JP6325891B2 - ガス抜き装置 - Google Patents

ガス抜き装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6325891B2
JP6325891B2 JP2014105021A JP2014105021A JP6325891B2 JP 6325891 B2 JP6325891 B2 JP 6325891B2 JP 2014105021 A JP2014105021 A JP 2014105021A JP 2014105021 A JP2014105021 A JP 2014105021A JP 6325891 B2 JP6325891 B2 JP 6325891B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rod
degassing
casting mold
vent hole
support rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014105021A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015217429A (ja
Inventor
康弘 岡崎
康弘 岡崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2014105021A priority Critical patent/JP6325891B2/ja
Publication of JP2015217429A publication Critical patent/JP2015217429A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6325891B2 publication Critical patent/JP6325891B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

本発明は、鋳造金型に設けられるガス抜き装置に関する。
低圧鋳造や重力鋳造等においては、ガスの巻き込みによる鋳造不良を回避するため、溶湯を充填する際にキャビティからガスを排出している。このため、金型には多数のガス抜きピンが設置されており、ピン周囲の隙間を通じてキャビティ内のガスが排出されている。ところで、ガス抜きピンの周囲に設けられる隙間は、溶湯の流入を防止する観点から、微小な隙間(例えば0.1mm)に設定されている。このため、キャビティからガスを良好に排出するためには、金型に対して多数のガス抜きピンを設置することが求められていた。しかしながら、キャビティ形状や冷却回路構造によっては、金型に対して多数のガス抜きピンを設置することが困難な場合も想定される。そこで、金型に大きなガス抜き孔を設けるとともに、ガス抜き孔を開閉するバルブ機構を設けるようにしたガス抜き装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開平8−197223号公報
ところで、特許文献1に記載のガス抜き装置においては、バルブ機構が溶湯圧力によって制御されるため、キャビティ形状によってはガス抜き孔を適切に開閉させることが困難であった。すなわち、溶湯圧力が上昇した瞬間にガス抜き孔が閉じられる構造であるため、良好にキャビティ内がガスから溶湯に置換されるように、溶湯圧力の検出位置やガス抜き孔の開口位置を設定することは困難となっていた。したがって、ガスを良好に排出するとともに設計自由度の高いガス抜き装置が所望されている。
本発明の目的は、ガスを良好に排出するガス抜き装置の設計自由度を高めることにある。
本発明のガス抜き装置は、キャビティと外部とを連通するガス抜き孔を備え且つ下部に湯口が形成された鋳造金型に設けられるガス抜き装置であって、前記鋳造金型に固定される固定部と、前記鋳造金型に対して移動可能である可動部と、を備える第1ロッドと、前記ガス抜き孔に移動可能に取り付けられ、前記ガス抜き孔を開閉するキャビティ側の弁体部と、前記可動部に連結される外部側の連結部と、を備える第2ロッドと、を有し、前記第1ロッドを構成する材料の熱膨張率は、前記第2ロッドを構成する材料の熱膨張率よりも大き前記第1ロッドの前記固定部は、前記ガス抜き孔の開口部よりも下方に設けられる。
本発明によれば、第1ロッドを構成する材料の熱膨張率は、第2ロッドを構成する材料の熱膨張率よりも大きいので、溶湯を充填する際の温度変化を利用してガス抜き孔を閉じることが可能となる。これにより、ガス抜き孔からガスを良好に排出することが可能となり、ガス抜き装置の設計自由度を高めることが可能となる。
