JP6324804B2 - トランスポゾン移動抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、マンネンタケ抽出物を含有することを特徴とするトランスポゾン移動抑制剤に関するものである。
私達ヒトをはじめとする真核生物のゲノムには、トランスポゾンと呼ばれる、ゲノム上を自由に動き回ることのできる利己的な因子群が存在する(非特許文献1)。このトランスポゾンがゲノム上を動き回ることで、遺伝子が破壊されたり、発現が制御されたりする。このように、トランスポゾンは細胞内の遺伝子配列を変化させることで突然変異を引き起こし、生物の進化を促進してきた一方で、加齢や致死等の甚大な負の効果をもたらす大きな要因にもなってきた。
しかし、生体内には、トランスポゾンが動き回らないように制御する機構が複数存在する。例えば、トランスポゾンの転写を制御する機構、新規トランスポゾンを分解する機構、新規トランスポゾンのDNAへの組み込みを制御する機構等がある。それらのうち、トランスポゾンの転写を制御する機構は、トランスポゾンの移動の初期段階に関わっており、トランスポゾンの移動を抑制するのに重要な役割を果たしている。
トランスポゾンの転写を制御する機構に関して、哺乳類のゲノムでは、5’−CpG−3’配列のシトシンの5位がメチル化修飾を受けることにより、トランスポゾンの転写が制御されている(非特許文献2)。通常、遺伝子のプロモーター領域に存在するCpGアイランドはメチル化されていないが、メチル化を受けることにより遺伝子発現が抑制される。DNAメチル化は、3種類のDNAメチル基転移酵素DNMT1{DNA(cytosine−5−)−methyltransferase 1}、DNMT3A{DNA(cytosine−5−)−methyltransferase 3α}、DNMT3B{DNA(cytosine−5−)−methyltransferase 3β}により起こる。DNAメチル化が関与する生理的現象として、LINE1(long interspersed nucleotide element 1)等のトランスポゾンの不活化、ゲノムインプリンティング、X染色体不活化等が挙げられる。
最近の研究から、トランスポゾンの一種であるLINE1の紫外線照射による活性化メカニズムが明らかとなってきた。即ち、紫外線照射により、トリプトファンがFICZ(6−formylindolo[3,2−b]carbazole)に変換される。FICZは芳香剤炭化水素受容体(AhR)に結合して様々な有害作用を仲介するが、そのうちの一つとしてLINE1の動きを活発にさせる(特許文献1及び非特許文献3〜5)。
トランスポゾンの活性化により引き起こされる疾病として、筋ジストロフィー(特許文献2及び非特許文献6)、血友病(特許文献2及び非特許文献7)、アルツハイマー病(特許文献3及び4)等が挙げられる。トランスポゾンの移動を制御することができれば、遺伝子配列の甚大な変化を抑制することができ、前述のような疾病を予防若しくは軽減することができると考えられる。しかしながら、今までのところ、そのような効果が期待され、且つ安全性が高いトランスポゾン移動抑制剤は開発されていない。
近年、マンネンタケ抽出物の研究が進められ、生体の遺伝子損傷抑制剤(特許文献5)、血栓症改善剤(特許文献6)、美白剤(特許文献7)、高血圧抑制剤(特許文献8)等が開示されている。又、温度範囲20〜150℃、圧力範囲1〜80MPaの状態にある二酸化炭素により抽出されたマンネンタケ抽出物の研究については、美白剤(特許文献9)、幹細胞の未分化維持剤及び増殖促進剤(特許文献10)、発毛促進剤(特許文献11)等が開示されている。更に、霊芝胞子抽出物の研究については、制癌性健康食品及び健康食品添加剤(特許文献12)、健康的コラーゲン化粧品(特許文献13)、育毛剤(特許文献14)等が開示されている。
特許文献5のように、マンネンタケ抽出物には遺伝子損傷抑制効果が認められている。特許文献5に用いられているAmes試験は、感受性を高くしたサルモネラ菌の変異株を使用して突然変異抑制効果を評価している。この試験では、菌の特定の変異遺伝子部分の変化を指標にしていること、及び紫外線照射により種々の遺伝子損傷が誘発されることから、マンネンタケ抽出物がトランスポゾンの移動を制御する効果を有するのかについては分かっていない。
