JP6324728B2 - 銅回路の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、銅回路の形成方法に関するものである。
銅は全金属中で銀の次に導電性が高く、また安価であることから配線材料として広く用いられている。配線の形成方法としては、基材上にメッキ等により銅層を形成し、不要部分をエッチングにより溶解除去する方法が一般的である。
しかしながら、この方法では処理工程数が多い上にエッチング廃液の処理が必要であり、コストがかかる上に環境負荷も大きいという問題があった。
これに対し、銅粒子と樹脂バインダーを溶剤等で混練してペースト状に加工し、これを印刷して加熱焼成することにより、樹脂バインダーが硬化して銅粒子同士の接触を保持することにより回路を形成する技術が実用化されている。但し、この方法では回路形成後にも導体内に比較的多くの樹脂バインダーが残るため、十分な導電性を得ることが難しかった。
また、金属粒子をナノレベルのサイズまで小さくすることにより、比較的低温の加熱で金属粒子同士があたかも溶けあうように接合する現象が知られており、この現象を利用して、銅粒子と樹脂バインダーの混合物を印刷して加熱焼成することにより銅粒子同士を接合させて回路を形成し、回路形成後に導体内に残る樹脂バインダーを削減する技術が開発されている。但し、この方法では銅粒子をナノレベルのサイズに加工しなければならないため、製造コストが高くなるという問題があった。
これに対し、熱分解により銅を析出する銅組成物を用いて基材上に配線パターンを印刷し、これを加熱することにより銅を析出させ、配線を形成する方法が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。この方法によれば、銅粒子をナノレベルのサイズに加工する必要がないため、製造コストを抑えることができる。また、回路形成後に導体内に残る樹脂バインダーを削減できるため、良好な導電性を得ることができる。
しかしながら、このような技術を用いて形成される銅被膜には、基材との密着に寄与する樹脂バインダーが少ない、またはほとんど含まれないため、基材との密着は専ら銅と基材表面の直接的な相互作用により確保される。そのため、ガラスやセラミック等の無機酸化物表面では密着が確保されにくいという問題点があった。
特開2005−2471号公報 特開2013−178983号公報 特開2013−194257号公報
本発明は、基材と銅被膜との密着性を十分に確保することが可能な銅回路の形成方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、基材上にプライマー樹脂層を設け、その上に銅被膜形成剤を塗布し、加熱することにより、前記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(6)によって達成される。
(1)基材上に、プライマー樹脂層を設ける表面改質工程、前記プライマー樹脂層上に、銅被膜を形成する銅錯体を含有する銅被膜形成剤を塗布する塗布工程、および塗布された銅被膜形成剤を加熱して銅被膜を形成させる加熱工程を含む、銅回路の形成方法。
(2)前記プライマー樹脂層が、親水性残基を有する樹脂層である、前記(1)に記載の銅回路の形成方法。
(3)前記プライマー樹脂層が、フェノール系樹脂を含有する樹脂組成物により形成される、前記(2)に記載の銅回路の形成方法。
(4)前記銅被膜形成剤が、1〜3個の窒素原子を有する5員又は6員の含窒素複素環式化合物と蟻酸銅とからなる銅錯体を含有する、前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の銅回路の形成方法。
(5)前記基材の材質が、無機酸化物である、前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の銅回路の形成方法。
(6)前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の銅回路の形成方法により製造された、配線基板。
本発明の銅回路の形成方法は、基材上にプライマー樹脂層を設け、その上に銅被膜形成剤を塗布し、加熱するという各工程を有することを特徴としているので、プライマー樹脂層が基材と銅被膜との密着を補助することができ、基材に対して密着性の良い銅被膜を形成することができる。
プライマー樹脂層が、親水性残基を有する樹脂層、とくにフェノール樹脂を含有する樹脂組成物により形成される形態とすることで、基材と銅被膜との密着性をさらに高めることができる。
また、銅被膜形成剤が、1〜3個の窒素原子を有する5員又は6員の含窒素複素環式化合物と蟻酸銅とからなる銅錯体を含有する形態とすることで、プライマー樹脂層による基材と銅被膜との密着性の向上効果をさらに高めることができる。
そして、本発明の銅回路の形成方法を適用することにより、基材の材質が無機酸化物であっても、プライマー樹脂層の存在により基材と銅被膜との高い密着性を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明で使用する銅被膜形成剤について説明する。
本発明の銅被膜形成剤は、銅被膜を形成可能な銅錯体を含有するものであり、例えば、含窒素複素環式化合物と蟻酸銅からなる銅錯体を用いることができる。好適には、特定の置換基で置換された1〜3個の窒素原子を有する5員又は6員の含窒素複素環式化合物(以下、単に「本発明の含窒素複素環式化合物」ともいう)と蟻酸銅からなる銅錯体を含有する。
