JP2004324977A - 吸収式冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】低温熱交換器6、高温熱交換器7、吸収液ポンプ14が介在して高温再生器1と吸収器5とを接続している吸収液管13の低温熱交換器6と高温熱交換器7との間に熱回収器8を設け、低温熱交換器6と吸収液ポンプ14との間に熱回収器9を設け、高温再生器1内に設けた伝熱管1Aに熱源流体供給管10を介して高温高圧の蒸気を供給し、高温再生器1内の稀吸収液を加熱沸騰させて放熱し、その放熱により凝縮して排熱流体管10Aに吐出した高温のドレンを熱回収器8、9に順次供給し、吸収器5から高温再生器1に吸収液ポンプ14により吸収液管13を介して搬送されている稀吸収液を加熱するようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸収式冷凍機(吸収式冷温水機を含む)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の吸収式冷凍機としては、例えば図3に示したように熱源流体供給管10を介して高温高圧の蒸気を高温再生器1内に設けた伝熱管1Aに供給し、伝熱管1Aの管壁を介して高温再生器1内の稀吸収液を加熱沸騰させて放熱し、その放熱により凝縮して伝熱管1Aから排熱流体管10Aに吐出した高温のドレンを、高温再生器1と吸収器5とを接続している吸収液管13に吸収液ポンプ14、低温熱交換器6、高温熱交換器7と共に介在する熱回収器8に供給して、吸収液ポンプ14により吸収液管13を介して吸収器5から高温再生器1に搬送されている稀吸収液を高温のドレンにより加熱し、熱源流体供給管10を介して投入する熱源流体の所要熱量を削減するようにした吸収式冷凍機100Xが周知である(特許文献1参照。)
【0003】
また、同様の目的で、図4に示したように低温熱交換器6より下流側の吸収液管13の一部を吸収液管13Aと吸収液管13Bとに分岐し、一方の吸収液管13Aに高温熱交換器7を介在させ、他方の吸収液管13Bに熱回収器8を介在させるようにした吸収式冷凍機100Yも周知であり、図5に示したように排熱流体管10Aに熱回収器8と熱回収器9とを直列に介在させ、熱回収器8においては高温熱交換器7から吐出して高温再生器1に流入している稀吸収液を、熱回収器9においては低温熱交換器6から吐出して高温熱交換器7に流入している稀吸収液を、排熱流体管10Aを流れる高温のドレンにより加熱するようにした吸収式冷凍機100Zも周知である(特許文献1参照。)。
【0004】
また、上記何れの吸収式冷凍機においても、低温再生器2から吸収器5に吸収液管12を介して供給されている濃吸収液が吸収器5から高温再生器1に吸収液管13を介して供給されている稀吸収液を低温熱交換器6において加熱し、熱源流体供給管10を介して供給する熱源流体の所要熱量の削減が図られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−56160号公報(図1、図12、図15)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の吸収式冷凍機においては、低温熱交換器の熱交換効率を高めると、吸収器において吸収液が冷媒を速やかに、且つ、多量に吸収するように吸収器に供給する冷却水の温度が急低下するなどして、吸収器から吐出する稀吸収液の温度が急低下したときに、その稀吸収液と低温熱交換器において熱交換して低温再生器から吸収器に供給されている濃吸収液の温度が大きく低下し、濃吸収液が結晶化して運転不能になることがあった。
【0007】
そのため、吸収式冷凍機に投入する所要熱量の削減を図るために低温熱交換器の効率を高め、その状態で吸収器に供給する冷却水の温度が急低下するなどして稀吸収液の温度が急低下したときにも、濃吸収液の温度が異常に低下して結晶化することがないようにする必要があり、それが解決すべき課題となっていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来技術の課題を解決するため、高温再生器と、低温再生器と、凝縮器3と、蒸発器と、吸収器と、吸収器に出入する吸収液同士が熱交換する低温熱交換器と、高温再生器に出入する吸収液同士が熱交換する高温熱交換器とを備えた吸収式冷凍機において、吸収液を加熱して高温再生器から吐出した排熱流体と吸収器から吐出した吸収液とが熱交換して排熱流体が保有する余熱を吸収器から吐出して低温熱交換器に流入している吸収液に回収する熱回収器を設けるようにした第1の構成の吸収式冷凍機と、
【0009】
