JP6324083B2 - 親水性透明被膜付基材およびその製造方法 - Google Patents

親水性透明被膜付基材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、親水性透明被膜付基材およびその製造方法に関する。特に水処理に好適な水処理用撥水性透明被膜付基材およびその製造方法に関する。
近年、水資源の有効活用や質の高い水の要求から、海水淡水化装置や上下水道水の濾過装置の需要が増加している。濾過装置の心臓部には濾過膜が使用され、水から不純物を取り除いている。濾過膜には多くの種類があるが、特に逆浸透膜(以下、RO膜ということがある)は分子レベルの分離・除去が可能であるため純度の高い水や安全な飲み水の生成、塩分除去などを目的とした装置には無くてはならない膜である。
このような水処理装置では、処理能力を維持するには、膜の洗浄が不可欠で、洗浄時期を誤ると高分子複合膜であるRO膜では洗浄しても処理能力が充分回復せず、また、膜の寿命が低下し、処理効率、経済性が低下する問題がある。(非特許文献1:大江、岡田、横河技法 Vol.48 No.2(2004)p73)
特許文献1(特開2011−240299号公報)には、逆浸透膜に吸着する水中溶解有機物を吸収するための吸着材料を繊維状にして、逆浸透膜の前の流路内に設置し、非処理水を繊維の長さ方向に流れるようにすることによって有機物を吸着しても目詰まりによる非処理水の流量低下が生じにくいことが開示されている。このとき、繊維は、アミノ基が繰り返し単位に1つ以上含まれる高分子重合体が用いられている。
特許文献2(特開2010−234353号公報)には、高度水処理に用いられる逆浸透膜を劣化させる原因物質がカルボニル基を有する有機物であるとし、この原因物質を選択的に吸着する接触角40度以上の疎水性の前処理吸着剤により、逆浸透膜前で吸着除去することを提案している。このとき、吸着剤表面材質にイミド結合を有するポリイミド、ポリアミドが使用されている。
特許文献3(特開2003−200027号公報)には、原水中に含まれる汚染物質、微量有害物質を選択分離除去可能な複合半透膜が提案されている。複合半透膜は、脂肪族多官能アミンと芳香族多官能アミンの混合アミン成分と、多官能ハロゲン化成分と多官能酸無水物ハロゲン化物の混合酸ハロゲン化成分とを、多孔性支持膜上で界面重縮合反応を行い架橋ポリアミドの薄膜を形成した後、pH11以上のアルカリ水溶液中に接触させて製造されている。
これを用いた水処理の結果、グルコースの除去率70%以上となることが報告されている。
一方、一般に固体表面がフラクタル構造を有している場合、固体表面が親水的な場合には親水性が向上して超親水性を示し、逆に固体表面が疎水的な場合には撥水性が向上して超撥水性を示すことが知られている。
特許文献4(特開2005−343016号公報)には、基材表面に超撥水性被膜を被覆した超撥水性被膜被覆物品において、超撥水性被膜が微粒子集合体からなる突起体及び撥水性膜を備えた、被膜の被覆領域において、突起体が存在する部分と存在しない部分とが混在し、かつ、突起体が存在する部分の被膜表面に突起体による凹凸が形成されている超撥水性被膜被覆物品が開示されている。
具体的には、三次元に結合したコロイダルシリカとアルキルアルコキシシランとフッ素を含有するアルキルアルコキシシランを混合し、撥水材料と珪素酸化物微粒子との共加水分解・縮重合物を調製し、これを撥水処理用分散液として用い、フローコート法にて塗布し、自然乾燥して超撥水処理ガラス基板を調製している。
また、特許文献5(WO2003/039856号)には、基体と、基体の表面に形成された微小凹凸を有する下地膜と、下地膜の微小凹凸上に形成された撥水性皮膜とを含む超撥水性基体であって、撥水性皮膜の表面形状が、粒子状突起物と、粒子状突起物よりも基板の表面から測定した高さが高い柱状突起物とにより構成された超撥水性基体が開示されている。
特許文献6(特開2004−137137号公報)には、表面に微小凹凸を有した珪素酸化物を主成分とする皮膜が被覆された物品であって、微小凹凸は、微小突起および柱状突起により構成されていることを特徴とする皮膜被覆物品が開示されている。その製造方法として、クロルシリル基含有化合物を、シリコン油を主成分とする溶媒に溶解した塗布溶液を塗布することで、かかる構造を有する皮膜が形成できる旨開示されている。
特許文献7(特開平8−40748号公報)には、ガラス基板と、基板の表面に、表面処理することなく成膜した状態でマイクロピット状表層、凹凸状表層、凸状表層のうち少なくとも1種以上の表層形状を呈している酸化物薄膜あるいは混合酸化物薄膜で成る下地層と、該下地層の上に、少なくともフルオロアルキルシランと、酸化アンチモンをドーパントとする酸化錫の粒子と、シリコーン化合物と、水と、有機溶媒からなる混合溶液に、酸をフルオロアルキルシラン1molに対して5×10-4 mol 〜2×10-2 molになるよう添加した撥水撥油液を塗布成膜した薄膜である撥水層とからなることを特徴とする撥水性ガラスが開示されている。
一方、非特許文献2(逸見 正弘、志村 晴季、水処理膜の製造技術と材料評価 第3章第2節、65頁、サイエンス&テクノロジー株式会社(2012))には、逆浸透膜を下水・排水処理へ利用する場合、主にバイオファウリングが発生し、透過流速が低下する問題があり、これを抑止するために特殊な架橋芳香族ポリアミド系逆浸透膜(RO膜)が開発されており、これは、RO膜表面を親水性ポリマーでコーティング処理し、膜表面の親水性向上および表面の平滑化により、疎水性物質・微生物の付着を低減でき、耐ファウリング性が向上することが報告されている。
特開2011−240299号公報 特開2010−234353号公報 特開2003−200027号公報 特開2005−343016号公報 WO2003/039856号 特開2004−137137号公報 特開平8−40748号公報
大江、岡田、横河技法 Vol.48 No.2(2004)p73) 逸見 正弘、志村 晴季、水処理膜の製造技術と材料評価 第3章第2節、65頁、サイエンス&テクノロジー株式会社(2012)
しかしながら、水処理においては、対象とする水によって処理能力低下原因は異なるが、さらに、処理能力の向上、経済性の向上等が求められている。
このような中、本発明者らは、種々ファウリング物質と逆浸透膜との親和性に着目し、先ず、逆浸透膜上にアルミナ微粒子とシリカ結合材とからなるアルミナ微粒子層からなり、表面に所定の凹凸構造を有する親水性膜を形成すると、高い水処理性能を長期にわたって維持することが可能となることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明では、特定形状の無機酸化物微粒子を用いて表面に特定の大きさの凹凸を有し、さらにその凸部が微細な凹凸を有する親水性透明被膜が形成されている。このような親水性透明被膜は、従来より提案されていたフラクタル構造とは、規則性が低い点で、また凸部がさらに微細な凹凸を有する点で相違する。
その結果、本発明によれば、基材との密着性、透明性、硬度、耐擦傷性、耐摩耗性、ヘーズ等に優れた超親水性の透明被膜付基材が提供できる。この親水性透明被膜付基材は、例えば、ガラス基材上に親水性透明被膜を設けた場合、水滴を滴下しても水滴として残ることがなく、速やかに膜表面上で拡散し、透明なガラスの状態が得られる。また、RO膜、不織布上に親水性透明被膜を設けた場合、前記したファウリングを抑制することができ、水処理に好適に用いることができる。
実施例1で調製したアルミナ水和物微粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。 実施例で評価のために作製した逆浸透膜の概略断面図を示す。
以下、まず、本発明に係る親水性透明被膜付基材について説明する。
[親水性透明被膜付基材]
本発明に係る親水性透明被膜付基材は、基材と、基材上に形成され親水性透明被膜とからなる。
基材
本発明に用いる基材としては、特に制限はなく、例えば、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、TAC等のプラスチックシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル等を用いることができる。
また、従来公知の水処理用の分離膜等も好適に用いることができる。水処理用の場合、高分子膜(有機樹脂膜)が用いられ、例えば、酢酸セルロース(親水性)、ポリアクリロニトリル(親水性)、ポリアミド(親水性)、芳香族ポリアミド(親水性)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン(疎水性)、ポリエチレンテレフタレート(疎水性)、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン(疎水性)、ポリテトラフルオロエチレン(疎水性)、ポリフッ化ビニリデン(疎水性)、ポリ塩化ビニル(疎水性)、ポリビニルアルコール等の高分子膜が挙げられる。このとき、高分子膜には不織布を含めることができる。
これら水処理用の基材には、精密濾過(MF膜)、UF膜(限外濾過膜)、NF膜(ナノ濾過膜)、RO膜(逆浸透膜)等用途、用法によって異なるが、数nm〜数μmの範囲の細孔(以下、貫通孔ということがある)を有している。
RO膜としては、ナノオーダーの細孔を有する酢酸セルロース、芳香族ポリアミド膜が好適に用いられる。
親水性透明被膜
親水性透明被膜は、無機酸化物微粒子からなる無機酸化物微粒子層と、該無機酸化物微粒子層上の結合材層(a2)とからなる。
(i)無機酸化物微粒子層
本発明に用いる無機酸化物微粒子としては、その形状が板状、繊維状、鎖状、金平糖状、クラスター状、ヒマワリ状であることが好ましい。
板状無機酸化物微粒子としては、板状アルミナ微粒子、板状アルミナ水和物微粒子、板状アルミナ・シリカ微粒子が挙げられる。
板状アルミナ水和物微粒子の場合、多くは、擬ベーマイトアルミナ水和物微粒子(Al23・nH2O、n=0.5〜2.5)が用いられ、これは結晶性アルミナ水和物微粒子の一種であり、通常一次粒子が板状に配列して二次粒子を形成している。
無機酸化物微粒子の形状が板状である場合は、板状無機酸化物微粒子が面を接しながら積層した粒子群が凹凸を形成する形で基材上に無機酸化物微粒子層を形成する。板状無機酸化物微粒子の平均粒子径(DP)が10〜300nmの範囲にあり、平均厚み(TP)が1〜60nmの範囲にあり、平均粒子径(DP)と平均厚み(TP)との比(DP)/(TP)が1.5〜30の範囲にあることが好ましい。
板状アルミナ微粒子の平均粒子径(DP)は10〜300nm、さらには30〜250nmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径(DP)が前記範囲の下限を超えて小さいものは得ることが困難であり、得られたとしても前記した板状とならず、所望の凹凸を形成できないために最終的に得られる親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、水処理に用いた場合に目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
平均粒子径(DP)が大きすぎても、最終的に得られる親水性透明被膜の強度、硬度、基材との密着性が不十分となる場合があり、またミー散乱によりヘーズや透明性(光透過率)が不十分となる場合がある。また、水処理に用いた場合に膜の劣化が早く、長期にわたって繰り返し使用できない場合がある。
また、板状アルミナ微粒子の平均厚み(TP)は1〜60nm、さらには3〜50nmの範囲にあることが好ましい。 平均厚み(TP)が薄すぎるものは得ることが困難であり、得られたとしても所望の凹凸を形成できないために最終的に得られる親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、水処理に用いた場合に目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
平均厚み(T)がすぎると板状構造を取ることは困難で、立方体に近くなり、充分な凹凸を形成できないために最終的に得られる親水性透明被膜の親水性、強度、基材との密着性等が不十分となる場合があり、水処理に用いた場合に膜の劣化が早く、長期にわたって繰り返し使用できない場合がある。
前記平均粒子径(DP)と平均厚み(TP)との比(DP)/(TP)は1.5〜50、さらには4〜40の範囲にあることが好ましい。 平均粒子径(DP)と平均厚み(TP)との比(DP)/(TP)が前記範囲にあると、所望の凹凸を形成することができ、最終的に親水性、強度、基材との密着性等に優れた親水性透明被膜を得ることができ、水処理に用いた場合に目詰まり、膜の劣化を抑制することができ、長期にわたって繰り返し使用することができる。
繊維状無機酸化物微粒子としては、繊維状アルミナ微粒子、繊維状アルミナ水和物微粒子、繊維状アルミナ・シリカ微粒子、繊維状シリカ微粒子、繊維状酸化チタン微粒子等が挙げられる。
繊維状アルミナ水和物微粒子の場合も、擬ベーマイトアルミナ水和物微粒子(Al23・nH2O、n=0.5〜2.5)を用いることが好ましい。
無機酸化物微粒子の形状が繊維状である場合は、繊維状無機酸化物微粒子が交絡した粒子群が凹凸を形成する形で基材上に無機酸化物微粒子層を形成する。そして、これらの微粒子層が、最終的に得られる親水性透明被膜の表面に所望の凹凸を形成する。
無機酸化物微粒子の形状が繊維状である場合、繊維状無機酸化物微粒子の平均長さ(L)が10〜500nmの範囲にあり、平均粒子幅(W PF が1〜100nmの範囲にあり、平均長さ(L)と平均粒子幅(W PF との比(L)/(W PF が1.5〜50の範囲にあることが好ましい。
繊維状無機酸化物微粒子の平均長さ(L)は10〜500nm、さらには30〜400nmの範囲にあることが好ましい。
平均長さ(LF)が短いものは、粒子を安定的に再現性よく調製することができない場合があり、得られたとしても繊維状とならず、凹凸を形成できないために最終的に得られる親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、水処理に用いた場合に目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
平均長さ(L)が長すぎると、同様に粒子を安定的に再現性良く調製することができない場合があり、得られたとしても前記した所定の大きさの繊維状とならず、凹凸を形成できないために最終的に得られる親水性透明被膜の親水性が不十分となったり、加えてヘーズが高くなる場合がある。また、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
平均粒子幅(W PF は1〜100nm、さらには3〜80の範囲にあることが好ましい。
平均粒子幅(W PF が小さいと、粒子を安定的に再現性良く調製することが困難であり、得られたとしても前記した繊維状とならず、凹凸を形成できないために最終的に得られる親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
平均粒子幅(W PF が大きすぎると、粒子を安定的に再現性良く調製することが困難であり、得られたとしても前記した繊維状とならず、凹凸を形成できないために最終的に得られる親水性透明被膜の親水性が不十分となったり、ヘーズが高くなる場合がある。また、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
前記平均長さ(L)と平均粒子幅(W PF との比(L)/(W PF は1.5〜50、さらには4〜40の範囲にあることが好ましい。平均長さ(L)と平均粒子幅(W PF との比(L)/(W PF が前記範囲にあると、所定の繊維形状となるため、所望の凹凸を形成することができ、最終的に親水性、強度、基材との密着性等に優れた親水性透明被膜を得ることができる。このため、水処理に用いた場合に目詰まり、膜の劣化を抑制することができ、長期にわたって繰り返し使用することができる。
鎖状無機酸化物微粒子としては、鎖状シリカ微粒子、鎖状ジルコニア微粒子、鎖状五酸化アンチモン微粒子等が挙げられる。無機酸化物微粒子の形状が鎖状である場合は、前記した繊維状無機酸化物微粒子の場合と同様に鎖状無機酸化物微粒子が交絡した粒子群が凹凸を形成する形で基材上に無機酸化物微粒子層を形成する。そして、これらの微粒子層が、最終的に得られる親水性透明被膜の表面に所望の凹凸を形成する。
無機酸化物微粒子の形状が鎖状である場合、鎖状無機酸化物微粒子が、平均粒子径(DC)が3〜50nmの範囲にある一次微粒子が鎖状に2〜100個連結した微粒子であり、平均長さ(LC)が6〜500nmの範囲にあり、平均長さ(LC)と平均粒子径(DC)との比(LC)/(DC)が2〜50の範囲にあることが好ましい。
鎖状無機酸化物微粒子を構成する一次粒子の平均粒子径(DC)は3〜100nm、さらには5〜80nmの範囲にあることが好ましい。一次粒子の平均粒子径(DC)が3nm未満のものは容易に凝集して鎖状粒子が得られない場合があり、50nmを超えると一次粒子が連結しにくく鎖状粒子が得られない場合がある。
鎖状無機酸化物微粒子の平均長さ(LC)は10〜500nm、さらには30〜400nmの範囲にあることが好ましい。平均長さ(LC)が短い場合は、鎖状無機酸化物微粒子が交絡した粒子群が小さく、所望の凹凸を形成できないために最終的に得られる親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
平均長さ(LC)が長すぎても所定の凹凸を形成できないために最終的に得られる親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合があり、長期にわたって繰り返し使用できない場合がある。
前記平均長さ(LC)と平均一次粒子径(DC)との比(LC)/(DC)は1.5〜50、さらには4〜40の範囲にあることが好ましい。
平均長さ(LC)と平均一次粒子径(DC)との比(LC)/(DC)が前記範囲にあると、所定の鎖状形状となるため、所望の凹凸を形成することができ、最終的に親水性、強度、基材との密着性等に優れた親水性透明被膜を得ることができ、このため、水処理に用いた場合に目詰まり、膜の劣化を抑制することができ、長期にわたって繰り返し使用することができる。
本発明で、前記板状無機酸化物微粒子の平均粒子径(D)、平均厚み(T)、前記繊維状無機酸化物微粒子の平均長さ(L)、平均粒子幅(W PF 、および鎖状無機酸化物微粒子の平均長さ(L)、平均一次粒子径(D)は、原料で使用される板状、繊維状、鎖状の無機酸化物微粒子の数値が対応する。
金平糖状無機酸化物粒子は、無機酸化物粒子の表面に多数の疣状突起を有している。
金平糖状無機酸化物粒子の平均粒子径(DA)は10〜150nm、さらには10〜130nmの範囲にあることが好ましい。
金平糖状無機酸化物粒子の平均粒子径(DA)が10nm未満の場合は、疣状突起を有する粒子としては得ることが困難であり、得られたとしても突起が小さく、後述する所望の凹凸、微細凹凸が形成できず、最終的に得られる親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、水処理に用いた場合、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合があり、長期にわたって繰り返し使用できない場合がある。
金平糖状無機酸化物粒子の平均粒子径(DA)が150nmを超えると、最終的に得られる親水性透明被膜の強度、硬度、基材との密着性が不十分となる場合があり、またミー散乱によりヘーズや透明性(光透過率)が不十分となる場合がある。また、水処理に用いた場合に膜の劣化が早く、長期にわたって繰り返し使用できない場合がある。
金平糖状無機酸化物粒子の平均粒子径(DA)は、走査型電子顕微鏡写真(SEM)の画像解析により測定する。
具体的には、走査型電子顕微鏡により、写真撮影して得られる写真の投影図における、任意の50個の粒子について、その最大径を測定し、その平均値を平均粒子径(DA)とした。
疣状突起の平均高さ(H)
疣状突起の平均高さ(H)は0.3〜45nm、さらには0.5〜40nmの範囲にあることが好ましい。
疣状突起の平均高さ(H)が0.3nm未満の場合は、最終的に得られる親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、水処理に用いた場合、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合があり、長期にわたって繰り返し使用できない場合がある。
疣状突起の平均高さ(H)が45nmを超えると、疣状突起を有する粒子としては得ることが困難であり、得られたとしても1粒子あたりの疣状突起の数が少ないために、最終的に得られる親水性透明被膜の微細凹凸が少なく、親水性が不十分となる場合があり、この場合も、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合があり、長期にわたって繰り返し使用できない場合がある。
ここで、疣状突起の平均高さ(H)は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、金平糖状無機酸化物粒子を倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の金平糖状無機酸化物粒子50個について、任意の疣状突起の頂点から疣状突起と球状粒子部分との接点までの距離を3箇所ずつ測定し、その平均値を算出し、疣状突起の平均高さ(H)とした。
金平糖状無機酸化物粒子の疣状突起の平均高さ(H)と金平糖状無機酸化物粒子の平均粒子径(DA)との比(H)/(DA)が0.03〜0.30、さらには0.05〜0.27の範囲にあることが好ましい。
前記比(H)/(DA)が0.03未満の場合は、最終的に得られる親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、水処理に用いた場合、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
前記比(H)/(DA)が0.30を超えると、疣状突起を有する粒子としては得ることが困難であり、得られたとしても1粒子あたりの疣状突起の数が少ないために、最終的に得られる親水性透明被膜の微細凹凸が少なく、親水性が不十分となる場合があり、水処理に用いた場合、目詰まりの抑制効果が不充分となり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
表面粗度
金平糖状無機酸化物粒子は、その表面に多数の疣状突起を有する球状の微粒子であり、その構造は概ね金平糖に類似したものである。この様な多数の疣状突起を有する表面については表面粗度として、下記のように規定する。
金平糖状無機酸化物粒子の表面粗度=(SA1)/(SA2
(但し、(SA1)はBET法により測定される比表面積であり、(SA2)は下記式(1)で表される等価球換算式で計算される比表面積であり、dは金平糖状無機酸化物粒子の密度であり、6000は換算係数である。)
(SA2)=6000/(DA)xd・・・・・・(1)
ここで比表面積は単位質量当りの表面積を示すから、表面粗度(SA1)/(SA2)の値については、粒子が球状であって、粒子表面が多くの疣状突起を有する程、(SA1)/(SA2)の値は大きくなり、一方、粒子表面の疣状突起が少なく、平滑であるほど、(SA1)/(SA2)の値は小さくなり、その値は1に近くなる。
本発明に用いる金平糖状無機酸化物粒子表面粗度(SA1)/(SA2)は1.7〜5.0の範囲にあるものが望ましい。表面粗度が1.7未満の場合、疣状突起の割合が少ないかあるいは、疣状突起自体が金平糖状無機酸化物粒子の粒子径に比べて極めて小さくなり、球状微粒子に近くなる。
表面粗度の値が5.0を超える場合は、調製が困難である。表面粗度の範囲としては、さらに1.8〜4.5の範囲にあることが好ましい。
クラスター状無機酸化物粒子は、無機酸化物粒子の一次粒子が多数集合した二次粒子である。このため、クラスター状無機酸化物粒子の表面は、前記金平糖状無機酸化物粒子の疣状突起と類似した球状表面の凸部を有している。
