JP6320164B2 - 像ブレ補正装置及びその制御方法、光学機器、撮像装置 - Google Patents

像ブレ補正装置及びその制御方法、光学機器、撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6320164B2
JP6320164B2 JP2014104280A JP2014104280A JP6320164B2 JP 6320164 B2 JP6320164 B2 JP 6320164B2 JP 2014104280 A JP2014104280 A JP 2014104280A JP 2014104280 A JP2014104280 A JP 2014104280A JP 6320164 B2 JP6320164 B2 JP 6320164B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
unit
sampling rate
prediction
image blur
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014104280A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015219445A (ja
Inventor
文裕 梶村
文裕 梶村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2014104280A priority Critical patent/JP6320164B2/ja
Publication of JP2015219445A publication Critical patent/JP2015219445A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6320164B2 publication Critical patent/JP6320164B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Description

本発明は、撮像装置等に搭載される像ブレ補正装置及びその制御方法に関する。
デジタルカメラで静止画を撮影する際、撮影者の手ブレの影響により生じ得る画像の劣化を防止する手ブレ補正手段として様々な方式が提案されている。デジタルカメラ内に搭載されたブレ検出センサ(ジャイロセンサ等)を用いて手ブレを検出し、検出結果に基づき補正レンズを光軸に対して略直交する方向にシフトさせて像ブレを補正する技術が知られている。ブレ検出センサを用いる手ブレ補正方式の場合、ブレ検出センサが大きな外乱ノイズを受けた場合、次のような問題が生じる。例えば、レリーズ釦のユーザ操作が検出されて、カメラ内のシャッタ等が駆動された際には、駆動に伴う衝撃がカメラボディを介しブレ検出センサに伝わる。このため、検出信号には実際の手ブレとは異なるノイズ成分が重畳される。以下、このレリーズ動作に伴うシャッタユニットによる外乱ノイズを「シャッタショックノイズ」と呼ぶ。
特許文献1には、シャッタショックノイズ対策が開示されている。ブレ検出センサの信号にシャッタショックノイズが重畳した区間において、信号の繰り返し性に着目し、それまでの信号から適応アルゴリズムを用いた線形予測により補間処理が行われる。適応アルゴリズムによる所定の次数からなる線形予測フィルタが使用され、予測信号と、置換の直前までの角速度信号を用いて適応的に線形予測フィルタの係数を随時更新する処理が行われる。適応アルゴリズムによって随時、線形予測フィルタの係数が更新されるので、レリーズ釦の押下時にシャッタショックノイズが発生しても、角速度信号の予測を行うことができる。
特開2013−118450号公報
特許文献1に開示の従来技術では、適応アルゴリズムにより係数が更新される線形予測フィルタは所定の次数を有しており、この次数が大きいほど予測精度は向上する。しかし次数が大きいと、演算負荷及びフィルタ係数を記憶する容量の増大が問題となる。また線形予測フィルタは原理的に、ブレ検出センサ信号のサンプリングピッチ(サンプリングレートの逆数)に線形予測フィルタの次数を乗算した時間長に対して、それよりも周期が長い周波数が含まれている場合には線形予測の精度が低下する。
本発明の目的は、演算負荷や回路規模を低減しつつ、高精度に像ブレ補正を行える像ブレ補正装置及びその制御方法の提供にある。
本発明に係る装置は、像ブレ補正手段により画像のブレを補正する像ブレ補正装置であって、装置のブレを検出する検出手段と、前記検出手段の検出信号をサンプリングレートにしたがってデジタル信号に変換するサンプリング手段と、前記検出信号に対して異なる周波数帯域の成分をそれぞれ分離する複数の帯域分離手段と、前記複数の帯域分離手段により帯域分離され、かつ前記サンプリング手段により変換されたデジタル信号を取得して、前記帯域分離手段のフィルタ係数を更新する適応アルゴリズムにより線形予測を前記帯域分離手段ごとに行う複数の信号予測手段と、前記検出信号または前記複数の信号予測手段の出力信号からブレ量を算出して前記像ブレ補正手段の制御により像ブレを補正する制御手段と、を備える。前記複数の信号予測手段は、前記複数の帯域分離手段をそれぞれ通過した異なるサンプリングレートのデジタル信号を取得して前記線形予測を行う。
本発明によれば、演算負荷や回路規模を低減しつつ、高精度に像ブレ補正を行うことができる。
本発明の第1実施形態における信号処理を示すブロック図である。 第1実施形態における撮像装置の構成例を示す図である。 第1実施形態における撮像装置のシステムを説明するブロック図である。 第1実施形態における信号予測処理部の構成例を示すブロック図である。 第1実施形態における線形予測部及び適応部を示すブロック図である。 第1実施形態の変形例の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態およびその変形例の構成例を示すブロック図である。 外乱ノイズ発生時のブレ検出信号と信号予測処理を説明する模式図である。
以下に、本発明の各実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。各実施形態に係る撮像装置の構成を説明する前に、図8を参照して線形予測による補間処理の概要を説明する。
