JP6325842B2 - シール材の製造方法 - Google Patents

シール材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6325842B2
JP6325842B2 JP2014040532A JP2014040532A JP6325842B2 JP 6325842 B2 JP6325842 B2 JP 6325842B2 JP 2014040532 A JP2014040532 A JP 2014040532A JP 2014040532 A JP2014040532 A JP 2014040532A JP 6325842 B2 JP6325842 B2 JP 6325842B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wax
sealing material
rubber composition
acid amide
rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014040532A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015166407A (ja
Inventor
恵介 江副
恵介 江副
久幸 永岡
久幸 永岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP2014040532A priority Critical patent/JP6325842B2/ja
Publication of JP2015166407A publication Critical patent/JP2015166407A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6325842B2 publication Critical patent/JP6325842B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、シール材の製造方法に関する。
低硬度低反発ガスケット等に代表される低硬度シール材は、ゴム製品の表面にワックスをブルームさせて、製品表面をワックスで覆うことによって、摩擦を軽減させ、組み付けを容易とすることができる。
従来は、係るシール材は、薄板厚のシート形状の生地を多数積層し、プレス架橋することによって製造されていた。しかし、製品の大きさによっては、装着する生地の多さに手間取り、正確な位置に装着することができずに、成形不良が生じていた。また、廃棄バリ量が多いことも問題であった。
これに対して、生地を製品形状に近い細長い紐状に切り出し、必要な長さで両端を結合(ジョイント)させた後、製品形状の金型のガイドピンに沿わせて、生地を装着して成形する方式(通称、「ピン掛け」方式)がある。この方式は、製造する上で大変効率がよく、使用生地量も低減することができる。
しかしながら、従来から使用されていたブルームし易い低融点ワックスは、生地の段階でブルームしてしまい、生地同士の粘着・結合を妨げるため、「ピン掛け」方式で成形することが困難であった。一方、高融点のワックスを用いた場合は、生地の結合は可能となるものの、製品となった後に、十分なブルームを期待することができなかったり、ブルームしたものが白粉状となって、外観上の問題が生じていた。
従来から、ゴムにワックスを付与した材料としては、パラフィン系ワックスを配合したゴム組成物(特許文献1、特許文献2)やアミド系ワックスの被膜を形成させたゴムシール材(特許文献3)が知られている。
特開昭62−13446号公報 特開昭64−22999号公報 特許第4449130号公報
しかしながら、特許文献1は、ワックスを混練加工性の改良を図るために配合するものであり、生地同士の粘着・結合において、必ずしも十分なものではなかった。特許文献2は、炭素数が特定のパラフィンワックスを用いるものであるが、ゴムとの密着性が不十分であり、生地同士の粘着・結合において、必ずしも十分なものではなかった。また、特許文献3は、ゴムシール材を成形した後に塗布等によってワックスを製品表面に付与するものである。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、常温でゴム生地同士の粘着・結合が可能であり、高温で加熱処理をすると、ワックスが表面にブルームすることによってシール材に滑り性を付与することができるシール材の製造方法を提供することである。
本発明者らは、まず、シール材用のゴムとして、加工性、取扱い性、耐候性、耐オゾン性等に優れたエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合体を用いることとした。
