JP6318812B2 - フィブロイン複合体 - Google Patents

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Description

本発明は、フィブロイン複合体、より具体的には繊維支持体とフィブロイン多孔質体とを備えるフィブロイン複合体に関する。
タンパク質及び糖類等の生物由来物質を利用して作製可能である多孔質体は、エステティックサロン及び個人での使用による保湿等を目的とした化粧品・エステ分野、創傷被覆材、薬剤徐放担体等の医療分野、紙おむつ、生理用品等の生活日用品分野、微生物や細菌等の住処になる支持体として活用しうる浄水分野、細胞培養支持体(足場材料)、組織再生支持体等として活用しうる組織工学・再生医工学分野等、産業上幅広い分野で利用される。
これら多孔質体を構成する生体由来物質としては、セルロース、キチン等の糖類、コラーゲン、ケラチン、フィブロイン等のタンパク質群等が知られている。
これらの生体由来物質のうち、タンパク質としては、コラーゲンがよく利用されてきたが、BSE問題が発生してから牛由来のコラーゲンを利用することが非常に難しくなってきた。また、ケラチンは、羊毛や羽毛から得ることができるが、原料入手に問題があり、工業的に利用することは難しい。羊毛は、原料価格が非常に高騰しており、羽毛に関しては市場がないため、原料を入手することが難しい。一方、フィブロイン、とりわけシルクフィブロインは、原料入手の観点からは、安定に供給されることが期待でき、さらに価格も安定しているので、工業的に利用することが容易であるという特長を有している。
シルクフィブロインは、衣類用途以外に、手術用縫合糸として長く使用されてきた実績があり、現在では食品や化粧品の添加物としても利用され、人体に対する安全性にも問題がないことから、上記のような多孔質体の利用分野に利用することが可能である。
シルクフィブロイン多孔質体を作製する手法に関しては、いくつか報告がある。
例えば、シルクフィブロイン水溶液を急速冷凍したのち結晶化溶媒に浸漬し、融解と結晶化を同時進行することによって得る方法がある(特許文献1)。しかしながら、この方法は結晶化溶媒である有機溶媒を大量に使用する必要があり、さらに溶媒の残留の可能性も否定できず、化粧品、エステ分野等の上記した応用分野での使用には問題がある。
次に、シルクフィブロイン水溶液のpHを6以下に保持してゲル化させるか又はその水溶液に貧溶媒を添加してゲル化させ、得られたゲルを凍結乾燥して多孔質体を作製する方法がある(特許文献2)。しかしながら、この方法は十分な強度をもった多孔質体を得ることはできない。他に、シルクフィブロイン水溶液を冷凍した後に長時間凍結状態を維持することで多孔質体を作製する手法が報告されている(特許文献3)。しかしながら、発明者らの検討ではこの手法は再現性が乏しく、多孔質体が作製できないことが多い。
上記したシルクフィブロイン多孔質体の作製手法と比較すると、確実で簡便な手法が報告されている(特許文献4、及び非特許文献1)。シルクフィブロイン水溶液に対して少量の水溶性液状有機溶媒を添加した後に、一定時間冷凍して融解することによってシルクフィブロイン多孔質体が得られる手法である。また、シルクフィブロイン水溶液に対して少量のカルボン酸類を添加した後に、一定時間凍結させて、その後融解することで、上記の特許文献4や非特許文献1に記載される手法よりもさらに高強度のシルクフィブロイン多孔質体を製造する方法が提案されている(特許文献5)。
特開平8−41097号公報 特公平6−94518号公報 特開2006−249115号公報 特許第3412014号公報 国際公開第2010/116994号パンフレット
Biomacromolecules,6,3100−3106(2005)
ところで、例えば、化粧品、エステ分野におけるフェイスマスクやアイマスク等のスキンケア部材や、医療分野における指、肘、膝等の人体の稼動部への貼り付けが想定される創傷被覆材、組織工学や再生医工学の分野における細胞培養支持体等の用途においては、シルクフィブロイン多孔質体を薄くして用いる場合が多く、とりわけ該多孔質体に対して引張強さや引裂き強さといった機械的強度が要求される。しかし、特許文献5に開示される製法によって得られるシルクフィブロイン多孔質体によっても十分に対応できない場合があった。
上記のような厚さを薄くしても種々の用途に応じて十分に対応しようとする場合、シルクフィブロイン多孔質体自体の機械的強度を向上させて対応する手法がある。しかし、そのような手法では該多孔質体の構造や質感の変化を伴うことがほとんどであり、人体に直接接触する用途に適さないため、機械的強度を劇的に向上させることは望めないという問題がある。
