JP2008304081A - 吸収式冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収式冷凍装置において、プレート式の発生器と溶液熱交換器の一体化を、高い熱交換効率を確保しつつ実現する。
【解決手段】プレート式熱交換器の上部に発生器1を、下部に溶液熱交換器6を、それぞれ設定した吸収式冷凍装置において、上記溶液熱交換器6側のプレート一層における伝熱面積を、上記発生器1側のプレート一層における伝熱面積の「0.4〜0.7」の範囲となるように該溶液熱交換器6と上記発生器1の伝熱面積比を相対的に設定する。係る構成によれば、発生器1側においてはその外部を液膜流下する吸収希溶液と内部を流れる加熱流体の間における交換熱量が、また上記溶液熱交換器6側においてはその外部を流れる吸収濃溶液と内部を流れる吸収希溶液の間の交換熱量が共に適正に維持され、これによって発生器1と溶液熱交換器6の一体化が高い熱交換性能を確保しつつ実現される。
【選択図】図1

Description

本願発明は、単一のプレート式熱交換器の上部に発生器を、下部に溶液熱交換器を形成した構成の吸収式冷凍装置に関し、さらに詳しくは係る発生器と溶液熱交換器を一体的に形成するに際しての具体的な構造に関するものである。
従来から、排熱駆動吸収式の冷凍サイクルにおいて、発生器は伝熱管の内部に加熱流体(排温水、若しくは蒸気等の加熱媒体)を通し、管外のリチウム溶液等の吸収液を加熱濃縮して冷媒蒸気を発生させるが、係る発生器のうち、プレート式発生器としては、例えば、特許文献1に示されるように、プレート内部を流れる加熱流体によって該プレート外面上を液膜流下する吸収液を濃縮するものとか、特許文献2に示されるように、プレート外面上に吸収液を液膜流下させて濃縮し、冷媒蒸気の発生を促進させるもの、等が知られている。
特開平7−139850号公報 特開平7−139851号公報。
ところで、リチウム溶液を吸収液として用いた吸収式冷凍装置における単効用サイクルでは、吸収希溶液は、発生器で加熱されて冷媒蒸気を発生して吸収濃溶液となり、発生器から溶液熱交換器側へ流出されるが、この場合、高温の吸収濃溶液と吸収器側から上記発生器へ流入する低温の吸収希溶液とを溶液熱交換器において熱交換して熱回収を行なうことで効率の良いサイクルを構成している。
従って、このように吸収液の循環系において隣接する発生器と溶液熱交換器を、従来のようにこれらを別体構成とはせずに、これらを一体的に構成すれば、機器構成が簡素化され、安価で且つ作動上の信頼性も向上するものと考えられる。しかるに、このような発生器と溶液熱交換器を一体化する場合の構成については未だ有効な提案がなされていないというのが現状である。
その第1の理由は、プレート内部流量の調整に関するものである。
即ち、プレート式の発生器と溶液熱交換器を一体化するに際しては、プレート一層で、発生器となる部分と溶液熱交換器となる部分を構成する必要があるが、この場合、平板状の一対のプレートを所定間隔をもって離間対向させた構成をもつ一般的なプレート熱交換器では、その内部間隔が上端側から下端側まで同一に設定されていることから、その上部に形成される発生器部分の内部流量と、その下部に形成される溶液熱交換器部分の内部流量との流量差に対しては、該発生器の内部に形成されるパス流路の高さと溶液熱交換器の内部に形成されるパス流路の高さ(即ち、流路面積)を変更することで対応せざるを得ない。
しかし、発生器と溶液熱交換器を一体化する場合、該発生器内を流れる加熱流体の流量と溶液熱交換器内を流れる吸収希溶液の流量の流量差は一般的に大きく、これら発生器と溶液熱交換器の内部に形成されるパス流路の高さ変更のみでは対応できず、プレートの内部間隔を変更せざるを得ないが、このような内部間隔の変更に関しても未だ有効な提案はなされていない。
第2の理由は、熱交換効率の調整に関するものである。
即ち、プレート式熱交換器の外部には、発生器部分も溶液熱交換器部分も、共に吸収液が流れるが、発生器部分では吸収液がプレート外部を液膜状に流下し、この液膜流下する吸収液とプレート内部を流れる加熱流体との間で熱交換が行なわれ冷媒蒸気を発生する一方、溶液熱交換器部分においては、プレート外部を吸収濃溶液が満液で流れ、プレート内部も吸収希溶液が同様に満液で流れて、これらプレート内外をそれぞれ流れる溶液同士の間で熱交換が行なわれることから、上記発生器部分での熱交換効率と上記溶液熱交換器部分での熱交換効率が異なる。このため、発生器と溶液熱交換器をプレート式熱交換器として一体化する場合には、これら両者におけるプレート層数を同じにした上で、該発生器と溶液熱交換器のそれぞれにおける交換熱量から熱交換効率と温度差よりその伝熱面積を決定し、且つこれらそれぞれの流路等も工夫する必要があるが、係る伝熱面積の決定に関しても未だ有効な提案はなされていない。
そこで、本願発明は、吸収式冷凍装置において、プレート式の発生器と溶液熱交換器の一体化を、高い熱交換効率を確保しつつ実現することを目的としてなされたものである。
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
