JP6321463B2 - 配管システムの施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配管システムの施工方法に関するものである。
従来の配管システムの施工方法には、スラブに形成されたスリーブ穴に配管を貫通させた状態で当該スリーブ穴を穴埋めするときに、シート状の補修用補助材を用いるものがある(例えば、特許文献1参照)。この技術は、前記補修用補助材に形成された穴に前記配管を通して前記スリーブ穴の下面側を塞ぐことで、当該スリーブ穴の上面側からのモルタルの埋戻しを可能にするものである。
特公平4−38862号公報 特開2011−256557号公報
一方、サイホン排水システム等では、スラブに形成した1つの貫通孔に複数の配管をまとめて貫通させる場合もある。しかしながら、スラブに複数の配管を貫通させて穴埋めする場合、上記補修用補助材の前記穴には複数の配管が貫通するため、各配管の相互間に形成される隙間からモルタルが漏れ出す虞がある。
そこで、本発明の目的は、配管を貫通させた状態で床スラブに形成した貫通孔を穴埋めするときに、硬化材料の漏れ出しが抑制される配管システムの施工方法を提供することにある。
本発明の配管システムの施工方法は、床スラブに形成された貫通孔と当該貫通孔に挿通された配管との間の隙間を、硬化材料を用いて塞ぐ配管システムの施工方法であって、
前記配管を挿通可能な受け部材を用い、少なくとも1つの前記配管を前記受け部材に挿通させた状態で、前記貫通孔の下端開口部を閉じるように前記受け部材を配置する受け部材配置工程と、
前記受け部材配置工程において配置した前記受け部材上に、粒状物を敷き詰める粒状物敷詰工程と、
前記粒状物敷詰工程において敷き詰めた前記粒状物の上から、前記硬化材料を充填する硬化材料充填工程と、
前記硬化材料充填工程において充填した前記硬化材料が硬化したのち、前記受け部材配置工程において配置した前記受け部材および前記粒状物敷詰工程において敷き詰めた前記粒状物を除去する除去工程と、
を有することを特徴とする。
本発明の配管システムの施工方法によれば、配管を貫通させた状態で床スラブに形成した貫通孔を穴埋めするときに、硬化材料の漏れ出しを抑制することができる。
なお、本発明において、「少なくとも1つの前記配管を前記受け部材に挿通させた状態で、前記貫通孔の下端開口部を閉じるように前記受け部材を配置する」とは、前記配管を予め受け部材に挿通させたのち、当該受け部材を、前記床スラブに形成された前記貫通孔の下端開口部を閉じるように配置することはもちろん、前記床スラブに形成された前記貫通孔の下端開口部を閉じるように前記受け部材を配置したのち、前記受け部材に前記配管を挿通させることも含まれる。
本発明の配管システムの施工方法は、前記硬化材料は、不燃材であることが好ましい。
この場合、延焼防止効果を備えた建物を施工できる。
本発明の配管システムの施工方法において、前記硬化材料は、モルタル又はコンクリートであることが好ましい。
この場合、前記モルタルは流動性に優れるため、埋め戻しに最適である。
本発明の配管システムの施工方法において、前記受け部材配置工程に先立って、前記配管の周囲に熱膨張性耐火部材を取り付ける工程をさらに有することが好ましい。
この場合、火災時に前記配管からの延焼を防止できる配管システムを施工することができる。
特に、本発明の配管システムの施工方法において、前記粒状物敷詰工程では、前記熱膨張耐火部材の下端部の少なくとも一部が前記粒状物に埋設されるように前記粒状物を敷き詰めることが好ましい。
この場合、配管システムの施工もしくは建物の竣工後、又は、中間の消防検査時において、前記熱膨張性耐火部材を外部から視認することができる。
本発明の配管システムの施工方法において、前記受け部材として、弾性材料からなる部材を用いることが好ましい。
この場合、前記受け部材の弾性力によって前記硬化材料の漏れをより好適に抑制することができるとともに、前記配管のガタツキを抑制することもできる。
