以下に添付図面を参照して、実施形態にかかるエレベータ制御装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかるエレベータ制御装置は、エレベータを監視するとともに制御しその運行サービスを行う。エレベータ制御装置は、例えば、図1に示すようなエレベータ1を監視するとともに制御する。図1は、エレベータ1の構成を示す概略図である。
エレベータ1は、かご10、カウンターウェイト20、メインロープ30、巻上機40、メインシーブ50、そらせシーブ51、及び制御盤60を備えている。
かご10、カウンターウェイト20、メインロープ30は、エレベータ1の昇降路2内に設置されている。また、巻上機40、メインシーブ50、そらせシーブ51及び制御盤60は、昇降路2の上方に設けられた機械室3内に設置されている。制御盤60は、運転制御部61及び表示制御部62を有する。
かご10は、利用者により乗降され、乗っている利用者を目的階へ移動させる。かご10は、昇降路2内に設置された一対のかご用ガイドレールの間に設置され、かご用ガイドレールに対して1以上設置された案内装置を介してかご用ガイドレールに沿って昇降することで、昇降路2内を昇降する。かご10には、かごドア11が開閉自在に設置されている。かごドア11は、運転制御部61による制御に従い、かご10のかご側乗降口12を閉塞、開放する。かごドア11は、かご10の昇降時において、運転制御部61による制御(戸閉制御)に従い、閉状態を維持する。かごドア11は、かご10が着床した際に、運転制御部61による制御(戸開制御)に従い、閉状態から開状態となる。
なお、かご10には、開閉センサーなどが設置されており、これらのセンサーが運転制御部61と接続されている。かごドア11と、複数の乗場ドア4aとを含むドアDの開閉状態が運転制御部61に出力される。運転制御部61は、かごドア11と複数の乗場ドア4aとの開閉状態を監視しながら、各ドアDの開閉を制御することができる。例えば、呼び登録が発生していない状態において、所定の階床に止まっているかご10を戸開待機させることができ、戸開待機させてから戸開時間経過後に、かご10を戸開待機の状態から戸閉待機の状態へ移行させることができる。戸開時間の長さは、戸開状態を維持するように予め定められた時間長さ(デフォルト時間長さ)とすることができる。
カウンターウェイト20は、かご10の昇降に連動して昇降路2内を昇降する。カウンターウェイト20は、一対のウェイト用ガイドレールの間に設置され、ウェイト用ガイドレールに対して1以上設置された案内装置を介してウェイト用ガイドレールに沿って昇降する。ここで、カウンターウェイト20は、かご10が所定積載量(例えば、最大積載量に対して1/2程度)の場合に巻上機40を挟んで、かご10と釣り合うように重量が設定されている。
メインロープ30は、かご10とカウンターウェイト20とを連結する1以上のロープであり、巻上機40のメインシーブ50及びそらせシーブ51に巻き掛けられている。メインロープ30は、かご10と、カウンターウェイト20とをトラクション式に昇降させる。メインロープ30は、一方の端部がかご10に連結され、他方の端部がカウンターウェイト20に連結されている。メインロープ30は、一方の端部がかご10の鉛直方向上部に固定され、他方の端部がカウンターウェイト20の鉛直方向上部に固定されている。
巻上機40は、モータ41により回転することでメインシーブ50に巻き掛けられたメインロープ30を巻き上げ、かご10とカウンターウェイト20との昇降方向における相対位置を変化させることで、かご10を昇降路2内で昇降させる。巻上機40は、運転制御部61と接続されており、運転制御部61を介して供給される電力によりモータ41の駆動制御が行われる。
エレベータ1が設置される建物は、複数の階から構成されている。建物の各階には、エレベータ1のかご10に乗るための乗場4が設置されている。各乗場4には、乗場ドア4aが開閉自在に設置されている。乗場ドア4aは、乗場4の乗場側乗降口4bをそれぞれ閉塞、開放する。乗場側乗降口4bは、かご10が着床した際にかご側乗降口12と対向する位置に形成されている。
乗場ドア4aは、通常、閉状態であり、ロック機構により、開状態への動作が規制されている。乗場ドア4aは、かご10が着床して、かごドア11が閉状態から開状態に動作するのに連動して、ロック機構によるロックを解除すると共に、閉状態から開状態となる。
乗場4には、乗場操作盤4c及びランタン4dが設置されている。乗場操作盤4cは、運転制御部61に接続されており、利用者による操作入力に応じて乗場呼びの登録信号を行う。乗場操作盤4cは、上昇呼びボタンや下降呼びボタンなどを含む。乗場操作盤4cは、上昇呼びボタンが押下されると、利用者がいる乗場4に上階に向かうかご10を呼ぶ乗場呼びの登録信号を運転制御部61に対して行う。また、乗場操作盤4cは、下降呼びボタンが押下されると、利用者がいる乗場4に下階に向かうかご10を呼ぶ乗場呼びの登録信号を運転制御部61に供給する。
ランタン4dは、例えば、かご10の到着と運転方向を示すものであり、LEDなどを点灯表示させる。ランタン4dは、制御盤60の表示制御部62に接続されており、表示制御部62による制御に応じて、LEDなどを点灯表示させる。