本願の第1の発明では、プレート式熱交換器の上部に発生器1を、下部に溶液熱交換器6を、それぞれ設定するとともに、上記発生器1はその外表面を液膜状態で流下する吸収希溶液をその内部に流される加熱用流体によって加熱濃縮して冷媒蒸気を発生して吸収濃溶液とし、上記溶液熱交換器6はその内部に上記発生器1側へ流入される吸収希溶液を流すとともにその外表面には上記発生器1側で濃縮された吸収濃溶液を流し、該吸収希溶液と吸収濃溶液の間の熱交換によって上記吸収希溶液を昇温させると共に上記吸収濃溶液を降温させる構成とした吸収式冷凍装置において、上記溶液熱交換器6側のプレート一層における伝熱面積を、上記発生器1側のプレート一層における伝熱面積の「0.4〜0.7」の範囲となるように該溶液熱交換器6と上記発生器1の伝熱面積比を相対的に設定したことを特徴としている。
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る吸収式冷凍装置において、上記プレートの板厚を「t」として、上記溶液熱交換器6の内部流路におけるプレート間の内部間隔Pを、上記発生器1の内部流路におけるプレート間の内部間隔Mに対して、[(M/2−t/2)〜M]の範囲に設定したことを特徴としている。
本願の第3の発明では、上記第2の発明に係る吸収式冷凍装置において、上記溶液熱交換器6の外表面の外側に外側面プレート14を対向配置するとともに、上記溶液熱交換器6の外表面と上記外側面プレート14の間の外部間隔Qを、上記溶液熱交換器6の内部間隔Pと略同等に設定したことを特徴としている。
本願の第4の発明では、上記第1、第2又は第3の発明に係る吸収式冷凍装置において、上記発生器1の内部と上記溶液熱交換器6の内部にそれぞれパス流路18、19を設けるとともに、上記発生器1側のパス数を、上記溶液熱交換器6側のパス数と同じかそれ以下に設定したことを特徴としている。
本願の第5の発明では、上記第1、第2又は第3の発明に係る吸収式冷凍装置において、上記発生器1の内部と上記溶液熱交換器6の内部にそれぞれパス流路18、19を設けるとともに、上記発生器1側のパス流路18の高さを、上記溶液熱交換器6側のパス流路19の高さと略同一かそれ以上に設定したことを特徴としている。
本願の第6の発明では、上記第4又は第5の発明に係る吸収式冷凍装置において、上記溶液熱交換器6の外部にパス流路20を設けるとともに、該パス流路20の高さを上記溶液熱交換器6の内部のパス流路19の高さと略同一に設定したことを特徴としている。
本願発明では次のような効果が得られる。
(a)本願の第1の発明に係る吸収式冷凍装置によれば、上記溶液熱交換器6側のプレート一層における伝熱面積を、上記発生器1側のプレート一層における伝熱面積の「0.4〜0.7」の範囲となるように該溶液熱交換器6と上記発生器1の伝熱面積比を相対的に設定している。
ここで、上記「0.4〜0.7」の範囲の意義を説明すると以下の通りである。
即ち、排温水によって発生器を加熱し冷媒蒸気を発生させ、この冷媒蒸気を凝縮器によって凝縮する一般的な単効用吸収式冷凍サイクルにおいては、例えば、発生器入口の吸収希溶液の濃度が51.7%時、発生器の圧力は67.5mmHg、発生器での沸騰開始温度は72.3℃となる。また、発生器出口の吸収濃溶液の濃度を55%とすると、その沸騰終了温度は79.6℃となる。発生器の加熱温水温度を83℃とすると、それらの温度差としては6.3℃程度となる。
この場合の液膜流下式発生器のプレート一枚当りの熱通過率は、上記の条件における種々の実験の結果より、プレートへの吸収希溶液流量と発生器への温水流量の関数として、図6に示す特性図を得たものである。即ち、発生器の液膜流下式のプレートとして、その伝熱面形状が、試験プレート(イ)と同(ロ)で異なるにも拘らず、熱通過率としては、熱通過率の測定誤差を10%程度とした場合、ほぼ同一であるといえる。
従って、液膜流下式の発生器としては、その交換熱量は、これらのプレートの形状については大きく関係せず、プレート一枚へ流す吸収希溶液流量(即ち、液膜流量)と加熱用の温水流量により、ほぼ決定されることになる。
一方、溶液熱交換器としては、発生器への流入する吸収希溶液流量に対して、発生器より流出する吸収濃溶液流量の比がほぼ決定されることから、該溶液熱交換器での交換熱量も自ずと決まってくる。
図7は、熱交換器一体型の発生器の試験データであるが、発生器と溶液熱交換器の交換熱量の比率は、伝熱面積が、発生器が「1.0」に対し溶液熱交換器が0.47である場合、発生器の交換熱量「1.0」に対し、溶液熱交換器の交換熱量は溶液流量が少ない場合の「0.27」から、流量が増加した場合の「0.35」程度となった。
よって、一般的な単効用吸収式冷凍サイクルでの発生器の交換熱量「1.0」に対し溶液熱交換器の交換熱量が「0.3〜0.36」の場合では、溶液熱交換器の発生器に対する伝熱面積比としては、交換熱量が低く吸収液流量が少ない場合の伝熱面積比「0.27」を、伝熱面積比「0.36」まで増加させるためには、「(0.36/0.27)×0.47=0.63」となる。ここで、約10%程度の変動幅を加味すれば、伝熱面積比としては「0.7」となる。
また、溶液熱交換器の交換熱量比が「0.3」とすれば、流量比の大きな場合は、「0.36」となるので、「(0.3/0.36)×0.47=0.4」となる。
以上から、伝熱面積比としては、ほぼ「0.4〜0.7」に集約される。