上記特定の置換基で置換された1〜3個の窒素原子を有する5員又は6員の含窒素複素環式化合物は、1〜3個の窒素原子を有する5員又は6員の複素環骨格を有する。該化合物は1個又は2個の環構造を有し、置換基に含まれる炭素の総数は1〜5であり、該化合物中の炭素原子以外の元素は水素原子と結合していない。このように含窒素複素環式化合物を特定の置換基で置換した本発明の含窒素複素環式化合物は、窒素上の非共有電子対によって、銅イオンに配位することができる。
蟻酸銅を窒素雰囲気下で加熱すると、蟻酸イオンによる銅イオンの還元反応が起こり、銅が析出する現象は古くから知られている。また、蟻酸銅にアミン類を配位させることによって、還元反応の温度が低温化することも良く知られている。このことは、一般に還元反応は系のpHが高いほど進みやすいことから、アミン類の塩基性が還元反応の低温化に寄与していると推測することができる。
しかしながら、一級アミン又は二級アミンを使用した場合には、これらのアミンが析出した銅と結合してしまうために比較的低温で還元反応が進むものの残渣が残りやすく、良好な導電性が得られ難い。また、三級アミンを使用した場合には、残渣の問題は解決されるものの、置換基による立体障害が大きいため、銅に安定に配位することができず十分な低温化効果が得られない。また、三級アミンに水酸基などの極性の置換基を導入し、キレート作用により銅に安定に配位させる試みもなされているが、揮発性が損なわれて高温の加熱が必要になったり、三級アミンの塩基性が強すぎるために常温でも還元反応が進んだりするなどの問題がある。また、ある種の金属触媒を併用することで還元反応を低温化する試みもなされているが、十分な効果は得られていない。
本発明の含窒素複素環式化合物を使用した場合には、適度な塩基性を有し、且つ立体障害が小さいため、安定に銅に配位することが可能であり、常温で比較的安定な蟻酸銅錯体を形成することができる。本発明の含窒素複素環式化合物は、銅が析出した後は銅と結合することなく比較的速やかに揮発し、残渣の少ない導電性に優れた銅を析出することができる。特に、含窒素複素環式化合物に特定の置換基を導入することにより、適度な揮発性が付与され、銅析出の過程で流動状態を経ることが可能となるため、均一性の高い銅被膜が得られるという効果を奏する。また、適度な極性が付与され、流動状態でも親水性表面に対する親和性を維持することが可能となるため、親水性の基材表面に対して良好に密着することができるという効果を奏する。
前記置換基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシル基及びアルコキシルアルキル基からなる群から選択されることが好ましい。
本発明の含窒素複素環式化合物としては、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、ピリジン化合物、ピラゾール化合物等が挙げられる。
<イミダゾール化合物>
本発明の含窒素複素環式化合物として、下記式(I)で示されるイミダゾール化合物が挙げられる。
Figure 0006324728
(式(I)中、Rは炭素数1〜5の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜5の炭化水素と水素原子と結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、隣接するR又はRと結合して複素環を形成する。R〜Rは各々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜4の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、隣接するR、R又はRと結合して環若しくは複素環を形成する。ただし、R〜Rに含まれる炭素原子の合計は5以下である。)
の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ビニル基等が挙げられる。
式(I)で示されるイミダゾール化合物としては、具体的には、
1−メチルイミダゾール、
1−エチルイミダゾール、
1−プロピルイミダゾール、
1−イソプロピルイミダゾール、
1−ブチルイミダゾール、
1−イソブチルイミダゾール、
1−sec−ブチルイミダゾール、
1−tert−ブチルイミダゾール、
1−ペンチルイミダゾール、
1−イソペンチルイミダゾール、
1−(2−メチルブチル)イミダゾール、
1−(1−メチルブチル)イミダゾール、
1−(1−エチルプロピル)イミダゾール、
1−tert−ペンチルイミダゾール、
1,2−ジメチルイミダゾール、
1−エチル−2−メチルイミダゾール、
2−エチル−1−メチルイミダゾール、
2−メチル−1−プロピルイミダゾール、
2−メチル−1−イソプロピルイミダゾール、
1−ブチル−2−メチルイミダゾール、
1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、
1−sec−ブチル−2−メチルイミダゾール、
1−tert−ブチル−2−メチルイミダゾール、
1,4−ジメチルイミダゾール、
1,2,4−トリメチルイミダゾール、
1,4,5−トリメチルイミダゾール、
1−ビニルイミダゾール、
1−アリルイミダゾール、