かご10は、かご操作盤13を有する。かご操作盤13は、運転制御部61に接続されており、利用者による操作入力に応じてかご呼びの登録信号を行う。かご操作盤13は、かご10内に設置され、行先階を指定する操作入力を受け付けたり、かごドア11の開閉を指定する操作入力を受け付けたりする。かご操作盤13は、かごドア11を閉じるための戸閉ボタンと、かごドア11を開くための戸開ボタンと、行先階を指定するための行先階ボタンとを有する。かご操作盤13は、行先階ボタンが押下されると、指定された行先階へ向かわせるかご呼びの登録信号を運転制御部61に供給する。
エレベータ制御装置100は、制御盤60の運転制御部61を介して、エレベータ1の運転を制御することができる。例えば、エレベータ制御装置100は、その主要部(制御端末)が監視センター内に配され、エレベータ1の制御盤60と通信可能に接続され得る。エレベータ制御装置100は、乗場操作盤4cから乗場呼びの登録信号を運転制御部61経由で受けることができ、かご操作盤13からかご呼びの登録信号を運転制御部61経由で受けることができる。エレベータ制御装置100は、乗場呼びの登録信号やかご呼びの登録信号に応答して、乗場呼び又はかご呼びをかご10に割り当て、かご10を昇降路内で移動させて目的階に到着させることができる。このとき、乗場呼び及びかご呼びに対する応答を適切に制御することが望まれる。
例えば、かご10内の温度及び湿度の環境によっては(例えば、温度及び湿度に応じた不快指数が高いと)、かご10に乗っている利用者が不快感を覚えることがある。また、例えば、かご10内が多数の利用者で混雑していると(すなわち、かご10内の床の利用面積が大きいと)、かご10に乗っている各利用者が不快感を覚えることがある。これらの場合に、乗場呼び及びかご呼びに対して呼び登録の発生順にかご10を応答させる制御を行うと、利用者の不快感が増大する可能性がある。
そこで、本実施形態では、エレベータ制御装置100において、かご10内の不快指数と利用面積とをそれぞれ取得し、不快指数が閾値以上であり且つ利用面積が閾値以上であることに応じてかご10を乗場呼びよりかご呼びに優先的に応答するように制御することで、かご10内における利用者の不快感の軽減を図る。
具体的には、エレベータ制御装置100は、図2に示すように、取得部(第1の取得部)101、取得部(第2の取得部)102、及び制御部107を有する。図2は、エレベータ制御装置100の構成を示すブロック図である。
制御部107は、エレベータ制御装置100の各部を統括的に制御する。制御部107は、ハードウェア的に(制御端末の外部又は内部に配される回路として)実現されてもよいし、ソフトウェア的に(制御端末内でプログラムの実行によりメモリ上に実現される機能モジュールとして)実現されてもよいし、一部の部分がハードウェア的に実現され残りの部分がソフトウェア的に実現されてもよい。
取得部101は、制御部107による制御に従い、かご10内の不快指数を取得する。取得部101は、定期的にかご10内の不快指数を取得してもよい。例えば、取得部101は、予め定められた時刻ごとにかご10内の不快指数を取得してもよいし、エレベータ制御装置100の起動タイミングから一定時間ごとにかご10内の不快指数を取得してもよい。あるいは、取得部101は、トリガー条件が成立する度にかご10内の不快指数を取得してもよい。例えば、取得部101は、エレベータ制御装置100における呼び登録が行われる度にかご10内の不快指数を取得してもよいし、かごドア11の戸閉制御又は戸開制御が行われる度にかご10内の不快指数を取得してもよい。
取得部101により取得されるべき不快指数は、温度及び湿度によって人が感じ得る不快感を数量的に表した数値であり、かご10内の温度及び湿度に基づいて決定することができる。そのため、取得部101は、検知部108及び計算部(第1の計算部)104を有する。
検知部108は、かご10内の付近に配され得る。検知部108は、制御部107による制御に従い、かご10内の温度及び湿度を検知する。検知部108は、かご10の内壁面に設置されていてもよいし、かご10の換気口の近辺に設定されていてもよい。検知部108は、温度センサ及び湿度センサを含む。温度センサは、例えば、サーミスタ(半導体を用いた温度センサ)、測温抵抗体(白金、ニッケル、銅等の金属を用いた温度センサ)、リニア抵抗体(ニッケルやパラジウムの合金を用いた温度センサ)、熱電対などである。湿度センサは、例えば、電気式湿度計(高分子系湿度センサ、金属酸化物系湿度センサ、電解質系湿度センサ)、露点計(自動平衡式露点計、塩化リチウム露点計)などである。検知部108は、検知された温度及び湿度を計算部104へ供給する。
計算部104は、制御部107による制御に従い、検知部108で検知された温度及び湿度に基づいて、かご10内の不快指数を計算する。例えば、検知部108で検知された温度(乾球温度)をTdとし、検知部108で検知された湿度(相対湿度)をHとすると、計算部104は、次の数式1により不快指数DIを計算することができる。
DI=0.81×Td[℃]+0.01×H[%]×(0.99×Td[℃]−14.3)+46.3・・・数式1
DI=0.55×(1−H[%])×(Td[°F]−58)・・・数式2