低圧鋳造機を示す概略図である。 (a)および(b)は低圧鋳造機の鋳造手順を示す説明図である。 (a)および(b)は低圧鋳造機の鋳造手順を示す説明図である。 本発明の一実施の形態であるガス抜き装置を備えた鋳造金型を示す拡大図である。 ガス抜き装置の内部構造を示す説明図である。 (a)および(b)は溶湯の充填過程におけるガス抜き装置の作動状態を示す説明図である。 (a)および(b)は溶湯の充填過程におけるガス抜き装置の作動状態を示す説明図である。 溶湯の湯面高さとバルブ本体のバルブ開度との関係を示す線図である。 本発明の他の実施の形態であるガス抜き装置を示す説明図である。 (a)は鋳造品としてのシリンダヘッドを示す概略図であり、(b)は完成品としてのシリンダヘッドを示す概略図である。 図10(b)の矢印A方向からシリンダヘッドを示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は低圧鋳造機10を示す概略図である。図1に示すように、低圧鋳造機10には、ルツボ11を備えた保温炉12が設けられている。ルツボ11には、アルミニウム合金等の金属材料を溶かした溶湯13が貯留されている。ルツボ11の周囲にはヒータ14が設けられており、ルツボ11の上端は天板部材15によって覆われている。天板部材15には導管つまりストーク16が固定されており、ストーク16の先端は溶湯13に挿入されている。また、天板部材15にはルツボ11内に連通する給排流路17が設けられており、給排流路17にはバルブユニット18や空気圧源19が接続されている。天板部材15には、下型20、上型21および横型22からなる鋳造金型23が組み付けられている。鋳造金型23の下型(下部)20には湯口24が形成されており、鋳造金型23のキャビティ25と保温炉12のストーク16とは湯口24を介して連通している。なお、鋳造金型23の上型21には、鋳造品を取り外すための押し出しピン26が設けられている。
続いて、低圧鋳造機10の鋳造手順について説明する。図2および図3は低圧鋳造機10の鋳造手順を示す説明図である。図2(a)に示すように、天板部材15に鋳造金型23が組み付けられると、図2(b)に示すように、給排流路17から保温炉12に圧縮空気が供給される。これにより、ルツボ11内の溶湯13が圧縮空気によって加圧され、溶湯13はストーク16および湯口24を経てキャビティ25に押し上げられる。そして、所定の凝固時間が経過すると、図3(a)に示すように、給排流路17を通じて保温炉12から空気が排出され、ストーク16内の凝固していない溶湯13はルツボ11内に戻される。その後、図3(b)に示すように、鋳造金型23を開いて上型21の押し出しピン26を突出させ、キャビティ25内で凝固した鋳造品27が上型21から取り外される。なお、上型21や横型22は図示しないスライド機構に固定されており、スライド機構を動作させることで鋳造金型23の型合わせや型開きが可能となっている。
このような低圧鋳造機10においては、ガスの巻き込みによる鋳造不良を回避するため、溶湯13を充填する際にキャビティ25からガスを排出することが必要である。そこで、鋳造金型23には、キャビティ25からガスを排出するガス抜き装置30が設けられている。以下、ガス抜き装置30の構造および機能について説明する。図4は本発明の一実施の形態であるガス抜き装置30を備えた鋳造金型23を示す拡大図である。また、図5はガス抜き装置30の内部構造を示す説明図である。図4および図5に示すように、ガス抜き装置30は、鋳造金型23を構成する上型21に設けられている。上型21には、上下に貫通するガス抜き孔31が形成されている。ガス抜き孔31には、バルブロッド(第2ロッド)32が移動自在つまり移動可能に取り付けられている。このバルブロッド32は、ガス抜き孔31からキャビティ25に突出するバルブ本体(弁体部)33と、ガス抜き孔31から外部34に突出する連結部35とを備えている。また、ガス抜き孔31を開閉するバルブ本体33には、薄い円盤状のシール部36が設けられている。図5に矢印A1で示すように、バルブロッド32を下方に移動させることにより、バルブ本体33のシール部36をガス抜き孔31の開口部37から離してガス抜き孔31を開放することが可能となる。一方、図5に矢印B1で示すように、バルブロッド32を上方に移動させることにより、バルブ本体33のシール部36をガス抜き孔31の開口部37に密着させてガス抜き孔31を閉塞することが可能となる。なお、バルブロッド32を構成する材料としては、温度の上昇によって膨張し難い材料、つまり熱膨張率の小さい材料が好ましい。例えば、バルブロッド32を構成する材料として、ムライト(組成式:Al13Si)等のセラミックスを用いることが可能である。