そこで、本発明は、フィブロイン多孔質体、とりわけシルクフィブロイン多孔質体の優れた吸水性や柔軟性、肌触り等の質感の長所を損なうことなく、機械的強度にも優れるフィブロイン複合体、及び該複合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の発明により当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
1.熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体とを備え、該支持体と該多孔質体とが少なくとも該熱可塑性樹脂支持体を構成する熱可塑性樹脂により接合されてなるフィブロイン複合体。
2.フィブロイン多孔質体と熱可塑性樹脂支持体とを、少なくとも該熱可塑性樹脂支持体の該フィブロイン多孔質体と接合する面を加熱し、圧着することを特徴とするフィブロイン複合体の製造方法。
3.さらに融着防止シートを熱可塑性樹脂支持体に接するように積層し、該融着防止シートを介して該熱可塑性樹脂支持体を加熱し、圧着することを特徴とする上記2に記載のフィブロイン複合体の製造方法。
本発明によれば、フィブロイン多孔質体、とりわけシルクフィブロイン多孔質体の優れた吸水性や柔軟性、肌触り等の質感の長所を損なうことなく、機械的強度にも優れるフィブロイン複合体を得ることができる。
本発明のフィブロイン複合体の構造を示す模式図である。 引裂き力の中央値の求め方を示す図である。 本発明の比較例1で製造されるシルクフィブロイン多孔質体の内部構造の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例5で製造されるシルクフィブロイン複合体の断面の構造の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例14で製造されるシルクフィブロイン複合体の断面の構造の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例14で製造されるシルクフィブロイン複合体の熱可塑性樹脂支持体側の表面の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の複合体に使用するシルクフィブロイン多孔質層の全反射赤外吸収スペクトルの一例である。
〔フィブロイン複合体〕
本発明のフィブロイン複合体は、熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体とを備え、該支持体と該多孔質体とが少なくとも該熱可塑性樹脂支持体を構成する熱可塑性樹脂により接合されてなるものである。図1は本発明のフィブロイン複合体の構造の一例を示す模式図であり、熱可塑性樹脂支持体11とフィブロイン多孔質体12とが接合されてなるフィブロイン複合体10が示されている。そして、熱可塑性樹脂支持体11とフィブロイン多孔質体12とは、該熱可塑性樹脂支持体11を構成する熱可塑性樹脂が一部溶融し、接合力を発現し、接合されている。すなわち、本発明のフィブロイン複合体は、別個の接着剤を用いることなく、複合体を構成する層の一つである熱可塑性樹脂支持体11を構成する熱可塑性樹脂により接合されてなるため、異素材の使用を低減でき、フィブロイン多孔質体の優れた吸水性や柔軟性、肌触り等の質感の長所を損なうことなく、良好な接合力を得ることを可能としている。
(フィブロイン多孔質体)
フィブロイン多孔質体は、フィブロインにより構成される多孔質体であれば特に制限はなく、優れた吸水性や柔軟性、肌触り等の質感を得る観点からシルクフィブロイン多孔質体であることが好ましい。フィブロイン多孔質体は、例えば、フィブロイン水溶液に水溶性液状有機物質及びカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種の添加剤を添加したフィブロイン水溶液を凍結して凍結体を得て、次いで該凍結体中の凍結した水分を溶解して得る手法が挙げられる。この手法によれば、形状安定性及び強度に優れるフィブロイン多孔質体が得られる傾向がある。
フィブロインとしては、例えば家蚕、野蚕、天蚕等の天然蚕、トランスジェニック蚕等から産生されるシルクフィブロイン等が挙げられる。特に製造工程の簡便性を考え、家蚕の繭から得られるシルクフィブロインが好ましい。
以下、フィブロインとして好ましいシルクフィブロインを例にとって説明する。シルクフィブロインを水に溶解させる手法については特に制限はなく、例えば、シルクフィブロインは水への溶解性が低いため、高濃度の臭化リチウム水溶液にシルクフィブロインを溶解後、透析により脱塩し、シルクフィブロイン水溶液を得る方法が好適に挙げられる。また、水溶液中のシルクフィブロインの濃度調整の方法としては、風乾による濃縮を経る手法が簡便で好ましい。