1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール、
1−メチルベンズイミダゾール、
イミダゾ[1,5−a]ピリジン
等が挙げられる。
なお、本発明の実施においては、式(I)で示されるイミダゾール化合物のうち、適宜の1種類を使用する他、種類の異なるイミダゾール化合物を組み合わせて使用することも可能である。
<トリアゾール化合物>
また、本発明の含窒素複素環式化合物として、下記式(IIa)又は下記式(IIb)で示されるトリアゾール化合物が挙げられる。
Figure 0006324728
(式(IIa)及び式(IIb)中、R及びRは各々独立して、炭素数1〜5の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜5の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、隣接するR又はR10と結合して複素環を形成する。R及びRは各々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜4の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、R、R又はRと結合して環若しくは複素環を形成する。Rは水素原子、炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜4の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表す。R10は水素原子、炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜4の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素を含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、隣接するRと結合して複素環を形成する。ただし、R〜Rに含まれる炭素の合計、及びR〜R10に含まれる炭素の合計はいずれも5以下である。)
及びRの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ビニル基等が挙げられる。
式(IIa)又は式(IIb)で示されるトリアゾール化合物の具体例としては、
1−メチル−1,2,4−トリアゾール、
1−エチル−1,2,4−トリアゾール、
1−プロピル−1,2,4−トリアゾール、
1−イソプロピル−1,2,4−トリアゾール、
1−ブチル−1,2,4−トリアゾール、
1−メチル−1,2,3−トリアゾール、
1−エチル−1,2,3−トリアゾール、
1−プロピル−1,2,3−トリアゾール、
1−イソプロピル−1,2,3−トリアゾール、
1−ブチル−1,2,3−トリアゾール、
1−メチルベンゾトリアゾール
等が挙げられる。
なお、本発明の実施においては、式(IIa)又は式(IIb)で示されるトリアゾール化合物のうち、適宜の1種類を使用する他、種類の異なるトリアゾール化合物を組み合わせて使用することも可能である。
<ピリジン化合物>
また、本発明の含窒素複素環式化合物として、下記式(III)で示されるピリジン化合物が挙げられる。
Figure 0006324728
(式(III)中、R11〜R15は各々独立して、水素原子、炭素数1〜5の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜5の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、隣接するR11、R12、R13、R14又はR15と結合して環若しくは複素環を形成する。ただし、R11〜R15に含まれる炭素の合計は5以下である。)
11〜R15の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ビニル基、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
式(III)で示されるピリジン化合物の具体例としては、
ピリジン、
4−メチルピリジン、
4−エチルピリジン、
4−プロピルピリジン、
4−ブチルピリジン、
4−ペンチルピリジン、
キノリン、
イソキノリン、
4−メトキシピリジン
等が挙げられる。
なお、本発明の実施においては、式(III)で示されるピリジン化合物のうち、適宜の1種類を使用する他、種類の異なるピリジン化合物を組み合わせて使用することも可能である。
<ピラゾール化合物>
また、本発明の含窒素複素環式化合物として、下記式(IV)で示されるピラゾール化合物が挙げられる。
Figure 0006324728
(式(IV)中、R16は炭素数1〜5の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜5の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、隣接するR19と結合して複素環を形成する。R17〜R19は各々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜4の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、隣接するR16、R17、R18又はR19と結合して環若しくは複素環を形成する。ただし、R16〜R19に含まれる炭素原子の合計は5以下である。)
