JP6324129B2 - 吸収式冷凍機 - Google Patents
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Description
一方、分離された冷媒は、凝縮器に送られ冷却され凝縮する。このようにして得られた冷媒は膨張弁を経由して蒸発器へ送られて蒸発することで、当該蒸発器を通流する冷凍(冷房)用に供される冷却用水を冷却する。
このため、冷媒蒸気の流速が速くなり、吸収冷凍サイクルの効率が低下するという問題があった。
蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器、溶液熱交換器を備えた吸収式冷凍機であって、その特徴構成は、
第1外板、第1区画体、第1伝熱板、第2区画体、第2伝熱板、第3区画体、第2外板を順に積層して第1積層体が形成され、
前記第2区画体には、積層方向で前記第1伝熱板側と前記第2伝熱板側との間を遮蔽する遮蔽板が、その両側方部位で前記第1伝熱板側と前記第2伝熱板側とを連通する一対の連通路を形成する状態で設けられ、
前記第1積層体には、前記第1区画体及び前記第2区画体により、前記第1伝熱板を挟んで対向位置する一対の流体通流室を一組とする第1対向室モジュールが複数形成されると共に、前記第2区画体及び前記第3区画体により、前記第2伝熱板を挟んで対向位置する一対の流体通流室を一組とする第2対向室モジュールが複数形成され、
前記第1積層体には、複数の前記流体通流室の夫々へ流体を流入可能な流入部、及び複数の前記流体通流室の夫々から流体を流出可能な流出部が備えられ、
前記第1対向室モジュールの少なくとも1つを前記蒸発器として機能させ、前記第2対向室モジュールの少なくとも1つを前記吸収器として機能させ、前記蒸発器と前記吸収器とを前記遮蔽板を挟んで対向する状態で備えると共に、一対の前記連通路が冷媒蒸気の流路とする点にある。
そして、第2区画体には、積層方向で第1伝熱板側と第2伝熱板側との間を遮蔽する遮蔽板が、その両側方部位で第1伝熱板側と第2伝熱板側とを連通する一対の連通路を形成する状態で設けられているから、第2区画体において積層方向で遮蔽板により遮蔽され第1伝熱板側に形成される流体通流室を冷媒及び冷媒蒸気が通流する蒸発器としての冷媒通流室とし、第2区画体において積層方向で遮蔽板により遮蔽され第2伝熱板側に形成され流体通流室を濃吸収液が通流する吸収器としての吸収液通流室とすることができる。これにより、冷媒通流室の冷媒蒸気は、遮蔽板の両側方部位に形成される一対の連通路から、吸収液通流室の側へ導かれる構成を採用できるから、冷媒蒸気の流路を十分に確保して、冷媒蒸気の流速を低減して、吸収冷凍サイクルの効率を向上できる。
前記第2区画体において積層方向で前記遮蔽板により遮蔽され前記第2伝熱板側に形成される前記流体通流室は、前記再生器にて再生された濃吸収液が前記流入部から流入して通流する吸収液通流室として構成され、前記第2区画体において積層方向で前記遮蔽板により遮蔽され前記第1伝熱板側に形成される前記流体通流室は、前記凝縮器にて凝縮された冷媒が前記流入部から流入して通流する冷媒通流室として構成され、
一対の前記連通路の夫々は、前記冷媒通流室にて蒸発した冷媒蒸気を、前記吸収液通流室へ導く点にある。
前記冷媒通流室へ流体を流入する前記流入部は上下方向で上方側に設けられ、前記冷媒通流室から流体を流出する前記流出部は上下方向で下方側に設けられ、
一対の前記連通路の夫々は、上下方向に延びるスリット状に形成されている点にある。
流体を一時的に貯留可能な貯留空間が、前記第1区画体にて区画される第1貯留空間、前記第2区画体にて区画される第2貯留空間、前記第3区画体にて区画される第3貯留空間として、前記第1貯留空間と前記第2貯留区間と前記第3貯留空間とを連通する状態で設けられ、
前記吸収液通流室は、その下方側にて前記貯留空間に連通接続されている点にある。
前記第1積層体は、前記第1外板と前記第1区画体との間、又は、前記第3区画体と前記第2外板との間に、追加区画体及び追加伝熱板とから成る単位追加体を追加して積層自在に構成され、