シルクフィブロインの含有量は、添加剤を加えた場合、シルクフィブロイン水溶液中で0.5〜40wt/vol%であることが好ましく、1〜20wt/vol%であることがより好ましく、1〜10wt/vol%であることがさらに好ましい。フィブロインの含有量が上記の範囲内であると、質感に優れた多孔質体が得られる傾向がある。
本発明で用いられる添加剤は、水溶性液状有機物質及びカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。水溶性液状有機物質とは、常温(20℃)で液状であり、常温(20℃)で水と混合した際に、分離せずに溶解、又は混和するものをいう。水溶性液状有機物質としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコール類;ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ピリジン、アセトン、アセトニトリル等が好ましく挙げられる。これらは単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。人体への安全性を考慮すると、エタノール、グリセリンがより好ましい。
カルボン酸類としては、少なくとも分子中に一つのカルボキシ基を有する有機酸であれば特に制限はないが、例えばモノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸等が挙げられる。カルボン酸類としては、カルボン酸類が好ましく、炭素数1〜6の脂肪族カルボン酸がより好ましく、炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸がさらに好ましい。これらの脂肪族カルボン酸は飽和であってもよく、不飽和であってもよい。このようなカルボン酸として、具体的には、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、アクリル酸、2−ブテン酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸等のジカルボン酸等が好ましく挙げられる。これらは単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。人体への安全性を考慮すると、酢酸、乳酸、コハク酸がより好ましい。
シルクフィブロイン水溶液中の添加剤の含有量は、水溶液がゲル化せず、また十分な強度を持った多孔質体を製造する観点から、0.01〜18体積%であることが好ましく、0.1〜5体積%であることがより好ましく、0.5〜3体積%であることがさらに好ましい。
シルクフィブロイン水溶液の凍結は、シルクフィブロイン水溶液に添加剤を加えた溶液を容器に流し込み、該容器を液冷式の低温恒温槽中に入れることで行うことが好ましい。
凍結温度としては、添加剤を加えたシルクフィブロイン水溶液が凍結する温度であれば特に制限はないが、−5〜−40℃程度が好ましく、−10〜−30℃程度がより好ましく、−15〜−25℃がさらに好ましい。凍結時間としては、添加剤を加えたシルクフィブロイン水溶液が十分に凍結し、かつ凍結状態を一定時間保持できるよう、2時間以上であることが好ましく、4時間以上であることがさらに好ましい。また、特に−15〜−25℃の温度条件下、1時間から100時間保持して凍結することが好ましい。
ここで、添加剤を加えたシルクフィブロイン水溶液を一気に凍結温度まで下げて凍結してもよいが、凍結の前に過冷却状態を経ることが、均一な構造のシルクフィブロイン多孔質体を得る上で好ましい。例えば、添加剤を加えたシルクフィブロイン水溶液を一旦、−5℃程度で2時間程度保持して、その後、凍結温度まで下げて凍結することで、均一な構造のシルクフィブロイン多孔質体を得ることができる。
上記の手法でシルクフィブロイン水溶液を凍結させた後、次いで凍結した水分を融解することによって、シルクフィブロイン多孔質体が得られる。融解の方法としては、特に制限はなく、自然融解や恒温槽での保管等の方法が好ましく挙げられる。
上記のようにして得られたシルクフィブロイン多孔質体には添加剤が残存する。残存する添加剤は用途に応じてそのままの状態としてもよいし、除去してもよい。添加剤をシルクフィブロイン多孔質体から除去する方法としては、例えば、シルクフィブロイン多孔質体を、純水中に浸漬して除去することが最も簡便な方法として挙げられる。
このようにして得られたシルクフィブロイン多孔質体は吸水した状態である。本発明において、複合体を得るにあたり乾燥したシルクフィブロイン多孔質体を使用する場合には、吸水状態のシルクフィブロイン多孔質体を乾燥すればよい。シルクフィブロイン多孔質体の乾燥の手法としては特に制限はないが、収縮を抑える観点で凍結乾燥が好ましい。凍結乾燥の場合、残った氷が融解して水になり、その表面張力の影響で空孔が潰れないようにする観点から、水分が完全に昇華するまで乾燥することが好ましい。例えば、温度条件として−5〜−80℃程度であることが好ましい。
