JP5338272B2 - 吸収式冷凍装置 - Google Patents

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本願発明は、吸収式冷凍装置に関し、さらに詳しくは発生器の加熱源温度を低下できるようにした吸収式冷凍装置に関するものである。
吸収式冷凍装置(例えば、LiBr式吸収式冷凍装置)においては、図6および図7に示すように、希溶液(例えば、LiBr希溶液)を発生器Gで加熱濃縮させることにより得られる冷媒蒸気Rsを水冷式の凝縮器Cで冷却液化し、液化した液冷媒Rwを蒸発器Eの伝熱面に散布させることで内部の被冷却流体を冷却し、蒸発した冷媒蒸気Rsを吸収器Aにて前記発生器Gより送られる濃溶液Lcで吸収させた後、濃度の低下した溶液(即ち、希溶液Ld)を前記発生器Gに送ることで、吸収サイクルを形成することとなっている。ここで、図6には、凝縮器Cからの液冷媒Rwが蒸発器Eの上部から伝熱面に散布される冷媒一過性方式の蒸発器Eを用いた吸収サイクルが示されており、図7には、凝縮器Cからの液冷媒Rwが蒸発器Eの下部に設けられた冷媒溜まり1に供給され、該冷媒溜まり1の液冷媒Rwが冷媒ポンプPrにより蒸発器Eの上部から伝熱面に循環散布される冷媒循環方式の蒸発器Eを用いた吸収サイクルが示されている。図6および図7において、符号Tcは冷却塔、Plは吸収器Aからの溶液を圧送する溶液ポンプ、Pwは冷却塔Tcからの冷却水Wcを圧送する冷却水ポンプ、Haは発生器Gからの濃溶液Lcと発生器Gへ送られる希溶液Ldとを熱交換させる溶液熱交換器、2は吸収器Aに入る吸収溶液を過冷却する水冷式の過冷却用熱交換器、5は冷却塔Tcからの冷却水Wcを凝縮器Cおよび過冷却用熱交換器2に循環させる冷却水回路である。
従って、発生器Gで希溶液Ldを加熱するための加熱源の温度は、発生器Gの出口における濃溶液Lcの濃度におけるその飽和蒸気温度に等しい溶液温度と熱交換するのに必要な温度から決定されることとなる。つまり、その飽和蒸気温度は、凝縮器Cでの凝縮温度で決まる凝縮圧力と等しい圧力における溶液温度となるので、発生器Gでの加熱源温度を低下するためには、凝縮器Cにおける凝縮(圧力)温度を低下させることでもある(図5参照)。
例えば、ガスエンジン等の冷却水を利用した排温水吸収式の単効用冷凍装置において、発生器Gでの溶液濃度が60%程度の場合、凝縮温度を40℃とすると凝縮圧力下の溶液の飽和蒸気温度に等しい溶液温度は85℃より、熱源温度としては90℃程度、すなわちガスエンジンの排温水温水としてこの温水以上が必要となる(図5のサイクル(A)参照)。発生器Gの溶液を加熱するための熱源温度をより低くできれば、加熱用の温水として太陽熱等が利用可能となり、排熱吸収式冷凍装置の利用範囲を大きく拡大することができる。この凝縮温度を低下させるには、冷却用の空気温度を低下させるか、もしくは発生器Gの出口溶液濃度(LiBr溶液濃度)を薄くして飽和蒸気温度を低下させる必要がある。
しかしながら、吸収式冷凍装置の定格運転時の凝縮温度は、水冷式の凝縮器の場合には、冷却塔(クーリングタワー)Tcにおける冷却水と熱交換される温度であり、冷却水の温度は外気温度における蒸発温度により決定され、定格時では32℃程度であることにより、一般的には冷却水は吸収器Aを出た後に凝縮器Cに流入されるため、凝縮温度を40℃以下にすることは、冷却塔Tcや凝縮器Cを大きくする必要があり、実用的でない。仮に、冷却水を吸収器Aと凝縮器Cに並列で流入したとしても、凝縮温度は多少なり低くなるが、大きく熱源温度を低下させることは出来ない。加熱源温度を10℃程度低くするには、凝縮温度で7〜10℃程度低くし、30〜33℃とする必要がある(図5のサイクル(A′)参照)。
