JP4720558B2 - 吸収冷凍機用発生器 - Google Patents

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Description

本願発明は、吸収冷凍機用発生器に関するものである。
従来公知の吸収冷凍機に用いられる発生器としては、伝熱管の内部に加熱媒体(例えば、排温水)を通し、伝熱管外の希溶液(例えば、LiBr希溶液)を濃縮再生して冷媒蒸気を発生させる方式のものや、プレート式熱交換器を用い、内部の加熱媒体(例えば、排温水)によって、プレート外面の希溶液(例えば、LiBr希溶液)を加熱濃縮して冷媒蒸気を発生させるもの、プレート外面の希溶液(例えば、LiBr希溶液)を液膜で流下させて濃縮して冷媒蒸気を発生させるもの等(特許文献1、2参照)がある。
上記した公知の発生器は、単に冷媒蒸気を発生させる冷媒発生器としての機能しか有していなかった。
特開平7−139850号公報。
特開2001−153582号公報。
ところで、単効用サイクルの吸収冷凍機においては、発生器に流入する希溶液(例えば、LiBr希溶液)は、発生器で加熱され、冷媒蒸気を発生した後、発生器より流出する濃溶液(例えば、LiBr濃溶液)と熱交換されることとなっている。つまり、発生器に流入する希溶液と発生器から流出する濃溶液とを熱交換させるための溶液熱交換器が付設されることで熱効率を高めるサイクルとなっているのである。
従来の吸収冷凍機に使用される発生器は、上記したように、単に冷媒蒸気を発生させる冷媒発生器としての機能とか有していないところから、吸収冷凍サイクルにおいては、発生器と溶液熱交換器とが別構成の機器として用いられることとなっている。その結果、吸収冷凍サイクルを構成する機器数が多くなるとともに、信頼性の向上やコストダウンを図る上での障害となっていた。
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、吸収冷凍サイクルの構成機器の簡素化と、コストダウンおよび信頼性の向上を図り得るようにすることを目的としている。
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、一対のプレート1,1を組み合わせてなり、上部に加熱媒体Whが流れる加熱媒体流路7を、下部に希溶液Ldが流れる希溶液流路8を有する複数のエレメントX,X・・を設け、該エレメントX,X・・の外部に希溶液Ldを供給するように構成するとともに、前記加熱媒体流路7を流れる加熱媒体WhによってエレメントX,X・・の外部に供給される希溶液Ldを濃縮再生して濃溶液Lcとする発生器部2と、該発生器部2において濃縮再生されて前記希溶液流路8の外部を流下する濃溶液Lcと前記希溶液通路8を流れる希溶液Ldとを熱交換させる熱交換器部3とを一体に構成している。
上記のように構成したことにより、希溶液Ldは、上部の発生器部2を構成するエレメントX,X・・の表面を液膜状態で流下し、下部の熱交換器部3を構成するエレメントX,X・・の表面側に流入し、その過程において、上部の発生器部2では加熱媒体Whにより希溶液Ldが加熱濃縮され、冷媒蒸気Rsを発生し、発生器部2から流下する濃溶液Lcは、下部の熱交換器部3において発生器部2に流入する前の希溶液Ldとの熱交換により冷却されて温度が低下される。つまり、冷媒発生器として機能する発生器部2と溶液熱交換器として機能する熱交換器部3とを一対のプレート1,1からなるエレメントXを一体化構成とすることが可能となり、機器の簡素化およびコストダウンを図ることができる。
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第2の手段として、上記第1の手段を備えた吸収冷凍機用発生器において、前記発生器部2における熱交換量と前記熱交換器部3における熱交換量とに対応させて前記発生器部2および前記熱交換器部3の大きさを設定することもでき、そのように構成した場合、発生器部2と熱交換器部3とにおける大きさをそれぞれの熱交換量に対応させることが可能となり、熱交換器として低コスト化を図ることができるとともに、信頼性が向上する。
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2の手段を備えた吸収冷凍機用発生器において、前記発生器部2の上方に、供給される希溶液Ldを均等に分散するための溶液分散手段4を付設することもでき、そのように構成した場合、発生器部2へ供給される希溶液Ldを均等に分散させることが可能となり、発生器部2および熱交換器部3における性能向上を図ることができる。