本発明によれば、配管を挿通させた状態で床スラブに形成された貫通孔を穴埋めするときに、硬化材料の漏れ出しが抑制される配管システムの施工方法を提供することができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係る配管システムの施工方法における、受け部材配置工程を説明する模式断面図であり、(b)は、(a)で用いられる受け部材を上方から模式的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る配管システムの施工方法における、受け部材配置工程を説明するための他の模式断面図である。 図1および2に示す受け部材配置工程ののちの、粒状物敷詰工程を説明するための模式断面図である。 図3に示す粒状物敷詰工程ののちの、硬化材料充填工程を説明するための模式断面図である。 図4に示す硬化材料充填工程ののちの、除去工程を説明するための模式断面図である。 図1〜図5の工程を経て施工された配管システムを示す模式断面図である。 図6の配管システムに係る、熱膨張性耐火部材の機能を説明するための模式断面図であって、(a)は、火災発生前(加熱前)の、配管、熱膨張性耐火部材および硬化物の関係を示し、(b)は、火災発生(加熱)から一定の時間が経過した後の、配管、熱膨張性耐火部材および硬化物の関係を示し、(c)は、火災発生(加熱)からさらに一定の時間が経過した後の、配管、熱膨張性耐火部材および硬化物の関係を示す。 (a)は、本発明の比較例としての施工方法を用いて配管システムを施工したときに生じる1つの問題を説明するための模式断面図であり、(b)は、同比較例としての施工方法を用いて配管システムを施工したときに生じる他の問題を説明するための模式断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る配管システムの施工方法を詳細に説明する。
本発明に係る配管システムの施工方法は、主として複数階で構成された集合住宅などに用いられる。本実施形態では、サイホン力を使用して、集合住宅の各階の排水を下方に流す排水システムを例に、本実施形態の配管システムの施工方法を説明する。なお、以下の説明において、上下方向とは重力方向を意味し、図面上下方向を示す。
(受け部材配置工程)
先ず、図1および2を参照して、本実施形態に係る配管システムの施工方法において、配管を挿通可能な受け部材を用い、少なくとも1つの前記配管を受け部材に挿通させた状態で、床スラブに形成された貫通孔の下端開口部を閉じるように前記受け部材を配置する受け部材配置工程を説明する。
図1において、符号1は、集合住宅の各階を上下に区画する床スラブである。床スラブ1には、床スラブ1を上下に貫通する貫通孔A1が形成されている。本実施形態では、貫通孔A1は、直径φ1の丸穴として形成されている。ただし、貫通孔A1は丸穴に限定されるものではなく、例えば、角穴など、使用状況に応じた他の形状であってもよい。
符号20は、床スラブ1に取り付けられる受け部材である。図1(a)に示すように、受け部材20は、床スラブ1に形成された貫通孔A1の断面積よりも大きな平面視の方向の投影面積を有し、当該貫通孔A1の下端開口部Eを閉じることができる。本実施形態では、図1(b)に示すように、受け部材20は、貫通孔A1の直径φ1よりも大きな直径φ2(>φ1)の円形に形成されているが、受け部材20の平面視形状は、本実施形態のような円形状に限定されるものではなく、床スラブ1の貫通孔A1を閉じることができる形状であればよい。
また、本実施形態では、図1(a)に示すように、受け部材20は、床スラブ1の下面1fに取り付けられる平板部21に、複数の凸部22が形成されている。本実施形態では、凸部22は、下方に向かうに従って先細りする円錐台形状に形成されている。詳細には、凸部22は、それぞれ、平板部21に繋がり下方に向かうに従って先細りする周壁23と、当該周壁23の下端を閉じる下端壁24とで形成されている。本実施形態では、周壁23の下端に、下端壁24を除去することにより形成される開孔A3の直径φ3は、後述するサイホン排水管3の竪管3aの外径(直径)φ4と同一またはそれよりも小径に形成されている。
なお、凸部22の個数は、必要とされる配管の個数に対応させた個数とすることができるが、配管よりも個数を増やすことができる。例えば、本実施形態では、受け部材20に設けた複数の凸部22のうち、2つの凸部22の下端壁24のみを、予めまたは施工時に取り除いて、2つの開孔A3を形成している。ただし、凸部22の開孔A3の個数は、本実施形態に限定されるものではない。