図8は、ジャイロセンサで検出した角速度信号と、角速度信号を積分して求めた角度信号と、予測処理の切替タイミングを示す模式図である。図8(A)〜(E)において横軸はいずれも時間軸であり、各信号について時間的に同期して表現している。図8(A)は検出された手ブレの角速度信号201を示す。区間211にてシャッタショックノイズ202が重畳している。なお、図8(B)は、図8(A)の角速度信号を積分して角度信号203に換算した信号を示す。シャッタショックノイズ202の影響により、角度誤差204が発生している。図8(C)は信号予測処理の切替のタイミングを示す。図8(D)は区間211において信号予測によって補間処理を施した後の角速度信号206を示す。図8(E)は図8(D)の角速度信号を積分して角度信号207に換算した信号を示す。図8(C)に示すように、区間211では予測信号への切替信号205がONとなり、図8(D)に示すように、区間211での角速度信号が予測信号208に置換される。その結果、図8(E)に示すように、区間211において角度誤差が低減される。
線形予測による補間処理において問題となる線形予測精度について、具体的に説明すると、例えば、サンプリングレートfsを500Hzとし、線形予測フィルタの次数Mの値を256とする。この場合、サンプリングピッチに線形予測フィルタの次数を乗算した時間長Tlは、下式(1)から0.512sec(秒)が求まる。
Figure 0006320164
よって、周期が0.512sec以上である場合の周波数、つまり約2Hz以下の周波数の信号についての予測精度が低下する結果、手ブレ補正の精度が低下する。式(1)から分かるように、サンプリングレートfsを低くしていけば、低周波帯域の信号についての予測精度は高まるが、サンプリング限界により高周波帯域の信号取得時の精度が低下する。そこで、本発明の実施形態では、演算負荷や回路規模を低減しつつ、線形予測精度の低下を抑制する処理について説明する。各実施形態ではデジタルスチルカメラに具備される像ブレ補正装置を例にして説明するが、デジタルビデオカメラや、監視カメラ、Webカメラ、携帯電話等にも適用可能である。また交換レンズシステムのレンズ装置等の、各種光学機器にも適用可能である。
[第1実施形態]
図1から図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る撮像装置について説明する。なお、被写体側を前面側と定義して各部の位置関係を説明する。
図2は本実施形態に係る撮像装置としてのデジタル一眼レフカメラの概略断面図を示す。撮像装置は、交換可能な撮影レンズ1と、カメラボディ2を備える。撮影レンズ1は、光軸10上の複数のレンズ群や絞り等を備える。撮影光学系11を構成するレンズ群は、ズームレンズやフォーカスレンズ、像ブレ補正用レンズ(例えばシフトレンズ)等を含む。レンズシステム制御部(以下、レンズ制御部という)12は撮影レンズ1内の各部を制御する。レンズ駆動部13は、レンズ制御部12からの制御信号にしたがって可動光学部材を駆動する。角速度を検出するジャイロセンサ14は、カメラに加えられる振れを検出し、振れ検出信号をレンズ制御部12に出力するブレ検出センサである。
カメラボディ2には、メインミラー22aとサブミラー23bを有するクイックリターンミラーユニット22が配置されている。撮影レンズ1のレンズ群を介した後、光軸10に沿って入射する光束の一部は、メインミラー22aの中央に配されたハーフミラー部を通過し、サブミラー22bで反射したのちAF(自動焦点調節)センサ27に導かれる。AFセンサ27は自動焦点調節用の焦点検出手段であり、受光した光束の情報を用いて焦点検出を行う。一方、メインミラー22aで反射した一部の光束は、ファインダ光学系に含まれるピント板28の位置に結像する。その光学像がペンタプリズム29及び接眼光学系30を通過し、撮影者の瞳に導かれる。AE(自動露出)センサ31は、ピント板28に結像した光学像の光量を検出する露光量検出手段であり、撮影レンズ1を通過した光束の光量を検出する。
クイックリターンミラーユニット22の背面側には、フォーカルプレーンシャッタ24が配置され、さらに撮像素子25が配置されている。フォーカルプレーンシャッタ24はシャッタ羽根24aを駆動して光束を遮光することで、光束が撮像素子25で受光されるタイミング及び露光時間を調整する。撮像素子25はCCD(電荷結合素子)イメージセンサやCMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサ等である。図2の状態からクイックリターンミラーユニット22がミラーアップ状態に駆動されると、メインミラー22aとサブミラー22bが光軸10から退避し、この時の光束は撮像素子25の撮像面の位置に集光する。撮像素子25に集光した光束は光電変換によって画像信号として電気回路に送られて処理され、カメラボティ2の背面に設けた画像表示部26の画面に表示される。カメラシステム制御部(以下、カメラ制御部という)21は、不図示のレリーズ釦が押下された場合、AFセンサ27及びAEセンサ31による検出動作、及びクイックリターンミラーユニット22の退避駆動及びシャッタ24の駆動等の制御を行う。
図3はデジタル一眼レフカメラの電気的構成を主に示すブロック図である。
レンズ駆動部13はフォーカスレンズ駆動部13a及びブレ補正駆動部13bを含む。フォーカスレンズ駆動部13aは、撮影光学系11に含まれるフォーカスレンズ11aを光軸に対して平行な方向に移動させて焦点調節を行う。ブレ補正駆動部13bはシフトレンズ11bを光軸10に対して略直交する方向に移動させて像ブレ補正を行う。シフトレンズ及びブレ補正駆動部13aにより像ブレ補正手段が構成される。レンズ制御部12にはジャイロセンサ14の検出信号が入力される。レンズ制御部12は電気接点32を介してカメラボディ2内のカメラ制御部21と通信し、レンズ駆動部13の駆動制御を行う。つまり、レンズ制御部12はカメラ制御部21と相互に通信して制御に必要な情報を取得し、レンズ駆動部13への駆動命令を出力する。また、レンズ駆動部13はジャイロセンサ14からの信号を処理し、像ブレ補正量の算出等を行う。レンズ制御部12を構成するCPU(中央演算処理装置)はサンプリング手段、第1及び第2の帯域分離手段、第1及び第2の信号予測手段、像ブレ量算出手段としての機能を有する。
カメラ制御部21の制御指令に従って、ミラー駆動部37によりクイックリターンミラーユニット22が光軸上から退避し、シャッタ駆動部38によりシャッタ羽根24aが開くと、撮像素子25は受光した光を光電変換する。不図示のA(Analog)/D(Digital)変換部は光電変換された出力に対して量子化処理を行い、デジタル信号を画像処理部33に出力する。画像処理部33は、内部にホワイトバランス回路、ガンマ補正回路、補間演算回路等を有しており、カメラ制御部21の命令に従って撮像素子25から取得した信号を処理して画像データを生成する。画像処理部33が生成したデータは、メモリ部34に記憶される。カメラ制御部21はCPU(中央演算処理装置)等を備え、撮影レンズ1及びカメラボディ2の制御を統括する。カメラ制御部21は、撮像の際のタイミング信号等を生成して各部に出力する。またカメラ制御部21は、ユーザの操作指示を受け付けた場合、当該操作指示に応じてAFセンサ27、AEセンサ31、ミラー駆動部37、シャッタ駆動部38、撮像素子25の制御を行い、必要に応じてレンズ制御部12へ命令信号を送信する。