また、凍結乾燥の際、予めシルクフィブロイン多孔質体をグリセリン水溶液に浸漬する、ないしはシルクフィブロイン水溶液に混合する添加剤の水溶性液状有機物質としてグリセリンを採用することが、乾燥時のひび割れを防止すると共に、乾燥後にも柔軟な複合体が得られる観点から好ましい。
この場合、シルクフィブロイン多孔質体を浸漬するグリセリン水溶液におけるグリセリンの濃度は、シルクフィブロイン多孔質体を形成する際に使用したシルクフィブロイン水溶液中で、0.2〜2.5体積%であることが好ましく、0.25〜2体積%であることがより好ましく、0.25〜1.2体積%であることがさらに好ましい。この範囲にグリセリン濃度を設定することで質感が良く、ひび割れの無い乾燥シルクフィブロイン多孔質体を得ることができ、結果として質感が良く、ひび割れの無いシルクフィブロイン複合体が得られる。このようにして得られる乾燥シルクフィブロイン多孔質体はグリセリンを含有することを特徴とする。
上記のようにして乾燥したシルクフィブロイン多孔質体(乾燥シルクフィブロイン多孔質体)は、水分が実質的に含まれないものである。シルクフィブロイン多孔質体は、シルクフィブロイン水溶液を凍結し、融解して得られるので、通常、細孔部に水分等が存在した状態となっている。通常のシルクフィブロイン多孔質体と乾燥シルクフィブロイン多孔質体とは、細孔部に水等が存在する量の点で状態は異なるものとなる。
シルクフィブロイン多孔質体は、添加剤を加えたシルクフィブロイン水溶液を流し込む容器を適宜選択することにより、シート状、ブロック状、管状等、目的に応じた形状とすることができる。
また、原料として用いるシルクフィブロインや添加剤の種類、添加剤の添加量等を調節することで、シルクフィブロイン多孔質体の内部構造と固さを調整することができる。
本発明で用いられるシルクフィブロイン多孔質体の平均細孔径は、1〜500μmであることが好ましく、5〜300μmがより好ましく、10〜100μmがさらに好ましい。平均細孔径が上記範囲内であると、肌触りが良好となる傾向がある。また再生医療向けの細胞培養支持体(足場材料)としての用途を考慮した場合、細胞が細孔内に入りやすい傾向がある。
ここで、多孔質体の平均細孔径は、多孔質体断面の走査型電子顕微鏡写真を5枚撮影し、さらに異なる日に作製した多孔質体断面の走査型電子顕微鏡写真を5枚撮影し、それら10枚の走査型電子顕微鏡写真を画像解析ソフトを用いて画像処理し、算出した細孔径の平均値である。
本発明で用いられるシルクフィブロイン多孔質体の空孔率は、80〜99%であることが好ましく、90〜99%であることがより好ましく、94〜98%であることがさらに好ましい。空孔率が上記範囲内であると、多孔質体が適度な硬さを有するため肌あたりが良好となる傾向がある。また、機械的強度が良好となりハンドリングが容易となる傾向がある。
ここで空孔率は、得られた多孔質体を純水中に1日静置し吸水させ、秤量した質量を湿質量とし、凍結乾燥して多孔質体中の水分を除去し、再度秤量した質量を乾燥質量とし、水の密度を1g/cm3、フィブロインの密度を1.2g/cm3、含水状態のフィブロイン多孔質体の密度を1g/cm3と仮定し、次式に従って得られた値である。
空孔率=(湿質量−乾燥質量/1.2)/湿質量×100
以上、フィブロインの中でも好ましいシルクフィブロインを例にとって説明してきたが、他のフィブロインを用いても同様の方法によってフィブロイン多孔質体が得られ、該多孔質体は本発明において使用することができるものである。
(熱可塑性樹脂支持体)
本発明で用いられる熱可塑性樹脂支持体は、熱可塑性樹脂からなる支持体であれば特に制限はなく、熱可塑性樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール(ブチラール樹脂);ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系樹脂;ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン等のアセタール樹脂;ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリジエン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素樹脂系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のフッ素樹脂、ポリイミド、ポリ乳酸、ポリビニルアセタール樹脂、液晶性ポリエステル樹脂、等が挙げられる。これらの中でも、用途のことを考慮すると水溶性を有しないものが好ましく、また形態安定性をも考慮すると、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂等が好ましく、また生体親和性を考慮するとポリ乳酸も好ましい。