前記追加区画体と前記追加伝熱板と前記第1外板、又は、前記追加区画体と前記追加伝熱板と前記第2外板は、追加流体通流室を形成自在に構成されている点にある。
これにより、冷凍能力に応じて、区画体自体の積層方向での厚みを増加させる必要がなくなるから、区画体にて形成される流体通流室の厚みを抑制できる。結果、例えば、伝熱板から離間した状態で流体通流室を通過する流体流量を低減でき、伝熱板を介した熱交換効率の低下を抑制できる。
前記第1積層体は、前記第1外板、前記第1区画体、前記第1伝熱板、前記第2区画体、前記第2伝熱板、前記第3区画体、前記第2外板をロウ付けにより互いを接着させて製造され、前記吸収器と前記蒸発器と前記凝縮器として働く第1単位モジュールである点にある。
<第1実施形態>
当該第1実施形態に係る吸収式冷凍機は、吸収材を臭化リチウム水溶液とし、冷媒を水とした二重効用吸収式冷凍機100にて構成されている。当該二重効用吸収式冷凍機100は、再生器1として、バーナ2により冷媒Aと吸収材との混合液である吸収液Kを加熱する高温再生器3とその高温再生器3から供給される吸収液K2を高温再生器3からの冷媒蒸気A1により加熱する低温再生器4とを備えている。そして、二重効用吸収式冷凍機100は、冷媒蒸気A1を凝縮させる凝縮器5と、その凝縮器5からの冷媒液A2を蒸発させる蒸発器6と、その蒸発器6からの冷媒蒸気A1を低温再生器4からの吸収液K3に吸収させる吸収器7とを備えている。
まず、冷媒Aの流れについて説明する。
高温再生器3にて吸収液K1から発生した冷媒蒸気A1を加熱源として低温再生器4にて吸収液K2から発生した冷媒蒸気A1を、第1冷媒流路S1により凝縮器5に供給して、凝縮器5において冷媒蒸気A1を凝縮させる。凝縮器5にて凝縮された冷媒液A2を、第2冷媒流路S2により蒸発器6に供給すると共に、蒸発器6内の冷媒液A2は第5冷媒流路S5により第1溶液流路R1の吸収液K1に混合させる。また、低温再生器4からの冷媒液A2も第4冷媒流路S4により蒸発器6に供給されており、その冷媒液A2も蒸発器6において蒸発される。そして、蒸発器6にて蒸発された冷媒蒸気A1を、第3冷媒流路S3により吸収器7に供給し、吸収器7において冷媒蒸気A1が吸収液に吸収させる形態で、吸収器7と蒸発器6の内部を十分に低圧の状態を維持する。
吸収器7にて冷媒蒸気A1が吸収液に吸収された吸収液K1を、蒸発器6からの冷媒液A2を混合した状態で、第1溶液流路R1により高温再生器3に供給している。このとき、第1溶液流路R1では、低温溶液熱交換器8と高温溶液熱交換器9とにより順次吸収液K1を加熱して、その加熱した吸収液K1を高温再生器3に供給している。高温再生器3においてバーナ2により吸収液K1を加熱して、吸収液K1から冷媒蒸気A1を発生させる。高温再生器3にて冷媒蒸気A1が発生された吸収液K2を第2溶液流路R2により低温再生器4に供給している。このとき、第4溶液流路R4にて供給される吸収液K1も合流させて、合流後の吸収液K4を低温再生器4に供給している。低温再生器4において高温再生器3から供給される高温の冷媒蒸気A1にて吸収液K4を加熱して、吸収液K4から冷媒蒸気A1を発生させる。低温再生器4にて冷媒蒸気A1が発生された吸収液K3を第3溶液流路R3によって吸収器7に供給する。
当該第1実施形態では、二重効用吸収式冷凍機100を構成する複数の機器のうち、高温再生器3を除く複数の機器、及び、それら複数の機器を接続する流路等が、図1、2、3等に示すように、第1積層体11と第2積層体12の2つの積層体から構成されている。
また、第1積層体11において、第2区画体21によって第1伝熱板20と第2伝熱板22との間に複数の第2流体通流室28a〜28cが区画形成されており、一部の第2流体通流室28a、28bは、第1伝熱板20に沿う方向で並ぶ形態で設けられている。また、第2区画体21には、積層方向(図2、4で矢印Zに沿う方向)で第1伝熱板20側と第2伝熱板22側との間を遮蔽する遮蔽板40が設けられており、当該遮蔽板40を挟んで積層方向で対向する状態で、第2流体通流室28bと第2流体通流室28cとが設けられている。