次に、図4を参照して本実施形態における適応アルゴリズムによる予測処理の切替動作について説明する。レンズ制御部12からの制御指令に従って信号予測処理部50の動作が切り替えられる。信号予測処理部50は線形予測部51、適応部52、減算部53を備える。本実施形態では、2つの単位遅延部42を使用する。
信号予測処理部50の入力端子41にはジャイロセンサ14の検出信号が入力され、2つに分岐する。分岐した一方の信号は第1の単位遅延部42に入力され、他方の信号は減算部53及び出力切替スイッチの接点46cに送られる。複数の単位遅延部42の各出力のうちの一方は後段の予測入力切替スイッチ43aによって選択される。つまり、接点43b,43cが単位遅延部42の各出力端子にそれぞれ接続されており、予測入力切替スイッチ43aの切替はレンズ制御部12からの制御指令にしたがって行われる。予測入力切替スイッチ43aが選択した信号は線形予測部51に入力される。線形予測部51の出力は第2の単位遅延部42と、減算部53及び出力切替スイッチの接点46bに送られる。
減算部53は接点46cの手前で分岐した入力信号を正入力とし、線形予測部51の出力信号を負入力として減算処理を行い、減算結果を適応部52に出力する。適応部52は適応動作スイッチ45を介して線形予測部51に出力する。適応動作スイッチ45のオン/オフ切替はレンズ制御部12からの制御指令にしたがって行われる。出力切替スイッチ46aは、レンズ制御部12からの制御指令にしたがって接点46bと46cの一方の信号を選択する。選択された信号は信号予測処理部50の出力端子48から出力される。
図4に示すu(n)はジャイロセンサ14の観測値を、y(n)は線形予測部51の予測値を、e(n)は減算部53の出力する予測誤差を夫々示している。これらの値において括弧内のnは、第n番目のサンプル値であることを表している。2つの単位遅延部42のうち、第1の単位遅延部は第「n−1」番目のサンプル値(観測値)であるu(n-1)を出力し、第2の単位遅延部は第「n−1」番目のサンプル値(予測値)であるy(n-1)を出力する。
まず、レリーズ動作前においてシャッタショックノイズが重畳されておらず、ジャイロセンサ14からの信号が適切に取得されている場合について説明する。この場合、予測入力切替スイッチ43aは接点43b側の状態であり、適応動作スイッチ45はON状態であり、出力切替スイッチ46aは接点46c側の状態である。予測入力切替スイッチ43aの出力は、入力端子41からの信号を単位時間遅延させたu(n-1)になる。この信号が線形予測部51に入力され、線形予測部51は入力に応じて予測値y(n)を出力する。すなわち、1サンプル前の観測値u(n-1)に基づいて現在の予測値y(n)が生成される。本明細書では、1サンプル以上前の観測値から現在の予測値を得る動作を予測動作と呼ぶ。
減算部53は、現時点での観測値u(n)と予測値y(n)との差である予測誤差を、「e(n)=u(n)-y(n)」により計算する。適応部52は予測誤差e(n)を取得し、適応アルゴリズムによって線形予測部51内のフィルタ係数を更新する。つまり、適応部52が適応動作スイッチ45を介して線形予測部51に出力する信号によってフィルタ係数の値が変更される。出力切替スイッチ46aは接点46cを選択する状態であるため、出力端子48からは観測値u(n)の信号が出力される。すなわち、シャッタショックノイズが重畳せず、ジャイロセンサ14の検出信号が適切に得られている場合には、入力端子41の信号がそのまま出力端子48に出力されるとともに、適応部52によって線形予測部51の適応動作が行われる。本明細書では、適応部52によって線形予測部51のフィルタ係数が適切に更新されることを適応動作と呼ぶ。なお、線形予測部51及び適応部52の動作の詳細については後述する。
次に、シャッタショックノイズが重畳された結果、ジャイロセンサ14の検出信号が適切に得られていない場合について説明する。この場合、予測入力切替スイッチ43aは接点43c側の状態であり、適応動作スイッチ45はOFF状態であり、出力切替スイッチ46aは接点46b側の状態である。
予測入力切替スイッチ43aの出力は、前回のサンプル値である予測値y(n-1)になる。この信号が線形予測部51に入力され、線形予測部51は入力に応じて予測値y(n)を出力する。適応動作スイッチ45はOFF状態であるので、適応部52の出力は線形予測部51に供給されない(適応動作の停止状態)。出力切替スイッチ46aは接点46b側の状態であるので、出力端子48からは予測値y(n)の信号が出力される。すなわち、ジャイロセンサ14の検出信号が適切に得られていない場合には、線形予測部51の生成する予測値の信号が出力端子48に出力されるとともに、適応部52による適応動作が停止する。
以上のように、ジャイロセンサ14からの信号が適切に得られている場合と、ジャイロセンサ14からの信号が適切に得られていない場合とでは、信号予測処理部50の状態が異なる。本実施形態では、ジャイロセンサ14の検出信号が適切に得られているか否かの判定処理をレンズ制御部12が行う。カメラボディ2の操作部36のレリーズ釦が押下されたことをカメラ制御部21が検知すると、検知信号が通信によりレンズ制御部12に通知される。シャッタショックノイズが重畳されるタイミングを示す信号がレンズ制御部12に送信されることにより、当該タイミングで前記判定処理が実行され、ジャイロセンサ14の検出信号が適切に得られていないことが判定される。
次に図5を参照して、線形予測部51と適応部52の詳細な構成と動作について説明する。図5(A)はシャッタショックノイズが重畳される前の動作を説明する構成図である。図5(B)はシャッタショックノイズが重畳している時の動作を説明する構成図である。図5(A)及び(B)では、線形予測部51及びその周辺部に限って図示しており、図4に示した切替スイッチ等を割愛した。
図5(A)は、複数の単位遅延部42と、複数の加算部47と、M個の係数部44を示す。hn(1)からhn(M)はフィルタ係数をそれぞれ示す。hの右下の添え字nは、第nサンプル目のフィルタ係数であることを示している。u(n-1)からu(n-M)は単位遅延部42の各出力を示す。図5(A)に例示する線形予測部51は、いわゆるトランスバーサルフィルタで構成される。適応アルゴリズムを利用可能なその他の形式のフィルタ(例えばラティスフィルタ等)も使用可能であるが、以下では、トランスバーサルフィルタを例にして説明する。
まず適応動作について説明する。予測値y(n)は最終段の加算部47が出力し、減算部53への負入力となる。図5(A)に示す適応動作の場合、下式(2)によって現在の予測値y(n)が得られる。
Figure 0006320164