特開2006−265186 特表2007−515941 特開2008−187994 特開2008−188003 特開2002−322081 特開2006−28128 特開2007−145807 特開2008−255041 特開2005−104873 特開2011−211956 特開2013−71927 特開2002−209553 特開2005−206567 特開2007−8885
Mol.Cell,43(6),1015−1022(2011) 豊田実,生化学,82(8),693−701(2010) Chem.Biol.Interact.,118(2),127−140(1999) Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,104(21),8851−8856(2007) Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,107(43),18487−18492(2010) Nature,478(7367),127−131(2011) Nature,464(7291),999−1005(2010)
そこで、本発明が解決する課題は、トランスポゾンの移動を制御する成分を見出し、これを有効成分とする、作用点が明確であり、且つ優れたトランスポゾン移動抑制剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題の解決に向け鋭意検討を行った結果、マンネンタケ抽出物にトランスポゾンの移動を制御する優れた効果を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)マンネンタケ抽出物を含有することを特徴とするトランスポゾン移動抑制剤。
(2)マンネンタケが赤霊芝であることを特徴とする(1)記載のトランスポゾン移動抑制剤。
(3)赤霊芝が赤霊芝胞子であることを特徴とする(2)記載のトランスポゾン移動抑制剤。
(4)温度範囲20〜150℃、圧力範囲1〜80MPaの状態にある二酸化炭素によるマンネンタケ抽出物を含有することを特徴とするトランスポゾン移動抑制剤。
(5)温度範囲20〜150℃、圧力範囲1〜80MPaの状態にある二酸化炭素による赤霊芝抽出物を含有することを特徴とするトランスポゾン移動抑制剤。
(6)温度範囲20〜150℃、圧力範囲1〜80MPaの状態にある二酸化炭素による赤霊芝胞子抽出物を含有することを特徴とするトランスポゾン移動抑制剤。
(7)(1)〜(6)のいずれか1項記載のトランスポゾン移動抑制剤を含有することを特徴とする、筋ジストロフィー、血友病、アルツハイマー病、又は悪性腫瘍の予防若しくは軽減用組成物。
(8)マンネンタケ抽出物を含有することを特徴とするDNAメチル化酵素産生促進剤。
本発明のマンネンタケ抽出物は、安全で、且つトランスポゾン移動抑制効果及びDNAメチル化酵素産生促進効果に優れていた。
本発明のトランスポゾンとは、ゲノム上を移動することができる遺伝子(塩基配列)である。トランスポゾンには、遺伝子が直接転移する「DNA型」と、転写と逆転写の過程を経て転移する「RNA型」があり、「トランスポゾン」という語は、狭義には前者のみを指し、後者は「レトロトランスポゾン」と呼ばれる。本発明のトランスポゾンは、「DNA型」及び「RNA型」の両者を含む。
本発明のDNAメチル化酵素とは、DNA配列中のCpG部位のシトシンにメチル基を付加するDNMT1、DNMT3A、DNMT3Bの3種類の酵素であり、好ましくはDNMT3Aである。尚、本発明におけるDNAメチル化酵素産生促進は、LINE1等のトランスポゾンの不活化、ゲノムインプリンティング、X染色体不活化等に関与しており、通常の遺伝子損傷とは無関係である。
本発明に用いられるマンネンタケは、生薬「霊芝」に用いられる担子菌であり、マンネンタケ科(Ganodermataceae)、マンネンタケ属(Ganoderma)に属する。又、マンネンタケ属のキノコについては、中国の薬学古書である「本草綱目」や「神農本草経」に、赤霊芝(霊芝)、黒霊芝(黒芝)、紫霊芝(紫芝)、青霊芝(青芝)、黄霊芝(黄芝)及び白霊芝(白芝)が存在すると記載されている。赤霊芝の一種として、鹿角霊芝も挙げられる。赤霊芝、鹿角霊芝の学名は(Ganoderma lucidum)であり、黒霊芝の学名は(G.atrum、G.japonicum、G.sinense、G.duropora)である。一般的には赤霊芝、鹿角霊芝、黒霊芝等が多く流通している。これらは広く中国や日本市場等で流通しているものを用いることができるし、自生品や栽培品を用いても良い。又、菌糸体の培養物も用いることができる。これらはそのまま用いても良いし、乾燥や粉砕したものも用いることができる。好ましくは、赤霊芝が良い。
