JP6318925B2 - 高分子化合物およびそれを用いた発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子化合物、該高分子化合物を含有する組成物および該高分子化合物を用いた発光素子に関する。本発明はまた、該高分子化合物の製造に有用な化合物に関する。
発光素子の発光層に用いる発光材料として、三重項励起状態からの発光を示す燐光発光性化合物が種々検討されている。このような燐光発光性化合物としては、中心金属が第5周期または第6周期に属する遷移金属である金属錯体が数多く検討されている。例えば、特許文献1および非特許文献1では、青色発光を示す燐光発光性化合物として、トリアゾール構造を有する配位子を有する金属錯体(例えば、下記式で表される金属錯体)が提案されている。
Figure 0006318925
国際公開第2004/101707号
Advanced Functional Materials.18巻、3080頁〜3090頁(2008年)
しかしながら、上記の特許文献1および非特許文献1に記載された金属錯体を用いて製造される発光素子は、駆動電圧が高いという問題があった。
そこで本発明は、駆動電圧に優れる発光素子の製造に有用な高分子化合物(具体的には、金属錯体構造を有する構成単位を含む高分子化合物)を提供することを目的とする。本発明はまた、該高分子化合物を含有する組成物および該高分子化合物を用いた発光素子を提供することを目的とする。本発明はさらに、該高分子化合物の製造に有用な化合物を提供することを目的とする。
本発明は、第1に、下記式(1)で表される構成単位および/または下記式(2)で表される構成単位と、下記式(Y1)で表される構成単位と、下記式(Y2)で表される構成単位とを含む高分子化合物を提供する。
Figure 0006318925
[式(1)および(2)中、
Arは、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Lは、直接結合、アルキレン基、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Mは、イリジウム原子または白金原子を表す。
n1およびn2は、それぞれ独立に、0、1または2を表し、n1+n2は、1または2である。Mが白金原子の場合は、n1+n2は1であり、Mがイリジウム原子の場合は、n1+n2は2である。
、E、E、E、E、EおよびEは、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。E、E、E、E、E、EおよびEが複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E、EおよびEが窒素原子の場合、R、RおよびRは、存在しても存在しなくてもよい。E、E、EおよびEが窒素原子の場合、R、R、RおよびRは存在しない。但し、式(1)において、E、EまたはEはLと結合し、式(2)において、E、E、EまたはEはLと結合する。EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在しない。
、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R、R、R、R、R、RおよびRが複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、および、RとRは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環Aは、炭素原子、窒素原子、E、EおよびEとで構成される5員環の芳香族複素環を表し、環Bは、2つの炭素原子、E、E、EおよびEとで構成される6員環の芳香族炭化水素環または6員環の芳香族複素環を表す。
−G−Aは、アニオン性の2座配位子を表し、Gは、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、環を構成する炭素原子、酸素原子または窒素原子であってもよい。]
Figure 0006318925
[式(Y1)中、
ArY1は、芳香族炭化水素基を表し、この基はRY1以外の置換基を有していてもよい。
Y1は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RY1が複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも1つのRY1は、他の構成単位と結合を形成する炭素原子の隣の炭素原子に結合する。
pは、1以上の整数を表す。]
Figure 0006318925
[式(Y2)中、
ArY2は、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
本発明は、第2に、下記式(3)で表される構成単位、下記式(4)で表される構成単位、下記式(5)で表される構成単位、下記式(6)で表される構成単位、下記式(7)で表される構成単位および下記式(8)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位と、前記式(Y1)で表される構成単位と、前記式(Y2)で表される構成単位とを含む高分子化合物を提供する。
Figure 0006318925
[式(3)〜(8)中、
M、E〜E、R〜R、環A、環BおよびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。但し、式(3)および(4)において、E、EまたはEは他の構成単位と結合し、式(5)および(6)において、E、E、EまたはEは他の構成単位と結合し、式(7)および(8)において、E、EまたはEは他の構成単位と結合するとともに、E、E、EまたはEは他の構成単位と結合する。Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在せず、Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在せず、Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在せず、Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在せず、Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在せず、Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在せず、Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在しない。
n3は、0または1を表す。Mが白金原子の場合は、n3は0であり、Mがイリジウム原子の場合は、n3は1である。]
本発明は、第3に、下記式(9)で表される構成単位と、前記式(Y1)で表される構成単位と、前記式(Y2)で表される構成単位とを含む高分子化合物を提供する。
Figure 0006318925
[式(9)中、
M、E〜E、R〜R、環A、環BおよびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。但し、E、EまたはEは他の構成単位と結合するとともに、E、E、EまたはEは他の構成単位と結合する。Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在せず、Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在せず、Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在せず、Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在せず、Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在せず、Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在せず、Eと他の構成単位とが結合する場合、Rは存在しない。
n4およびn5は、それぞれ独立に、0、1または2を表し、n4+n5は、1または2である。Mが白金原子の場合は、n1+n2は1であり、Mがイリジウム原子の場合は、n1+n2は2である。]
本発明は、第4に、下記一般式(M1)または(M2)で表される化合物を提供する。
Figure 0006318925
[式(M1)および(M2)中、
Ar、L、M、n1、n2、E〜E、R〜R、環A、環BおよびA−G−Aは、前記と同じ意味を表す。但し、式(M1)において、E、EまたはEはLと結合し、式(M2)において、E、E、EまたはEはLと結合する。EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在しない。
は、下記の置換基A群および置換基B群から選ばれる基を表す。複数存在するXは、互いに同一でも異なっていてもよい。
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)2C1で表される基。
(式中、RC1は、アルキル基またはアリール基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
<置換基B群>
−B(ORC2)2(式中、RC2は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基;−BF3Q'(式中、Q'は、Li、Na、K、RbまたはCsを示す。)で表される基;−MgY'(式中、Y'は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。
)で表される基;−ZnY''(式中、Y''は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)で表される基;、−Sn(RC3)3(式中、RC3は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC3は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合するスズ原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基。]
本発明は、第5に、下記一般式(M3)、(M4)、(M5)、(M6)、(M7)または(M8)で表される化合物を提供する。
Figure 0006318925
[式(M3)〜(M8)中、
M、n3、E〜E、R〜R、環A、環B、A−G−AおよびXは、前記と同じ意味を表す。但し、式(M3)および(M4)において、E、EまたはEはXと結合し、式(M5)および(M6)において、E、E、EまたはEはXと結合し、式(M7)および(M8)において、E、EまたはEはXと結合するとともに、E、E、EまたはEはXと結合する。EとXとが結合する場合、Rは存在せず、EとXとが結合する場合、Rは存在せず、EとXとが結合する場合、Rは存在せず、EとXとが結合する場合、Rは存在せず、EとXとが結合する場合、Rは存在せず、EとXとが結合する場合、Rは存在せず、EとXとが結合する場合、Rは存在しない。]
本発明は、第6に、下記一般式(M9)で表される化合物を提供する。
Figure 0006318925
[式(M9)中、
M、n4、n5、E〜E、R〜R、環A、環B、A−G−AおよびXは、前記と同じ意味を表す。但し、E、EまたはEはXと結合するとともに、E、E、EまたはEはXと結合する。EとXとが結合する場合、Rは存在せず、EとXとが結合する場合、Rは存在せず、EとXとが結合する場合、Rは存在せず、EとXとが結合する場合、Rは存在せず、EとXとが結合する場合、Rは存在せず、EとXとが結合する場合、Rは存在せず、EとXとが結合する場合、Rは存在しない。]
本発明は、第7に、上記高分子化合物と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤および溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含有する組成物を提供する。
本発明は、第8に、上記高分子化合物を用いた発光素子を提供する。
本発明によれば、駆動電圧に優れる発光素子の製造に有用な高分子化合物を提供することができる。また、本発明によれば、該高分子化合物を含有する組成物および該高分子化合物を用いた発光素子を提供することができる。さらに、本発明によれば、該高分子化合物の製造に有用な化合物を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
以下、本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
Meはメチル基、Etはエチル基、i-Prはイソプロピル基、n-Buはn-ブチル基、t-Buはtert-ブチル基を表す。
本明細書において、水素原子は重水素原子であってもよい。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が、1×103〜1×108である重合体を意味する。高分子化合物に含まれる構成単位は、合計100モル%である。
高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に発光特性や輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。この末端基としては、主鎖と共役結合している基が好ましく、炭素−炭素結合を介してアリール基または1価の複素環基と結合している基が挙げられる。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×104以下の化合物を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
「アルキル基」は、直鎖、分岐および環状のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐および環状のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-n-プロピルヘプチル基、n-デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-n-ヘキシルデシル基、n-ドデシル基等の非置換アルキル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-n-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基等の置換アルキル基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖、分岐および環状のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐および環状のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基
、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、通常6〜60であり、好ましくは7〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、アルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、および、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、通常、2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、アルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、アリール基または1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基およびジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含
む。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
[式中、RおよびRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を表す。複数存在するRおよびRaは、各々、同一でも異なっていてもよく、Ra同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。]
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(A-21)〜式(A-54)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
[式中、RおよびRaは、前記と同じ意味を表す。]
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基または置換アミノ基を表す。
<金属錯体構造を有する構成単位>