また、発生器Gの出口溶液(例えば、LiBr溶液)濃度Lcを大きく低下(薄く)することで、熱源温度を低下させることは、蒸発器Eにおける蒸発温度が、吸収器Aの入口溶液温度と発生器Gの出口溶液濃度Lcとにより決定されるため、同じ低い冷水温度(即ち、被冷却流体温度)を得るには、吸収器Aの入口の濃溶液(例えば、LiBr濃溶液)Lcの濃度が低下するので、同じ蒸発温度にするには吸収器Aの入口の濃溶液Lcの温度を低下する必要があり、その溶液温度は必然的に決まる(図5のサイクル(C)参照)。すなわち、低い加熱源温度における発生器Gの低い(薄い)溶液濃度では、同じ吸収器Aの入口溶液温度では蒸発温度が上昇し(図5のサイクル(B)参照)、定格運転時の蒸発器Eでの冷水温度(被冷却流体温度)を所定通り低くできないことになり、単に発生器Gでの溶液濃度を低くし、加熱源温度を低下させることは困難である。
なお、発生器の加熱源の温度を低くする手段としては、この場合、吸収式冷凍装置において、蒸発器と吸収器とを組み合わせたユニットを二つ用意し、一方のユニットを構成する吸収器の出口からの希溶液を一方のユニットを構成する蒸発器の熱交換部、他方のユニットを構成する吸収器の熱交換部を経て一方のユニットを構成する吸収器の上部に還流させる還流回路を付設して、発生器の加熱源の温度を低くできるようにしている(特許文献1参照)。しかしながら、この場合、蒸発器と吸収器とを組み合わせたユニットを二つ用意する必要があり、装置全体の大型化が避けられないというデメリットがある。
特開2007−271165
本願発明では、蒸発器の伝熱面に散布した液冷媒の未蒸発分を下部の冷媒溜まりに溜め、この未蒸発液冷媒を冷媒ポンプにより吸収器に入る吸収溶液を過冷却する水冷式の過冷却用熱交換器に送液し、この過冷却用熱交換器で吸収器入口溶液温度を下げ、吸収器の圧力を下げることにより、低い蒸発温度が得られるようにしている。その結果、発生器における溶液濃度を低くすることができ、飽和溶液温度を低下させることが可能となり、発生器の加熱源の温度を低下できるようにしている。
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、吸収器の圧力を低下させることにより、低い蒸発温度を可能とすることで、発生器における吸収溶液濃度を低くし、飽和溶液温度を低下させ、装置を大型化させるとなく、発生器の加熱源の温度を低くできるようにすることを目的としている。
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、発生器G、該発生器Gから得られた冷媒蒸気Rsを凝縮液化する凝縮器C、該凝縮器Cで凝縮液化された液冷媒Rwを蒸発気化させる蒸発器Eおよび該蒸発器Eで蒸発気化された冷媒蒸気Rsを前記発生器Gで得られた濃溶液Lcに吸収して前記発生器Gへ供給される希溶液Ldを生成する吸収器Aを備え、水冷式の過冷却用熱交換器2により冷却された吸収溶液Ldを前記吸収器Aに送液するように構成した吸収式冷凍装置において、前記蒸発器Eの下部に、該蒸発器Eの伝熱面に散布した液冷媒Rwの未蒸発分を溜める冷媒溜まり1を設けるとともに、該冷媒溜まり1の液冷媒Rwを、前記過冷却用熱交換器2の冷却熱源として使用すべく前記冷媒溜まり1の液冷媒Rwを冷媒ポンプPrを介して前記過冷却用熱交換器2に送給する冷媒循環回路3からなる冷却手段Xを付設する一方、前記冷媒循環回路3に、前記冷媒溜まり1の液冷媒Rwを前記凝縮器Cの伝熱面内部に送給する冷却用回路4を付設している。
