JP6321081B2 - 撹拌装置 - Google Patents

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本発明は主に速乾性のモルタルやコンクリートを撹拌した後、撹拌羽根体を簡単に分離して洗浄することができる撹拌装置に関する。
コンクリートの硬化時間を短縮する速乾性のモルタルやコンクリートが普及している。特に、高速道路や高架橋などの工事に使用される超速硬モルタルは、水和初期に、急硬性成分であるカルシウムアルミネートと石膏及びセメント成分が反応してエトリンガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O)を生成し、短時間で強度が発現する。
橋梁の工事等で、このような超速硬モルタルやコンクリートを使用する場合、超速硬モルタルやコンクリートを混練したミキサー内で凝結硬化が始まる前に洗浄する必要がある。この洗浄作業で超速硬モルタルやコンクリートがミキサー内に残ってしまった場合は、硬化したモルタルやコンクリートを改めて手作業で除去する作業が必要になる。
すなわち、超速硬モルタルやコンクリートがミキサー内で硬化してしまった場合は、これらのモルタルやコンクリートをハツリ作業等で丁寧に除去する作業になっている。このような手作業は、速乾性のモルタル等を使用して工期を短縮しようとする工事の妨げにならざるを得ない。したがって、超速硬モルタルやコンクリートを使用する場合、ミキサーの使用後の洗浄作業は極めて重要な作業になっている。
一方、特許文献1に、主要部品を簡単に分離して洗浄することができるモルタルミキサーが提案されている。このミキサーによると、攪拌体、機枠、攪拌容器、モーターおよび駆動軸を内包した支軸筒を分解するように構成したことで、ミキサーを輸送する際に、分解して梱包することが容易であり、輸送時に嵩が小さく運搬性に優れるというものである。
特開平6−166019号公報
ところが、特許文献1は、撹拌容器の下にモーターの駆動軸が配置されているので、支軸筒と撹拌羽根の取り外しは、撹拌容器内が完全に乾いた状態でなければ取り外すことができない構成である。
しかも、駆動軸の支軸筒とモーターとの取付けは、支軸筒のフランジ部に4つのボルト穴を開穿し、モーターのハウジングにも4つのボルト穴を開穿したフランジが設けられている。そして、これらのボルト穴に、下方からボルトを差し込み、上方のナットで締結するように構成している。
そのため、モーターの駆動軸から支軸筒や撹拌羽根を取り外す作業は、撹拌容器内に配置されているフランジ部の4つのボルトを外して支軸筒と撹拌羽根とを駆動軸から外す作業になる。
このように引用文献1のミキサーは、支軸筒と撹拌羽根の取り外し作業に多くの時間を要し、超速硬モルタルやコンクリートを混練した後、ミキサー内で凝結硬化が始まる前に洗浄するといった特殊な状況は想定されていなかった。
そこで本発明は上述のごとき課題を解消すべく創出されたもので、速乾性のモルタルやコンクリートを撹拌した後、主要部品を簡単に分離して凝結硬化が始まる前に洗浄することができる撹拌装置の提供を目的とするものである。
上述の目的を達成すべく本発明における第1の手段は、下半分は横断面略円弧状の周壁部2を有し、その両端部が側壁部3により閉塞された撹拌ドラム1と、駆動モーター5に連動し撹拌ドラム1の側壁部3から撹拌ドラム1内に突出する一対の端部回転軸4と、該端部回転軸4の回転により撹拌ドラム1内で回動する撹拌羽根体10と、により速乾性のコンクリート、モルタルを撹拌するように構成された撹拌装置であって、シャフトレスの撹拌羽根体10の複数本組み合わせた支持杆体12に連結軸11を連結し表面に硬質クロムめっきが施された端部回転軸4の長手方向に直交する方向から端部回転軸4の端部に着脱自在に嵌合せしめる断面コ字形状を成した嵌合凹部11Aを連結軸11に設けると共に、該嵌合凹部11A内に嵌合した連結軸11と端部回転軸4とを貫通する連結ボルト20で連結軸11を端部回転軸4に連結したことにある。