次に、本発明の高分子化合物について説明する。本発明の高分子化合物は、式(1)で表される構成単位および/または式(2)で表される構成単位を含むか、式(3)〜式(8)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を含むか、式(9)で表される構成単位を含む。式(1)〜式(9)で表される構成単位は、金属錯体構造を有する構成単位である。
式(1)〜式(9)中、Mは、イリジウム原子であることが好ましい。
式(1)〜式(9)中、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子としては、例えば、下記で表される配位子が挙げられる。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
[式中、*は、イリジウム原子または白金原子と結合する部位を示す。]
また、式(1)〜式(9)中、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子としては、下記で表される配位子が挙げられる。
Figure 0006318925
[式中、
*は、イリジウム原子または白金原子と結合する部位を表す。
L1は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRL1は、同一でも異なっていてもよい。]
式(1)〜式(9)中、環Aとしては、例えば、テトラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピロール環およびピラゾール環が挙げられ、トリアゾール環またはイミダゾール環が好ましい。
環Aがトリアゾール環である場合、EおよびEが窒素原子であり、Eが炭素原子であることが好ましい。
環Aがイミダゾール環である場合、Eが窒素原子であり、EおよびEが炭素原子であることが好ましい。
式(1)〜式(9)中、環Bとしては、例えば、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環およびテトラジン環が挙げられ、ベンゼン環、ピリジン環またはピリミジン環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
環Bがベンゼン環である場合、E、E、EおよびEがすべて炭素原子である。
環Bがピリジン環である場合、E、E、EおよびEのいずれか1つが窒素原子であるが、E、EおよびEのいずれか1つが窒素原子であることが好ましく、Eが窒素原子であることがより好ましい。
環Bがピラジン環である場合、EおよびEが窒素原子である。
環Bがピリダジン環である場合、EおよびE、EおよびE、または、EおよびEが窒素原子である。
環Bがピリミジン環である場合、EおよびE、または、EおよびEが窒素原子であるが、EおよびEが窒素原子であることが好ましい。
環Bがトリアジン環である場合、E、EおよびE、または、E、EおよびE、E、EおよびE、または、E、EおよびEが窒素原子であるが、E、EおよびEが窒素原子であることが好ましい。
式(1)〜式(9)中、R〜Rは、本発明の高分子化合物の溶媒に対する溶解性および成膜性が優れるので、水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることが好ましく、水素原子、アルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子であることが更により好ましい。
〜Rで表されるアルキル基としては、炭素原子数が1〜10のアルキル基が好ましい。
〜Rで表されるアリール基としては、アルキル基を置換基として有するアリール基であることが好ましい。
〜Rで表されるアリール基および1価の複素環基としては、デンドロンであることが好ましい。ここで、「デンドロン」とは、原子または環を分岐点とする規則的な樹枝状分岐構造(デンドリマー構造)を有する基である。なお、デンドロンを部分構造として有する化合物(デンドリマーと呼ぶ場合がある。)としては、例えば、WO02/067343、特開2003−231692、WO2003/079736、WO2006/097717等の文献に記載の構造が挙げられる。
デンドロンとしては、好ましくは、式(Dend-A)または(Dend-B)で表される基である。
Figure 0006318925
[式中、
DA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DA1は、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DA2およびTDA3は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Figure 0006318925
[式中、
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DA1、GDA2およびGDA3は、それぞれ独立に、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DA4、TDA5、TDA6およびTDA7は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、通常10以下の整数であり、5以下の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。また、mDA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、同一の整数であることが好ましい。
DA1は、好ましくは式(GDA-11)〜(GDA-15)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006318925
[式中、
*1、*2および*3は、各々、ArDA1、ArDA2およびArDA3との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DA2は、好ましくは式(GDA-21)〜(GDA-25)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。GDA3は、好ましくは式(GDA-31)〜(GDA-35)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006318925
[式中、
*2、*4および*5は、各々、ArDA2、ArDA4およびArDA5との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006318925
[式中、
*3、*6および*7は、各々、ArDA3、ArDA6およびArDA7との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DAは、好ましくは水素原子、アルキル基またはアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子またはアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、好ましくは式(ArDA-1)〜(ArDA-3)で表される基である。
Figure 0006318925
[式中、
DAは前記と同じ意味を表す。
DBは、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DBは、好ましくはアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基または1価の複素環基であり、更に好ましくはアリール基である。
DA2、TDA3、TDA4、TDA5、TDA6およびTDA7は、好ましくは式(TDA-1)〜(TDA-3)で表される基である。
Figure 0006318925
[式中、RDAおよびRDBは前記と同じ意味を表す。]
式(1)〜式(9)中、R、Rの少なくとも一方、若しくは両方が、式(Dend-A)または(Dend-B)で表される基であることが好ましい。
式(Dend-A)で表される基は、好ましくは式(Dend-A1)〜(Dend-A3)で表される基である。
さらに好ましくは、(Dend-A1)で表される基である。
Figure 0006318925
[式中、
p1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np1は、0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。複数あるnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
式(Dend-B)で表される基は、好ましくは式(Dend-B1)〜(Dend-B3)で表される基である。
さらに好ましくは、(Dend-B1)で表される基である。
Figure 0006318925
[式中、
p1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
np1は0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。np1およびnp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
np1は、好ましくは0または1であり、より好ましくは1である。np2は、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。np3は好ましくは0である。
p1、Rp2およびRp3は、好ましくはアルキル基である。
<式(1)で表される構成単位および式(2)で表される構成単位>
式(1)および式(2)中、Mがイリジウム原子である場合、nが2であり、nが0であることが好ましく、Mが白金原子である場合、nは1であり、nが0であることが好ましい。
式(1)中、Lは、本発明の高分子化合物の合成が容易であるため、EまたはEに結合することが好ましく、Eに結合することがより好ましい。
式(2)中、Lは、本発明の高分子化合物の合成が容易であるため、E、EまたはEに結合することが好ましく、Eに結合することがより好ましい。
式(1)および式(2)中、Lは、直接結合またはアリーレン基であることが好ましく、直接結合であることがより好ましい。
Lで表されるアリーレン基としては、例えば、下記式(L−1)および(L−2)で表されるアリーレン基が挙げられ、式(L−1)で表されるアリーレン基であることが好ましい。
Figure 0006318925
[式(L−1)および(L−2)中、
*は、Arとの結合位置を表し、#は、環Aとの結合位置を表す。
L1、RL2、RL3およびRL4は、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
L1およびRL3は、水素原子、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
L2およびRL4は、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
式(1)および式(2)中、Arは、本発明の高分子化合物の合成が容易であるため、芳香族炭化水素基であることが好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子3個を除いた基であることが好ましい。
Arとしては、例えば、下記式(Ar−1)〜(Ar−13)で表される基が挙げられ、式(Ar−1)、(Ar−2)または(Ar−3)で表される基であることが好ましく、式(Ar−1)で表される基であることが更に好ましい。
Figure 0006318925
[式(Ar−1)〜式(Ar-11)中、
*は、他の構成単位との結合位置を表し、#は、Lとの結合位置を表す。
Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子またはシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Raは、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
複数存在するRは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するRaは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。
Rとしては、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基またはアリール基であることがより好ましい。
Raとしては、アリール基またはアルキル基であることが好ましく、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいアリール基、または、アルキル基であることがより好ましく、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいアリール基であることが更に好ましい。
RおよびRaがそれぞれ形成する環としては、例えば、アルキル基で置換されていてもよいシクロペンチル環、アルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル環、および、アルキル基で置換されていてもよいシクロヘプチル環が挙げられる。また、RおよびRaがそれぞれ形成する環は、更にベンゼン環等が縮合した縮合環であってもよい。
式(1)で表される金属錯体構造を有する構成単位としては、例えば、下記式(Ir1−1)〜(Ir1−22)で表される構成単位が挙げられ、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の駆動電圧がより優れるため、式(Ir1−1)、(Ir1−3)、(Ir1−7)、(Ir1−11)、(Ir1−12)、(Ir1−14)、(Ir1−15)、(Ir1−16)、(Ir1−19)(Ir1−20)、(Ir1−21)または(Ir1−22)で表される構成単位であることが好ましく、式(Ir1−11)、(Ir1−12)、(Ir1−13)、(Ir−14)、(Ir1−19)、(Ir1−20)、(Ir1−21)または(Ir1−22)で表される構成単位であることがより好ましい。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
[式(Ir1−1)〜(Ir1−22)中、
は、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
で表されるアリール基および1価の複素環基は、デンドロンであることが好ましく、上記式(Dend−A)または(Dend−B)で表される基であることがより好ましい。
は、下記群IIの式(II−01)〜式(II−15)から選ばれる基であることが好ましい。
<群II>
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
式(2)で表される構成単位としては、例えば、下記式(Ir2−1)〜(Ir2−21)で表される構成単位が挙げられ、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の駆動電圧がより優れるため、式(Ir2−2)、(Ir2−3)、(Ir2−7)、(Ir2−9)、(Ir2−11)、(Ir2−12)、(Ir2−13)、(Ir2−14)、(Ir2−16)(Ir2−19)、(Ir2−20)または(Ir2−21)で表される構成単位であることが好ましく、式(Ir2−9)、(Ir2−19)または(Ir2−20)で表される構成単位であることがより好ましい。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
[式(Ir2−1)〜(Ir2−21)中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
本発明の高分子化合物において、式(1)で表される構成単位は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、本発明の高分子化合物において、式(2)で表される構成単位は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<式(3)〜式(8)で表される構成単位>
式(3)〜式(8)中、Mがイリジウム原子である場合、nは1であり、Mが白金原子である場合、nは0である。
本発明の高分子化合物は、式(3)〜式(8)で表される構成単位の中でも、式(3)、(5)または(7)で表される構成単位を含むことが好ましく、式(3)または(5)で表される構成単位を含むことがより好ましく、式(5)で表される構成単位を含むことがさらに好ましい。
式(3)および式(4)中、本発明の高分子化合物の合成が容易となるため、Eが他の構成単位と結合することが好ましい。
式(5)および式(6)中、本発明の高分子化合物の合成が容易となるため、Eが他の構成単位と結合することが好ましい。
式(7)および式(8)中、本発明の高分子化合物の合成が容易となるため、EおよびEが他の構成単位と結合することが好ましい。