ここで、第1区画体19にて区画形成される複数の第1流体通流室27a、27bは、第1伝熱板20を挟む形態で、第2区画体21にて区画形成される複数の第2流体通流室28a、28bと対向する状態で区画形成されている。即ち、第1伝熱板20を挟んで対向する状態で設けられる第1流体通流室27aと第2流体通流室28aを一組とし、第1流体通流室27bと第2流体通流室28bとを一組とする第1対向室モジュール30が、第1伝熱板20に沿う方向に並ぶ形態で複数(第1実施形態では、2つ)形成されている。ここで、第1伝熱板20に沿う方向とは、第1伝熱板20の表面に沿った方向で、例えば、図2、4で、矢印X及び矢印Yに沿う方向である。
ここで、第3区画体36にて区画形成される複数の第3流体通流室39a、39bは、第2伝熱板22を挟む形態で、第2区画体21にて区画形成される複数の第2流体通流室28a、28cと対向する状態で区画形成されている。即ち、第2伝熱板22を挟んで対向する状態で設けられる第3流体通流室39aと第2流体通流室28aとを一組とし、第3流体通流室39bと第2流体通流室28cとを一組とする第2対向室モジュール42が、第2伝熱板22に沿う方向に並ぶ形態で複数(第1実施形態では、2つ)形成されている。ここで、第2伝熱板22に沿う方向とは、第2伝熱板22の方面に沿った方向で、例えば、図2、4で、矢印X及び矢印Yに沿う方向である。
更に、積層方向において、第8連通室33hと第9連通室33iとの対向部位には、第1伝熱板20及び第2伝熱板22が設けられていないと共に、第1区画体19には第10連通室33j及び第11連通室33kが夫々設けられ、第3区画体36には第12連通室33l及び第13連通室33mが夫々設けられている。
第1区画体19においても、上下方向(図2で矢印Xに沿う方向)で中央の第1流体通流室27bの下方側に第1貯留空間41eが設けられ、第3区画体36においても、上下方向で中央の第3流体通流室39bの下方側に第3貯留空間41aが設けられている。第1伝熱板20には、第1貯留空間41e及び第2貯留空間41cに対向する位置に第6開口部35gが設けられると共に、第2伝熱板22には、第2貯留空間41c及び第3貯留空間41aに対向する位置に第7開口部35hが設けられている。これにより、第1貯留空間41eと第2貯留空間41cと第3貯留空間41aとを連通接続する状態で、一次的に流体を貯留可能な貯留空間が形成されている。
図3に示すように、第4区画体14には、第4区画体14において上方側に位置する第4流体通流室25aの上方側に、横長状の第1連通室33aが区画形成されている。この第1連通室33aは、第3伝熱板15に形成された複数の第1貫通部34aを通して、第5区画体16において上方側に位置する第5流体通流室26aの上端部に連通されている。そして、第1連通室33aは、第4区画体14によって、左下方側に位置する第4流体通流室25dに連通されている。
第4区画体14には、第4区画体14において上方側に位置する第4流体通流室25aの下方側に、横長状の第2連通室33bが区画形成されている。この第2連通室33bは、第3伝熱板15に形成された横長状の第1開口部35aを通して、第5区画体16において上方側に位置する第5流体通流室26aの下方側部に連通されている。そして、第2連通室33bは、第4区画体14によって、下方中央部に位置する第4流体通流室25cに連通されている。
さらに、第2積層体12では、第5区画体16において上方側に位置する第5流体通流室26aの左側に、第4区画体14と第5区画体16との間に第3伝熱板15が存在しない部位を有している。これにより、第4区画体14にて形成される区画空間と第5区画体16にて形成される区画空間とが合体した第4連通室33dが備えられている。この第4連通室33dは、第5区画体16によって、上方側に位置する第5流体通流室26aに連通されており、上下方向で流体の通流方向が反転する流路状に形成されている。
図1、2、4に示すように、第1積層体11の上方側に位置する第1対向室モジュール30aでは、低温再生器4から流出した冷媒蒸気A1を第2流体通流室28aに通流させ、且つ、吸収器7を流出した冷却水Bを第1流体通流室27aに通流させている。