また、受け部材20は、後に除去することができるものであれば、その材料は限定されない。例えば、アルミニウムシート、木材、合成樹脂、紙などが挙げられる。本実施形態では、受け部材20は、ゴム等の弾性材料からなる部材を使用する。
本実施形態では、施工者は先ず、受け部材20を床スラブ1の下面1fに配置し、次に、当該受け部材20に配管を挿通させる。受け部材20の平板部21は、ビス留め等の機械的固定手段や接着剤等の化学的固定手段によって、床スラブ1の下面1fに固定することができる。あるいは、受け部材20は、床スラブ1に形成された貫通孔A1を通して吊り下げ保持することもできる。これにより、施工者は、図1(a)の断面図に示すように、床スラブ1に形成された貫通孔A1の下端開口部Eを閉じるように受け部材20を配置することができる。
図2中、符号3は、サイホン排水管(配管)である。サイホン排水管3は、竪管3aと、当該竪管3aに繋がる横引き管3bとで形成されている。なお、本実施形態の配管システムの施工方法では、受け部材配置工程に先立って、竪管3aの周囲に、熱膨張性耐火部材4を取り付ける熱膨張性耐火部材取付工程を有する。熱膨張性耐火部材4は、一定以上の温度で加熱することにより、その体積を増大させるものである。熱膨張性耐火部材4には、例えば、積水化学工業株式会社製「フィブロック」(登録商標)が挙げられる。この場合、熱膨張性耐火部材4は、サイホン排水管3の竪管3aにテープのように巻き付けて固定することができる。これにより、施工者は、サイホン排水管3の竪管3aの周囲に、熱膨張性耐火部材4を取り付けることができる。
また施工者は、受け部材20の凸部22の下端に形成した開孔A3にそれぞれ、1つのサイホン排水管3の堅管3aを貫通させて、床スラブ1の貫通孔A1の内側に複数のサイホン排水管3の堅管3aを挿通させる。本実施形態では、このとき、受け部材20は、その弾性力によってサイホン排水管3の堅管3aを強固に保持し、サイホン排水管3のガタツキを抑制する。特に本実施形態では、受け部材20の凸部22は、下方に向かうに従って先細りする周壁23で形成されており、凸部22の周壁23とサイホン排水管3の堅管3aとの接触領域を大きく確保できる。このため、サイホン排水管3のガタツキ(特に堅管3aの径方向でのガタツキ)の抑制に有効である。さらに、万一、サイホン排水管3がずれた場合も、受け部材20は弾性力を有するため、サイホン排水管3の堅管3aを強固に保持することができる。
また、本実施形態の受け部材配置工程では、図2に示すように、熱膨張性耐火部材4の下端を受け部材20の平板部21に接触させることにより、サイホン排水管3の堅管3aを床スラブ1の貫通孔A1内に位置決めすることができる。この場合、熱膨張性耐火部材4を受け部材20の凸部22に形成した開孔A3から露出させることなく、サイホン排水管3の堅管3aを受け部材20に挿通させることができる。これにより、熱膨張性耐火部材4が受け部材20の開孔A3からはみ出すことで生じる、硬化材料Mの漏れ抑制することができる。
施工者は、サイホン排水管3の堅管3aを挿通可能な受け部材20を用いて、図1および図2に示す受け部材配置工程のように、床スラブ1に形成された貫通孔A1の下端開口部Eを閉じるように受け部材20を配置したのち、受け部材20にサイホン排水管3の堅管3aを挿通させることにより、あるいは、サイホン排水管3の堅管3aを予め挿通させた受け部材20を、床スラブ1に形成された貫通孔A1の下端開口部Eを閉じるように配置することにより、少なくとも1つのサイホン排水管3の堅管3aを、受け部材20に挿通させた状態で、貫通孔A1の内側に配置することができる。なお、本発明では、熱膨張性耐火部材4は任意の要件である。このため、熱膨張性耐火部材4の取付工程は、省略することができる。
(粒状物敷詰工程)