式(3)〜(8)で表される構成単位としては、例えば、下記式(Ir3−1)〜(Ir3−12)、(Ir4−1)〜(Ir4−9)、(Ir5−1)〜(Ir5−15)、(Ir6−1)〜(Ir6−9)、(Ir7−1)〜(Ir7−10)および(Ir8−1)〜(Ir8−2)で表される構成単位が挙げられ、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の駆動電圧がより優れるため、式(Ir3−1)〜(Ir3−12)または(Ir5−1)〜(Ir5−15)で表される構成単位であることが好ましく、式(Ir3−3)、(Ir3−7)、(Ir5−5)または(Ir5−8)で表される構成単位であることがより好ましい。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
[式(Ir3−1)〜(Ir3−12)、(Ir4−1)〜(Ir4−9)、(Ir5−1)〜(Ir5−15)、(Ir6−1)〜(Ir6−9)、(Ir7−1)〜(Ir7−10)および(Ir8−1)〜(Ir8−2)中、Rは前記と同じ意味を表す。]
本発明の高分子化合物において、式(3)〜式(8)で表される構成単位は、それぞれ、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<式(9)で表される構成単位>
式(9)中、Mがイリジウム原子である場合、nが2であり、nが0であることが好ましく、Mが白金原子である場合、nが1であり、nが0であることが好ましい。
式(9)中、本発明の高分子化合物の合成が容易となるため、EもしくはE、および、Eが他の構成単位と結合することが好ましい。
式(9)で表される構成単位としては、例えば、下記式(Ir9−1)〜(Ir9−12)で表される構成単位が挙げられ、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の駆動電圧がより優れるため、式(Ir9−2)、(Ir9−3)、(Ir9−5)、(Ir9−6)、(Ir9−7)、(Ir9−8)、(Ir9−9)または(Ir9−10)で表される構成単位であることが好ましく、式(Ir9−5)または(Ir9−10)で表される構成単位であることがより好ましい。
Figure 0006318925
[式(Ir9−1)〜(Ir9−12)中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
本発明の高分子化合物において、式(9)で表される構成単位は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
式(1)〜式(9)で表される構成単位は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜30モル%であり、より好ましくは1〜15モル%である。
<式(Y1)で表される構成単位>
次に、式(Y1)で表される構成単位について説明する。
式(Y1)中、ArY1で表される芳香族炭化水素基は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子(2+p)個を除いた残りの原子団を意味する。芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
ArY1で表される芳香族炭化水素基としては、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子p個を除いた残りの原子団であり、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)〜式(A-10)、式(A-19)または式(A-20)で表される基から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子p個を除いた残りの原子団であり、さらに好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)または式(A-19)で表される基から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子p個を除いた残りの原子団であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y1)中、RY1は、アルキル基またはアリール基であることが好ましい。
式(Y1)で表される構成単位は、下記式(Y1−2)または(Y1−3)で表される構成単位であることが好ましく、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の発光効率が優れるため、式(Y1−2)で表される構成単位であることがより好ましい。
Figure 0006318925
[式(Y1−2)中、
Y1Aは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1Aは、同一でも異なっていてもよい。
Y1Bは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1Bは、同一でも異なっていてもよい。]
Y1Aは、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基であり、より好ましくは、アルキル基またはアリール基であり、さらに好ましくはアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1Bは、好ましくは、水素原子、アルキル基またはアリール基であり、より好ましくは、水素原子またはアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y1−2)で表される構成単位は、式(Y1−2’)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006318925
[式中、RY1AAは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1AAは、同一でも異なっていてもよい。]
Y1AAは、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基であり、より好ましくは、アルキル基またはアリール基であり、さらに好ましくは、アルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006318925
[式中、
Y1AおよびRY1Bは、前記と同じ意味を表す。
Y1は、−C(RY1C)−、−C(RY1C)=C(RY1C)−またはC(RY1C)2−C(RY1C)2−で表される基を表す。RY1Cは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1Cは、同一でも異なっていてもよく、RY1C同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y1において、−C(RY1C)2−で表される基中の2個のRY1Cの組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基、双方がアリール基、双方が1価の複素環基、または、一方がアルキル基で他方がアリール基若しくは1価の複素環基であり、より好ましくは一方がアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY1Cは互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY1Cが環を形成する場合、−C(RY1C)2−で表される基としては、好ましくは式(Y-A1)〜(Y-A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006318925
Y1において、−C(RY1C)=C(RY1C)−で表される基中の2個のRY1Cの組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基、または、一方がアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1Cにおいて、−C(RY1C)2−C(RY1C)2−で表される基中の4個のRY1Cは、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基である。複数あるRY1Cは互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY1Cが環を形成する場合、−C(RY1C)2−C(RY1C)2−で表される基は、好ましくは式(Y-B1)〜(Y-B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006318925
[式中、RY1Cは前記と同じ意味を表す。]
式(Y1−3)で表される構成単位は、式(Y1−3')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006318925
[式中、RY1AおよびXY1は、前記と同じ意味を表す。]
式(Y1)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-001)〜(Y-021)で表される芳香族炭化水素基からなる構成単位が挙げられる。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
式(Y1)で表される構成単位は、本発明の高分子化合物に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
式(Y1)で表される構成単位は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の発光効率が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜90モル%であり、より好ましくは30〜85モル%である。
<式(Y2)で表される構成単位>
次に、式(Y2)で表される構成単位について説明する。
式(Y2)中、ArY2で表される2価の複素環基としては、好ましくは、式(A-21)〜式(A-24)、式(A-30)〜式(A-35)、式(A-38)〜式(A-41)、式(A-53)または式(A-54)で表される基であり、より好ましくは式(A-24)、式(A-30)、式(A-32)、式(A-34)または式(A-53)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基におけるアリーレン基としては、好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)〜式(A-10)、式(A-19)または式(A-20)で表される基であり、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。また、ArY2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における2価の複素環基の好ましい範囲、より好ましい範囲は、それぞれ、前述のArY2で表される2価の複素環基の好ましい範囲、より好ましい範囲と同様である。
「少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基」としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
Figure 0006318925
[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
XXは、好ましくはアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y2)で表される構成単位は、下記式(Y2−2)または(Y2−3)で表される構成単位であることが好ましく、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の駆動電圧がより優れるため、式(Y2−2)で表される構成単位であることがより好ましい。
Figure 0006318925
[式(Y2−2)中、
ArY2Aは、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y2Aは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
式(Y2−2)中、複数存在するArY2Aは、同一でも異なっていてもよいが、複数存在するArY2Aは同一であることが好ましい。
Figure 0006318925
[式(Y2−3)中、
Y2Aは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2Aは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
Y2Aは、窒素原子、酸素原子または直接結合を表す。]
式(Y2−2)で表される構成単位は、式(Y−4)〜式(Y−7)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
[式中、RY2Aは前記と同じ意味を表す。RY2AAは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y2AAは、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-4)で表される構成単位は、式(Y-4')で表される構成単位であることが好ましく、式(Y-6)で表される構成単位は、式(Y-6')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006318925
[式中、RY2AおよびRY2AAは前記と同じ意味を表す。]
式(Y2-3)で表される構成単位は、式(Y-8)〜式(Y-10)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006318925
[式中、RY2Aは前記を同じ意味を表す。RY2Bは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y2Bは、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y2)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-101)〜(Y-107)で表される2価の複素環基からなる構成単位、式(Y-201)〜(Y-208)で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基からなる構成単位が挙げられる。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
式(Y−2)で表される構成単位は、本発明の高分子化合物に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
式(Y2−2)で表される構成単位は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の発光効率が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜90モル%であり、より好ましくは5〜50モル%である。
<式(Y3)で表される構成単位>
本発明の高分子化合物は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、更に、下記式(Y3)で表される構成単位を含むことが好ましい。但し、式(Y3)で表される構成単位は、式(Y1)で表される構成単位とは異なる。
Figure 0006318925
[式(Y3)中、
ArY3は、アリーレン基を表し、この基は置換基を有していてもよい。]
式(Y3)で表される構成単位は、式(Y−3)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006318925
[式中、RY1およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-3)で表される構成単位は、式(Y-3')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006318925
[式中、RY1およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
式(Y3)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-301)〜(Y-336)で表される構成単位が挙げられ、式(Y-301)〜(Y316)で表される構成単位が好ましい。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
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Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
<式(X)で表される構成単位>
本発明の高分子化合物は、正孔輸送性が優れるので、更に、下記式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。
Figure 0006318925
[式中、aX1およびaX2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。ArX1およびArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2およびArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX1、RX2およびRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
X1は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは1である。
X2は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは0である。
X1、RX2およびRX3は、好ましくはアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表されるアリーレン基としては、好ましくは式(A-1)または式(A-9)で表される基であり、より好ましくは式(A-1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表される2価の複素環基としては、好ましくは式(A-21)、式(A-22)または式(A-27)〜式(A-46)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX2およびArX4で表されるアリーレン基としては、好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)〜式(A-11)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4で表される2価の複素環基の好ましい範囲は、ArX1およびArX3で表される2価の複素環基の特に好ましい範囲と同じである。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基の好ましい範囲、より好ましい範囲は、それぞれ、ArX1およびArX3で表されるアリーレン基および2価の複素環基の好ましい範囲、より好ましい範囲と同様である。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、式(Y2)のArY2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基と同様のものが挙げられる。
ArX2およびArX4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX1〜ArX4およびRX1〜RX3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(X)で表される構成単位としては、好ましくは式(X-1)〜(X-7)で表される構成単位であり、より好ましくは式(X-1)〜(X-6)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(X-3)〜(X-6)で表される構成単位である。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
[式中、RX4およびRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基またはシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
式(X)で表される構成単位としては、例えば、式(X1-1)〜(X1-19)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(X1-1)〜(X1-14)で表される構成単位である。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
Figure 0006318925
本発明の高分子化合物において、式(X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
式(X)で表される構成単位は、本発明の高分子化合物の正孔輸送性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1〜50モル%であり、より好ましくは1〜40モル%であり、更に好ましくは5〜30モル%である。
本発明の高分子化合物としては、例えば、下記表1に示される高分子化合物P−1〜P−4が挙げられる。ここで、「その他」の構成単位とは、式(1)〜式(9)、式(Y1)、式(Y2)、式(Y3)および式(X)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
Figure 0006318925

[表中、p、q、r、s、tおよびuは、各構成単位のモル比率を示す。p+q+r+s+t+u=100であり、かつ、100≧p+q+r+s+t≧70である。その他の構成単位とは、式(Y1)で表される構成単位、式(Y2)で表される構成単位、式(Y3)で表される構成単位および式(X)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。]
本発明の高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、上記観点から、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
<高分子化合物の製造方法>
次に、本発明の高分子化合物の製造方法について説明する。
本発明の高分子化合物は、前記式(M1)〜(M9)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、下記式(M-Y1)で表される化合物と、下記式(M-Y2)で表される化合物と、必要に応じて下記式(M-Y3)および/または(M-X)で表される化合物とを縮合重合させることにより製造することができる。本明細書において、本発明の高分子化合物の製造に使用される化合物を総称して、「原料モノマー」ということがある。
Figure 0006318925
[式中、ArY1、ArY2、ArY3、ArX1〜ArX4、RX1、RX2、RX3、aX1およびaX2は、前記と同じ意味を表し、ZC1〜ZC8は、それぞれ独立に、前記の置換基A群および置換基B群からなる群から選ばれる基を示す。]
例えば、ZC1およびZC2が置換基A群から選ばれる基である場合、ZC3、ZC4、ZC5、ZC6、ZC7、ZC8およびXは、置換基B群から選ばれる基を選択する。
例えば、ZC1およびZC2が置換基B群から選ばれる基である場合、ZC3、ZC4、ZC5、ZC6、ZC7、ZC8およびXは、置換基A群から選ばれる基を選択する。
置換基B群における−B(ORC2)2で表される基としては、下記式で表される基が例示される。
Figure 0006318925
置換基A群から選ばれる基を有する化合物と置換基B群から選ばれる基を有する化合物とは、公知のカップリング反応により縮合重合して、置換基A群から選ばれる基および置換基B群から選ばれる基と結合する炭素原子同士が結合する。そのため、置換基A群から選ばれる基を2個有する化合物と、置換基B群から選ばれる基を2個有する化合物を公知のカップリング反応に供すれば、縮合重合により、これらの化合物の縮合重合体を得ることができる。
縮合重合は、通常、触媒、塩基および溶媒の存在下で行われ、必要に応じて、相間移動触媒を共存させて行ってもよい。
触媒としては、例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート等のパラジウム錯体、ニッケル[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル、[ビス(1,4-シクロオクタジエン)]ニッケル等のニッケル錯体等の遷移金属錯体;これらの遷移金属錯体が、更にトリフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ(tert-ブチルホスフィン)、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、ビピリジル等の配位子を有する錯体が挙げられる。触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
触媒の使用量は、原料モノマーのモル数の合計に対する遷移金属の量として、通常、0.00001〜3モル当量である。
塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基;フッ化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基が挙げられる。塩基は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
相間移動触媒としては、例えば、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。相間移動触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
塩基の使用量は、原料モノマーの合計モル数に対して、通常0.001〜100モル当量である。
相関移動触媒の使用量は、原料モノマーの合計モル数に対して、通常0.001〜100モル当量である。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、水が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
溶媒の使用量は、通常、原料モノマーの合計100重量部に対して、10〜100000重量部である。
縮合重合の反応温度は、通常-100〜200℃である。縮合重合の反応時間は、通常1時間以上である。
重合反応の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独または組み合わせて行う。高分子ホストの純度が低い場合、例えば、再結晶、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
<式(M1)〜式(M9)で表される化合物の製造方法>
式(M1)〜式(M9)で表される化合物(以下、本発明の化合物ともいう。)の製造方法の一例について、具体的に説明する。
本発明の化合物の配位子となる化合物は、例えば、ベンゼン誘導体と芳香族複素環式化合物とのSuzukiカップリング、Grignardカップリング、Stilleカップリング等のカップリング反応により合成することができる。また、ベンゼン誘導体と脂肪族化合物や芳香族複素環式化合物との縮合反応により合成することが出来る。その一例を挙げると、ベンゾイルクロライドの誘導体とイミド酸エステルとヒドラジンの誘導体を有機溶媒に溶解させ、塩基を用いて、有機溶媒の融点以上沸点以下の温度で反応させることにより、前記配位子となる化合物を合成することができる。この合成は、「ケミカルレビュー(Chem. Rev.)、第61巻、87頁(1961年)」、「ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、第73巻、5914頁(1951年)」、「ジャーナル オブ ヘテロサイクリック ケミストリー(J.Heterocyclic Chem.)、第20巻、1693頁(1983年)」、「アドバンスド ファンクショナル マテリアルズ(Adv.Funct.Mater.)、第18巻、3080頁(2008年)」、「ケミストリー オブ マテリアルズ(Chem.Mater.)、第18巻、5119頁(2006年)」等を参考にして実施することができる。
前記芳香族複素環式化合物は、「THE CHEMISTRY OF HETEROCYCLIC COMPOUNDS、 Volume14、 Part5、 36頁 (JOHN WILEY&SONS)」、「THE CHEMISTRY OF HETEROCYCLIC COMPOUNDS、 Volume37、3頁(JOHN WILEY&SONS)」等の文献に記載の方法で合成することができる。また、市販の芳香族複素環式化合物を用いてもよい。
前記脂肪族化合物は、「Chemische Berichte、第118巻、3089頁(1985年)」、「Science of Synthesis、第22巻、343頁(2005年)」、「Science of Synthesis、第18巻、1001頁(2005年)」、等の文献に記載する方法で合成することができる。また、市販の脂肪族化合物を用いてもよい。
前記カップリング反応に用いる触媒としては、パラジウム触媒が好ましい。
前記パラジウム触媒としては、酢酸パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)が挙げられ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)が好ましい。
前記パラジウム触媒は、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等のリン化合物と併用してもよい。
式(M1)および式(M2)で表される化合物は、下記式:Ar(Xで表される化合物と、下記式(X1)または下記式(X2)で表される金属錯体とをカップリング反応させる工程を含む方法により製造することができる。式:Ar(Xで表される化合物と、式(X1)または式(X2)で表される金属錯体との反応は、前記配位子となる化合物の製造方法で述べたのと同じ方法で行うことができる。
Figure 0006318925
[式(X1)、(M1)、(X2)および(M2)中、
Ar、L、M、n1、n2、E〜E、R〜R、環A、環B、A−G−AおよびXは、前記と同じ意味を表す。
10は、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。
は、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。]
「ボロン酸基」とは、下記式(W−1)で表される基である。
「ボロン酸エステル基」とはボロン酸基のヒドロキシル基がアルコキシ基、アリールオキシ基、置換アミノ基で置換された基を意味する。ボロン酸エステル基はボロン酸エステル基の有する置換基同士が直接結合して、それぞれが結合するホウ素原子とともに環構造を形成した基であってもよく、ボロン酸エステル基の有する置換基同士が炭素原子、酸素原子、置換基を有していてもよい窒素原子等を介して結合して、それぞれが結合するホウ素原子とともに環構造を形成した基であってもよい。
ボロン酸エステル基としては、例えば、下記式(W−2)〜(W−10)で表される基が挙げられる。
Figure 0006318925
で表されるアルカンスルホニルオキシ基としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基が挙げられる。また、Wで表されるアリールスルホニルオキシ基としては、例えば、p−トルエンスルホニルオキシ基が挙げられる。
は、式:Ar(Xで表される化合物と、式(X1)または式(X2)で表される金属錯体とのカップリング反応が容易に進行するので、下記群IVの式(IV−1)〜(IV−5)から選ばれる基であることが好ましく、式(IV−1)で表される基であることがより好ましい。
<群IV>
Figure 0006318925
式(X1)および式(X2)で表される金属錯体の合成が容易であるため、R10は、臭素原子、ヨウ素原子または式(IV−5)で表される基であることが好ましく、臭素原子であることがより好ましい。
式(X1)で表される金属錯体の好ましい形態である下記式(X1a)で表される金属錯体は、例えば、下記式(X1b)で表される金属錯体から合成することができる。また、式(X2)で表される金属錯体の好ましい形態である下記式(X2a)で表される金属錯体は、例えば、下記式(X2b)で表される金属錯体から合成することができる。
Figure 0006318925
[式(X1b)、(X1a)、(X2b)および(X2a)中、
〜E、R〜R、環Aおよび環Bは、前記と同じ意味を表す。Wは前記と同じ意味を表す。
11、R12、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
15は、アルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましい。アリール基および1価の複素環基としては、前記式(Dend−A)または(Dend−B)で表される基であることが好ましい。
より具体的には、式(X1b)で表される金属錯体(1当量)と、式:R15−Wで表される化合物(2当量)とを、パラジウム触媒下で反応させることにより、式(X1a)で表される金属錯体へと変換することができる。また、式(X2b)で表される金属錯体(1当量)と、式:R15−Wで表される化合物(2当量)とを、パラジウム触媒下で反応させることにより、式(X2a)で表される金属錯体へと変換することができる。
式(X1b)で表される金属錯体の好ましい形態である下記式(X1c)で表される金属錯体は、例えば、下記の方法で合成することができる。また、式(X2b)で表される金属錯体の好ましい形態である下記式(X2c)で表される金属錯体は、例えば、下記の方法で合成することができる。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
[式(LX1)、(X1d)、(X1c)、(LX2)、(X2d)および(X2c)中、E〜E、R〜R、R11〜R14および環Aは、前記と同じ意味を表す。]
まず、式(LX1)で表される化合物と、塩化イリジウム三水和物とを反応させることにより、式(X1d)で表される金属錯体を合成する。また、式(LX2)で表される化合物と、塩化イリジウム三水和物とを反応させることにより、式(X2d)で表される金属錯体を合成する。
この反応は、通常、有機溶媒中で行う。有機溶媒としては、反応が円滑に進むため、極性溶媒が好ましい。このような極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。溶媒としては、極性溶媒と水の混合溶媒でもよい。混合溶媒としては、例えば、水/2−エトキシエタノールの混合溶媒が挙げられる。極性溶媒/水の混合比は任意の割合で用いることができるが、式(LX1)および(LX2)で表される化合物を高温で溶解できるので、10/1〜1/1の範囲内であることが好ましい。
反応温度は、通常、反応系に存在する溶媒の融点から沸点の間であるが、−78℃〜溶媒の沸点が好ましく、50℃〜200℃の範囲内であることがより好ましい。
反応時間は、通常、30分〜50時間であり、30分〜24時間の範囲内であることが好ましい。
次に、式(X1d)で表される金属錯体と、式(LX1)で表される化合物とを、トリフルオロメタンスルホン酸銀等の銀化合物の存在下で反応させることにより、式(X1c)で表される金属錯体を合成することができる。また、式(X2d)で表される金属錯体と、式(LX2)で表される化合物とを、トリフルオロメタンスルホン酸銀等の銀化合物の存在下で反応させることにより、式(X2c)で表される金属錯体を合成することができる。
式(LX1)で表される化合物の量は、式(X1d)で表される金属錯体に対して、通常、2〜30当量であり、好ましくは、2〜10当量である。また、式(LX2)で表される化合物の量は、式(X2d)で示される金属錯体に対して、通常、2〜30当量であり、好ましくは、2〜10当量である。塩化銀化合物の量は、式(X1d)で表される金属錯体に対して、通常、2〜20当量であり、好ましくは2〜5当量である。また、塩化銀化合物の量は、式(X2d)で表される金属錯体に対して、通常、2〜20当量であり、好ましくは2〜5当量である。
反応温度は、通常、反応系に存在する溶媒の融点から沸点の間であるが、−78℃〜溶媒の沸点が好ましく、得られる金属錯体の純度が優れるため、50℃〜160℃の範囲内であることがより好ましく、70℃〜130℃の範囲内であることが更に好ましい。
反応時間は、通常、30分〜72時間であり、1時間〜48時間の範囲内であることが好ましい。
式(M3)で表される化合物の好ましい形態である下記式(X3)で表される化合物は、例えば、下記の方法で合成することができる。また、式(M4)で表される化合物の好ましい形態である下記式(X4)で表される化合物は、例えば、下記の方法で合成することができる。
Figure 0006318925
[式(LX3)、(X3a)、(LX)、(X3)および(X4)中、E〜E、R〜R、環A、環B、A−G−AおよびXは、前記と同じ意味を表す。]
まず、式(LX3)で表される化合物と、塩化イリジウム三水和物とを反応させることにより、式(X3a)で表される金属錯体を合成する。次に、式(X3a)で表される金属錯体と、式(LX)で表される化合物とを、トリフルオロメタンスルホン酸銀等の銀化合物の存在下で反応させることにより、式(X3)で表される化合物を合成することができる。また、式(X3a)で表される金属錯体と、式:A−G−Aで表される化合物とを、反応させることにより、式(X4)で表される化合物を合成することができる。
式(M5)で表される化合物の好ましい形態である下記式(X5)で表される化合物は、例えば、下記の方法で合成することができる。
Figure 0006318925
[式(X5)および(X5a)中、
〜E、R〜R、R15、環A、環B、A−G−AおよびXは、前記と同じ意味を表す。Wは前記と同じ意味を表す。但し、式(X5)において、R15と結合する環BにおけるE、E、EまたはEはR15と結合する。EとR15とが結合する場合、Rは存在せず、EとR15とが結合する場合、Rは存在せず、EとR15とが結合する場合、Rは存在せず、EとR15とが結合する場合、Rは存在しない。]
より具体的には、式(X5a)で表される金属錯体(1当量)と、式:R15−Wで表される金属錯体(1当量)とを、パラジウム触媒下で反応させることにより、式(X5)で表される金属錯体へと変換することができる。
式(X5a)で表される金属錯体の好ましい形態は、式(X2b)で表される金属錯体であり、式(X2b)で表される化合物と同様の方法で合成することができる。
式(M6)で表される化合物の好ましい形態である下記式(X6)で表される化合物は、例えば、前記式(X6a)から下記の方法で合成することができる。
Figure 0006318925
[式(X6)および(X6a)中、E〜E、R〜R、環A、環B、A−G−AおよびXは、前記と同じ意味を表す。]
より具体的には、式(X6a)で表される化合物(1当量)と、式:A−G−Aで表される化合物(1当量)とを、反応させることにより、式(X6)で表される化合物へと変換することができる。
式(X6a)で表される金属錯体の好ましい形態は、式(X2d)で表される金属錯体であり、式(X2d)で表される金属錯体と同様の方法で合成することができる。
式(M7)で表される化合物の好ましい形態である下記式(X7)で表される化合物は、例えば、下記式(X7a)で表される化合物から合成することができる。また、式(M8)で表される化合物の好ましい形態である下記式(X8)で表される化合物は、例えば、下記式(X7a)で表される化合物から合成することができる。
Figure 0006318925
[式(LX7a)、(LX7b)、(X7a)、(LX)、(X7)および(X8)中、E〜E、R〜R、環A、環B、A−G−AおよびXは、前記と同じ意味を表す。]
式(M9)で表される化合物の好ましい形態である下記式(X9)で表される化合物は、例えば、下記式(X9a)で表される化合物から合成することができる。
Figure 0006318925
[式(LX)、(LX9)、(X9a)および(X9)中、E〜E、R〜R、環A、環B、A−G−AおよびXは、前記と同じ意味を表す。]
上記で合成された金属錯体の同定および分析は、元素分析、核磁気共鳴(NMR)分析、質量分析(MS)および赤外吸収(IR)分析等により行うことができる。
<組成物>
本発明の組成物は、本発明の高分子化合物と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤および溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含有する。
本発明の組成物において、本発明の高分子化合物は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
[ホスト材料]
本発明の高分子化合物は、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性および電子輸送性から選ばれる少なくとも1つの機能を有するホスト材料との組成物とすることにより、本発明の高分子化合物を用いて得られる発光素子の発光効率は優れたものとなる。本発明の組成物において、ホスト材料は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
本発明の高分子化合物と、ホスト材料とを含有する組成物において、本発明の高分子化合物の含有量は、本発明の高分子化合物とホスト材料との合計を100重量部とした場合、通常、0.05〜80重量部であり、好ましくは0.1〜50重量部であり、より好ましくは0.5〜40重量部である。
ホスト材料としては、本発明の組成物を用いて得られる発光素子を溶液塗布プロセスにて作製する観点から、本発明の高分子化合物を溶解することが可能な溶媒に対して溶解性を示すものであることが好ましい。
ホスト材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。
ホスト材料に用いられる低分子化合物としては、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)および1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(mcP)等のカルバゾール骨格を有する化合物;1,1−ビス[4−[N,N−ジ(p−トリル)アミノ]フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、4,4’−ビス[N−(m−トリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(TPD)およびN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N'−ジフェニルベンジジン(NPB)等のトリアリールアミン骨格を有する化合物;2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等のフェナントロリン骨格を有する化合物;トリフェニルトリアジン等のトリアリールトリアジン骨格を有する化合物;p−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH2)および4,4’−ビス(トリフェニルシリル)ビフェニル(BSB)等の有機ケイ素化合物;1,3,5−トリス(N−フェニルベンゾイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)、3−(ビフェニル−4−イル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾール(t−Bu−TAZ)および2−(ビフェニル−4−イル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)等のアゾール骨格を有する化合物;並びに、それらの骨格を組み合わせた化合物が挙げられる。該骨格を組み合わせた化合物としては,例えば、4,4',4''−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(TCTA)等のカルバゾール骨格およびトリアリールアミン骨格を有する化合物が挙げられる。
ホスト材料に用いられる高分子化合物としては、例えば、後述の正孔輸送材料である高分子化合物、後述の電子輸送材料である高分子化合物が挙げられる。また、ホスト材料に用いられる高分子化合物としては、前記式(Y1)、(Y2)、(Y3)および(X)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含む高分子化合物が挙げられる。なお、ホスト材料に用いられる高分子化合物は、前記式(1)〜(9)で表される構成単位は含まない。
ホスト材料に用いられる高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、上記観点から、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
本発明の高分子化合物および溶媒を含有する組成物(以下、「インク」ということがある。)は、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の印刷法を用いた発光素子の作製に好適である。
インクの粘度は、印刷法の種類によって調整すればよいが、インクジェットプリント法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりを防止するために、好ましくは25℃において1〜20mPa・sである。
インクに含まれる溶媒は、該インク中の固形分を溶解または均一に分散できる溶媒が好ましい。溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、4-メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n-ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
インクにおいて、溶媒の配合量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、1000〜100000重量部であり、好ましくは2000〜20000重量部である。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、高分子化合物が好ましく、架橋基を有する高分子化合物がより好ましい。
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体;側鎖または主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレンおよびその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノン等が挙げられ、好ましくはフラーレンである。
本発明の組成物において、正孔輸送材料の配合量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレンおよびジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、および、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
本発明の組成物において、電子輸送材料の配合量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[正孔注入材料および電子注入材料]
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料および電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリンおよびポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;式(X)で表される基を主鎖または側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
本発明の組成物において、正孔注入材料および電子注入材料の配合量は、各々、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[イオンドープ]
正孔注入材料または電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10-5S/cm〜1×103S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープするイオンは、一種のみでも二種以上でもよい。
[発光材料]
発光材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。
低分子化合物としては、例えば、ナフタレンおよびその誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、並びに、イリジウム、白金またはユーロピウムを中心金属とする三重項発光錯体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
発光材料は、低分子化合物および高分子化合物を含んでいてもよく、好ましくは、三重項発光錯体および高分子化合物を含む。
三重項発光錯体としては、例えば、以下に示す金属錯体が挙げられる。
Figure 0006318925
Figure 0006318925
本発明の組成物において、発光材料の含有量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、0.1〜400重量部である。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、本発明の金属錯体と同じ溶媒に可溶であり、発光および電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
本発明の組成物において、酸化防止剤の配合量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、0.001〜10重量部である。
酸化防止剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<膜>
膜は、本発明の高分子化合物を含有する。
膜は、発光素子における発光層として好適である。
膜は、インクを用いて、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法により作製することができる。
膜の厚さは、通常、1nm〜10μmである。
<発光素子>
本発明の発光素子は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子である。
本発明の発光素子の構成としては、例えば、陽極および陰極からなる電極と、該電極間に設けられた本発明の金属錯体を用いて得られる層とを有する。
[層構成]
