JP6321463B2 - 配管システムの施工方法 - Google Patents
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Description
前記配管を挿通可能な受け部材を用い、少なくとも1つの前記配管を前記受け部材に挿通させた状態で、前記貫通孔の下端開口部を閉じるように前記受け部材を配置する受け部材配置工程と、
前記受け部材配置工程において配置した前記受け部材上に、粒状物を敷き詰める粒状物敷詰工程と、
前記粒状物敷詰工程において敷き詰めた前記粒状物の上から、前記硬化材料を充填する硬化材料充填工程と、
前記硬化材料充填工程において充填した前記硬化材料が硬化したのち、前記受け部材配置工程において配置した前記受け部材および前記粒状物敷詰工程において敷き詰めた前記粒状物を除去する除去工程と、
を有することを特徴とする。
本発明の配管システムの施工方法によれば、配管を貫通させた状態で床スラブに形成した貫通孔を穴埋めするときに、硬化材料の漏れ出しを抑制することができる。
なお、本発明において、「少なくとも1つの前記配管を前記受け部材に挿通させた状態で、前記貫通孔の下端開口部を閉じるように前記受け部材を配置する」とは、前記配管を予め受け部材に挿通させたのち、当該受け部材を、前記床スラブに形成された前記貫通孔の下端開口部を閉じるように配置することはもちろん、前記床スラブに形成された前記貫通孔の下端開口部を閉じるように前記受け部材を配置したのち、前記受け部材に前記配管を挿通させることも含まれる。
この場合、延焼防止効果を備えた建物を施工できる。
この場合、前記モルタルは流動性に優れるため、埋め戻しに最適である。
この場合、火災時に前記配管からの延焼を防止できる配管システムを施工することができる。
この場合、配管システムの施工もしくは建物の竣工後、又は、中間の消防検査時において、前記熱膨張性耐火部材を外部から視認することができる。
この場合、前記受け部材の弾性力によって前記硬化材料の漏れをより好適に抑制することができるとともに、前記配管のガタツキを抑制することもできる。
先ず、図1および2を参照して、本実施形態に係る配管システムの施工方法において、配管を挿通可能な受け部材を用い、少なくとも1つの前記配管を受け部材に挿通させた状態で、床スラブに形成された貫通孔の下端開口部を閉じるように前記受け部材を配置する受け部材配置工程を説明する。
図1において、符号1は、集合住宅の各階を上下に区画する床スラブである。床スラブ1には、床スラブ1を上下に貫通する貫通孔A1が形成されている。本実施形態では、貫通孔A1は、直径φ1の丸穴として形成されている。ただし、貫通孔A1は丸穴に限定されるものではなく、例えば、角穴など、使用状況に応じた他の形状であってもよい。
施工者は、上記受け部材配置工程ののち、図3に示すように、当該受け部材配置工程において配置した受け部材20上に、受け部材20に粒状物Pを敷き詰める、粒状物敷詰工程を行う。粒状物Pとしては、代表的には、砂が挙げられるが、ビーズ等の樹脂製の粒状物等を採用することができる。本実施形態の粒状物敷詰工程では、熱膨張耐火部材4の下端部の少なくとも一部が粒状物Pに埋設されるように粒状物Pを敷き詰める。具体例としては、粒状物Pの敷き詰めは、熱膨張性耐火部材4の下端が隠れる程度に行う。さらに詳細には、好ましくは、熱膨張性耐火部材4がその下端から10cm程度隠れる程度に行う。
施工者は、粒状物敷詰工程ののち、図4に示すように、当該粒状物敷詰工程において敷き詰めた粒状物Pの上から、硬化材料Mを充填する硬化材料充填工程を行う。硬化材料Mは、硬化前は流体であって、時間の経過とともに固体となるものが好ましい。例えば不燃材としてのセメント系材料が挙げられる。セメント系材料としては、例えば、コンクリート、モルタル、セメントペースト(ノロ)が挙げられる。本実施形態では、例示的に、セメント系材料としてモルタルを選択する。