このような知見事項から、この発明のように、上記溶液熱交換器6側のプレート一層における伝熱面積が、上記発生器1側のプレート一層における伝熱面積の「0.4〜0.7」の範囲となるように設定することで、発生器1側においてはその外部を液膜流下する吸収希溶液と内部を流れる加熱流体の間における交換熱量が、また上記溶液熱交換器6側においてはその外部を流れる吸収濃溶液と内部を流れる吸収希溶液の間の交換熱量が共に適正に維持され、これによって発生器1と溶液熱交換器6の一体化が高い熱交換性能を確保しつつ実現される。
(b)本願の第2の発明に係る吸収式冷凍装置によれば、上記(a)に記載の効果に加えて、以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記プレートの板厚を「t」として、上記溶液熱交換器6の内部流路におけるプレート間の内部間隔Pを、上記発生器1の内部流路におけるプレート間の内部間隔Mに対して、[(M/2−t/2)〜M]の範囲に設定している。
ここで、図3を参照して、上記間隔設定の根拠を説明する。
発生器1の内部を流れる加熱流体の流量と溶液熱交換器6の内部を流れる吸収希溶液の流量は大きく異なることから、この流量比率でプレートの内部空間の大きさを決定すると、この発生器1と溶液熱交換器6で構成されるプレート式熱交換器を多層に列設した場合、該発生器1の外部を流れる吸収希溶液が濃縮されて発生する冷媒蒸気の通路の確保が困難となるため、少なくとも、溶液熱交換器6の内部間隔Pは、上記発生器1の内部間隔Mの「1/2−t/2(tはプレート板厚)」か、それ以上が最適値となる。即ち、図3において、溶液熱交換器6の内部を流れる吸収希溶液と外部を流れる吸収濃溶液の流量は発生器1の内部を流れる加熱流体の流量と比較すれば、ほぼ等しいことから、溶液熱交換器6の内部間隔Pと外部間隔Qを等しくすれば、「M+N+2t=3P+3t」の関係から、N=2(P)を上限とすれば(これ以上ではプレートの層の間隔が広がりコストアップとなる)とすれば、「P=M−t」となり、N=Pが下限(発生器1での冷媒蒸気の確保という観点から)とすれば、「P=M/2−t/2」となる。従って、上記のように内部間隔Mと内部間隔Pの相対的な大きさを決定すれば、発生器1の外部を流れる吸収希溶液が濃縮されて発生する冷媒蒸気の通路が十分に確保されることになる。
以上のことから、本発明のように、上記プレートの板厚を「t」として、上記溶液熱交換器6の内部流路におけるプレート間の内部間隔Pを、上記発生器1の内部流路におけるプレート間の内部間隔Mに対して、[(M/2−t/2)〜M]の範囲に設定することで、冷媒蒸気の通路が十分に確保された熱交換器一体型発生器を得ることができる。
(c)本願の第3の発明に係る吸収式冷凍装置によれば、上記(b)に記載の効果に加えて、以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記溶液熱交換器6の外表面の外側に外側面プレート14を対向配置するとともに、上記溶液熱交換器6の外表面と上記外側面プレート14の間の外部間隔Qを、上記溶液熱交換器6の内部間隔Pと略同等に設定しているので、上記内部間隔P内を流れる吸収希溶液と上記外部間隔Q内を流れる吸収濃溶液との間における液対液による熱交換効率が向上し、延いては上記溶液熱交換器6の性能向上をよりコンパクトな構成によって実現できる。
(d)本願の第4の発明に係る吸収式冷凍装置によれば、上記(a)、(b)又は(c)に記載の効果に加えて、以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記発生器1の内部と上記溶液熱交換器6の内部にそれぞれパス流路18、19を設けるとともに、上記発生器1側のパス数を、上記溶液熱交換器6側のパス数と同じかそれ以下に設定している。
ここで、上記発生器1の内部を流れる加熱流体の流量は、上記溶液熱交換器6の内部を流れる吸収希溶液の流量に比して多いこと、また、上記発生器1側における熱交換形態は「液膜―液」による熱交換であって、上記溶液熱交換器6側における熱交換形態は「液―液」による熱交換であること、さらに上記発生器1の外部を液膜流下する吸収液の流量と上記溶液熱交換器6の外部を流れる吸収液の流量は略同じであること、等からして、上記発生器1側と上記溶液熱交換器6の双方において共に適正な熱交換作用を行なわせ、熱交換量を適正にするためには、上記発生器1側においては溶液熱交換器6側よりもパス数を同一か、もしくは少なくしても、溶液熱交換器6側よりも熱交換効率が良く交換熱量が確保できる一方、上記溶液熱交換器6側においては発生器1側よりパス数を増加しないと熱交換効率が低下し、適正な交換熱量が確保できなくなると考えられる。
そこで、この発明のように、上記発生器1側のパス数を、上記溶液熱交換器6側のパス数と同じかそれ以下に設定することで、上記発生器1側の加熱流体による交換熱量に対し、上記溶液熱交換器6側の吸収溶液の交換熱量が増加し、その結果、上記発生器1側と上記溶液熱交換器6側の双方において共に適正な熱交換作用が行なわれる。
(e)本願の第5の発明に係る吸収式冷凍装置によれば、上記(a)、(b)又は(c)に記載の効果に加えて、以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記発生器1の内部と上記溶液熱交換器6の内部にそれぞれパス流路18、19を設けるとともに、上記発生器1側のパス流路18の高さを、上記溶液熱交換器6側のパス流路19の高さと略同一かそれ以上に設定している。