図4および図5に示すように、上型21には、上下に貫通する複数の支柱孔40が形成されている。それぞれの支柱孔40には、支柱ロッド(第1ロッド)41が挿入されている。この支柱ロッド41は、上型21に固定されるシリンダ(固定部)42と、上型21に対して移動自在つまり移動可能であるピストン(可動部)43とを備えている。また、シリンダ42の下端面44は、キャビティ25に露出するキャビティ面として機能している。また、シリンダ42と支柱孔40との間には、空気層からなる断熱層45が設けられている。さらに、ピストン43には冷却流路46が形成されており、冷却流路46にはポンプやクーラ等からなる冷却ユニット47が接続されている。図5に示すように、シリンダ42およびピストン43によって膨張室48が区画されており、この膨張室48には水銀等の液体49が封入されている。また、支柱ロッド41に封入される液体49、つまり支柱ロッド41を構成する材料としては、温度の上昇によって膨張し易い材料、つまり熱膨張率の大きい材料が好ましい。すなわち、支柱ロッド41を構成する材料の熱膨張率は、前述したバルブロッド32を構成する材料の熱膨張率よりも大きくなっている。このような支柱ロッド41を構成する材料としては、前述した水銀の他に、ガリンスタンやウッドメタル等の低融点合金を用いることが可能である。なお、ガリンスタンとは、融点が−19℃の低融点合金であり、ガリウム、インジウムおよび錫からなる金属材料である。また、ウッドメタルとは、融点が70℃の低融点合金であり、ビスマス、鉛、錫およびカドミウムからなる金属材料である。また、シリンダ42を構成する材料としては、膨張室48内の液体49に熱を伝達する観点から、熱伝導率の高い金属材料が好ましい。例えば、銅を用いてシリンダ42を形成しても良く、銅に微量元素を添加したベリリウム銅等の銅合金を用いてシリンダ42を形成しても良い。
前述したように、支柱ロッド41は、シリンダ42とこれに移動可能に収容されるピストン43とを有している。すなわち、支柱ロッド41は、軸方向に伸縮する伸縮構造を有している。また、シリンダ42とピストン43との間には、熱膨張率の大きな水銀等の液体49が封入されている。このような構造により、支柱ロッド41の温度を低下させて液体49を収縮させると、図5に矢印A2で示すように、ピストン43を下方に引き込んで支柱ロッド41を軸方向に縮めることが可能となる。一方、支柱ロッド41の温度を上昇させて液体49を膨張させると、図5に矢印B2で示すように、ピストン43を上方に押し出して支柱ロッド41を軸方向に伸ばすことが可能となる。このように、温度変化に伴って上下動する支柱ロッド41のピストン43には、鋳造金型23の外部34に配置される連結板(連結部材)50を介して、バルブロッド32の連結部35が連結されている。これにより、支柱ロッド41の伸縮動作がバルブロッド32に伝達されるため、支柱ロッド41の温度変化に伴ってガス抜き孔31を開閉することが可能となる。すなわち、図5に矢印A1,A2で示すように、低温時つまり温度低下に伴って支柱ロッド41が縮む場合には、バルブロッド32が下方に移動してガス抜き孔31が開放されることになる。一方、図5に矢印A1,A2で示すように、高温時つまり温度上昇に伴って支柱ロッド41が伸びる場合には、バルブロッド32が上方に移動してガス抜き孔31が閉塞されることになる。
続いて、ガス抜き装置30の作動状態について説明する。図6および図7は溶湯13の充填過程におけるガス抜き装置30の作動状態を示す説明図である。図8は溶湯13の湯面高さとバルブ本体33のバルブ開度との関係を示す線図である。なお、図6および図7の説明図と図8の線図とにおいて、溶湯13の湯面高さを示す符号M1〜M6はそれぞれ対応し、バルブ本体33の開き量つまりバルブ開度を示す符号L1,L2はそれぞれ対応している。なお、図6および図7においては、図6(a)、図6(b)、図7(a)、図7(b)の順に溶湯13の充填過程が示されている。また、図8においては、バルブ開度が実線で示されており、湯面高さが破線で示されている。