クラスター状無機酸化物粒子を構成する一次粒子は平均粒子径(DB1)が10〜150nm、さらには10〜130nmの範囲にあることが好ましい。
一次粒子の平均粒子径(DB1)が10nm未満の場合は、前記凸部が小さく、表面が平滑な球状粒子に近くなるため後述する所望の凹凸、微細凹凸が形成できず、最終的に得られる親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、水処理に用いた場合、目詰まりの抑制効果が不充分となる場合がある。
一次粒子の平均粒子径(DB1)が150nmを超えると、前記凸部が大きく、後述する微細凹凸が所定範囲より大きいものとなる場合があり、充分な親水性が得られない場合があり、水処理に用いた場合、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
クラスター状無機酸化物粒子の平均粒子径(DB2)は20〜500nm、さらには20〜400nmの範囲にあることが好ましい。
クラスター状無機酸化物粒子の平均粒子径(DB2)が20nm未満の場合は、後述する所望の凹凸、微細凹凸が形成できず、最終的に得られる親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、水処理に用いた場合、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合があり、長期にわたって繰り返し使用できない場合がある。
クラスター状無機酸化物粒子の平均粒子径(DB2)が500nmを超えると、最終的に得られる親水性透明被膜の強度、硬度、基材との密着性が不十分となる場合があり、また、後述する所望の高さの凸部および所望の凸部間距離(ピッチ幅)を有する親水性被膜が得られず、親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、水処理に用いた場合、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合があり、長期にわたって繰り返し使用できない場合がある。
なお、クラスター状無機酸化物粒子には、前記した金平糖状無機酸化物粒子を一次粒子と見做し、これらが多数集合した粒子をクラスター状無機酸化物粒子と見做し、平均粒子径(DB1)および平均粒子径(DB2)の要件を満たす粒子が含まれる。
クラスター状無機酸化物粒子の平均粒子径(DB2)は、前記金平糖状無機酸化物粒子と同様に、走査型電子顕微鏡写真の画像解析により測定する。
具体的には、走査型電子顕微鏡により、写真撮影して得られる写真の投影図における、任意の50個の粒子について、その最大径を測定し、その平均値を平均粒子径(DB2)とした。
また、クラスター状無機酸化物粒子を構成する一次粒子の平均一次粒子径(DB1)は、写真観察により、1個のクラスター状無機酸化物粒子について、写真の中央部に観察される複数の凸部を一次粒子と見做してその径を測定して平均値を求め、この操作を異なる任意の9個のクラスター状無機酸化物粒子について行い、その平均値とした。
ヒマワリ状無機酸化物粒子は、基体用無機酸化物粒子(C1)の表面を被覆用無機酸化物微粒子(C2)で被覆されている。
このようなヒマワリ状無機酸化物粒子を用いても、親水性被膜表面の凸部上にさらに後述する微細凹凸を有する親水性膜が得られ、高い親水性を有するとともに水処理に用いた場合に、ファウリング原因物質によっても異なるがファウリングが抑制されるとともに膜の劣化が抑制され、長期にわたって高い水処理能力を維持することができ、また、繰り返し使用することができる。
基体用無機酸化物粒子(C1)
基体用無機金属酸化物粒子(C1)は、球状粒子であり、平均粒子径(DC1)が40〜600nm、さらには50〜500nmの範囲にあることが好ましい。
基体用無機酸化物粒子(C1)が球状粒子であると、基材上にヒマワリ状粒子を均一に塗布することができ、後述する親水性膜表面に所望の高さの凸部および所望の凸部間距離(ピッチ幅)を有する親水性被膜を形成することができる。
基体用無機酸化物粒子(C1)の平均粒子径(DC1)が小さいと、基材上に塗布した際に所望の高さの凸部および所望の凸部間距離(ピッチ幅)を有する親水性被膜が得られない、即ち凸部の高さ、凸部間距離(ピッチ幅)が小さくなりすぎる場合があり、得られる親水性被膜を水処理に用いた場合に水処理性能が不充分となる場合がある。
基体用無機酸化物粒子(C1)の平均粒子径(DC1)が大きすぎても、凸部の高さ、凸部間距離(ピッチ幅)が大きくなり過ぎ、後述する親水性被膜が得られない場合があり、この場合も得られる親水性被膜を水処理に用いた場合に水処理性能が不充分となる場合がある。
本発明では、基体用無機酸化物粒子(C1)の平均粒子径(DC1)、後述する被覆用無機酸化物微粒子(C2)の平均粒子径(DC2)は、下記式で表される等価球換算式で求められる平均粒子径を用いる。
D=6000/SAM*d
(ここで、Dは平均粒子径(nm)、SAMはBET法で測定された比表面積(m2/g)、dは粒子の密度(g/cm3)、6000は換算係数)
また、無機酸化物粒子の平均粒子径は動的光散乱法(日機装(株)製:マイクロトラックUPA)を用いて測定される。なお、通常の比表面積の実測値はBET法で測定される。
被覆用無機酸化物微粒子(C2)
前記被覆用無機酸化物微粒子(C2)の平均粒子径(DC2)は4〜60nm、さらには5〜40nmの範囲にあることが好ましい。
被覆用無機酸化物微粒子(C2)の平均粒子径(DC2)が小さいと、安定に単分散したヒマワリ状無機酸化物微粒子を得ることが困難である。
被覆用無機酸化物微粒子(C2)の平均粒子径(DC2)が大きすぎても、後述する微細凹凸が所定範囲より大きいものとなり、またヒマワリ状無機酸化物粒子の比表面積も低く、充分な親水性が得られず、水処理性能が不充分となる場合がある。
前記被覆用無機酸化物微粒子(C2)の平均粒子径(DC2)と前記基体用無機酸化物粒子(C1)の平均粒子径(DC1)との比(DC2)/(DC1)は0.007〜0.5、さらには0.008〜0.4の範囲にあることが好ましい。
前記比(DC2)/(DC1)が前記範囲の下限よりも小さい場合は、後述する微細凹凸が所定範囲より小さいものとなる場合があり、充分な親水性が得られず、水処理性能が不充分となる場合がある。
前記比(DC2)/(DC1)が前記範囲の上限を超えると後述する微細凹凸が所定範囲より大きいものとなる場合があり、充分な親水性が得られず、水処理性能が不充分となる場合がある。
ヒマワリ状無機酸化物粒子における前記被覆用無機酸化物粒子(C2)による基体用無機酸化物粒子(C1)の下記式(1)で表される被覆率が30〜100%、さらには50〜100%の範囲にあることが好ましい。
被覆率(%)={[ヒマワリ状無機酸化物粒子の実測の比表面積(SC1)−基体用無機酸化物粒子の実測の比表面積(SM)]
/[100%被覆したとした場合のヒマワリ状無機酸化物粒子の計算上の比表面積(SC)−基体用無機酸化物粒子の実測の比表面積(SM)]}×100・・・・・・・(1)
ここで、(SC)=ヒマワリ状無機酸化物粒子1個当たりの表面積x単位重量(1g)当たりの粒子数、
ヒマワリ状無機酸化物粒子1個当たりの表面積=4π・[(DC1)/2+(DC2)/2]2
単位重量(1g)当たりの基体用無機酸化物粒子(C1)の個数=1/[4/3・π[(DC1)/2]3・d]
dは基体用無機酸化物粒子(C1)の粒子密度(g/ml)を表す。シリカの場合、粒子密度は、2.2g/mlである。
前記被覆率が小さいと、後述する微細凹凸が充分形成できず、撥水が不充分となり、水処理性能が低下する場合がある。100%範囲を超えて被覆率が大きいものは存在しない。
前記基体用無機酸化物粒子(C1)および前記被覆用無機酸化物微粒子(C2)は、同一であっても異なっていてもよく、SiO2、Al23、Sb25、ZrO2、TiO2、Fe23、CeO2、およびこれらの複合酸化物または混合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
このような成分の粒子は粒子径が前記範囲にある球状粒子が得られやすく、化学的にも安定であるので好適に用いることができる。
なかでも、本発明では、前記基体用無機酸化物粒子(C1)および前記被覆用無機酸化物微粒子(C2)が、ともにSiO2からなる粒子を用いることが好ましい。
SiO2からなる粒子は、粒子径の大小に拘わらず均一な粒子径を有する球状粒子が得られ、水処理環境においても化学的に安定であるため好適に用いることができる。
前記した基体用無機酸化物粒子(C1)表面に前記被覆用金属酸化物微粒子(C2)が被覆したヒマワリ状無機酸化物粒子の平均粒子径は、前記被覆率によっても異なるが、概ね48〜720nmの範囲にある。
このようなヒマワリ状無機酸化物粒子の製造方法は、前記した構成を満たす粒子が得られれば特に制限はないが、本発明に用いる無機酸化物粒子は以下の方法が推奨される。
本発明では、前記した板状、繊維状、鎖状、金平糖状、クラスター状、ヒマワリ状のいずれかの粒子を用い、この粒子の大きさ、形状が重要となる。このような粒子は後述する凹凸を形成できるとともに、凹凸の表面に微細な凹凸が形成されるためか、親水性に優れた親水性透明被膜を得ることができる。
ついで、前記した板状、繊維状、鎖状の無機酸化物微粒子の製造方法について、好適に用いられる繊維状、板状のアルミナ水和物微粒子の製造方法を例示する。
アルミナ水和物微粒子の調製法
本発明に用いるアルミナ水和物微粒子の製造方法としては、前記したアルミナ水和物微粒子が得られれば特に制限はないが、以下の方法が例示される。
まず、繊維状アルミナ水和物微粒子の基本的製造方法を例示する。
(1)アルミニウム塩水溶液にアルカリ水溶液を加えて中和してアルミニウムヒドロゲルスラリーを調製し、必要に応じて熟成する方法、
(2)上記熟成後にアルカリ水溶液を加え、必要に応じて熟成し、ついで、アルミニウム塩水溶液を加え、必要に応じて熟成する方法、
(3)上記(2)を繰り返し行う方法。
あるいは、同様に
(4)アルミン酸ソーダ水溶液に酸水溶液を加えて中和してアルミニウムヒドロゲルスラリーを調製し、必要に応じて熟成する方法、
(5)上記熟成後に酸水溶液を加え、必要に応じて熟成し、ついで、アルミン酸ソーダ水溶液を加え、必要に応じて熟成する方法、
(6)上記(5)を繰り返し行う方法。
さらに、
(7)アルミニウム塩水溶液とアルミン酸ソーダ水溶液とを混合してアルミニウムヒドロゲルスラリーを調製し、必要に応じて熟成する方法。この場合
(8)前記(2)あるいは(5)を行い、必要に応じてこれを繰り返す方法、を行っても良い。
本発明では、前記方法で得られたアルミニウムヒドロゲルスラリーを洗浄して用いるが、洗浄して得られた微粒子を本発明に用いるアルミナ水和物微粒子とする。
洗浄方法としては、濾過して、掛け水する方法、限外濾過法、さらには陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、両イオン交換樹脂等でカチオン、アニオンを除去する方法、これらを併用する方法、繰り返し行う方法が挙げられる。
上記において、アルミニウム塩水溶液としては塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム等の有機酸アルミニウム塩等の水溶液が挙げられる。
アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、アンモニア等の水溶液が挙げられる。その他、クエン酸、りんご酸、乳酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、フタル酸等の従来公知の粒子成長調整剤を配合して用いることができる。
以上のようにして本発明に用いることのできる繊維状アルミナ水和物微粒子を調製することができる。繊維状アルミナ微粒子(二次粒子)の平均長さ(L)、平均粒子幅(W PF は、使用原料、中和条件、熟成条件、その際の濃度、洗浄条件、有機カルボン酸等の粒子成長調整剤の使用等周知の方法で調整することができる。
つぎに、板状アルミナ水和物微粒子の基本的製造方法を例示する。
第1の例は、繊維状アルミナ水和物微粒子を調製した場合と同様にアルミナヒドロゲルスラリーを調製するが、このとき、酸性のアルミナヒドロゲルスラリーを調製し、ついで、必要に応じて加温下で塩基性化合物を加えてアルカリ性にし、ついで、必要に応じて加温下で酸性化合物を加えて酸性にし、ついで、必要に応じて加温下で塩基性化合物を加えてアルカリ性のアルミナヒドロゲルスラリーを調製する。
あるいは、アルカリ性のアルミナヒドロゲルスラリーを調製した場合は、ついで、必要に応じて加温下で酸性化合物を加えて酸性にし、ついで、必要に応じて加温下で塩基性化合物を加えてアルカリ性にし、ついで、必要に応じて加温下で酸性化合物を加えて酸性のアルミナヒドロゲルスラリーを調製する。
ついで、アルミナヒドロゲルスラリーを従来公知の方法で洗浄することによって板状アルミナ水和物微粒子を調製することができる。
これとは別の第2の例は、アルミン酸ナトリウム水溶液に、必要に応じて加温下で、酸性化合物を加えてアルカリ性領域のアルミナヒドロゲルスラリーを調製し、加温下で熟成することによって一次粒子がほぼ正方形の板状のアルミナ水和物微粒子を調製することができる。ついで、従来公知の方法で充分に洗浄した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAOH)等の有機塩基を加え、オートクレーブ等を用いて高温下、水熱処理し、ついで、洗浄して有機塩基を除去することによって、本発明に好適に用いることのできる板状アルミナ水和物微粒子を調製することができる。
金平糖状無機酸化物粒子の製造方法
本発明に用いることのできる金平糖状無機酸化物粒子の製造方法としては、疣状突起を有し、前記平均粒子径(DA)、表面粗度等を有する粒子が得られれば特に制限はないが、本出願人の出願による特開2009−78935号公報に開示した金平糖状複合シリカ微粒子の製造方法、これに準拠した製造方法は好適に採用することができる。
例えば、金平糖状無機酸化物粒子の第1の製造方法は、粒子径が3〜140nmのシード粒子(例えば、シリカ微粒子)が溶媒に分散してなるシード粒子分散液(シリカゾル)のpHを8〜12、温度を概ね60〜200℃の範囲に調整し、1)無機酸化物(シリカを除く)の前駆体または2)該無機酸化物の前駆体および珪酸液の所定量を連続的にまたは断続的に添加することにより調製することができる。
金平糖状無機酸化物粒子の第2の製造方法は、シリカ微粒子が溶媒に分散してなるシードシリカゾルのpHおよび温度を所定の範囲に調整し、1)無機過酸化物または2)無機過酸化物および珪酸液の所定量を一時に一括して全量添加することを特徴とする。
クラスター状無機酸化物粒子の製造方法
本発明に用いることのできるクラスター状無機酸化物粒子の製造方法としては、所定の平均粒子径を有する一次粒子が容易に離散しない程度に凝集、あるいは結合したクラスター状無機酸化物粒子が得られれば特に制限はないが、具体的には以下のような方法が挙げられる。
例えば、平均粒子径が前記平均一次粒子径(DB1)の前記範囲にある無機酸化物粒子の水分散液を塩の存在下で水熱処理する方法が挙げられる。
このとき、塩としては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の塩が好適に用いることができる。また、このときの無機酸化物粒子水分散液の濃度は概2〜20重量%の範囲にあり、水熱処理温度は概80〜120℃の範囲にあることが好ましい。
金平糖状無機酸化物粒子およびクラスター状無機酸化物粒子の異形無機酸化物粒子は、SiO2、ZrO2、CeO2、WO3、TiO2およびこれらの複合酸化物、混合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
なかでも、SiO2は所望の形状を有する異形無機酸化物粒子が得られやすく、分散性が良く、経済性にも優れているので好適に採用することができる。
ヒマワリ状無機酸化物粒子の製造方法
ヒマワリ状無機酸化物粒子の製造方法は、具体的に下記の工程(m)および(n)を含む。
(m)正または負の表面電位(VC1)を有し、平均粒子径(DC1)が40〜600nmの範囲にある基体用無機酸化物粒子(C1)と、これと異なる正または負の表面電位を有し、平均粒子径(DC2)が4〜60nmの範囲にある被覆用無機酸化物粒子(C2)との混合分散液を調製する工程。
(n)混合分散液のpHを6〜10に調整する工程。
・工程(m)
正または負の表面電位(VC1)を有し、平均粒子径(DC1)が40〜600nmの範囲にある基体用無機酸化物粒子(C1)と、これと異なる正または負の表面電位を有し、平均粒子径(DC2)が4〜60nmの範囲にある被覆用無機酸化物粒子(C2)との混合分散液を調製する。
基体用無機酸化物粒子(C1)は、被覆用無機酸化物粒子(C2)とは反対の表面電位を有するものを組み合わせる。基体用無機酸化物粒子(C1)が正の表面電位を有する場合、表面電位(VC1)は10〜60mv、さらには15〜50mvの範囲にあることが好ましい。
基体用無機酸化物粒子(C1)の表面電位(VC1)が10mv未満の場合は、後述する被覆用無機酸化物粒子(C2)の表面電位(VC2)によっても異なるが、電位差が小さいために被覆用無機酸化物粒子(C2)が均一に被覆できない場合がある。
基体用無機酸化物粒子(C1)の表面電位(VC1)が60mvを超えるものは得ることが困難である。仮に得られたとしても必要に応じて電荷調整に用いる電解質等の試薬が多く存在し凝集を引き起こす場合がある。
基体用無機酸化物粒子(C1)が負の表面電位を有する場合、表面電位(VC1)は−60〜0mv、さらには−55〜−10mvの範囲にあることが好ましい。
表面電位(VC1)が−60mvよりマイナス電位が高いものは、得ることが困難である。
表面電位(VC1)が正になると(0mvを超えると)、後述する被覆用無機酸化物粒子(C2)の表面電位(VC2)によっても異なるが、同じ正の表面電位を持つこととなり、被覆用無機酸化物粒子(C2)による被覆が生じない。
上記において、基体用無機酸化物粒子(C1)水分散液のpHにもよるが、Al23、ZrO2は主に正の表面電位を有し、SiO2、Sb25、TiO2、Fe23、CeO2は主に負の電位を有している。
このとき、適宜、正または負の表面電位を有する粒子を反対の表面電位に変換して用いることができる。
負の表面電位を有す粒子を正の表面電位を有する粒子に変換する方法としては、例えば、(1)ポリ塩化アルミニウム(PAC)水溶液処理する方法、(2)四級アミン水溶液処理する方法、(3)アミノシラン溶液等で処理する方法等が挙げられる。
具体的には、(1)の場合、イオン交換樹脂等でカチオン、アニオン等の不純分除去した無機酸化物粒子分散液中にポリ塩化アルミニウム等の多核金属カチオンを添加することで得ることができる。
(2)の場合、イオン交換樹脂等でカチオン、アニオン等の不純分除去した無機酸化物粒子分散液中に4級アミン(センカ(株)製:KHE−100)等のアミンを添加することで得ることができる。
(3)の場合、イオン交換樹脂等でカチオン、アニオン等の不純分除去した無機酸化物粒子分散液中にアミン系のシランカップリング剤を添加することで得ることができる。
このとき、表面電荷量の調整は、多核金属カチオン、アミン、アミン系のシランカップリング剤等の添加量、および無機酸化物粒子分散液のpHを調製することによって行うことができる。pH調整剤としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸、硝酸、硫酸および酢酸等の有機酸が挙げられる。
つぎに、正の表面電位を有す粒子を負の表面電位を有する粒子に変換する方法としては、例えば、(4)負の表面電位を有するシリカ材料で被覆する方法、(5)アニオン性の界面活性剤等で処理する方法等が挙げられる。
具体的には、(4)の場合、イオン交換樹脂等でカチオン、アニオン等の不純分除去した無機酸化物粒子分散液中にエタノールを添加し正珪酸アルキルを加え加熱・撹拌熟成することで得ることができる。
(5)の場合、イオン交換樹脂等でカチオン、アニオン等の不純分除去した無機酸化物粒子分散液中にアニオン性界面活性剤、好ましくはカルボキシル基を有するアニオン性界面活性剤を添加することで得ることができる。
このとき、表面電荷量の調整は、正珪酸アルキル、アニオン性界面活性剤等の添加量、および無機酸化物粒子分散液のpHを調製することによって行うことができる。pH調整剤としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸、硝酸、硫酸および酢酸等の有機酸が挙げられる。
表面電位は、基体用無機酸化物粒子(C1)または後述する被覆用無機酸化物粒子(C2)の0.1重量%分散液を用い、Malvern製ゼータサイザーナノZS90を用いて測定する。
被覆用無機酸化物粒子(C2)は前記基体用無機酸化物粒子(C1)とは反対の表面電位を有している。
表面電位の範囲、表面電位の変換方法は前記基体用無機酸化物粒子(C1)の場合と同様である。
基体用無機酸化物粒子(C1)の水分散液と、被覆用無機酸化物粒子(C2)の水分散液とを混合する。
混合分散液の濃度は固形分として1〜30重量%、さらには2〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
混合分散液の濃度が低くても、問題はないが、薄すぎると、生産性が低くコスト高となる。
混合分散液の濃度が高いと、被覆無機酸化物粒子(C2)が凝集して基体用無機酸化物粒子(C1)の表面に均一に被覆できない場合がある。
このとき、混合分散液のpHは2〜6、さらには3〜5の範囲にあることが好ましい。
混合分散液のpHが2未満になることはなく、なった場合は基体用無機酸化物粒子(C1)を単層の被覆用無機酸化物粒子(C2)で被覆したヒマワリ状無機酸化物微粒子を得ることが困難である。
混合分散液のpHが6を超えると、基体用無機酸化物粒子(C1)と被覆用無機酸化物粒子(C2)との表面電位差が小さくなったり、同一の表面電位となることがあり、基体用無機酸化物粒子(C1)を単層の被覆用無機酸化物粒子(C2)で被覆したヒマワリ状無機酸化物微粒子を得ることが困難である。
なお、工程(m)における分散液の温度は概ね5〜200℃の範囲であることが好ましい。
・工程(n)
混合分散液を陰イオン交換樹脂で処理し、陰イオンを除去する。
このとき、陰イオン交換樹脂での処理は、混合分散液のpHが6〜10、さらには7〜9.5の範囲となるまで処理することが好ましい。
陰イオン交換樹脂処理後の混合分散液のpHが6未満の場合は、陰イオンの残存量が多く、後工程の焼成時のガスの発生や、被覆層の結晶化が阻害される場合がある。
陰イオン交換樹脂処理後の混合分散液のpHが10を超えることはなく、さらに陰イオン残存量が減少することもない。
必要に応じて、分散液を濾過分離し、乾燥して使用することもできる。
本発明では、前記工程(n)についで、下記の工程(o)を行うことが好ましい。
・工程(o)
工程(n)で得られた分散液を、60〜98℃、好ましくは70〜95℃で熟成する。
この熟成温度にあれば、被覆用無機酸化物粒子(C2)の基体用無機酸化物粒子(C1)への接合がより強固なものとなる。
熟成温度が高すぎても、被覆用無機酸化物粒子(C2)の基体用無機酸化物粒子(C1)への接合がさらに強くなることもなく、凝集したヒマワリ状無機酸化物粒子が得られる場合がある。
必要に応じて、分散液を濾過分離し、乾燥し、さらに焼成して使用することもできる。
ついで、前記工程(n)または前記工程(o)についで、下記工程(p)〜(t)を行うこともできる。
・工程(p)
工程(n)または工程(o)で調製した分散液のpHを3〜7、望ましくは4〜6の範囲に調整する。分散液のpHがこの範囲に調整することで、後述する工程(q)、特に工程(r)後、ヒマワリ状無機酸化物粒子の凝集体が生成しにくく、生成したとしても、容易に解砕することができる。
分散液のpHが前記範囲を外れると、粒子表面同士の脱水縮合が進み、硬い状態で乾燥し、ついで、焼成した場合は焼結してしまい解砕が困難なヒマワリ状無機酸化物粒子となる場合がある。