ここで、上記発生器1の内部を流れる加熱流体の流量は、上記溶液熱交換器6の内部を流れる吸収希溶液の流量に比して多いこと、また、上記発生器1側における熱交換形態は「液膜―液」による熱交換であって、上記溶液熱交換器6側における熱交換形態は「液―液」による熱交換であること、さらに上記発生器1の外部を液膜流下する吸収液の流量と上記溶液熱交換器6の外部を流れる吸収液の流量は略同じであること、等からして、上記発生器1側と上記溶液熱交換器6の双方において共に適正な熱交換作用を行なわせ、交換熱量を適正にするためには、上記発生器1側においては溶液熱交換器6側よりもパス流路の高さを同一か、もしくは高くしても、溶液熱交換器6側よりも熱交換効率が良く交換熱量が確保できる一方、上記溶液熱交換器6側においては発生器1側よりパス流路の高さを低くしないと熱交換効率が低下し、適正な交換熱量が確保できなくなると考えられる。
そこで、パス流路18、19の高さは、その流路断面積を規定するものであることから、この発明のように、上記発生器1側のパス流路18の高さ(即ち、流路断面積)を、上記溶液熱交換器6側のパス流路19の高さと略同一かそれ以上に設定すると、上記発生器1側の加熱流体による交換熱量に対し、上記溶液熱交換器6側の吸収希溶液の交換熱量が増加し、その結果、上記発生器1側と上記溶液熱交換器6の双方において共に適正な熱交換作用が行なわれる。
(f)本願の第6の発明に係る吸収式冷凍装置によれば、上記(d)又は(e)に記載の効果に加えて、以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記溶液熱交換器6の外部にパス流路20を設けるとともに、該パス流路20の高さを上記溶液熱交換器6の内部のパス流路19の高さと略同一に設定しているので、上記パス流路19を流れる吸収希溶液の流量と上記パス流路20を流れる吸収濃溶液の流量が可及的に一致し、これら両者間における熱交換効率が適正に保持される。
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
図1には、吸収式冷凍装置の基本システムを示している。この吸収式冷凍装置は、冷媒として水(HO)を、吸収液として臭化リチウム(LiBr)を採用するとともに、排温水を加熱源として用いた排熱駆動式の吸収式冷凍装置であって、吸収器4からの吸収希溶液を熱交換器1Aにおいて排温水で加熱して冷媒蒸気と吸収濃溶液を生成させる発生器1と、上記発生器1からの冷媒蒸気を凝縮させて冷媒液とする凝縮器2と、該凝縮器2からの冷媒液を被冷却流体が流れているプレート式熱交換器3Aのプレート面に散布して蒸発させる蒸発器3と、上記発生器1からの吸収濃溶液に対して上記蒸発器3で生成された冷媒蒸気を吸収させて吸収希溶液を生成させる吸収器4と、上記発生器1へ流入される吸収希溶液と該発生器1からの吸収濃溶液をプレート式熱交換器6Aにおいて熱交換させる溶液熱交換器6と、上記溶液熱交換器6からの吸収濃溶液を過冷却させて上記吸収器4に流入させる空冷式の溶液冷却器5と、上記吸収器4からの吸収希溶液を上記溶液熱交換器6を介して上記発生器1に流入させる溶液ポンプ7を備えて構成される。
そして、この発明では、共にプレート式熱交換器を備えて構成される上記発生器1と溶液熱交換器6を、良好な熱交換性能を維持しつつ、一体化することで、機器構成の簡素化、低廉化等を実現するものである。
以下、この発生器1と溶液熱交換器6を一体化してなる発生器構成体Xを幾つかの実施形態に基づいて具体的に説明する。
ここで、発生器1と溶液熱交換器6を一体化させるに際して考慮すべき点は、以下の通りである。
第1点は、発生器1の内部に流される加熱流体としての排温水の流量は、溶液熱交換器6の内部を流れる吸収希溶液の流量に比して大きく、これら両者間には大きな流量差があること、
第2点は、発生器1の外部を液膜流下する吸収希溶液と上記溶液熱交換器6の外部を流れる吸収濃溶液との間には殆ど流量差がないこと、
第3点は、発生器1側での「液膜−液」の熱交換で冷媒蒸気を発生させること、溶液熱交換器6側では「液−液」の熱交換形態であること、
第4点は、上記第1点〜第3点を考慮した上で、伝熱プレート面を単一のプレートで構成し、且つ一体化のメリットの一つであるコンパクト性を損なわないこと、
等である。
そして、以下の各実施形態においては、特に熱交換効率の相違に対して、伝熱面積の調整と流量調整によって実現するものとし、さらに流量調整に関しては、パス流路の通路面積で調整するものとし、具体的には「プレート間の内部間隔の調整」と「パス流路の数の調整」及び「パス流路の高さの調整」で行なうようにしている。
A:第1の実施形態
図2には、本願発明の第1の実施形態に係る発生器ユニットZを示している。この発生器ユニットZは、ケース10内に、次述の発生器構成体Xを所定間隔で多層に列設配置して構成され、全体として図1に示した発生器1と溶液熱交換器6を一体的に構成するものである。
上記発生器構成体Xは、その上端寄り部位と中段部位をそれぞれ同方向へ折曲させた一対のプレート11、11を所定間隔で対向配置するとともに、その対向間隔内に、上端寄りの折曲部同士を連結する天板16と、下端同士を連結する底板17と、中段部分の折曲部同士を連結して内部空間を上下方向に区画する内部仕切板12をそれぞれ取付けて構成される。そして、上記天板16より上側の上方開口部分を溶液溜8とする一方、上記天板16と内部仕切板12で隔成される部分を発生器1とし、上記内部仕切板12と上記底板17で隔成される部分を上記溶液熱交換器6としている。