図6(a)に示すように、溶湯充填の初期段階においては、支柱ロッド41が溶湯13によって加熱されていないため、支柱ロッド41の温度は低い状態となっている。これにより、支柱ロッド41は縮んだ状態を維持し、バルブ本体33を下方に保持することから、ガス抜き孔31は開度L1で開かれた状態となる。次いで、図6(b)に示すように、溶湯13の湯面高さが支柱ロッド41の下端面44に到達すると、溶湯13による支柱ロッド41の加熱が開始される。これにより、図7(a)に示すように、溶湯充填に伴って支柱ロッド41は徐々に伸び、バルブ本体33を徐々に上昇させるため、ガス抜き孔31の開度L2は徐々に縮小される。そして、図7(b)に示すように、溶湯13がガス抜き孔31の開口部37に到達する前に、上昇するバルブ本体33によってガス抜き孔31は閉じられる。すなわち、図8に示すように、溶湯13の湯面高さがM2に到達すると(符号A)、バルブ本体33は上昇を開始してガス抜き孔31を閉じ始める(符号B)。その後、バルブ本体33がガス抜き孔31を閉塞し(符号C)、溶湯13がガス抜き孔31の開口部37に到達し(符号D)、キャビティ25に対する溶湯13の充填が完了する(符号E)。なお、ガス抜き孔31が閉塞された後には、押し出しピン26等の隙間を通じて残りのガスが排出されることになる。また、鋳造作業が完了した後には、支柱ロッド41の冷却流路46に冷却ユニット47から冷却液が供給される。この冷却によって支柱ロッド41は縮められるため、次の鋳造作業に備えて再びガス抜き孔31が開放される。
これまで説明したように、溶湯13の温度を利用してバルブ本体33を上下させることにより、キャビティ25に対する溶湯13の充填過程においては、図6(a)、図6(b)および図7(a)に矢印で示すように、キャビティ25内のガスはガス抜き孔31を通じて外部34に排出される。そして、図7(b)に示すように、ガス抜き孔31の開口部37に対して溶湯13が到達する前に、バルブ本体33によってガス抜き孔31が閉じられるため、ガス抜き孔31に対する溶湯13の流入が防止される。これにより、ガス抜き孔31を大きく形成することができるため、キャビティ25から良好にガスを排出することが可能となり、鋳造品質を向上させることが可能となる。また、鋳造金型23から従来のガス抜きピンを削減若しくは廃止することができ、鋳造金型23の製造コストや維持コストを大幅に削減することが可能となる。また、支柱ロッド41の周囲は断熱層45によって覆われることから、支柱ロッド41を効率良く温めて膨張させることが可能となり、ガス抜き装置30の応答性を高めることが可能となる。また、支柱ロッド41の膨張室48に液体49を封入したので、膨張する液体49の体積を効率良く伸び量に変換することが可能となり、この点からもガス抜き装置30の応答性を高めることが可能となる。また、バルブ本体33の閉塞タイミングは、溶湯13の温度や支柱ロッド41の物性値によって決定される。このように、ガス抜き装置30は単純な制御構造を有することから、ガス抜き装置30を繰り返して動作させる際の安定性を高めることが可能となる。しかも、後述するように、支柱ロッド41の長さ寸法や支柱ロッド41を構成する材料によって、バルブ本体33の閉塞タイミングを自在に調整することができるため、ガス抜き装置30の設計自由度を飛躍的に高めることが可能となる。
以下、バルブ本体33の閉塞タイミングについて説明する。前述したように、温度上昇に伴う支柱ロッド41の膨張により、バルブ本体33の閉塞タイミングが制御されている。ここで、溶湯充填時には、支柱ロッド41だけでなくバルブロッド32も加熱されるため、支柱ロッド41を構成する材料としては、バルブロッド32を構成する材料(例えばセラミックス)よりも熱膨張率の大きな材料(例えば水銀)が用いられる。すなわち、支柱ロッド41の伸び量Laからバルブロッド32の伸び量Lbを減算した量(La−Lb)が、バルブ本体33の開き量つまりバルブ開度ΔLに相当する。このため、必要なバルブ開度ΔLが確保されるように、熱膨張率の観点から支柱ロッド41およびバルブロッド32の材料が設定される。ここで、バルブロッド32を構成する材料として、セラミックス等の熱膨張率の極めて小さな材料を用いることにより、バルブロッド32の伸び量Lbをほぼ0と見なすことが可能である。すなわち、支柱ロッド41の伸び量Laとバルブ本体33のバルブ開度ΔLとがほぼ等しくなるため、バルブ開度ΔLを以下の式(1)で表現することが可能となる。なお、式(1)において、X1とは支柱ロッド41が備える膨張室48の長さ寸法であり、α1とは支柱ロッド41を構成する水銀の熱膨張率であり、T1とは溶湯充填に伴って上昇する支柱ロッド41の前後の温度差である。
ΔL=X1×α1×T1 ・・・(1)