計算部104は、温度(乾球温度)Tdを摂氏の単位の値で検知部108から取得した場合、又は、検知部108で検知された温度(乾球温度)Tdを摂氏の単位の値に換算した場合、数式1により不快指数DIを計算することができる。計算部104は、温度(乾球温度)Tdを華氏の単位の値で検知部108から取得した場合、又は、検知部108で検知された温度(乾球温度)Tdを華氏の単位の値に換算した場合、数式2により不快指数DIを計算することができる。計算部104は、計算された不快指数を制御部107へ供給する。
なお、計算部104は、ハードウェア的に(制御端末の外部又は内部に配される回路として)実現されてもよいし、ソフトウェア的に(制御端末内でプログラムの実行によりメモリ上に実現される機能モジュールとして)実現されてもよいし、一部の部分がハードウェア的に実現され残りの部分がソフトウェア的に実現されてもよい。
取得部102は、制御部107による制御に従い、かご10内の利用面積を取得する。取得部102は、定期的にかご10内の利用面積を取得してもよい。例えば、取得部102は、予め定められた時刻ごとにかご10内の利用面積を取得してもよいし、エレベータ制御装置100の起動タイミングから一定時間ごとにかご10内の利用面積を取得してもよい。あるいは、取得部102は、トリガー条件が成立する度にかご10内の利用面積を取得してもよい。例えば、取得部102は、エレベータ制御装置100における呼び登録が行われる度にかご10内の利用面積を取得してもよいし、かごドア11の戸閉制御又は戸開制御が行われる度にかご10内の利用面積を取得してもよい。
取得部102により取得されるべき利用面積は、かご10内の床面積のうち利用者により占有される面積であり、かご10内を撮像した画像に基づいて決定することができる。そのため、取得部102は、撮像部105及び計算部(第2の計算部)106を有する。
撮像部105は、かご10内の付近に配され得る。撮像部105は、制御部107による制御に従い、かご10内を撮像し、かご10内の画像を取得する。撮像部105は、かご10の内壁面に設置されていてもよい。撮像部105は、防犯用にかご10内に設置されているカメラ(防犯カメラ)等によって兼用されてもよいし、利用者の体から放射される赤外線の分布を検出する赤外線センサであってもよい。撮像部105は、かご10内に利用者が存在しない状態でかご10内を撮像し、取得されたかご10内の画像を基準画像として計算部106へ供給することができる。撮像部105は、かご10内に利用者が存在し得る状態でかご10内を撮像し、取得されたかご10内の画像を利用時の画像として計算部106へ供給することができる。撮像部105は、各画像を、複数の画素を含み各画素ごとに輝度レベルを有する画像データとして計算部106へ供給することができる。
計算部106は、制御部107による制御に従い、撮像部105で取得されたかご10内の画像に基づいて、かご10内の利用面積を計算する。例えば、計算部106は、基準画像を予め撮像部105から受けて保持しておく。計算部106は、利用時の画像を受けたら、利用時の画像と基準画像との差分の画像を求める。計算部106は、画像(画像データ)に含まれた各画素ごとに利用時の画像と基準画像との輝度レベルの差分を取り、差分の画像を求めることができる。計算部106は、差分の画像における輝度レベルが閾値レベルを超える画素数をカウントし、カウント結果に応じてかご10内の利用面積を求めることができる。あるいは、例えば、計算部106は、利用時の画像を受けたら、利用時の画像に対してキャニー法等によるエッジ検出を行って利用者の輪郭を取得する。計算部106は、取得された輪郭の内側が利用者により占有されているものとして、利用者による占有領域を床面に投影し、投影された領域の面積をかご10内の利用面積として求めることができる。計算部106は、計算された利用面積を制御部107へ供給する。
なお、計算部106は、ハードウェア的に(制御端末の外部又は内部に配される回路として)実現されてもよいし、ソフトウェア的に(制御端末内でプログラムの実行によりメモリ上に実現される機能モジュールとして)実現されてもよいし、一部の部分がハードウェア的に実現され残りの部分がソフトウェア的に実現されてもよい。
制御部107は、かご10内の不快指数を取得部101から受け、かご10内の利用面積を取得部102から受ける。制御部107は、かご10内の不快指数が第1の閾値以上であり且つかご10内の利用面積が第2の閾値以上であることに応じて、かご10を乗場呼びよりかご呼びに優先的に応答するように制御する。
例えば、制御部107は、かご10内の不快指数が第1の閾値以上であり且つかご10内の利用面積が第2の閾値以上である場合、かご呼びの登録信号を受けたら、そのかご呼びに優先応答する。すなわち、制御部107は、そのかご呼びを優先的にかご10に割り当てる。これにより、かご10内の利用者の体感温度が高く且つ利用人数が多いことにより利用者の不快感が高いと予想される場合に、かご呼びされた階床にかご10を迅速に移動させてかご10内の利用者の人数を減らすことができ、かご10内の利用者の不快感を軽減できる。
なお、第1の閾値は、かご10内の温度及び湿度を変化させていった場合にかご10内の利用者が不快に感じ始める温度及び湿度の環境に応じて予め実験的に決めることができ、例えば、75とすることができる。第2の閾値は、かご10内の利用者数を変化させていった場合にかご10内の利用者が不快に感じ始める利用者数で占められる床の面積に応じて予め実験的に決めることができ、例えば、床の全面積のうち75%の面積とすることができる。