熱可塑性樹脂の融点としては特に制限はなく、60〜250℃であることが好ましく、70〜200℃であることがより好ましく、80〜150℃であることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂の融点が上記範囲内であると、本発明のフィブロイン複合体の製造方法において、熱圧着させる際に、フィブロイン多孔質体の変色、フィブロインの分解等が生じにくい傾向がある。
また、ポリウレタン樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂支持体として他の樹脂材料を使用した場合と比較して、強度、伸縮性に優れる複合体が得られるため、好ましい。熱可塑性樹脂支持体としてポリウレタン樹脂フィルムを採用した複合体は、スキンケア部材、創傷被覆材に好適に使用することができる。
熱可塑性樹脂支持体は、フィルム状のものが最も容易に使用可能であるが、該支持体の形態はこれに限られるものではなく、例えば熱可塑性樹脂により構成される不織布状のもの、織布状のもの、フェルト状のもの、メッシュ状のものをはじめとし、繊維部分が一部に存在する構成のもの等の繊維状のもの、穴が開いたフィルム状のもの等も使用することができる。
熱可塑性樹脂支持体の形態として、上記のうち何を使用するかにより得られるフィブロイン複合体の特性に相違が生じるので、用途に応じた選定を行うことが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂支持体としてフィルム状の形態のものを用いる場合、フィブロイン多孔質体との加熱圧着後もそのままフィルム状の支持体となる。一方、不織布状、織布状、メッシュ状、フェルト状等の繊維状の形態のものを用いると、穴のあいたフィルム状になる場合や、繊維密度が高いものを用いたり、十分な加熱温度や加圧条件で加熱圧着すると、穴の無いフィルム状になる場合もある。熱可塑性樹脂支持層として穴のあるフィルム状のものを採用する場合、穴の無い場合と比較して、引張強さには劣るものの通水性や通気性には優れるという利点を有する。また、加熱温度や加圧条件によっては、不織布状、織布状、メッシュ状、フェルト状等の繊維状の構造が一部残ったものとなる場合もある。
繊維状の形態のものを採用する場合、加熱圧着することで上記のような形態の変化以外にも、厚さ薄くなる。
従って、上記のような種々の形態の熱可塑性樹脂支持体の特徴を考慮し、所望の用途に求められる特性に応じて、該支持体の形態や材料(熱可塑性樹脂)を選択することが好ましい。
熱可塑性樹脂支持体の厚さは特に制限はなく、用途に応じて適切な厚さのものを使用すればよい。機械的強度に優れ、複合体の質量が用途に応じた適切な範囲内となり、かつ曲げ易く使用感が良好となる観点から、熱可塑性樹脂支持体の厚さは、1〜1000μmであることが好ましく、10〜500μmがより好ましく、20〜200μmであることがさらに好ましい。
本発明において、熱可塑性樹脂支持体は少なくともフィブロイン多孔質体の片面に接合して設けられていればよく、フィブロイン多孔質体の両面に接合して設けられていてもよい。フィブロイン多孔質体の両面に熱可塑性樹脂支持体が設けられる場合、熱可塑性樹脂支持体を形成する素材は同一であってもよいし、異なっていてもよく、フィブロイン複合体の用途に応じて適宜選択すればよい。
(支持体と多孔質体との接合)
本発明のシルクフィブロイン複合体において、熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体とは少なくとも該支持体を構成する熱可塑性樹脂により接合されていればよく、この熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体との間に少なくとも存在することで接合力を発現する。
熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体との間に存在する、接合力を発現する熱可塑性樹脂は、本発明のフィブロイン複合体の製造工程のいずれかの段階において、少なくとも該支持体の該多孔質体と接合する接合面を加熱して、該接合面の熱可塑性樹脂を溶融状態とすることで、該多孔質体との接合力を発現する。そして、該接合面の熱可塑性樹脂を溶融状態のまま、フィブロイン多孔質体と圧着させる、すなわち、熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体とを加熱圧着させることにより、熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体とは接合され、フィブロイン複合体を形成する。