次に、本発明者らは、低硬度シール材を「ピン掛け」方式で成形するために、使用するワックスの融点に着目した。常温ではワックスを生地中に固体として存在させ、ゴム生地同士の粘着・結合を妨げないようにする。一方、高温で加熱処理をすると、ワックスが流動化して製品表面にブルームして製品に滑り性を付与することができるようにする。このような挙動を可能とするために、エチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合体との関係において、ワックスの種類や特性についての検討を進めた。
その結果、特定の範囲の融点を有し、特定の化学構造を有した長鎖脂肪酸系ワックスであれば、ゴム材を常温で粘着・結合させることが可能であり、高温で加熱処理することによって、表面にブルームさせて、滑り性を付与することができることを見出し、本発明に到達することができた。
すなわち、本発明は、エチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合体100質量部と融点が100〜140℃の長鎖脂肪酸アミド系ワックス0.5〜8質量部と架橋剤とを含有するシール材用ゴム組成物を成形し、架橋させた後、100〜140℃で1〜24hr熱処理することを特徴とするシール材の製造方法である。
本発明のゴム組成物は、常温ではブルームしないため、ゴム生地同士の粘着・結合が可能であり、高温で加熱処理をすると、ワックスが表面にブルームすることによってシール材に滑り性を付与することができる。
「ピン掛け」方式の前段における、紐状の生地を作製し、両端を結合させるまでの工程の模式図である。 「ピン掛け」方式の後段において用いる、ガイドピンを有した金型の模式図である。 「ピン掛け」方式の後段において、上下の金型による成形方法を説明するための模式的断面図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明の範囲は、以下に説明する具体例としての実施形態や図面に限定されるわけではない。
(ゴム)
本発明で用いられるゴムは、エチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合体である。係るゴムは、加工性、取扱い性、耐候性、耐オゾン性、耐薬品性等に優れており、好ましい。これらのゴムのうち、架橋特性や生産効率を考慮すると、エチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合体が好ましい。エチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合体は、特殊なグレードである必要はなく、市販の汎用グレードを用いることができる。
代表的なエチレン−α−オレフィン共重合体としては、以下のようなものがある。
(a)エチレンとα−オレフィンとの共重合体である。
(b)α−オレフィンの炭素数が3〜20である。
(c)エチレン単位/α−オレフィン単位の質量比が35/65〜95/5である。
(d)135℃のデカリン溶液中で測定した極限粘度[η]が0.01〜5.0dl/gを満足する。また、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体は、ランダム共重合体が好ましい。
代表的なエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合体としては、以下のようなものがある。
(a)エチレンと、α−オレフィンと、非共役ポリエンとの共重合体である。
(b)α−オレフィンの炭素数が3〜20である。
(c)エチレン単位/α−オレフィン単位の質量比が35/65〜95/5である。
(d)ヨウ素価が0.5〜50の範囲である。
(e)135℃のデカリン溶液中で測定した極限粘度[η]が0.01〜5.0dl/gを満足する。また、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと、非共役ポリエンとの共重合体は、ランダム共重合体が好ましい。
炭素数が3〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなどが挙げられる。中でも、炭素数3〜10のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが好ましく用いられる。これらのα−オレフィンは、単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
非共役ポリエンとしては、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等のトリエンなどが挙げられる。非共役ポリエンは、特に限定されないが、非共役ジエンが好ましい。また、架橋反応にあたり高速架橋が可能となる点から、ノルボルネン化合物が特に好ましい。
(架橋剤)
本発明では、架橋剤として、硫黄または有機過酸化物を使用する。耐熱性、圧縮永久歪を重視する用途の場合は、有機過酸化物を使用することが好ましい。有機過酸化物の架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド等の公知の有機過酸化物を使用することができる。架橋剤の配合量は、ゴム100質量部当り1〜10質量部が好ましい。より好ましくは2〜8質量部である。