16の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ビニル基等が挙げられる。
式(IV)で示されるピラゾール化合物の具体例としては、
1−メチルピラゾール、
1−エチルピラゾール、
1−プロピルピラゾール、
1−イソプロピルピラゾール、
1−ブチルピラゾール、
1−ペンチルピラゾール
等が挙げられる。
なお、本発明の実施においては、式(IV)で示されるピラゾール化合物のうち、適宜の1種類を使用する他、種類の異なるピラゾール化合物を組み合わせて使用することも可能である。
<その他>
また、本発明の含窒素複素環式化合物として、2個の窒素原子を有するピリダジン、ピリミジン、ピラジン、3個の窒素原子を有するトリアジン等も挙げることができる。
本発明の含窒素複素環式化合物は、上記した化合物を1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
蟻酸銅としては、無水蟻酸銅(II)、蟻酸銅(II)・二水和物、蟻酸銅(II)・四水和物等が好適に使用できる。また、酸化銅(II)や酸化銅(I)あるいは塩基性炭酸銅(II)、酢酸銅(II)、シュウ酸銅(II)等の銅化合物を1種若しくは2種以上を組み合わせて蟻酸と混合し、系内で蟻酸銅を生成させたものを用いてもよい。
本発明の銅被膜形成剤は、好適には、上記した本発明の含窒素複素環式化合物と蟻酸銅からなる銅錯体(以下、「本発明の銅錯体」と云う)を含有する。
本発明の銅被膜形成剤は、原料である本発明の含窒素複素環式化合物と蟻酸銅を混合し、必要に応じて溶剤を加え、必要に応じて粉砕し、混練するだけで容易に調製でき、特別な合成操作を必要としない。
本発明の銅錯体は、組成物として本発明の銅被膜形成剤に含まれていればよく、本発明の銅錯体を別途調製しておき、これを銅被膜形成剤を構成する他の成分に混合してもよいし、本発明の銅錯体を構成する原料と、銅被膜形成剤を構成する他の成分を直接混合して本発明の銅被膜形成剤としてもよい。
本発明の銅錯体を別途調製する場合には、例えば蟻酸銅を適量の溶媒に溶解又は分散させ、これに本発明の含窒素複素環式化合物を添加して攪拌する。その後、前記の溶媒を減圧蒸留により、除去することにより得ることができる。本発明の銅錯体を調製する際に用いる前記の溶媒としては、水、メタノール、エタノール等を使用することが好ましい。
本発明の銅被膜形成剤における、本発明の含窒素複素環式化合物と蟻酸銅との割合は、蟻酸銅1モルに対して、本発明の含窒素複素環式化合物が1モル以上であればよく、望ましくは2モル以上である。
また、本発明の含窒素複素環式化合物と蟻酸銅の混合方法としては、前述の他に、溶剤に蟻酸銅を分散させたスラリーに本発明の含窒素複素環式化合物を添加してもよいし、本発明の含窒素複素環式化合物を溶解させた溶剤に蟻酸銅を添加してもよい。
本発明の銅被膜形成剤を調製する際に用いる前記の溶剤としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、テルピネオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、アセトン、エチルメチルケトン、ペンタン、ヘキサン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
溶剤は、本発明の銅被膜形成剤を溶液状、分散液状又はペースト状にできるものであれば特に限定されず、1種もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。溶剤の配合量は、一般的な量とすることができ、得られる銅被膜形成剤の粘度、塗布性等を考慮して適当な比率を決定すればよい。
本発明では、銅被膜形成剤のレオロジーを調整するために、2種類以上の溶剤を使用することが好ましく、その組み合わせとしては銅錯体に対する貧溶媒と良溶媒との組み合わせが好ましく、具体的にはテルピネオールとエチレングリコールとの組み合わせ、エチレングリコールモノヘキシルエーテルとジエチレングリコールとの組み合わせ、1−オクタノールとプロピレングリコールとの組み合わせ、等が挙げられる。また、貧溶媒と良溶媒との割合は、銅被膜形成剤の種類等を勘案して適宜決定すればよいが、前者:後者の容量比として、例えば1〜2:1〜4が挙げられる。
前記の粉砕方法としては、本発明の銅被膜形成剤が溶液状ではない場合に、分散液状又はペースト状にできるものであればよく、特に限定されない。
本発明の銅被膜形成剤においては、銅被膜の厚さを増加させるために、銅又はその他の金属や樹脂、セラミック等からなる粒子又は粉体等の充填材を本発明の効果を損なわない範囲において使用することができる。
また、本発明による銅被膜形成剤には、銅被膜の形成に要する時間を短縮するために、アルカリ化剤や金属触媒等を本発明の効果を損なわない範囲において使用することができる。アルカリ化剤の種類としては苛性ソーダ、苛性カリウム、アンモニア、一級アミン、二級アミン、三級アミン等が挙げられる。また金属触媒としては、銀、白金、ロジウム、パラジウム等が挙げられる。
また、本発明による銅被膜形成剤には、安定化剤、分散剤、粘度調整剤、界面活性剤、pH調整剤等の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲において使用することができる。