上記発生器1の内室1aには、その下部側から排温水が流入し、その上部側から流出するようになっている。また、上記溶液熱交換器6の内室6aには、上記吸収器4からの吸収希溶液がその下部側から流入し、その上部側から流出し、上記発生器1側の上記溶液溜8に流入されるようになっている。
一方、隣接する一対の発生器構成体X、X間には、高さ方向において上記内部仕切板12に対応するようにして外部仕切板13が略水平方向へ向けて延設されている。さらに、この外部仕切板13の短辺方向の中央部には、その下面側から垂下状態で外側面プレート14が取付けられており、該外側面プレート14とこれに対向する上記溶液熱交換器6の外表面の間には外室14aが形成される。また、上記外部仕切板13の幅方向端部寄りで且つ上記外側面プレート14を挟んだ両側位置には、それぞれ通口15が形成されている。
上記溶液溜8の側壁下部には散布孔25が所定間隔で形成されるとともに、側壁の外面側には上記各散布孔25を覆うようにして分散板21が取付けられている。従って、上記溶液溜8に上記吸収器4からの吸収希溶液が流入されると、この吸収希溶液は、上記散布孔25から流出した後、上記分散板21によって上記発生器1の外周面の幅方向全域に跨るように分散され、該外周面に沿って液膜状に流下することになる。
このように上記発生器1の外周面を液膜流下する吸収希溶液は、該発生器1の内室1aを流れる排温水によって加熱され、冷媒蒸気を発生し、次第に濃縮されて吸収濃溶液とされる。
また、上記発生器1側での加熱濃縮により生成された吸収濃溶液は、上記外部仕切板13に達した後、上記通口15を通して上記外室14aに流入し、上記溶液熱交換器6の内室6a内を流れる吸収希溶液との間で熱交換して冷却され、上記ケース10の底部寄りに設けた流出管30から流出し、上記吸収器4側へ送られる。
以上のように構成された複数の発生器構成体Xをケース10内に所定間隔で多層配置することで上記発生器ユニットZが構成されるが、この場合、この発生器構成体X及び発生器ユニットZにおいては、上記発生器1と溶液熱交換器6を一体化構成とする場合における上述の課題を解決すべく、以下に述べるような特有の構成を採用している。
先ず第1には、上記発生器1と溶液熱交換器6を一体化して構成の簡素化を図る一環として、上記発生器構成体Xを一対のプレート11で構成している。そして、この場合、上記発生器1の内部に流される排温水の流量は、溶液熱交換器6の内部を流れる吸収希溶液の流量に比して大きく、これら両者間には大きな流量差があり、上記発生器1側の内部間隔と上記溶液熱交換器6側の内部間隔を同じに設定したのでは、上記流量差に対応できないことから、以下のように上記発生器1と上記溶液熱交換器6の内部間隔を相対的に設定している。
即ち、図3に示すように、上記発生器1の内部間隔Mに対して上記溶液熱交換器6の内部間隔Pを小さく設定している。そして、この内部間隔Mと内部間隔Pの比率については、上記「発明の効果(b)」においても述べたところであるが、発生器1の内部を流れる加熱流体の流量と溶液熱交換器6の内部を流れる吸収希溶液の流量は大きく異なることから、この流量比率でプレートの内部空間の大きさを決定すると、この発生器1と溶液熱交換器6で構成されるプレート式熱交換器を多層に列設した場合、該発生器1の外部を流れる吸収希溶液が濃縮されて発生する冷媒蒸気の通路の確保が困難となるため、少なくとも、溶液熱交換器6の内部間隔Pは、上記発生器1の内部間隔Mの「1/2−t/2(tはプレート板厚)」か、それ以上が最適値となる。
即ち、図3において、「M+N+2t=3P+3t」の関係から、N=2(P)を上限(これ以上ではプレートの層の間隔が広がりコストアップとなる)とすれば、「P=M−t」となり、N=Pが下限(発生器1での冷媒蒸気の確保という観点から)とすれば、「P=M/2−t/2」となる。
従って、上記のように内部間隔Mと内部間隔Pの相対的な大きさを決定すれば、発生器1の外部を流れる吸収希溶液が濃縮されて発生する冷媒蒸気の通路が十分に確保されることになる。
以上のことから、この実施形態では、上記プレートの板厚を「t」として、上記溶液熱交換器6の内部流路におけるプレート間の内部間隔Pを、上記発生器1の内部流路におけるプレート間の内部間隔Mに対して、[(M/2−t/2)〜M]の範囲に設定している。これによって、冷媒蒸気の通路が十分に確保された発生器構成体X及び発生器ユニットZを得ることができる。
第2には、上記発生器1側での「液膜−液」の熱交換形態における熱交換量と、上記溶液熱交換器6側での「液−液」の熱交換形態における熱交換量を各々の熱交換効率を考慮して、上記発生器1と上記溶液熱交換器6の伝熱面積比を設定している。
この伝熱面積比の設定に関しては、上記「発明の効果(a)」においても述べたところであり、重複するが敢えてこれを説明する。
即ち、排温水によって発生器を加熱し冷媒蒸気を発生させ、この冷媒蒸気を凝縮器によって凝縮する一般的な単効用吸収式冷凍サイクルにおいては、例えば、発生器入口の吸収希溶液の濃度が51.7%時、発生器の圧力は67.5mmHg、発生器での沸騰開始温度は72.3℃となる。また、発生器出口の吸収濃溶液の濃度を55%とすると、その沸騰終了温度は79.6℃となる。発生器の加熱温水温度を83℃とすると、それらの温度差としては6.3℃程度となる。