更に、第1積層体11の上方側に位置する第2対向室モジュール42aでも、低温再生器4から流出した冷媒蒸気A1を第2流体通流室28aに通流させ、且つ、吸収器7を流出した冷却水Bを第3流体通流室39aに通流させている。
即ち、低温再生器4から流出した冷媒蒸気A1を冷却水Bにより凝縮させる凝縮器5が、第2流体通流室28aが第1対向室モジュール30aと第2対向室モジュール42aとに共有される状態で、第1対向室モジュール30aと第2対向室モジュール42aとにより構成されている。
第3流体通流室39aに流入させる冷却水Bは、第14連通室33nと第3流体通流室39bとの連通により、第1積層体11の外部に排出されることなく、第3流体通流室39aの左下端部に直接流入されている。当該構成により、後述する吸収器7から凝縮器5に冷却水Bを直接流入可能に構成されている。
また、第1流体通流室27aに流入させる冷却水Bは、第15連通室33oと第14連通室33nとの連通により、第1積層体11の外部に排出されることなく、第1流体通流室27aの左下端部に直接流入されている。当該構成により、吸収器7から凝縮器5に冷却水Bを直接流入可能に構成されている。
第3流体通流室39a及び第1流体通流室27aを通流した冷却水Bは、それらの右上端部から、第5排出部32fにより第1積層体11の外部に排出されている。
図1、2、4に示すように、第1積層体11の中央に位置する第1対向室モジュール30bは、凝縮器5及び冷媒熱交換器10を流出した冷媒液A2を第2流体通流室28bに通流させ、且つ、冷却用水Eを第1流体通流室27bに通流させている。これにより、凝縮器5及び冷媒熱交換器10を流出した冷媒液A2を冷却用水Eにより蒸発させる蒸発器6が、第1対向室モジュール30bにて構成されている。
尚、冷媒蒸気A1は、第1区画体19の第10連通室33j及び第11連通室33k、及び第3区画体36の第12連通室33l及び第13連通室33mを通り、積層方向(図2で矢印Zに沿う方向)に通流自在に構成されている。
図1、2、4に示すように、第1積層体11の中央に位置する第2対向室モジュール42bでは、低温溶液熱交換器8を流出した吸収液K3及び蒸発器6を流出した冷媒蒸気A1を第2流体通流室28cに通流させ、且つ、冷却水Bを第3流体通流室39bに通流させている。これにより、低温溶液熱交換器8を流出した吸収液K3に蒸発器6を流出した冷媒蒸気A1を吸収させる吸収器7が、第2対向室モジュール42bにて構成されている。
図1、3に示すように、上方側に位置する第3対向室モジュール29aでは、高温再生器3から流出した冷媒蒸気A1を第4流体通流室25aに通流させ、且つ、高温溶液熱交換器9から流出した吸収液K2と冷媒熱交換器10から流出した吸収液K1が混合した吸収液K4を第5流体通流室26aに通流させている。これにより、冷媒蒸気A1にて吸収液K4を加熱して吸収液K4から冷媒蒸気A1を発生させる低温再生器4が、第3対向室モジュール29にて構成されている。
〔冷媒熱交換器〕
図1、3に示すように、第2積層体12において右下方側に位置する第3対向室モジュール29bでは、低温再生器4から流出した冷媒液A2を第4流体通流室25bに通流させ、且つ、吸収器7から流出した吸収液K1を第5流体通流室26bに通流させている。これにより、低温再生器4から流出した冷媒液A2にて吸収器7から流出した吸収液K1を加熱する冷媒熱交換器10が、第3対向室モジュール29bにて構成されている。
図1、3に示すように、第2積層体12の下方中央部に位置する第3対向室モジュール29cでは、低温再生器4を流出した吸収液K3を第4流体通流室25cに通流させ、且つ、吸収器7を流出した吸収液K1を第5流体通流室26cに通流させている。これにより、低温再生器4を流出した吸収液K3にて吸収器7を流出した吸収液K1を加熱する低温溶液熱交換器8が、第3対向室モジュール29cにて構成されている。