次に、銅回路の形成方法について説明する。
本発明の銅回路の形成方法は、基材上に、プライマー樹脂層を設ける表面改質工程と、前記プライマー樹脂層上に、銅被膜を形成する銅錯体を含有する銅被膜形成剤を塗布する塗布工程と、塗布された銅被膜形成剤を加熱して銅被膜を形成させる加熱工程とを有する。
上記の基材としては、ガラス基材、シリコン基材、金属基材、セラミック基材、樹脂基材等が挙げられる。樹脂基材の樹脂の種類としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂や、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂、又はパルプ、セルロース等の植物繊維等が挙げられる。
中でも、基材の材質が銅被膜との密着性に乏しい無機酸化物、例えばガラス基材、セラミック基材であっても、本発明では下記で説明するプライマー樹脂層を適用することにより、両者の高い密着性を提供することができる。
(基材の表面改質工程)
本発明の銅回路の形成では、まず、基材上にプライマー樹脂層(以下、「樹脂層」ともいう)を設ける。
プライマー樹脂層としては、本発明の効果が高まるという観点から、親水性残基を有する樹脂層であることが好ましい。
親水性残基を有する樹脂層は、主に以下の2つの手段により設けることができる。
(1)基材上に親水性残基を有する樹脂を塗布する方法。
(2)基材上に樹脂層を設けた後、該樹脂層にUV照射、プラズマ照射、コロナ放電処理等を施し、樹脂層の表面に親水性残基を生成させる方法。
前記(1)の方法において、親水性残基を有する樹脂としては、例えば、水酸基やカルボキシル基を有する樹脂が挙げられ、具体的には、フェノール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、(メタ)アクリル酸の重合体または共重合体等が挙げられる。中でも、フェノール系樹脂は、骨格内に水酸基を有しており、容易に入手可能であるとともに、容易に塗膜を形成することができるため、好ましい。親水性残基を有する樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記樹脂組成物は、そのままで、あるいは各種溶媒に溶解して基材上に塗布することにより設けることができる。
樹脂層を設けるための塗工方法としては、スピンコート法、ディップ法、スプレーコート法、ミストコート法、フローコート法、カーテンコート法、ロールコート法、ナイフコート法、ブレードコート法、エアードクターコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、刷毛塗り等が挙げられる。
基材上に前記樹脂組成物を塗布した後、乾燥や加熱等により硬化して樹脂層を形成する。
なお、プライマー樹脂層の厚さは、例えば、0.1μm〜50μmであり、好ましくは1μm〜10μmである。
前記(2)の方法において、基材上に設ける樹脂層としては、基材、とくに無機酸化物製の基材と高い密着性を有するものが好ましく、熱可塑性樹脂でもよく、熱硬化性樹脂でもよく、感光性樹脂であってもよい。具体的には、アクリル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、クロロプレンゴム系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーンゴム系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリブチルアセテート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アイオノマー樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、セルロース誘導体、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体樹脂、アミド官能性共重合体樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)、オレフィン−αオレフィン共重合体樹脂、SBS、SIS、SEBS、SEPS等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
該樹脂層も前記(1)の方法と同様に、樹脂をそのまま、あるいは各種溶媒に溶解して基材上に塗布すればよく、その塗工工程も同様である。
そして、基材上に樹脂層を設けた後、該樹脂層にUV照射、プラズマ照射、コロナ放電処理等のエネルギー線照射を施し、樹脂層の表面に親水性残基を生成させる。このような親水性残基の生成処理は公知であり、基材や樹脂層の材質により適宜照射条件を決定することができる。
(銅被膜形成剤の塗布工程および加熱工程)
基材上に設けた前記樹脂層上に本発明の銅被膜形成剤を塗布した後、加熱して銅被膜を形成させ、配線パターンを形成する。
銅被膜形成剤の塗布方法としては、スピンコート法、ディップ法、スプレーコート法、ミストコート法、フローコート法、カーテンコート法、ロールコート法、ナイフコート法、ブレードコート法、エアードクターコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、刷毛塗り等が挙げられる。このような公知の塗布方法を適用することにより、銅被膜形成剤を基材上に塗布することができる。
