JP6323011B2 - 多層基板 - Google Patents

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Description

本発明は、貫通ビアを有するコア層の表裏両面にビルドアップ層を積層してなる多層基板に関し、たとえば、自動車用の電子装置等を構成する基板に用いて好適である。
従来のこの種の多層基板としては、電気絶縁性の樹脂よりなるコア層と、コア層の表面を覆うように当該表面に配置された電気絶縁性の表面側ビルドアップ層と、コア層の裏面を覆うように当該裏面に配置された電気絶縁性の裏面側ビルドアップ層と、を備えたものが一般的である。ここで、上記コア層および各ビルドアップ層は、一般に無機フィラー入りのエポキシ樹脂や、このような樹脂をベースとするプリプレグ等よりなる。
そして、表面側ビルドアップ層におけるコア層と反対側の一面には、パターニングされた表面配線が形成され、裏面側ビルドアップ層におけるコア層と反対側の一面には、パターニングされた裏面配線が形成されている。これら表面配線や裏面配線は、通常の配線の用途の他にも、部品搭載用のランド、あるいは、外部との電気的あるいは熱的な接続を行う接続電極等としても構成されるものである。
そして、コア層には、当該コア層の板厚方向に貫通する貫通ビアが設けられ、この貫通ビアを介して、少なくとも一部の表面配線と裏面配線とが電気的に接続されている。この貫通ビアは、コア層の板厚方向に貫通する貫通孔、当該貫通孔の内壁面に形成されたCu導体膜、および、当該貫通孔内に充填された電気絶縁性の充填樹脂よりなる。
このような貫通ビアにおける充填樹脂としては、従来では一般に、無機フィラー入りのエポキシ樹脂等が採用されている(特許文献1参照)。
特開平11−140280号公報
しかしながら、上記従来の多層基板においては、たとえば貫通孔への充填樹脂の印刷性を重視する等の理由から、充填樹脂中の無機フィラーの比率を低く抑えていた。そのため基板厚さ方向において、充填樹脂の線膨張係数α3は、その周囲部材の線膨張係数、具体的には、コア層を構成する樹脂の線膨張係数α1やCu導体膜の線膨張係数α2と比較して大きいものとされていた。
それにより、たとえば多層基板が自動車に搭載された場合の使用環境下において、充填樹脂の熱による基板厚さ方向への伸縮度合が、その周囲部材よりも大きくなる。そうすると、貫通ビアの直上および直下さらには近傍に位置する表面配線および裏面配線に対して引っ張り応力や圧縮応力が発生し、表面配線および裏面配線にダメージが生じる。
また、多層基板において、表面配線や裏面配線がモールド樹脂やソルダーレジストで封止されている場合には、当該配線に発生する上記応力により、モールド樹脂やソルダーレジストと当該配線との間で剥離が発生しやすくなる。
さらには、貫通ビアにおいて、Cu導体膜と充填樹脂との線膨張係数差が大きいものとなるので、冷熱サイクル時に、これらCu導体膜と充填樹脂との間で剥離が発生しやすくなる。
このように、従来では、貫通ビアにおける充填樹脂とその周囲部材との線膨張係数差により発生する応力によって、上記した配線へのダメージや剥離といった多層基板へのダメージが問題となっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、貫通ビアを有するコア層の表裏両面にビルドアップ層を積層してなる多層基板において、貫通ビアにおける充填樹脂とその周囲部材との線膨張係数差により発生する応力を低減し、基板へのダメージを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、表面(20a)および裏面(20b)を有する電気絶縁性の樹脂よりなるコア層(20)と、コア層の表面を覆うように当該表面に配置され、コア層と反対側の一面(30a)にパターニングされた表面配線(61〜63)が形成された電気絶縁性の表面側ビルドアップ層(30)と、コア層の裏面を覆うように当該裏面に配置され、コア層と反対側の一面(40a)にパターニングされた裏面配線(71、72)が形成された電気絶縁性の裏面側ビルドアップ層(40)と、コア層に設けられ、当該コア層の板厚方向に貫通する貫通孔(81a)、当該貫通孔の内壁面に形成されたCu導体膜(81b)、および、当該貫通孔内に充填された電気絶縁性の充填樹脂(81c)よりなる貫通ビア(81)と、を備える多層基板であって、