施工者は、上記受け部材配置工程ののち、図3に示すように、当該受け部材配置工程において配置した受け部材20上に、受け部材20に粒状物Pを敷き詰める、粒状物敷詰工程を行う。粒状物Pとしては、代表的には、砂が挙げられるが、ビーズ等の樹脂製の粒状物等を採用することができる。本実施形態の粒状物敷詰工程では、熱膨張耐火部材4の下端部の少なくとも一部が粒状物Pに埋設されるように粒状物Pを敷き詰める。具体例としては、粒状物Pの敷き詰めは、熱膨張性耐火部材4の下端が隠れる程度に行う。さらに詳細には、好ましくは、熱膨張性耐火部材4がその下端から10cm程度隠れる程度に行う。
(硬化材料充填工程)
施工者は、粒状物敷詰工程ののち、図4に示すように、当該粒状物敷詰工程において敷き詰めた粒状物Pの上から、硬化材料Mを充填する硬化材料充填工程を行う。硬化材料Mは、硬化前は流体であって、時間の経過とともに固体となるものが好ましい。例えば不燃材としてのセメント系材料が挙げられる。セメント系材料としては、例えば、コンクリート、モルタル、セメントペースト(ノロ)が挙げられる。本実施形態では、例示的に、セメント系材料としてモルタルを選択する。
硬化材料Mを不燃材とすれば、延焼防止効果を備えた建物を施工できる。特に、硬化材料Mをセメント系材料とすれば、耐火性に優れて施工跡も目立ち難くなる。特に、本実施形態の施工方法のように、充填される硬化材料Mとしてモルタルを使用する場合、流動性に優れて床スラブ1に形成された貫通孔A1を埋め戻しに最適である。
ここで図8(a)および図8(b)は、受け部材20として、複数の開孔A3を形成したシート状の部材を用い、これらの開孔A3それぞれに、サイホン排水管3の堅管3aを挿通させたものである。図8(a)に示すように、サイホン排水管3の竪管3aが隣り合って、竪管3aの相互間に隙間S1が形成される場合、こうした隙間S1では、図8(a)に示すように、硬化材料Mが確実に行き渡らない虞がある。そこで、水分量等を増やすことで硬化材料Mの流動性を向上させる方法も考えられるが、硬化材料Mの流動性が高まることで、図8(b)に示すように、硬化材料Mが、受け部材20の突部22に形成した開孔A3とサイホン排水管3の竪管3aとの間の隙間から漏れ出す虞がある。
特に、図8(a),(b)に示すように、シート状の受け部材20に複数の開孔A3を形成するだけで対処しようとする場合、シート部材の強度は一般的に弱いため、硬化材料Mが硬化する前においては不意に、サイホン排水管3の竪管3aがずれ、シート部材が破損して硬化材料Mが受け部材20の突部22に形成した開孔A3とサイホン排水管3の竪管3aとの間の隙間から漏れ出す虞がある。
これに対し、本実施形態の配管システムの施工方法では、図3に示すように、粒状物Pが受け部材20上に敷き詰められている。このように、受け部材20の内側に粒状物Pを敷き詰めておけば、硬化材料Mの水分量を増やして流動性を高めることで、サイホン排水管3の竪管3aの相互間に形成された隙間S1まで、硬化材料Mが確実に行き渡るようにしても、受け部材20の突部22に形成した開孔A3とサイホン排水管3の竪管3aとの間の隙間を通って硬化材料Mが漏れ出してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、受け部材20は、弾性材料からなるから、その弾性力によってサイホン排水管3の堅管3aを強固に保持できる。このため、本実施形態のように、受け部材20を弾性材料とした場合、硬化材料Mの漏れをより好適に抑制することができる。特に本実施形態では、受け部材20の凸部22は、下方に向かうに従って先細りする周壁23で形成されており、凸部22の周壁23とサイホン排水管3の堅管3aとの接触領域を大きく確保できるため、硬化材料Mの漏れ抑制に有効である。さらに、万一、サイホン排水管3がずれた場合も、受け部材20は弾性力を有するため、硬化材料Mの漏れを抑制することができる。
(除去工程)
施工者は、前記硬化材料充填工程ののち、当該硬化材料充填工程において充填した硬化材料Mが硬化したのち、図5に示すように、受け部材20および粒状物Pを除去する、除去工程を行う。本実施形態では、図5に示すように、受け部材の凸部22のうち、サイホン排水管3の堅管3aを挿通させない凸部22に、カッター等の工具Tを差し込んで破壊することにより、床スラブ1の貫通孔A1から粒状物Pとともに受け部材20を取り除く。本実施形態のように、受け部材20に粒状物Pを敷き詰めておけば、受け部材20内を全て硬化材料Mに充填した場合に比べて、当該硬化材料Mが硬化したのちも、工具Tを受け部材20(粒状物P)内に入れ易く、除去作業も容易である。なお、受け部材20の除去方法には、受け部材20の一部を破壊することをきっかけに全体を取り除く方法の他、受け部材20の一部に、予め切込みを形成しておき、この切込みをきっかけに全体を取り除く方法などが挙げられる。予め切込みを入れて分割して取り除く場合、受け部材20の再利用が可能となる。特に、受け部材20をゴム製として場合、コストを安価に抑えることができる。