次に、エレベータ制御装置100の動作について図3を用いて説明する。図3は、エレベータ制御装置100の動作を示すフローチャートである。
エレベータ制御装置100は、かご10内の温度及び湿度を検知する(S1)。エレベータ制御装置100は、S1で検知された温度及び湿度に基づいて、不快指数を計算する(S2)。エレベータ制御装置100は、S2で計算された不快指数が第1の閾値(例えば、75)以上であるか否かを判断する(S3)。エレベータ制御装置100は、不快指数が第1の閾値未満である場合(S3でNo)、かご呼び及び乗場呼びに対して通常の応答(例えば、登録順の応答)を行うようにかご10を制御する(S4)。エレベータ制御装置100は、不快指数が第1の閾値以上である場合(S3でYes)、かご10内を撮像してかご10内の画像を取得し、かご10内の画像に基づいて、かご10内の利用面積を計算する(S5)。エレベータ制御装置100は、S5で計算した利用面積が第2の閾値(例えば、床の全面積のうち75%の面積)以上であるか否かを判断する(S6)。エレベータ制御装置100は、かご10内の利用面積が第2の閾値未満である場合(S6でNo)、かご10内の利用面積が第2の閾値以上となるまでかご呼び及び乗場呼びにそれぞれ応答するようにかご10を制御する(S7)。エレベータ制御装置100は、かご10内の利用面積が第2の閾値以上である場合(S6でYes)、かご10をかご呼びに優先応答させる(S8)。エレベータ制御装置100は、かご呼びの優先応答が未完了の状態で乗場呼びが登録されても、その乗場呼びを無効化する。エレベータ制御装置100は、かご10がかご呼びされた階床に到着し(S9)、かご呼びの優先応答が完了したら、処理を終了する。
以上のように、第1の実施形態では、エレベータ制御装置100において、かご10内の不快指数と利用面積とをそれぞれ取得し、不快指数が第1の閾値以上であり且つ利用面積が第2の閾値以上であることに応じてかご10を乗場呼びよりかご呼びに優先的に応答するように制御する。これにより、かご10内の利用者の体感温度が高く且つ利用人数が多いことにより利用者の不快感が高いと予想される場合に、かご呼びされた階床にかご10を迅速に移動させてかご10内の利用者の人数を減らすことができ、かご10内の利用者の不快感を軽減できる。
なお、検知部108は、不快指数を計算するのに用いられるべきパラメータとして、温度及び湿度に代えて乾球温度及び湿球温度を検知してもよい。この場合、検知部108は、乾球温度計及び湿球温度計を含むことができる。検知部108は、検知された乾球温度及び湿球温度を計算部104へ供給する。計算部104は、制御部107による制御に従い、検知部108で検知された乾球温度及び湿球温度に基づいて、かご10内の不快指数を計算する。例えば、検知部108で検知された乾球温度をTdとし、検知部108で検知された湿球温度をTwとすると、計算部104は、次の数式3又は数式4により不快指数DIを計算することができる。
DI=0.72×(Td[℃]+Tw[℃])+40.6・・・数式3
DI=0.4×(Td[°F]+Tw[°F])+15・・・数式4
計算部104は、乾球温度Td、湿球温度Twを摂氏の単位の値で検知部108から取得した場合、又は、検知部108で検知された乾球温度Td、湿球温度Twを摂氏の単位の値に換算した場合、数式3により不快指数DIを計算することができる。計算部104は、乾球温度Td、湿球温度Twを華氏の単位の値で検知部108から取得した場合、又は、検知部108で検知された乾球温度Td、湿球温度Twを華氏の単位の値に換算した場合、数式4により不快指数DIを計算することができる。
また、エレベータ制御装置100は、かご呼びの優先応答が未完了の状態で登録された乗場呼びを無効化せずに、図4に示すように劣後応答させてもよい。図4は、エレベータ制御装置100の動作を示すフローチャートである。
すなわち、乗場呼びが登録された場合、エレベータ制御装置100は、乗場呼びを劣後応答として保持する。エレベータ制御装置100は、かご10をかご呼びされた階床に到着させ(S9)、かご呼びの優先応答が完了したら、劣後応答されていた乗場呼びがあるか否かを判断する(S11)。エレベータ制御装置100は、劣後応答されていた乗場呼びがない場合(S11でNo)、処理を終了する。エレベータ制御装置100は、劣後応答されていた乗場呼びがある場合(S11でYes)、かご10内を撮像してかご10内の画像を取得し、かご10内の画像に基づいて、かご10内に利用者がいるか否かを判断する(S12)。エレベータ制御装置100は、かご10内に利用者がいる場合(S12でYes)、かご呼び及び乗場呼びに対して通常の応答を行うようにかご10を制御する(S13)。エレベータ制御装置100は、かご10内に利用者がいない場合(S12でNo)、(必要に応じてかご10の昇降方向を反転させ、)乗場呼びに応答する(S14)。これにより、乗場呼びがなされた階床にかご10を迅速に移動させることができ、乗場4の利用者の待ち時間の長期化を避けることができるので、乗場4の利用者の不快感を抑制できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態にかかるエレベータ制御装置200について説明する。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第1の実施形態では、かご10内の不快指数及び利用面積を考慮してかご呼びの優先応答を行うか否かを判断しているが、第2の実施形態では、さらに乗場の待ち人数も考慮してかご呼びの優先応答を行うか否かを判断する。