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第4の手段として、上記第1、第2又は第3の手段を備えた吸収冷凍機用発生器において、前記熱交換器部3の最上位に、濃溶液出口5を形成することもでき、そのように構成した場合、熱交換器部3が濃溶液Lcで満液状態となったとき、濃溶液Lcの流出が可能となるところから、熱交換器部3における熱交換性能を最大に発揮することができる。
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第5の手段として、上記第1、第2、第3又は第4の手段を備えた吸収冷凍機用発生器において、前記発生器部2から前記熱交換器部3に至る濃溶液流路6を構成する前記プレート1,1の間隔D1を等しくする一方、前記発生器部2における加熱媒体流路7を構成する前記プレート1,1の間隔D2と前記熱交換器部3における希溶液流路8を構成する前記プレート1,1の間隔D3とを異ならしめることもでき、そのように構成した場合、1枚のプレート1の上部および下部に発生器部2および熱交換器部3をそれぞれ形成することが可能となり、製作が容易となる。
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第6の手段として、上記第1、第2、第3、第4又は第5の手段を備えた吸収冷凍機用発生器において、前記熱交換器部3における濃溶液流路9を構成する前記プレート1,1の間隔D4と前記熱交換器部3における希溶液流路8を構成する前記プレート1,1の間隔D3とを等しくすることもでき、そのように構成した場合、熱交換器部3における希溶液流路8と濃溶液流路9との容積が等しくなり、希溶液Ldと濃溶液Lcとの熱交換性能を最大に確保することができる。
本願発明の第1の手段によれば、一対のプレート1,1を組み合わせてなり、上部に加熱媒体Whが流れる加熱媒体流路7を、下部に希溶液Ldが流れる希溶液流路8を有する複数のエレメントX,X・・を設け、該エレメントX,X・・の外部に希溶液Ldを供給するように構成するとともに、前記加熱媒体流路7を流れる加熱媒体WhによってエレメントX,X・・の外部に供給される希溶液Ldを濃縮再生して濃溶液Lcとする発生器部2と、該発生器部2において濃縮再生されて前記希溶液流路8の外部を流下する濃溶液Lcと前記希溶液通路8を流れる希溶液Ldとを熱交換させる熱交換器部3とを一体に構成して、希溶液Ldは、上部の発生器部2を構成するエレメントX,X・・の表面を液膜状態で流下し、下部の熱交換器部3を構成するエレメントX,X・・の表面側に流入し、その過程において、上部の発生器部2では加熱媒体Whにより希溶液Ldが加熱濃縮され、冷媒蒸気Rsを発生し、発生器部2から流下する濃溶液Lcは、下部の熱交換器部3において発生器部2に流入する前の希溶液Ldとの熱交換により冷却されて温度が低下されるようにしたので、冷媒発生器として機能する発生器部2と溶液熱交換器として機能する熱交換器部3とを一対のプレート1,1からなるエレメントXを一体化構成とすることが可能となり、機器の簡素化およびコストダウンを図ることができるという効果がある。
本願発明の第2の手段におけるように、上記第1の手段を備えた吸収冷凍機用発生器において、前記発生器部2における熱交換量と前記熱交換器部3における熱交換量とに対応させて前記発生器部2および前記熱交換器部3の大きさを設定することもでき、そのように構成した場合、発生器部2と熱交換器部3とにおける大きさをそれぞれの熱交換量に対応させることが可能となり、熱交換器として低コスト化を図ることができるとともに、信頼性が向上する。
本願発明の第3の手段におけるように、上記第1又は第2の手段を備えた吸収冷凍機用発生器において、前記発生器部2の上方に、供給される希溶液Ldを均等に分散するための溶液分散手段4を付設することもでき、そのように構成した場合、発生器部2へ供給される希溶液Ldを均等に分散させることが可能となり、発生器部2および熱交換器部3における性能向上を図ることができる。
本願発明の第4の手段におけるように、上記第1、第2又は第3の手段を備えた吸収冷凍機用発生器において、前記熱交換器部3の最上位に、濃溶液出口5を形成することもでき、そのように構成した場合、熱交換器部3が濃溶液Lcで満液状態となったとき、濃溶液Lcの流出が可能となるところから、熱交換器部3における熱交換性能を最大に発揮することができる。