基板厚さ方向の線膨張係数として、充填樹脂の線膨張係数α3は、コア層を構成する樹脂の線膨張係数α1よりもCu導体膜の線膨張係数α2に近いものとされおり、α1>α2>α3、且つ、(α1−α2)>(α2−α3)の大小関係を満足していることを特徴とする。
この種の多層基板においては、基板厚さ方向において、コア層を構成する樹脂の線膨張係数α1はCu導体膜の線膨張係数α2よりも大きい(α1>α2)ものである。そのため、充填樹脂の線膨張係数α3を、コア層を構成する樹脂の線膨張係数α1よりもCu導体膜の線膨張係数α2に近いものとすれば、線膨張係数α3は線膨張係数α1よりも小さいものとなる。
また、これら各部の線膨張係数の関係が、α1>α2>α3、且つ、(α1−α2)>(α2−α3)の大小関係を満足することで、コア層を構成する樹脂に比べて充填樹脂の伸縮度合が小さいものとなる。そのため、貫通ビアの直上および直下さらには近傍に位置する表面配線および裏面配線に対する応力が、従来に比べて低減される。
また、充填樹脂の線膨張係数α3を、コア層を構成する樹脂の線膨張係数α1よりもCu導体膜の線膨張係数α2に近いものとすることで、従来に比べて充填樹脂とCu導体膜との線膨張係数差が小さくなることから、当該両者間の剥離を抑制しやすくなる。
よって、本発明によれば、貫通ビアを有するコア層の表裏両面にビルドアップ層を積層してなる多層基板において、貫通ビアにおける充填樹脂とその周囲部材との線膨張係数差により発生する応力を低減し、基板へのダメージを抑制することができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の実施形態にかかる多層基板を用いた電子装置の概略断面図である。 図1中の丸で囲まれたC部を拡大して示す概略断面図である。 本発明の比較例における応力の発生状況を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
本発明の実施形態にかかる多層基板10を用いた電子装置S1について、図1、図2を参照して述べる。この電子装置S1は、たとえば自動車などの車両に搭載され、車両用の各種装置を駆動するための装置として適用されるものである。
図1に示されるように、電子装置S1は、第1の外面10aおよび第2の外面10bを有する多層基板10と、多層基板10の第1の外面10a上に搭載された電子部品121〜123と、を備えている。そして、多層基板10の第1の外面10a側を電子部品121〜123と共にモールド樹脂150で封止することにより、電子装置S1が構成されている。
多層基板10は、電気絶縁性の樹脂よりなるコア層20と、コア層20の表面20aに配置された表面側ビルドアップ層30と、コア層20の裏面20b側に配置された裏面側ビルドアップ層40と、を備える積層基板である。
コア層20は、一方の板面を表面20a、他方の板面を裏面20bとする板状をなす。このコア層20を構成する電気絶縁性の樹脂は、典型的にはアルミナやシリカ等の電気絶縁性の無機フィラーが含有されたエポキシ樹脂であるが、当該無機フィラーが含有されていないものであってもよい。
コア層20として、典型的には、無機フィラー入りのエポキシ樹脂とガラスクロスとよりなるプリプレグが挙げられる。この場合、コア層20は、単層のプリプレグでもよいし、多層のプリプレグよりなるものであってもよい。なお、コア層20としては、ガラスクロスを含有しない樹脂のみよりなるものであってもよい。
表面側ビルドアップ層30は、電気絶縁性のものであり、コア層20の表面20aを覆うように当該表面20aに配置されている。裏面側ビルドアップ層40は、電気絶縁性のものであり、コア層20の裏面20bを覆うように当該裏面20bに配置されている。限定するものではないが、各ビルドアップ層30、40は、典型的にはコア層20よりも薄いものとされている。