ところで、本実施形態では、硬化材料Mが硬化したとき、粒状物Pの一部が硬化材料Mに半分埋め込まれた状態で残ってしまうことも考えられるが、本実施形態では、硬化材料Mとして、モルタルを用いる一方、粒状物Pとして、砂を用いている。この場合、粒状物Pと硬化材料Mは、砂という同材質の材料を含んでいる。このため、粒状物Pが硬化した硬化材料Mに付着したままでも、異物の混入として視認され難くなる。
図6は、上記図1〜図5の工程を経て施工された配管システムである。施工者は、上記図1〜図5の各工程を順次実行することにより、図6に示すように、床スラブ1に形成された1つの貫通孔A1に、全てのサイホン排水管3の堅管3aを1つずつ挿通させた状態で、これら全てのサイホン排水管3の堅管3aを、硬化材料Mとともに、床スラブ1の貫通孔A1の内側に容易に固定することができる。これにより、複数のサイホン排水管3の堅管3aはそれぞれ、床スラブ1を上下方向に貫通して上階および下階に突出させた状態に配管される。
なお、図1および図2にて説明した受け部材配置工程では、上述したように、予め複数のサイホン排水管3の堅管3aを受け部材20に挿通させておき、この複数のサイホン排水管3の堅管3aを挿通させた受け部材20を、床スラブ1に形成された貫通孔A1の内側に配置することで実現することもできる。この場合、貫通孔A1の内側に、複数のサイホン排水管3の堅管3aを容易にセットすることができる。
また、本実施形態のように、充填される硬化材料Mを不燃材とした場合、施工後には、熱膨張性耐火部材4とともに、床スラブ1を境界として上下に分けられた2つの区画(本明細書中では、部屋などの「空間」を意味するものとする)をそれぞれ、防火区画(本明細書中では、他の区画に延焼が及ばないように対策が施された「区画」を意味するものとする)とすることができる。この場合、床スラブ1の貫通孔A1は、2つの防火区画を繋ぐ区画貫通孔となる。
また、本実施形態の施工方法では、上述のとおり、サイホン排水管3の竪管3aの周囲に、熱膨張性耐火部材4を取り付ける熱膨張性耐火部材取付工程を有する。この場合、火災時にサイホン排水管3からの延焼を防止できる配管システムを施工できる。また、本実施形態の施工方法では、図2に示す受け部材配置工程にて、熱膨張性耐火部材4の下端を受け部材20の平板部21に接触させることで熱膨張性耐火部材4を位置決めし、図3および図4に示す粒状物敷詰工程のように、施工時に熱膨張性耐火部材4の下端部の少なくとも一部が粒状物Pに埋設されるように敷き詰める。このため、熱膨張性耐火部材4は、硬化材料Mが硬化したのち、粒状物Pおよび受け部材20を取り除くと、図6に示すように、床スラブ1に形成された貫通孔A1を閉じる硬化材料Mの下面から露出する。なお、熱膨張性耐火部材4の露出量は、建物の竣工又は中間の消防検査や施工が完了時において、少なくとも外部から視認できる量であればよい。このように、本実施形態の施工方法では、配管システムの施工もしくは建物の竣工後、又は、中間の消防検査時において、熱膨張性耐火部材4を外部から視認することができる。
ここで、図7(a)〜(c)を参照して、熱膨張性耐火部材4の機能について説明する。
図6に示した例では、図7(a)に示すように、火災発生前(加熱前)では、熱膨張性耐火部材4は、サイホン排水管3の竪管3aと硬化材料Mとの間に配置されている。このとき、火災(加熱)が発生して一定の時間が経過すると、図7(b)に示すように、熱膨張性耐火部材4は、硬化済みの硬化材料Mの内側で膨張してサイホン排水管3の竪管3aの周りをその外側から押し潰し始める。火災(加熱)が発生してさらに一定の時間が経過すると、図7(c)に示すように、硬化済みの硬化材料Mの内側で膨張した熱膨張性耐火部材4がサイホン排水管3の竪管3aを押し切ったのち、互いに接触することによって貫通孔A1を完全に遮断する。このように熱膨張性耐火部材4がサイホン排水管3の堅管3aを遮断することで、熱膨張性耐火部材4は、硬化した硬化材料Mとともに、床スラブ1で仕切られた上下階の2区画を防火区画とすることができる。これにより、床スラブ1に貫通孔A1に複数のサイホン排水管3の堅管3aが硬化材料Mによって固定された状態にあっても、上下階の2区画間にわたる延焼を防止することができる。