本発明に用いられる霊芝胞子とは、マンネンタケ科マンネンタケ属の霊芝の胞子であり、霊芝が成熟する頃に菌傘に現れる粉末のことである。本発明における霊芝胞子のうち、赤霊芝の胞子を赤霊芝胞子、黒霊芝の胞子を黒霊芝胞子と呼ぶ。
本発明に用いられるマンネンタケ抽出物とは、例えば、子実体や菌子体等の抽出物が挙げられ、単独又は両者を混合して用いても良い。その抽出方法は特に限定されず、例えば、溶媒を用いて加熱抽出したものであっても良いし、常温抽出したものであっても良い。又、温度範囲20〜150℃、圧力範囲1〜80MPaの状態にある超臨界状態又はその近傍の状態にある二酸化炭素により、既知の抽出方法に従って実施することもできる。
抽出溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、超臨界状態又はその近傍の状態にある二酸化炭素、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコール、液状多価アルコール等の極性溶媒及び超臨界状態又はその近傍の状態にある二酸化炭素が良く、特に好ましくは、超臨界状態又はその近傍の状態にある二酸化炭素である。これらの溶媒は、一種でも二種以上を混合して用いても良い。
超臨界状態又はその近傍の状態にある二酸化炭素による抽出は、温度20〜150℃、圧力1〜80MPa、好ましくは温度30〜60℃、圧力10〜50MPaの範囲内で、目的に応じた温度及び圧力を採用することができる。又、抽出時間や二酸化炭素の供給量は、目的に応じて適宜選択できる。更に、共溶媒(エントレーナー)として有機溶媒を用いることもできる。共溶媒(エントレーナー)としては、エタノール、アセトン等が挙げられる。中でも、安全性の面からエタノールが好ましい。
又、超臨界状態又はその近傍の状態にある二酸化炭素による抽出は、例えば、上記抽出条件の二酸化炭素を連続的に吹き込むことにより、行うことができる。次いで、マンネンタケ抽出物を含有する二酸化炭素流体を分離槽に導き、常用されている方法、例えば、圧力を下げる方法、温度を変化させる方法等で分離する。この際、分離槽には抽出された溶質を吸着できる吸着剤や、溶解や分散させることができる媒体(溶剤、基剤)等を充填しておくこともでき、抽出条件に応じた適当な分離手段を採用できる。分離された二酸化炭素は、液化槽に輸送して再利用することができる。
本発明における、超臨界状態又はその近傍の状態にある二酸化炭素による抽出方法によれば、赤霊芝等に含有されるガノデリン酸等のトリテルペン類も効果的に抽出できる。特に、共溶媒(エントレーナー)を用いれば、この効果は顕著である。
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、濃縮、希釈及び濾過処理、活性炭等による脱色、脱臭処理等をして用いても良い。更には、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良い。更には、カラム精製等を行って有効成分を濃縮や単離しても良い。
本発明のマンネンタケ抽出物を含有することを特徴とするトランスポゾン移動抑制剤は、食品、医薬部外品、医薬品、化粧品のいずれにも用いることができ、その剤形としては、例えば、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、軟膏、パップ剤等が挙げられる。上記抽出物をそのまま使用しても良く、本発明の効果を損なわない範囲で、賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、香料、保存料、溶解補助剤、溶剤等を用いることができる。具体的には、乳糖、ショ糖、ソルビット、マンニット、澱粉、沈降性炭酸カルシウム、重質酸化マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、セルロース又はその誘導体、アミロペクチン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、界面活性剤、水、生理食塩水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、カカオ脂、ラウリン脂、ワセリン、パラフィン、高級アルコール等である。
