示された。
実施例1〜5は、支持体にセシウム吸着性化合物が結着されているため、その吸着性能を損なうことなく、効率的にセシウムの吸着を行い、簡便な操作にて吸着剤を容器外に回収することができた。また、セシウム吸着性化合物が支持体より脱落することがなかった。一方、比較例1、2は、支持体にセシウム吸着性化合物が存在しないため、溶液中内のセシウム濃度を下げることができなかった。また、比較例3はセシウム吸着性化合物が支持体に結着されていないため、溶液中内のセシウム濃度を下げることができても、回収することができなかった。実施例2、5は、両面にセシウム吸着性化合物を含有する層を支持体の両面に有しているため、セシウムを効果的に吸着することができた。実施例3、4、5は、実施例1と比較して、支持体に磁性体粒子が結着されているため、磁気分離により、簡便に回収することができた。
Claims (3)
- 支持体上にセシウム吸着性化合物からなる層が設けられたことを特徴とする吸着剤。
- 支持体上にセシウム吸着性化合物からなる層が設けられた吸着剤において、セシウム吸着性化合物からなる層に磁性体粒子を含有させたことを特徴とする請求項1記載の吸着剤。
- 支持体上にセシウム吸着性化合物からなる層と磁性体粒子からなる層が設けられたことを特徴とする吸着剤。
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