本発明の高分子化合物を用いて得られる層は、通常、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層の1種以上の層であり、好ましくは、発光層である。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を含む。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を、上述した溶媒に溶解させ、インクを調製して用い、上述した膜の作製と同じ方法を用いて形成することができる。
発光素子は、陽極と陰極の間に発光層を有する。本発明の発光素子は、正孔注入性および正孔輸送性の観点からは、陽極と発光層との間に、正孔注入層および正孔輸送層の少なくとも1層を有することが好ましく、電子注入性および電子輸送性の観点からは、陰極と発光層の間に、電子注入層および電子輸送層の少なくとも1層を有することが好ましい。
正孔輸送層、電子輸送層、発光層、正孔注入層および電子注入層の材料としては、本発明の高分子化合物の他、各々、上述した正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、正孔注入材料および電子注入材料が挙げられる。
本発明の発光素子において、発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
積層する層の順番、数および厚さは、発光効率および素子寿命を勘案して調整すればよい。
[基板/電極]
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板の場合には、基板から最も遠くにある電極が透明または半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイトおよびグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
陽極および陰極は、各々、2層以上の積層構造としてもよい。
[用途]
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極もしくは陰極、または、両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、または、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源および表示装置としても使用できる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)およびポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)(島津製作所製、商品名:LC−10Avp)により求めた。なお、SECの測定条件は、以下のとおりである。
[測定条件]
測定する高分子化合物を約0.05重量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。SECの移動相としてテトラヒドロフランを用い、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD−10Avp)を用いた。
LC−MSの測定は、下記の方法で行った。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルムまたはテトラヒドロフランに溶解させ、LC−MS(アジレント テクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
NMRの測定は、下記の方法で行った。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl)、重テトラヒドロフラン(THF−d8)または重塩化メチレン(CDCl)に溶解させ、NMR装置(バリアン(Varian,Inc.)製、商品名 MERCURY 300)を用いて測定した。
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、高速液体クロマトグラフィー(HPLC、島津製作所製、商品名:LC−20A)での254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2重量%の濃度になるようにテトラヒドロフランまたはクロロホルムに溶解させ、HPLCに、濃度に応じて1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを用い、1mL/分の流速で、アセトニトリル/テトラヒドロフラン=100/0〜0/100(容積比)のグラジエント分析で流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)または同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD−M20A)を用いた。
<実施例1> 化合物MM1の合成
化合物L1は「Chem.Mater.2006,18,5119−5129」に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006318925
<stage1>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、塩化イリジウム水和物(67.0g、0.19mol)、化合物L1(127.8g、0.456mol)、2−エトキシエタノール(570mL)および水190mLを加え、窒素ガスを30分間通気した後、102℃で18時間加熱した。得られた反応混合物を15℃まで冷却後、水570mLを加えて攪拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ過し、ろ過して得られた固体を水500mLで1回、へキサン500mLで1回洗浄した後、洗浄して得られた固体を回収することにより、黄色粉末として目的とする化合物MM1aを141.5g、収率95%で得た。
Figure 0006318925
<stage2>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物MM1a(141.5g、0.090mol)、化合物L1(252.1g、0.900mol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(46.3g、0.18mol)およびジグライム360mLを加え、窒素ガスを30分間通気した後、147℃で21時間加熱した。得られた反応混合物を冷却後、得られた沈殿物をろ過し、トルエンで洗浄した後、得られたろ液を濃縮した。得られたろ液濃縮物に水360mLを加えて攪拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ過し、水200mLで1回、メタノール200mLで2回洗浄した。得られたろ取物を回収後、乾燥させることで、化合物MM1bの粗生成物を176gで得た。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、シリカゲルカラムに通液した後、ジクロロメタンおよび酢酸エチルの混合溶媒(ジクロロメタン/酢酸エチル=5:1(vol/vol))をシリカゲルカラムに通液して分離精製を行った。その後、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒を用いた再結晶を3回行うことで、黄色粉末として目的とする化合物MM1bを158.1g、収率85%で得た。化合物MM1bのHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.12%を示した。
Figure 0006318925
<stage3>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物MM1b(113.3g、0.110mol)、化合物L2(103.1g、0.220mol)およびトルエン1100mLを加え、窒素ガスを20分間通気した後、炭酸ナトリウム水溶液(2mol/Lを264mL、0.53mol)およびテトラキストリフェニルホスフィノパラジウム(0)(6.356g、0.006mol)をさらに加え、窒素ガスを10分間通気した後、70℃で7時間加熱した。得られた反応混合物を冷却後、水層を除去し、食塩水500mLを加えて攪拌後、さらに水層を除去した。得られた有機層を濃縮し、化合物MM1cの粗生成物を292gで得た。得られた粗生成物をヘキサンおよびジクロロメタンの混合溶液に溶解させ、シリカゲルカラムに通液した後、ジクロロメタンおよび酢酸エチルの混合溶媒をシリカゲルカラムに通液することで分離精製を行い、化合物MM1cおよび化合物MM1を分離した。その後、得られた化合物MM1cおよび化合物MM1のそれぞれについて、シリカゲルカラムによる精製を3回行い、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒を用いた再結晶を3回行うことで、黄色粉末として目的とする化合物MM1cおよび化合物MM1をそれぞれ得た。
化合物MM1cは、61.8g、収率36.2%で得られた。化合物MM1cのHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は86.54%を示した。
H−NMR(CDCl−d,300MHz):δ(ppm)=7.81−7.72(m,8H),7.62(dd,9H),7.49(dd,8H),7.18(d,2H),6.92(d,1H),6.79(t,2H),6.63(d,1H),4.26(s,6H),4.21(s,3H),2.26−2.17(m,3H),1.97−1.87(m,3H),1.44−1.17(m,42H),0.72(t,9H).
化合物MM1は、12.9g、収率9.1%で得られた。化合物MM1のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.15%を示した。
H−NMR(CDCl−d,300MHz):δ(ppm)=7.74(d,1H),7.68−7.65(m,3H),7.58−7.54(m,6H),7.42(d,4H),7.08(dd,1H),6.81(dd,1H),6.79(dd,1H),6.62(d,1H),6.50(d,1H),6.45(d,1H),4.16(s,3H),4.10(s,6H),2.15−2.05(m,3H),1.84−1.71(m,3H),1.34−1.25(m,21H),1.15−1.01(m,3H),0.65−0.59(m,9H).
LC−MS(UV254nm−APCI positive):m/z=1290.4[M+H]
<実施例2> 化合物MM2の合成
Figure 0006318925
<stage4>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物MM1c(61.8g、39.8mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(30.2g、119mmol)、酢酸カリウム(11.7g、119mmol)および無水ジオキサン398mLを加え、窒素ガスを20分間通気した後、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(1:1) (Pd(dppf)Cl・CHCl、CAS番号95464−05−4、Sigma−Aldrich Co. LLC製、0.65g、0.80mmol)をさらに加え、103℃で5.5時間加熱した。得られた反応混合物を室温まで冷却後、不溶物をろ過により除去し、ろ過残渣をトルエンで洗浄した。得られたろ液を濃縮し、化合物MM2aの粗生成物を99.7gで得た。得られた粗生成物をヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒(ヘキサン/酢酸エチル=10:1(vol/vol))に溶解させ、シリカゲルカラムに通液した後、ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒(ヘキサン/酢酸エチル=3:1(vol/vol))をシリカゲルカラムに通液することで分離精製を行うことで、黄色粉末として目的とする化合物MM2aを37.4gで得た。化合物MM2aのHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は98.6%を示した。シリカゲルカラムによる精製の残渣について、上記と同様のシリカゲルカラムによる精製を行い、黄色粉末として目的とする化合物MM2aを10.5gでさらに得た。化合物MM2aのHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は90.8%を示した。2段階で得られた化合物MM2aの収率は72.9%であった。
H−NMR(CDCl−d,300MHz):δ(ppm)=7.94(s,1H),7.80−7.72(m,9H),7.62(d,8H),7.49(d,8H),7.15(t,2H),6.90−6.76(m,3H),4.28(s,3H),4.25(s,3H),4.23(s,3H),2.29−2.15(m,3H),1.98−1.86(m,3H),1.41−1.17(m,54H),0.72(t,9H).
Figure 0006318925
<stage5>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物MM2a(45.7g、28.6mmol)、1,3,5-トリブロモベンゼン(44.95g、143mmol)、トルエン571mL、炭酸ナトリウム水溶液(1mol/Lを86mL、86mmol)およびメチルトリオクチルアンモニウムクロライド(シグマアルドリッチ社製、商品名Aliquat336(登録商標))(0.35g、86.5mmol)を加え、窒素ガスを20分間通気した後、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム(0)(1.65g、1.43mmol)をさらに加え、窒素ガスを10分間通気した後、110℃で3時間加熱した。得られた反応混合物を冷却後、水層を除去し、食塩水100mLを加えて攪拌後、さらに水層を除去した。得られた有機層を濃縮し、化合物MM2の粗生成物を130gで得た。得られた粗生成物をヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶液(ヘキサン/酢酸エチル=5:1(vol/vol))に溶解させ、シリカゲルカラムに通液した後、ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒(ヘキサン/酢酸エチル=2:1(vol/vol))をシリカゲルカラムに通液する分離精製を2回行った。その後、トルエンおよびメタノールの混合溶媒を用いた再結晶を1回、酢酸エチルおよびメタノールの混合溶媒を用いた再結晶を1回行うことで、黄色粉末として目的とする化合物MM2を31.6g、収率65%で得た。
化合物MM2のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.61%を示した。
H−NMR(CDCl−d,300MHz):δ(ppm)=7.82(s,2H),7.74(d,6H),7.64−7.56(m,12H),7.49(d,8H),7.21−7.17(m,2H),7.00(d,1H),6.87(d,2H),6.77(d,1H),4.30(s,3H),4.26(s,6H),2.30−2.20(m,3H),2.05−1.88(m,3H),1.40−1.16(m,42H),0.70(t,9H).
LC−MS(UV254nm−APCI positive):m/z=1706.6[M+H]
<実施例3> 化合物MM3の合成
Figure 0006318925
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、特開2013−147450号公報に記載の方法に従って合成した化合物MM3a(3.57g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(90ml)を加え、0℃に冷却した。その後、そこへ、N,N−ジメチルホルムアミド(90ml)に溶解させたN−ブロモスクシンイミド(1.58g)を、0℃にて4.5時間かけて滴下した後、0℃で30分間攪拌した。その後、室温まで昇温し、0.1重量%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、室温で15分間撹拌した。その後、そこへ、酢酸エチルおよびトルエンを加え、水層を除去した。得られた有機層をイオン交換水で洗浄した後、減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンおよび酢酸エチルの混合溶媒)で精製した。その後、酢酸エチルおよびメタノールの混合溶媒を用いて再結晶し、次いで、酢酸エチルおよびヘキサンの混合溶媒を用いて再結晶した後、減圧乾燥させることにより、化合物MM3(2.80g、収率65%、黄色固体)を得た。化合物MM3のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=7.67(d,2H),7.59(d,1H),7.00−6.81(m,4H),6.61(d,1H),6.60(t,2H),4.23(s,9H),2.27−2.16(m,3H),1.94−1.82(m,3H),1.41−1.25(m,6H),0.74(t,9H).
LC−MS(ESI,positive):m/z=988.1[M+K]
<合成例1> 金属錯体EM1の合成
Figure 0006318925
<stage1>
反応容器内において、塩化3−ブロモベンゾイル6.92g(31.5mmol)とブチルイミド酸エチル塩酸塩4.95g(32.6mmol)を秤量し、クロロホルム150mLを加えた後、反応容器内の気体を窒素ガス雰囲気とした。その後、トリエチルアミン8.0mL(60mmol)を含むクロロホルム溶液20mLを滴下し、窒素ガス雰囲気下にて15時間室温撹拌した。得られた溶液を濃縮してからジクロロメタンに懸濁させ、イオン交換水で洗浄した。得られた油層を濃縮、乾燥し、無色の液体として化合物(E1a)を9.47g得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=8.14(t,1H)、7.93(dd,1H)、7.65−7.63(m,1H)、7.31(t,1H)、4.29(q,2H)、2.36(t,2H)、1.60(td,2H)、1.37(t,3H)0.88(t,3H).
<stage2>
反応容器内において、化合物(E1a)9.0g(30mmol)をクロロホルム100mLに溶解させた後、反応容器内の気体を窒素ガス雰囲気とした。その後、メチルヒドラジン1.52g(33mmol)と水0.6mLを含むとクロロホルム溶液15mLを滴下し、窒素ガス雰囲気下で7時間室温撹拌した。得られた反応溶液をイオン交換水で洗浄することにより得られた油層を濃縮し、シリカゲルカラムへ通した。ジクロロメタンおよび酢酸エチルの混合溶媒を用いて分離精製し、薄黄色液体として化合物(E1b)を5.8g(21mmol)、収率69%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.85(d,1H)、7.60(m,2H)、7.37(dd,1H)、3.93(s,3H)、2.72(t,2H)、1.81(m,2H)、1.01(t,3H).
<stage3>
反応容器内において、化合物(E1b)1.3g(4.6mmol)、3,5−ジ(4−ターシャリブチルフェニル)フェニルボロン酸ピナコールエステル2200mg(4.7mmol)と炭酸ナトリウム1250mg(11.6mmol)を秤量し、エタノール5mL、水10mLおよびトルエン10mLを加えた後、反応容器内の気体を窒素ガス雰囲気とした。その後、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム(0)260mg(0.23mmol)を加えて、再び窒素ガス雰囲気下に置いた。得られた反応混合物を80℃で15時間加熱した。放冷後、得られた反応溶液をイオン交換水で洗浄し、得られた油層を濃縮することにより固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムに通して、ジクロロメタンおよび酢酸エチルの混合溶媒で分離精製した。白色粉末として化合物(E1c)を2.18g(4.0mmol)、収率88%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/(CDCO):δ(ppm)=8.19(t,1H)、7.98(dt,1H)、7.93(d,2H)、7.91(t,1H)、7.80(t,1H)、7.77(dt,4H)、7.66(t,1H)、7.54(dt,4H)、4.01(s,3H)、2.63(t,2H)、1.76(td,2H)、1.36(s,18H)、0.98(t,3H).
<stage4>
反応容器内において、塩化イリジウム226mg(0.64mmol)と化合物(E1c)760mg(1.4mmol)を秤量し、水2mLと2−ブトキシエタノール6mLを加えた後、反応容器内の気体を窒素ガス雰囲気とし、17時間加熱還流した。放冷後、水、ジクロロメタンを注ぎ、得られた油層を洗浄した。得られた油層を濃縮、乾燥し、黄褐色の飴色固体として840mg得た。反応容器内において、得られた黄褐色の飴色固体840mgと化合物(E1c)1300mg(2.4mmol)を秤量し、反応容器内の気体をアルゴンガス雰囲気とした後、トリフルオロスルホン酸銀165mg(0.64mmol)を加えた。その後、ジエチレングリコールジメチルエステル1.25mLを添加し、アルゴンガス雰囲気下において15時間加熱還流した。放冷後、ジクロロメタンを注ぎ、得られた懸濁液を吸引ろ過した。得られたろ液を分液ロートに取り入れ洗浄し、得られた油層を回収後、濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムに通じて、ジクロロメタンおよび酢酸エチルの混合溶媒で分離精製した。得られた黄色固体をジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒を用いて再結晶し、次いで、ジクロロメタンおよびヘキサンの混合溶媒を用いて再結晶した。黄色粉末として燐光発光性化合物EM1[fac−トリス(1−メチル−3−プロピル−5−(5−(3,5−ジ(4−ターシャリブチルフェニル)フェニル)フェニル)−1H−[1,2,4]−トリアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)]を850mg(0.48mmol)、収率73%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.82(d,3H)、7.75(d,6H)、7.72(d,3H)、7.62(d,12H)、7.48(d,12H)、7.20(dd,3H)、6.87(d,3H)、4.27(s,9H)、2.26(ddd,3H)、1.96(ddd,3H)、1.37(s,54H)、1.05(m,6H)、0.73(t,9H).
高分子化合物P1〜P3の合成において用いた単量体CM1〜CM3の構造を下記表2に示す。
単量体CM1〜CM3は下記の方法に従って合成し、99.5%以上のHPLC面積百分率値を示したものを用いた。
単量体CC1は、国際公開第2009/131255号に記載の方法に従って合成した。
単量体CC2は、特開2010−189630号公報に記載の方法に従って合成した。
単量体CM1は、特開2010―189630号公報に記載の方法に従って合成した。
単量体CM2は、下記の方法に従って合成した。
単量体CM3は、下記の方法に従って合成した。
Figure 0006318925
<合成例2> 単量体CM2の合成
Figure 0006318925
300mLの三口フラスコに、化合物CC1(7.4g,10mmol)、2−ヨード−5−ブロモ−m−キシレン(9.3g,30mmol)およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.23g,0.04mmol)を加え、三口フラスコ内の気体をアルゴンガスで置換した。その後、それぞれ予め10分間アルゴンガスをバブリングすることにより溶存酸素を除去したトルエン(60mL)、テトラヒドロフラン(30mL)、tert−ブタノール(40mL)およびイオン交換水(20mL)を室温にて加え、その後、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(30g,8mmol)を更に加え、50℃で12時間攪拌した。得られた反応溶液に、イオン交換水およびトルエンを加え、攪拌、静置した後に、分液を行った。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ、無機塩をろ別した。得られたろ液から溶媒を減圧留去した後に、アセトニトリルを加え、70℃で30分間攪拌し、室温まで冷却し、析出した固体をろ過により取り出した。得られた固体を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=15/1(v/v(体積比であることを示す。以下同様。))により精製し、更に、再結晶(クロロホルム/アセトニトリル=4/7(v/v))により精製し、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM2(4.72g)を白色固体として得た。収率は55%であった。また、得られた化合物CM2のHPLC面積百分率値は99.99%以上を示した。必要に応じて、上記の操作を繰り返し行った。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=7.82(d,2H),7.23(m,4H),7.17(s,2H),7.12−7.07(m,6H),6.99−6.95(m,4H),2.52(t,4H),1.95(s,12H),1.59−1.45(m,4H),1.32−1.18(m,12H),0.85(t,6H).
LC/MS(ESI−MS(posi)):850[M]+
<合成例3> 単量体CM3の合成
Figure 0006318925
(第一工程)
反応容器内の気体をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物CC2(41.87g)、ビス(ピナコール)ジボロン(91.9g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(1:1) (Pd(dppf)Cl・CHCl、CAS番号95464−05−4、Sigma−Aldrich Co. LLC製、5.15g)、酢酸カリウム(70.96g)および1,4−ジオキサン(市販脱水品、500mL)の混合物を、80℃のオイルバスで加熱しながら約8時間攪拌した後に、トルエン(500mL)で希釈してからセライトおよびシリカゲルパッドに通液することにより不溶物を除去し、次いで、溶媒を留去することにより固体を得た。得られた固体にメタノール(750mL)を加え、よく攪拌した後に、固体をろ過により取り出し、減圧乾燥することにより、固体(57g)を得た。得られた固体をヘキサンに溶解させ、活性炭を加え、60℃のオイルバスで加熱しながら1時間攪拌した後に、セライトろ過により、不溶物を除去し、次いで、溶媒を留去することにより白色固体を得た。得られた固体にメタノール(750mL)を加え、50℃に加熱しながら1時間攪拌した後に、室温まで冷却してから、析出している固体をろ過により取り出し、減圧乾燥することにより、化合物CC2a(40.59g)を得た。収率は84%であった。得られた化合物CC2aは、HPLC面積百分率値(UV254nm)で99.9%以上を示した。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=8.75(d,4H),8.68(d,2H),8.06(d,4H),7.39(d,2H),2.73(t,2H),1.71−1.60(m,2H),1.50−1.20(m,42H),0.88(t,3H).
TLC/MS(DART、posi):[M+H]=730.5
(第二工程)
反応容器内の気体をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物CC2a(25.58g)、5−ヨード−2−ブロモ−m−キシレン(32.73g)、トルエン(210mL)、tert−ブタノール(140mL)、テトラヒドロフラン(110mL)、イオン交換水(70mL)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(104.2g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.45g)の混合物を、40℃に設定したオイルバスで加熱しながら40時間攪拌した後、室温まで冷却し、トルエン(140mL)およびイオン交換水(140mL)を加え、有機層を分液により得た。得られた有機層を5重量%食塩水で洗浄した後に、無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、得られた固体をろ過により除去した後に、減圧濃縮により溶媒を留去することにより、茶色油状物(37g)を得た。得られた茶色油状物をトルエンで希釈してからシリカゲルショートカラムに通液し、減圧濃縮により溶媒を留去することにより黄色油状物を得た。得られた黄色油状物を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよびクロロホルムの混合溶媒)により精製し、目的物を含むフラクションを減圧濃縮した後に、再結晶(トルエンおよびメタノールの混合溶媒)により精製し、得られた固体を減圧乾燥することにより、化合物CM3(6.15g)を得た。収率は21%であった。得られた化合物CM3のHPLC面積百分率値は99.9%以上を示した。
H−NMR(300MHz,CD2Cl2):δ(ppm)=8.86(d,J=8.3Hz,4H),8.72(d,J=8.3Hz,2H),7.43(d,J=8.3Hz,2H),7.37(d,J=8.3Hz,4H) ,7.32(s,4H),2.75(t,J=7.7Hz,2H),2.07(s,12H),1.75−1.66(mult,2H),1.42−1.22(mult,18H),0.88(t,J=6.6Hz,3H).