上記のように構成したことにより、蒸発器Eの伝熱面に散布した液冷媒Rwの未蒸発分が、吸収器Aに入る吸収溶液Ldを過冷却する水冷式の過冷却用熱交換器2の冷却熱源として使用され、吸収器Aの冷却水温度が低下し、吸収器Aの圧力を下げることにより、低い蒸発温度が得られることとなる。その結果、発生器Gにおける溶液濃度を低くすることができ、飽和溶液温度を低下させることが可能となり、発生器Gの加熱源の温度を低下できる。しかも、冷却手段Xを、前記冷媒溜まり1の液冷媒Rwを冷媒ポンプPrを介して前記過冷却用熱交換器2に送給する冷媒循環回路3により構成しているので、冷媒溜まり1と冷媒循環回路3とを付設するという簡単な構成により、吸収器Aの圧力を下げることが可能となり、蒸発温度を低下させることができる。また、冷媒循環回路3に、前記冷媒溜まり1の液冷媒Rwを前記凝縮器Cの伝熱面内部に送給する冷却用回路4を付設しているので、冷媒溜まり1の液冷媒Rwの一部が、凝縮器Cに送液されることとなり、凝縮温度も低下することとなって、発生器Gの加熱源の温度をより一層低下させることが可能となる。
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第の手段として、上記第の手段を備えた吸収式冷凍装置において、前記発生器Gの加熱源として排熱を用いることもでき、そのように構成した場合、やや低温の排熱温水を有効に利用できる。
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第の手段として、上記第の手段を備えた吸収式冷凍装置において、前記排熱として太陽熱を用いることもでき、そのように構成した場合、吸収式冷凍装置の利用範囲を大幅に拡大することができる。
本願発明の第1の手段によれば、発生器G、該発生器Gから得られた冷媒蒸気Rsを凝縮液化する凝縮器C、該凝縮器Cで凝縮液化された液冷媒Rwを蒸発気化させる蒸発器Eおよび該蒸発器Eで蒸発気化された冷媒蒸気Rsを前記発生器Gで得られた濃溶液Lcに吸収して前記発生器Gへ供給される希溶液Ldを生成する吸収器Aを備え、水冷式の過冷却用熱交換器2により冷却された吸収溶液Ldを前記吸収器Aに送液するように構成した吸収式冷凍装置において、前記蒸発器Eの下部に、該蒸発器Eの伝熱面に散布した液冷媒Rwの未蒸発分を溜める冷媒溜まり1を設けるとともに、該冷媒溜まり1の液冷媒Rwを、前記過冷却用熱交換器2の冷却熱源として使用する冷却手段Xを付設して、蒸発器Eの伝熱面に散布した液冷媒Rwの未蒸発分が、吸収器Aに入る吸収溶液Ldを過冷却する水冷式の過冷却用熱交換器2の冷却熱源として使用され、吸収器Aの圧力を下げることにより、低い蒸発温度が得られるようにしたので、発生器Gにおける溶液濃度を低くすることができ、飽和溶液温度を低下させることが可能となり、発生器Gの加熱源の温度を低下できるという効果がある。しかも、冷却手段Xを、前記冷媒溜まり1の液冷媒Rwを冷媒ポンプPrを介して前記過冷却用熱交換器2に送給する冷媒循環回路3により構成しているので、冷媒溜まり1と冷媒循環回路3とを付設するという簡単な構成により、吸収器Aの圧力を下げることが可能となり、蒸発温度を低下させることができるという効果もある。また、冷媒循環回路3に、前記冷媒溜まり1の液冷媒Rwを前記凝縮器Cの伝熱面内部に送給する冷却用回路4を付設しているので、冷媒溜まり1の液冷媒Rwの一部が、凝縮器Cに送液されることとなり、凝縮温度も低下することとなって、発生器Gの加熱源の温度をより一層低下させることが可能となるという効果もある。