第4流体通流室25cに流入させる吸収液K3は、第5区画体16において上方側に位置する第5流体通流室26aの下方側端部から、第2積層体12の外部に排出されることなく、第1開口部35aを通して第4区画体14においてた上下方向の中央部に位置する第2連通室33bに流入し、その第2連通室33bから第4流体通流室25cの左下端部に直接流入されている。これにより、第4流体通流室25cが、低温再生器4から低温溶液熱交換器8に吸収液K3を直接流入可能に構成されている。第4流体通流室25cを通流した吸収液K3は、その右下端部から、第3排出部32cにより第2積層体12の外部の排出されている。
図1、3に示すように、第2積層体12の左下方側に位置する第3対向室モジュール29dでは、高温再生器3を流出した吸収液K2を第4流体通流室25dに通流させ、且つ、低温溶液熱交換器8を流出した吸収液K1を第5流体通流室26dに通流させている。これにより、高温再生器3を流出した吸収液K2にて低温溶液熱交換器8を流出した吸収液K1を加熱する高温溶液熱交換器9が、第3対向室モジュール29dにて構成されている。
上述の第1積層体11において、図5の概略側断面図に示すように、第1外板18と第1区画体19の間、又は、第3区画体36と第2外板37との間に、追加区画体T2と追加伝熱板T1とから成る単位追加体Uを追加して積層自在に構成されている。ここで、追加区画体T2は、第1区画体19、第2区画体21、及び第3区画体36と同様に、複数の空間に区画自在な枠体にて構成されており、その区画空間の夫々に、その伝熱面を流体の流れ方向に沿わせる状態で伝熱フィン(図示せず)が備えられている。
当該単位追加体Uを複数追加した第1積層体11の一例である図5に関し、説明を追加すると、第1外板18と第1区画体19の間で、積層方向(図5で矢印Zに沿う方向)で第1区画体19の側には、第1単位追加体U1が追加されており、その第1追加区画体T2aには、上下方向(図5で矢印Xに沿う方向)で上方側から、第2区画体21の第2流体通流室28aに対応する追加流体通流室28a'、 第2区画体21の第2流体通流室28bに対応する追加流体通流室28b'、及び、貯留空間が、順に区画形成されている。更に、積層方向(図5で矢印Zに沿う方向)で第1単位追加体U1の第1外板18の側には、第2単位追加体U2が追加されており、その第2追加区画体T2bには、上下方向で上方側から、第1区画体19の第1流体通流室27aに対応する第2追加流体通流室27a'、第1区画体19の第6連通室33fに対応する第1追加連通室33f'、第1区画体19の第1流体通流室27bに対応する第2追加流体通流室27b'、及び貯留空間が、順に区画形成されている。
このように、第1単位追加体U1と第2単位追加体U2を追加する場合、第1追加流体通流室28a'と第2追加流体通流室27a'、及び第1追加流体通流室28b'と第2追加流体通流室27b'が、夫々対向室モジュールを形成して、順に、凝縮器5、蒸発器6として機能する。この意味で、第1単位追加体U1と第2単位追加体U2とは、凝縮器5及び蒸発器6として働く単位体と見ることができ、第1単位追加体U1と第2単位追加体U2とを合わせて一つの単位体として追加できる。
同様の意味で、第2単位追加体U2と第1外板18との間には、第1単位追加体U1と同一の第3単位追加体U3を追加している。
このように、第4単位追加体U4と第5単位追加体U5を追加する場合、第4追加流体通流室28a'と第5追加流体通流室39a'、及び第4追加流体通流室28c'と第5追加流体通流室39b'が、夫々対向室モジュールを形成して、順に、凝縮器5、吸収器7として機能する。この意味で、第4単位追加体U4と第5単位追加体U5とは、凝縮器5及び吸収器7として働く単位体と見ることができ、第4単位追加体U4と第5単位追加体U5とを合わせて一つの単位体として追加できる。
このように、所望の冷凍能力に応じて、順次単位追加体を追加することができ、図5に示す形態においては、第5単位追加体U5と第2外板37との間に、第6〜第8単位追加体U6〜U8を追加している。