この場合の液膜流下式の発生器1のプレート11一枚当りの熱通過率は、上記の条件における種々の実験の結果より、プレート11への吸収希溶液流量と発生器1への温水流量の関数として、図6に示す特性図を得たものである。即ち、発生器の液膜流下式のプレートとして、その伝熱面形状が、試験プレート(イ)と同(ロ)で異なるにも拘らず、熱通過率としては、熱通過率の測定誤差を10%程度とした場合、ほぼ同一であるといえる。
従って、液膜流下式の発生器としては、その交換熱量は、これらのプレートの形状については大きく関係せず、プレート一枚へ流す吸収希溶液流量(即ち、液膜流量)と加熱用の温水流量により、ほぼ決定されることになる。
一方、溶液熱交換器6としては、発生器1への流入する吸収希溶液流量に対して、該発生器1より流出する吸収濃溶液流量の比がほぼ決定されることから、該溶液熱交換器6での交換熱量も自ずと決まってくる。
図7は、熱交換器一体型の発生器1の試験データであるが、発生器1と溶液熱交換器6の交換熱量の比率は、伝熱面積が、発生器1が「1.0」に対し溶液熱交換器6が0.47である場合、発生器1の交換熱量「1.0」に対し、溶液熱交換器6の交換熱量は溶液流量が少ない場合の「0.27」から、流量が増加した場合の「0.35」程度となった。
よって、一般的な単効用吸収式冷凍サイクルでの発生器の交換熱量「1.0」に対し溶液熱交換器の交換熱量が「0.3〜0.36」の場合では、溶液熱交換器の発生器に対する伝熱面積比としては、交換熱量が低く吸収液流量が少ない場合の伝熱面積比「0.27」を、伝熱面積比「0.36」まで増加させるためには、「(0.36/0.27)×0.47=0.63」となる。ここで、約10%程度の変動幅を加味すれば、伝熱面積比としては「0.7」となる。
また、溶液熱交換器の交換熱量比が「0.3」とすれば、流量比の大きな場合は、「0.36」となるので、「(0.3/0.36)×0.47=0.4」となる。
以上のことから、上記発生器1側と上記溶液熱交換器6側の伝熱面積比としては、ほぼ「0.4〜0.7」に集約される。
このような知見事項に基づき、この実施形態においては、上記溶液熱交換器6側のプレート一層における伝熱面積が、上記発生器1側のプレート一層における伝熱面積の「0.4〜0.7」の範囲となるように設定している。
このように上記発生器1と上記溶液熱交換器6の伝熱面積比を設定することで、上記発生器1側においてはその外部を液膜流下する吸収希溶液と内部を流れる排温水の間における交換熱量が、また上記溶液熱交換器6側においてはその外部を流れる吸収濃溶液と内部を流れる吸収希溶液の間の交換熱量が共に適正に維持され、これによって上記発生器1と上記溶液熱交換器6を一体化してなる発生器構成体X、及び該発生器構成体Xを多層配置してなる発生器ユニットZにおいては、高い熱交換性能が確保されることになる。
第3には、図3における上記溶液熱交換器6の内部間隔Pと、該溶液熱交換器6の外表面と上記外側面プレート14の間にあって、上記発生器1側からの吸収濃溶液の流路となる上記外室14aの外部間隔Qを、上記溶液熱交換器6の内部間隔Pと略同等に設定している。これによって、上記内部間隔P内を流れる吸収希溶液と上記外部間隔Q内を流れる吸収濃溶液との間における液対液による熱交換効率が向上し、延いては上記発生器構成体X発生器ユニットZの性能向上をよりコンパクトな構成によって実現することができる。
B:第2の実施形態
図4には、本願発明の第2の実施形態に係る発生器構成体X及び該発生器構成体Xをケース10内に多層配置してなる発生器ユニットZを示している。この第2の実施形態における発生器構成体Xは、基本構成を上記第1の実施形態に係る発生器構成体Xと同じにするものであって、これと異なる点は、上記第1の実施形態における発生器構成体Xでは上記発生器1及び溶液熱交換器6の内部流路を1パス構成としていたのに対して、この第2の実施形態における発生器構成体Xでは、後述する理由から、上記発生器1及び上記溶液熱交換器6の内部流路を複数パス構成とした点である。さらに、このように複数パス構成とするに当たって、上記発生器1側と上記溶液熱交換器6側とにおいて「パス数」及び「パス流路の高さ」を相対的に設定している。
従って、上記相違点以外の構成及び作用効果等については上記第1の実施形態の場合と同様であるので、図4の各構成部材に、図2の各構成部材に対応させて同一符号を付した上で、該第1の実施形態における該当説明を援用し、ここでは上記相違点を中心に説明する。
上記発生器1の内室1aで構成される内部流路には、上下方向に所定間隔で複数枚のパス板22が、略水平方向に延出するとともに左右方向へ交互に位置ズレした状態で取付けられており、これによって上下方向へ蛇行状に延びる複数のパス流路18が形成されている。そして、これら各パス流路18には排温水が、その下端側のパス流路18の一端から流入し、上端側のパス流路18の一端から流出するように構成されている。即ち、上記発生器1では、その内部のパス流路18を流れる排温水と、該発生器1の外部を液膜流下する吸収希溶液とは対向流とされ、熱交換効率の向上が図られている。