本願発明の第の手段におけるように、上記第の手段を備えた吸収式冷凍装置において、前記発生器Gの加熱源として排熱を用いることもでき、そのように構成した場合、やや低温の排熱温水を有効に利用できる。
本願発明の第の手段におけるように、上記第の手段を備えた吸収式冷凍装置において、前記排熱として太陽熱を用いることもでき、そのように構成した場合、吸収式冷凍装置の利用範囲を大幅に拡大することができる。
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態について説明する。
第1の参考例
図1には、本願発明の第1の参考例にかかる吸収式冷凍装置における吸収冷凍サイクルが示されている。
この吸収冷凍サイクルは、冷媒(例えば、水)を吸収する能力に優れた吸収剤(例えば、LiBr)の水溶液(以下、単に吸収溶液という)の冷媒吸収能力を回復させるために該溶液を加熱媒体(例えば、排温水)で加熱して濃縮するための発生器Gと、該発生器Gにおいて溶液から分離した蒸気(冷媒)Rsを導入してこれを冷却することによって液化させる水冷式の凝縮器Cと、該凝縮器Cによって液化された冷媒Rwを導入して低圧下で蒸発(気化)させる蒸発器Eと、該蒸発器Eで発生した蒸気(冷媒)Rsを吸収するために前記発生器Gで濃縮された濃溶液Lcを散布する吸収器Aと、該吸収器Aで蒸気(冷媒)Rsを吸収したことによって希釈された溶液(希溶液)Ldを濃縮するために再び発生器Gへ送り込むための溶液ポンプPlと、前記吸収器Aに入る吸収溶液Lcを過冷却する水冷式の過冷却用熱交換器2とを備えて構成されている。符号Haは吸収器Aから出た希溶液Ldの一部(発生器Gへ供給される希溶液Ld)と発生器Gから出た濃溶液Lcとを熱交換する溶液熱交換器、Tcは冷却塔、Pwは冷却塔Tcからの冷却水Wcを凝縮器Cに圧送する冷却水ポンプである。この吸収冷凍サイクルにおいては、凝縮器Cからの液冷媒Rwが蒸発器Eの上部から伝熱面に散布される冷媒一過性方式の蒸発器Eが用いられている。
また、この吸収冷凍サイクルにおいては、前記蒸発器Eおよび吸収器Aは一体化されてユニットUを構成している。前記蒸発器Eにおいては、凝縮器Cから供給された凝縮水(液冷媒)Rwが内部を流れる水(被冷却流体)と熱交換して蒸発気化するとともに、利用側の熱源として冷水が得られる一方、前記吸収器Aにおいては、発生器Gから供給され且つ吸収器Aからの溶液と合流した後過冷却用熱交換器2で過冷却された吸収溶液Ldに蒸発器Eから得られた蒸気(冷媒)Rsが吸収されることにより、溶液濃度が希釈されることとなっている。この場合、吸収器Aにおいては、冷媒蒸気Rsを単に吸収させるだけで、吸収熱は過冷却された吸収溶液Ldの顕熱で取り去る間接空冷方式(換言すれば、溶液分離冷却方式)とされる。
そして、本参考例においては、前記蒸発器Eの下部には、該蒸発器Eの伝熱面に散布した液冷媒Rwの未蒸発分を溜める冷媒溜まり1が設けられており、該冷媒溜まり1の液冷媒Rwを冷媒ポンプPrを介して前記過冷却用熱交換器2に送給する冷媒循環回路3が付設されている。該冷媒循環回路3は、前記過冷却用熱交換器2の冷却熱源として使用する冷却手段Xを構成することとなっている。