施工者は、前記硬化材料充填工程ののち、当該硬化材料充填工程において充填した硬化材料Mが硬化したのち、図5に示すように、受け部材20および粒状物Pを除去する、除去工程を行う。本実施形態では、図5に示すように、受け部材の凸部22のうち、サイホン排水管3の堅管3aを挿通させない凸部22に、カッター等の工具Tを差し込んで破壊することにより、床スラブ1の貫通孔A1から粒状物Pとともに受け部材20を取り除く。本実施形態のように、受け部材20に粒状物Pを敷き詰めておけば、受け部材20内を全て硬化材料Mに充填した場合に比べて、当該硬化材料Mが硬化したのちも、工具Tを受け部材20(粒状物P)内に入れ易く、除去作業も容易である。なお、受け部材20の除去方法には、受け部材20の一部を破壊することをきっかけに全体を取り除く方法の他、受け部材20の一部に、予め切込みを形成しておき、この切込みをきっかけに全体を取り除く方法などが挙げられる。予め切込みを入れて分割して取り除く場合、受け部材20の再利用が可能となる。特に、受け部材20をゴム製として場合、コストを安価に抑えることができる。
図6に示した例では、図7(a)に示すように、火災発生前(加熱前)では、熱膨張性耐火部材4は、サイホン排水管3の竪管3aと硬化材料Mとの間に配置されている。このとき、火災(加熱)が発生して一定の時間が経過すると、図7(b)に示すように、熱膨張性耐火部材4は、硬化済みの硬化材料Mの内側で膨張してサイホン排水管3の竪管3aの周りをその外側から押し潰し始める。火災(加熱)が発生してさらに一定の時間が経過すると、図7(c)に示すように、硬化済みの硬化材料Mの内側で膨張した熱膨張性耐火部材4がサイホン排水管3の竪管3aを押し切ったのち、互いに接触することによって貫通孔A1を完全に遮断する。このように熱膨張性耐火部材4がサイホン排水管3の堅管3aを遮断することで、熱膨張性耐火部材4は、硬化した硬化材料Mとともに、床スラブ1で仕切られた上下階の2区画を防火区画とすることができる。これにより、床スラブ1に貫通孔A1に複数のサイホン排水管3の堅管3aが硬化材料Mによって固定された状態にあっても、上下階の2区画間にわたる延焼を防止することができる。
3 サイホン排水管(配管)
3a 竪管(配管)
3b 横引き管(配管)
4 熱膨張性耐火部材
20 受け部材
21 平板部
22 凸部
23 周壁
24 下端壁
A1 貫通孔
A3 開孔
E 貫通孔の下端開口部
M 硬化材料
P 粒状物
Claims (4)
- 床スラブに形成された貫通孔と当該貫通孔に挿通された配管との間の隙間を、硬化材料を用いて塞ぐ配管システムの施工方法であって、
前記配管を挿通可能な受け部材を用い、少なくとも1つの前記配管を前記受け部材に挿通させた状態で、前記貫通孔の下端開口部を閉じるように前記受け部材を配置する受け部材配置工程と、
前記受け部材配置工程において配置した前記受け部材上に、粒状物を敷き詰める粒状物敷詰工程と、
前記粒状物敷詰工程において敷き詰めた前記粒状物の上から、前記硬化材料を充填する硬化材料充填工程と、
前記硬化材料充填工程において充填した前記硬化材料が硬化したのち、前記受け部材配置工程において配置した前記受け部材および前記粒状物敷詰工程において敷き詰めた前記粒状物を除去する除去工程と、
前記受け部材配置工程に先立って、前記配管の周囲に熱膨張性耐火部材を取り付ける工程と、
を有し、
前記粒状物敷詰工程では、前記熱膨張耐火部材の下端部の少なくとも一部が前記粒状物に埋設されるように前記粒状物を敷き詰めることを特徴とする、配管システムの施工方法。 - 請求項1において、前記硬化材料は、不燃材である、配管システムの施工方法。
- 請求項1または2において、前記硬化材料は、モルタル又はコンクリートである、配管システムの施工方法。
- 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記受け部材として、弾性材料からなる部材を用いた、配管システムの施工方法。
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