本発明に用いられるマンネンタケ抽出物の配合量は、内用の場合、投与量は年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人1人当たりの1日の量として5mg以上が好ましく、10〜500mgがより好ましい。更に、20〜200mgが最も好ましい。一方、外用の場合、固形物に換算して0.0001重量%以上が好ましく、0.001〜10重量%がより好ましい。更に、0.01〜5重量%が最も好ましい。0.0001重量%未満では十分な効果は望みにくい。10重量%を越えて配合した場合、効果の増強は認められにくく不経済である。
次に、本発明を詳細に説明するため、具体的な実施例を挙げて説明する。これらの実施例は効果を具体的に説明するもので、発明の範囲を限定するものではない。
製造例1 赤霊芝の超臨界抽出物
内容積5Lの抽出槽に赤霊芝の粉砕物1kgを仕込み、これに超臨界二酸化炭素(温度60℃、圧力25MPa、二酸化炭素供給量15m)を約4.5時間供給し、抽出槽に接続した分離槽(温度40℃、圧力4MPa)に導いて炭酸ガスと抽出物を分離し、赤霊芝の超臨界抽出物を10.1g得た。
製造例2 赤霊芝胞子の超臨界抽出物
内容積5Lの抽出槽に赤霊芝の胞子1kgを仕込み、これに超臨界二酸化炭素(温度60℃、圧力25MPa、二酸化炭素供給量15m)を約4.5時間供給し、抽出槽に接続した分離槽(温度40℃、圧力4MPa)に導いて炭酸ガスと抽出物を分離し、赤霊芝胞子の超臨界抽出物を15.9g得た。
製造例3 赤霊芝の熱水抽出物
製造例1で使用したものと同じ赤霊芝の粉砕物20gに蒸留水1Lを加え、100℃にて1時間抽出した。得られた抽出液を濾過した後、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して、赤霊芝の熱水抽出物を1.4g得た。
製造例4 赤霊芝のエタノール抽出物
製造例1で使用したものと同じ赤霊芝の粉砕物500gにエタノール5Lを加え、5時間還流抽出した。抽出終了後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、赤霊芝のエタノール抽出物を8.3g得た。
製造例5 黒霊芝の超臨界抽出物
内容積5Lの抽出槽に黒霊芝の粉砕物1kgを仕込み、これに超臨界二酸化炭素(温度60℃、圧力25MPa、二酸化炭素供給量15m)を約4.5時間供給し、抽出槽に接続した分離槽(温度40℃、圧力4MPa)に導いて炭酸ガスと抽出物を分離し、黒霊芝の超臨界抽出物を12.5g得た。
製造例6 黒霊芝胞子の超臨界抽出物
内容積5Lの抽出槽に黒霊芝の胞子1kgを仕込み、これに超臨界二酸化炭素(温度60℃、圧力25MPa、二酸化炭素供給量15m)を約4.5時間供給し、抽出槽に接続した分離槽(温度40℃、圧力4MPa)に導いて炭酸ガスと抽出物を分離し、黒霊芝胞子の超臨界抽出物を16.8g得た。
製造例7 黒霊芝の熱水抽出物
製造例5で使用したものと同じ黒霊芝の粉砕物20gに蒸留水1Lを加え、100℃にて1時間抽出した。得られた抽出液を濾過した後、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して、黒霊芝の熱水抽出物を0.9g得た。
製造例8 黒霊芝のエタノール抽出物
製造例5で使用したものと同じ黒霊芝の粉砕物500gにエタノール5Lを加え、5時間還流抽出した。抽出終了後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、黒霊芝のエタノール抽出物を8.5g得た。
本発明のマンネンタケ抽出物は、処方例として下記の製剤化を行うことができる。
処方例1 飲料1
処方 配合量(g)
1.赤霊芝の超臨界抽出物 0.1
2.クエン酸 0.7
3.果糖ブドウ糖液糖 60.0
4.香料 0.1
5.精製水 39.1
全量 100.0
[製造方法]成分5に成分1〜4を加え、攪拌溶解して濾過し、加熱殺菌後、50mLガラス瓶に充填する。当該飲料を1日1本摂取することで、赤霊芝の超臨界抽出物を50mg/日摂取できる。
処方例2 飲料2
処方 配合量(g)
1.赤霊芝胞子の超臨界抽出物 0.1
2.クエン酸 0.7