なお、前記工程(n)における陰イオン交換樹脂後の混合分散液のpHが6〜7の範囲にある場合、本工程(p)は必ずしも実施する必要はない。
分散液のpHは、酸を添加することによって調整することが好ましい。
酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸(無機酸)、酢酸、酒石酸、グルコン酸、グリコール酸等の有機酸、これらの混合物が挙げられる。
本発明では、酢酸、グルコン酸、グリコール酸等の有機酸が好適に用いられる。これらの有機酸を用いると、陰イオンとして残存した場合でも、後述する焼成工程(r)において除去可能であり、焼成工程(r)でヒマワリ状無機酸化物粒子が一部凝集あるいは融着しても後述する工程(s)で容易に解砕することができる。
必要に応じて、濾過分離して使用することもできる。
さらに以下の工程を行ってもよい。
・工程(q)
得られた粒子分散液を乾燥する。乾燥方法としては、特に制限はなく従来公知の方法を採用することができる。室温で風乾することもできるが、乾燥温度は80〜300℃、さらには100〜200℃の範囲にあることが好ましい。
・工程(r)
乾燥後、300〜1200℃、好ましくは700〜1100℃で加熱処理する。
加熱処理によって、無機酸化物粒子層形成用の無機酸化物粒子分散液を調製する際に、あるいはヒマワリ状無機酸化物粒子の表面処理のために分散液とした際に、被覆用無機酸化物微粒子(C2)が剥離することがなく、親水性が向上するとともに水処理性能向上効果が得られる。
乾燥・加熱処理後、解砕を行っても良い。
・工程(s)
解砕することによって、強く凝集した粒子をほぐす。なお解砕は、前記工程(r)で強く凝集した粒子が存在する場合に行えばよい。解砕方法としては、特に制限はなく従来公知の方法を採用することができる。例えば、サンドミル、衝撃粉砕法、超音波ホモジナイザー、ナノジェットマイザー法等の方法が挙げられる。
さらに、本発明では、前記工程(n)以降の各工程のいずれかの後に、分離操作を行ってもよい。
・工程(t)
所望の粒子径以外の粒子、所望の形状以外の粒子が残存している場合、これを分離除去する。このような粒子が残存していると、残存量によっても異なるが、所望の表面凹凸を形成できない場合があり、このため親水性、ひいては水処理性能が不充分となる場合がある。
分離方法としては、所望の粒子径以外の粒子、所望の形状以外の粒子を除去できれば特に制限はなく従来公知の方法を採用することができる。例えば、各種フィルター、遠心分離機等が挙げられる。
表面処理
前記した無機酸化物微粒子は、下記式(1)で表される加水分解性有機ケイ素化合物で表面処理されていることが好ましい。
SiX4 (1)
(但し、式中、X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素)
加水分解性有機ケイ素化合物としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。
無機酸化物微粒子の加水分解性有機ケイ素化合物での表面処理量は、無機酸化物微粒子を酸化物(1)として100重量部に対し加水分解性有機ケイ素化合物をSiO2として1〜200重量部、さらには5〜100重量部の範囲にあることが好ましい。
無機酸化物微粒子の加水分解性有機ケイ素化合物で表面処理量が前記範囲にあると、分散性が高く、結合材との結合が促進され、最終的に強度、硬度、ヘーズ等に優れた親水性透明被膜付基材を得ることができる。また、得られる親水性透明被膜付基材は水処理に好適に用いることができる。
(ii)結合材層(a1)
前記基材と前記無機酸化物微粒子層との間に結合材層(a1)を有することが好ましい。
結合材層(a1)は、基材と無機酸化物微粒子層との密着性を向上、また無機酸化物微粒子層中の無機酸化物微粒子を結合し親水性透明被膜の強度、硬度を向上させることができる。
結合材層(a1)に用いる結合材としては、シリカが望ましく、さらには、シリカゾル、酸性珪酸酸液、加水分解性有機ケイ素化合物に由来するシリカが好適である。
なかでも、下記式(2)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物であるシリカ結合材が好ましい。
n-SiX4-n (2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜1の整数)
ここで、加水分解重縮合物とは、後述する製造工程で、加水分解性有機ケイ素化合物、これらの部分加水分解物、加水分解物であったものが加熱処理によって重縮合したものであることを意味している。
このような加水分解性有機ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン等およびこれらの混合物が挙げられる。
なかでも、n=0(4官能)の加水分解性有機ケイ素化合物、またはn=0(4官能)の加水分解性有機ケイ素化合物とn=1(3官能)の加水分解性有機ケイ素化合物との混合物を用いると、基材との密着性、強度、硬度等に優れ、無機酸化物微粒子層との結合性も増し、最終的に強度、硬度、親水性に優れた親水性透明被膜付基材を得ることができる。
結合材(a1)の形成量は無機酸化物微粒子層中の無機酸化物微粒子を酸化物換算し100重量部に対し、結合材を酸化物に換算して1〜200重量部、さらには10〜190重量部の範囲にあることが好ましい。
結合材(a1)の形成量が少ないと、無機酸化物微粒子層と基材との密着性を向上させる効果、強度、硬度等が不充分となる場合がある。結合材(a1)の形成量が多すぎても、さらに基材と無機酸化物微粒子層との密着性が向上することもなく、クラックが発生したり硬度が低下する場合があり、最終的に得られる親水性透明被膜付基材を水処理に用いた場合に水処理性能を阻害する場合がある。
結合材層(a1)は、厚さが10〜300nm、さらには25〜200nmの範囲にあるように形成されることが好ましい。
結合材層(a1)が薄いと密着性を向上させる効果が不充分となる場合がある。結合材層(a1)が厚すぎても、さらに密着性が向上することもなく、クラックが発生して硬度が低下したり、硬度が不十分となる場合がある。
(iii) 結合材層(a2)
結合材層(a2)は、無機酸化物微粒子層上に形成されており、無機酸化物微粒子層中の無機酸化物微粒子と結合し親水性透明被膜の強度、硬度を向上させることができる。
結合材層(a2)としては、無機酸化物微粒子層と結合し、親水性を低下させることなく向上できれば特に制限はないが、本発明では、下記式(3)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物が好ましい。
n-SiX4-n (3)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜1の整数)
ここで、加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物とは、後述する製造工程で、加水分解性有機ケイ素化合物、これらの部分加水分解物、加水分解物であったものが加熱処理によって重縮合したものであることを意味している。
このような加水分解性有機ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン等およびこれらの混合物が挙げられる。
なかでも、n=0(4官能)の加水分解性有機ケイ素化合物を用いると、基材との密着性、強度、硬度等に優れ、無機酸化物微粒子層との結合性も増し、最終的に強度、硬度、親水性に優れた親水性透明被膜付基材を得ることができる。
結合材層(a2)の形成量は前記無機酸化物微粒子層中の無機酸化物微粒子100重量部に対し、酸化物換算(Rn-SiO(4-n)/2)で1〜200重量部、さらには2〜100重量部の範囲にあることが好ましい。
結合材層(a2)の形成量が少ないと、一部、結合材層(a2)が形成されていない塗布ムラが生じ、充分な強度、硬度、耐擦傷性等が得られない場合がある。結合材層(a2)の形成量が多すぎても、後述する親水性透明被膜表面の凹凸の凸部間距離(WF)が小さくなり、親水性が不充分となる場合があり、また、凸部表面の微細凹凸が形成できず親水性が低下する場合がある。このため、水処理に用いた場合充分な水処理性能が得られない場合がある。
凹凸構造
本発明に係る親水性透明被膜付基材は、表面が凹凸構造を有する。
該凹凸構造は、凸部の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(ピッチ幅)で定義される。
該凹凸構造の凸部の平均高さ(TF)が30〜500nm、さらには50〜400nmの範囲にあることが好ましい。凸部の平均高さ(TF)が小さいと、親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
凸部の平均高さ(T)が大きすぎても、親水性透明被膜の強度が不充分となる場合があり、長期にわたって繰り返し使用することができない場合がある。
また、平均凸部間距離(ピッチ幅ということがある)(W)は50〜1000nm、さらには70〜800nmの範囲にあることが好ましい。平均凸部間距離(W)が短いと、親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
平均凸部間距離(WF)が大きすぎても、親水性透明被膜の親水性が不十分となる場合があり、目詰まりの抑制効果が不充分となったり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
前記平均高さ(TF)と前記平均凸部間距離(WF)との比(TF)/(WF)(アスペクト比ということがある)は0.1〜10、さらには0.2〜5の範囲にあることが好ましい。
(TF)/(WF)が小さい場合は、表面の凹凸構造の凸部の高さが不十分であるため、親水性が不十分となる場合があり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
(TF)/(WF)が大きすぎると無機酸化物微粒子を配列することが困難で、例え無機酸化物微粒子が配列できたとしても、均一に結合材用塗布液を塗布することができないためか、得られる親水性透明被膜の硬度が不十分となる場合があり、水処理能力の低下抑制効果が不充分となる場合がある。
本発明では、前記凸部の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)は親水性透明被膜の断面の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、50個の凸部の高さ、ピッチ間距離を測定し、その平均値とした。
前記凸部の平均高さ(T)、平均凸部間距離(W)は、無機酸化物微粒子の大きさおよび形状、すなわち、板状無機酸化物微粒子では平均粒子径(D)、平均厚み(T)、繊維状無機酸化物微粒子では平均長さ(L)、平均粒子幅(W PF 、鎖状無機酸化物微粒子では平均長さ(L)、平均一次粒子径(D)、金平糖状無機酸化物粒子では平均粒子径(D)、クラスター状無機酸化物粒子では平均粒子径(DB2)、ヒマワリ状無機酸化物粒子では基体用無機酸化物粒子(A)の平均粒子径(D C1 および被覆用無機酸化物微粒子(B)の平均粒子径(D C2 を選択するとともに、後述する透明被膜付基材の製造方法に於ける無機酸化物微粒子分散液の濃度、塗布方法等に調整される。具体的には、平均粒子径(D)、平均長さ(L)、平均長さ(L)、平均粒子径(D)、平均粒子径(DB2)、平均粒子径(D C1 および平均粒子径(D C2 の大きい場合、平均高さ(T)、平均凸部間距離(W)が大きくなる傾向にあり、また、無機酸化物微粒子分散液の濃度が高い場合平均高さ(T)が高くなる傾向にあり、濃度が低い場合平均凸部間距離(W
が大きくなる傾向にある。
本発明の親水性透明被膜表面の凸部は、凸部表面にさらに微細な凹凸を有している。
微細凹凸の凸部の平均高さ(TFF)は3〜50nm、さらには3〜45nmの範囲にあることが好ましい。
本発明では、前記微細凹凸の凸部の平均高さ(T FF 前記微細凹凸の凸部の平均凸部間距離(W FF は、原子間力顕微鏡(AFM)(Bruker(株)製:Dimension 3100)により測定した。
微細凹凸の凸部の平均高さ(TFF)が前記範囲にあると、親水性透明被膜の透明性を阻害することなく親水性に優れた透明被膜が得られる。
また、微細凹凸の凸部の平均凸部間距離(WFF)が3〜50nm、さらには3〜45nmの範囲にあることが好ましい。
微細凹凸の凸部の平均凸部間距離(WFF)が前記範囲にあると、前記平均高さ(TFF)が所定範囲にある場合と同様に、透明被膜の透明性を阻害することなく親水性に優れた透明被膜が得られる。
このような、微細凹凸の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)は、前記した平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)測定時に測定することができ、任意の凸部5個について、凸部を指定して拡大すると微細凹凸の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)を測定することができる。
つぎに、親水性透明被膜は水との接触角が20°、さらには10°以下、特に5°以下であることが好ましい。
親水性透明被膜の水との接触角が前記範囲にあれば、水滴が被膜上に付着しても速やかに膜表面の凹凸、微細凹凸に拡散して吸収されるためか、水滴として残ることなく透明な親水性透明被膜となる。
これは、前記凹凸構造による特性である。水との接触角を前記範囲で調整するには、前記した方法で凸部の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)を所定範囲に調整すればよいが、加えてアスペクト比(TF)/(WF)を所定の0.1〜10の範囲、特に1〜5の範囲にすることが好ましい。すなわち、凸部を高密度で形成することによって調整することができる。
つぎに、本発明に係る親水性透明被膜付基材の製造方法について説明する。
[親水性透明被膜付基材の製造方法]
本発明に係る親水性透明被膜付基材は、下記の工程(b)〜(d)からなる方法によって製造できる。
(b)基材上に無機酸化物微粒子分散液を塗布して無機酸化物微粒子層を形成する工程
(c)無機酸化物微粒子層上に、結合材層(a2)形成用塗布液を塗布して結合材層(a2)を形成する工程
(d)加熱処理する工程
本発明では、工程(b)の前に、下記の工程(a)を行うことが好ましい。
工程(a)
(a)基材上に結合材層(a1)形成用塗布液を塗布して結合材層(a1)を形成する工程
結合材層(a1)形成用塗布液としては、無機酸化物系の結合材層(a1)を形成する場合は無機酸化物前駆体のゾル、ゲル分散液を塗布液として用いることができ、例えば、シリカゾル、シリカアルミナゾル、アンチモンドープ酸化錫(ATO)ゾル、錫ドープ酸化インジウム(ITO)ゾル等のゾルの他、ケイ酸アルカリ水溶液をイオン交換樹脂等で脱アルカリして得られる酸性ケイ酸液、有機珪素化合物あるいはこれらの加水分解物等を用いることができる。
有機珪素化合物としては、後述する工程(c)で結合材層(a2)形成用塗布液に用いる加水分解性有機ケイ素化合物が好適に用いられる。
また、有機樹脂系の結合材層(a1)を形成する場合は、基材と無機酸化物微粒子層、さらには透明被膜との密着性を向上できれば特に制限は無く、従来公知の有機樹脂系塗布液を用いることができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化型アクリル樹脂などが挙げられる。
結合材層(a1)形成用塗布液の塗布量は、塗布液の濃度によっても異なるが、前記したように結合材層(a1)の膜厚が10〜300nm、さらには25〜200nmとなるように塗布することが好ましい。
結合材層(a1)の厚さが10nm未満の場合は、基材と無機酸化物微粒子層、さらには透明被膜との密着性を向上させる効果が不充分となる場合がある。
結合材層(a1)の厚さが300nmを超えると、さらに密着性が向上することもなく、クラックが発生して硬度が低下したり、不十分となる場合がある。
塗布方法としては、後述する工程(c)のアルミナ水和物微粒子分散液を塗布方法と同様にバーコーター法、ディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法、グラビアコート法、スリットコート法等が挙げられる。
結合材層(a1)形成用塗布液を塗布後、乾燥することが好ましく、乾燥方法は従来公知の方法を採用することができ、例えば、乾燥温度は、結合材層(a1)形成用塗布液の分散媒を実質的に除去できれば特に制限はないが概ね50〜120℃、好ましくは60〜100℃である。
工程(b)
(b)基材上、または前記工程(a)で形成した結合材層(a1)上に無機酸化物微粒子分散液を塗布して無機酸化物微粒子層を形成する。
(i)無機酸化物微粒子分散液の調製
本発明に用いる無機酸化物微粒子としては、前記した板状、繊維状、鎖状、金平糖状、クラスター状、ヒマワリ状の無機酸化物微粒子が用いられる。
本発明で使用される無機酸化物微粒子は、下記式(5)で表される加水分解性有機ケイ素化合物で表面処理されていることが好ましい。
SiX4-n (5)
(但し、式中、X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素)
このような加水分解性有機ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。
表面処理量は、無機酸化物微粒子100重量部に対し、加水分解性有機ケイ素化合物をSiO2換算して1〜200重量部、さらには5〜100重量部の範囲にあることが好ましい。
無機酸化物微粒子の加水分解性有機ケイ素化合物での表面処理量が前記範囲にあると、無機酸化物微粒子が均一に分散した分散液となり、塗布性が良好なために均一な無機酸化物微粒子層を形成することができ、後述する工程(c)で塗布する結合材層(a2)形成用塗布液の結合材との結合が促進され、最終的に強度、硬度、ヘーズ等に優れた親水性透明被膜付基材を得ることができる。
表面処理方法は、例えば、前記無機酸化物微粒子水分散液を限外濾過膜法でメタノール等のアルコールに溶媒置換し、前記加水分解性有機ケイ素化合物を所定量混合し、必要に応じて加水分解用の水を添加し、必要に応じて熟成する方法等が挙げられる。
分散媒
無機酸化物微粒子分散液の分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプルピル、酢酸プルピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、エチレングリコールモノアセテート等のエステル類、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプルピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プルピレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテル類を含む親水性溶媒、酢酸プルピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、エチレングリコールモノアセタート等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;トルエン等極性溶媒が挙げられる。さらに、N−メチルピロリドン等の極性溶媒を用いることもでき、これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
無機酸化物微粒子分散液の濃度は固形分として0.1〜20重量%、さらには0.5〜10重量%の範囲にあることが好ましい。無機酸化物微粒子分散液の濃度が低いと、無機酸化物微粒子層の厚みが薄く、所望の凹凸が形成できない場合があり、また、一部無機酸化物微粒子層の無い塗布ムラが生じ、充分な親水性、強度、硬度、耐擦傷性が得られない場合がある。
無機酸化物微粒子分散液の濃度が高いと、塗布方法によっても異なるが、塗工性が低下
して所望の凹凸を形成できない場合がある。また、無機酸化物微粒子層が厚くなり過ぎて
透明性が低下したり、ヘーズが高くなる場合がある。
無機酸化物微粒子分散液を塗布するが、塗布方法としては、概ね所望の凹凸構造を有する無機酸化物微粒子層を形成できれば特に制限は無く、例えば、バーコーター法、ディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法、グラビアコート法、スリットコート法等が挙げられる。
無機酸化物微粒子分散液を塗布後、乾燥することが好ましく、乾燥方法は従来公知の方法を採用することができ、例えば、乾燥温度は、無機酸化物微粒子分散液の分散媒を実質的に除去できれば特に制限はないが概ね50〜120℃、好ましくは60〜100℃である。
工程(c)
無機酸化物微粒子層上に、結合材層(a2)形成用塗布液を塗布して結合材層(a2)を形成する。
結合材層(a2)形成成分としては、無機酸化物微粒子層中の無機酸化物微粒子あるいは表面処理無機酸化物微粒子と結合し親水性透明被膜の親水性を低下させることなく強度、硬度を向上させることができればよく、シリカゾル、酸性珪酸酸液、加水分解性有機ケイ素化合物に由来するシリカが好適に用いられる。
なかでも、下記式(6)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物であるシリカ結合材が好ましい。
n-SiX4-n (6)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜1の整数)
加水分解性有機ケイ素化合物としては、前記式(2)と同様の加水分解性有機ケイ素化合物を用いることができる。
結合材層(a2)形成用塗布液の分散媒は、無機酸化物微粒子分散液の分散媒と同様の分散媒を用いることができる。
結合材層(a2)形成用塗布液の濃度は酸化物(Rn-SiO(4-n)/2)として0.05〜20重量%、さらには0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
結合材層(a2)形成用塗布液の濃度が前記範囲にあると、塗布方法によっても異なるが、無機酸化物微粒子層に均一に塗布することができ、無機酸化物微粒子の結合材として機能し、強度、硬度に優れた親水性透明被膜を形成することができる。
結合材層(a2)形成用塗布液は、無機酸化物微粒子層を100重量部に対し、結合材が酸化物換算(Rn-SiO(4-n)/2)として、1〜200重量部、さらには10〜190重量部の範囲となるように結合材層(a2)形成用塗布液を用いる。
結合材層(a2)形成用塗布液の塗布量が少ないと、一部、結合材層(a2)が形成されていない塗布ムラが生じ、充分な強度、硬度、耐擦傷性等が得られない場合がある。
結合材層(a2)形成用塗布液の塗布量が多すぎても、親水性透明被膜表面の凹凸の凸部間距離(WF)が小さくなり、親水性が不充分となる場合があり、また、凸部表面の微細凹凸が形成できず親水性が低下する場合がある。このため、水処理に用いた場合、ファウリング物質による処理能力の低下を抑制でき、高い水処理性能を長期にわたって維持することができる。
結合材層(a2)形成用塗布液の塗布方法としては、無機酸化物微粒子層に均一に塗布できれば特に制限は無く、例えば、バーコーター法、ディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法、グラビアコート法、スリットコート法等が挙げられる。
結合材層(a2)形成用塗布液を塗布後、乾燥することが好ましく、乾燥方法は従来公知の方法を採用することができ、例えば、乾燥温度は、結合材用塗布液の分散媒を実質的に除去できれば特に制限はないが概ね50〜120℃、好ましくは60〜100℃である。
工程(d)
ついで、加熱処理する。
加熱処理温度は、基材の種類によっても異なるが、80〜300℃、さらには130〜250℃の範囲にあることが好ましい。
なお、前記結合材層(a2)形成後、80〜120℃で乾燥した場合は、本工程(d)の加熱処理を省略することができる場合がある。