また、支柱ロッド41の下端面44は、ガス抜き孔31の開口部37よりも、寸法Z1だけ下方に設けられている。すなわち、キャビティ25に充填される溶湯13が、ガス抜き孔31の開口部37に到達する前に、支柱ロッド41の下端面44に接触するようになっている。ここで、ガス抜き孔31に対する溶湯13の流入を防止するためには、溶湯13が下端面44から開口部37までの到達に必要な時間内に、前述したバルブ開度ΔLを0まで縮小する必要がある。例えば、溶湯13の上昇速度に対して閉塞タイミングが遅い場合には、熱膨張率のより大きな液体49を支柱ロッド41に封入したり、膨張室48の容量を拡大したりすること等が考えられる。また、溶湯13の上昇速度に対して閉塞タイミングが早い場合には、熱膨張率のより小さな液体49を支柱ロッド41に封入したり、膨張室48の容量を縮小したりすること等が考えられる。このように、支柱ロッド41に封入される液体49の種類を変更したり、支柱ロッド41に設けられる膨張室48の寸法を変更したりすることにより、バルブ本体33の閉塞タイミングを自在に調整することが可能となる。これにより、支柱ロッド41やバルブロッド32の設置位置が制限される場合であっても、バルブ本体33の閉塞タイミングを適切に調整することが可能となり、ガス抜き装置30の設計自由度を飛躍的に高めることが可能となる。
前述の説明では、支柱ロッド41をピストン43やシリンダ42によって構成しているが、これに限られることはなく、バルブロッド32と同様に支柱ロッド41を棒材によって構成しても良い。ここで、図9は本発明の他の実施の形態であるガス抜き装置60を示す説明図である。なお、図9において、図5に示す部材と同様の部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。図9に示すように、上型21に形成される支柱孔40には、棒状の金属材料からなる支柱ロッド(第1ロッド)61が挿入されている。この支柱ロッド61は、上型21に固定される下端部(固定部)62と、上型21に対して移動自在つまり移動可能である上端部(可動部)63とを備えている。また、支柱ロッド61の下端面64は、キャビティ25に露出するキャビティ面として機能している。さらに、支柱ロッド41には冷却流路46が形成されており、冷却流路46には冷却ユニット47が接続されている。このように、単一の部材からなる支柱ロッド61を用いた場合であっても、前述のガス抜き装置30と同様に、バルブロッド32を動作させることが可能となる。すなわち、支柱ロッド61を構成する材料として、バルブロッド32を構成する材料(例えばセラミックス)よりも熱膨張率の大きな材料(例えば銅合金)を用いることにより、前述のガス抜き装置30と同様に機能させることが可能となる。このように、単一の部材からなる支柱ロッド61を用いることにより、ガス抜き装置60の製造コストや維持コストを低減することが可能となる。
以下、前述した鋳造金型23を用いて製造される鋳造品について説明する。前述した鋳造金型23によって製造される鋳造品として、エンジン部品であるシリンダヘッド70が挙げられる。ここで、図10(a)は鋳造品としてのシリンダヘッド70を示す概略図であり、図10(b)は完成品としてのシリンダヘッド70を示す概略図である。また、図11は図10(b)の矢印A方向からシリンダヘッド70を示す平面図である。図10(a)に示すように、支柱ロッド41,61の下端面44,64が接触することにより、鋳造品には鋳造面71が形成されている。ここで、鋳造品の鋳造面71は、支柱ロッド41,61によって積極的に冷却されることから、緻密な組織を備えた強固な鋳造面71として形成される。そして、図10(b)および図11に示すように、鋳造面71は、その後の機械加工によって、ヘッドボルトが締め付けられる座面72として形成される。このように、ヘッドボルトが締め付けられる座面72を、ガス抜き装置30,60の支柱ロッド41,61によって強固に形成することができるため、シリンダヘッド70の品質を向上させることが可能となる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、バルブロッド32をセラミックスによって形成しているが、これに限られることはなく、バルブロッド32を金属材料によって形成しても良い。この場合には、バルブロッド32を構成する金属材料として、支柱ロッド41,61を構成する材料よりも熱膨張率の小さな材料が用いられる。また、前述の説明では、支柱ロッド41の伸縮構造として、シリンダ42およびピストン43からなる伸縮構造を挙げているが、これに限られることはなく、支柱ロッド41の伸縮構造をベローズによって構成しても良い。また、伸縮構造を備えた支柱ロッド41に、熱膨張率の大きな気体を封入しても良い。また、前述の説明では、低圧鋳造機10の鋳造金型23に対して本発明を適用しているが、これに限られることはなく、重力鋳造機の鋳造金型に対して本発明を適用しても良い。