なお、配線基板等に銅回路を形成する際には、基材(基板)に回路パターンが形成されたパターンマスクを当接し、その上からスピンコート法、ディップ法等により銅被膜形成剤の塗布を行うか、またはスクリーン印刷やインクジェット印刷等の印刷により銅被膜形成剤を塗布すればよい。
塗布後は、例えば温度40〜70℃、時間1〜10分の乾燥工程に施すのが好ましい。
上記の加熱工程における雰囲気は、非酸化性の雰囲気であることが好ましく、還元性ガス、不活性ガス、又は脱気雰囲気等が挙げられる。還元性ガスの雰囲気としては水素、蟻酸等が挙げられ、不活性ガスの雰囲気としてはヘリウム、窒素、アルゴン、二酸化炭素等が挙げられる。中でも、安全性及びコストの観点から不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
加熱方法としては、特に限定されないが、焼成または光照射する方法が挙げられ、焼成としては、塗布面に温風又は熱風をあてる方法があり、光照射としては、紫外線、赤外線又は可視光線等の光を、長時間ないし瞬間的に照射する方法等が挙げられる。これらとは別に、熱した媒体に基材を接触させる方法、熱したガス雰囲気に晒す方法、溶媒蒸気に晒す方法等が挙げられる。
前記加熱温度は、処理雰囲気下において本発明の銅錯体が分解し得る温度以上であればよい。好ましい加熱温度は、本発明の銅錯体の種類、溶剤の種類、加熱時の雰囲気等により一概には規定できず、それらに応じて適宜設定すればよい。なお、加熱温度が高すぎると基材の耐熱温度が低い場合は基材が劣化したり、エネルギーの無駄が生じたりするため、150℃以下の温度が好ましく、130℃以下がより好ましい。また、下限値は本発明の銅錯体が分解し得る温度以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。
加熱時間も同様に、本発明の銅錯体の種類、溶剤の種類、加熱時の雰囲気等により一概には規定できず、それらに応じて適宜設定すればよい。
また、銅被膜の膜厚を厚くするために、上記の銅被膜形成剤の塗布と加熱を複数回繰り返すことができる。
本発明の銅被膜形成剤は、配線基板の銅回路の形成に適しているが、その他には、銅被膜の形成が望まれる任意の物品を被覆するために使用でき、上記した銅回路の形成方法により、様々な物品の表面に銅被膜を形成することができる。この物品としては、例えば、配線基板の他に、ガラス、セラミック、フィルム、板、粉末、粒子、布や不織布等の繊維、紙、皮革、模型、美術品等が挙げられる。
また、セミアディティブプロセス又はフルアディティブプロセスによって回路形成する配線基板を製造する際に、上記した銅回路の形成方法によって形成された銅被膜をシード層として用いることで、製造工程の短縮やコスト削減を図ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<銅被膜形成剤の調製>
蟻酸銅(II)・四水和物(和光純薬工業社製)を2.26g計量して乳鉢で細かく粉砕し、1−メチルイミダゾール(東京化成工業社製)1.64g、エチレングリコール(和光純薬工業社製)0.40gおよびジエチレングリコール(和光純薬工業社製)0.20gを加えて更に混練し、濃青色の銅被膜形成剤を得た。
<銅被膜形成および評価>
(実施例1)
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(商品名「レヂトップPL−5208」、群栄化学工業社製)を、48mm(縦)×28mm(横)×1.2〜1.5mm(厚み)のスライドガラス上に、バーコーターを用いて厚み6μmで全面に塗布した。
これをホットプレートに乗せて150℃で30分間硬化させ、フェノール樹脂をプライマー樹脂層とするガラス基材を作成した。
この上に、厚さ55μmのポリイミド粘着テープを20mm間隔で平行に貼付し、その間に銅被膜形成剤を塗布した後、余剰分をプレートでかきとるようにして、30mm(縦)×20mm(横)×55μm(厚み)のサイズのパターンを1つ印刷した。続いて、ホットプレートを用いて大気下で、60℃で3分間保持し、水分を蒸発させたのち、窒素雰囲気下で、130℃で30分間加熱し、銅被膜を形成させて、室温に戻し、これを試験片とした。
得られた試験片の銅被膜を綿棒で擦り、銅被膜の密着性を評価したところ、銅被膜は剥離しなかった。
続いて、JIS K5400に従う碁盤目試験により銅被膜の密着性を評価したところ、1mm角の正方形100目中、1目も剥離することなく良好な密着性を示した。
また、市販の硫酸銅めっき浴を用いて試験片の銅被膜上に電解銅めっきを施したところ、問題なく銅めっき被膜が形成された。
(比較例1)
ガラス基材にプライマー樹脂層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして銅被膜を形成させて、これを試験片とした。
得られた試験片の銅被膜を綿棒で擦り、銅被膜の密着性を評価したところ、銅被膜は剥離しなかった。
続いて、JIS K5400に従う碁盤目試験により銅被膜の密着性を評価したところ、1mm角の正方形100目中、剥離せずに残ったのは10%未満であった。
また、市販の硫酸銅めっき浴を用いて試験片の銅被膜上に電解銅めっきを施したところ、めっき処理中に銅被膜の剥離が認められた。