(長鎖脂肪酸アミド系ワックス)
本発明では、シール材に滑り性を付与するワックスとして、長鎖脂肪酸アミド系ワックスを使用する。エチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合体と相溶性が低いものが好ましい。
長鎖脂肪酸アミド系ワックスの融点は、100〜140℃の範囲であり、110〜135℃がより好ましい。長鎖脂肪酸アミド系ワックスの融点が100℃未満であると、常温でのブルームが大きく、常温でのゴム生地同士の粘着・結合が困難となる。一方、長鎖脂肪酸アミド系ワックスの融点が140℃を超えると、ブルーム後のワックスが表面に白く浮き出て、粉をふいたようになり、外観を損ねる。
長鎖脂肪酸アミド系ワックスの配合量は、ゴム100質量部当り0.5〜8質量部であり、1〜5質量部がより好ましい。長鎖脂肪酸アミド系ワックスの配合量が0.5質量部未満であると、ブルーム量が少ないため、十分な滑り性を付与することができない。一方、長鎖脂肪酸アミド系ワックスの配合量が8質量部を超えると、常温でのゴム生地同士の粘着・結合が困難である。
長鎖脂肪酸アミド系ワックスとしては、長鎖脂肪酸の炭素数が10〜30のものが好ましい。長鎖の数は1〜3が好ましい。長鎖脂肪酸アミド系ワックスの分子量は、200〜1000が好ましく、200〜800がより好ましく、250〜650がさらに好ましい。
また、長鎖脂肪酸アミド系ワックスとしては、化学的に安定であり、耐候性に優れていることから、長鎖不飽和脂肪酸アミド系ワックスよりも、長鎖飽和脂肪酸アミド系ワックスの方が好ましい。
融点が100〜140℃の長鎖脂肪酸アミド系ワックスとしては、具体的には、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、N-メチロールステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド等の長鎖飽和脂肪酸アミドや、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N、N’-エチレンビスオレイン酸アミド、ベヘン酸アミド等の長鎖不飽和脂肪酸アミドが挙げられる。これらのアミド化合物はワックスとして単独で使用してもよいし、適宜混合して使用してもよい。
ワックスとしては、本発明の効果を阻害しない範囲で、長鎖脂肪酸アミド系ワックス以外の他の種類のワックスを併用することができる。これらのワックスは、通常は、市販品をそのまま用いることができる。
(その他の添加剤)
さらに、本発明のシール材用ゴム組成物中に、用途等から必要に応じて、従来公知のゴム補強剤、無機充填剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、架橋促進剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤、着色剤、分散剤、難燃剤、粘着性付与剤、離型剤、各種金属粉末、摩耗性や成形性を改良させる少量の熱可塑性樹脂、ゴム、強度や剛性を向上させる短繊維などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することができる。
(製造方法)
本発明のゴム組成物の調製には、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、プラネタリーミキサー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類、2本ロール、3本ロールなどの混練装置により、エチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合体を、架橋剤、充填材、可塑剤等の成分と共に、好ましくは50〜180℃の温度で3〜10分間混練した後、生地出しする方法がある。また、必要に応じて、触媒や反応抑制剤等の他の添加剤を追加混合してもよい。
図1は、「ピン掛け」方式の前段における、紐状の生地を作製し、両端を結合させるまでの工程の模式図である。紐状のゴム組成物1から環状のゴム組成物とするまでの工程を(a)、(b)、(c)と順次示してある。
生地出しされたゴム組成物のシートは、プレス加工を行って、所定の厚さのシートとすることができる。その後所定の幅と長さに切断することによって、紐状のゴム組成物1を得ることができる。または、生地出しされたゴム組成物のシートは、ペレット状に裁断して、押出機を用いて押し出すことによって、紐状のゴム組成物1を得ることができる。
紐状のゴム組成物1の両端を一部重ね合わせて、加圧して結合させ、一体化させることによって、環状のゴム組成物を作製する。
図2は、「ピン掛け」方式の後段において用いる、ガイドピンを有した金型の模式図である。(a)は金型の斜視図であり、(b)は下部金型2の平面図である。金型は、下部金型2とそれに対応する上部金型3とから構成されている。下部金型2は、環状のゴム組成物を設置するときに用いられる4つのガイドピン3と、ゴム組成物が装填される環状の溝部5とを有している。