尚、第1積層体11にあっては、上述したように、各区画体に設けられる一対の連通路を通って、積層方向(図5で矢印Zに沿う方向)で、蒸発器6にて発生した冷媒蒸気A1が移動自在に構成されている。これにより、積層化された蒸発器6の夫々にて発生した冷媒蒸気A1は、積層化された吸収器7の夫々の吸収液Kに吸収可能となっている。
上記第1実施形態では、吸収式冷凍機を二重効用吸収式冷凍機100にて構成しているが、この第2実施形態では、吸収式冷凍機を単効用吸収式冷凍機101にて構成している。この第2実施形態における単効用吸収式冷凍機101でも、吸収剤を臭化リチウム水溶液とし、冷媒を水としている。単効用吸収式冷凍機101は、二重効用吸収式冷凍機100に対して、構成する機器の数等が異なるだけであり、第1積層体に関しては、第1実施形態と実質的に同一の構成であるので、この第2実施形態では、第2積層体にて構成する機器について中心に説明し、その他の構成については簡単に説明する。
冷却水Bが通流する冷却水流路C、及び、冷却用水Eが通流する冷却用水流路Fについては、上記第1実施形態と同様であるが、再生器1に加熱温水Gを供給する加熱温水流路Hが備えられている。
まず、冷媒Aの流れについて説明する。
再生器1にて吸収液K5から発生した冷媒蒸気A3を、第6冷媒流路S6により凝縮器5に供給して、凝縮器5において冷媒蒸気A3を凝縮させる。凝縮器5にて凝縮された冷媒液A4を、第7冷媒流路S7により蒸発器6に供給して、蒸発器6において冷媒液A4を蒸発させる。そして、蒸発器6にて蒸発された冷媒蒸気A3を、第8冷媒流路R8により吸収器7に供給して、吸収器7において冷媒蒸気A3が吸収剤に吸収されて吸収液となる。
吸収器7にて冷媒蒸気A3が吸収剤に吸収された吸収液K5を、第5溶液流路R5により再生器1に供給している。このとき、第5溶液流路R5では、第6溶液流路R6の吸収液K6にて吸収液K5を加熱しており、その加熱された吸収液K5を再生器1に供給している。再生器1において加熱温水Gにより吸収液K5を加熱して、吸収液K5から冷媒蒸気A3を発生させる。再生器1にて冷媒蒸気A3が発生された吸収液K6を第6溶液流路R6により吸収器7に供給している。
図6,7に示すように、上方側に位置する1組目の第3対向室モジュール69aでは、溶液熱交換器50から流出した吸収液K5を第4流体通流室65aに通流させ、且つ、加熱温水Gを第5流体通流室66aに通流させている。これにより、加熱温水Gにて吸収液K5を加熱して吸収液K5から冷媒蒸気A3を発生させる再生器1が、1組目の第3対向室モジュール69aにて構成されている。
図6,7に示すように、下方側に位置する2組目の第3対向室モジュール69bでは、再生器1から流出した吸収液K6を第4流体通流室65bに通流させ、且つ、吸収器7を流出した吸収液K5を第5流体通流室66bに通流させている。これにより、再生器1から流出した吸収液K6にて吸収器7を流出した吸収液K5を加熱する溶液熱交換器50が、2組目の第3対向室モジュール69bにて構成されている。
(1)第1実施形態に係る二重効用吸収式冷凍機100にあっては、冷媒熱交換器10を備えた回路を示しているが、当該冷媒熱交換器10をなくし、低温再生器4で熱が奪われた高温再生器3からの冷媒蒸気A1を凝縮器5を経由して蒸発器6に入れる回路を採用しても構わない。
また、複数の機器のうち、第2積層体12にてどの機器を構成するか、第1積層体11にてどの機器を構成するのかについては、適宜変更可能であり、上記第1及び第2実施形態にて示したものに限るものではない。
また、第2積層体12についても、第1積層体11と同様に、パッキン等により接合することもできる。
3 :高温再生器
4 :低温再生器
5 :凝縮器
6 :蒸発器
7 :吸収器
8 :低温溶液熱交換器
9 :高温溶液熱交換器
10 :冷媒熱交換器
11 :第1積層体
12 :第2積層体
13 :第3外板
14 :第4区画体
15 :第3伝熱板
16 :第5区画体
17 :第4外板
18 :第1外板
19 :第1区画体
20 :第1伝熱板
21 :第2区画体
22 :第2伝熱板
29 :第3対向室モジュール
30 :第1対向室モジュール
31 :流入部
32 :排出部