前記範囲温度範囲で加熱処理することによって、基材と結合材層(a1)との結合、無機酸化物微粒子層と結合材層(a2)との結合が増し、基材との密着性、親水性透明被膜の強度、硬度、耐擦傷性等を高めることができる。
このような本発明に係る親水性透明被膜付基材は水処理用部材に好適に使用することが可能である。かかる部材として、RO膜、MF、NF、UF膜のほかに、ライニングなどがあげられる。このうち、不織布を基材として用いた、RO膜などに好適に採用することができる。
[実施例]
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
表面処理アルミナ水和物微粒子(1)分散液の調製
スチームジャケット加温式のチタン製100Lタンクへ 純水 55.987kgを張り込み、これに塩化アルミニウム六水和物(関東化学(株)製: 鹿特級、AlCl3・6H2O濃度98重量%)3.532kgを溶解する。この溶液へ水酸化ナトリウム(関東化学(株)製:鹿特級、NaOH濃度48重量%)2.710kgを添加混合する。これを撹拌下、80℃ へ昇温し、1時間保持してpH4.0 のアルミナヒドロゲルスラリー(1-1)を62.229kg得た。
このアルミナヒドロゲルスラリー(1-1)を80℃に保ったまま、撹拌下、水酸化ナトリウム(関東化学(株)製:鹿特級、48重量%NaOH)0.620kgを添加混合し、撹拌下80℃で1時間保持して、pH8.5のアルミナヒドロゲルスラリー(1-2)62.849kgを得た。このアルミナヒドロゲルスラリー(1-2)を80℃に保ったまま、撹拌下、塩化アルミニウム六水物(関東化学(株)製: 鹿特級、98重量%AlCl3・6H2O)1.314kgを純水1.463kgに溶解した塩化アルミニウム水溶液2.777kgを添加混合し、撹拌下80℃で1時間保持して、pH4.5のアルミナヒドロゲルスラリー(1-3)65.626kgを得た。
このアルミナヒドロゲルスラリー(1-3)を80℃に保ったまま、撹拌下、水酸化ナトリウム(関東化学(株)製:鹿特級、48重量%NaOH)1.241kgを添加混合し、撹拌下80℃で1時間保持して、pH9.5のアルミナヒドロゲルスラリー(1-4)66.867kgを得た。このアルミナヒドロゲルスラリー(1-4)を限外濾過装置に充填し、Al23としての濃度が4.5重量%となるまで濃縮した。
Al23としての濃度が4.5重量%のアルミナヒドロゲルスラリー(1-4)を60℃の温純水 にて、残留するナトリウムおよび塩素の濃度が10ppm以下となるまで洗浄を行い、Al23としての濃度が5重量%のアルミナヒドロゲルスラリー(1-5)を得た。
ついで、アルミナヒドロゲルスラリー(1-5)1000gに陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SK−1BH)33gを添加し、1時間攪拌して脱アルカリ処理した。
ついで陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(製):SANUPC)33gを添加し、1時間攪拌して脱アニオン処理した。ついで、再び陽イオン交換樹脂(三菱化学(製):SK−1BH)33gを添加し、1時間攪拌して脱アルカリ処理してAl23としての濃度が4.8重量%のアルミナ水和物微粒子(1)分散液を調製した。
この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(1)メタノール分散液を得た。
アルミナ水和物微粒子(1)メタノール分散液の一部を乾燥し、走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影し、図1に示した。
平均粒子長さ(L)、平均粒子幅(W PF を測定し、結果を表に示す。
ついで、固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(1)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO濃度28.8重量%)1.88gを混合し、ついで、超純水を3.1g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(1)メタノール分散液を調製した。
固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(1)メタノール分散液100gにプロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGME)60gと、混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)240gを添加し、ついで、25℃で30分間撹拌して、無機酸化物微粒子層形成用固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(1)分散液を調製した。
結合材層(a2)形成用塗布液(1)の調製
混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)72.5gに水10.0gと濃度61重量%の硝酸0.1gを添加し、25℃で10分撹拌した。ついで、テトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)17.4gを添加し、30℃で30分撹拌してテトラエトキシシラン加水分解物(固形分濃度5.0重量%、分子量:1000)を得た。ついで、ジアセトンアルコール(DAA)333.3gとエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(I−PG)666.6gと混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)566.67gを添加して25℃で30分撹拌し、固形分濃度0.3重量%のシリカからなる結合材層(a2)形成用塗布液(1)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(1)の製造
不織布の調製
酢酸セルロース20g、ホルムアミド1.5gおよびアセトン50gを混合し、超音波照射機(IUCHI(株)製:超音波洗浄機)にて周波数38kHzの超音波を10時間照射して酢酸セルロースの溶解溶液を調製した。
酢酸セルロース溶解溶液を、両端にポリイミドテープを貼り付けたガラス基板上にロブ・スリラーヤン法で塗布し、25℃で5分乾燥した後、10℃の純水に浸漬させた。その後純水から取り出し、ポリイミドテープを用いて剥離して厚さ200μmの非対称多孔質な不織布(1)を得た。不織布(1)について、水銀圧入法で測定した空孔率は70%であった。一方の下部面には約0.1μmの細孔が認められた。
親水性透明被膜の形成
不織布(1)上に表の膜厚となるように固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(1)分散液をバーコーター(♯3)で塗布し、80℃で30秒間乾燥した。ついで、固形分濃度0.3重量%の結合材層(a2)形成用塗布液(1)を、表面処理アルミナ水和物微粒子(1)層上に表の含有量となるようにバーコーター(♯3)で塗布し、80℃で10分間乾燥・硬化して水処理用親水性透明被膜付基材(1)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(1)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
親水性および密着性は以下の方法で測定した。
親水性
上記において、不織布(1)に代えてガラス基板を用いた以外は同様にして親水性透明被膜付基材(1)を製造し、親水性透明被膜付基材(1)について、全自動接触角計(協和界面科学(株)製:DM 700)で測定し水との接触角とした。
密着性
親水性透明被膜付基材(1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付けて100個の升目を作り、これにセロファンテープを接着、剥離したときの被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の3段階に分類することによって密着性を評価した。
残存升目の数100個 :◎
残存升目の数95〜99個 :○
残存升目の数90〜94個 :△
残存升目の数89個以下 :×
水処理試験
北九州市の紫川水源より採取した水から疎水性画分を分画し、有機物濃度を2mg−TOC/Lになるように水処理試験用水を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(1)を装着した水処理試験用耐圧セルを内蔵した逆浸透装置(図2にモデル図を示す)に、水処理試験用水を原水として用いて出口側の排出速度が0.2L/時間となるように入口側の圧力及び流速を調整し、1時間及び10時間通液させた際の圧力差を測定した。(圧力差が大きいほどファウリングが生じていることを意味する。)
[実施例2]
表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液の調製
スチームジャケット付100Lタンクへ純水38.743kgを張り込み、これに濃度48重量%の水酸化ナトリウム溶液(関東化学(株)社製:特級)0.815kgを撹拌しながら加えた。ついで、この溶液に、アルミン酸ナトリウム(関東化学(株)社製:鹿1級、アルミナ換算39重量%)2.740kgを撹拌しながら溶解した。
さらに、この溶液を撹拌しながら80℃へ昇温し1時間保持することで、完全溶解したアルミン酸ナトリウム水溶液42.298kgを得た。別途、スチームジャケット付10Lタンクに純水6.269kgを張り込み、これに濃度35重量%の塩酸水溶液(関東化学(株)社製:特級)0.453kgを撹拌しながら混合し、加温して80℃の希釈塩酸水溶液6.722kgを得た。
アルミン酸ナトリウム水溶液を80℃に保ったまま、希釈塩酸水溶液を添加し、さらに撹拌しながら80℃で1時間保持して、pH11.5の正方板状アルミナ水和物微粒子(2-a)分散液49.020kgを得た。<工程(a)>
このアルミナ微粒子(2-a)分散液を濾過分離し、80℃の温純水を充分に掛けて、洗浄アルミナ水和物微粒子(2−b)ケーキ6.667kgを得た。<工程(b)>
このアルミナ微粒子(2-b)ケーキ6.667kgへ純水12.983kgを加え、十分に撹拌して分散させアルミナ水和物微粒子分散液19.650kgとし、これに、有機塩基性化合物として水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)水溶液(関東化学(株)社製:濃度27重量%)0.35kgを加え、有機塩基性化合物添加アルミナ水和物微粒子(2-c)分散液20.0kgを得た。<工程(c)>
ついで、この塩基性物質添加アルミナ微粒子(2-c)分散液をオートクレーブ反応器に入れ、撹拌下150℃へ加熱し、自圧下で24時間水熱処理して、アルミナ水和物微粒子(2-d)分散液を得た。<工程(d)>
このアルミナ水和物微粒子(2-d)分散液を限外濾過装置に入れ、充分に洗浄を行い、残留する窒素濃度をテトラメチルアンモニウムに換算した残存量が10ppm以下となるまで洗浄を行い、固形分濃度5重量のアルミナ水和物微粒子(2)分散液20.000kgを得た。<工程(e)>
得られたアルミナ水和物微粒子(2)の平均粒子径(DP)、平均粒子厚み(TP)を測定し、結果を表に示す。なお、アルミナ水和物微粒子(2)は、30〜50nm正方形で、厚みが3〜5nmの大きさの1次結晶粒子5〜10個が、少なくとも2辺が重なることなく積層した形で凝集した100〜200nmの大きさの2次粒子であった。
この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(2)メタノール分散液を得た。固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(2)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)1.88gを混合し、ついで、超純水を3.1g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)メタノール分散液を調製した。
ついで、固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)メタノール分散液100gにプロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGME)60gと、混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)240gを添加し、ついで、25℃で30分間撹拌して、無機酸化物微粒子層形成用固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(2)の製造
実施例2と同様にして、固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液を、実施例1と同様にして調製した不織布(1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥した。ついで、実施例1と同様にして固形分濃度0.3重量%の結合材層(a2)形成用塗布液(1)を、表面処理アルミナ水和物微粒子(2)層上に表の含有量となるようにバーコーター(♯3)で塗布し、80℃で10分間乾燥・硬化して水処理用親水性透明被膜付基材(2)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(2)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(2)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。
[実施例3]
表面処理アルミナ水和物微粒子(3)分散液の調製
実施例2の工程(d)で、110℃で加温した以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(3)分散液を調製した。
得られたアルミナ水和物微粒子(3)の平均粒子径(DP)、平均粒子厚み(TP)を測定し、結果を表に示す。
ついで、固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(3)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)1.88gを混合し、ついで、超純水を3.1g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(3)メタノール分散液を調製した。
固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(3)メタノール分散液100gにプロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGME)60gと、混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)240gを添加し、ついで、25℃で30分間撹拌して、無機酸化物微粒子層形成用固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(3)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(3)の製造
固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(3)分散液を、実施例1と同様にして調製した不織布(1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥した。ついで、実施例1と同様にして固形分濃度0.3重量%の結合材層(a2)形成用塗布液(1)を、表面処理アルミナ水和物微粒子(3)層上に表の含有量となるようにバーコーター(♯3)で塗布し、80℃で10分間乾燥・硬化して水処理用親水性透明被膜付基材(3)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(3)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(3)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例4]
表面処理アルミナ水和物微粒子(4)分散液の調製
実施例2の工程(d)で、180℃で加温した以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(4)分散液を調製した。
得られたアルミナ水和物微粒子(4)の平均粒子径(DP)、平均粒子厚み(TP)を測定し、結果を表に示す。
ついで、固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(4)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)1.88gを混合し、ついで、超純水を3.1g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(4)メタノール分散液を調製した。
固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(4)メタノール分散液100gにプロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGME)60gと、混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)240gを添加し、ついで、25℃で30分間撹拌して、無機酸化物微粒子層形成用固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(4)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(4)の製造
固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(4)分散液を、実施例1と同様にして調製した不織布(1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥した。ついで、実施例1と同様にして固形分濃度0.3重量%の結合材層(a2)形成用塗布液(1)を、表面処理アルミナ水和物微粒子(4)層上に表の含有量となるようにバーコーター(♯3)で塗布し、、80℃で10分間乾燥・硬化して水処理用親水性透明被膜付基材(4)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(4)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(4)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例5]
表面処理鎖状シリカ微粒子(5)分散液の調製
SiO2濃度が24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)334gを純水1266gで希釈して、SiO2濃度が5重量%の珪酸ナトリウム水溶液(pH11)を1600g調製した。この珪酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂(三菱化学(製):SK−1BH)320gを添加し、1時間攪拌した後、イオン交換樹脂を分離し、脱アルカリ処理したpH4.0、固形分濃度5%の珪酸液1500gを調製した。ついで純水を3500g加え、固形分濃度1.9%に希釈した。この液をセパラブルフラスコに入れ、40℃に昇温した後、10%酢酸アンモニウム水溶液100g加え、酢酸でpHを4.1に調製した後、2時間加熱した。ついで、5%アンモニア水溶液でPH10.5に調製した。その後、95℃に昇温し、90℃で2時間加熱した。40℃まで冷却した後、シリカゾルを得た。
得られたシリカゾルを限外濾過膜(旭化成工業(株)製:SIP−1013)を用いて、SiO2濃度が13重量%になるまで濃縮し、ついで、ロータリーエバポレーターで濃縮し、44μmメッシュのナイロンフィルターで濾過してSiO2濃度20重量%の無機酸化物微粒子(B1-2)分散液を調製した。
この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して固形分濃度8重量%のメタノール分散液を得た。
得られた鎖状シリカ微粒子(5)の平均一次粒子径(DC)は12nm、連結数は10個、平均長さ(LC)は120nmであった。
ついで、固形分濃度8重量%の鎖状シリカ微粒子(5)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)1.88gを混合し、ついで、超純水を3.1g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理鎖状シリカ微粒子(5)メタノール分散液を調製した。
固形分濃度8重量%の表面処理鎖状シリカ微粒子(5)メタノール分散液100gにプロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGME)60gと、混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)240gを添加し、ついで、25℃で30分間撹拌して、無機酸化物微粒子層形成用固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(5)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(5)の製造
固形分濃度2重量%の表面処理鎖状シリカ微粒子(5)分散液を、実施例1と同様にして調製した不織布(1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥した。
ついで、実施例1と同様にして固形分濃度0.3重量%の結合材層(a2)形成用塗布液(1)を、表面処理アルミナ水和物微粒子(5)層上に表の含有量となるようにバーコーター(♯3)で塗布し、80℃で10分間乾燥・硬化して水処理用親水性透明被膜付基材(5)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(5)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(5)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例6]
水処理用親水性透明被膜付基材(6)の製造
結合材層(a1)形成用塗布液(1)として、実施例1と同様にして調製した結合材層(a2)形成用塗布液(1)を用いた。
固形分濃度0.3重量%のシリカからなる結合材層(a2)形成用塗布液(1)を、実施例1と同様にして調製した不織布(1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥した。
ついで、実施例2と同様にして固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液を、結合材層(a1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥した。
ついで、実施例1と同様にして固形分濃度0.3重量%の結合材層(a2)形成用塗布液(1)を、表面処理アルミナ水和物微粒子(2)層上に表の含有量となるようにバーコーター(♯3)で塗布し、80℃で10分間乾燥・硬化して水処理用親水性透明被膜付基材(6)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(6)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(6)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例29]