3.果糖ブドウ糖液糖 60.0
4.香料 0.1
5.精製水 39.1
全量 100.0
[製造方法]成分5に成分1〜4を加え、攪拌溶解して濾過し、加熱殺菌後、50mLガラス瓶に充填する。当該飲料を1日1本摂取することで、赤霊芝胞子の超臨界抽出物を50mg/日摂取できる。
処方例3 錠剤
処方 配合量(g)
1.赤霊芝の熱水抽出物 5.0
2.トウモロコシデンプン 10.0
3.精製白糖 20.0
4.カルボキシメチルセルロースカルシウム 10.0
5.微結晶セルロース 40.0
6.ポリビニルピロリドン 5.0
7.タルク 10.0
全量 100.0
[製造方法]成分1〜5を混合し、次いで成分6の水溶液を結合剤として加え、常法により顆粒化する。これに滑沢剤として成分7を加えた後、1錠100mgの錠剤に打錠する。当該錠剤を1日12錠摂取することで、赤霊芝の熱水抽出物を60mg/日摂取できる。
処方例4 カプセル剤
処方 配合量(g)
1.赤霊芝のエタノール抽出物 5.0
2.微結晶セルロース 60.0
3.トウモロコシデンプン 15.0
4.乳糖 18.0
5.ポリビニルピロリドン 2.0
全量 100.0
[製造方法]成分1〜5を混合して顆粒化した後、2号硬カプセルに250mg充填してカプセル剤を得る。当該カプセル剤を1日6個摂取することで、赤霊芝のエタノール抽出物を75mg/日摂取できる。
処方例5 散剤1
処方 配合量(g)
1.黒霊芝の超臨界抽出物 5.0
2.微結晶セルロース 40.0
3.トウモロコシデンプン 55.0
全量 100.0
[製造方法]成分1〜3を混合し、常法により散剤を得る。当該散剤を1日1g摂取することで、黒霊芝の超臨界抽出物を50mg/日摂取できる。
処方例6 散剤2
処方 配合量(g)
1.黒霊芝胞子の超臨界抽出物 5.0
2.微結晶セルロース 40.0
3.トウモロコシデンプン 55.0
全量 100.0
[製造方法]成分1〜3を混合し、常法により散剤を得る。当該散剤を1日1g摂取することで、黒霊芝胞子の超臨界抽出物を50mg/日摂取できる。
処方例7 錠菓
処方 配合量(g)
1.黒霊芝の熱水抽出物 1.0
2.乾燥コーンスターチ 50.0
3.エリスリトール 40.0
4.クエン酸 5.0
5.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
6.香料 1.0
全量 100.0
[製造方法]成分1〜4に精製水を適量加えて練和し、押出し造粒した後、乾燥して顆粒を得る。顆粒に成分5及び6を加えて打錠し、1個1gの錠菓を得る。当該錠菓を1日6個摂取することで、黒霊芝の熱水抽出物を60mg/日摂取できる。
処方例8 トローチ
処方 配合量(g)
1.黒霊芝のエタノール抽出物 1.0
2.マルチトール 50.0
3.キシリトール 45.0
4.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
5.香料 1.0
全量 100.0
[製造方法]成分1〜3を混合し、流動層造粒装置で造粒する。得られた顆粒に成分4及び5を加えて打錠し、1個1gのトローチを得る。当該トローチを1日6個摂取することで、黒霊芝のエタノール抽出物を60mg/日摂取できる。
処方例9 軟膏
処方 配合量(g)
1.赤霊芝の超臨界抽出物 1.0
2.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
3.モノステアリン酸グリセリン 10.0
4.流動パラフィン 5.0
5.セタノール 6.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
7.プロピレングリコール 10.0
8.精製水 65.9
全量 100.0
[製造方法]成分2〜5を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び6〜8を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
実験例1 ヒト皮膚線維芽細胞におけるDNMT3A産生に及ぼす赤霊芝の熱水抽出物、赤霊芝の超臨界抽出物及び赤霊芝胞子の超臨界抽出物の影響
コンフルエントになったヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)に赤霊芝の熱水抽出物、赤霊芝の超臨界抽出物及び赤霊芝胞子の超臨界抽出物を加え、FBSを含まないDMEM培地にて24時間培養した後、RNAiso plus(TAKARA)を用いて総RNAの抽出を行った。尚、終濃度は0.1及び1.0μg/mLにて行った。総RNAを基に、SYBR Select Master Mix(ライフテクノロジーズ)を用いたリアルタイムRT−PCR法により、DNMT3AmRNA発現量の測定を行った。同時に、内部標準として、18SrRNA発現量の測定を行った。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは次の通りである。
DNMT3A用のプライマーセット
GGCAGGATAGCCAAGTTCAG(配列番号1)
TTGCCCTGCTTTATGGAGTT(配列番号2)
18SrRNA用のプライマーセット
CCGAGCCGCCTGGATAC(配列番号3)
CAGTTCCGAAAACCAACAAAATAGA(配列番号4)
その結果を表1に示す。表の通り、赤霊芝の熱水抽出物、赤霊芝の超臨界抽出物及び赤霊芝胞子の超臨界抽出物はヒト皮膚線維芽細胞におけるDNMT3AmRNA発現量を増加させたが、その効果は赤霊芝の超臨界抽出物及び赤霊芝胞子の超臨界抽出物において極めて高かった。
実験例2 ヒト皮膚線維芽細胞におけるLINE1産生に及ぼす赤霊芝の熱水抽出物、赤霊芝の超臨界抽出物及び赤霊芝胞子の超臨界抽出物の影響
コンフルエントになったヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)に赤霊芝の熱水抽出物、赤霊芝の超臨界抽出物及び赤霊芝胞子の超臨界抽出物を加え、FBSを含まないDMEM培地にて24時間培養した後、RNAiso plus(TAKARA)を用いて総RNAの抽出を行った。尚、終濃度は1及び10μg/mLにて行った。総RNAを基に、SYBR Select Master Mix(ライフテクノロジーズ)を用いたリアルタイムRT−PCR法により、トランスポゾンの一種であるLINE1のmRNA発現量の測定を行った。同時に、内部標準として、GAPDHmRNA発現量の測定を行った。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは次の通りである。
LINE1用のプライマーセット
CCATCAGACTAACAGCGGA(配列番号5)
GCCCCCACTCTCTTCTG(配列番号6)
GAPDH用のプライマーセット
TGAACGGGAAGCTCACTGG(配列番号7)
TCCACCACCCTGTTGCTGTA(配列番号8)
その結果を表2に示す。表の通り、赤霊芝の熱水抽出物、赤霊芝の超臨界抽出物及び赤霊芝胞子の超臨界抽出物はヒト皮膚線維芽細胞におけるLINE1mRNA発現量を減少させたが、その効果は赤霊芝の超臨界抽出物及び赤霊芝胞子の超臨界抽出物において極めて高かった。
マンネンタケ抽出物を用いることにより、トランスポゾン特有のDNAメチル化酵素の産生を促進し、トランスポゾンの移動を制御することができる。本発明により、トランスポゾンの移動が要因となる筋ジストロフィー、血友病、アルツハイマー病、悪性腫瘍等の疾病を予防若しくは軽減する食品、医薬部外品、医薬品、化粧品を提供することができる。

Claims (4)

  1. マンネンタケ抽出物を含有することを特徴とするトランスポゾン移動抑制剤(筋ジストロフィー、アルツハイマー病、又は悪性腫瘍の予防若しくは軽減用組成物とする態様を除く)であり、マンネンタケ抽出物が熱水又は温度範囲20〜150℃、圧力範囲1〜80MPaの状態にある二酸化炭素による抽出物であることを特徴とする、トランスポゾン移動抑制剤。
  2. マンネンタケが赤霊芝であることを特徴とする請求項1記載のトランスポゾン移動抑制剤。
  3. 赤霊芝が赤霊芝胞子であることを特徴とする請求項2記載のトランスポゾン移動抑制剤。
  4. マンネンタケ抽出物を含有することを特徴とするDNAメチル化酵素産生促進剤(筋ジストロフィー、アルツハイマー病、又は悪性腫瘍の予防若しくは軽減用組成物とする態様を除く)であり、マンネンタケ抽出物が熱水又は温度範囲20〜150℃、圧力範囲1〜80MPaの状態にある二酸化炭素による抽出物であることを特徴とする、DNAメチル化酵素産生促進剤。
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