本願発明の第5の手段におけるように、上記第1、第2、第3又は第4の手段を備えた吸収冷凍機用発生器において、前記発生器部2から前記熱交換器部3に至る濃溶液流路6を構成する前記プレート1,1の間隔D1を等しくする一方、前記発生器部2における加熱媒体流路7を構成する前記プレート1,1の間隔D2と前記熱交換器部3における希溶液流路8を構成する前記プレート1,1の間隔D3とを異ならしめることもでき、そのように構成した場合、1枚のプレート1の上部および下部に発生器部2および熱交換器部3をそれぞれ形成することが可能となり、製作が容易となる。
本願発明の第6の手段におけるように、上記第1、第2、第3、第4又は第5の手段を備えた吸収冷凍機用発生器において、前記熱交換器部3における濃溶液流路9を構成する前記プレート1,1の間隔D4と前記熱交換器部3における希溶液流路8を構成する前記プレート1,1の間隔D3とを等しくすることもでき、そのように構成した場合、熱交換器部3における希溶液流路8と濃溶液流路9との容積が等しくなり、希溶液Ldと濃溶液Lcとの熱交換性能を最大に確保することができる。
以下、添付の図面を参照して、本願発明の好適な実施の形態について説明する。
図1には、本願発明の実施の形態にかかる吸収冷凍機用発生器を用いたLiBr式吸収冷凍サイクルが示されている。
この吸収冷凍サイクルは、冷媒(例えば、水)を吸収する能力に優れた吸収剤(例えば、LiBr)の水溶液(以下、単に希溶液という)の冷媒吸収能力が増強するように該溶液を加熱媒体(例えば、排温水)Whで加熱して濃縮するための発生器Gと、該発生器Gにおいて溶液から分離した蒸気(冷媒)Rsを導入してこれを冷却することによって液化させる凝縮器Cと、該凝縮器Cによって液化された冷媒Rwを導入して低圧下で蒸発(気化)させる蒸発器Eと、該蒸発器Eで発生した蒸気Rsを吸収するために前記発生器Gで濃縮された濃溶液Lcを収容する吸収器Aと、該吸収器Aで蒸気を吸収したことによって希釈された溶液(希溶液)Ldを濃縮するために再び発生器Gへ送り込むための溶液ポンプPと、該溶液ポンプPから吐出される希溶液Ldの一部(大部分)を導入してこれを冷却する空冷熱交換器Hとを備えて構成されている。また、この吸収冷凍サイクルにおいては、前記発生器Gは、発生器部と熱交換器部とが一体化された構造(後に詳述する)とされ、蒸発器Eおよび吸収器Aも一体化された構造とされている。なお、発生器Gの熱交換器部を出た濃溶液Lcは空冷熱交換器Hの出口側で合流されることとなっている。また、前記蒸発器Eにおいては、冷媒(凝縮水)の蒸発によって冷水Wcが得られることとなっている。
本実施の形態においては、前記発生器Gは、図2ないし図4に示すように、一対のプレート1,1を組み合わせてなり、上部に加熱媒体(例えば、排温水)Whが流れる加熱媒体流路7を、下部に希溶液Ldが流れる希溶液流路8を有する複数のエレメントX,X・・を設け、該エレメントX,X・・の外部に希溶液Ldを供給するように構成されており、前記加熱媒体流路7を流れる加熱媒体WhによってエレメントX,X・・の外部に供給される希溶液Ldを濃縮再生して濃溶液Lcとする発生器部2と、該発生器部2において濃縮再生されて前記希溶液流路8の外部を流下する濃溶液Lcと前記希溶液通路8を流れる希溶液Ldとを熱交換させる熱交換器部3とが一体に構成されている。前記各プレート1は、熱良導体(例えば、鋼板、ステンレス鋼、アルミあるいはアルミ合金等)により製作される。符号10は発生器Gの外郭を構成するケーシングである。
前記発生器部2における熱交換量と前記熱交換器部3における熱交換量とに対応させて前記発生器部2および前記熱交換器部3の大きさは設定されている。このようにすると、発生器部2と熱交換器部3とにおける大きさをそれぞれの熱交換量に対応させることが可能となり、熱交換器として低コスト化を図ることができるとともに、信頼性が向上する。
また、前記発生器部2の上方には、供給される希溶液Ldを均等に分散するための溶液分散手段として作用するスプレー装置4が付設されている(図3参照)。このようにすると、発生器部2へ供給される希溶液Ldを均等に分散させることが可能となり、発生器部2および熱交換器部3における性能向上を図ることができる。
さらに、前記熱交換器部3の最上位には、濃溶液出口5が形成されている(図2参照)。このようにすると、熱交換器部3が濃溶液Lcで満液状態となったとき、濃溶液Lcの流出が可能となるところから、熱交換器部3における熱交換性能を最大に発揮することができる。