水処理用親水性透明被膜付基材(29)の製造
結合材層(a1)形成用塗布液(1)として、実施例1と同様にして調製した結合材層(a2)形成用塗布液(1)を用いた。固形分濃度0.3重量%のシリカからなる結合材層形成用塗布液(1)を、実施例1と同様にして調製した不織布(1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥した。
ついで、実施例1と同様にして固形分濃度2重量%の固形分濃度2重量%の表面処理繊維状アルミナ水和物粒子(1)分散液を、結合材層(a1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥して水処理用親水性透明被膜付基材(29)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(29)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(29)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[比較例1]
水処理用親水性透明被膜付基材(R1)の製造
実施例2と同様にして固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液を、実施例1と同様にし調製した不織布(1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥した。
ついで、実施例1に準じて調製した固形分濃度5.0重量%の結合材層(a2)形成用塗布液(2)を、表面処理アルミナ水和物微粒子(2)層上に表の含有量となるようにバーコーター(♯3)で塗布し、80℃で10分間加熱・硬化させて水処理用親水性透明被膜付基材(R1)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R1)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(R1)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[比較例2]
表面処理アルミナ水和物微粒子(R2)分散液の調製
実施例1の工程(d)で、150℃で加温した以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(R2)分散液を調製した。得られたアルミナ水和物微粒子(R2)の平均長さ(LF)、平均粒子幅(WPF)を測定し、結果を表に示す。
ついで、固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(R2)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)1.88gを混合し、ついで、超純水を3.1g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(R2)メタノール分散液を調製した。
固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(R2)メタノール分散液100gにプロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGME)60gと、混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)240gを添加し、ついで、25℃で30分間撹拌して、無機酸化物微粒子層形成用固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(R2)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R2)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(R2)分散液を、実施例1と同様にし調製した不織布(1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布した以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(R2)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R2)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(R2)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[比較例3]
表面処理アルミナ水和物微粒子(R3)分散液の調製
実施例2の工程(d)で、250℃で加温した以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(R3)分散液を調製した。
得られたアルミナ水和物微粒子(R3)の平均粒子径(DP)、平均粒子厚み(TP)を測定し、結果を表に示す。
この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(R3)メタノール分散液を得た。ついで、固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(R3)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)1.88gを混合し、ついで、超純水を3.1g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(R3)メタノール分散液を調製した。
固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(R3)メタノール分散液100gにプロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGME)60gと、混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)240gを添加し、ついで、25℃で30分間撹拌して、無機酸化物微粒子層形成用固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(R3)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R3)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(R3)分散液を、実施例1と同様にし調製した不織布(1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布した以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(R3)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R3)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(R3)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[比較例4]
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(1)の代わりに撥水性透明被膜を形成することなく実施例1と同様にし調製した不織布(1)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。
[実施例7]
金平糖状無機酸化物粒子(1)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径80nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液482g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム0.43質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の濃度を測定したところ14.4重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子分散液1463gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を30g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分3.7質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液2166g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が32.4質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状無機酸化物粒子(1)分散液を調製した。
得られた金平糖状無機酸化物粒子(1)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度(SA1)/(SA2)を測定し、結果を表に示す。
なお、画像解析による平均粒子径(DA)の測定方法、突起の平均高さ(H)の測定方法および比表面積(SA2)の算定方法、表面粗度(SA1)/(SA2)、および真球度の測定方法は以下の通りである。
平均粒子径(D A
透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製:H−800)により、金平糖状無機酸化物粒子(1)を倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の50個の粒子について、その最大径(DL)を測定し、その平均値を平均粒子径(DA)とした。
突起の平均高さを(H)
同様に、金平糖状無機酸化物粒子(1)を倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の50個の粒子について、任意の疣状突起の頂点から疣状突起と球状微粒子部分との接点までの距離を3個ずつ測定し、その全ての平均値を算出し、粒子の突起の平均高さを(H)とした。
比表面積(SA 2
平均粒子径(DA)の値を下記式(1)に代入して、比表面積(SA2)を求めた。
(SA2)=6000/(DA)xd・・・・・・(1)
表面粗度(SA 1 )/(SA 2 )
BET法で測定した比表面積(SA1)を上記で求めた比表面積(SA2)で除して表面粗度を求めた。
表面処理金平糖状無機酸化物粒子(1)分散液の調製
金平糖状無機酸化物粒子(1)分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度8重量%の金平糖状無機酸化物粒子(1)メタノール分散液を得た。
ついで、固形分濃度8重量%の金平糖状無機酸化物粒子(1)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)2.77gを混合し、ついで、超純水を2.3g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(1)メタノール分散液を調製した。
固形分濃度8重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(1)メタノール分散液100gにN−メチルピロリドン(NMP)8gとプロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGME)192gと、混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)100gを添加し、ついで、25℃で30分間撹拌して、無機酸化物微粒子層形成用固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(1)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(7)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(1)分散液を、実施例1と同様にし調製した不織布(1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布した以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(7)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(7)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(7)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例8]
金平糖状無機酸化物粒子(2)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−45P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径45nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、12℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液850g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウムが0.77質量部に相当)を攪拌しながら4時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分濃度(アルミナ被覆シリカ微粒子)は13.7重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液1199gに純水を加えて、濃度2.9重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液5586gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を27g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分4.0質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分間熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液4246g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が75.6質量部に相当)を7時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状無機酸化物粒子(2)分散液を調製した。
得られた金平糖状無機酸化物粒子(2)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状無機酸化物粒子(2)分散液の調製
実施例1において、金平糖状無機酸化物粒子(2)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(2)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(8)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(2)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(8)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(8)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(8)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例9]
金平糖状無機酸化物粒子(3)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:スフェリカスラリーSS−120、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径120nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液325g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム0.29質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ14.7重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液1316gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を27gのアルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分3.4質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液1067g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が16.0質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状無機酸化物粒子(3)分散液を調製した。
得られた金平糖状無機酸化物粒子(3)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状無機酸化物粒子(3)分散液の調製
実施例1において、金平糖状無機酸化物粒子(3)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(3)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(9)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(3)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(9)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(9)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(9)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例10]
金平糖状無機酸化物粒子(4)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径80nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液78g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム0.07質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ15.2重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液1272gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を30g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分3.7質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液2166g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が32.4質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状無機酸化物粒子(4)分散液を調製した。
得られた金平糖状無機酸化物粒子(4)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状無機酸化物粒子(4)分散液の調製
実施例1において、金平糖状無機酸化物粒子(4)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(4)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(10)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(4)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(10)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(10)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(10)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例11]
金平糖状無機酸化物粒子(5)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径80nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液1344g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム1.20質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ12.9重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液1499gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を30g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分3.7質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液2166g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が32.4質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状無機酸化物粒子(5)分散液を調製した。
得られた金平糖状無機酸化物粒子(5)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状無機酸化物粒子(5)分散液の調製
実施例1において、金平糖状無機酸化物粒子(5)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(5)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(11)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(5)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(11)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(11)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(11)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例12]
金平糖状無機酸化物粒子(6)分散液の調製