熱可塑性樹脂支持体を構成する熱可塑性樹脂は、その少なくとも一部が熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体との間に存在して接合力を発現していれば、その残りが例えばフィブロイン多孔質体の一部又は全体にわたって、その細孔内に存在していてもよい。熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体との界面、及び界面近傍の状態については直接確認することは困難であるが、熱可塑性樹脂支持体のフィブロイン多孔質体と接合する接合面が溶融した状態のまま、該多孔質体と圧着することで、溶融した熱可塑性樹脂は該多孔質体の細孔内に入り込んだ形で固化することにより、接合力が得られているものと推察される。いずれにしても、熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体との接合力は、少なくとも該支持体を構成する熱可塑性樹脂により得られている。
本発明のフィブロイン複合体は、熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体とが接合されてなるものであり、一枚ずつの熱可塑性樹脂支持体及びフィブロイン多孔質体が接合されてなるものでもよいし、複数枚の熱可塑性樹脂支持体やフィブロイン多孔質体が接合されてなるものであってもよい。本発明のフィブロイン複合体の最も単純な構成は、熱可塑性樹脂支持体/フィブロイン多孔質体であり、本発明のフィブロイン複合体は、例えば、熱可塑性樹脂支持体/フィブロイン多孔質体/熱可塑性樹脂支持体からなる三層構成、熱可塑性樹脂支持体/フィブロイン多孔質体/熱可塑性樹脂支持体/フィブロイン多孔質体からなる四層構成、また、熱可塑性樹脂支持体/熱可塑性樹脂支持体/フィブロイン多孔質体といった変則的な層構成をとってもよく、上記の層構成に限らず、用途に応じて種々の層構成を取り得る。例えば、上記の変則的な層構成として例示した層構成において、熱可塑性樹脂支持体/熱可塑性樹脂支持体といった同種の層も、いずれかの支持体を構成する熱可塑性樹脂により接合すればよい。
また、フィブロイン複合体中に複数の熱可塑性樹脂支持体及び/又は複数のフィブロイン多孔質体を有する場合、これらの熱可塑性樹脂支持体やフィブロイン多孔質体は同一のものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよく、用途に応じて適宜選択することができる。
本発明のフィブロイン複合体は、熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体という異素材のものを接合してなる複合体であり、接合力を発現する成分として熱可塑性樹脂支持体を構成する熱可塑性樹脂を用いている。複合体において異素材が増えるほど、柔軟性、肌触り等の質感が低減してしまうのが一般的である。しかし、本発明では、接合力を発現する成分として熱可塑性樹脂支持体を構成する熱可塑性樹脂を採用し、市販される樹脂等の有機化合物ベースの接着剤という異素材を使用しないことにより、優れた接合力を得ると同時に、柔軟性、肌触り等の質感を維持することを可能としている。
(複合体の諸性状)
本発明のフィブロイン複合体の引張強さは、用途に応じたハンドリング性や耐久性を有していれば特に制限はないが、通常引張強さは95〜500kPaであることが好ましく、150〜400kPaであることがより好ましい。引張強さが上記範囲内であると、肌触りが良好であり、曲げ易く使用感が良好となる傾向があり、また、様々な用途において好適に用いることができる傾向がある。
ここで、引張強さは、50mm×5mmの大きさに切削したフィブロイン複合体の試験片について、万能試験機(「EZ−(N)S(型番)」,(株)島津製作所製)を用い、ロードセルは50N、つかみ具は引張試験用の冶具を用い、引張速度5mm/min、初期つかみ具間距離30mm、室温22℃の条件下で、破断した時点でのロード(N)を測定し、以下の式により算出した値である。
引張強さ(kPa)=破断時ロード(N)÷複合体厚さ(mm)÷5×1000
測定したものである。
また、本発明のフィブロイン複合体の引裂き強さは、用途に応じたハンドリング性や耐久性を有していれば特に制限はないが、通常垂直方向(TD方向)の引裂き強さは200〜5000N/mであることが好ましく、300〜2500N/mであることがより好ましく、400〜1500N/mであることがさらに好ましい。引裂き強さが上記範囲内であると、肌触りが良好であり、曲げ易く使用感が良好となる傾向があり、また、様々な用途において好適に用いることができる傾向がある。
ここで、引裂き強さは、複合体の引裂き力の中央値を該複合体の厚さ(m)で割って得られた値である。より具体的には、例えば、100mm×15mmの大きさに切削し、かつ長さ40mmの切込みを入れた、トラウザ形に打ち抜いたフィブロイン複合体の試験片について、万能試験機(「EZ−(N)S(型番)」,(株)島津製作所製)を用い、ロードセルは5N、つかみ具は引張試験用の冶具を用い、引裂き速度200mm/min、初期つかみ具間距離40mm、室温22℃の条件下で、図2に示されるように、引裂き力の中央値を測定し、以下の式により算出した値である。
引裂き強さ=引裂き力の中央値(N)/試験片の厚さ(m)
(複合体の用途)
本発明のフィブロイン複合体は、フィブロイン多孔質体、とりわけシルクフィブロイン多孔質体の優れた吸水性や柔軟性、肌触り等の質感の長所を損なうことなく、引張強さや引裂き強さといった機械的強度にも優れている。また、生体に対する安全性も高いことから、エステティックサロンや個人での使用による化粧品・エステ分野、とりわけフェイスマスクやアイマスク等のスキンケア部材として極めて有用である。
また、本発明のフィブロイン複合体は、細胞増殖性にも優れるため、再生医療における細胞培養支持体(足場材料)としても極めて有用である。
さらに、生体親和性にも優れるため、指、肘、膝等の人体の稼動部への貼り付けが想定される創傷被覆材や薬剤徐放担体、癒着防止剤等の医療分野の他、紙おむつや生理用品等の生活日用品分野での使用にも極めて有用である。
〔フィブロイン複合体の製造方法〕
本発明のフィブロイン複合体の製造方法は、フィブロイン多孔質体と熱可塑性樹脂支持体とを、少なくとも該熱可塑性樹脂支持体の該フィブロイン多孔質体と接合する面を加熱し、圧着することを特徴とするものである。
ここで、熱可塑性樹脂支持体、フィブロイン多孔質体は上記のフィブロイン多孔質体の製造において説明したものと同じである。
熱圧着の方法としては、少なくとも熱可塑性樹脂支持体のフィブロイン多孔質体と接合する接合面を加熱し、該熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体とを圧着できる方法であれば特に制限はなく、例えばホットプレス、ホットラミネーター、真空ラミネーター、カレンダーロール等を用いて行うことができる。
加熱温度としては、熱可塑性樹脂支持体を構成する熱可塑性樹脂の融点以上、好ましくは5℃程度高い温度で行うことが好ましい。このような加熱温度とすることで、フィブロイン多孔質体を不要に高温に晒すことがなく、該多孔質体の着色やフィブロインの分解を抑えることができ、また熱可塑性樹脂を溶融しすぎることがないので、優れた接合力が得られ、かつ熱可塑性樹脂支持体の形態安定性も得られる傾向がある。加熱温度は上記のように熱可塑性樹脂により異なるが、通常60〜250℃であることが好ましく、70〜200℃であることがより好ましく、80〜150℃であることがさらに好ましい。
加熱は少なくとも熱可塑性樹脂のフィブロイン多孔質体との接合面に行えばよく、また熱圧着する際に使用する装置に応じて、熱可塑性樹脂支持体及びフィブロイン多孔質体の全体に加熱してもよい。フィブロイン多孔質体の着色や該多孔質体を構成するフィブロインの分解を抑える観点から、フィブロイン多孔質体は加熱しないようにすることが好ましい。
例えば、部分的に加熱温度を調整できる場合は、フィブロイン多孔質体への加熱温度を低くすることが好ましく、またそのような調整ができない場合は、フィブロイン多孔質体を設置する部分に断熱材を敷く等の方法により、多孔質体への加熱を低減することができる。
また、熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体とを、加熱圧着して接合するため、フィブロイン多孔質体は乾燥したもの、すなわち上記の乾燥フィブロイン多孔質体を用いることが好ましい。水分を実質含まない乾燥フィブロイン多孔質体を用いることで、熱可塑性樹脂支持体との優れた接合力が得られる。
圧着する際には、フィブロイン多孔質体が潰れない程度、あるいは潰れても回復する程度に圧力をかけることが肝要である。そのような圧力で圧着することで、フィブロイン複合体の優れた質感が得られる。
本発明のフィブロイン複合体の製造方法において、熱可塑性樹脂支持体に加熱処理を施す際に、加熱及び加圧機器のプレス板やロール等といった、該熱可塑性樹脂支持体が直接触れる部材に該支持体が融着してしまう場合がある。このような融着を防止する観点から、熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体とを加熱及び加圧機器に配置する際に、融着防止シートを該支持体に接するように積層し、該融着防止シートを介して該熱可塑性樹脂支持体を加熱し、圧着することが好ましい。
また、このような融着防止シートを使用する場合、熱圧着時の加熱温度をその厚さや素材に応じて適宜調整することが好ましい。具体的には、融着防止シートを形成する材料の融点よりも10〜80℃高い温度で加熱することが好ましい。