具体的には、図5に示すように、エレベータ制御装置200は、取得部203及び換気部211をさらに有し、制御部107(図2参照)に代えて制御部207を有する。図5は、エレベータ制御装置200の構成を示すブロック図である。
換気部211は、かご10内を換気する。換気部211は、かご10の天井板上に配されている。換気部211は、ファンと、ファンを覆うカバーとを有する。かご10の天井板における換気部211が設けられた個所には通気口が開口しており、換気部211のカバーの側面には吸排気口が開口している。吸排気口からファンの回転により流入された外気は通気口を介してかご10内に供給されるとともに、かご10内の空気はファンの回転により通気口から吸排気口を介してエレベータ1の昇降路2へと排気される。換気部211は、制御部207に制御された回転数でファンを回転させる。これにより、換気部211は、制御部207による制御に従った換気量でかご10内を換気することができる。
取得部(第3の取得部)203は、制御部207による制御に従い、複数階の乗場4(図1参照)のそれぞれについて、乗場4の識別情報(例えば、何階の乗場4であるかを示す情報)に関連付けて乗場4の待ち人数を取得する。取得部203は、定期的に乗場4の待ち人数を取得してもよい。例えば、取得部203は、予め定められた時刻ごとに乗場4の待ち人数を取得してもよいし、エレベータ制御装置200の起動タイミングから一定時間ごとに乗場4の待ち人数を取得してもよい。あるいは、取得部203は、トリガー条件が成立する度に乗場4の待ち人数を取得してもよい。例えば、取得部203は、エレベータ制御装置200における呼び登録が行われる度に乗場4の待ち人数を取得してもよいし、かごドア11の戸閉制御又は戸開制御が行われる度に乗場4の待ち人数を取得してもよい。
取得部203により取得されるべき乗場4の待ち人数は、乗場4のドアD付近で待っている利用者の人数であり、乗場4を撮像した画像に基づいて決定することができる。そのため、取得部203は、撮像部209及び計算部210を有する。
撮像部209は、乗場4のドアD付近に配され得る。撮像部209は、制御部207による制御に従い、乗場4を撮像し、乗場4の画像を取得する。撮像部209は、乗場4の壁面に設置されていてもよい。撮像部209は、防犯用に乗場4の壁面に設置されているカメラ(防犯カメラ)等によって兼用されてもよいし、利用者の体から放射される赤外線の分布を検出する赤外線センサであってもよい。撮像部209は、乗場4に利用者が存在しない状態で乗場4を撮像し、取得された乗場4の画像を基準画像として計算部210へ供給することができる。撮像部209は、乗場4に利用者が存在し得る状態で乗場4を撮像し、取得された乗場4の画像を利用時の画像として計算部210へ供給することができる。撮像部209は、各画像を、複数の画素を含み各画素ごとに輝度レベルを有する画像データとして計算部210へ供給することができる。撮像部209は、各画像を、その乗場4の識別情報に関連付けた形で計算部210へ供給することができる。
計算部210は、撮像部209で取得された乗場4の画像に基づいて、乗場4の待ち人数を計算する。例えば、計算部210は、基準画像を予め撮像部209から受けて保持しておく。計算部210は、利用時の画像を受けたら、利用時の画像と基準画像との差分の画像を求める。計算部210は、画像(画像データ)に含まれた各画素ごとに利用時の画像と基準画像との輝度レベルの差分を取り、差分の画像を求めることができる。計算部210は、差分の画像における輝度レベルが閾値レベルを超える画素数をカウントし、カウント結果に応じて乗場4における利用者で占有された領域の面積を求めることができ、求められた面積に基づいて乗場4の待ち人数を求めることができる。あるいは、例えば、計算部210は、利用時の画像を受けたら、利用時の画像に対してキャニー法等によるエッジ検出を行って利用者の輪郭を取得する。計算部210は、取得された輪郭に対して人の輪郭のテンプレートを用いたテンプレートマッチングを行い、テンプレートマッチングの結果に基づいて乗場4の待ち人数を求めることができる。あるいは、例えば、計算部210は、利用時の画像を受けたら、利用時の画像に対して、目や鼻等の顔パーツの特徴や肌色検出に基づく顔検出アルゴリズムを用いて利用者の顔を検出し、顔検出の結果に基づいて乗場4の待ち人数を求めることができる。計算部210は、計算された乗場4の待ち人数を乗場4の識別情報に関連付けて制御部207へ供給する。
なお、計算部210は、ハードウェア的に(制御端末の外部又は内部に配される回路として)実現されてもよいし、ソフトウェア的に(制御端末内でプログラムの実行によりメモリ上に実現される機能モジュールとして)実現されてもよいし、一部の部分がハードウェア的に実現され残りの部分がソフトウェア的に実現されてもよい。