実施例8と同様にして固形分濃度が30重量%の金平糖状無機酸化物粒子(2)分散液を調製し、ついで、この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度30重量%の金平糖状無機酸化物粒子(2)メタノール分散液を得た。
ついで、固形分濃度30重量%の金平糖状無機酸化物粒子(2)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)10.39gを混合し、ついで、超純水を2.3g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度30重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(6)メタノール分散液を調製した。
調製した固形分濃度30重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(6)メタノール分散液をロータリーエバポレーターで約50%に濃縮して−10℃で24時間保管後、PGME溶剤にロータリーエバポレーターで置換して固形分濃度8重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(6)PGME分散液を得た。
得られた金平糖状無機酸化物粒子(6)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
なお、金平糖状無機酸化物粒子(6)はSEM観察により金平糖状無機酸化物粒子(2)が概ね3個集合したクラスター粒子であった。
表面処理金平糖状無機酸化物粒子(6)分散液の調製
実施例1において、金平糖状無機酸化物粒子(6)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(6)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(12)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(6)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(12)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(12)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(12)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例13]
金平糖状無機酸化物粒子(7)分散液の調製
実施例8と同様にして固形分濃度が30重量%の金平糖状無機酸化物粒子(2)分散液を調製し、ついで、この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度30重量%の金平糖状無機酸化物粒子(2)メタノール分散液を得た。
ついで、固形分濃度30重量%の金平糖状無機酸化物粒子(2)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)10.39gを混合し、ついで、超純水を2.3g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度30重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(7)メタノール分散液を調製した。
調製した固形分濃度30重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(7)メタノール分散液をロータリーエバポレーターで約53%に濃縮して−10℃で24時間保管後、PGME溶剤にロータリーエバポレーターで置換して固形分濃度8重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(7)PGME分散液を得た。
得られた金平糖状無機酸化物粒子(7)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
なお、金平糖状無機酸化物粒子(7)はSEM観察により金平糖状無機酸化物粒子(2)が概ね6個集合したクラスター粒子であった。
表面処理金平糖状無機酸化物粒子(7)分散液の調製
実施例1において、金平糖状無機酸化物粒子(7)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(7)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(13)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(7)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(13)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(13)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(13)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例14]
金平糖状無機酸化物粒子(8)分散液の調製
実施例8と同様にして固形分濃度が30重量%の金平糖状無機酸化物粒子(2)分散液を調製し、ついで、この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度30重量%の金平糖状無機酸化物粒子(2)メタノール分散液を得た。
ついで、固形分濃度30重量%の金平糖状無機酸化物粒子(8)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)10.39gを混合し、ついで、超純水を2.3g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度30重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(8)メタノール分散液を調製した。
調製した固形分濃度30重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(8)メタノール分散液をロータリーエバポレーターで約55%に濃縮して−10℃で24時間保管後、PGME溶剤にロータリーエバポレーターで置換して固形分濃度8重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(8)PGME分散液を得た。
得られた金平糖状無機酸化物粒子(8)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
なお、金平糖状無機酸化物粒子(8)はSEM観察により金平糖状無機酸化物粒子(2)が概ね8個集合したクラスター粒子であった。
表面処理金平糖状無機酸化物粒子(8)分散液の調製
実施例1において、金平糖状無機酸化物粒子(8)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(8)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(14)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(8)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(14)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(14)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(14)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例15]
球状無機酸化物粒子(9)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−45P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径45nm)を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度30重量%の球状無機酸化物粒子(9)メタノール分散液を得た。ついで、固形分濃度30重量%の球状無機酸化物粒子(9)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)10.39gを混合し、ついで、超純水を2.3g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度30重量%の表面処理球状無機酸化物粒子(9)メタノール分散液を調製した。
調製した固形分濃度30重量%の表面処理球状無機酸化物粒子(9)メタノール分散液をロータリーエバポレーターで約53%に濃縮して−10℃で24時間保管後、PGME溶剤にロータリーエバポレーターで置換して固形分濃度8重量%の表面処理球状無機酸化物粒子(9)PGME分散液を得た。
得られた球状無機酸化物粒子(9)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
なお、球状無機酸化物粒子(9)はSEM観察により球状金属酸化物粒子(2)が概ね6個集合したクラスター粒子であった。
表面処理球状無機酸化物粒子(9)分散液の調製
実施例1において、球状無機酸化物粒子(9)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理球状無機酸化物粒子(9)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(15)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理球状無機酸化物粒子(9)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(15)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(15)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(15)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例16]
水処理用親水性透明被膜付基材(16)の製造
結合材層(a1)形成用塗布液(1)として、実施例1と同様にして調製した結合材層(a2)形成用塗布液(1)を用いた。
固形分濃度0.3重量%のシリカからなる結合材層形成用塗布液(1)を、実施例1と同様にして調製した不織布(1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥した。
ついで、実施例7と同様にして固形分濃度2重量%の固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(1)分散液を、結合材層(a1)上にバーコーター法(#3)で表の膜厚となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥した。
ついで、実施例1と同様にして固形分濃度0.3重量%の結合材層(a2)形成用塗布液(1)を、表面処理金平糖状無機酸化物粒子(1)層上に表の含有量となるようにバーコーター(♯3)で塗布し、80℃で10分間乾燥・硬化して水処理用親水性透明被膜付基材(16)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(16)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(16)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[比較例5]
表面処理球状無機酸化物粒子(R1)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径80nm)を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度8重量%の球状無機酸化物粒子(R1)メタノール分散液を得た。
ついで、固形分濃度8重量%の球状無機酸化物粒子(R1)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)2.77gを混合し、ついで、超純水を2.3g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理球状無機酸化物粒子(R1)メタノール分散液を調製した。
固形分濃度8重量%の表面処理球状無機酸化物粒子(1)メタノール分散液100gにN−メチルピロリドン(NMP)8gとプロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGME)192gと、混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)100gを添加し、ついで、25℃で30分間撹拌して、無機酸化物微粒子層形成用固形分濃度2重量%の表面処理球状無機酸化物粒子(R1)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R5)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理球状無機酸化物粒子(R1)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(R5)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R5)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(R5)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[比較例6]
金平糖状無機酸化物粒子(R2)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−550、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径5nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液111428g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム100質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ1.7重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液11377をロータリーエバポレーターで濃縮して、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を201g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分25質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液40292g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が500質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状無機酸化物粒子(R2)分散液を調製した。
得られた金平糖状無機酸化物粒子(R2)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度(SA1)/(SA2)を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状無機酸化物粒子(R2)分散液の調製
実施例1において、金平糖状無機酸化物粒子(R2)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(R2)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R6)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(R2)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(R6)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R6)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(R6)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[比較例7]
金平糖状無機酸化物粒子(R3)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:スフェリカスラリーSS−300、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径300nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液123g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム0.11質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ15.1重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液1281gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を23g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分2.8質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液331g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が5質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状無機酸化物粒子(R3)分散液を調製した。
得られた金平糖状無機酸化物粒子(R3)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度(SA1)/(SA2)を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状無機酸化物粒子(R3)分散液の調製
実施例1において、金平糖状無機酸化物粒子(R3)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(R3)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R7)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(R3)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(R7)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R7)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(R7)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[比較例8]
金平糖状無機酸化物粒子(R4)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径80nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液11g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム0.01質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ15.3重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液1264gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を30g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分3.7質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液2166g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が32.4質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状無機酸化物粒子(R4)分散液を調製した。
得られた金平糖状無機酸化物粒子(R4)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度(SA1)/(SA2)を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状無機酸化物粒子(R4)分散液の調製
実施例1において、金平糖状無機酸化物粒子(R4)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(R4)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R8)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(R4)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(R8)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R8)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(R8)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[比較例9]
金平糖状無機酸化物粒子(R5)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径80nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液6238g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム5.57質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ8.3重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液2330gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を30g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分3.7質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液2166g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が32.4質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状無機酸化物粒子(R5)分散液を調製した。
得られた金平糖状無機酸化物粒子(R5)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度(SA1)/(SA2)を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状無機酸化物粒子(R5)分散液の調製