また、図示する場合には、2本の支柱ロッド41,61によってガス抜き装置30,60を構成しているが、これに限られることはなく、1本の支柱ロッド41,61によってガス抜き装置を構成しても良く、3本以上の支柱ロッド41,61によってガス抜き装置を構成しても良い。同様に、図示する場合には、1本のバルブロッド32によってガス抜き装置30,60を構成しているが、これに限られることはなく、2本以上のバルブロッド32によってガス抜き装置を構成しても良い。なお、前述の説明では、製造される鋳造品としてシリンダヘッド70を挙げているが、これに限られることはなく、インテークマニホールド等の他の部品であっても良いことはいうまでもない。
20 下型(下部)
23 鋳造金型
24 湯口
25 キャビティ
30 ガス抜き装置
31 ガス抜き孔
32 バルブロッド(第2ロッド)
33 バルブ本体(弁体部)
34 外部
35 連結部
37 開口部
41 支柱ロッド(第1ロッド)
42 シリンダ(固定部)
43 ピストン(可動部)
49 液体
50 連結板(連結部材)
60 ガス抜き装置
61 支柱ロッド(第1ロッド)
62 下端部(固定部)
63 上端部(可動部)

Claims (6)

  1. キャビティと外部とを連通するガス抜き孔を備え且つ下部に湯口が形成された鋳造金型に設けられるガス抜き装置であって、
    前記鋳造金型に固定される固定部と、前記鋳造金型に対して移動可能である可動部と、を備える第1ロッドと、
    前記ガス抜き孔に移動可能に取り付けられ、前記ガス抜き孔を開閉するキャビティ側の弁体部と、前記可動部に連結される外部側の連結部と、を備える第2ロッドと、
    を有し、
    前記第1ロッドを構成する材料の熱膨張率は、前記第2ロッドを構成する材料の熱膨張率よりも大き
    前記第1ロッドの前記固定部は、前記ガス抜き孔の開口部よりも下方に設けられる、
    ガス抜き装置。
  2. 請求項1記載のガス抜き装置において、
    前記第1ロッドの前記可動部と前記第2ロッドの前記連結部とは、前記鋳造金型の外部に配置される連結部材を介して連結される、ガス抜き装置。
  3. 請求項1または2記載のガス抜き装置において、
    前記鋳造金型の低温時には、前記第1ロッドが縮むことで前記第2ロッドの前記弁体部は前記ガス抜き孔を開放し、
    前記鋳造金型の高温時には、前記第1ロッドが伸びることで前記第2ロッドの前記弁体部は前記ガス抜き孔を閉塞する、ガス抜き装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のガス抜き装置において、
    前記第1ロッドは、軸方向に伸縮する伸縮構造を備え、
    前記第1ロッドには、前記第1ロッドを構成する材料として、前記第2ロッドよりも熱膨張率の大きな液体が封入される、ガス抜き装置。
  5. 請求項記載のガス抜き装置において、
    前記第1ロッドは、前記鋳造金型に固定される前記固定部としてのシリンダと、前記シリンダに移動可能に収容される前記可動部としてのピストンと、を備える、ガス抜き装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のガス抜き装置において、
    前記第1ロッドの前記固定部は、前記キャビティに露出する、ガス抜き装置。
JP2014105021A 2014-05-21 2014-05-21 ガス抜き装置 Expired - Fee Related JP6325891B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014105021A JP6325891B2 (ja) 2014-05-21 2014-05-21 ガス抜き装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014105021A JP6325891B2 (ja) 2014-05-21 2014-05-21 ガス抜き装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015217429A JP2015217429A (ja) 2015-12-07
JP6325891B2 true JP6325891B2 (ja) 2018-05-16

Family