これら表面側ビルドアップ層30および裏面側ビルドアップ層40は、典型的には、上記プリプレグよりなる。これら各層20〜40を構成するプリプレグは、図示しないが、ガラスクロスの両面をエポキシ樹脂で封止してなるものである。ここでも、典型的には、当該エポキシ樹脂中には、アルミナやシリカ等の電気絶縁性かつ熱伝導性を有するセラミック等よりなる無機フィラーが含有されている。
そして、コア層20と表面側ビルドアップ層30との界面には、パターニングされた第1の内層配線51が形成されている。同様に、コア層20と裏面側ビルドアップ層40との界面には、パターニングされた第2の内層配線52が形成されている。
また、表面側ビルドアップ層30の表面30aには、パターニングされた表面配線61〜63が形成されている。本実施形態では、表面配線61〜63は、電子部品121〜123が搭載される搭載用のランド61、電子部品121、122とボンディングワイヤ141、142を介して電気的に接続されるボンディング用のランド62、外部回路と電気的に接続される表面パターン63とされている。
同様に、裏面側ビルドアップ層40の表面40aには、パターニングされた裏面配線71、72が形成されている。本実施形態では、裏面配線71、72は、後述するフィルドビアを介して第2の内層配線52と接続される裏面パターン71、図示しない放熱用のヒートシンクが備えられるヒートシンク用パターン72とされている。
なお、表面側ビルドアップ層30の表面30aとは、表面側ビルドアップ層30のうちコア層20と反対側の一面のことであり、多層基板10の第1の外面10aとなる面のことである。また、裏面側ビルドアップ層40の表面40aとは、裏面側ビルドアップ層40のうちコア層20と反対側の一面のことであり、多層基板10の第2の外面10bとなる面のことである。
そして、上記した各内層配線51、52、表面配線61〜63、裏面配線71、72は、銅等の金属箔や金属メッキが適宜積層されて構成されている。ここで、第1の内層配線51と第2の内層配線52とは、コア層20を貫通して設けられた貫通ビア81を介して電気的および熱的に接続されている。この貫通ビア81は、多層基板10におけるコア層20の表裏両側の構成要素を電気的に接続するためのものである。
具体的には、貫通ビア81は、コア層20の板厚方向に貫通する貫通孔81aと、貫通孔81aの内壁面に形成された銅よりなるCu導体膜81bと、貫通孔81aの内部に充填された電気絶縁性の充填樹脂81cと、を備えて構成されている。
本実施形態では、充填樹脂81cは、たとえば無機フィラー入りエポキシ樹脂よりなる。この無機フィラーとしては、たとえばアルミナやシリカ等のセラミックが挙げられるが、貫通ビア81の導電性を重視するならば、AgやCu等の金属よりなるものを採用してもよい。
また、表面側ビルドアップ層30および裏面側ビルドアップ層40の適所には、各ビルドアップ層30、40を厚さ方向に貫通するフィルドビア91、101が設けられている。そして、このフィルドビア91、101を介して、第1の内層配線51と表面配線61〜63、および、第2の内層配線52と裏面配線である裏面パターン71とは、電気的および熱的に接続されている。
具体的には、フィルドビア91、101は、表面側ビルドアップ層30および裏面側ビルドアップ層40を厚さ方向に貫通する貫通孔91a、101aと、この貫通孔91a、101aに充填された銅等の充填金属91b、101bと、により構成されている。
こうして、多層基板10においては、ヒートシンク用パターン72を除いて、表面配線61〜63と裏面配線としての裏面パターン71とは、貫通ビア81、各内層配線51、52、およびフィルドビア91、101を介して、電気的に接続されている
また、表面側ビルドアップ層30および裏面側ビルドアップ層40の各表面30a、40aには、表面パターン63および裏面パターン71を覆うソルダーレジスト110が形成されている。なお、表面パターン63を覆うソルダーレジスト110には、図1とは別断面において、表面パターン63のうち外部回路と接続される部分を露出させる開口部が形成されている。
電子部品121〜123は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)等の発熱が大きいパワー素子121、マイコン等の制御素子122、チップコンデンサや抵抗等の受動素子123である。