前記第1の構成の吸収式冷凍機における熱回収器の排熱流体流路上流側に、排熱流体と低温熱交換器から吐出した吸収液とが熱交換して排熱流体が保有する余熱を低温熱交換器から吐出して高温熱交換器に流入している吸収液に回収する熱回収器を設けるようにした第2の構成の吸収式冷凍機と、
を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1と図2に基づいて説明する。なお、理解を容易にするため、これらの図においても前記図3〜図5において説明した部分と同様の機能を有する部分には、同一の符号を付した。
【0011】
図1に例示した本発明の吸収式冷凍機100においては、低温熱交換器6、高温熱交換器7、吸収液ポンプ14が介在して高温再生器1と吸収器5とを接続している吸収液管13の低温熱交換器6と高温熱交換器7との間に熱回収器8が設けられ、低温熱交換器6と吸収液ポンプ14との間に熱回収器9が設けられている。
【0012】
したがって、熱源流体供給管10を介して熱源として供給される高温高圧の蒸気は、高温再生器1内に設けられた伝熱管1Aの管壁を介して高温再生器1内の稀吸収液を加熱沸騰させて放熱する。そして、その放熱により凝縮して排熱流体管10Aに吐出した高温のドレンは、吸収器5から高温再生器1に吸収液ポンプ14により吸収液管13を介して搬送されている稀吸収液と熱回収器8、9それぞれにおいて熱交換し加熱する。
【0013】
すなわち、本発明の吸収式冷凍機100においては、低温熱交換器6の熱交換効率を高めた状態で冷却水管21を介して吸収器5に供給されている冷却水の温度が急低下するなどして、吸収器5から吸収液管13に吐出する稀吸収液の温度が急低下することがあっても、吸収液管13に吐出した稀吸収液は熱回収器9において排熱流体管10Aの内部を流れるドレンにより加熱されて低温熱交換器6に供給されるので、低温再生器2から吸収器5に吸収液管12を介して供給されている濃吸収液の温度が低温熱交換器6における熱交換により異常に低下して結晶化し、運転不能に陥ると云った不都合が生じることはない。
【0014】
なお、上記構成になる本発明の吸収式冷凍機100の運転時の冷媒と吸収液の循環サイクルを簡単に説明しておくと、熱源流体供給管10を介して熱源として高温高圧の蒸気が高温再生器1内に設けられた伝熱管1Aに供給されると、その高温高圧の蒸気により高温再生器1内の稀吸収液は伝熱管1Aの管壁を介して加熱され、沸騰して稀吸収液から蒸発分離した冷媒蒸気と、冷媒蒸気を分離して吸収液の濃度が高くなった中間吸収液とが得られる。
【0015】
高温再生器1で生成された高温の冷媒蒸気は、冷媒管15を通って低温再生器2に入り、高温再生器1で生成され吸収液管11により高温熱交換器7を経由して低温再生器2に入った中間吸収液を加熱して放熱凝縮し、凝縮器3に入る。
【0016】
また、低温再生器2で加熱されて中間吸収液から蒸発分離した冷媒は冷媒管16を介して凝縮器3へ入り、冷却水管22内を流れる冷却水と熱交換して凝縮液化し、冷媒管16から凝縮して供給される冷媒と一緒になって冷媒管17を通って蒸発器4に入る。
【0017】
蒸発器4に入って冷媒液溜まりに溜まった冷媒液は、ブライン管23に接続された伝熱管4Aの上に冷媒ポンプ20によって散布され、ブライン管23を介して供給される水などのブラインと伝熱管4Aの管壁を介して熱交換して蒸発し、伝熱管4Aの内部を流れるブラインを冷却する。
【0018】
蒸発器4で蒸発した冷媒は冷媒管19を介して吸収器5に入り、低温再生器2で加熱されて冷媒を蒸発分離し、吸収液の濃度が一層高まった吸収液、すなわち吸収液管12により低温熱交換器6を経由して供給され、冷却水管21に接続された伝熱管5Aの上に散布されている濃吸収液に吸収される。
【0019】
そして、吸収器5で冷媒を吸収して濃度の薄くなった吸収液、すなわち稀吸収液は吸収液ポンプ14の運転により吸収液管13を介して熱回収器9、低温熱交換器6、熱回収器8、高温熱交換器7それぞれにおいて加熱されて高温再生器1に送られる。
【0020】
冷媒と吸収液とが上記のように循環することにより、蒸発器4の内部に設けられた伝熱管4A内で冷媒の気化熱により冷却された水などのブラインが、ブライン管23を介して図示しない空調負荷などに循環供給できるので、冷房などの冷却運転が行える。
【0021】
そして、本発明の吸収式冷凍機100においては、上記したように吸収器5から吐出して吸収液ポンプ14により吸収液管13を介して高温再生器1に搬送される稀吸収液は、熱回収器9、低温熱交換器6、熱回収器8、高温熱交換器7それぞれにおいて加熱されるので、高温再生器1に流入するときの稀吸収液の温度は熱回収器9を備えないときより上昇し、熱源流体供給管10を介して吸収式冷凍機100に投入する熱源流体の熱量を削減することができる。
【0022】