制御部207は、かご10内の不快指数を取得部101から受け、かご10内の利用面積を取得部102から受け、乗場4の待ち人数を取得部203から受ける。制御部207は、かご10内の不快指数が第1の閾値以上であり且つかご10内の利用面積が第2の閾値以上であり且つ乗場4の待ち人数が第3の閾値を超えている場合に、換気部211を定常時の換気量で換気するように制御するとともにかご10を乗場呼びよりかご呼びに優先的に応答するように制御する。
例えば、制御部207は、かご10内の不快指数が第1の閾値以上であり且つかご10内の利用面積が第2の閾値以上であり且つ乗場呼びされた乗場4の待ち人数が第3の閾値を超えている場合、かご呼びの登録信号を受けたら、換気部211による換気量を定常時の換気量に維持しながら、そのかご呼びに優先応答する。すなわち、制御部207は、そのかご呼びを優先的にかご10に割り当てる。これにより、かご10内の利用者の体感温度が高く且つ利用人数が多いことにより利用者の不快感が高いと予想される場合に、かご10をかご呼びされた階床に迅速に移動させてかご10内の利用者の人数を減らすことができ、かご10内の利用者の不快感を軽減できる。
なお、第3の閾値は、かご10内の利用面積が第2の閾値以上である状態においてかご10内に追加的に収容可能な利用者数に応じて予め実験的に決めることができ、例えば、床の全面積のうち10%の面積を占めると予想される利用者数とすることができる。
また、制御部207は、かご10内の不快指数が第1の閾値以上であり且つかご10内の利用面積が第2の閾値以上であり且つ乗場呼びされた乗場4の待ち人数が第3の閾値以下である場合に、換気部211を定常時の換気量より多い換気量で換気するように制御するとともにかご10を乗場呼びに応答するように制御する。
例えば、制御部207は、かご10内の不快指数が第1の閾値以上であり且つかご10内の利用面積が第2の閾値以上であり且つ乗場呼びされた乗場4の待ち人数が第3の閾値以下である場合、かご呼びの登録信号と乗場呼びの登録信号とを受けたら、換気部211による換気量を定常時の換気量より多い換気量に制御しながら、そのかご呼び及び乗場呼びにそれぞれ応答する。すなわち、制御部207は、かご呼び及び乗場呼びのそれぞれを登録順にかご10に割り当てる。これにより、かご10内の換気量を多くすることでかご10内の利用者の不快感を抑制しながら、乗場呼びがなされた階床にかご10を迅速に移動させることができ、乗場4の利用者の待ち時間の長期化を避けることができる。この結果、かご10内の利用者の不快感を抑制しながら、乗場4の利用者の不快感を抑制できる。
また、エレベータ制御装置200は、図6に示すように、次の点で第1の実施形態と異なる動作を行う。図6は、エレベータ制御装置200の動作を示すフローチャートである。
エレベータ制御装置200は、かご10内の利用面積が第2の閾値以上である場合(S6でYes)、乗場呼びされた乗場4の画像を取得し、乗場4の画像に基づいて、乗場呼びされた乗場4の待ち人数が第3の閾値以下であるか否かを判断する(S21)。エレベータ制御装置200は、乗場呼びされた乗場4の待ち人数が第3の閾値を超えている場合(S21でNo)、かご10をかご呼びに優先応答させる(S22)。エレベータ制御装置200は、乗場呼びされた乗場4の待ち人数が第3の閾値以下である場合(S21でYes)、換気部211による換気量を定常時の換気量より多い換気量に制御しながら、そのかご呼び及び乗場呼びにそれぞれ応答する(S23)。エレベータ制御装置200は、かご呼び及び乗場呼びに対する各応答が完了したら、処理を終了する。
以上のように、第2の実施形態では、エレベータ制御装置200において、かご10内の不快指数と利用面積と乗場4の待ち人数とをそれぞれ取得し、不快指数が第1の閾値以上であり且つ利用面積が第2の閾値以上であり且つ乗場4の待ち人数が第3の閾値以下であることに応じてかご10を乗場呼びよりかご呼びに優先的に応答するように制御する。これにより、かご10内の利用者の体感温度が高く且つ利用人数が多いことにより利用者の不快感が高くかご10内に追加的に利用者を収容する余裕がないと予想される場合に、かご10をかご呼びされた階床に迅速に移動させてかご10内の利用者の人数を減らすことができ、かご10内の利用者の不快感を軽減できる。
また、エレベータ制御装置200において、かご10内の不快指数が第1の閾値以上であり且つかご10内の利用面積が第2の閾値以上であり且つ乗場呼びされた乗場4の待ち人数が第3の閾値以下である場合に、換気部211を定常時の換気量より多い換気量で換気するように制御するとともにかご10を乗場呼びに応答するように制御する。これにより、かご10内の換気量を多くすることでかご10内の利用者の不快感を抑制しながら、乗場呼びがなされた階床にかご10を迅速に移動させることができ、乗場4の利用者の待ち時間の長期化を避けることができる。この結果、かご10内の利用者の不快感を抑制しながら、乗場4の利用者の不快感を抑制できる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態にかかるエレベータ制御装置300について説明する。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第1の実施形態では、エレベータ制御装置100が1つのエレベータ1を制御する場合について例示されているが、第3の実施形態では、エレベータ制御装置300が複数のエレベータ1−1,1−2を制御する場合について例示する。