実施例1において、金平糖状無機酸化物粒子(R5)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(R5)分散液を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R9)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状無機酸化物粒子(R5)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性透明被膜付基材(R9)を製造した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R9)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(R9)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例17]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(1)分散液の調製
正電荷を有する基体用無機酸化物粒子(A-1)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、平均粒子径80nm、表面電位−60mV、SiO2濃度20重量%、pH10.2)750gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS(株)製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌した。
ついで、陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、30℃で0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離して、SiO2濃度20重量%の精製シリカゾル750gを調製した。
ついで、精製シリカゾル750gにポリ塩化アルミニウム(多木化学(株)製:タキバイン#1000、Al23濃度23.55重量%)5.1gを添加し、常温で0.5時間撹拌した。ついで、純水2903gを添加して希釈してSiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用無機酸化物粒子(A-1)分散液3658gを調製した。基体用無機酸化物粒子(A-1)分散液のpHは3.7であった。
基体用無機酸化物粒子(A-1)の表面電位を測定し、結果を表に示す。
ついで、SiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用無機酸化物粒子(A-1)分散液3659gに、被覆用無機酸化物粒子(B-1)としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSN−350、平均粒子径7nm、表面電位−23mV、SiO2濃度16.6重量%、pH3.7)294gを混合し、30℃で0.5時間攪拌した。このとき、混合分散液のSiO2濃度5.0重量%、pHは3.5であった。工程(m)
ついで、混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO2濃度10重量%のシリカからなるヒマワリ状無機酸化物粒子(1)分散液を調製した。ヒマワリ状無機酸化物粒子(1)分散液のpHは9.0であった。工程(n)
得られたヒマワリ状無機酸化物粒子(1)について、平均粒子径および被覆率を求め、結果を表に示す。
なお、実施例17における被覆率の計算過程を以下に示す。
(D C1 =80nm、(D C2 =7nm、(S)=39.1m/g
金属酸化物粒子1個当たりの表面積=4π・[(80/2)x10−9+(7/2))x10−9=2.4x10−14/個
単位g当たりの基体用無機酸化物粒子(A−1)の粒子数=1/[4/3xπx(80/2x10−7x2.2]=1.7x1015個 (シリカの密度は2.2)
(S)=2.38x10−14/個x1.7x1015個/g=40.3m/g
被覆率=(39.1m/g−34m/g)/(40.3m/g−34m/g)=80.7%
水処理用親水性被膜付基材(17)の製造
実施例1と同様にして調製した不織布(1)を、固形分濃度2.0重量%となるように純水で希釈したヒマワリ状無機酸化物粒子(1)分散液に1分間ディッピングした後、4mm/secで引き上げた。その後80℃にて30分乾燥した。工程(b)
ついで、固形分濃度0.3重量%のシリカからなる結合材層(a2)形成用塗布液(1)に1分間ディッピングし、ついで、4mm/secで引き上げた。ついで80℃にて30分乾燥した。工程(c)
さらに、150℃にて30分加熱処理し、水処理用親水性性被膜付基材(17)を調製した。工程(d)
水処理用親水性透明被膜付基材(17)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(17)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例18]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(2)分散液の調製
実施例17と同様にして調製した固形分濃度10重量%の無機酸化物粒子(1)分散液に、濃度3重量%の酢酸水溶液1.8gを添加して分散液のpHを5.5に調整し、30℃で1時間撹拌した。
ついで、分散液を遠心分離法で分離し、粒子を120℃で15時間乾燥してヒマワリ状無機酸化物粒子(2)を調製した。
得られたヒマワリ状無機酸化物粒子(2)について、平均粒子径および被覆率を測定し、結果を表に示す。
ついで、水に分散して、固形分濃度2重量%のヒマワリ状無機酸化物粒子(2)分散液を調製した。
水処理用親水性被膜付基材(18)の製造
実施例1において、固形分濃度2.0重量%のヒマワリ状無機酸化物粒子(2)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性被膜付基材(18)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(18)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(18)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例19]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(3)分散液の調製
実施例18と同様にして調製したヒマワリ状無機酸化物粒子(2)を1000℃で2時間焼成した後、固形分濃度10重量%のヒマワリ状無機酸化物粒子(3)分散液とし、0.5mmφガラスメジア1015gを充填したサンドミル分散機(シンマルエンタープライゼス(株)製)にて3時間解砕し、ついで、高速遠心分離機(日立製作所(株)製)にて2000rpmで3分間分離して、水を加えて、固形分濃度2重量%のヒマワリ状無機酸化物粒子(3)分散液を調製した。
得られたヒマワリ状無機酸化物粒子(3)について、平均粒子径および被覆率を測定し、結果を表に示す。
水処理用親水性被膜付基材(19)の製造
実施例1において、固形分濃度2.0重量%のヒマワリ状無機酸化物粒子(3)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性被膜付基材(19)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(19)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(19)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例20]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(4)分散液の調製
実施例17と同様にして調製したSiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用無機酸化物粒子(A-1)分散液3659gに、実施例17で用いた被覆用無機酸化物粒子(B-1)としてのシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSN−350、平均粒子径7nm、表面電位−23mV、SiO2濃度16.6重量%、pH3.7)184gを混合し、30℃で0.5時間攪拌した。このとき、混合分散液のSiO2濃度4.7重量%、pHは3.5であった。工程(m)
ついで、混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO2濃度10重量%のシリカからなるヒマワリ状無機酸化物粒子(4)分散液を調製した。ヒマワリ状無機酸化物粒子(4)分散液のpHは9.0であった。工程(n)
得られたヒマワリ状無機酸化物粒子(4)について、平均粒子径および被覆率を求め、結果を表に示す。
水処理用親水性被膜付基材(20)の製造
実施例1において、固形分濃度2.0重量%となるように純水で希釈したヒマワリ状無機酸化物粒子(4)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性被膜付基材(20)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(20)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(20)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例21]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(5)分散液の調製
実施例17と同様にして調製したSiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用無機酸化物粒子(A-1)分散液3659gに、実施例17で用いた被覆用無機酸化物粒子(B-1)としてのシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSN−350、平均粒子径7nm、表面電位−23mV、SiO2濃度16.6重量%、pH3.7)367gを混合し、30℃で0.5時間攪拌した。このとき、混合分散液のSiO2濃度5.2量%、pHは3.5であった。工程(m)
ついで、混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO2濃度10重量%のシリカからなるヒマワリ状無機酸化物粒子(5)分散液を調製した。ヒマワリ状無機酸化物粒子(5)分散液のpHは9.0であった。工程(n)
得られたヒマワリ状無機酸化物粒子(5)について、平均粒子径および被覆率を求め、結果を表に示す。
水処理用親水性被膜付基材(21)の製造
実施例1において、固形分濃度2.0重量%となるように純水で希釈したヒマワリ状無機酸化物粒子(5)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性被膜付基材(21)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(21)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(21)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例22]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(6)分散液の調製
正電荷を有する基体用金属酸化物粒子(A-2)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI―45P、平均粒子径45nm、表面電位−60mV、SiO2濃度20重量%、pH10.2)750gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS(株)製:デュオライト)150gを混合し、30℃で0.5時間撹拌した。
ついで、陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離して、SiO2濃度20重量%の精製シリカゾル750gを調製した。
ついで、精製シリカゾル750gにポリ塩化アルミニウム(多木化学(株)製:タキバイン#1000、Al23濃度23.55重量%)9.2gを添加し、常温で0.5時間撹拌した。ついで、純水2903gを添加して希釈したSiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用無機酸化物粒子(A-2)分散液3662gを調製した。基体用無機酸化物粒子(A-2)の表面電位を測定し、結果を表に示す。
ついで、SiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用無機酸化物粒子(A-2)分散液3662gに、シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSN−350、平均粒子径7nm、表面電位−23mV、SiO2濃度16.6重量%、pH3.7)595gを混合した。このとき、混合分散液のpHは3.5であった。工程(m)
ついで、混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO2濃度10重量%のシリカからなるヒマワリ状無機酸化物粒子(6)分散液を調製した。ヒマワリ状無機酸化物粒子(6)分散液のpHは9.0であった。工程(n)
得られたヒマワリ状無機酸化物粒子(6)について、平均粒子径および被覆率を求め、結果を表に示す。
水処理用親水性被膜付基材(22)の製造
実施例1において、固形分濃度2.0重量%となるように純水で希釈したヒマワリ状無機酸化物粒子(6)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性被膜付基材(22)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(22)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(22)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例23]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(7)分散液の調製
正電荷を有する基体用金属酸化物粒子(A-3)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:スフェリカスラリー120、平均粒子径120nm、表面電位−65mV、SiO2濃度18重量%、pH10.2)833gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS(株)製:デュオライト)150gを混合し、30℃で0.5時間撹拌した。ついで、陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離して、SiO2濃度20重量%の精製シリカゾル833gを調製した。
ついで、精製シリカゾル833gにポリ塩化アルミニウム(多木化学(株)製:タキバイン#1000、Al23濃度 23.55 重量%)3.5gを添加し、常温で0.5時間撹拌した。ついで、純水2826gを添加して希釈してSiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用無機酸化物粒子(A-3)分散液3659gを調製した。基体用無機酸化物粒子(A-3)の表面電位を測定し、結果を表に示す。
ついで、SiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用無機酸化物粒子(A-3)分散液3659gに、シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSN−350、平均粒子径7nm、表面電位−23mV、SiO2濃度16.6重量%、pH3.7)185gを混合した。このとき、混合分散液のpHは3.5であった。工程(m)
ついで、混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO2濃度10重量%のシリカからなるヒマワリ状無機酸化物粒子(7)分散液を調製した。ヒマワリ状無機酸化物粒子(7)分散液のpHは9.0であった。工程(n)
得られたヒマワリ状無機酸化物粒子(7)について、平均粒子径および被覆率を求め、結果を表に示す。
水処理用親水性被膜付基材(23)の製造
実施例1において、固形分濃度2.0重量%となるように純水で希釈したヒマワリ状無機酸化物粒子(7)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性被膜付基材(23)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(23)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(23)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例24]
ヒマワリ状無機酸化物粒子粒子(8)の製造
正電荷を有する被覆用無機酸化物粒子(B-2)の調製
硫酸セリウム(III)八水和物17.5gおよび蒸留水1765.8gを5L容器に入れ、攪拌して溶解した。引き続き攪拌しながら温度を93℃に昇温し、1.0%水酸化ナトリウム水溶液1255gの全量を一度に加え、攪拌しながら温度93℃で6時間維持した。次に30℃以下に冷却したところ、白色沈殿が得られた。この溶液のpHは10.0であった。この溶液を遠心分離装置を用いて、14000rpmで10分間処理した後、上澄み液を除去した。白色沈殿に蒸留水2884.5gを加え、更に遠心分離装置で、14000rpmで10分間処理した。この操作を合計3回行って、沈殿物を洗浄してセリア微粒子分散液(CeO2濃度2.1重量%、pH10.0)を調製した。得られたセリア微粒子は単分散で平均粒子径は5nmであった。
ついで、セリア微粒子分散液3571.4gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS(株)製:デュオライト)75.0gを混合し、30℃で0.5時間撹拌し、被覆用無機酸化物粒子(B-2)分散液を調製した。
被覆用無機酸化物粒子(B-2)分散液のpHは3.0であった。また被覆用無機酸化物粒子(B-2)の表面電位、平均粒子径を測定し、結果を表に示す。
負電荷を有する基体用無機酸化物粒子(A-4)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、平均粒子径80nm、表面電位−60mV、SiO2濃度20重量%、pH10.2)750gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS(株)製:デュオライト)150gを混合し、30℃で0.5時間撹拌した。陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、30℃で0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離して、SiO2濃度20重量%の精製シリカゾル750gを調製した。これを4.1重量%に希釈し基体用無機酸化物粒子(A-4)分散液を調製した。このときのpHは3.5であった。基体用無機酸化物粒子(A-4)の表面電位を測定し、結果を表に示す。
ついで、基体用無機酸化物粒子(A-4)分散液3659gに、被覆用無機酸化物粒子(B-2)分散液3571.4gを混合し、30℃で0.5時間攪拌した。このとき、混合分散液のpHは3.2であった。工程(n)
以下、実施例17と同様に工程(b)を実施してSiO2濃度10重量%のヒマワリ状無機酸化物粒子粒子(10)分散液を製造した。工程(b)
得られたヒマワリ状無機酸化物粒子(8)について、平均粒子径および被覆率を求め、結果を表に示す。
水処理用親水性被膜付基材(24)の製造
実施例1において、固形分濃度2.0重量%となるように純水で希釈したヒマワリ状無機酸化物粒子(8)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性被膜付基材(24)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(24)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(24)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例25]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(9)分散液の調製
正電荷を有する被覆用無機酸化物粒子(B-3)の調製
アルミナゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドAP−5、平均粒子径60nm、表面電位55mV、Al23濃度78重量%、pH4.5)82.7gおよび純水580.5gをサンドミル(シンマルエンタープライゼス(株)製:ガラスビーズ0.5mmφ1100g)にて2160rpmで180分間解砕してアルミナからなる被覆用無機酸化物粒子(B-3)分散液を調製した。
被覆用無機酸化物粒子(B-3)分散液のpHは4.0であった。また被覆用無機酸化物粒子(B-3)の表面電位、平均粒子径を測定し、結果を表に示す。
ついで、実施例8と同様にして調製したSiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用無機酸化物粒子(A-4)分散液3659gに、被覆用無機酸化物粒子(B-3)分散液672.6gを混合し、30℃で0.5時間攪拌した。このとき、混合分散液のpHは3.6であった。工程(m)
以下、実施例17と同様に工程(n)を実施してSiO2濃度10重量%のヒマワリ状無機酸化物粒子(9)分散液を製造した。工程(n)
得られたヒマワリ状無機酸化物粒子(9)について、平均粒子径および被覆率を求め、結果を表に示す。
水処理用親水性被膜付基材(25)の製造
実施例1と同様にして調製した不織布(1)に、実施例1で調製した固形分濃度0.3重量%のシリカからなる結合材層形成用塗布液(1)に1分間ディッピングし、ついで、4mm/secで引き上げ、ついで60℃にて10分乾燥した。
その後固形分濃度2.0重量%に純水を用いて希釈した金属酸化物粒子(9)分散液に1分間ディッピングした後、4mm/secで引き上げた。その後80℃にて30分乾燥した。
その後150℃にて30分加熱処理し水処理用撥水性被膜付基材(25)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(25)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(25)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例26]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(10)分散液の調製
実施例17と同様にして調製したSiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用無機酸化物粒子(A-1)分散液3659gに、被覆用無機酸化物粒子(B-4)としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSN、平均粒子径5nm、表面電位−20mV、SiO2濃度20.0重量%、pH3.8)122gを混合し、30℃で0.5時間攪拌した。このとき、混合分散液のSiO2濃度5.0重量%、pHは3.5であった。工程(m)