しかも、冷却水管21を介して吸収器5に供給されている冷却水の温度が急低下するなどして、吸収器5から吸収液管13に吐出する稀吸収液の温度が急低下することがあっても、吸収液管13に吐出した稀吸収液は熱回収器9において排熱流体管10Aの内部を流れるドレンにより加熱されて低温熱交換器6に供給されるので、低温再生器2から吸収器5に吸収液管12を介して供給されている濃吸収液の温度が低温熱交換器6における熱交換により異常に低下して結晶化し、運転不能に陥ると云った不都合が生じることはない。
【0023】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0024】
例えば、図2に示したように低温熱交換器6より下流側の吸収液管13の一部を吸収液管13Aと吸収液管13Bとに分岐し、一方の吸収液管13Aに高温熱交換器7を介在させ、他方の吸収液管13Bに熱回収器8を介在させることも可能である。この図2に示した構成の吸収式冷凍機100においても、前記図1に示した構成の吸収式冷凍機100と同様の作用効果を奏することができる。
【0025】
また、稀吸収液を加熱して冷媒蒸気と中間吸収液とを得るための高温再生器1の熱源としては、バーナにより天然ガスなどを燃焼させて得る燃焼熱であっても良い。高温再生器1の熱源をそのような熱源としたときには、熱回収器8、9には排熱流体管10Aを介して高温の燃焼ガスが供給されるようにすれば良い。
【0026】
また、低温再生器2と凝縮器3、蒸発器4と吸収器5とはそれぞれ一つの容器内に並設し、低温再生器2で加熱生成した冷媒蒸気を凝縮器3に導くための冷媒管16と、蒸発器4で加熱生成した冷媒蒸気を吸収器5に導くための冷媒管19は、それぞれの容器に設けるエリミネータにより代替されても良い。
【0027】
また、吸収式冷凍機としては、上記のように冷房などの冷却運転を専用に行うものであっても良いし、高温再生器1で加熱生成した冷媒蒸気と、冷媒蒸気を蒸発分離した高温の吸収液とが蒸発器4と吸収器5とが収納された低温胴に直接供給可能に配管接続し、冷却水管21、22に冷却水を流すことなく熱源流体供給管10を介して高温高圧の蒸気を投入して稀吸収液の加熱を行い、蒸発器4の伝熱管4Aで例えば55℃程度に加熱したブラインをブライン管23を介して負荷に循環供給して暖房などの加熱運転も行えるようにしたものであってもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、排ガスが保有する熱を効率よく回収することが可能である。しかも、吸収器に供給されている冷却水の温度が急低下するなどして、吸収器から吐出して高温再生器に供給される稀吸収液の温度が急低下することがあっても、稀吸収液は排熱流体管を流れる排熱流体により加熱されて低温熱交換器に供給されるので、吸収式冷凍機に投入する所要熱量の削減を図るために低温熱交換器の熱交換効率を高めても、低温再生器から吸収器に供給されている濃吸収液の温度が低温熱交換器における熱交換により異常に低下して結晶化し、運転不能に陥ると云った不都合が生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す説明図である。
【図3】従来技術を示す説明図である。
【図4】他の従来技術を示す説明図である。
【図5】他の従来技術を示す説明図である。
【符号の説明】
1 高温再生器
1A 伝熱管
2 低温再生器
3 凝縮器
4 蒸発器
4A 伝熱管
5 吸収器
6 低温熱交換器
7 高温熱交換器
8 第1の熱回収器
9 第2の熱回収器
10 熱源流体供給管
10A 排熱流体管
11〜13 吸収液管
14 吸収液ポンプ
15〜19 冷媒管
20 冷媒ポンプ
21、22 冷却水管
23 ブライン管
100、100X、100Y、100Z 吸収式冷凍機
Claims (2)
- 高温再生器・低温再生器・凝縮器3・蒸発器・吸収器・吸収器に出入する吸収液同士が熱交換する低温熱交換器・高温再生器に出入する吸収液同士が熱交換する高温熱交換器などを備えて構成される吸収式冷凍機において、吸収液を加熱して高温再生器から吐出した排熱流体と吸収器から吐出した吸収液とが熱交換して排熱流体が保有する余熱を吸収器から吐出して低温熱交換器に流入している吸収液に回収する熱回収器が設けられたことを特徴とする吸収式冷凍機。
- 請求項1記載の吸収式冷凍機における熱回収器の排熱流体流路上流側に排熱流体と低温熱交換器から吐出した吸収液とが熱交換して排熱流体が保有する余熱を低温熱交換器から吐出して高温熱交換器に流入している吸収液に回収する熱回収器が設けられたことを特徴とする吸収式冷凍機。
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