36 :第3区画体
37 :第2外板
40 :遮蔽板
41a :第3貯留空間
41c :第2貯留空間
41e :第1貯留空間
42 :第2対向室モジュール
50 :溶液熱交換器
51 :第1積層体
52 :第2積層体
53 :第1外板
54 :第1区画体
55 :第1伝熱板
56 :第2区画体
57 :第2外板
60 :第2伝熱板
69 :第3対向室モジュール
A :冷媒
K :吸収液
T1 :追加伝熱板
T2 :追加区画体
U :単位追加体
Claims (6)
- 蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器、溶液熱交換器を備えた吸収式冷凍機であって、
第1外板、第1区画体、第1伝熱板、第2区画体、第2伝熱板、第3区画体、第2外板を順に積層して第1積層体が形成され、
前記第2区画体には、積層方向で前記第1伝熱板側と前記第2伝熱板側との間を遮蔽する遮蔽板が、その両側方部位で前記第1伝熱板側と前記第2伝熱板側とを連通する一対の連通路を形成する状態で設けられ、
前記第1積層体には、前記第1区画体及び前記第2区画体により、前記第1伝熱板を挟んで対向位置する一対の流体通流室を一組とする第1対向室モジュールが複数形成されると共に、前記第2区画体及び前記第3区画体により、前記第2伝熱板を挟んで対向位置する一対の流体通流室を一組とする第2対向室モジュールが複数形成され、
前記第1積層体には、複数の前記流体通流室の夫々へ流体を流入可能な流入部、及び複数の前記流体通流室の夫々から流体を流出可能な流出部が備えられ、
前記第1対向室モジュールの少なくとも1つを前記蒸発器として機能させ、前記第2対向室モジュールの少なくとも1つを前記吸収器として機能させ、前記蒸発器と前記吸収器とを前記遮蔽板を挟んで対向する状態で備えると共に、一対の前記連通路が冷媒蒸気の流路とする吸収式冷凍機。 - 前記第2区画体において積層方向で前記遮蔽板により遮蔽され前記第2伝熱板側に形成される前記流体通流室は、前記再生器にて再生された濃吸収液が前記流入部から流入して通流する吸収液通流室として構成され、前記第2区画体において積層方向で前記遮蔽板により遮蔽され前記第1伝熱板側に形成される前記流体通流室は、前記凝縮器にて凝縮された冷媒が前記流入部から流入して通流する冷媒通流室として構成され、
一対の前記連通路の夫々は、前記冷媒通流室にて蒸発した冷媒蒸気を、前記吸収液通流室へ導く請求項1に記載の吸収式冷凍機。 - 前記冷媒通流室へ流体を流入する前記流入部は上下方向で上方側に設けられ、前記冷媒通流室から流体を流出する前記流出部は上下方向で下方側に設けられ、
一対の前記連通路の夫々は、上下方向に延びるスリット状に形成されている請求項2に記載の吸収式冷凍機。 - 流体を一時的に貯留可能な貯留空間が、前記第1区画体にて区画される第1貯留空間、前記第2区画体にて区画される第2貯留空間、前記第3区画体にて区画される第3貯留空間として、前記第1貯留空間と前記第2貯留区間と前記第3貯留空間とを連通する状態で設けられ、
前記吸収液通流室は、その下方側にて前記貯留空間に連通接続されている請求項2又は3に記載の吸収式冷凍機。 - 前記第1積層体は、前記第1外板と前記第1区画体との間、又は、前記第3区画体と前記第2外板との間に、追加区画体及び追加伝熱板とから成る単位追加体を追加して積層自在に構成され、
前記追加区画体と前記追加伝熱板と前記第1外板、又は、前記追加区画体と前記追加伝熱板と前記第2外板は、追加流体通流室を形成自在に構成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の吸収式冷凍機。 - 前記第1積層体は、前記第1外板、前記第1区画体、前記第1伝熱板、前記第2区画体、前記第2伝熱板、前記第3区画体、前記第2外板をロウ付けにより互いを接着させて製造され、前記吸収器と前記蒸発器と前記凝縮器として働く第1単位モジュールである請求項1〜5の何れか一項に記載の吸収式冷凍機。
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