上記のように構成したことにより、蒸発器Eの伝熱面に散布した液冷媒Rwの未蒸発分が、吸収器Aに入る吸収溶液Ldを過冷却する水冷式の過冷却用熱交換器2の冷却熱源として使用され、吸収器Aの冷却水温度が低下し、吸収器Aの圧力を下げることにより、低い蒸発温度が得られることとなる。その結果、発生器Gにおける溶液濃度を低くすることができ、飽和溶液温度を低下させることが可能となり、発生器Gの加熱源の温度を低下できる。つまり、従来の吸収式冷凍装置(図6および図7図示)における発生器Gの加熱源温度は、図5のサイクル(A)に示すように、冷水を得るために蒸発器Eの蒸発温度を5℃とすれば、90℃程度が必要であったが、本実施の形態の場合、図3のサイクル(B)、(C)に示すように、溶液濃度を低く(薄く)することで、加熱源温度を80℃程度とすることが可能となり、発生器Gの加熱源として、排熱温水(例えば、太陽熱による温水)を利用することができるのである。
しかしながら、図5のサイクル(A)における蒸発温度は、吸収器入口の飽和蒸気温度より、5℃であるが、図5のサイクル(B)では、溶液濃度が56.5%時、吸収器Aの入口温度が同じ場合には、蒸発温度は10℃まで高くなってしまう。
そこで、本参考例においては、図5のサイクル(C)に示すように、サイクル(B)の吸収器入口温度を低くすることで、蒸発温度をサイクル(A)と同等にすることができるようにしているのである。尚、吸収器Aの入口温度を図5のサイクル(C)よりも更に低くすることも可能であり、吸収器A入口の溶液濃度を更に低く(薄く)できるので、発生器Gの加熱源温度を更に低下することができる。
第2の参考例
図2には、本願発明の第2の参考例にかかる吸収式冷凍装置における吸収冷凍サイクルが示されている。
この場合、蒸発器Eは冷媒循環方式とされている。つまり、凝縮器Cからの液冷媒Rwは、冷媒溜まり1の未蒸発冷媒が過冷却用熱交換器2内を循環する冷媒循環回路3における過冷却用熱交換器2の出口側において合流し、前記冷媒循環回路3における過冷却用熱交換器2の入口側から分岐した液冷媒Rwが蒸発器Eの上部から伝熱面に散布されることとなっているのである。このようにすると、冷媒循環方式の蒸発器Eの場合、冷媒溜まり1が既に付設されているため、構成がより簡素化できる。その他の構成および作用効果は、第1の参考例におけると同様なので説明を省略する。
の実施の形態
図3には、本願発明の第の実施の形態にかかる吸収式冷凍装置における吸収冷凍サイクルが示されている。
この場合、冷媒循環回路3には、冷媒溜まり1の液冷媒Rwを凝縮器Cの伝熱面内部に送給する冷却用回路4が付設されている。該冷却用回路4は、前記冷媒循環回路3において過冷却用熱交換器2の上流側において分岐されている。この場合、第1の実施の形態における冷却塔および冷却水ポンプは省略されている。このようにすると、冷媒溜まり1の液冷媒Rwの一部が、凝縮器Cに送液されることとなり、凝縮温度も低下することとなって、発生器Gの加熱源の温度をより一層低下させることが可能となる。その他の構成および作用効果は、第1および第2の参考例におけると同様なので説明を省略する。
の実施の形態
図4には、本願発明の第の実施の形態にかかる吸収式冷凍装置における吸収冷凍サイクルが示されている。
この場合、冷媒循環回路3には、冷媒溜まり1の液冷媒Rwを凝縮器Cの伝熱面内部に送給する冷却用回路4が付設されている。該冷却用回路4は、前記冷媒循環回路3において過冷却用熱交換器2の上流側において分岐されている。この場合、第1の参考例における冷却塔および冷却水ポンプは省略されている。このようにすると、冷媒溜まり1の液冷媒Rwの一部が、凝縮器Cに送液されることとなり、凝縮温度も低下することとなって、発生器Gの加熱源の温度をより一層低下させることが可能となる。