図3は、「ピン掛け」方式の後段において、上下の金型による成形方法を説明するための模式的断面図である。図2(b)のA−A部の断面図として示している。図2の下部金型2の溝部5に設置された紐状のゴム組成物1は、上部金型3が降下してきて、プレスされ、その後加熱されることによって、所定の形状に固定される。金型の断面形状は、正方形、長方形、円形、楕円形、三角形等、用途や目的に応じて種々の形状にすることができる。
本発明のゴム組成物から架橋されたゴム成形品を製造するには、未架橋のゴム組成物を上記したように、ゴム組成物の調製方法によって調製し、次いでゴム組成物を上記したように金型で所定の形状に成形した後に、架橋させることによって行うことができる。
架橋(加硫)は、架橋剤が配合された本発明のゴム組成物を、80〜230℃、好ましくは100〜180℃の温度条件で約0.1〜24時間程度加熱することによって行うことができる。架橋時の加熱温度と加熱時間は、架橋剤やゴムの種類に応じて適宜設定することができる。架橋されたゴム成形品は、さらに必要に応じて、約100〜230℃、好ましくは約120〜150℃で約0.1〜24時間程度、ギアオーブンや恒温槽などのエアオーブンで二次架橋させることができる。また、二次架橋は、光、γ線、電子線などを照射して行ってもよく、常温で行うこともできる。
この架橋工程では金型を用いても用いなくてもよい。金型を用いない場合は成形、架橋工程は通常連続的に実施される。架橋槽における加熱方法としては、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチームなどの加熱槽を用いることができる。
(熱処理)
本発明では、ワックスをブルームさせて、シール材に滑り性を付与し、組み付け性を改善するために、シール材用ゴム組成物を成形し、架橋させた後に、熱処理を行う。熱処理温度は、100〜140℃であり、好ましくは110〜135℃である。ワックスの融点に近い温度範囲が好適である。熱処理温度が100℃未満で、ワックスの融点よりも低過ぎる温度であると、ワックスはブルームが不十分となる。一方、熱処理温度が140℃を超えると、ワックスが揮発したり、熱的に劣化したりする懸念がある。
熱処理時間は、1〜24hrであり、5〜20hrが好ましい。熱処理時間が1hr未満であると、ワックスのブルームが不十分である。一方、熱処理時間が24hrを超えると、ブルームが過剰となって取扱性が低下したり、滑り性の耐久性が低下したり、ゴムの熱老化が起こるようになる。
(硬度)
本発明のシール材は、表面硬度がJIS A硬度で20〜90であることが好ましい。30〜70であることがより好ましい。シール材の表面硬度がJIS A硬度で20〜90であれば、低硬度低反発ガスケット等の用途向けに、本発明の特徴を十分に生かすことができる。シール材の表面硬度をJIS A硬度で20〜90とするためには、架橋前のシール材用ゴム組成物中への各種充填剤、可塑剤、補強剤などの添加割合を適宜調節することによって行うことができる。なお、JIS A硬度は、JIS K6253:1997 デュロメータA(瞬時)に準拠して測定する。
本発明では、ゴム組成物の生地同士を常温で、粘着・結合(ジョイント)することが可能である。そのため、従来のゴム組成物の生地ではプレス加工しか採用することができなかった成形方式を、「ピン掛け」方式に変更することが可能となり、材料の効率的な使用が可能となった。また、熱処理後にワックスをブルームさせて、滑り性を付与するため、摩擦を軽減させ、組み付けを容易とすることができる。シール材の製品外観は、粉ふき状または斑状の外観欠陥のないものとすることができる。さらに廃棄バリの量を低減でき、トータルコストを削減することが可能となった。
本発明のシール材は、加工性、耐薬品性、成形性、圧縮永久歪等に優れており、例えば、ガスケット、O−リング、ベアリングシール、オイルシール、ハードディスクドライブ用ガスケット、電線コネクター用シール材、電池用シール材等に用いることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
(実施例1〜18、比較例1〜10)
3lニーダーおよび10インチオープンロールを用いて、下記配合のシール材用ゴム組成物の生地を調製した。表1、表2に記載されている長鎖脂肪酸アミド系ワックスの種類と配合量を有する複数種類のゴム組成物を得た。
<シール材用ゴム組成物の組成>
EPDM;JSR社製、EP33 100質量部
カーボンブラック;旭カーボン社製、旭#35 50質量部
亜鉛華 5質量部
ステアリン酸 0.5質量部
老化防止剤;大内新興化学工業社製、ノクラック224 1質量部
パラフィン系プロセスオイル;出光興産社製、PW−380 30質量部
ジクミルパーオキサイド 3質量部
長鎖脂肪酸アミド系ワックス(表1、表2参照) 所定量