式(2)中のMはフィルタの次数を表し、予測動作や適応動作を行う対象となる信号のサンプリング周波数や、予測動作を行う時間等に応じて設定される。適応動作のためのアルゴリズム(いわゆる適応アルゴリズム)には様々なものが提案されている。本明細書では、いわゆるLMS(least-mean-square)アルゴリズムについて説明する。このアルゴリズムは勾配法から導出されており、下式(3)によってフィルタ係数hnの更新処理が行われる。
Figure 0006320164
式(3)中のμはステップサイズパラメータと呼ばれる正の係数である。e(n)は減算部53が適応部52に出力する予測誤差である。LMSアルゴリズムによると、いわゆる最急降下法を利用して、フィルタ係数hnが初期値から誤差最小の値に近づいていく。予測誤差e(n)が十分小さい場合には、予測値y(n)が観測値u(n)の良い近似値になっていることを意味する。この場合、適応動作によって更新される量は小さくなる。
次に予測動作について説明する。図5(B)に示すように予測動作を行う場合には、観測値u(n)の代わりに予測値y(n)が使用される。図5(B)の例では、u(n-1)に代えてy(n-1)を利用している。一方、それ以前のサンプルについては観測値を利用しているので、図5(B)は、1サンプルのみ観測値が適当に得られない場合を示している。適応動作によって予測誤差e(n)が十分小さくなっていれば、「u(n-1)≒y(n-1)」となるので1サンプル分の予測値で置き換えて再度求めた予測値y(n)は良い近似であることが期待される。次回の予測ではu(n)の代わりにy(n)が使用される。この処理を順次繰り返していくことで、1サンプルだけでなく、それよりも少し長い区間の予測を行うことも可能である。
上述したように、適応アルゴリズムを用いた線形予測処理を行うには、フィルタ係数値を格納する為に、フィルタの次数であるM個の変数を確保するのに十分な記憶容量が必要である。また、フィルタの次数を大きくした方が信号予測の精度は向上する。しかし、変数用の記憶容量が増加するので、回路規模や演算負荷は増加してしまう。一方、予測を行う信号において、サンプリングピッチにフィルタの次数をかけた時間長よりも長い時間に相当する周波数成分が含まれている場合には、予測精度は低下する。つまり、幅広い帯域の信号を精度良く予測する上で問題となるのは、回路規模と演算負荷の増大である。
そこで本発明の実施形態では、複数の周波数帯域ごとに信号予測処理部を適用する。例えば、ジャイロセンサ信号を低周波帯域と高周波帯域の各成分に分離し、それぞれの周波数帯域ごとに信号予測処理部を使用する。これにより、全帯域でのジャイロセンサ信号に対して1つの信号予測処理部を使用する場合に比べて、線形予測フィルタの次数を抑えつつ、予測精度の低下を抑えることができる。
次に図1を参照して、ブレ量算出処理を説明する。図1は、ジャイロセンサ信号を低周波帯域及び高周波帯域へ分離する周波数帯域分離手段と、2つの信号予測手段を示す回路ブロック図である。なお、図1にて点線で囲まれた範囲はブレ量算出部に含まれる。
ジャイロセンサ14はその検出信号を、BPF(バンドパスフィルタ)61に出力する。BPF61がフィルタ処理した信号は2つに分岐して、一方の信号がHPF(ハイパスフィルタ)62に入力され、他方の信号がLPF(ローパスフィルタ)63に入力される。HPF62は第1の帯域分離手段であり、高域周波数成分を抽出してA/D変換部64aに出力する。LPF63は第2の帯域分離手段であり、低域周波数成分を抽出してA/D変換部64bに出力する。A/D変換部64a,64bはサンプリング手段を構成し、サンプリング周波数がそれぞれ異なる。
第1の信号予測手段である高周波予測処理部50aはA/D変換部64aの出力信号を取得し、処理結果を加算部66に出力する。また、第2の信号予測手段である低周波予測処理部50bはA/D変換部64bの出力信号を取得し、処理結果をアップサンプリング部65に出力する。アップサンプリング後の信号は加算部66に出力される。高周波予測処理部50a,低周波予測処理部50bの回路構成については、図4で示すようにフィルタ次数がM次の線形予測フィルタとする。
上述したように、それぞれの予測処理部50a,50bはレンズ制御部12からの制御指令にしたがって予測動作と適応動作の切替が行われ、出力信号が制御される。加算部66の出力信号は、積分部67の積分処理により角度信号に変換されて出力される。レンズ制御部12はブレ補正駆動部13bを制御し、角度信号の示すブレ量を打ち消すように像ブレ補正を行う。なお、本実施形態では説明の便宜上、予測処理部50a,50bの線形予測フィルタの次数Mの値を256とし、HPF62及びLPF63のカットオフ周波数を4Hzとする。また、A/D変換部64aにおける第1のサンプリングレートfsは500Hzに設定されている。A/D変換部64bにおける第2のサンプリングレートfsは、第1のサンプリングレートの2分の1以下であり、例えば125Hzに設定される。アップサンプリング部65は入力信号のサンプリングレートfsを125Hzから500Hzに変換する。
図1においてジャイロセンサ14の検出信号は、まずBPF61を通ることで高周波ノイズとDC(直流)成分が除去される。例えば、BPF61は0.1〜100Hzの周波数成分を通過させるフィルタである。HPF62を通過した高周波帯域の信号は、A/D変換部64aによってサンプリングレート500Hzのデジタル信号に量子化され、高周波予測処理部50aは4Hz以上での信号予測処理を行う。レンズ制御部12によって動作が切り替えられる高周波予測処理部50aは、切り替えに応じた信号を加算部66に出力する。
一方、LPF63を通過した低周波帯域の信号は、A/D変換部64bによってサンプリングレート125Hzのデジタル信号に量子化され、低周波予測処理部50bは4Hz以下での信号予測処理を行う。低周波予測処理部50bはフィルタ次数Mの値が256であり、処理対象とする信号のサンプリングレートfsは125Hzである。サンプリングレートにフィルタの次数をかけた時間長Tlは、前記の式(1)より2.048sec(秒)となる。つまり、約0.5Hzまでの周波数のブレを精度よく補正することができる。仮にA/D変換部64bのサンプリングレートfsが高周波予測処理部50a側と同じ500Hzである場合、約0.5Hzまでの信号を精度よく予測するには、式(1)より、フィルタ次数として約4倍の1000が必要である。この比較から、本実施形態では、回路規模を縮小できることが分かる。
レンズ制御部12によって動作が切り替えられる低周波予測処理部50bは、切り替えに応じた信号をアップサンプリング部65に出力する。アップサンプリング部65は、高周波予測処理50a側と同じサンプリングレートである500Hzにアップサンプリングを行った信号を加算部66に出力する。加算部66は、共にサンプリングレートが500Hzである4Hz以上の信号と4Hz以下の信号を加算合成し、処理結果を積分部67に出力する。ジャイロセンサ14の検出信号は角速度信号であり、積分部67が1階積分処理を施すことで角度変位の信号(角度信号)となる。この信号はレンズ制御部12において像ブレ補正部の駆動制御に用いられ、補正レンズによる像ブレ補正動作が行われる。