そして、各電子部品121〜123は、はんだ130を介してランド61上に搭載されてランド61と電気的、機械的に接続されている。また、パワー素子121および制御素子122は、周囲に形成されているランド62ともアルミニウムや金等のボンディングワイヤ141、142を介して電気的に接続されている。
なお、ここでは、電子部品121〜123としてパワー素子121、制御素子122、受動素子123を例に挙げて説明したが、電子部品121〜123はこれらに限定されるものではない。また、本実施形態において、はんだ130以外の導電性接着剤等により、電子部品121〜123を搭載するようにしてもよい。
モールド樹脂150は、ランド61、62および電子部品121〜123を封止するものであり、エポキシ樹脂等の一般的なモールド材料が金型を用いたトランスファーモールド法やコンプレッションモールド法等により形成されたものである。
なお、本実施形態では、モールド樹脂150は、多層基板10の第1の外面10aのみに形成されている。つまり、本実施形態の電子装置S1は、いわゆるハーフモールド構造とされている。また、多層基板10の第2の外面10b側においては、ヒートシンク用パターン72に対して、放熱グリス等を介して図示しないヒートシンクが接続されるようになっている。
ここにおいて、本実施形態の多層基板10においては、基板厚さ方向(図1および図2中の上下方向)の線膨張係数として、充填樹脂81cの線膨張係数α3は、コア層20を構成する樹脂の線膨張係数α1よりもCu導体膜81bの線膨張係数α2に近いものとされている。
ここで、当該基板厚さ方向において、コア層20を構成する樹脂の線膨張係数α1はCu導体膜の線膨張係数α2よりも大きい(つまり、α1>α2)ものである。そのため、上記線膨張係数の関係を、数式で表すと、(α1−α)>|α3−α2|、という大小関係になる。
具体的には、ケースAとして、α1>α3>α2、且つ、(α1−α)>(α3−α2)の大小関係を満足する場合と、ケースBとして、α1>α2>α3、且つ、(α1−α2)>(α2−α3)の大小関係を満足する場合との、2つのケースが挙げられる。
このような大小関係は、コア層20を構成する樹脂、および、貫通ビア81の充填樹脂81cの材質を、適宜調整することで実現できる。たとえば、コア層20を構成する樹脂および充填樹脂81cがともに、無機フィラー入りのエポキシ樹脂である場合、充填樹脂81cの方を、コア層20を構成する樹脂よりも、無機フィラーの量が多いものにしてやればよい。
無機フィラー量を多くすれば線膨張係数が小さくなるから、この場合、コア層20を構成する樹脂の線膨張係数α1よりも充填樹脂81cの線膨張係数α3を小さいものにできる。このとき、たとえば充填樹脂81cの無機フィラー量を大幅に多くしてやれば、充填樹脂81cの線膨張係数α3をCu導体膜81bの線膨張係数α2よりも小さいものとした上記ケースBの関係を実現することができる。
また、コア層20を構成する樹脂および充填樹脂81cがともに、無機フィラー入りのエポキシ樹脂である場合には、充填樹脂81cの方を、コア層20を構成する樹脂よりも樹脂の重合度を大きいものとしてもよい。当該重合度を大きくすれば線膨張係数が小さくなるから、この場合も、コア層20を構成する樹脂の線膨張係数α1よりも充填樹脂81cの線膨張係数α3を小さいものにできる。
さらには、コア層20を構成する樹脂をエポキシ樹脂とした場合、一方で、充填樹脂81cをエポキシ樹脂よりも線膨張係数が小さいポリイミド樹脂等としてもよい。このように互いの樹脂の種類を変えることによって、線膨張係数α1よりも線膨張係数α3を小さいものにしてもよい。
このように、本実施形態の多層基板10においては、基板厚さ方向においてα1>α2の関係があるため、充填樹脂81cの線膨張係数α3を、コア層20を構成する樹脂の線膨張係数α1よりもCu導体膜81bの線膨張係数α2に近いものとすれば、線膨張係数α3は線膨張係数α1よりも小さいものとなる。
つまり、本実施形態によれば、これら各部の線膨張係数の関係は、上記ケースAおよびケースBのように、α1>α3>α2、または、α1>α2>α3となるので、コア層20を構成する樹脂に比べて充填樹脂81cの伸縮度合が小さいものとなる。