得られた各生地シートから、プレス加工を行って、約5mm厚さのシートを作製した。その後約5mm幅で約500mm長さに切断することによって、紐状のゴム組成物を得た。紐状のゴム組成物の両端を一部重ね合わせて、加圧して結合させて、内径約150mmの環状のゴム組成物を作製した。図2に記載の金型を用いて、断面形状が5mm×5mmの正方形であって、内径が150mmの角リングの成形品を得た。それぞれの成形品は、金型内に設置したままで、170℃×10分加熱して、ゴム組成物を架橋させた。その後、それぞれのゴム組成毎に、表1、表2に記載された長鎖脂肪酸アミド系ワックスの融点の温度にて10hrの熱処理を行って、角リング形状のシール材を得た。なお、比較例1は熱処理を行っていない。
得られたシール材の評価方法を以下に説明する。評価結果を表1、表2に示した。
Figure 0006325842
Figure 0006325842
(生地結合性)
断面が5mm×5mmの正方形であり、長さ約200mmの紐状のゴム組成物の生地を準備する。両端部の長さ30mmの部分を重ね合わせて、10kgfの荷重を掛け、1分間保持した後、荷重の負荷を外す。重ね合わせた生地の一方を持ち上げて、生地が分離するか否かで、生地結合性(ジョイント性)を評価する。重ね合わせた生地の一方の生地の端を持ち上げて、30秒以内に分離したものは×、分離せずに、生地が結合していたものは○と判定した。評価は、紐状に生地出しして作製した直後と、紐状に生地出しして24hr静置後の2回行った。2回の評価で1回でも分離したものは×と判定し、2回とも分離しなかったものは○と判定した。
(組み付け性)
上記で作製した断面形状が5mm×5mmの正方形であって、内径が150mmの角リングのシール材の成形品を準備する。断面形状が4.9mm×4.9mmの正方形であって、内径が152mmの溝を有したアルミニウム製の組み付け性評価治具を用意する。組み付け性評価治具は、表面粗さがRz25μm(鋳肌加工レス)、Rz12.5μm(鋳肌シール面追加工)、Ra3.2μm(板金)である表面粗さが異なる3種類のものを準備した。ここで、Rzは最大粗さであり、Raは算術平均粗さである。角リングのシール材を指で金型の溝に押し込み、容易に挿入できたものを○、少し引っ掛かるが挿入できたものを△、挿入が困難であったものを×とした。評価は、いずれの評価治具であっても○であるものを○とし、1つでも△があれば△とし、1つでも×があれば×と判定した。
(製品外観)
上記で作製した角リング形状のシール材の外観が全く問題ないものを○、表面が白くなるが、粉ふき状または斑状にならないものを△、粉ふき状または斑状になったものを×と判定した。
表1、表2の結果から分かるように、融点が100〜140℃の長鎖脂肪酸アミド系ワックスを0.5〜8質量部配合したゴム組成物を用いて製造された実施例1〜18のシール材は、生地結合性、組み付け性、製品外観のいずれの評価においても○あるいは△の性能を有するものであった。すなわち、常温でゴム生地同士の粘着・結合が可能であり、シール材は滑り性を有しており、製品外観上も問題のないものであった。
一方、長鎖脂肪酸アミド系ワックスを配合していないゴム組成物を用いて製造された比較例1のシール材は、組み付け性に劣るものであった。融点が100℃未満の長鎖脂肪酸アミド系ワックスを配合したゴム組成物を用いて製造された比較例2〜4のシール材は、生地結合性に劣るものであった。融点が140℃を超える長鎖脂肪酸アミド系ワックスを配合したゴム組成物を用いて製造された比較例5、6、9、10のシール材は、製品外観に劣るものであった。また、長鎖脂肪酸アミド系ワックスを8質量部を超えて配合したゴム組成物を用いて製造された比較例7、8のシール材は、生地結合性に劣るものであった。
1 紐状のゴム組成物
2 下部金型
3 上部金型
4 ガイドピン
5 溝部

Claims (1)

  1. エチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合体100質量部と融点が100〜140℃の長鎖脂肪酸アミド系ワックス0.5〜8質量部と架橋剤とを含有するシール材用ゴム組成物を成形し、架橋させた後、100〜140℃で1〜24hr熱処理することを特徴とするシール材の製造方法。
JP2014040532A 2014-03-03 2014-03-03 シール材の製造方法 Active JP6325842B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014040532A JP6325842B2 (ja) 2014-03-03 2014-03-03 シール材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014040532A JP6325842B2 (ja) 2014-03-03 2014-03-03 シール材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015166407A JP2015166407A (ja) 2015-09-24