具体的には、図7に示すように、エレベータ制御装置300に制御される複数のエレベータ1−1,1−2は、それぞれ、昇降路2−1,2−2内を昇降するかご10−1,10−2を有する。エレベータ制御装置300は、取得部101、取得部102、及び制御部107(図2参照)に代えて、取得部301、取得部302、及び制御部307を有する。
取得部301は、制御部307による制御に従い、かご10−1,10−2内の不快指数をそれぞれ取得する。例えば、検知部108−1,108−2は、かご10−1,10−2内の付近に配され、制御部307による制御に従い、かご10−1,10−2内の温度及び湿度を検知する。計算部104は、制御部307による制御に従い、検知部108−1,108−2で検知された温度及び湿度に基づいて、かご10−1,10−2内の不快指数を計算する。
取得部302は、制御部307による制御に従い、かご10−1,10−2内の利用面積をそれぞれ取得する。例えば、撮像部105−1,105−2は、かご10−1,10−2内の付近に配され、制御部307による制御に従い、かご10−1,10−2内を撮像し、かご10−1,10−2内の画像を取得する。計算部106は、制御部307による制御に従い、撮像部105−1,105−2で取得されたかご10−1,10−2内の画像に基づいて、かご10−1,10−2内の利用面積を計算する。
制御部307は、エレベータ制御装置300の各部を統括的に制御し、例えば、乗場呼びの登録信号やかご呼びの登録信号に応答して、乗場呼び又はかご呼びを複数のかご10−1,10−2のうち選択されたかご10に割り当てる。
例えば、制御部307は、かご10−1内の不快指数が第1の閾値以上であり且つかご10−1内の利用面積が第2の閾値以上である場合、かご10−1についてかご呼びの登録信号を受けたら、そのかご呼びに優先応答する。このとき、制御部307は、かご呼びの優先応答が未完了の状態で乗場呼びが登録されたら、かご10−1についてはその乗場呼びを劣後応答とする。そして、制御部307は、劣後応答された乗場呼びを他のかご10−2に優先的に割り当てる。これにより、かご呼びされた階床にかご10−1を迅速に移動させてかご10−1内の利用者の人数を減らすことができるとともに、乗場呼びがなされた階床にかご10−2を迅速に移動させて乗場4の利用者の待ち時間の長期化を避けることができる。この結果、かご10−1内の利用者の不快感を抑制しながら、乗場4の利用者の不快感を抑制できる。
また、エレベータ制御装置300は、図8に示すように、次の点で第1の実施形態と異なる動作を行う。図8は、エレベータ制御装置300の動作を示すフローチャートである。
乗場呼びが登録された場合、エレベータ制御装置300は、乗場呼びを劣後応答として保持する。エレベータ制御装置300は、かご10をかご呼びされた階床に到着させ(S9)、かご呼びの優先応答が完了したら、劣後応答されていた乗場呼びがあるか否かを判断する(S31)。エレベータ制御装置300は、劣後応答されていた乗場呼びがない場合(S31でNo)、処理を終了する。エレベータ制御装置300は、劣後応答されていた乗場呼びがある場合(S31でYes)、乗場呼びを他のかご(他号機)10に割り当てる(S32)。
以上のように、第3の実施形態では、エレベータ制御装置300において、かご10−1内の不快指数が第1の閾値以上であり且つかご10−1内の利用面積が第2の閾値以上であることに応じて、かご10−1内を乗場呼びよりかご呼びに優先的に応答するように制御するとともに他のかご10−2を乗場呼びに応答するように制御する。これにより、かご呼びされた階床にかご10−1を迅速に移動させてかご10−1内の利用者の人数を減らすことができるとともに、乗場呼びがなされた階床にかご10−2を迅速に移動させて乗場4の利用者の待ち時間の長期化を避けることができる。この結果、かご10−1内の利用者の不快感を抑制しながら、乗場4の利用者の不快感を抑制できる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態にかかるエレベータ制御装置400について説明する。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第1の実施形態では、かご呼びの優先応答を行うことでかご10内の利用者の不快感抑制を図っているが、第4の実施形態では、呼び登録が発生していないときにおけるかご10の待機動作を制御することで利用者の不快感抑制を図る。
具体的には、図9に示すように、エレベータ制御装置400は、取得部102(図2参照)を有さず、取得部410をさらに有し、制御部107(図2参照)に代えて制御部407を有する。