本発明の請求項1によると、撹拌ドラム1内に突出する一対の端部回転軸4と、該端部回転軸4の回転により撹拌ドラム1内で回動する撹拌羽根体10と、により速乾性のコンクリート、モルタルを撹拌するように構成された撹拌装置であって、シャフトレスの撹拌羽根体10の複数本組み合わせた支持杆体12に連結軸11を連結し、端部回転軸4の長手方向に直交する方向から端部回転軸4の端部外側面に着脱自在に嵌合せしめる断面コ字形状を成した嵌合凹部11Aを連結軸11に設けたことにより、連結軸11を端部回転軸4に固定する際に、撹拌羽根体10を撹拌ドラム1内に落とし込み、端部回転軸4上に連結軸11を載せるだけで、端部回転軸4に嵌合凹部11Aを嵌合させた状態で仮止めしながら連結ボルト20で連結できるので、連結軸11の着脱作業が容易になる。また、連結軸11を取り外す際に、この連結軸11の嵌合凹部11Aが外れる一方向に荷重を加えることで、容易に取り外すことができる。この結果、速乾性のモルタルやコンクリートを撹拌した後、撹拌羽根体10を簡単に分離して凝結硬化が始まる前に洗浄することができる。
しかも、該嵌合凹部11A内に嵌合した連結軸11と端部回転軸4とを貫通する連結ボルト20で連結軸11を端部回転軸4に連結しているので、確実な連結強度を得ることができる。
更に、嵌合凹部11Aは断面コ字形状を成し、前記端部回転軸4は該嵌合凹部11Aに着脱自在に嵌合する矩形状を成したものであるから、嵌合凹部11Aと端部回転軸4との嵌合部分が組み合っているので、端部回転軸4からの駆動力を連結軸11から撹拌羽根体10にかけて十分に伝達することができる。
また、端部回転軸4の表面に硬質クロムめっきを施すことで、仮に、端部回転軸4の表面に付着した速乾性のモルタルやコンクリートが硬化してしまったとしても、この硬質クロムめっきの非常に硬いめっき層がモルタルやコンクリートの剥離を容易にすることができる。したがって、連結軸11の取り外し作業や、端部回転軸4に付着したモルタルやコンクリートの除去作業を速やかに行うことができる。
本発明の分解一実施例を示す一部切欠正面図である。 本発明の一実施例を示す平面正面図である。 本発明の一実施例を示す一部切欠側面図である。 本発明の保護筒体を示す横断面図である。 本発明の保護筒体を示す縦断面図である。
本発明によると、速乾性のモルタルやコンクリートを撹拌した後、撹拌羽根体を簡単に分離して凝結硬化が始まる前に洗浄することができるなどといった当初の目的を達成した。
以下、本発明の実施例を説明する。本発明の基本構成は、撹拌ドラム1内に突出する一対の端部回転軸4と、該一対の端部回転軸4に夫々連結される連結軸11を備えた撹拌羽根体10とにより構成されている(図1参照)。
撹拌ドラム1は、少なくとも下半分が横断面略円弧状の周壁部2を有し(図5参照)、その両端部が側壁部3により閉塞された略ドラム形状を成す。図示例では、縦断面略U字状を呈する周壁部2と、その両側端部分を塞ぐように固着される左右側壁部3とからなる(図1参照)。図示では省略しているが、周壁部2や側壁部3の一部の適位置に、撹拌混練された速乾性のモルタルやコンクリート等を吐出する開閉自在な排出口を開口する。
端部回転軸4は、撹拌ドラム1の側壁部3から撹拌ドラム1内に突出する一対の軸状部材である(図4参照)。この端部回転軸4は、駆動モーター5に連動して撹拌ドラム1内の撹拌羽根体10を回転せしめるものである(図5参照)。図示例では、駆動モーター5の駆動軸6と端部回転軸4とにスプロケット7、8を設け、チェーン9を介して端部回転軸4を回転させるように構成している。
この端部回転軸4は、後述する連結軸11を着脱自在に連結するもので、特に、端部回転軸4の長手方向に直交する方向から端部回転軸4の端部外側面に連結軸11を嵌合するように構成している(図4参照)。図示の端部回転軸4は、基本的に正方形状をなし、角部に面取り部4Aを形成した形状を成している。