ID=54777304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014105021A Expired - Fee Related JP6325891B2 (ja) 2014-05-21 2014-05-21 ガス抜き装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6325891B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7135505B2 (ja) * 2018-07-03 2022-09-13 日産自動車株式会社 鋳造用金型装置および低圧鋳造方法
CN108678868B (zh) * 2018-08-01 2024-01-19 重庆红旗缸盖制造有限公司 一种缸盖排气孔毛坯结构
CN117183204B (zh) * 2023-10-16 2024-02-06 日照润铭车辆附件有限公司 一种汽车灯具生产用防温差式注塑设备

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50117245U (ja) * 1974-03-06 1975-09-25
JPS58106185A (ja) * 1981-12-17 1983-06-24 Katsuyoshi Egawa 熱源から回転動力を得る装置
JPH02269921A (ja) * 1989-04-11 1990-11-05 Aisan Ind Co Ltd サーモワックス装置
JPH0732530U (ja) * 1993-11-15 1995-06-16 村田機械株式会社 熱変位補正装置
JPH08197223A (ja) * 1995-01-20 1996-08-06 Honda Motor Co Ltd 金型鋳造用ガス抜き装置
JP4242580B2 (ja) * 2001-12-07 2009-03-25 泰三 青山 温度変化により作動するアクチュエータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015217429A (ja) 2015-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6325891B2 (ja) ガス抜き装置
JP5619415B2 (ja) 鋳物の鋳造方法及び鋳造装置
JP2007276481A (ja) 射出機用ホットランナーシステムのノズル結合構造
JP6187840B2 (ja) 熱膨脹補償器具が備えられたホットランナー装置
BR112017017891B1 (pt) Dispositivo de moldagem e método de moldagem
CN109311085B (zh) 低压铸造用模具
JP5726845B2 (ja) 鋳造金型冷却装置及び鋳造金型冷却方法
JP2011131265A (ja) 真空ダイカスト装置および真空ダイカスト方法
JP5031268B2 (ja) 給湯量制御装置
JP2016120518A (ja) ダイカスト方法
JP5936543B2 (ja) 溶融金属供給スパウト構造物を加熱するコントロールピン及びスパウトシステム
JP5061964B2 (ja) 加圧鋳造金型及びその温度制御方法
KR20120122862A (ko) 사출성형기용 핫런너 밸브장치
JP3352277B2 (ja) ダイカスト用プランジャスリーブの変形制御方法
US2136432A (en) Apparatus for molding
JP6520784B2 (ja) 鋳造装置および鋳造製品の製造方法
RU2007136689A (ru) Способ получения стекла и устройство для формования стекла
JP2000238103A (ja) 成形金型装置
JP5741407B2 (ja) 鋳造方法及び鋳造金型
JP7042569B2 (ja) 鋳型及び鋳造部品の製造方法
US9676025B2 (en) Low-pressure casting apparatus and low-pressure casting method using the same
CN105705272A (zh) 在高度真空环境下让金属成型的模具装置
JP3188815B2 (ja) 高圧鋳造装置およびその給湯方法
JP6645309B2 (ja) 鋳造装置および鋳造製品の製造方法
JP2015047628A (ja) 鋳造用金型

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180320

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6325891

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees