JP6319260B2 - リチウムイオン二次電池、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池、及びその製造方法に関する。
携帯用の小型電気・電子機器の普及に伴い、小型で高容量が得られるリチウムイオン二次電池の需要が拡大し、その開発が活発に行われている。
現行のリチウムイオン二次電池の負極材としては、主に黒鉛が使用されている。従来のリチウムイオン二次電池の高容量化は、負極に使用する黒鉛の高結晶化による放電容量の向上、負極中の活物質(黒鉛)密度の増加によってなされてきた。黒鉛の理論容量は372mAh/gであるが、現在使用されている負極材はこの理論容量に近い放電容量が得られるようになっており、また、負極中の活物質密度も電解液の浸透等を考慮するとほぼ限界にきており、黒鉛を使用した負極による電池容量の向上は困難となってきている。
黒鉛に代わる負極材として、金属リチウムを負極材として使用することが検討されている。金属リチウムを負極材に使用すると非常に高い放電容量を得ることができるが、充放電の繰り返しに伴い、負極材表面に金属リチウムがデンドライト状に成長する場合がある。デンドライト状の金属リチウムがセパレータを貫通すると正極と短絡してしまうため、電池として使用できなくなる。よって、金属リチウムを負極材として使用することについては、充放電サイクル及び安定した性能の点で課題があり、これらに対する対策が活発に検討されているが、十分な解決策は未だ見出されていない。
一方で、リチウムと金属物質との電気化学的に起こる合金化反応を利用して充放電を行う負極材が検討されている。このような金属物質並びにこれらの酸化物としては、珪素、珪素酸化物、スズ、アルミニウム、亜鉛、及び鉛等が挙げられる。またこれらの金属物質及びその酸化物は、これまでリチウムイオン二次電池負極として使用されてきた黒鉛などの炭素系負極材と比較してリチウムの吸蔵電位が高い事が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような金属物質及びその酸化物を負極に用いた電池の設計においても、従来どおり負極放電電気容量や理論電気容量を用いた電池の設計がなされていた(例えば、特許文献2、3、4参照)。
特開2008−27833号公報 特開2007−335143号公報 特開2006−120612号公報 特開2009−199761号公報
しかしながら、一般的に黒鉛系負極に比べ金属物質及びその酸化物を含む負極は充放電効率が悪いため、放電電気容量や理論電気容量を基に電池設計を行なうと、負極の充電深度の浅い部分しか利用できずにエネルギーロスが起こる可能性がある。また金属物質及びその酸化物はリチウムの吸蔵電位が高いため、炭素系材料を負極に用いた場合に比べて、終始電圧の取れる電位窓が異なると考えられる。
例えば、このような金属物質及びその酸化物を含有する負極を有するリチウムイオン二次電池において、従来の炭素系負極材と同様の電池設計を行なった場合、サイクル特性が低下する場合があった。さらに、炭素系材料と金属物質が混在している負極を含有するリチウムイオン二次電池において少なくとも2種類の物質がリチウムと反応するため金属珪素単独における電池設計とは異なる電池設計を行う必要があると考えられる。
本発明は、導電性を有する第一の粒子と金属原子を含む第二の粒子とが複合化された複合粒子を含有する負極を有するリチウムイオン二次電池であって、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池、及び、その製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 導電性を有する第一の粒子及びリチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な金属原子を含む第二の粒子が複合化された複合粒子を含有する負極と、リチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能なリチウム化合物を含有する正極と、電解質とを含み、
前記正極の充電電気容量に対する前記負極の充電電気容量の比率が、1.00以上1.20以下であるリチウムイオン二次電池。
<2> 前記第二の粒子は珪素原子を含有する、前記<1>に記載のリチウムイオン二次電池。
<3> 前記第一の粒子は炭素性物質Aである、前記<1>又は<2>記載のリチウムイオン二次電池。
<4> 前記複合粒子はさらに、前記第一の粒子と前記第二の粒子とを複合化する炭素性物質Bを含む、前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
<5> 前記負極は、前記複合粒子に含まれる第一の粒子とは異なる導電性物質をさらに含む、前記負極は導電性物質をさらに含む、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
<6> 導電性を有する第一の粒子及びリチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な金属原子を含む第二の粒子が複合化された複合粒子を含有する負極、及び、リチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能なリチウム化合物を含有する正極を、前記正極の充電電気容量に対する前記負極の充電電気容量の比率が1.00以上1.20以下となるようにそれぞれ準備する準備工程と、前記負極及び正極を、電解質を介して対向させて配置する工程と、
を有するリチウムイオン二次電池の製造方法。
<7> 前記準備工程は、前記負極の充電電気容量を測定する工程と、前記負極の充電電気容量に対する比率が1/1.20以上1/1.00以下である充電電気容量を有する正極を準備する工程と、を有する前記<6>に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
<6> 前記第二の粒子は珪素原子を含有する、前記<7>又は<8>に記載のリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、導電性を有する第一の粒子と金属原子を含む第二の粒子とが複合化された複合粒子を含有する負極を有するリチウムイオン二次電池であって、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池、及び、その製造方法を提供することができる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、導電性を有する第一の粒子及びリチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な金属原子を含む第二の粒子が複合化された複合粒子を含有する負極と、リチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能なリチウム化合物を含有する正極と、電解質とを含み、前記正極の充電電気容量に対する前記負極の充電電気容量の比率が、1.00以上1.20以下であることを特徴とする。
リチウムイオン電池を構成する負極及び正極を、通常の電池設計で行われる電極の放電電気容量や理論電気容量ではなく、充電電気容量を基準として、特定の関係を満たすように構成することでサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を構成することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池においては、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極の充電電気容量/正極の充電電気容量)が1.00〜1.20であるが、より好ましくは1.00〜1.10であり、さらに好ましくは1.00〜1.05であり、特に好ましくは1.00〜1.03である。
前記比率が1.20より大きいと、負極の電気容量過剰によるエネルギー密度低下が起こる場合がある。一方、1.00より小さい場合は、負極表面にリチウムが金属の状態で析出(リチウムデンドライト化)してしまい、電池のサイクル特性が低下する場合がある。
尚、前記比率は、有効数字3桁で求められる負極の充電電気容量及び正極の充電電気容量から、小数点以下4桁目を四捨五入して算出される。
充電電気容量の比率を前記範囲内とする方法としては、例えば、負極に含まれる複合粒子の構成及びその含有量、並びに正極に含まれるリチウム化合物の種類及びその含有量を、それぞれ適宜選択する方法等を挙げることができる。
具体的には、例えば、特定の構成を有する負極を準備して、その負極の充電電気容量を測定し、測定された負極の充電電気容量に応じて、正極に含まれるリチウム化合物の種類を選択したり、正極に含まれるリチウム化合物の含有量を適宜調整したりする方法や、特定の構成を有する正極を準備して、その正極の充電電気容量を測定し、測定された正極の充電電気容量に応じて、負極に含まれる複合粒子の構成を選択したり、負極に含まれる複合粒子の含有量を適宜調整したりする方法等が挙げられる。
尚、負極及び正極の充電電気容量は、以下のようにして測定される。
(負極の充電電気容量の測定方法)
まず、導電性を有する第一の粒子及びリチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な金属原子を含む第二の粒子が複合化された複合粒子を選択し、複合粒子が所望の含有量となるように、後述する負極の製造方法によって、評価用試料としての負極を作製する。ここで評価用試料は16mmφの円形とする。CR2016型コインセルに得られた評価用試料及び16mmφで打ち抜いた金属Liを、20μmのポリプロピレン製セパレータを介して対向させ、電解液を注入することにより、充電電気容量の評価用セルを作製する。
電解液には、エチルカーボネートとメチルエチルカーボネートを体積比3対7の混合溶媒に、LiPFを1mol/Lの濃度になるように溶解させ、これに1.5質量%のビニルカーボネートを添加した後、さらにフルオロエチレンカーボネートを20体積%添加したものを使用する。
充電電気容量の評価用セルを作製した後、25℃の恒温槽内に24時間静置する。充電は0.5mAの定電流で0Vまで充電後、0Vの定電圧で電流値が0.05mAになるまで行う。また放電は、0.5mAの定電流で1.5Vの電圧値まで行い、充電に要した電気容量を、負極の充電電気容量とする。
また負極の充電電気容量は、上記と同様にして測定される活物質質量あたりの負極の充電電気容量に、負極に含まれる活物質質量を乗ずることで求めることができる。
(正極の充電電気容量の測定方法)
まず、正極に含まれるリチウム化合物を選択し、リチウム化合物が所望の含有量となるように、後述する正極の製造方法によって、評価用試料としての正極を作製する。尚、評価用試料は14mmφの円形とする。CR2016型コインセルに得られた評価用試料及び16mmφで打ち抜いた金属Liを、20μmのポリプロピレン製セパレータを介して対向させ、電解液を注入することにより、充電電気容量の評価用セルを作製する。
電解液には、負極の充電電気容量の測定方法と同様のものを使用する。
充電電気容量の評価用セルを作製した後、25℃の恒温槽内に24時間静置する。充電は0.5mAの定電流で4.2Vまで充電後、4.2Vの定電圧で電流値が0.05mAになるまで行う場合に要した電気容量を、正極の充電電気容量とする。
また正極の充電電気容量は、上記と同様にして測定される活物質質量あたりの正極の充電電気容量に、正極に含まれる活物質質量を乗ずることで求めることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の構造は、所定の充電電気容量の関係を有する正極及び負極を用いて構成される限り特に限定されない。通常、正極及び負極と、必要に応じて設けられるセパレータとを、扁平渦巻状に巻回して巻回式極板群としたり、これらを平板状として積層して積層式極板群としたりし、これら極板群を外装体中に封入した構造とするのが一般的である。
また本発明のリチウムイオン二次電池は例えば、ペーパー型電池、ボタン型電池、コイン型電池、積層型電池、円筒型電池、角型電池などとして使用される。
<リチウムイオン二次電池の製造方法>
本発明のリチウムイオン二次電池は、導電性を有する第一の粒子及びリチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な金属原子を含む第二の粒子が複合化された複合粒子を含有する負極、及び、リチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能なリチウム化合物を含有する正極を、前記正極の充電電気容量に対する前記負極の充電電気容量の比率が1.00以上1.20以下となるようにそれぞれ準備する準備工程と、前記負極及び正極を、電解質を介して対向させて配置する工程とを有する製造方法で製造することができる。
前記負極と正極の間には、必要に応じてセパレータを配置してもよい。また電解質は電解質を含む電解液として用いてもよい。
負極及び正極を準備するとは、所定の構成となるように負極及び正極をそれぞれ新たに調製することであってもよいし、予め調製された正極及び負極から適宜選択することであってもよい。
負極及び正極を新たに調製する場合、その調製方法は負極及び正極の充電電気容量を所定の比率とすることができれば特に制限されない。例えば、負極に含まれる複合粒子の構成及びその含有量、並びに正極に含まれるリチウム化合物の種類及びその含有量を、それぞれ適宜選択して、後述するような負極及び正極の製造方法で負極及び正極を調製することができる。
また前記準備工程は、負極の充電電気容量を測定する工程と、前記負極の充電電気容量に対する比率(正極の充電電気容量/負極の充電電気容量)が、1/1.20以上1/1.00以下である充電電気容量を有する正極を準備する工程とを有することが好ましい。
かかる製造方法でリチウムイオン二次電池を製造することにより、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を効率よく製造することができる。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池の各構成要素について詳細に説明する。
[負極]
本発明のリチウムイオン二次電池における負極は、導電性を有する第一の粒子及びリチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な金属原子を含む第二の粒子が複合化された複合粒子を含み、必要に応じてその他の成分を含んで構成される。
(第一の粒子)
導電性を有する第一の粒子は、導電性物質の少なくとも1種を含むことが好ましい。導電性物質としては、例えば、炭素、黒鉛、Cu、Ni、シリサイド種等が挙げられる。中でも、密度、粒子径など物性及び電池特性等の観点から、導電性物質は黒鉛や炭素などの炭素性物質であることが好ましく、粒子状の炭素性物質であることがより好ましい。以下、第一の粒子に含まれる導電性物質として用いる炭素性物質を炭素性物質Aとも称する。
第一の粒子が導電性物質として、Cu、Ni、シリサイド種等を含む場合、第一の粒子の粒子形態、形状などは特に限定されるものではない。形態としては1個の粒子からなる単数粒子、及び複数個の一次粒子が造粒してなる造粒粒子などが挙げられ、いずれであってもよい。
また形状としては単数であれば鱗片状、球状粒子などが挙げられ、複数個造粒した粒子であれば、球状あるいは多孔質状等様々なものが挙げられる。
また、第一の粒子が導電性物質として炭素性物質Aを含む場合、炭素性物質Aは学振法に基づいて測定して得られる平均面間隔(d002)の値が0.335nm〜0.347nmであることが好ましい。これを満たす炭素性物質としては、人造黒鉛、天然黒鉛、低結晶性炭素、メソフューズカーボン等が挙げられる。
平均面間隔(d002)は、電池容量の観点から、0.335nm〜0.345nmが好ましく、0.335nm〜0.340nmがより好ましく、0.335nm〜0.337nmがさらに好ましい。平均面間隔が0.347nm以下であることで、結晶性が高く、電池容量及び充放電効率ともに向上する傾向がある。一方、黒鉛結晶の理論値は0.335nmであり、この値に近いほうが電池容量及び充放電効率ともに向上する傾向がある。
炭素性物質Aを含む第一の粒子の形態、形状などは特に限定されるものではない。1個の粒子からなる単数粒子、及び複数個の一次粒子が造粒してなる造粒粒子などが挙げられ、いずれであってもよい。また形状としては単数であれば鱗片状、球状粒子などが挙げられ、複数個造粒した粒子であれば、球状あるいは多孔質状など様々なものが挙げられる。
炭素性物質Aは、複数個の粒子が凝集したものや粒子の面が非平行に乱雑に結合しているものから、粒子単体まで様々な粒子形状のものが使用可能である。
炭素性物質Aを含む第一の粒子の形態については、電池を構成した場合のレート特性の観点から、単数粒子よりも造粒粒子の方が好ましい。これは例えば第一の粒子が結晶性の高い黒鉛粒子からなる場合、複数個が造粒してなる粒子の方が、電極を形成する際にプレスして高密度化した場合に、粒子の面方向への配向をより容易に抑制できるため、第一の粒子におけるLiイオンの授受がより効率的に行なわれ、レート特性が向上すると考えることができる。
また造粒粒子の形状については、電池を構成した場合のレート特性の観点から、球状よりも多孔質状の方が好ましい。これは例えば、多孔質状の造粒粒子においては内部空間が存在することによってLiイオンが拡散し易くなるため、レート特性が向上すると考えることができる。
なかでも造粒粒子の中心部分にまで、金属物質の粒子が入り込まないような空隙率が小さい多孔質粒子であることが好ましい。このような造粒粒子であることで、複合粒子を形成した際に高いタップ密度を達成でき、また形成される電極の電極密度が向上するために高い体積容量を達成することができる。
第一の粒子の体積平均粒子径としては、第一の粒子がCu、Ni、シリサイド種など、リチウムとの反応性が低い物質を含む場合は、0.1μm〜40μmが好ましい。0.1μm以上であることで、第一の粒子の粉体としての取り扱いが向上する。一方40μm以下であることで合、電池設計の自由度が向上する。
また、第一の粒子が炭素性物質Aを含む場合、第一の粒子の体積平均粒子径は、5μm〜40μmが好ましい。5μm以上であることで、電解液の分解が抑制され、充放電効率が低下することを抑制できり。一方40μm以下であることでレート特性が向上する。
尚、第一の粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、通常の条件で測定される。
−球状黒鉛粒子−
本発明における第一の粒子は、円形度が0.60〜1.00の黒鉛の粒子(以下、「球状黒鉛粒子」という)であることが好ましい。
このような形態の粒子とすることによって、電極形成時における加圧の際に、負極材を構成するそれぞれの複合粒子が面方向に配向してしまうことを抑制できる。これにより、複合粒子におけるLiイオンの授受がし易くなりレート特性に優れた電池を構成することができる。
前記円形度としては、粒子配向制御の観点から、0.60〜0.95が好ましく、0.65〜0.90がより好ましく、0.70〜0.90が更に好ましい。円形度が0.60未満の場合には電極形成時のプレスにおいて複合粒子が面方向に配向し、レート特性が低下する傾向がある。一方、1.00は真円で上限にあたる。
ここで円形度とは、球状黒鉛粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径である円相当径から算出される円としての周囲長を、球状黒鉛粒子の投影像から測定される周囲長(輪郭線の長さ)で除して得られる数値であり、下記式で求められる。尚、円形度は真円では1.00となる。
円形度=(相当円の周囲長)/(粒子断面像の周囲長)
具体的に円形度は、走査式電子顕微鏡で倍率1000倍に拡大した画像を観察し、任意に10個の球状黒鉛粒子を選択し、上記方法にて個々の球状黒鉛粒子の円形度を測定し、その算術平均値として算出される平均円形度である。なお、円形度及び相当円の周囲長及び粒子の投影像の周囲長は、市販されている画像解析ソフトによって求めることが可能である。
球状黒鉛粒子の形態、形状などは円形度が0.60〜1.00である限り特に限定されるものではない。形態としては1個の粒子からなる単数粒子、及び複数個の一次粒子が造粒してなる造粒粒子などが挙げられ、いずれであってもよい。また形状としては単数粒子であれば球状粒子などが挙げられる。また造粒粒子としては、球状あるいは多孔質状など様々な形状ものが挙げられる。
前記球状黒鉛粒子は、学振法に基づいて測定して得られる平均面間隔(d002)の値が0.335nm〜0.338nmであることが好ましい。これを満たす黒鉛としては例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛化されたMCMB(メソフェーズカーボンマイクロビーズ)等が挙げられる。
前記平均面間隔(d002)は、電池容量の観点から、0.335nm〜0.337nmがより好ましく、0.335nm〜0.336nmがさらに好ましい。前記平均面間隔が0.338nm以下であることで黒鉛としての結晶性が高く、電池容量及び充放電効率がともに向上する傾向がある。一方、黒鉛結晶の理論値は0.335nmであることから、この値に近い方が電池容量及び充放電効率がともに向上する傾向がある。
前記球状黒鉛粒子の体積平均粒子径(50%D)は特に制限されないが、前記金属物質の粒子よりも大きいことが好ましく、5μm〜40μmであることが好ましく、5μm〜35μmであることがより好ましく、7μm〜30μmであることがより好ましく、10μm〜30μmが更に好ましい。
体積平均粒子径が5μm以上であることで、比表面積が大きくなりすぎることが抑制され、初回の充放電効率が向上する。また電極密度がより向上し、高容量のリチウムイオン二次電池が得られる。一方、体積平均粒子径が40μm以下であることで、レート特性などの電極特性が向上する傾向がある。
前記球状黒鉛粒子は、例えば、各社から市販されている粉末状の炭素製品として入手することができる。
また円形度が0.60未満である鱗片状等の黒鉛を、通常用いられる黒鉛の球状化処理方法を用いて球状化処理して、円形度を0.60〜1.00とすることができる。さらに黒鉛粒子を通常用いられる造粒方法を用いて、円形度が0.60〜1.00となるように造粒処理して複数粒子からなる球状黒鉛粒子を調製してもよい。
前記球状化処理としては、例えば、メカノケミカル法等を用いた処理方法を挙げることができる。また前記造粒方法としては、流動層造粒法、噴霧乾燥造粒法、攪拌造粒法等の処理方法を挙げることができる。
−塊状黒鉛粒子−
本発明における第一の粒子は、扁平状の粒子を複数、配向面が非平行となるように集合又は結合させてなる、細孔を有する黒鉛粒子(以下、「塊状黒鉛粒子」という)であることが好ましい。
第一の粒子としての塊状黒鉛粒子が、かかる特定の構造を有することで、負極を構成した場合に、集電体上に黒鉛結晶が面方向に配向し難くなり、負極上でリチウムを吸蔵・放出し易くなる。また、粒子表面に凹凸を多数有するため、後述するような第二の粒子が表面に複合化された複合粒子においては、該第二の粒子の膨張収縮後も塊状黒鉛粒子間での導電性を維持し易くなることから、より優れたサイクル特性を得ることが可能となる。
前記扁平状の粒子とは、長軸と短軸を有する形状の粒子のことであり、完全な球状でないものをいう。例えば鱗状、鱗片状、一部の塊状等の形状のものがこれに含まれる。前記塊状黒鉛粒子において、複数の扁平状の粒子の配向面が非平行とは、それぞれの粒子の形状において有する扁平した面、換言すれば最も平らに近い面を配向面として、複数の扁平状の粒子が、それぞれの配向面を一定の方向にそろえることなく集合している状態をいう。
また塊状黒鉛粒子においては、扁平状の粒子は集合又は結合しているが、結合とは互いの粒子が、タールやピッチ等の有機結着剤が炭素化された炭素質を介して、化学的に結合している状態をいう。また、集合とは互いの粒子が化学的に結合してはないが、その形状等に起因して、その集合体としての形状を保っている状態をいう。本発明においては、機械的な強度の面から、結合しているものが好ましい。
1つの塊状黒鉛粒子において、扁平状の粒子が集合又は結合する数としては特に制限されないが、3個以上であることが好ましく、5〜20個であることがより好ましく、5個〜15個であることが更に好ましい。
また塊状黒鉛粒子を構成する個々の扁平状の粒子の大きさとしては特に制限されないが、体積平均粒子径で1μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜30μmであることがより好まく、1μm〜20μmであることが更に好ましい。
さらに扁平状の粒子の体積平均粒子径は、電池容量とサイクル特性の観点から、塊状黒鉛粒子の体積平均粒子径の2/3以下であることが好ましく、1/20〜2/3であることがより好ましい。
前記塊状黒鉛粒子のアスペクト比は特に制限されないが、サイクル特性と電池容量の観点から、1.2〜5.0であることが好ましく、1.3〜4.0がより好ましく、1.3〜3.0がさらに好ましい。
アスペクト比が1.2以上であることで、粒子間の接触面積が増加して、導電性がより向上する傾向にある。一方、アスペクト比が5.0以下であることで、急速充放電特性が向上する傾向がある。
なおアスペクト比は、長軸方向の長さをA、短軸方向の長さをBとしたときにA/Bで表される。前記アスペクト比は、顕微鏡で第一の粒子を拡大し、任意に100個の第一の粒子を選択して、それぞれのA/Bを測定し、それらの測定値の算術平均値をとったものである。
ここで長軸方向の長さA及び短軸方向の長さBは以下のようにして測定される。すなわち、顕微鏡を用いて観察される第一の粒子の投影像において、第一の粒子の外周に外接する平行な2本の接線であって、その距離が最大となる接線a及び接線aを選択して、この接線a及び接線aの間の距離を長軸方向の長さAとする。また第一の粒子の外周に外接する平行な2本の接線であって、その距離が最小となる接線b及び接線bを選択して、この接線b及び接線bの間の距離を短軸方向の長さBとする。
また塊状黒鉛粒子の構造は、細孔を有する多孔質状である。これにより、電池を構成した場合のレート特性が向上する。これは例えば、粒子内に内部空間が存在することによってLiイオンが拡散し易くなるため、レート特性が向上すると考えることができる、
塊状黒鉛粒子の構造は、その中心部分にまで、金属物質の粒子が入り込まないような空隙率が小さい多孔質粒子であることが好ましい。このような粒子であることで、複合粒子を形成した際に高いタップ密度を達成でき、また形成される電極の電極密度が向上するために高い体積容量を達成することができる。
塊状黒鉛粒子は、電池容量の観点から、学振法に基づいて測定して得られる平均面間隔(d002)の値が0.335nm〜0.338nmであることが好ましく、0.335nm〜0.337nmがより好ましく、0.335nm〜0.336nmがさらに好ましい。前記平均間隔が0.338nm以下であることで黒鉛としての結晶性が高く、電池容量及び充放電効率がともに向上する傾向がある。一方、黒鉛結晶の理論値は0.335nmであることから、この値に近い方が電池容量及び充放電効率がともに向上する傾向がある。
塊状黒鉛粒子の体積平均粒子径(50%D)は特に制限されないが、前記金属物質の粒子よりも大きいことが好ましく、5μm〜40μmであることが好ましく、5μm〜35μmであることがより好ましく、7μm〜30μmであることがより好ましく、10μm〜30μmが更に好ましい。
体積平均粒子径が5μm以上であることで、比表面積が大きくなりすぎることが抑制され、初回の充放電効率が向上する。また電極密度がより向上し、高容量のリチウムイオン二次電池が得られる。一方、体積平均粒子径が40μm以下であることで、レート特性などの電極特性が向上する傾向がある。
−塊状黒鉛粒子の製造方法−
前記塊状黒鉛粒子の製造方法としては、所定の構造が形成される限り特に制限はない。例えば、黒鉛化可能な骨材又は黒鉛と黒鉛化可能なバインダ(有機結着剤)に黒鉛化触媒を全量に対して1質量%〜50質量%添加して混合し、焼成した後、粉砕することにより得ることができる。これにより、黒鉛化触媒の抜けた後に細孔が生成され、塊状黒鉛粒子として良好な特性が付与される。また、塊状黒鉛粒子は、黒鉛又は骨材とバインダとの混合方法、バインダ量等の混合割合の調整、焼成後の粉砕条件等を適宜選択することにより、所望の構成に調整することもできる。
前記黒鉛化可能な骨材としては、例えば、コークス粉末、樹脂の炭化物等が使用できるが、黒鉛化できる粉末材料であれば特に制限はない。中でも、ニードルコークス等の黒鉛化しやすいコークス粉末が好ましい。また黒鉛としては、例えば天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末等が使用できるが粉末状であれば特に制限はない。黒鉛化可能な骨材又は黒鉛の体積平均粒子径は、塊状黒鉛粒子の体積平均粒子径より小さいことが好ましく、塊状黒鉛粒子の体積平均粒子径の2/3以下であることがより好ましい。また黒鉛化可能な骨材又は黒鉛は扁平状の粒子であることが好ましい。
前記黒鉛化触媒としては、例えば鉄、ニッケル、チタン、珪素、硼素等の金属、これらの炭化物、酸化物などの黒鉛化触媒が使用できる。これらの中で、珪素又は硼素の炭化物又は酸化物が好ましい。これらの黒鉛化触媒の添加量は、得られる塊状黒鉛粒子に対して好ましくは1質量%〜50質量%、より好ましくは5質量%〜40質量%の範囲、さらに好ましくは5質量%〜30質量%の範囲とされる。1質量%以上であれば塊状黒鉛粒子のアスペクト比及び比表面積の増大を抑制して、黒鉛の結晶の発達を良好にする傾向にあり、一方50質量%以下であれば均一に混合しやすく作業性がそこなわれないため、それぞれ好ましい。
前記バインダ(有機結着剤)は焼成により黒鉛化可能であれば特に制限されない、例えば、タール、ピッチの他、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の有機系材料を挙げることができる。またバインダの配合量は、扁平状の黒鉛化可能な骨材又は黒鉛に対し、5質量%〜80質量%添加することが好ましく、10質量%〜80質量%添加することがより好ましく、15質量%〜80質量%添加することがさらに好ましい。バインダの添加量を適切な量とすることで、製造される塊状黒鉛粒子のアスペクト比や比表面積が大きくなりすぎることを抑制できる。
黒鉛化可能な骨材又は黒鉛とバインダの混合方法は、特に制限はなく、ニーダー等を用いて行われるが、バインダの軟化点以上の温度で混合することが好ましい。具体的にはバインダがピッチ、タール等の際には、50〜300℃が好ましく、熱硬化性樹脂の場合には、20〜100℃が好ましい。
次に上記の混合物を焼成し、黒鉛化処理を行う。なお、この処理の前に上記混合物を所定形状に成形してもよい。さらに、成形後、黒鉛化前に粉砕し、粒径を調整した後、黒鉛化を行ってもよい。焼成は前記混合物が酸化し難い条件で焼成することが好ましく、例えば窒素雰囲気中、アルゴンガス雰囲気中、真空中で焼成する方法が挙げられる。黒鉛化の温度は、2000℃以上が好ましく、2500℃以上であることがより好ましく、2800℃〜3200℃であることがさらに好ましい。
黒鉛化の温度が2000℃以上であることで、黒鉛の結晶の発達が良好になり、放電容量が向上する傾向がある。また添加した黒鉛化触媒が、製造される塊状黒鉛粒子に残存することを抑制できる。黒鉛化触媒が塊状黒鉛粒子中に残存すると、放電容量が低下する場合があるため、残存が抑制されることが好ましい。一方、黒鉛化の温度が3200℃以下であれば、黒鉛が昇華することを抑制できる。
黒鉛化前に粒径を調整しない場合、得られた黒鉛化物を所望の体積平均粒子径となるように粉砕することが好ましい。黒鉛化物の粉砕方法は、特に制限はないが、例えばジェットミル、振動ミル、ピンミル、ハンマーミル等の既知の方法をとることができる。上記に示す製造方法を経ることにより、扁平状の粒子を複数、配向面が非平行となるように集合又は結合させてなる、細孔を有する黒鉛粒子、即ち、塊状黒鉛粒子を得ることができる。
さらに上記製造方法の詳細は、例えば、特許3285520号公報や、特許3325021号公報等を参照することもできる。
(第二の粒子)
第二の粒子は、リチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な金属原子の少なくとも1種を含む。金属原子としてはリチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能であれば特に制限されない。金属原子は、中でも電池容量の観点から、珪素原子、アルミニウム原子、及びスズ原子から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、珪素原子がより好ましい。
珪素原子を含む第二の粒子は、加工性及び安定性の観点から、珪素を含む粒子及び珪素酸化物を含む粒子から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、実質的に珪素からなる粒子及び実質的に珪素酸化物からなる粒子から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
ここで「実質的」とは不可避的に混入する不純物を許容することを意味し、不純物の含有率は10質量%以下であることが好ましい。
第二の粒子としての珪素は、工業用として市販されている比較的低純度のものから、電子部品用材料として使用されている高純度のものまでいずれも使用することができる。また珪素酸化物は、その組成がSiOで表され、xの値が0.8〜1.9が好ましく、より好ましくは0.9〜1.6であり、さらに好ましくは1.0〜1.5である。0.8〜1.9の範囲内であると、高容量、高効率、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極材として使用できる。またxが0.8以上であることで容易に作製することができ、さらにはサイクル特性が向上する、一方、1.9以下であることで容量や充放電効率が低下することを抑制できる。
第二の粒子の体積平均粒子径は、第二の粒子が含む金属原子によって異なる。例えば、第二の粒子が珪素や珪素酸化物などの珪素系物質である場合は、0.01μm〜20μmが好ましく、より好ましくは0.05μm〜10μmであり、さらに好ましくは、0.1μm〜5μmの粒子であり、特に好ましくは0.1μm〜1μmである。
珪素系物質からなる粒子の体積平均粒子径が0.01μm〜20μmの範囲内であると、高い初回充放電効率及び優れたサイクル特性を示すリチウムイオン二次電池用負極材として使用できる。体積平均粒子径が0.01μm以上であることで、珪素系物質の生産性及び取り扱い性が向上する。一方20μm以下であることで、後述する第一の粒子への複合化が容易になり、また充電時の膨張が局在化することを抑制できサイクル特性が向上する傾向にある。
また第二の粒子がアルミニウム原子やスズ原子を含む場合、その体積平均粒子径は、1μm〜40μmが好ましく、より好ましくは2μm〜20μmであり、さらに好ましくは2μm〜15μmである。
体積平均粒子径が、1μm以上であることで、生産性が向上する。また酸化の進行が抑制され、初回の充放電効率が向上する傾向がある。一方40μm以下であることで、充放電における粒子の膨張・収縮によってクラックが発生することが抑制され、サイクル特性が向上する傾向がある。
(複合粒子)
複合粒子は、導電性を有する第一の粒子と、リチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な金属原子を含む第二の粒子とが複合化されて構成される。第一の粒子と第二の粒子の複合化は、導電性を有する第一の粒子を構成し得る炭素性物質Aとは異なる炭素性物質Bで複合化されていても、炭素性物質Bを介さないで金属原子を含む第二の粒子と導電性を有する第一の粒子とが直接複合化されていてもよい。本発明においては、サイクル特性の観点から、導電性を有する第一の粒子と金属原子を含む第二の粒子とが、炭素性物質Bで複合化されていることが好ましい。
炭素性物質Bを介さないで第一の粒子と第二の粒子とが複合化された複合粒子は例えば以下のようにして得ることができる。
第一の粒子と第二の粒子とを混合した後、熱処理を行い、粒子同士を焼結させることで複合化することができる。また、例えばメカノケミカル法などの機械的処理を行うこと粒子同士を複合化することができる。尚、第一の粒子及び第二の粒子を炭素性物質Bを介さないで複合化する手法はこれに限定されない。
第一の粒子と第二の粒子とが、炭素性物質Bで複合化された複合粒子における複合化の具体的態様としては、第一の粒子と第二の粒子との間に炭素性物質Bが存在して第一の粒子の表面に第二の粒子が付着して一体化している態様、及び、第一の粒子と第二の粒子とが直接接触し、炭素性物質Bが第一の粒子及び第二の粒子の両方に接触することで第一の粒子の表面に第二の粒子が付着して一体化している態様が挙げられる。すなわち前記炭素性物質Bは、第一の粒子と第二の粒子とを互いに連結して一体化する機能を有している。
第一の粒子と第二の粒子とが炭素性物質Bで複合化された複合粒子の形成方法としては、例えば、第一の粒子と第二の粒子とを、炭素性物質Bの前駆体である有機物で複合化した後、熱処理等によって前駆体である有機物を炭素化する方法を挙げることができる。前駆体となる有機物の種類、熱処理の履歴、炭素性物質Bの構造などに特に制限はない。
前記有機物としてはフェノール樹脂、スチレン樹脂等の高分子化合物、ピッチ等の炭化可能な固体物などが挙げられる。これらは、溶解物もしくは固形の状態で複合化時のバインダとして用いることができる。
尚、第一の粒子と第二の粒子とを炭素性物質Bで複合化する手法はこれに限定されない。
第一の粒子及び第二の粒子を含む複合粒子は、第二の粒子が、複合粒子の内部よりもその表面付近に多く存在していることが好ましい。
このような形態を有する複合粒子は、複合粒子の断面を観察したときに、前記複合粒子の最大長さである長軸の中点を中心とし、前記長軸の中点で直交する短軸の長さの1/8の長さを半径とする円の内部領域に含まれる第二の粒子に含まれる金属原子の含有量に対する、前記複合粒子の外周から内側に前記短軸の長さの1/8の長さの深さまでの内側領域に含まれる第二の粒子に含まれる金属原子の含有量の比率が2以上であるものが好ましく、さらに前記複合粒子の断面に含まれる第二の粒子に含まれる金属原子の総含有量に対する前記円の内部領域に含まれる第二の粒子に含まれる金属原子の含有量の比率が0.2以下であることがより好ましい。
また前記複合粒子における第一の粒子と第二の粒子の複合状態は、具体的には以下のようにして判断される。
複合粒子の複合状態は、複合粒子の断面を観察して、第二の粒子の分布状態から判断される。複合粒子の断面の観察については、特に手法などに限定はされない。例えば、後述するような複合粒子と有機結着剤とを含むスラリーを調製し、これを塗布乾燥して塗布電極を作製する。得られた塗布電極の断面を集束イオンビーム(FIB)やイオンミリングなどで加工して複合粒子が切断された試料を作製する。これによって得られた複合粒子断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や走査イオン顕微鏡(SIM)などで観察する方法を挙げることができる。
上記のような方法で観察される複合粒子断面において、以下の(a)及び(b)の条件を満たす複合粒子を複合状態判断の対象粒子とする。なお(a)及び(b)の断面観察における長軸及び短軸の定義については後述する。
(a)粒子径
複合粒子の粒子径が概ねレーザー回折式粒度分布測定装置で測定される体積平均粒子径(50%D)と同等のものとする。具体的には、前記体積平均粒子径に対する複合粒子の断面観察における長軸の長さの比が1.0〜1.2である複合粒子を対象粒子とする。
(b)粒子状態
割れている複合粒子、裂けている複合粒子は、複合状態の判断対象に適さないため除外する。すなわち、複合粒子の断面観察における長軸及び短軸と、複合粒子の外周との交点の数が共に2である複合粒子を対象粒子とする。
前記複合状態判断の対象粒子の条件に該当した複合粒子の断面を観察し、以下のようにして複合粒子の断面における長軸の中心及び短軸の長さを選択する。
複合粒子の外周に外接する平行な2本の接線であって、その距離が最大となる接線m及び接線mを選択する。この接線m及び接線mの間の距離を複合粒子の最大長さ、すなわち長軸の長さとする。
ただし、複合粒子の断面における長軸の長さは、複合粒子の全体像を走査型電子顕微鏡(SEM)等で観察して求められる複合粒子の最大長さに対して、70%以上となるように選択されることが好ましい。すなわち、複合粒子の断面は、3次元的に全体をとらえた複合粒子自体の長軸の長さ又はそれに近い長さの軸を含むように選択されることが好ましい。尚、複合粒子自体の長軸の長さは、複合粒子に外接する平行な2つの平面であって、その距離が最大となる2つの平面の間の距離として与えられる。
次いで前記複合粒子の断面上で、前記接線m及び接線mに直交し、複合粒子の外周に外接する2本の平行な接線n及び接線nを選択する。
接線nに平行な直線であって、接線nまでの距離と接線nまでの距離が等しい直線を複合粒子の長軸とする。長軸と接線m及び接線mとの交点をそれぞれ交点P及び交点Pとし、交点Pと交点Pとを結ぶ線分の中点を長軸の中点とする。この長軸の中点を通り、長軸と直交する直線を短軸とする。短軸と複合粒子の外周との2つの交点Q及び交点Qの間の距離を短軸の長さとする。
次いで前記複合粒子の断面上で、長軸の中点を中心とし、短軸の長さの1/8の長さRを半径とする円を描き、その円の内部領域を、複合粒子における中心部分とする。
一方、複合粒子の断面上で、その外周から内側に長さRの深さまでの内側領域を、複合粒子における表面部分とする。
ここで中心部分と表面部分とに重複部分が発生する場合には、複合状態判断の対象粒子から除外する。
上記のようにして決定した複合粒子の中心部分及び表面部分について、それぞれSEMを用いて観察し、観察している領域にX線分光装置を適用して、被観察領域に含有される元素をそれぞれ定量分析する。これよって得られる元素質量濃度を用いて、下記複合状態の条件について評価し、これを満たす複合粒子を本発明のリチウムイオン二次電池用負極材を構成するものと同定する。
尚、前記X線分光装置としては、被観察領域に含有される元素を定量可能であれば特に制限されず、例えば、エネルギー分散型(EDX)及び波長分散型(WDX)を用いることができる。
(複合状態の条件)
前記複合粒子の表面部分に含まれる金属原子(好ましくは、珪素原子)の含有量の、中心部分に含まれる金属原子の含有量に対する比率(表面部分/中心部分)が2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましい。前記比率が2以上であることで、複合粒子の膨張を抑制することができ、また良好なサイクル特性が得られる。
前記比率は、中心部分における炭素原子、酸素原子及び金属原子の総含有量に対する金属原子の含有量の比率(M/(C+O+M))と、表面部分における炭素原子、酸素原子及び金属原子の総含有量に対する金属原子の含有量の比率とをそれぞれ求め、これらの比として算出される。
具体的には例えば、EDXで定量分析を行った際、炭素原子、酸素原子及び金属原子のみについて定量分析を行えば、中心部分と表面部分の金属原子の質量濃度を単に比較することで、前記比率を得ることができる。
中心部分及び表面部分における炭素原子、酸素原子及び金属原子の総含有量に対する金属原子の含有量の比率は、具体的には、中心部分及び表面部分のそれぞれにおいて、一辺の長さが前記長さRの1/5〜1/2である正方形領域を3箇所、できるだけ重複しないように選択する。選択した正方形領域について、それぞれ炭素原子、酸素原子及び金属原子に対する金属原子の含有比を測定し、それらの測定値の算術平均値として算出される。
本発明においては、さらに前記複合粒子の中心部分に含まれる金属原子(好ましくは、珪素原子)の含有量と複合粒子全体の金属原子(好ましくは、珪素原子)の含有量との比率が、0.2以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。これは複合粒子の中心部分に金属原子が実質的に存在しないことを意味する。
複合粒子の断面に含まれる金属原子の総含有量、及び、中心部分に含まれる金属原子の含有量は上記と同様にして得ることができる。
本発明においては上記条件(a)及び(b)を満たす複合粒子10個について、上記複合状態の条件を評価し、3個以上、好ましくは5個以上の複合粒子が条件を満たす場合に、表面付近に第二の粒子が多く存在している好ましい複合粒子であると判断する。
(複合粒子の要素の含有量)
複合粒子に含まれる第一の粒子の含有量は、目的に応じて適宜選択できる。例えば、第一の粒子が炭素性物質Aを含む場合、容量の観点では、リチウムイオン二次電池用負極材中に10質量%〜98質量%であることが好ましく、より好ましくは30質量%〜95質量%である。またサイクルの観点では、20質量%〜99質量%が好ましく、より好ましくは、75質量%〜99質量%である。
一方、第一の粒子がCu、Ni、シリサイド種を含む場合、容量の観点では、10質量%〜90質量%が好ましく、より好ましくは30質量%〜85質量%である。また、サイクルの観点では、50質量%〜99質量%が好ましく、さらに好ましくは70質量%〜99質量%である。
炭素性物質Aは、導電性物質としての役割に加え、Liと電気化学的に反応でき充放電が可能であるため、導電性物質として少なくとも炭素性物質Aを含むことが好ましい。
複合粒子に含まれる第二の粒子の含有量は、目的に応じて適宜選択できるが、サイクル特性と電池容量の観点から、複合粒子全体において0.5質量%〜20質量%であることが好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましく、2質量%〜10質量%がさらに好ましい。第二の粒子の含有量が0.5質量%以上であることで電池容量が向上する。また20質量%以下であることでサイクル特性がより向上する。
さらに複合粒子における第一の粒子の含有量に対する第二の粒子の含有量の比(第二の粒子の含有量/第一の粒子の含有量)は、目的に応じて適宜選択できるが、サイクル特性と電池容量の観点から、質量基準で0.005〜0.3であることが好ましく、0.01〜0.25であることがより好ましい。
前記複合粒子における炭素性物質Bの含有量については、複合粒子全体において1質量%〜10質量%であることが好ましく、1質量%〜8質量%がより好ましく、2質量%〜8質量%が更に好ましく、2質量%〜6質量%が特に好ましい。
炭素性物質Bの量が10質量%以下であることで、非晶質炭素の含有量を抑制でき、初回充放電効率が低下することを抑制できる。また複合粒子を製造する工程において、複合粒子同士の結着を抑制し、粒子径が増加することを抑制できる。一方、1%以上であることでサイクル特性が向上する傾向がある。これは例えば第二の粒子が第一の粒子表面に効率的に複合化されやすくなるためと考えることができる。
また第二の粒子に対する炭素性物質Bの含有比率(炭素性物質B/第二の粒子)は、第一の粒子と第二の粒子とを複合化可能である限り特に制限されない。例えば、サイクル特性と電池容量の観点から、質量基準で0.1〜10であることが好ましく、0.3〜5であることがより好ましい。
(複合粒子の粒子径)
本発明における複合粒子の体積平均粒子径(50%D)は特に制限されない。例えば5μm〜40μmであることが好ましく、5μm〜35μmであることがより好ましく、7μm〜30μmであることが更に好ましく、10μm〜30μmが特に好ましい。
複合粒子の体積平均粒子径が5μm以上であることで、比表面積の増大を抑制でき、初回の充放電効率が向上する。また電極密度を上昇させやすく、リチウムイオン二次電池の高容量化が可能になる。一方、体積平均粒子径が40μm以下であることで、レート特性などの電極特性が向上する傾向がある。
また第一の粒子の体積平均粒子径に対する複合粒子の体積平均粒子径の比(複合粒子の粒子径/第一の粒子の粒子径)は特に制限されない。サイクル特性と電池容量の観点から、1.0〜1.3であることが好ましく、1.01〜1.25より好ましく、1.03〜1.20が更に好ましく、1.05〜1.15が特に好ましい。
複合粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、通常の条件で測定される。
また後述する複合粒子の製造方法において、解砕条件を適宜選択することで制御することができる。
(複合粒子のタップ密度)
本発明における複合粒子のタップ密度は特に制限されない。例えば0.6g/cm〜1.2g/cmであることが好ましく、0.7g/cm〜1.2g/cmがより好ましく、0.8g/cm〜1.15g/cmが更に好ましく、0.9g/cm〜1.1g/cmであることが特に好ましい。
0.7g/cm以上であることで、サイクル特性が向上する。また負極を形成する際のプレス時における圧縮性が向上し、高い電極密度が達成され、より高容量の電池を得ることができる。一方、1.2g/cm以下であることで電池特性の低下を抑制できる。これは例えば、複合粒子の粒子径や複合粒子自体の密度が、Liイオンの授受、拡散に影響を及ぼすためと考えることができる。
尚、複合粒子のタップ密度は、JIS規格R1628に準じて測定される。
(複合粒子の製造方法)
前記複合粒子の製造方法は、電池のサイクル特性と負極材の膨張率の観点から、第一の粒子と、第二の粒子(好ましくは、珪素原子を含有する第二の粒子)とを、前記炭素性物質Aとは異なる炭素性物質Bを用いて複合化し、体積平均粒子径が第一の粒子の体積平均粒子径に対して1.0倍以上1.3倍以下である複合粒子を得る工程を含むことが好ましい。
かかる製造方法で複合粒子を製造することにより、複合粒子の表面部分における金属原子の含有量を中心部分の2倍以上とすることができる。さらに複合粒子の中心部分に実質的に金属原子が存在しない状態とすることができる。
前記複合粒子の製造方法は、具体的には、第一の粒子と、第二の粒子とを、炭素性物質Aとは異なる炭素性物質Bの炭素性物質前駆体とを複合化する工程と、前記複合化することにより得られた複合化物を焼成して塊状物を得る工程と、前記塊状物に剪断力を付与して、前記第一の粒子の体積平均粒子径に対して1.0倍以上1.3倍以下となる体積平均粒子径を有し、前記第一の粒子及び前記第二の粒子が前記炭素性物質Bで複合化された複合粒子を得る工程とを含むことが好ましい。
−複合化−
第一の粒子と第二の粒子と炭素性物質前駆体との複合化は、本製造方法により得られる複合粒子における第一の粒子、第二の粒子及び炭素性物質Bの構成比率を実現可能な量比で、これらの構成要素を複合化するものであれば特に制限はない。本複合化によって、第一の粒子と、第二の粒子と炭素性物質前駆体とを含む複合化物が得られる。なお、複合化工程で得られる複合化物は、第一の粒子表面に第二の粒子と炭素性物質前駆体とが一体化したものであって、炭素性物質前駆体が炭素化されていない未炭素化複合体である。
第二の粒子が炭素性物質前駆体とのみとで複合粒子化せずに、第一の粒子と第二の粒子と炭素性物質前駆体とが複合粒子化するように、第二の粒子と炭素性物質前駆体とが分散媒体中に溶解あるいは分散した状態で、第一の粒子と混合することが好ましい。
分散物とする場合に用いられる分散媒体としては、有機溶剤を用いることが好ましい。これにより例えば、第二の粒子に含まれる金属の酸化を抑制できる。また炭素性物質前駆体が固形物の場合、前記有機溶剤に溶解した状態が好ましい。用いられる有機溶剤としては特に制限はないが、例えば、炭素性物質前駆体としてピッチ等を用いる場合、これに可溶性を有するトルエンやメチルナフタリンなどの芳香族炭化水素系溶剤が好適である。
凝集性がある第二の粒子と炭素性物質前駆体とを第一の粒子の表面上に均一に複合化するために、第二の粒子と炭素性物質前駆体は、分散媒中で高度に分散されていることが好ましい。分散方法については特に制限はないが、第二の粒子と炭素性物質前駆体及び分散媒体を超音波分散処理することが、より均一な分散物を得ることができるために、好ましい。
なお、分散物を得る際に、第一の粒子を同時に混合してもよい。その場合の分散方法は、第一の粒子が分散の際に粉砕されない限り特に制限されない。例えば、攪拌式のホモジナイザーやビーズミル、ボールミルなどを用いて分散を実施することができる。
前記炭素性物質前駆体は焼成処理によって炭素化物になる際、その質量が減少する。よって、複合化の際の炭素性物質前駆体の量は、予めその炭素化率を測定しておき、複合粒子中に残炭する量分に相当する量を複合化処理に用いることが好ましい。
第二の粒子の量は、本発明にかかる負極材を用いて構成されるリチウムイオン二次電池の容量を決定する要因の1つとなる。よって、目的とする容量に応じ、複合化に用いられる第二の粒子の量を、適宜、決定することが好ましい。
具体的には、複合粒子中の第二の粒子の含有量が既述の範囲となるように適宜選択することが好ましい。
第二の粒子の含有量は、任意の量とすることができ、例えば、複合粒子の全質量の60〜99%の範囲で適宜選択することが好ましい。
第一の粒子、第二の粒子及び炭素性物質前駆体を複合化する具体的な方法としては、例えば、分散物と第一の粒子とを複合化する場合、加熱可能な混練機で前記分散物と第一の粒子とを混合しながら有機溶剤を揮発させ複合化する方法、あるいは、第一の粒子を前記分散物中に予め混合し、それを噴霧乾燥して複合化する方法などが挙げられる。
これらの複合化方法では、第一の粒子と前記分散物とが均一に混合されるよう、ペースト状、あるいはスラリー状などの状態で混合することが好ましい。
−焼成工程−
焼成工程では、複合化工程によって得られた複合化物を焼成する。この焼成処理により、炭素性物質前駆体は炭素化物になる。また第二の粒子に珪素酸化物が含まれる場合、例えば、珪素酸化物は不均化され、珪素酸化物内に珪素の微結晶が分散した構造体になる。
焼成処理により、複合化物が焼成されて塊状物が得られる。ここで、塊状物は、第一の粒子と、第二の粒子と、炭素性物質Bとを有する複合粒子が集合して一体化したものである。
焼成処理は不活性雰囲気下で行うことが酸化抑制の点で好ましく、不活性雰囲気としては、窒素、アルゴンが好適である。
焼成処理条件は、特に限定されないが、200℃程度で一定時間保持し、残留溶剤を完全に揮発させ、その後、目的温度まで昇温することが好ましい。
焼成温度については800〜1200℃が好ましく、850〜1200℃がより好ましく、900〜1200℃がさらに好ましい。焼成温度を800℃以上とすることで、炭素性物質前駆体の炭素化が十分に進行し、初回充放電効率が向上する傾向がある。一方、第二の粒子が珪素原子を含む場合、焼成温度を1200℃以下とすることで、珪素においては炭化珪素化を抑制でき、電池容量の低下を抑制できる傾向がある。また、珪素酸化物中の二酸化珪素部分の成長を抑制でき、珪素酸化物内におけるリチウムイオンの拡散阻害とレート特性の低下とを抑制できる。
−剪断力付与工程−
剪断力付与工程では、焼成工程で得られた塊状物に剪断力を付与して、第一粒子の体積平均粒子径に対して1.0倍以上1.3倍以下の体積平均粒子径を有し、第一の粒子及び第二の粒子が前記炭素性物質Bで複合化された複合粒子を得る。
焼成工程によって得られた塊状物は、炭素性物質前駆体の炭素化によって互いに結着した複合粒子により形成されている。この塊状物に対して剪断力が付与されると、互いに結着した複合粒子に対して適度な剪断力が付与され、所定の粒子径を有する個々の複合粒子に分離する。このようにして得られた複合粒子は、その表面に第二の粒子が多く存在する形態を有するものである。
剪断力の付与は、複合粒子の体積平均粒子径が所望の範囲となる剪断力が付与可能な装置であれば特に制限はされず、一般的な装置であるミキサー、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミルなどを用いて行うことができる。
また、複合粒子の体積平均粒子径が所望の範囲内となる剪断力の付与の条件としては、用いられる装置によって異なるが、例えば、WARING社製のワーリングミキサー(7012S)を用いた場合には、回転数3000〜13000(3100)rpm程度、30秒〜3分間程度の条件を採用すればよい。
また剪断力の付与は、塊状物を、塊状物を形成している個々の複合粒子の状態にすると共に複合粒子を破壊しない処理であれば、粉砕処理又は解砕処理等の当業界で一般的に用いられる処理のいずれであってもよい。
剪断力付与工程により得られた複合粒子は、第一の粒子及び第二の粒子が炭素性物質Bで複合化された複合粒子であり、第一の粒子の体積平均粒子径に対して1.0倍以上1.3倍以下の体積平均粒子径を有することが好ましく、1.0倍〜1.25倍がより好ましく、1.03倍〜1.2倍がさらに好ましく、1.05倍〜1.15倍が特に好ましい。
複合粒子の体積平均粒子径が、第一の粒子の体積平均粒子径に対して1.0倍以上であれば複合粒子が破壊されずに維持されている傾向が高く、一方、1.3倍以下であれば、第二の粒子が複合粒子の内部に存在することを抑制することができる。この結果、充電時において第二の粒子の体積膨張が生じた際に、複合粒子の過度な膨張を抑制することができる。
[その他の工程]
複合粒子の製造方法は、上述した複合化工程、焼成工程及び剪断力付与工程の他に、必要に応じてその他の工程を有するものであってもよい。
例えば、剪断力付与工程の後に、整粒を目的として分級工程を含むことが好ましい。これにより、均一な体積平均粒子径を有する複合粒子を得ることができる。分級には、例えば、目開き40μmの篩を用いることが好ましい。また、分級処理において、1μm以下の微粉をできるだけ除去することが好ましい。
分級処理の方法については特に限定されないが、例えば、気流式分級機によって除去することが可能である。
また複合粒子の製造方法は、分級工程の後に、分級処理して得られた複合粒子を、不活性雰囲気下でさらに熱処理を行う熱処理工程を含んでもよい。熱処理条件については、上記の焼成条件と同様である。この処理を施すことにより、粉砕で乱れた粒子表面の構造を平滑化でき、初回の充放電効率をより向上することができる。
更に複合粒子の製造方法は、熱処理工程の後に、炭素被覆工程を含んでもよい。この炭素被覆工程によって、複合粒子には炭素被覆が施されて低結晶性炭素層がさらに形成される。炭素被覆量は、非晶質炭素の増加によって初回充放電効率が低下して、負極材の特性が低下しないように、適宜決定することが好ましい。
炭素被覆の方法として、湿式混合法、化学蒸着法、メカノケミカル法などが挙げられる。均一かつ反応系の制御が容易で、複合粒子の形状が維持できるといった点から、化学蒸着法及び湿式混合法が好ましい。
低結晶性炭素層を形成するための炭素源についても特に限定はないが、化学蒸着法では脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素など用いることができる。具体的にはメタン、エタン、プロパン、トルエン、ベンゼン、キシレン、スチレン、ナフタレン、クレゾール、アントラセン、又はこれらの誘導体等が挙げられる。
また、湿式混合法及びメカノケミカル法では、フェノール樹脂、スチレン樹脂等の高分子化合物、ピッチ等の炭化可能な固体物などを、固形のまま、又は溶解物などにして処理を行うことができる。
処理温度は、前記記載の焼成処理条件と同様の条件で行うことが好ましい。
本発明における負極は、炭素性物質Aを含む第一の粒子とリチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な金属原子を含む第二の粒子とが複合化された複合粒子の少なくとも1種を含んで構成されることが好ましく、球状黒鉛粒子及び塊状黒鉛粒子から選ばれる少なくとも1種の第一の粒子とリチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な金属原子を含む第二の粒子とが複合化された複合粒子の少なくとも1種を含んで構成されることがより好ましく、塊状黒鉛粒子とリチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な金属原子を含む第二の粒子とが複合化された複合粒子の少なくとも1種を含んで構成されることがさらに好ましい。
(導電性物質)
前記負極は、前記複合粒子に含まれる第一の粒子とは異なる導電性物質をさらに含むことが好ましい。これにより、リチウムイオン二次電池用負極材に導電性を有する物質、即ち導電補助材が含有されて、良好な電気特性を有するリチウムイオン二次電池用負極材を構成することができる。
導電性を有する物質(導電補助材)としては、カーボンブラック、黒鉛、コークス、カーボンファイバー、カーボンナノチューブなど、種類、形状によらず種々のものを挙げることができる。導電性を有する物質の中でも、黒鉛は容量、効率の面から好ましく、また、カーボンファイバー、カーボンナノチューブは、少量で粒子間の導電性を確保できるため好ましい。
用いられる導電性を有する物質の含有量は、目的に応じて適宜選択できる。容量の観点では、リチウムイオン二次電池用負極材中に0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜10質量%であることがより好ましい。一方、サイクルの観点では、20質量%〜95質量%が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましい。このような含有量となるように、複合粒子と混合する際の導電性を有する物質の含有量を決定すればよい。
(負極の製造方法)
前記負極は、例えば、複合粒子(好ましくは、第二の粒子が第一の粒子の表面に複合化された複合粒子)及び有機結着剤を、溶剤とともに撹拌機、ボールミル、スーパーサンドミル、加圧ニーダ等の分散装置により混練して、負極材スラリーを調製し、これを集電体上に塗布して負極層を形成する、又は、ペースト状の負極材スラリーをシート状、ペレット状等の形状に成形し、これを集電体と一体化することで得ることができる。
上記有機結着剤(以下、「バインダ」ともいう)としては、特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体;エチレン性不飽和カルボン酸エステル(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)、及びエチレン性不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等)からなる(メタ)アクリル共重合体;ポリ弗化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエピクロヒドリン、ポリホスファゼン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミドイミドなどの高分子化合物が挙げられる。
これらの有機結着剤は、それぞれの物性によって、水に分散、あるいは溶解したもの、また、N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)などの有機溶剤に溶解したものがある。これらの中でも、密着性に優れることから、主骨格がポリアクリロニトリル、ポリイミド、又はポリアミドイミドである有機結着剤が好ましく、主骨格がポリアクリロニトリルである有機結着剤が後述するように熱処理温度が低く、電極の柔軟性が優れることから更に好ましい。ポリアクリロニトリルを主骨格とする有機結着剤としては、例えば、ポリアクリロニトリル骨格に、接着性を付与するアクリル酸、柔軟性を付与する直鎖エーテル基を付加した製品(日立化成工業株式会社製、LSR7)が好適に使用できる。
リチウムイオン二次電池負極の負極層中の有機結着剤の含有比率は、1質量%〜30質量%であることが好ましく、2質量%〜20質量%であることがより好ましく、3質量%〜15質量%であることがさらに好ましい。
有機結着剤の含有比率が1質量%以上であることで密着性が良好で、充放電時の膨張・収縮によって負極が破壊されることが抑制される。一方、30質量%以下であることで、電極抵抗が大きくなることを抑制できる。
また、リチウムイオン二次電池用負極材の製造方法は、前記複合粒子と、該複合粒子に含まれる第一の粒子とは異なる導電性物質とを混合する工程を含むものであってもよい。これにより、リチウムイオン二次電池用負極材に導電性を有する物質、即ち導電補助材が含有されて、良好な電気特性を有するリチウムイオン二次電池用負極材を提供することができる。
複合粒子に含まれる第一の粒子とは異なる導電性物質については既述の通りである。
また前記集電体の材質及び形状については特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等を、箔状、穴開け箔状、メッシュ状等にした帯状のものを用いればよい。また、多孔性材料、たとえばポーラスメタル(発泡メタル)やカーボンペーパーなども使用可能である。
上記負極材スラリーを集電体に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法など公知の方法が挙げられる。塗布後は、必要に応じて平板プレス、カレンダーロール等による圧延処理を行うことが好ましい。
また、シート状、ペレット状等の形状に成形された負極材スラリーと集電体との一体化は、例えば、ロール、プレス、もしくはこれらの組み合わせ等、公知の方法により行うことができる。
前記集電体上に形成された負極層及び集電体と一体化した負極層は、用いた有機結着剤に応じて熱処理することが好ましい。例えば、ポリアクリロニトリルを主骨格とした有機結着剤を用いた場合は、100〜180℃で、ポリイミド、ポリアミドイミドを主骨格とした有機結着剤を用いた場合には150〜450℃で熱処理することが好ましい。
この熱処理により溶媒の除去、有機結着剤の硬化による高強度化が進み、粒子間及び粒子と集電体間の密着性が向上できる。尚、これらの熱処理は、処理中の集電体の酸化を防ぐため、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気、又は真空雰囲気で行うことが好ましい。
また、熱処理する前に、負極はプレス(加圧処理)しておくことが好ましい。加圧処理することで電極密度を調整することができる。本発明のリチウムイオン二次電池用負極材では、電極密度が1.4g/cm〜1.9g/cmであることが好ましく、1.5g/cm〜1.85g/cmであることがより好ましく、1.6g/cm〜1.8g/cmであることがさらに好ましい。電極密度については、高いほど体積容量が向上するほか、密着性が向上し、サイクル特性も向上する傾向がある。
[正極]
本発明における正極は、リチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能なリチウム化合物の少なくとも1種を含み、必要に応じてその他の要素を含んで構成される。
正極は、前記負極と同様にして、集電体表面上に正極層を形成することで得ることができる。
前記正極層に用いる正極材としては、特に制限はなく、例えば、リチウムイオンをドーピング又はインターカレーション可能な金属化合物、金属酸化物、金属硫化物、又は導電性高分子材料を用いればよく、特に限定されない。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、及びこれらの複酸化物(LiCoNiMn、x+y+z=1、0<x、0<y;LiNi2−xMn、0<x≦2)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、リチウムバナジウム化合物、V、V13、VO、MnO、TiO、MoV、TiS、V、VS、MoS、MoS、Cr、Cr、オリビン型LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Fe)、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセン等の導電性ポリマー、多孔質炭素等などを単独或いは混合して使用することができる。中でも、ニッケル酸リチウム(LiNiO)及びその複酸化物(LiCoNiMn、x+y+z=1、0<x、0<y;LiNi2−xMn、0<x≦2)は、容量が高いため本発明に用いる正極材として好適である。
正極は、例えば、上記の正極材及び有機結着剤を、溶剤とともに撹拌機、ボールミル、スーパーサンドミル、加圧ニーダ等の分散装置により混練して、正極材スラリーを調製し、これを集電体に塗布して正極層を形成する、又は、ペースト状の正極材スラリーをシート状、ペレット状等の形状に成形し、これを集電体と一体化することで得ることができる。
前記有機結着剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリイミドアミドなどの高分子化合物が挙げられる。
これらの有機結着剤は、それぞれの物性によって、水に分散、あるいは溶解したもの、また、N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)などの有機溶剤に溶解したものがある。ポリアクリロニトリルを主骨格とするバインダとしては、例えば、ポリアクリロニトリル骨格に、接着性を付与するアクリル酸、柔軟性を付与する直鎖エーテル基を付加した製品(日立化成工業株式会社製、LSR7)が好適に使用できる。
前記正極における正極層中の有機結着剤の含有比率は、1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、3〜15質量%であることがさらに好ましい。
有機結着剤の含有比率が1質量%以上であることで密着性が良好で、充放電時の膨張・収縮によって正極が破壊されることが抑制される。一方、30質量%以下であることで、電極抵抗が大きくなることを抑制できる。
また前記正極材スラリーには、必要に応じて、導電補助材を混合してもよい。導電補助材としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック等の炭素性物質、及び導電性を示す酸化物や窒化物等が挙げられる。導電補助材の使用量は、正極材料に対して0.1〜20質量%程度とすればよい。
また前記集電体の材質及び形状については、特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等を、箔状、穴開け箔状、メッシュ状等にした帯状のものを用いればよい。また、多孔性材料、たとえばポーラスメタル(発泡メタル)やカーボンペーパーなども使用可能である。
さらに前記正極材は異種金属やセラミックスなどによって修飾されていてもよい。修飾方法や修飾状態については特に限定はされないが、正極材の一部金属が置換されている状態や、正極の粒子表面に付着や被覆といった状態でもよい。
前記修飾物質として特に限定はされないが、例えば、Al、Mgなどの金属やMgO、ZnO、CeO、LiTi12などの酸化物等が使用できる。
正極材スラリーを集電体に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法など公知の方法が挙げられる。塗布後は、必要に応じて平板プレス、カレンダーロール等による圧延処理を行うことが好ましい。
また、シート状、ペレット状等の形状に成形された正極材スラリーと集電体との一体化は、例えば、ロール、プレス、もしくはこれらの組み合わせ等、公知の方法により行うことができる。
集電体上に形成された正極層及び集電体と一体化した正極層は、用いた有機結着剤に応じて熱処理することが好ましい。例えば、ポリアクリロニトリルを主骨格とした有機結着剤を用いた場合は、100〜180℃で、ポリイミド、ポリアミドイミドを主骨格とした有機結着剤を用いた場合には150〜450℃で熱処理することが好ましい。
この熱処理により溶剤の除去、有機結着剤の硬化による高強度化が進み、粒子間及び粒子と集電体間の密着性が向上できる。尚、これらの熱処理は、処理中の集電体の酸化を防ぐため、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気、真空雰囲気で行うことが好ましい。
また、熱処理する前に、正極はプレス(加圧処理)しておくことが好ましい。加圧処理することで電極密度を調整することができる。
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルム又はそれらを組み合わせたものを使用することができる。なお、作製するリチウムイオン二次電池の正極と負極が直接接触しない構造にした場合は、セパレータを使用する必要はない。
電解液としては、例えば、電解質としてLiClO、LiPF、LiAsF、LiBF、LiSOCF等のリチウム塩を、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、シクロペンタノン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、ブチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル等の単体もしくは2成分以上の混合物の非水系溶剤に溶解した、いわゆる有機電解液を使用することができる。なかでも、フルオロエチレンカーボネートを含有する電解液は、本発明の負極材の表面に安定なSEI(固体電解質界面)が形成される傾向があり、サイクル特性が著しく向上するため好適である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<実施例1>
(複合粒子の作製)
まず、塊状黒鉛粒子を以下のようにして作製した。体積平均粒子径が10μmのコークス粉末2000g、コールタールピッチ800g(炭素化率50%)、炭化珪素400g及びコールタール800gを加圧ニーダで100℃、1時間混練して塊状物を得た。得られた塊状物は、窒素雰囲気中900℃で2時間焼成後、同雰囲気下で2800℃、2時間で黒鉛化した。黒鉛化した塊状物はジェットミルで粉砕し、体積平均粒子径が23μmの塊状黒鉛粒子を作製した。
次いで体積平均粒子径30μmの珪素酸化物粉末を、メチルナフタレン、分散材(花王(株)製:L−1820)とともに、ビーズミル(アシザワファインテック製:LMZ)で体積平均粒子径0.5μmまで粉砕して珪素酸化物スラリーを作製した。
この珪素酸化物スラリー500g(固形分30%)と、コールタールピッチ(炭素化率50%、炭素性物質Bの前駆体)300gと、メチルナフタレン2000gをSUS製容器に入れて攪拌し、さらに通液型の超音波ホモジナイザー(ギンセン製:GSD600HAT)で循環しながら30分間、超音波分散処理して分散物を得た。
次いで、上記で得られた体積平均粒子径23μmの塊状黒鉛粒子を加圧式ニーダに2700g投入し、ここに前記分散物を投入し、200℃でメチルナフタレンを蒸発させて、珪素酸化物粒子が炭素性物質で複合化された塊状黒鉛粒子の混合塊状物を得た。
得られた混合塊状物は、窒素雰囲気の焼成炉で900℃、2時間焼成した。焼成した塊状物はカッターミル(大阪ケミカル製:WB−1)で解砕し、次いで目開き40μmの振動ふるいで分級し、体積平均粒子径20μmの複合粒子を得て、これをリチウムイオン二次電池用負極材とした。
上記製造方法によって得られた複合粒子は、下記方法により、平均面間隔、タップ密度、BET比表面積、体積平均粒子径(50%D)、珪素及び珪素酸化物含有率を評価した。
[平均面間隔(d002)(XRD)測定]
リガク社製広角X線回折測定装置で行い、学振法に基づき、複合粒子の平均面間隔(d002)を算出した。
[タップ密度測定]
JIS規格R1628に基づく方法により、タップ密度を測定した。
[BET比表面積測定]
窒素吸着測定装置ASAP−2010(島津製作所製)を使用し、相対圧0.04〜0.20の範囲において5点、窒素吸着を測定し、BET法を適用してBET比表面積を算出した。
[体積平均粒子径(50%D)測定]
レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−3000J(島津製作所製)を使用し、得られた複合粒子を界面活性剤と共に精製水中に分散させた分散液を試料水槽に入れ、超音波をかけながらポンプで循環させながら測定した。得られた粒度分布の累積50%粒径(50%D)を体積平均粒子径とした。
[第二の粒子に含まれる金属原子の含有率]
複合粒子中に含まれる第二の粒子に含まれる金属原子の含有率は、以下のようにして測定した。
例えば、第二の粒子に含まれる金属原子が珪素原子の場合、得られた複合粒子3gをアルミナ坩堝に入れ、大気下で900℃、60時間熱処理した。得られた灰分は全て酸化されていると見なし、以下の式より、珪素及び珪素酸化物含有率を測定した。
珪素含有率(%)=(灰分量×28.09/60.09)/複合粒子質量×100
珪素酸化物含有率(%)=(灰分量×44.09/60.09)/複合粒子質量×100
(リチウムイオン二次電池用負極の作製)
得られた複合粒子の95部に対して、バインダとして、ポリアクリロニトリルを主骨格とする樹脂(日立化成工業製、LSR−7)を5部添加し、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)を適量入れて固練した後、さらにNMPを添加し粘度調整を行なった。
得られたスラリーを、アプリケータを用いて銅箔に塗布し、90℃定置運転乾燥機にて2時間、乾燥した。ロールプレスし、電極密度を1.6g/cmに調整し、さらに真空下、160℃で2時間、熱処理して、リチウムイオン二次電池用負極を得た。得られたリチウムイオン二次電池用負極を、16mmφの円形に打ち抜き、これを負極の評価用試料として使用した。活物質質量は7.00mg/cmであった。
負極の充電電気容量の評価用セルは、CR2016型コインセルに上記負極の評価用試料と、16mmφで打ち抜いた金属Liとを、20μmのポリプロピレン製セパレータを介して対向させて配置し、電解液を注入することにより作製した。電解液はエチルカーボネートとメチルエチルカーボネートを体積比3対7の混合溶媒に、LiPFを1mol/Lの濃度になるように溶解させ、これに1.5質量%のビニルカーボネートを添加した後、さらにフルオロエチレンカーボネートを20体積%添加したものを使用した。
評価用セルを作製した後、25℃の恒温槽内に24時間静置し、これを用いて負極の充電電気容量を測定した。
充電は0.5mAの定電流で0Vまで充電後、0Vの定電圧で電流値が0.05mAになるまで行い、充電に要した電気容量を測定した。
得られた負極の活物質質量あたりの充電電気容量は490mAh/gであった。
(リチウムイオン二次電池用正極の作製)
コバルト酸リチウム94部に対して、バインダとして、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)に溶解したポリフッ化ビニリデン(クレハ製、#1120)を3部添加し、さらにアセチレンブラック(電気化学工業製、HS100)を3部添加し、NMPを適量加えて固練りした後、さらにNMPで粘度調整を行なった。得られたスラリーを、アプリケータを用いてアルミニウム箔に塗布し、90℃定置運転乾燥機にて2時間、乾燥した。ロールプレスし、電極密度を3.4g/cmに調整し、さらに真空下、120℃で2時間、熱処理して、リチウムイオン二次電池用負極を得た。得られたリチウムイオン二次電池用負極を、14mmφの円形に打ち抜き、これを正極の評価用試料として使用した。活物質質量は24.5mg/cmであった。
正極の充電電気容量の評価用セルは、CR2016型コインセルに上記で得られた正極の評価用試料と、16mmφで打ち抜いた金属Liとを、20μmのポリプロピレン製セパレータを介して対向させて配置し、電解液を注入することにより作製した。電解液はエチルカーボネートとメチルエチルカーボネートを体積比3対7の混合溶媒に、LiPFを1mol/Lの濃度になるように溶解させ、これに1.5質量%のビニルカーボネートを添加した後、さらにフルオロエチレンカーボネートを20体積%添加したものを使用した。
評価用セルを作製した後、25℃の恒温槽内に24時間静置し、これを用いて正極の充電電気容量を測定した。
充電は0.5mAの定電流で4.2Vまで充電後、4.2Vの定電圧で電流値が0.05mAになるまで行い、充電に要した電気容量を測定した。
得られた正極の活物質質量あたりの充電電気容量は140mAh/gであった。
(評価用セルの作製)
評価用セルは、上記で得られた負極の評価用試料と正極の評価用試料を用いて作製した。正極の充電電気用容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極の充電電気容量/正極の充電電気容量)=1.00であった。
CR2016型コインセルに、上記で得られた負極の評価用試料と正極の評価用試料とを、20μmのポリプロピレン製セパレータを介して対向させて配置し、電解液を注入することにより評価用セルを作製した。電解液はエチルカーボネートとメチルエチルカーボネートを体積比3対7の混合溶媒に、LiPFを1mol/Lの濃度になるように溶解させ、これに1.5質量%のビニルカーボネートを添加した後、さらにフルオロエチレンカーボネートを20体積%添加したものを使用した。
(評価条件)
得られた評価用セルは25℃の恒温槽内に入れ、サイクル試験した。充電は、2mAの定電流で4.2Vまで充電後、4.2Vの定電圧で電流値が0.2mAになるまで行った。また放電は、2mAの定電流で2.75Vの電圧値まで行った。放電容量と充放電効率は、初回充放電試験の結果とした。
また、サイクル特性は、前記充放電条件にて50回充放電試験した後の放電容量の、初回放電容量に対する比率である容量維持率として評価した。評価結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、負極の活物質質量を調整することで、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極充電電気容量/正極充電電気容量)が1.03となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価を行った。
<実施例3>
実施例1において、負極の活物質質量を調整することで、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極充電電気容量/正極充電電気容量)が1.05となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価を行った。
<実施例4>
実施例1において、負極の活物質質量を調整することで、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極充電電気容量/正極充電電気容量)が1.10となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価を行った。
<実施例5>
実施例1において、負極の活物質質量を調整することで、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極充電電気容量/正極充電電気容量)が1.20となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価を行った。
<実施例6>
実施例1の複合粒子の作製において、珪素酸化物スラリーとコールタールピッチの分散物代わりに、以下のようにして得られた分散物を用いて複合粒子を作製したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価を行った。
尚、活物質質量は7.42mg/cmであり、負極の活物質質量あたりの充電電気容量は462mAh/gであった。
また、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極充電電気容量/正極充電電気容量)は1.00であった。
体積平均粒子径が25μmの珪素粉末(純度99.9%)を用い、ビーズミルで体積平均粒子径が0.2μmとなるように粉砕して珪素スラリーを調製し、この珪素スラリー200gを180gのコールタールピッチと超音波分散処理して分散物を調製した。
<実施例7>
実施例6において、負極の活物質質量を調整することで、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極充電電気容量/正極充電電気容量)が1.03となるようにしたこと以外は、実施例6と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価を行った。
<実施例8>
実施例6において、負極の活物質質量を調整することで、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極充電電気容量/正極充電電気容量)が1.05となるようにしたこと以外は、実施例6と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価を行った。
<実施例9>
実施例6において、負極の活物質質量を調整することで、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極充電電気容量/正極充電電気容量)が1.10となるようにしたこと以外は、実施例6と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価を行った。
<実施例10>
実施例6において、負極の活物質質量を調整することで、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極充電電気容量/正極充電電気容量)が1.20となるようにしたこと以外は、実施例6と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価を行った。
<比較例1>
実施例1において、負極の活物質質量を調整することで、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極充電電気容量/正極充電電気容量)が0.80となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価を行った。
<比較例2>
実施例1において、負極の活物質質量を調整することで、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極充電電気容量/正極充電電気容量)が1.30となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価を行った。
<比較例3>
実施例6において、負極の活物質質量を調整することで、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極充電電気容量/正極充電電気容量)が0.80となるようにしたこと以外は、実施例6と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価を行った。
<比較例4>
実施例6において、負極の活物質質量を調整することで、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率(負極充電電気容量/正極充電電気容量)が1.30となるようにしたこと以外は、実施例6と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、同様の評価を行った。

表1から、正極の充電電気容量に対する負極の充電電気容量の比率を1.00以上1.20以下とすることでサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を構成できることが分かる。
尚、比較例1及び比較例3においては、負極表面にデンドライト状の金属リチウムが析出していた。

Claims (5)

  1. 導電性を有する第一の粒子及びリチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な金属原子を含む第二の粒子が複合化された複合粒子を含有する負極と、
    リチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能なリチウム化合物を含有する正極と、
    電解質と、を含み、
    前記第一の粒子が扁平状の粒子を複数、配向面が非平行となるように集合又は結合させてなる、細孔を有する黒鉛粒子を含み、前記第二の粒子がSiO(x:0.8〜1.9)を含み、
    前記第二の粒子が、前記複合粒子の内部よりも表面に多く存在しており、
    前記正極の充電電気容量に対する前記負極の充電電気容量の比率が、1.00以上1.20以下であるリチウムイオン二次電池。
  2. 前記複合粒子はさらに、前記第一の粒子と前記第二の粒子とを複合化する炭素性物質Bを含む、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記負極は、前記複合粒子に含まれる第一の粒子とは異なる導電性物質をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 導電性を有する第一の粒子及びリチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な金属原子を含む第二の粒子が複合化された複合粒子を含有する負極、及び、リチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能なリチウム化合物を含有する正極を、前記正極の充電電気容量に対する前記負極の充電電気容量の比率が1.00以上1.20以下となるようにそれぞれ準備する準備工程と、
    前記負極及び正極を、電解質を介して対向させて配置する工程と、
    を有し、
    前記第一の粒子が扁平状の粒子を複数、配向面が非平行となるように集合又は結合させてなる、細孔を有する黒鉛粒子を含み、前記第二の粒子がSiO(x:0.8〜1.9)を含み、
    前記第二の粒子が、前記複合粒子の内部よりも表面に多く存在しているリチウムイオン二次電池の製造方法。
  5. 前記準備工程は、前記負極の充電電気容量を測定する工程と、
    前記負極の充電電気容量に対する比率が1/1.20以上1/1.00以下である充電電気容量を有する正極を準備する工程と、
    を有する請求項4に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
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