さらにまた、前記発生器部2から前記熱交換器部3に至る濃溶液流路6を構成する前記プレート1,1の間隔D1は等しくされる(例えば、D1=5mm)一方、前記発生器部2における加熱媒体流路7を構成する前記プレート1,1の間隔D2と前記熱交換器部3における希溶液流路8を構成する前記プレート1,1の間隔D3とは異なっている(例えば、D2=5mm、D3=2.5mm)。このようにすると、1枚のプレート1の上部および下部に発生器部2および熱交換器部3をそれぞれ形成することが可能となり、製作が容易となる。
しかも、本実施の形態においては、前記熱交換器部3における濃溶液流路9を構成する前記プレート1,1の間隔D4と前記熱交換器部3における希溶液流路8を構成する前記プレート1,1の間隔D3とは等しくされている(例えば、D3=D4=2.5mm)。このようにすると、熱交換器部3における希溶液流路8と濃溶液流路9との容積が等しくなり、希溶液Ldと濃溶液Lcとの熱交換性能を最大に確保することができる。
本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能なことは勿論である(例えば、単効用以外の複数効用にも適用可能である)。
本願発明の実施の形態にかかる吸収冷凍機用発生器を用いた吸収冷凍サイクルを示す系統図であり、溶液を吸収器に流入させる前に空冷熱交換器で過冷却させる方式の例である。 本願発明の実施の形態にかかる吸収冷凍機用発生器の内部を開示した斜視図である。 本願発明の実施の形態にかかる吸収冷凍機用発生器の正面図である。 本願発明の実施の形態にかかる吸収冷凍機用発生器の要部拡大断面図である。
1はプレート
2は発生器部
3は熱交換器部
4は溶液分散手段(スプレー装置)
5は濃溶液出口
6は濃溶液流路
7は加熱媒体流路
8は希溶液流路
9は濃溶液流路
Gは発生器
1〜D4は間隔
Lcは濃溶液
Ldは希溶液
Whは加熱媒体(排温水)
Xはエレメント

Claims (6)

  1. 一対のプレート(1),(1)を組み合わせてなり、上部に加熱媒体(Wh)が流れる加熱媒体流路(7)を、下部に希溶液(Ld)が流れる希溶液流路(8)を有する複数のエレメント(X),(X)・・を設け、該エレメント(X),(X)・・の外部に希溶液(Ld)を供給するように構成するとともに、前記加熱媒体流路(7)を流れる加熱媒体(Wh)によってエレメント(X),(X)・・の外部に供給される希溶液(Ld)を濃縮再生して濃溶液(Lc)とする発生器部(2)と、該発生器部(2)において濃縮再生されて前記希溶液流路(8)の外部を流下する濃溶液(Lc)と前記希溶液通路(8)を流れる希溶液(Ld)とを熱交換させる熱交換器部(3)とを一体に構成したことを特徴とする吸収冷凍機用発生器。
  2. 前記発生器部(2)における熱交換量と前記熱交換器部(3)における熱交換量とに対応させて前記発生器部(2)および前記熱交換器部(3)の大きさを設定したことを特徴とする請求項1記載の吸収冷凍機用発生器。
  3. 前記発生器部(2)の上方には、供給される希溶液(Ld)を均等に分散するための溶液分散手段(4)を付設したことを特徴とする請求項1および2のいずれか一項記載の吸収冷凍機用発生器。
  4. 前記熱交換器部(3)の最上位には、濃溶液出口(5)を形成したことを特徴とする請求項1、2および3のいずれか一項記載の吸収冷凍機用発生器。
  5. 前記発生器部(2)から前記熱交換器部(3)に至る濃溶液流路(6)を構成する前記プレート(1),(1)の間隔(D1)を等しくする一方、前記発生器部(2)における加熱媒体流路(7)を構成する前記プレート(1),(1)の間隔(D2)と前記熱交換器部(3)における希溶液流路(8)を構成する前記プレート(1),(1)の間隔(D3)とを異ならしめたことを特徴とする請求項1、2、3および4のいずれか一項記載の吸収冷凍機用発生器。
  6. 前記熱交換器部(3)における濃溶液流路(9)を構成する前記プレート(1),(1)の間隔(D4)と前記熱交換器部(3)における希溶液流路(8)を構成する前記プレート(1),(1)の間隔(D3)とを等しくしたことを特徴とする請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の吸収冷凍機用発生器。
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