本実施形態では、ジャイロセンサの角速度信号に対して高周波帯域と低周波帯域の各帯域成分への分離が行われ、異なるサンプリングレートで量子化処理が実行される。その後、2つの予測処理部はそれぞれの周波数帯域について適応アルゴリズムによる信号予測処理を行う。そして、サンプリングレートを揃える処理(図1:アップサンプリング部65参照)の後、加算部66による合成処理の結果、全周波数帯域での信号が取得される。本実施形態では、低周波帯域の信号を、高周波帯域の場合の4分の1である、125Hzのサンプリングレートで量子化する処理が行われる。これにより、同じフィルタ次数でサンプリングレート500Hzの場合に比べて、約4分の1の周波数の信号までの予想精度が向上する。つまり、同じ周波数帯域まで信号予測処理を行う場合、周波数帯域を分離しない従来の処理に対し、高周波帯域と低周波帯域のそれぞれに応じた予測処理部で処理する方が、結果的にフィルタの次数が半分でも同様の予測性能を達成できる。具体的には、信号予測処理部のフィルタ次数が2×Mである場合、低周波帯域側のサンプリングレートfsを高周波帯域側の場合の半分以下に設定すれば、それぞれのフィルタ次数をM以下として、従来と同等の信号予測性能が得られる。よって、振れ検出信号に外乱ノイズが重畳された区間における信号を信号予測処理により補間する撮像装置において、回路規模や演算負荷の増大を抑えつつ、ブレの信号予測の精度低下を抑制できる。
なお、本実施形態では、像ブレ補正手段として撮影光学系に含まれる補正レンズ(シフトレンズ等)を駆動する例を説明した。これに限らず、ブレ検出センサからの信号を利用する方法であれば、その他の方法を採用してもよい。例えば、撮影時に撮像素子において短時間の連続的な撮像動作及び画像生成が行われ、生成された連続的な画像を用いてブレ検出が行われる。この検出結果であるブレ量に基づき、画像を少しずつシフトさせて合成処理する方法がある。その他には、撮像素子を光軸に対し略直交方向に移動させる機構部を有する実施形態にて、ブレ検出結果であるブレ量に基づき撮像素子を移動させることで像ブレ補正を行う方法にも本発明は適用可能である。
[第1実施形態の変形例]
次に第1実施形態の変形例を説明する。なお、変形例において第1実施形態の場合と同様の構成要素については既に使用した符号を用いることにより、それらの詳細な説明を省略する。このような説明の省略については後述する実施形態でも同じとする。
図6(A)を参照して変形例に係る回路構成を説明する。図6(A)では、A/D変換後のデジタル信号に対し高周波帯域分離と低周波帯域分離の処理が行われる。図1とは異なり、BPF61の後段のA/D変換部64によるA/D変換後のデジタル信号に対し、HPF62による高周波帯域分離とLPF63による低周波帯域分離の各処理が実行される。A/D変換部64でのサンプリングレートは500Hzである。LPF63の後段には、信号のサンプリングレートを下げる変換を行うダウンサンプリング部68が配置される。ダウンサンプリング後の信号は低周波予測処理部50bに入力される。
図6(A)に示す変形例では、低周波帯域分離後にダウンサンプリング部68によってサンプリングレートの変更を行う必要があるが、A/D変換部を1つに減らすことができる。
次に、図6(B)を参照して、別の変形例を説明する。本変形例では、A/D変換部64bのサンプリングレートが可変値(X[Hz]と記す)であり、以下のようにレンズ制御部12の命令に従って変化する。特に、ブレ信号に低い周波数帯域が含まれる場合、サンプリングレートを所定値よりも下げる制御により、ブレ信号の予測性能の低下を抑えることができる。図6(B)は低周波帯域側のサンプリングレートを制御する場合の回路ブロック図である。図1との相違点は、以下の通りである。
・A/D変換部64cと、周波数解析部69が設けられていること。
・レンズ制御部12からの命令にしたがって、低周波帯域側のA/D変換部64bのサンプリングレートが制御されること。
ジャイロセンサ14の検出信号はBPF61を通過してから3つに分岐する。そのうちの1系統の信号は、A/D変換部64cを介して周波数解析部69に入力される。他の2系統の信号はそれぞれ、HPF62,LPF63を介して対応するA/D変換部64a,64bによってデジタル信号に変換される。
周波数解析部69は周波数解析を行い、その出力はレンズ制御部12に入力される。レンズ制御部12にはサンプリングレート制御部が含まれ、その出力にしたがってA/D変換部64bのサンプリングレートが変更される。なお、A/D変換部64cについては高周波帯域側のA/D変換部64aと同じサンプリングレート(例えば500Hz)に設定されている。
A/D変換部64bのサンプリングレートの変更処理について説明すると、BPF61を通過した信号は周波数解析部69が周波数解析を行い、信号に含まれる低周波数帯域の大きさが検出される。例えばオクターブバンド解析等より、周波数f(n)[Hz]から(√2)×f(n)[Hz]のように一定帯域ごとに分割した場合、各帯域のブレ成分を算出する処理が実行される。レンズ制御部12内のサンプリングレート制御部は、各帯域に対し予め設定された閾値を参照し、解析後の各周波数帯域のブレ成分が閾値を超えたか否かを判断する。サンプリングレート制御部は、閾値を超える周波数帯域がある場合、その周波数帯域のブレ補正が必要と判断して適正なサンプリングレートを選択する。選択されたサンプリングレートに基づいて制御信号がA/D変換部64bに出力される結果、A/D変換部64bのサンプリングレートX[Hz]が変更される。例えば、周波数帯域0.28〜0.56Hzのブレ成分が閾値を超えた場合、サンプリングレートがX=50[Hz]に設定される。前記の式(1)より、約0.2Hzまでの周波数の信号を精度よく予測できるので、ブレ補正の精度が向上する。各周波数帯域のブレ成分の閾値については、レンズ制御部12が参照するテーブルデータとしてメモリに予め記憶されている。サンプリングレートの値は、閾値を超えたブレ成分の周波数帯域が複数ある場合、最も低い周波数帯域を含むように決定される。低周波帯域側のA/D変換部64bのサンプリングレートを変更することは、図6(A)を用いて説明した構成、つまりA/D変換後にダウンサンプリング部を配置した構成の場合にも有効である。