本発明による銅回路の形成方法は、種々の分野における配線や電極等の導体を形成するための手段として有用である。例えば、プリント配線板の他に、RF−IDタグ、NFCアンテナ、平面ディスプレイ、太陽電池、積層セラミックコンデンサ、チップ抵抗器、平面コイル、プリンテッドエレクトロニクスによる印刷トランジスタ等に適用することができる。

Claims (6)

  1. 基材上に、親水性残基を有するプライマー樹脂層を設ける表面改質工程、前記プライマー樹脂層上に、銅被膜を形成する銅錯体を含有する銅被膜形成剤を塗布する塗布工程、および塗布された銅被膜形成剤を加熱して銅被膜を形成させる加熱工程を含み、
    前記銅被膜形成剤は、1〜3個の窒素原子を有する5員又は6員の含窒素複素環式化合物と蟻酸銅とからなる銅錯体を含有する、銅回路の形成方法。
  2. 前記プライマー樹脂層が、フェノール系樹脂を含有する樹脂組成物により形成される、請求項に記載の銅回路の形成方法。
  3. 前記含窒素複素環式化合物は置換基で置換されており、前記置換基に含まれる炭素数の総数が1〜5である、請求項1又は請求項2に記載の銅回路の形成方法。
  4. 前記含窒素複素環式化合物が、下記式(I)で示されるイミダゾール化合物、下記式(IIa)又は下記式(IIb)で示されるトリアゾール化合物および下記式(IV)で示されるピラゾール化合物からなる群より選択される、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の銅回路の形成方法。
    Figure 0006324728
    (式(I)中、R は炭素数1〜5の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜5の炭化水素と水素原子と結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、隣接するR 又はR と結合して複素環を形成する。R 〜R は各々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜4の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、隣接するR 、R 又はR と結合して環若しくは複素環を形成する。ただし、R 〜R に含まれる炭素原子の合計は5以下である。)
    Figure 0006324728
    (式(IIa)及び式(IIb)中、R 及びR は各々独立して、炭素数1〜5の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜5の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、隣接するR 又はR 10 と結合して複素環を形成する。R 及びR は各々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜4の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、R 、R 又はR と結合して環若しくは複素環を形成する。R は水素原子、炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜4の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表す。R 10 は水素原子、炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜4の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素を含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、隣接するR と結合して複素環を形成する。ただし、R 〜R に含まれる炭素の合計、及びR 〜R 10 に含まれる炭素の合計はいずれも5以下である。)
    Figure 0006324728
    (式(IV)中、R 16 は炭素数1〜5の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜5の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、隣接するR 19 と結合して複素環を形成する。R 17 〜R 19 は各々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基、又は炭素数1〜4の炭化水素と水素原子に結合していない炭素原子以外の元素とを含んでなる直鎖、分岐鎖若しくは環状の置換基を表すか、隣接するR 16 、R 17 、R 18 又はR 19 と結合して環若しくは複素環を形成する。ただし、R 16 〜R 19 に含まれる炭素原子の合計は5以下である。)
  5. 前記基材の材質が、無機酸化物である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の銅回路の形成方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の銅回路の形成方法により製造された、配線基板。
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