ここで、図3に示される比較例は、従来と同様のα3>α1>α2の関係である構成としたものであり、この構成において、熱収縮時における各部の応力を示している。なお、図3では、各矢印を見やすくするべく各部のハッチングは省略してある。また、図3中において、各部における収縮度合の大小を実線矢印の長さで示し、各部における応力(引っ張り応力)の大きさを白矢印の長さで示している。各矢印が長いほど量的に大きいことを示している。
図3に示される比較例では、充填樹脂81cの線膨張係数α3は、その周囲のコア層20を構成する樹脂の線膨張係数α1やCu導体膜81bの線膨張係数α2よりも大きい。そのため、充填樹脂81cの基板厚さ方向への熱収縮度合が、その周囲部材であるコア層20やCu導体膜81bよりも大きくなる。
そうすると、貫通ビア81の直上および直下さらには近傍に位置する表面配線61〜63および裏面配線71、72に過大な応力が発生し、これら配線にダメージが生じる。特に限定するものではないが、たとえば、この比較例においては、−60℃〜180℃の温度範囲における平均線膨張係数として、α1=40ppm、α2=17ppm、α3=60ppmである。
その点、本実施形態によれば、上記線膨張係数の関係によってコア層20を構成する樹脂に比べて充填樹脂81cの伸縮度合が小さいものとなる。たとえば、本実施形態においては、−60℃〜180℃の温度範囲における平均線膨張係数として、α1=40ppm、α2=17ppm、α3=20ppmである。
そのため、本実施形態によれば、図3の比較例に比べて、各部の収縮度合均一化されることから、貫通ビア81の直上および直下さらには近傍に位置する表面配線61〜63および裏面配線71、72に対する応力も、従来に比べて低減される。
また、充填樹脂81cの線膨張係数α3を、コア層20を構成する樹脂の線膨張係数α1よりもCu導体膜81bの線膨張係数α2に近いものとすることで、従来に比べて充填樹脂81cとCu導体膜81bとの線膨張係数差が小さくなる。このことから、当該両者充填樹脂81cとCu導体膜81bとの間の剥離を抑制しやすくなる。
よって、本実施形態によれば、貫通ビア81における充填樹脂81cとその周囲部材との線膨張係数差により発生する応力を低減できるため、多層基板10に発生する各種のダメージを抑制することができる。
次に、本実施形態の電子装置S1の製造方法について、一具体例を述べておく。まず、コア層20の表面20aおよび裏面20bに、各内層配線51、52となる銅箔等の金属箔が配置されたものを用意する。そして、ドリル等によって当該金属箔およびコア層20を貫通する貫通孔81aを形成する。
その後、メッキ法により、貫通孔81aの壁面および上記金属箔上に銅メッキを形成する。これにより、貫通孔81aの壁面に、当該銅メッキにて構成されるCu導体膜81bが形成される。
続いて、貫通孔81a内にてCu導体膜81bで囲まれる空間に充填樹脂81cを配置する。これにより、貫通孔81a、Cu導体膜81b、充填樹脂81cを有する上記貫通ビア81が形成される。その後、無電解メッキおよび電気メッキ等でいわゆる蓋メッキを行い、上記銅メッキおよび充填樹脂81c上に銅等の金属メッキを形成する。
こうして、上記図1、図2に示されるように、コア層20の表面20a側では、上記金属箔、上記銅メッキ、および上記金属メッキが順次積層された金属層が形成され、裏面20b側では、上記金属箔、上記銅メッキ、および上記金属メッキが順次積層された金属層が形成される。
次に、コア層20の表面20a側、裏面20b側において、上記の各金属層上に図示しないレジストを配置する。そして、当該レジストをマスクとしてウェットエッチング等を行い、各金属層を適宜パターニングして、第1の内層配線51および第2の内層配線52を形成する。
次に、コア層20における表面20a上に、表面側ビルドアップ層30を積層する一方、コア層20における裏面20b上に、裏面側ビルドアップ層40を積層し、積層体を形成する。続いて、この積層体の積層方向から加圧しつつ加熱することにより積層体を一体化する。