また、A/D変換部64bのサンプリングレートについては、レリーズ動作時のシャッタの露光時間に合わせて制御してもよい。例えば、露光時間が閾値より長い場合、低周波帯域のブレ成分は画像劣化の原因となるが、露光時間が短い場合にはあまり影響を与えない。よって、サンプリングレート制御部は、設定された露光時間に応じてサンプリングレートを変更する。具体的には、レリーズ動作前において図2および図3に示した露光量検出手段(AEセンサ31)が撮影光学系の光量を検出し、光量検出信号をレンズ制御部12が取得する。レンズ制御部12内の露光時間制御部は、予め定められたプログラム線図に基づき適正な露光時間を算出する。そして、サンプリングレート制御部は、算出された露光時間に応じてA/D変換部64bのサンプリングレートの値を決定する。例えば、露光時間が1/1000sec以上であれば250Hzに設定され、1/200sec以上であれば125Hzに設定されるという具合に、露光時間が長くなるに従い、サンプリングレートを低くする制御が行われる。露光時間に対応するサンプリングレートの設定値は、レンズ制御部12が参照するテーブルデータとしてメモリに予め記憶されている。
以上のように、振れ検出信号に係る高周波帯域の分離を行う第1の帯域分離手段と、低周波帯域の分離を行う第2の帯域分離手段を備える構成において、低周波帯域側のサンプリングレートを制御することでブレの信号予測の精度低下を抑制できる。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態では3つ以上の帯域分離手段を設けた構成例を示す。図7は撮像装置におけるブレ量算出部の構成例を示す回路ブロック図である。図7(A)を参照して、図1にて説明した第1実施形態の構成との相違点を説明する。
本実施形態では、第1の帯域分離手段としてHPF71、第2の帯域分離手段としてBPF72、第3の帯域分離手段としてLPF73を有する。BPF61を通過した信号は各フィルタを通過した後で、対応するA/D変換部64a,64b,64cにより異なるサンプリングレートでデジタル信号にそれぞれ変換される。例えば、HPF71は50Hz以上の信号を通過させ、BPF72は4〜50Hzの信号を通過させ、LPF73は4Hz以下の信号を通過させるようにカットオフ周波数がそれぞれ設定されている。また、HPF71の後段のA/D変換部64aはサンプリングレートfsがfs=1000Hzに設定され、BPF72の後段のA/D変換部64bはfs=500Hzに設定されている。LPF73の後段のA/D変換部64cはfs=125Hzに設定されている。A/D変換部64a,64b,64cにより変換されたデジタル信号はそれぞれ対応する予測処理部50a,50b,50cに入力される。つまり第1帯域予測処理部50aはA/D変換部64aの出力から第1帯域での予測処理を実行し、第2帯域予測処理部50bはA/D変換部64bの出力から第2帯域での予測処理を実行する。第3帯域予測処理部50cはA/D変換部64cの出力から第3帯域での予測処理を実行する。各信号予測処理部50は、例えば256次のタップ数の線形予測フィルタを有しており、レンズ制御部12からの制御指令に従い、帯域ごとに分離されたブレ信号について予測処理を行う。第1帯域予測処理部50aが処理した信号は加算部66bに直接出力される。また、第2帯域予測処理部50bと第3帯域予測処理部50cが処理した各信号は、アップサンプリング部65b,65cにそれぞれ出力される。アップサンプリング部65bは第2帯域予測処理部50bの出力信号を取得してサンプリングレートを1000Hzに変換した上で加算部66aに出力する。同様に、アップサンプリング部65cは第3帯域予測処理部50cの出力信号を取得してサンプリングレートを1000Hzに変換した上で加算部66aに出力する。サンプリングレートが同じ1000Hzに変換された信号は加算部66aが加算処理を行い、加算結果を加算部66bに出力する。加算部66bは第1帯域予測処理部50aの出力と加算部66aの出力を加算合成し、加算結果を積分部67に出力する。
本実施形態では、2つの帯域分離手段を備える形態に比べて、高周波帯域を通過させる第1の帯域分離手段のサンプリングレートが1000Hzと高い値に設定されているので、ブレ信号に係る高周波側の量子化精度が向上する。サンプリングレートが1000Hzに設定される場合、上述と同様に低周波帯域で予測精度を得るためには、前記の式(1)より2048次の線形フィルタのタップ数が必要となる。これでは、図7(A)に示すように、256次のフィルタを3つ備える形態に比べて回路規模が増加する。したがって、本実施形態によれば、高周波側の量子化精度を向上しつつ、回路規模の増大を伴わずにブレの信号予測の精度低下を抑制できる。なお、本実施形態の回路規模については、2つの帯域分離手段を備える第1実施形態との比較においては増加することになるが、高周波側の信号予測の精度が向上するというメリットが得られる。
[第2実施形態の変形例]
次に、図7(B)を参照して、第2実施形態の変形例を説明する。図7(A)と同様の部分については説明を省略して、主に相違点を説明する。
本変形例では、HPF、BPF、LPFという各フィルタを用いて信号の帯域を3つに分離するのではなく、図7(B)に示すように、帯域分離のLPFを2段階にして信号を通過させる構成である。図7(B)に示す例では、BPF61の後段において、第2の帯域分離手段としてLPF74を配置する。さらに第3の帯域分離手段として、LPF74の通過後の信号を通過させるLPF75が配置されている。つまり、BPF61を通過した信号は2つに分岐し、その1つはHPF71に入力され、もう1つはLPF74に入力される。LPF74を通過した信号はA/D変換部64bに出力されるが、LPF74からさらにLPF75を通過した信号はA/D変換部64cに出力される。HPF71とLPF74の各カットオフ周波数は50Hzに設定され、LPF75のカットオフ周波数は4Hzに設定されている。図7(B)の構成でも、図7(A)の構成の場合と同様の効果を得ることができる。
前記した各実施形態では、シャッタショックノイズの発生時について説明した。これに限らず、外乱による、ブレ検出センサへのノイズ発生のタイミングを、その発生前に検出可能であれば、その他の外乱ノイズの抑制についても適用可能である。また、振れ検出手段として角速度センサであるジャイロセンサを例示して説明したが、加速度センサ等のように外乱影響を受ける可能性がある、その他のセンサ信号を使用する場合でも構わない。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
12 レンズシステム制御部
13b ブレ補正駆動部
14 ジャイロセンサ
21 カメラシステム制御部
50 信号予測処理部
51 線形予測部
52 適応部
62 ハイパスフィルタ
63 ローパスフィルタ
64 A/D変換部
65 アップサンプリング部
66 加算部

Claims (14)

  1. 像ブレ補正手段により画像のブレを補正する像ブレ補正装置であって、
    装置のブレを検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出信号をサンプリングレートにしたがってデジタル信号に変換するサンプリング手段と、