ついで、混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、30℃で0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO2濃度10重量%のシリカからなるヒマワリ状無機酸化物粒子(10)分散液を調製した。ヒマワリ状無機酸化物粒子(10)分散液のpHは9.0であった。工程(n)
得られたヒマワリ状無機酸化物粒子(10)について、平均粒子径および被覆率を求め、結果を表に示す。
水処理用親水性被膜付基材(26)の製造
実施例1において、固形分濃度2.0重量%に純水を用いて希釈したヒマワリ状無機酸化物粒子(10)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性被膜付基材(26)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(26)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(26)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例27]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(11)分散液の調製
被覆用無機酸化物粒子(B-5)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−50、平均粒子径25nm、表面電位−51mV、SiO2濃度48.0重量%、pH10.2)833gを純水を用いて20%に希釈した。この溶液に陽イオン交換樹脂(ROHMHARS(株)製:デュオライト)150gを混合し、30℃で0.5時間撹拌した。ついで、陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、30℃で0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離して、SiO2濃度20重量%の被覆用無機酸化物粒子(B-5)分散液を調製した。このときのpHは3.8で表面電位は−20mVであった。
ついで、実施例17と同様にして調製したSiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用無機酸化物粒子(A-1)分散液3659gに、被覆用無機酸化物粒子(B-5)520gを混合し、30℃で0.5時間攪拌した。このとき、混合分散液のSiO2濃度6.0重量%、pHは3.5であった。工程(m)
混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO2濃度10重量%のシリカからなるヒマワリ状無機酸化物粒子(11)分散液を調製した。ヒマワリ状無機酸化物粒子(11)分散液のpHは9.0であった。工程(n)
得られたヒマワリ状無機酸化物粒子(11)について、被覆率を求め、結果を表に示す。
水処理用親水性被膜付基材(27)の製造
実施例1において、固形分濃度2.0重量%に純水を用いて希釈したヒマワリ状無機酸化物粒子(11)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性被膜付基材(27)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(27)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(27)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[実施例28]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(12)分散液の調製
正電荷を有する基体用無機酸化物粒子(A-5)分散液の調製
実施例17の正電荷を有する基体用無機酸化物粒子(A-1)の調製において、精製シリカゾル750gにポリ塩化アルミニウム(多木化学(株)製:タキバイン#1000、Al23濃度23.55重量%)5.1gを添加し、常温で0.5時間撹拌した後、水熱処理を80℃にて3時間行った以外は同様にしてSiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用無機酸化物粒子(A-5)分散液3659gを調製した。基体用無機酸化物粒子(A-5)分散液のpHは3.7であった。基体用無機酸化物粒子(A-5)の表面電位を測定し、結果を表に示す。
ついで、SiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用無機酸化物粒子(A-5)分散液3659gに、被覆用無機酸化物粒子(B-1)として実施例1で用いたと同じシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSN−350、平均粒子径7nm、表面電位−23mV、SiO2濃度16.6重量%、pH3.7)367gを混合し、ついで、混合分散液を150℃で3時間水熱処理した後、30℃に冷却した。このとき、混合分散液のSiO2濃度5.2重量%、pHは3.5であった。工程(m)
ついで、混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、30℃で0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO2濃度10重量%のシリカからなるヒマワリ状無機酸化物粒子(12)分散液を調製した。ヒマワリ状無機酸化物粒子(12)分散液のpHは9.0であった。工程(n)
得られたヒマワリ状無機酸化物粒子(12)について、平均粒子径および被覆率を求め、結果を表に示す。
水処理用親水性被膜付基材(28)の製造
実施例1において、固形分濃度2.0重量%に純水を用いて希釈したヒマワリ状無機酸化物粒子(12)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性親水性被膜付基材(28)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(28)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(28)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[比較例10]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(R1)分散液の調製
実施例17と同様にして調製した基体用金属酸化物粒子(A-1)分散液に純水を加えて固形分濃度2重量%のヒマワリ状無機酸化物粒子(R1)分散液を調製した。
水処理用親水性被膜付基材(R10)の製造
実施例1において、固形分濃度2.0重量%のヒマワリ状無機酸化物粒子(R10)分散液を用いた以外は同様にして水処理用撥水性被膜付基材(R10)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R10)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(R10)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[比較例11]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(R2)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SN−350、平均粒子径7nm、SiO2濃度16.6重量%、表面電位−23mV、pH3.7)に水を加えて固形分濃度2重量%のシリカゾルを調製した。
ついで、比較例1と同様にして調製した固形分濃度2重量%のヒマワリ状無機酸化物粒子(R1)分散液と同量混合して固形分濃度2重量%のヒマワリ状無機酸化物粒子(R2)分散液を調製した。
水処理用親水性被膜付基材(R11)の製造
実施例1において、固形分濃度2.0重量%のヒマワリ状無機酸化物粒子(R2)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性被膜付基材(R11)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R11)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(R11)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[比較例12]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(R3)分散液の調製
正電荷を有する基体用無機酸化物粒子(RA-3)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−50、平均粒子径25nm、表面電位−51mV、SiO2濃度48.0重量%、pH10.2)833gを純水を用いて20%に希釈した。この溶液に陽イオン交換樹脂(ROHMHARS(株)製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌した。ついで、陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離して、SiO2濃度20重量%の基体用無機酸化物粒子(RA-1)を調製した。このときのpHは3.8で表面電位は−20mVであった。
ついで、ポリ塩化アルミ(多木化学(株)製:タキバイン#1000、Al23濃度23.55重量%)5.1gを添加して固形分濃度20重量%の基体用無機酸化物粒子(RA-3)分散液を調製した。このとき、分散液のpHは3.7となった。
得られた基体用無機酸化物粒子(RA-3)の平均粒子径および表面電位を測定し、結果を表に示す。
ついで、固形分濃度20重量%の基体用無機酸化物粒子(RA-3)分散液750gに純水2908gを加えて希釈して固形分濃度4.1重量%に調整し、ついで、被覆用無機酸化物微粒子としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SN−350、平均粒子径7nm、SiO2濃度16.6重量%、表面電位−23mV、pH3.7)241.0gを混合し、30℃で0.5時間攪拌した。
このとき、混合分散液の固形分濃度は4.8重量%、pHは3.5であった。工程(m)
ついで、混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、30℃で0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO2濃度10重量%のシリカからなるヒマワリ状無機酸化物粒子(R3)分散液を調製した。ヒマワリ状無機酸化物粒子(R3)分散液のpHは9.0であった。
得られたヒマワリ状無機酸化物粒子(R3)について、平均粒子径および被覆率を求め、結果を表に示す。
水処理用親水性被膜付基材(R12)の製造
実施例1において、純水にて固形分濃度2.0重量%に希釈したヒマワリ状無機酸化物粒子(R3)分散液を用いた以外は同様にして水処理用親水性被膜付基材(R12)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R3)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(R12)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。
[比較例13]
ヒマワリ状無機酸化物粒子(R4)分散液の調製
正電荷を有する基体用無機酸化物粒子(RA-4)の調製
シリカ粒子(日揮触媒化成(株)製:真絲球SW−1.0、平均粒子径1000nm、SiO2濃度100重量%)に純水を加えてSiO2濃度4.1重量%のシリカ粒子分散液3657gを調製した。このとき、シリカ粒子の表面電位は−70mV、分散液のpHは6.0であった。
ついで、ポリ塩化アルミ(多木化学(株)製:タキバイン#1000、Al23濃度23.55重量%)2.1gを添加して固形分濃度20重量%の基体用金属酸化物粒子(RA-4)分散液を調製した。このとき、分散液のpHは3.7となった。得られた基体用金属酸化物粒子(R4)の平均粒子径および表面電位を測定し、結果を表に示す。
ついで、被覆用金属酸化物微粒子としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SN−350、平均粒子径7nm、SiO2濃度16.6重量%、表面電位−23mV、pH3.7)1.88gを混合し、30℃で0.5時間攪拌した。このとき、混合分散液の固形分濃度は4.1重量%、pHは3.7であった。
混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO2濃度10重量%のシリカからなる金属酸化物粒子(R4)分散液を調製した。金属酸化物粒子(R4)分散液のpHは9.0であった。
得られた金属酸化物粒子(R4)について、平均粒子径および被覆率を測定し、結果を表
に示す。
水処理用撥水性被膜付基材(R13)の製造
実施例1において、固形分濃度2.0重量%の金属酸化物粒子(R4)分散液を用いた以外は同様にして水処理用撥水性被膜付基材(R13)を調製した。
水処理用親水性透明被膜付基材(R13)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、密着性を測定し、結果を表に示す。また、親水性についても実施例1と同様にして測定し、結果を表に示す。
水処理試験
実施例1において、水処理用撥水性透明被膜付基材(R13)を用いた以外は同様にして水処理試験を行い、結果を表に示す。密着性、親水性を測定し、結果を表に示す。

Claims (17)

  1. 基材、および該基材表面の親水性透明被膜を含み、
    該親水性透明被膜が、無機酸化物微粒子を含む無機酸化物微粒子層と、該無機酸化物微粒子層上の結合材層(a2)とを含み、
    親水性透明被膜表面が凹凸構造を有し、該凸部の平均高さ(TF)が30〜500nm、平均凸部間距離(ピッチ幅)(WF)が50〜1000nmであり、
    前記凹凸構造の凸部の表面がさらに微細凹凸を有し、該微細凸部の平均高さ(TFF)が3〜50nm、該微細凸部の平均凸部間距離(WFF)が、前記凸部の平均凸部間距離(WF)よりも小さく、3〜50nmであり、
    前記無機酸化物微粒子の形状が板状、繊維状、鎖状、金平糖状、クラスター状、ヒマワリ状のいずれかであり、
    前記板状の無機酸化物微粒子の平均粒子径(DP)が10〜300nm、平均厚み(TP)が1〜60nm、前記平均粒子径(DP)と前記平均厚み(TP)との比(DP)/(TP)が1.5〜50であり、
    前記繊維状の無機酸化物微粒子の平均長さ(LF)が10〜500nm、平均粒子幅(WPF)が1〜100nm、前記平均長さ(LF)と前記平均粒子幅(WPF)との比(LF)/(WPF)が1.5〜50あり、
    前記鎖状の無機酸化物微粒子が、平均粒子径(DC)が5〜50nmの一次微粒子が鎖状に2〜100個連結した微粒子であり、平均長さ(LC)が20〜500nm、前記平均長さ(LC)と前記平均粒子径(DC)との比(LC)/(DC)が2〜50であり、
    前記金平糖状の無機酸化物微粒子が、前記無機酸化物微粒子の表面に疣状突起を有する無機酸化物微粒子であって、画像解析法により測定された平均粒子径(DA)が10〜150nmであり、
    前記クラスター状の無機酸化物微粒子が平均粒子径(DB1)が10〜150nmの無機酸化物粒子一次粒子の集合体粒子(二次粒子)であり、該二次粒子の平均粒子径(DB2)が20〜500nmであり、
    前記ヒマワリ状の無機酸化物微粒子が基体用無機酸化物粒子(A)の表面を被覆用無機酸化物微粒子(B)で被覆された無機酸化物微粒子であり、前記基体用無機酸化物粒子(A)が球状粒子であり、平均粒子径(DC1)が40〜600nm、前記被覆用無機酸化物微粒子(B)の平均粒子径(DC2)が4〜60nmであって、
    水との接触角が20°以下であることを特徴とする水濾過用親水性透明被膜付基材。
  2. 前記平均高さ(TF)と前記平均凸部間距離(WF)との比(TF)/(WF)が0.1〜10であることを特徴とする請求項1に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材。
  3. 前記結合材層(a2)の含有量が前記無機酸化物微粒子層中の無機酸化物微粒子を酸化物(固形分)として100重量部に対し結合材を酸化物(固形分)として1〜200重量部であることを特徴とする請求項1に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材。
  4. 前記基材と前記無機酸化物微粒子層との間に結合材層(a1)を有することを特徴とする請求項1に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材。
  5. 前記板状の無機酸化物微粒子が板状アルミナ微粒子または板状シリカ・アルミナ微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材。
  6. 前記繊維状の無機酸化物微粒子が繊維状アルミナ微粒子または繊維状シリカ・アルミナ微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材。
  7. 前記鎖状の無機酸化物微粒子が鎖状シリカ微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材。
  8. 前記金平糖状の無機酸化物微粒子、前記クラスター状の無機酸化物微粒子、前記ヒマワリ状の無機酸化物微粒子がSiO2、Al23、Sb25、ZrO2、TiO2、Fe23、CeO2、およびこれらの複合酸化物または混合物(但し、前記ヒマワリ状の無機酸化物微粒子の前記基体用無機酸化物粒子(A)および前記被覆用無機酸化物微粒子(B)は同一であってもよい。)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材。
  9. 前記無機酸化物微粒子が下記式(1)で表される加水分解性有機ケイ素化合物で表面処理されていることを特徴とする請求項1に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材。
    SiX4 (1)
    (但し、式中、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素)
  10. 前記結合材層(a2)が下記式(2)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物からなることを特徴とする請求項1に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材。
    n−SiX4-n (2)
    (但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、nは0〜1の整数)
  11. 前記結合材層(a1)が下記式(2)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物からなることを特徴とする請求項4に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材。
    n−SiX4-n (2)
    (但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、nは0〜1の整数)
  12. 水との接触角が20°以下である水濾過用親水性透明被膜付基材の製造方法が、
    (b)基材上に、無機酸化物微粒子を含む無機酸化物微粒子分散液を塗布して、前記無機酸化物微粒子を含む無機酸化物微粒子層を形成する工程、
    (c)前記無機酸化物微粒子層上に、結合材層(a2)形成用塗布液を塗布して結合材層(a2)を形成する工程、
    (d)加熱処理する工程、
    の工程を含み、
    前記水濾過用親水性透明被膜付基材の表面が凹凸構造を有し、該凸部の平均高さ(TF)が30〜500nm、平均凸部間距離(ピッチ幅)(WF)が50〜1000nmであり、
    前記凹凸構造の凸部の表面がさらに微細凹凸を有し、該微細凸部の平均高さ(TFF)が3〜50nm、該微細凸部の平均凸部間距離(WFF)が、前記凸部の平均凸部間距離(WF)よりも小さく、3〜50nmであり、
    前記無機酸化物微粒子の形状が板状、繊維状、鎖状、金平糖状、クラスター状、ヒマワリ状のいずれかであり、
    前記板状の無機酸化物微粒子の平均粒子径(DP)が10〜300nm、平均厚み(TP)が1〜60nm、前記平均粒子径(DP)と前記平均厚み(TP)との比(DP)/(TP)が1.5〜50であり、
    前記繊維状の無機酸化物微粒子の平均長さ(LF)が10〜500nm、平均粒子幅(WPF)が1〜100nm、前記平均長さ(LF)と前記平均粒子幅(WPF)との比(LF)/(WPF)が1.5〜50であり、
    前記鎖状の無機酸化物微粒子が、平均粒子径(DC)が5〜50nmの一次微粒子が鎖状に2〜100個連結した微粒子であり、平均長さ(LC)が20〜500nm、前記平均長さ(LC)と前記平均粒子径(DC)との比(LC)/(DC)が2〜50であり、
    前記金平糖状の無機酸化物微粒子が、前記無機酸化物微粒子の表面に疣状突起を有する無機酸化物微粒子であって、画像解析法により測定された平均粒子径(DA)が10〜150nmであり、
    前記クラスター状の無機酸化物微粒子が平均粒子径(DB1)が10〜150nmの無機酸化物粒子一次粒子の集合体粒子(二次粒子)であり、該二次粒子の平均粒子径(DB2)が20〜500nmであり、
    前記ヒマワリ状の無機酸化物微粒子が基体用無機酸化物粒子(A)の表面を被覆用無機酸化物微粒子(B)で被覆された無機酸化物微粒子であり、前記基体用無機酸化物粒子(A)が球状粒子であり、平均粒子径(DC1)が40〜600nm、前記被覆用無機酸化物微粒子(B)の平均粒子径(DC2)が4〜60nm、
    であることを特徴とする水濾過用親水性透明被膜付基材の製造方法。
  13. 前記工程(b)の前に、下記の工程(a)を行うことを特徴とする請求項12に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材の製造方法;
    (a)基材表面に結合材層(a1)形成用塗布液を塗布して結合材層(a1)を形成する工程。
  14. 前記工程(b)において、無機酸化物微粒子が酸化物として0.1〜10重量%の濃度の無機酸化物微粒子分散液を使用することを特徴とする請求項12に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材の製造方法。
  15. 前記工程(b)にて形成した無機酸化物微粒子層中の無機酸化物微粒子100重量部に対して、酸化物換算で1〜200重量部となるように結合材層(a2)形成用塗布液を用いることを特徴とする請求項12に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材の製造方法。
  16. 前記工程(a)において、前記工程(b)にて形成する無機酸化物微粒子層中の無機酸化物微粒子100重量部に対して、酸化物換算で1〜200重量部となるように結合材層(a1)形成用塗布液を用いることを特徴とする請求項13に記載の水濾過用親水性透明被膜付基材の製造方法。
  17. 請求項1〜11のいずれかに記載の水濾過用親水性透明被膜付基材を使用した水処理用部材。
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