次に、レーザ等により、各ビルドアップ層30、40に対してフィルドビア91、101の貫通孔91a、101aを形成する。そして、図5(b)に示されるように、無電解メッキや電気メッキ等でいわゆるフィルドメッキを行い、貫通孔91a、101aを充填金属91b、101bで埋め込む。これにより、上記フィルドビア91、101が形成される。
次に、各ビルドアップ層30、40の表面30a、40aにそれぞれソルダーレジスト110を配置して適宜パターニングすることにより、上記多層基板10ができあがる。その後は、はんだ130を介して電子部品121〜123をランド61に搭載する。
そして、パワー素子121および制御素子122とランド62との間でワイヤボンディングを行い、パワー素子121および制御素子122とランド62とを電気的に接続する。続いて、ランド61、62および電子部品121〜123が封止されるように、トランスファーモールド法やコンプレッションモールド法等によってモールド樹脂150を形成する。これにより、上記電子装置S1が製造される。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、電子装置S1は、ハーフモールド構造であったが、多層基板10の第2の外面10bもモールド樹脂150で封止されている構造、いわゆるフルモールド構造であってもよい。
このようにフルモールド構造とする場合としては、たとえば上記実施形態において放熱や配線の用をなしていた裏面配線71、72を部品搭載用のランドとして使用する場合等が挙げられる。そして、多層基板10の第1の外面10a側と同様に、裏面配線にも電子部品を搭載して、これらをモールド樹脂150で封止するようにすればよい。
また、上記実施形態では、各ビルドアップ層30、40は、単層のプリプレグよりなるものであったが、多層のプリプレグよりなるものであってもよい。あるいは、ガラスクロスを含まない樹脂よりなる層であってもよい。
また、上記実施形態では、ヒートシンク用パターン72を除いて表面配線61〜63と裏面配線としての裏面パターン71とが、貫通ビア81を介して電気的に接続されていた。これに対して、多層基板の構成によっては、すべての表面配線と裏面配線との電気的接続が貫通ビア81を介して行われたものであってもよい。
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能であり、また、上記各実施形態は、上記の図示例に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
10 多層基板
20 コア層
20a コア層の表面
20b コア層の裏面
30 表面側ビルドアップ層
30a 表面側ビルドアップ層におけるコア層と反対側の一面としての表面
40 裏面側ビルドアップ層
40a 裏面側ビルドアップ層におけるコア層と反対側の一面としての表面
61〜63 表面配線
71、72 裏面配線
81 貫通ビア
81a 貫通ビアの貫通孔
81b 貫通ビアのCu導体膜
81c 貫通ビアの充填樹脂

Claims (1)

  1. 表面(20a)および裏面(20b)を有する電気絶縁性の樹脂よりなるコア層(20)と、
    前記コア層の表面を覆うように当該表面に配置され、前記コア層と反対側の一面(30a)にパターニングされた表面配線(61〜63)が形成された電気絶縁性の表面側ビルドアップ層(30)と、
    前記コア層の裏面を覆うように当該裏面に配置され、前記コア層と反対側の一面(40a)にパターニングされた裏面配線(71、72)が形成された電気絶縁性の裏面側ビルドアップ層(40)と、
    前記コア層に設けられ、当該コア層の板厚方向に貫通する貫通孔(81a)、当該貫通孔の内壁面に形成されたCu導体膜(81b)、および、当該貫通孔内に充填された電気絶縁性の充填樹脂(81c)よりなる貫通ビア(81)と、を備える多層基板であって、
    基板厚さ方向の線膨張係数として、前記充填樹脂の線膨張係数α3は、前記コア層を構成する樹脂の線膨張係数α1よりも前記Cu導体膜の線膨張係数α2に近いものとされており、α1>α2>α3、且つ、(α1−α2)>(α2−α3)の大小関係を満足していることを特徴とする多層基板。
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