JP6325842B2 true JP6325842B2 (ja) 2018-05-16

Family

ID=54257431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014040532A Active JP6325842B2 (ja) 2014-03-03 2014-03-03 シール材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6325842B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3061487B2 (ja) * 1992-08-31 2000-07-10 株式会社サンライト ゴムパッキング材およびゴムパッキングの製造方法
JP3635158B2 (ja) * 1996-08-13 2005-04-06 クレハエラストマー株式会社 耐塩素性ゴム組成物
JPH10212384A (ja) * 1997-01-30 1998-08-11 Tokai Rubber Ind Ltd パッキン用ゴム組成物およびゴムパッキン
JP4449130B2 (ja) * 1999-12-24 2010-04-14 Nok株式会社 ゴムシール材
JP4859313B2 (ja) * 2001-09-25 2012-01-25 三菱電線工業株式会社 シール
JP2003183465A (ja) * 2001-12-25 2003-07-03 Mitsubishi Chemicals Corp 押出成形用熱可塑性エラストマー組成物
JP2005220307A (ja) * 2004-02-09 2005-08-18 Tosoh Corp シーラントフィルムおよび積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015166407A (ja) 2015-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5239857B2 (ja) パーオキサイド架橋用フッ素ゴム組成物およびゴム積層体の製造方法
JP5850183B2 (ja) 耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物および耐熱コンベヤベルト
JP2010171400A (ja) 太陽電池パネル端部用シール材、太陽電池モジュール、フレームレス太陽電池モジュールおよび太陽電池パネルの端部のシール構造
JP2009203464A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物および複合成形体
KR20100139127A (ko) 고무 조성물 및 그 용도
TWI834844B (zh) 熱可塑性彈性體組成物及其成形體
JP2015206002A (ja) ゴム組成物および高圧水素機器用シール部材
JP5994791B2 (ja) アクリルゴム/フッ素ゴム組成物の製造方法、架橋性組成物、積層体および耐熱エアーゴムホース
JP6050138B2 (ja) シール材用ゴム組成物及びこれを用いたシール材
TWI803592B (zh) 積層體及其用途
JP6325842B2 (ja) シール材の製造方法
JP7031620B2 (ja) 燃料電池用シール部材の製造方法及び成形用ゴム組成物
WO2014123037A1 (ja) 積層体
JP6729694B2 (ja) 接合体の製造方法
JP2018165312A (ja) エチレン重合体組成物
JP5943166B2 (ja) エチレンアクリルゴム組成物、エチレンアクリルゴム、ゴム金属複合体及びボンデッドピストンシール
JP4922820B2 (ja) 複合部材およびその製造方法
JP6772581B2 (ja) 接合体の製造方法
JP6333010B2 (ja) シール材の製造方法
JP6900219B2 (ja) エチレン系共重合体組成物
JP3910313B2 (ja) 表皮部材用樹脂組成物及びその積層体
WO2023189587A1 (ja) 環状シール材および製造方法
WO2023189732A1 (ja) 環状シール材および製造方法
JP2009160839A (ja) ゴム基質複合体
WO2022071498A1 (ja) 複合成形体、及び複合成形体用ゴム組成物

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160707

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180410

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6325842

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250