TLC/MS(DART、posi):[M+H]=842.3
<実施例P1> 高分子化合物P1の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記表3に示す単量体混合物P1aおよびトルエン(41mL)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、ジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(3.22mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.5g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、6時間攪拌することで、高分子化合物を含む反応液を得た。
(工程2)得られた反応液に、フェニルボロン酸(44.3mg)、ジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(3.18mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.5g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で17時間攪拌した。
(工程3)得られた反応液に、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後に、3.6重量%塩酸で2回、2.5重量%アンモニア水溶液で2回、イオン交換水で4回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。得られた固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラムおよびシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物P1(1.638g)を得た。高分子化合物P1のMnは5.4×10であり、Mwは1.2×10であった。
Figure 0006318925
<実施例P2> 高分子化合物P2の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記表4に示す単量体混合物P2aおよびトルエン(47mL)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、ジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(3.17mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.5g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、6時間攪拌することで、高分子化合物を含む反応液を得た。
(工程2)得られた反応液に、フェニルボロン酸(44.3mg)、ジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(1.62mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.5g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で17時間攪拌した。
(工程3)得られた反応液に、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後に、3.6重量%塩酸で2回、2.5重量%アンモニア水溶液で2回、イオン交換水で5回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。得られた固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラムおよびシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物P2(1.945g)を得た。高分子化合物P2のMnは1.0×10であり、Mwは2.8×10であった。
Figure 0006318925
<合成例P3> 高分子化合物P3の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記表5に示す単量体混合物P3aおよびトルエン(84mL)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、ジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(7.11mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(14.1g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、4時間攪拌することで、高分子化合物を含む反応液を得た。
(工程2)得られた反応液に、フェニルボロン酸(98.5mg)、ジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(3.52mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(14.1g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で19時間攪拌した。
(工程3)得られた反応液に、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後に、3.6重量%塩酸で2回、2.5重量%アンモニア水溶液で2回、イオン交換水で6回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。得られた固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラムおよびシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物P3(3.210g)を得た。高分子化合物P3のMnは9.8×10であり、Mwは2.7×10であった。
Figure 0006318925
<実施例P4> 高分子化合物P4の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記表6に示す単量体混合物P4aおよびトルエン(36mL)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、ジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(3.16mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.5g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、7.5時間攪拌することで、高分子化合物を含む反応液を得た。
(工程2)得られた反応液に、フェニルボロン酸(44.3mg)、ジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(3.19mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.5g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で15時間攪拌した。
(工程3)得られた反応液に、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後に、3.6重量%塩酸で2回、2.5重量%アンモニア水溶液で2回、イオン交換水で6回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。得られた固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラムおよびシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物P4(1.479g)を得た。高分子化合物P4のMnは9.0×10であり、Mwは2.3×10であった。
Figure 0006318925
<比較例CD1> 発光素子CD1の作製および評価
(発光素子CD1の作製)
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により65nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
クロロベンゼンにポリビニルカルバゾール(アルドリッチ社製)を0.6重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
キシレンに、高分子化合物P3および金属錯体EM1(高分子化合物P3/金属錯体EM1=80重量%/20重量%)を1.6重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により75nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層とした形成した。
なお、該キシレン溶液には、高分子化合物P3および金属錯体EM1が含有されるが、高分子化合物P3の全構成単位および金属錯体EM1の合計に対する、金属錯体EM1の割合は、7.3モル%である。
(陰極の形成)
発光層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子CD1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子CD1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/mにおける駆動電圧[V]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表7にそれぞれ示す。
<比較例CD2> 発光素子CD2の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P3および金属錯体EM1(高分子化合物P3/金属錯体EM1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P3および金属錯体EM1(高分子化合物P3/金属錯体EM1=70重量%/30重量%)を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子CD2を作製した。なお、該キシレン溶液には、高分子化合物P3および金属錯体EM1が含有されるが、高分子化合物P3の全構成単位および金属錯体EM1の合計に対する、金属錯体EM1の割合は、10.9モル%である。
発光素子CD2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/mにおける駆動電圧[V]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表7にそれぞれ示す。
<比較例CD3> 発光素子CD3の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P3および金属錯体EM1(高分子化合物P3/金属錯体EM1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P3および金属錯体EM1(高分子化合物P3/金属錯体EM1=60重量%/40重量%)を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子CD3を作製した。なお、該キシレン溶液には、高分子化合物P3および金属錯体EM1が含有されるが、高分子化合物P3の全構成単位および金属錯体EM1の合計に対する、金属錯体EM1の割合は、14.5モル%である。
発光素子CD3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/mにおける駆動電圧[V]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表7にそれぞれ示す。
<実施例D1> 発光素子D1の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P3および金属錯体EM1(高分子化合物P3/金属錯体EM1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P3および高分子化合物P2(高分子化合物P3/高分子化合物P2=50重量%/50重量%)を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D1を作製した。なお、該キシレン溶液には、高分子化合物P3およびP2が含有されるが、高分子化合物P3およびP2の全構成単位に対する、化合物MM2から誘導される構成単位の割合は、7.3モル%である。
発光素子D1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/mにおける駆動電圧[V]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表7にそれぞれ示す。
<実施例D2> 発光素子D2の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P3および金属錯体EM1(高分子化合物P3/金属錯体EM1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P3および高分子化合物P2(高分子化合物P3/高分子化合物P2=25重量%/75重量%)を用いた以外は比較例D1と同様にして、発光素子D2を作製した。なお、該キシレン溶液には、高分子化合物P3およびP2が含有されるが、高分子化合物P3およびP2の全構成単位に対する、化合物MM2から誘導される構成単位の割合は、10.9モル%である。
発光素子D2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/mにおける駆動電圧[V]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表7にそれぞれ示す。
<実施例D3> 発光素子D3の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P3および金属錯体EM1(高分子化合物P3/金属錯体EM1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P2を単独で用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D3を作製した。なお、該キシレン溶液には、高分子化合物P2が含有されるが、高分子化合物P2の全構成単位に対する、化合物MM2から誘導される構成単位の割合は、14.5モル%である。
発光素子D3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/mにおける駆動電圧[V]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表7にそれぞれ示す。
<実施例D4> 発光素子D4の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P3および金属錯体EM1(高分子化合物P3/金属錯体EM1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P3および高分子化合物P1(高分子化合物P3/高分子化合物P1=50重量%/50重量%)を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D4を作製した。なお、該キシレン溶液には、高分子化合物P3およびP1が含有されるが、高分子化合物P3およびP1の全構成単位に対する、化合物MM1から誘導される構成単位の割合は、7.3モル%である。
発光素子D4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/mにおける駆動電圧[V]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表7にそれぞれ示す。
<実施例D5> 発光素子D5の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P3および金属錯体EM1(高分子化合物P3/金属錯体EM1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P3および高分子化合物P1(高分子化合物P3/高分子化合物P1=25重量%/75重量%)を用いた以外は比較例D1と同様にして、発光素子D5を作製した。なお、該キシレン溶液には、高分子化合物P3およびP1が含有されるが、高分子化合物P3およびP1の全構成単位に対する、化合物MM1から誘導される構成単位の割合は、10.9モル%である。
発光素子D5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/mにおける駆動電圧[V]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表7にそれぞれ示す。
<実施例D6> 発光素子D6の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P3および金属錯体EM1(高分子化合物P3/金属錯体EM1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P1を単独で用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D6を作製した。なお、該キシレン溶液には、高分子化合物P1が含有されるが、高分子化合物P1の全構成単位に対する、化合物MM1から誘導される構成単位の割合は、14.5モル%である。
発光素子D6に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/mにおける駆動電圧[V]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表7にそれぞれ示す。
<実施例D7> 発光素子D7の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P3および金属錯体EM1(高分子化合物P3/金属錯体EM1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P4を単独で用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D7を作製した。なお、該キシレン溶液には、高分子化合物P4が含有されるが、高分子化合物P4の全構成単位に対する、化合物MM3から誘導される構成単位の割合は、14.5モル%である。
発光素子D7に電圧を印加することによりEL発光が観測された。100cd/mにおける駆動電圧[V]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表7にそれぞれ示す。
Figure 0006318925
これらの結果から、本発明の高分子化合物を用いた発光素子は、金属錯体EM1を用いた発光素子と比較して、駆動電圧に優れることがわかる。

Claims (5)

  1. 記式(2)で表される構成単位と、
    下記式(Y1−2)で表される構成単位と、
    下記式(Y2)で表される構成単位とを含む高分子化合物。
    Figure 0006318925
    [式(2)中、
    Arは、芳香族炭化水素基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Lは、直接結合をす。
    Mは、イリジウム原子を表す。
    n1は2を表し、n2はを表す。
    、E および 、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。E、E および 複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E、EおよびEが窒素原子の場合、R、RおよびRは、存在しても存在しなくてもよい。 、E 、E およびE は、炭素原子を表す。但し、E 、E、EまたはEはLと結合する。E とLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在せず、EとLとが結合する場合、Rは存在しない。
    、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよいが、R 、R 、R 、R 、R 、R およびR からなる群から選ばれる少なくとも1つが、下記式(Dend−A)で表される基である。、R、R、R、R、RおよびRが複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、および、RとRは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    環Aは、炭素原子、窒素原子、E、EおよびEとで構成されるトリアゾール環を表し、環Bは、2つの炭素原子、E、E、EおよびEとで構成されるベンゼン環を表す。
    −G−Aは、アニオン性の2座配位子を表し、Gは、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、環を構成する炭素原子、酸素原子または窒素原子であってもよい。]
    Figure 0006318925
    [式(Dend−A)中、
    DA1 、m DA2 およびm DA3 は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
    DA1 は、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Ar DA1 、Ar DA2 およびAr DA3 は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar DA1 、Ar DA2 およびAr DA3 が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    DA2 およびT DA3 は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
    Figure 0006318925
    [式(Y1−2)中、
    1YA は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR 1YA は、同一でも異なっていてもよい。
    1YB は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR 1YB は、同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006318925
    [式(Y2)中、
    ArY2は、2価の芳香族複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の芳香族複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  2. 前記E 炭素原子であり、EおよびEが窒素原子である、請求項1に記載の高分子化合物。
  3. 記式(Y2)で表される構成単位が、下記式(Y2−2)で表される構成単位である、請求項1または2に記載の高分子化合物。
    Figure 0006318925
    [式(Y2−2)中、
    ArY2Aは、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Y2Aは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の高分子化合物と、
    正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤および溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含有する組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の高分子化合物を用いた発光素子。
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