上記溶液熱交換器6の内室6aで構成される内部流路には、上下方向に所定間隔で複数枚のパス板23が、略水平方向に延出するとともに左右方向へ交互に位置ズレした状態で取付けられており、これによって上下方向へ蛇行状に延びる複数のパス流路19が形成されている。そして、これら各パス流路19には排温水が、その下端側のパス流路19の一端から流入し、上端側のパス流路19の一端から流出するように構成されている。即ち、上記溶液熱交換器6側においても、その内部のパス流路19を流れる吸収希溶液と、該溶液熱交換器6の外部を流れる吸収濃溶液とは対向流とされ、熱交換効率の向上が図られている。
ここで、この実施形態では、上記発生器1の内部を流れる排温水の流量と、上記溶液熱交換器6の内部を流れる吸収希溶液の流量の差を考慮して、上記発生器1と上記溶液熱交換器6の間において、「パス数」と「パス流路の高さ」を相対的に設定している。
先ず、「パス数」に関しては、この実施形態では、上記発生器1側のパス数を、上記溶液熱交換器6側のパス数と同じか、もしくはそれ以下に設定している。
ここで、上記発生器1の内部を流れる加熱流体の流量は、上記溶液熱交換器6の内部を流れる吸収希溶液の流量に比して多いこと、また、上記発生器1側における熱交換形態は「液膜―液」による熱交換であって、上記溶液熱交換器6側における熱交換形態は「液―液」による熱交換であること、さらに上記発生器1の外部を液膜流下する吸収液の流量と上記溶液熱交換器6の外部を流れる吸収液の流量は同じであること、等からして、上記発生器1側と上記溶液熱交換器6の双方において共に適正な熱交換作用を行なわせ、交換熱量を適正にするためには、上記発生器1側においては溶液熱交換器6側よりもパス数を同一か、もしくは少なくしても、溶液熱交換器6側よりも熱交換効率が良く交換熱量が確保できる一方、上記溶液熱交換器6側においては発生器1側よりパス数を増加しないと熱交換効率が低下し、適正な交換熱量が確保できなくなると考えられる。
そこで、この実施形態のように、上記発生器1側のパス数を、上記溶液熱交換器6側のパス数と同じかもしくはそれ以下に設定することで、上記発生器1側の加熱流体による交換熱量に対し、上記溶液熱交換器6側の吸収溶液の交換熱量が増加し、その結果、上記発生器1側と上記溶液熱交換器6の双方において共に適正な熱交換作用が行なわれることになる。
次に、「パス流路の高さ」に関しては、この実施形態では、上記発生器1側のパス流路18の高さを、上記溶液熱交換器6側のパス流路19の高さ以上に設定している。
ここで、上記発生器1の内部を流れる加熱流体の流量は、上記溶液熱交換器6の内部を流れる吸収希溶液の流量に比して多いこと、また、上記発生器1側における熱交換形態は「液膜―液」による熱交換であって、上記溶液熱交換器6側における熱交換形態は「液―液」による熱交換であること、さらに上記発生器1の外部を液膜流下する吸収液の流量と上記溶液熱交換器6の外部を流れる吸収液の流量は同じであること、等からして、上記発生器1側と上記溶液熱交換器6の双方において共に適正な熱交換作用を行なわせ、交換熱量を適正にするためには、上記発生器1側においては溶液熱交換器6側よりもパス流路の高さを同一か、もしくは高くしても溶液熱交換器6側よりも熱交換効率が良く交換熱量が確保できる一方、上記溶液熱交換器6側においては発生器1側よりもパス流路の高さを低くしないと熱交換効率が低下し、適正な交換熱量が確保できなくなると考えられる。
そこで、パス流路18、19の高さは、その流路断面積を規定するものであることから、この実施形態では、上記発生器1側のパス流路18の高さ(即ち、流路断面積)を、上記溶液熱交換器6側のパス流路19の高さ以上に設定している。従って、上記発生器1側の加熱流体による交換熱量に対し、上記溶液熱交換器6側の吸収溶液の流量の交換熱量が増加し、その結果、上記発生器1側と上記溶液熱交換器6の双方において共に適正な熱交換作用が行なわれる。
C:第3の実施形態
図5には、本願発明の第3の実施形態に係る発生器構成体X及び該発生器構成体Xをケース10内に多層配置してなる発生器ユニットZを示している。この第3の実施形態における発生器構成体Xは、基本構成を上記第2の実施形態に係る発生器構成体Xと同じにするものであって、これと異なる点は、上記第2の実施形態における発生器構成体Xでは上記発生器1及び溶液熱交換器6の内部流路にそれぞれ複数のパス流路18,19を設け、上記溶液熱交換器6の外側に位置する上記外室14aで構成される外部流路は1パス構成としていたのに対して、この第3の実施形態における発生器構成体Xでは、上記外部流路にも複数のパス流路20を設定した点である。
従って、上記相違点以外の構成及び作用効果等については上記第1の実施形態又は上記第2の実施形態の場合と同様であるので、図5の各構成部材に、図2及び図4の各構成部材に対応させて同一符号を付した上で、該第1の実施形態又は第2の実施形態における該当説明を援用し、ここでは上記相違点を中心に説明する。
この実施形態では、上記溶液熱交換器6の外側の外部流路にパス流路20を設定するに際して、先ず第1に、上記パス流路20の高さを上記溶液熱交換器6の内部流路のパス流路19の高さと略同一に設定している(換言すれば、上記外部流路におけるパス数と上記溶液熱交換器6の内部流路のパス数を同じに設定している)。