更に、端部回転軸4の表面に硬質クロムめっきを施している。この硬質クロムめっきは、工業用クロムめっきとも称され、硬さ、密着性、耐摩耗性等の性能が極めて優れている。特に、硬質クロムめっきされたクロムは、無水クロム酸を溶液として電解析出されたクロムの中に0.02〜0.05%程度の水素と、若干の酸素が含まれており、そのため結晶に歪みが生じ、かつ電着クロムの結晶粒子が非常に微細なことが、非常に硬くなる原因であるといわれている。したがって、仮に速乾性のモルタルやコンクリートが端部回転軸4の表面に付着した状態で硬化が始まったとしても、モルタルやコンクリートの剥離を容易にすることができる。
撹拌羽根体10には連結軸11が設けられており、この連結軸11を端部回転軸4に夫々着脱自在に連結するように構成している(図2参照)。そして、端部回転軸4から連結軸11を介し、撹拌ドラム1内部で撹拌羽根体10が回転する。この撹拌羽根体10は、撹拌ドラム1の側壁部3内周面に沿って摺動するもので、図示例では、撹拌羽根体10の中心に回転軸を敢えて設けず、複数本の支持杆体12を組み合わせて撹拌羽根体10に連結軸11を連結している。このようなシャフトレスの撹拌羽根体10を使用することで、分解した後の洗浄作業を容易にすることができる。
また、連結軸11の近傍に側壁面摺節体13を設けている(図1参照)。この側壁面摺節体13は、撹拌ドラム1の側壁部3内面に当接すると共に、撹拌ドラム1端部のセメントや砂、水、砂利等をドラム5中央がわに押出すように構成したものである(図2参照)。この側壁面摺節体13により、撹拌ドラム1の周壁部2に付着するモルタルやコンクリートを常に少なくすることができる。
連結軸11は、端部回転軸4の外側に嵌合するように構成したもので、連結ボルト20によって、嵌合状態の端部回転軸4と連結軸11とが連結される(図3参照)。図示の連結軸11は、断面コ字形状を成し、内側に嵌合凹部11Aを備えている(図4参照)。
更に、嵌合凹部11Aに電気鍍金を施すことにより、この嵌合凹部11Aの硬度を面に高めることが可能になる。したがって、仮に、速乾性のモルタルやコンクリートが連結軸11の嵌合凹部11Aに付着した状態で硬化が始まったとしても、この硬質クロムめっきの非常に硬いめっき層がモルタルやコンクリートの剥離を容易にすることができる。
尚、本発明の各構成は図示例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で任意に構成を変更することが可能である。
1 撹拌ドラム
2 周壁部
3 側壁部
4 端部回転軸
4A 面取り部
5 駆動モーター
6 駆動軸
7 スプロケット
8 スプロケット
9 チェーン
10 撹拌羽根体
11 連結軸
12 支持杆体
13 側壁面摺節体
20 連結ボルト
21 ナット

Claims (1)

  1. 下半分は横断面略円弧状の周壁部を有し、その両端部が側壁部により閉塞された撹拌ドラムと、駆動モーターに連動し撹拌ドラムの側壁部から撹拌ドラム内に突出する一対の端部回転軸と、該端部回転軸の回転により撹拌ドラム内で回動する撹拌羽根体とにより速乾性のコンクリート、モルタルを撹拌するように構成された撹拌装置であって、シャフトレスの撹拌羽根体の複数本組み合わせた支持杆体に連結軸を連結し表面に硬質クロムめっきが施された端部回転軸の長手方向に直交する方向から端部回転軸の端部に着脱自在に嵌合せしめる断面コ字形状を成した嵌合凹部を連結軸に設けると共に、該嵌合凹部内に嵌合した矩形状の端部回転軸と連結軸とを貫通する連結ボルトで連結軸を端部回転軸に連結したことを特徴とする撹拌装置。
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