取得部410は、制御部407による制御に従い、かご10が待機している乗場4内の不快指数を取得する。取得部410は、定期的に乗場4の不快指数を取得してもよい。例えば、取得部410は、予め定められた時刻ごとに乗場4の不快指数を取得してもよいし、エレベータ制御装置400の起動タイミングから一定時間ごとに乗場4の不快指数を取得してもよい。あるいは、取得部410は、トリガー条件が成立する度に乗場4の不快指数を取得してもよい。例えば、取得部410は、エレベータ制御装置400における呼び登録が行われる度に乗場4の不快指数を取得してもよいし、かごドア11の戸閉制御又は戸開制御が行われる度にかご10内の不快指数を取得してもよい。
取得部410により取得されるべき不快指数は、温度及び湿度によって人が感じ得る不快感を数量的に表した数値であり、乗場4の温度及び湿度に基づいて決定することができる。そのため、取得部410は、検知部413及び計算部414を有する。
検知部413は、乗場4のドアD付近に配され得る。検知部413は、制御部407による制御に従い、乗場4の温度及び湿度を検知する。検知部413は、乗場4の内壁面に設置されていてもよい。検知部413は、温度センサ及び湿度センサを含む。温度センサは、例えば、サーミスタ(半導体を用いた温度センサ)、測温抵抗体(白金、ニッケル、銅等の金属を用いた温度センサ)、リニア抵抗体(ニッケルやパラジウムの合金を用いた温度センサ)、熱電対などである。湿度センサは、例えば、電気式湿度計(高分子系湿度センサ、金属酸化物系湿度センサ、電解質系湿度センサ)、露点計(自動平衡式露点計、塩化リチウム露点計)などである。検知部413は、検知された温度及び湿度を計算部414へ供給する。
計算部414は、制御部407による制御に従い、検知部413で検知された温度及び湿度に基づいて、かご10が待機している乗場4の不快指数を計算する。例えば、計算部414は、数式1又は数式2により不快指数を計算することができる。計算部414は、計算された不快指数を制御部407へ供給する。
制御部407は、かご10内の不快指数を取得部101から受け、かご10が待機している乗場4の不快指数を取得部410から受ける。制御部407は、かご10内の不快指数と乗場4の不快指数とを比較する。制御部407は、かご10内の不快指数が乗場4の不快指数より高いことに応じて、かご10を戸開待機させ、かご10内の不快指数が乗場4の不快指数より低いことに応じて、かご10を戸閉待機させる。
例えば、制御部407は、所定の階床に止まっているかご10を戸開待機させている状態において、かご10内の不快指数が乗場4の不快指数より高い場合、(デフォルト時間長さの)戸開時間が経過してもかご10を戸開待機の状態に維持する。これにより、かご10内に比べて快適な乗場4の温度・湿度の環境をかご10内に取り込むことができ、かご10内の環境を快適化できる。
また、例えば、制御部407は、所定の階床に止まっているかご10を戸開待機させている状態において、かご10内の不快指数が乗場4の不快指数より低い場合、戸開時間の長さをデフォルト時間長さより短縮する。これにより、かご10が戸開待機の状態から戸閉待機の状態へ移行するように促すことができ、かご10内に比べて不快な乗場4の温度・湿度の環境をかご10内に取り込むことを抑制でき、かご10内の環境劣化を抑制できる。
また、エレベータ制御装置400は、かご10の待機状態の制御について、図10に示すような動作を行う。図10は、エレベータ制御装置400の動作を示すフローチャートである。
エレベータ制御装置400は、かご10が待機中であるか否かを判断する(S41)。エレベータ制御装置400は、かご10が待機中でなければ(S41でNo)、処理を終了する。エレベータ制御装置400は、かご10が待機中であれば(S41でYes)、かご10内の温度及び湿度を検知するとともに乗場4の温度及び湿度を検知する(S42)。エレベータ制御装置400は、S42で検知されたかご10内の温度及び湿度に基づいて、かご10内の不快指数を計算するとともに、S42で検知された乗場4の温度及び湿度に基づいて、乗場4の不快指数を計算する(S43)。エレベータ制御装置400は、かご10内の不快指数と乗場4の不快指数とを比較し、かご10内の不快指数が乗場4の不快指数より高いか否かを判断する(S44)。エレベータ制御装置400は、かご10内の不快指数が乗場4の不快指数より高い場合(S44でYes)、かご10を戸開放状態のまま待機させる(S45)。すなわち、エレベータ制御装置400は、かご10を戸開状態に維持する。エレベータ制御装置400は、かご10内の不快指数が乗場4の不快指数以下である場合(S44でNo)、戸開時間をデフォルト時間長さより短縮する(S46)。エレベータ制御装置400は、かご10の戸開待機を開始してから戸開時間が経過するまで(S47でNo)かご10を戸開待機に維持させる。エレベータ制御装置400は、かご10の戸開待機を開始してから戸開時間が経過すると(S47でYes)、かご10を戸開待機の状態から戸閉待機の状態に遷移させ(S48)、処理を終了する。
以上のように、第4の実施形態では、エレベータ制御装置400において、かご10内の不快指数と乗場4の不快指数とを比較し、かご10内の不快指数が乗場4の不快指数より高いときは、戸開待機を行い、かご10内の不快指数が乗場4の不快指数より低いときは、戸開時間の短縮による戸閉待機を行う。これにより、かご10内の環境を快適に保つことができ、かご10を利用者が利用する際の不快感を軽減させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。