係る設定とすることで、上記パス流路19を流れる吸収希溶液の流量と上記パス流路20を流れる吸収濃溶液の流量に大きな差異がないことより、これら両者間における熱交換効率が適正に保持され、延いては上記発生器ユニットZ全体としての熱交換性能の向上が期待できるものである。
第2に、この実施形態では、上記溶液熱交換器6の内部の上記パス流路19を流れる吸収希溶液の流れ方向と、上記溶液熱交換器6の外部の上記パス流路20を流れる吸収濃溶液の流れ方向が対向するように、パス流路の数を設定している。係る構成とすることで、上記溶液熱交換器6部分の一対おける吸収希溶液と吸収濃溶液との間の熱交換がより一層促進され、延いては上記発生器ユニットZ全体としての熱交換性能のさらなる向上が期待できるものである。
吸収式冷凍装置のシステム図である。 本願発明の第1の実施の形態に係る吸収式冷凍装置における一体型の発生器及び溶液熱交換器の部分斜視図である。 図2の要部拡大図である。 本願発明の第2の実施の形態に係る吸収式冷凍装置における一体型の発生器及び溶液熱交換器の部分斜視図である。 本願発明の第3の実施の形態に係る吸収式冷凍装置における一体型の発生器及び溶液熱交換器の部分斜視図である。 プレート式発生器における液膜流量と熱通過率の相関特性図である。 発生器及び溶液熱交換器における希溶液流量に対する発生器熱出力と吸収器熱出力の相関特性図である。
符号の説明
1 ・・発生器
2 ・・凝縮器
3 ・・蒸発器
4 ・・吸収器
5 ・・溶液冷却器
6 ・・溶液熱交換器
7 ・・溶液ポンプ
8 ・・溶液溜
10 ・・ケース
11 ・・プレート
12 ・・内部仕切板
13 ・・外部仕切板
14 ・・外側面プレート
15 ・・通口
16 ・・天板
17 ・・底板
18 ・・パス流路
19 ・・パス流路
20 ・・パス流路
21 ・・分散板
22 ・・パス板
23 ・・パス板
24 ・・パス板
25 ・・散布孔
30 ・・流出管
H1 ・・流路高さ
H2 ・・流路高さ
M ・・内部間隔
N ・・外部間隔
P ・・内部間隔
Q ・・外部間隔
t ・・板厚
Z ・・発生器ユニット
X ・・発生器構成体

Claims (6)

  1. プレート式熱交換器の上部に発生器(1)を、下部に溶液熱交換器(6)を、それぞれ設定するとともに、上記発生器(1)はその外表面を液膜状態で流下する吸収希溶液をその内部に流される加熱用流体によって加熱濃縮して冷媒蒸気を発生して吸収濃溶液とし、上記溶液熱交換器(6)はその内部に上記発生器(1)側へ流入される吸収希溶液を流すとともにその外表面には上記発生器(1)側で濃縮された吸収濃溶液を流し、該吸収希溶液と吸収濃溶液の間の熱交換によって上記吸収希溶液を昇温させると共に上記吸収濃溶液を降温させる構成とした吸収式冷凍装置において、
    上記溶液熱交換器(6)側のプレート一層における伝熱面積が、上記発生器(1)側のプレート一層における伝熱面積の「0.4〜0.7」の範囲となるように該溶液熱交換器(6)と上記発生器(1)の伝熱面積比を相対的に設定したことを特徴とする吸収式冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記プレートの板厚を「t」として、上記溶液熱交換器(6)の内部流路におけるプレート間の内部間隔(P)を、上記発生器(1)の内部流路におけるプレート間の内部間隔(M)に対して、[(M/2−t/2)〜M]の範囲に設定したことを特徴とする吸収式冷凍装置。
  3. 請求項2において、
    上記溶液熱交換器(6)の外表面の外側に外側面プレート(14)を対向配置するとともに、上記溶液熱交換器(6)の外表面と上記外側面プレート(14)の間の外部間隔(Q)を、上記溶液熱交換器(6)の内部間隔(P)と略同等に設定したことを特徴とする吸収式冷凍装置。
  4. 請求項1、2又は3において、
    上記発生器(1)の内部と上記溶液熱交換器(6)の内部にそれぞれパス流路(18)、(19)を設けるとともに、上記発生器(1)側のパス数を、上記溶液熱交換器(6)側のパス数と同じかそれ以下に設定したことを特徴とする吸収式冷凍装置。
  5. 請求項1、2又は3において、
    上記発生器(1)の内部と上記溶液熱交換器(6)の内部にそれぞれパス流路(18)、(19)を設けるとともに、
    上記発生器(1)側のパス流路(18)の高さを、上記溶液熱交換器(6)側のパス流路(19)の高さと略同一かそれ以上に設定したことを特徴とする吸収式冷凍装置。
  6. 請求項4又は5において、
    上記溶液熱交換器(6)の外部にパス流路(20)を設けるとともに、該パス流路(20)の高さを上記溶液熱交換器(6)の内部のパス流路(19)の高さと略同一に設定したことを特徴とする吸収式冷凍装置。
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JP2012202564A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Osaka Gas Co Ltd 吸収式冷凍機及び吸収式冷凍機の製造方法
JP2012202563A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Osaka Gas Co Ltd 熱交換器及び熱交換器の製造方法

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