さらにまた、この場合、蒸発器Eは冷媒循環方式とされている。つまり、凝縮器Cからの液冷媒Rwは、冷媒溜まり1の未蒸発冷媒が過冷却用熱交換器2内を循環する冷媒循環回路3における過冷却用熱交換器2の出口側において合流し、前記冷媒循環回路3における過冷却用熱交換器2の入口側から分岐した液冷媒Rwが蒸発器Eの上部から伝熱面に散布されることとなっているのである。このようにすると、冷媒循環方式の蒸発器Eの場合、冷媒溜まり1が既に付設されているため、構成がより簡素化できる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
本願発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能なことは勿論である。
本願発明の第1の参考例にかかる吸収式冷凍装置における吸収冷凍サイクルである。 本願発明の第2の参考例にかかる吸収式冷凍装置における吸収冷凍サイクルである。 本願発明の第の実施の形態にかかる吸収式冷凍装置における吸収冷凍サイクルである。 本願発明の第の実施の形態にかかる吸収式冷凍装置における吸収冷凍サイクルである。 従来の吸収式冷凍装置および本願発明の各参考例および各実施の形態にかかる吸収式冷凍装置における溶液サイクル線図である。 冷媒一過性方式の蒸発器を備えた従来の間接水冷式の吸収式冷凍装置の吸収冷凍サイクルである。 冷媒循環方式の蒸発器を備えた従来の間接水冷式の吸収式冷凍装置の吸収冷凍サイクルである。
1は冷媒溜まり
2は過冷却用熱交換器
3は冷媒循環回路
4は冷却用回路
Aは吸収器
Cは凝縮器
Eは蒸発器
Gは発生器
Lcは吸収溶液(濃溶液)
Ldは希溶液
Plは溶液ポンプ
Prは冷媒ポンプ
Rsは冷媒蒸気
Rwは液冷媒
Xは冷却手段

Claims (3)

  1. 発生器(G)、該発生器(G)から得られた冷媒蒸気(Rs)を凝縮液化する凝縮器(C)、該凝縮器(C)で凝縮液化された液冷媒(Rw)を蒸発気化させる蒸発器(E)および該蒸発器(E)で蒸発気化された冷媒蒸気(Rs)を前記発生器(G)で得られた濃溶液(Lc)に吸収して前記発生器(G)へ供給される希溶液(Ld)を生成する吸収器(A)を備え、水冷式の過冷却用熱交換器(2)により冷却された吸収溶液(Ld)を前記吸収器(A)に送液するように構成した吸収式冷凍装置であって、前記蒸発器(E)の下部には、該蒸発器(E)の伝熱面に散布した液冷媒(Rw)の未蒸発分を溜める冷媒溜まり(1)を設けるとともに、該冷媒溜まり(1)の液冷媒(Rw)を、前記過冷却用熱交換器(2)の冷却熱源として使用すべく前記冷媒溜まり(1)の液冷媒(Rw)を冷媒ポンプ(Pr)を介して前記過冷却用熱交換器(2)に送給する冷媒循環回路(3)からなる冷却手段(X)を付設する一方、前記冷媒循環回路(3)には、前記冷媒溜まり(1)の液冷媒(Rw)を前記凝縮器(C)の伝熱面内部に送給する冷却用回路(4)を付設したことを特徴とする吸収式冷凍装置。
  2. 前記発生器(G)の加熱源として排熱を用いたことを特徴とする請求項1記載の吸収式冷凍装置。
  3. 前記排熱として太陽熱を用いることを特徴とする請求項記載の吸収式冷凍装置。
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