    前記検出信号に対して異なる周波数帯域の成分をそれぞれ分離する複数の帯域分離手段と、
    前記複数の帯域分離手段により帯域分離され、かつ前記サンプリング手段により変換されたデジタル信号を取得して、前記帯域分離手段のフィルタ係数を更新する適応アルゴリズムにより線形予測を前記帯域分離手段ごとに行う複数の信号予測手段と、
    前記検出信号または前記複数の信号予測手段の出力信号からブレ量を算出して前記像ブレ補正手段の制御により像ブレを補正する制御手段と、を備え、
    前記複数の信号予測手段は、前記複数の帯域分離手段をそれぞれ通過した異なるサンプリングレートのデジタル信号を取得して前記線形予測を行うことを特徴とする像ブレ補正装置。
  2. 前記複数の信号予測手段がそれぞれ備える線形予測フィルタの次数が同じであることを特徴とする請求項1に記載の像ブレ補正装置。
  3. 前記検出信号に対して第1の周波数帯域の成分を通過させる第1の帯域分離手段と、前記第1の周波数帯域よりも低い第2の周波数帯域の成分を通過させる第2の帯域分離手段を備え、
    前記第2の帯域分離手段を通過する信号のサンプリングレートは、前記第1の帯域分離手段を通過する信号のサンプリングレートよりも低く設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の像ブレ補正装置。
  4. 前記サンプリング手段は、前記第1の帯域分離手段を通過する信号を第1のサンプリングレートでデジタル信号に変換する第1の変換手段と、前記第2の帯域分離手段を通過する信号を第2のサンプリングレートでデジタル信号に変換する第2の変換手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の像ブレ補正装置。
  5. 前記サンプリング手段は、前記第1の帯域分離手段を通過する前の信号を第1のサンプリングレートでデジタル信号に変換する第1の変換手段と、当該変換手段から出力されて前記第2の帯域分離手段を通過したデジタル信号のサンプリングレートを第2のサンプリングレートに変換する第2の変換手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の像ブレ補正装置。
  6. 前記第2のサンプリングレートは、前記第1のサンプリングレートの2分の1以下に設定されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の像ブレ補正装置。
  7. 前記第2の帯域分離手段を通過する信号のサンプリングレートを制御するサンプリングレート制御手段を有することを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
  8. 前記検出信号に含まれる周波数成分を解析する周波数解析手段をさらに有し、
    前記サンプリングレート制御手段は、前記周波数解析手段の出力信号を取得して、設定された周波数帯域におけるブレ成分が閾値を超えた場合に前記第2の帯域分離手段を通過する信号のサンプリングレートを変更する制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の像ブレ補正装置。
  9. 前記第1の帯域分離手段を通過する信号を取得して前記線形予測を行う第1の信号予測手段と、
    前記第2の帯域分離手段を通過する信号を取得して前記線形予測を行う第2の信号予測手段と、
    前記第2の信号予測手段の出力信号のサンプリングレートを前記第1のサンプリングレートに変換する第3の変換手段と、
    前記第1の信号予測手段の出力信号と前記第3の変換手段により前記第1のサンプリングレートに変換された信号とを加算する加算手段を備えることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置を備えることを特徴とする光学機器。
  11. 請求項1から9のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置と、
    撮影光学系を通過した光束を受光する撮像素子と、を備えることを特徴とする撮像装置。
  12. 請求項7または請求項8に記載の像ブレ補正装置と、
    撮影光学系を通過した光束を受光する撮像素子と、
    前記撮像素子での露光量を検出する露光量検出手段と、
    前記露光量検出手段が検出する信号を取得して撮影時の露光時間を決定する露光時間制御手段と、を有し、
    前記サンプリングレート制御手段は、前記第2の帯域分離手段を通過する信号のサンプリングレートを、前記露光時間から決定したサンプリングレートに設定することを特徴とする撮像装置。
  13. 前記サンプリングレート制御手段は、前記第2の帯域分離手段を通過する信号のサンプリングレートを、前記露光時間が長くなるに従って低くする制御を行うことを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
  14. 像ブレ補正手段により画像のブレを補正する像ブレ補正装置にて実行される制御方法であって、
    検出手段が装置のブレを検出する検出ステップと、
    サンプリング手段が前記検出手段の検出信号をサンプリングレートにしたがってデジタル信号に変換する変換ステップと、
    複数の帯域分離手段が前記検出信号に対して異なる周波数帯域の成分をそれぞれ分離する帯域分離ステップと、
    複数の信号予測手段が、前記複数の帯域分離手段により帯域分離され、かつ前記サンプリング手段により変換されたデジタル信号を取得して、前記帯域分離手段のフィルタ係数を更新する適応アルゴリズムにより線形予測を前記帯域分離手段ごとに行う予測ステップと、
    制御手段が、前記検出信号または前記複数の信号予測手段の出力信号からブレ量を算出して前記像ブレ補正手段の制御により像ブレを補正する補正ステップと、を有し、
    前記予測ステップにて前記複数の信号予測手段は、前記複数の帯域分離手段をそれぞれ通過した異なるサンプリングレートのデジタル信号を取得して前記線形予測を行うことを特徴とする像ブレ補正装置の制御方法。
JP2014104280A 2014-05-20 2014-05-20 像ブレ補正装置及びその制御方法、光学機器、撮像装置 Active JP6320164B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014104280A JP6320164B2 (ja) 2014-05-20 2014-05-20 像ブレ補正装置及びその制御方法、光学機器、撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014104280A JP6320164B2 (ja) 2014-05-20 2014-05-20 像ブレ補正装置及びその制御方法、光学機器、撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015219445A JP2015219445A (ja) 2015-12-07