このように、本実施形態に係る配管システムの施工方法によれば、サイホン排水管3の堅管3aを貫通させた状態で床スラブ1に形成した貫通孔A1を穴埋めするときに、硬化材料Mの漏れ出しが抑制される配管システムの施工方法を提供することができる。
上述したところは、本発明の一実施形態にすぎず、特許請求の範囲に従えば、様々な変更が可能となる。例えば、受け部材20は、図8(a),(b)に示すようなシート状の部材とすることができ、床スラブ1の貫通孔A1に粒状物Pを敷き詰められる形状であれば、その形状は特に限定されない。サイホン排水管3は少なくとも1つであればよく、特に個数は限定されない。しかしながら、本実施形態のように、床スラブ1の貫通孔A1に複数のサイホン排水管3を固定する場合には、図8(a),(b)にて説明したように、硬化材料Mの漏れ抑制に特に有効である。
また、本実施形態では、例示的に、上下階の2区画を防火区画とするとの説明を行ったが、本実施形態に係る、配管システムを各階毎に施工することで、2区画以上の上下区画をそれぞれ、防火区画とすることができる。また、本実施形態では、配管をサイホン排水管3として説明したが、通常の配水管は勿論、上水管など、配管の内部通路に流体物を流通させる配管であれば特に限定されない。さらに、本実施形態では、集合住宅で説明したが、一般建築など、様々な建築物に適用できる。また、本実施形態のように、防火区画を想定する場合、不燃材の選択等については、法令等により指定があるときには、当該法令等に従うことが好ましい。
本発明は、床スラブに形成された貫通孔の内側に、配管が硬化材料を用いて固定された配管システムの施工方法であれば、様々な配管システムに適用することができる。
1 床スラブ
3 サイホン排水管(配管)
3a 竪管(配管)
3b 横引き管(配管)
4 熱膨張性耐火部材
20 受け部材
21 平板部
22 凸部
23 周壁
24 下端壁
1 貫通孔
3 開孔
E 貫通孔の下端開口部
M 硬化材料
P 粒状物

Claims (4)

  1. 床スラブに形成された貫通孔と当該貫通孔に挿通された配管との間の隙間を、硬化材料を用いて塞ぐ配管システムの施工方法であって、
    前記配管を挿通可能な受け部材を用い、少なくとも1つの前記配管を前記受け部材に挿通させた状態で、前記貫通孔の下端開口部を閉じるように前記受け部材を配置する受け部材配置工程と、
    前記受け部材配置工程において配置した前記受け部材上に、粒状物を敷き詰める粒状物敷詰工程と、
    前記粒状物敷詰工程において敷き詰めた前記粒状物の上から、前記硬化材料を充填する硬化材料充填工程と、
    前記硬化材料充填工程において充填した前記硬化材料が硬化したのち、前記受け部材配置工程において配置した前記受け部材および前記粒状物敷詰工程において敷き詰めた前記粒状物を除去する除去工程と、
    前記受け部材配置工程に先立って、前記配管の周囲に熱膨張性耐火部材を取り付ける工程と、
    を有し、
    前記粒状物敷詰工程では、前記熱膨張耐火部材の下端部の少なくとも一部が前記粒状物に埋設されるように前記粒状物を敷き詰めることを特徴とする、配管システムの施工方法。
  2. 請求項1において、前記硬化材料は、不燃材である、配管システムの施工方法。
  3. 請求項1または2において、前記硬化材料は、モルタル又はコンクリートである、配管システムの施工方法。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項において、前記受け部材として、弾性材料からなる部材を用いた、配管システムの施工方法。
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