JP6320164B2 true JP6320164B2 (ja) 2018-05-09

Family

ID=54778843

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014104280A Active JP6320164B2 (ja) 2014-05-20 2014-05-20 像ブレ補正装置及びその制御方法、光学機器、撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6320164B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6759019B2 (ja) * 2016-09-07 2020-09-23 キヤノン株式会社 ブレ補正装置およびその制御方法、撮像装置
WO2020132917A1 (en) * 2018-12-26 2020-07-02 Huawei Technologies Co., Ltd. Imaging device, image stabilization device, imaging method and image stabilization method

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0540291A (ja) * 1991-03-04 1993-02-19 Ricoh Co Ltd 手ぶれ補正機能付きカメラ
JP3183928B2 (ja) * 1992-01-24 2001-07-09 オリンパス光学工業株式会社 撮影装置の手ぶれ防止装置
JP4579797B2 (ja) * 2005-08-31 2010-11-10 キヤノン株式会社 振れ補正装置、その制御方法、撮像装置、及び制御プログラム、並びに記録媒体
KR100819301B1 (ko) * 2006-12-20 2008-04-03 삼성전자주식회사 모바일 기기용 카메라 모듈의 손떨림 보정 방법 및 장치
JP2009272890A (ja) * 2008-05-07 2009-11-19 Sony Corp 画像処理装置及び画像処理方法、並びに撮影装置
JP2010026384A (ja) * 2008-07-23 2010-02-04 Nikon Corp ブレ補正装置、カメラおよび交換レンズ
JP5930684B2 (ja) * 2011-12-01 2016-06-08 キヤノン株式会社 情報処理装置及び方法、並びにプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015219445A (ja) 2015-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9906726B2 (en) Image stabilization control apparatus, optical apparatus and storage medium storing image stabilizing control program
JP6600232B2 (ja) 像ブレ補正装置及び方法
JP6682360B2 (ja) 防振制御装置、光学機器、防振制御方法および防振制御プログラム
US10313593B2 (en) Image stabilization apparatus and image stabilization method
EP2698668B1 (en) Imaging device
JP6150655B2 (ja) 像振れ補正装置およびその制御方法、レンズ鏡筒、光学機器、並びに撮像装置
JP5930684B2 (ja) 情報処理装置及び方法、並びにプログラム
JP6257207B2 (ja) 像振れ補正装置およびその制御方法、レンズ鏡筒、並びに撮像装置
US20180227493A1 (en) Image processing apparatus, method for controlling the same, and image capturing apparatus
WO2007058100A1 (ja) 合焦検出装置
JP2013015638A (ja) 防振制御装置、光学機器、撮像装置、及び防振制御方法
JP7045877B2 (ja) 像振れ補正装置、撮像システム、及びそれらの制御方法、プログラム
JP2016206656A (ja) 防振制御装置、光学機器および防振制御プログラム
JP2017219635A (ja) 画像処理装置及び方法、撮像装置、及び撮像システム
JP6320164B2 (ja) 像ブレ補正装置及びその制御方法、光学機器、撮像装置
JP2017032908A (ja) 像振れ補正装置およびその制御方法、撮像装置
EP3965055A1 (en) Image blur correction apparatus, control method therefor, image capturing apparatus, and storage medium
JP6815904B2 (ja) 像ブレ補正装置およびその制御方法、光学機器、撮像装置
JP6759019B2 (ja) ブレ補正装置およびその制御方法、撮像装置
JP4861110B2 (ja) 光学機器
EP3562142A1 (en) Lens apparatus, image capturing apparatus, control method of lens apparatus, and control method of image capturing apparatus
JP6555937B2 (ja) 画像処理装置及びその制御方法、撮像装置
JP6579900B2 (ja) 像ブレ補正装置及び方法
JP2018064232A (ja) 撮像装置および撮像装置の制御方法
JP6521752B2 (ja) 画像処理装置及びその制御方法、撮像装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170515

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180403

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6320164

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151