融着防止シートとしては、熱可塑性樹脂が融着しにくい素材で構成されるシートであれば特に制限なく、例えば、紙質基材の表面にポリオレフィン樹脂、イソプレン樹脂、ブタジエン樹脂等のゴム系エラストマー、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、長鎖アルキル含有樹脂等公知の剥離処理剤が施された剥離紙、シリコーン樹脂やフッ素樹脂からなる樹脂シート等が好ましく挙げられる。
融着防止シートの厚さは、熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体との加熱圧着を阻害しない程度であれば特に制限はなく、例えば10〜100μm程度であることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましい。
融着防止シートの大きさとしては、熱可塑性樹脂支持体の融着を防止する観点から、熱可塑性樹脂支持体と同じであるか、該支持体よりも大きいものであることが好ましい。また、融着防止シートを使用する場合、加熱及び加圧機器のプレス板やロール等は融着防止シートの厚さに応じて適宜選択すればよい。
また、熱可塑性樹脂支持体の融着を防止するため、加熱及び加圧機器のプレス板やロール等といった、該熱可塑性樹脂支持体が直接触れる部材に融着防止コーティングすることによっても、熱可塑性樹脂の加熱及びか圧機器への融着を防止することができるので好ましい。融着防止コーティングの材質は、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択すればよく、耐熱性と汎用性からフッ素樹脂でコーティングすることが好ましい。フッ素樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)等が好ましく挙げられる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
(1)接合力の評価
実施例及び比較例で得られたシルクフィブロイン複合体について、熱可塑性樹脂支持体の端部のシルクフィブロイン多孔質体が無い部分を指でつまんで30秒間持ち上げて、熱可塑性樹脂支持体とシルクフィブロイン多孔質体とが剥離しないか目視し、下記の基準で評価した。
○ :全く剥離することがなかった。
△ :ほとんど剥離することがなかった。
× :剥離が生じた。
(2)引張強さの測定
実施例及び比較例で得られたシルクフィブロイン複合体について、下記の方法で引張強さを測定した。
50mm×5mmの大きさに切削したシルクフィブロイン複合体の試験片について、万能試験機(「EZ−(N)S(型番)」,(株)島津製作所製)を用い、ロードセルは50N、つかみ具は引張試験用の冶具を用い、引張速度5mm/min、初期つかみ具間距離30mm、室温22℃の条件下で測定した。
(3)引裂き強さの測定
100mm×15mmの大きさに切削し、かつ長さ40mmの切込みを入れた、トラウザ形に打ち抜いたシルクフィブロイン複合体の試験片について、万能試験機(「EZ−(N)S(型番)」,(株)島津製作所製)を用い、ロードセルは5N、つかみ具は引張試験用の冶具を用い、引裂き速度200mm/min、初期つかみ具間距離40mm、室温22℃の条件下で、引裂き力の中央値を測定し、以下の式により算出した値である。
引裂き強さ=引裂き力の中央値(N)/試験片の厚さ(m)
(4)シルクフィブロイン複合体の断面の観察
実施例及び比較例で得られたシルクフィブロイン複合体の断面を、走査型電子顕微鏡(「Neo Scope JCM−5000(型番)」,日本電子(株)製)を使用して、高真空Pt蒸着モード、加速電圧10kVで観察した。
製造例1:シルクフィブロイン多孔質体の製造
(シルクフィブロイン水溶液の調製)
シルクフィブロイン水溶液は、高圧精錬済み切繭(ながすな繭(株)製)40gを9M臭化リチウム水溶液400mLに溶解し、常温で4時間攪拌して溶解した。次いで、遠心分離(回転速度:12,000rpm、5分間)して、デカンテーションで沈殿物を除去した後、透析チューブ(Spectra/PorR1 Dialysis Membrane、MWCO6,000−8,000、Spectrum Laboratories, Inc.製)に注入し、超純水製造装置(PRO−0500及びFPC−0500(型番)、オルガノ(株)製)から採水した超純水5Lに対して12時間の透析を5回繰り返し、シルクフィブロイン水溶液を得た。
得られたシルクフィブロイン水溶液2mLをポリスチレン製容器に分取し、秤量した後、庫内温度をあらかじめ−20℃程度に調整しておいたノンフロン冷蔵冷凍庫(「R−Y370(型番)」、(株)日立製作所製)の冷凍室で12時間かけて凍結し、凍結乾燥機(「FDU−1200(型番)」、東京理化器械(株)製)中で7時間凍結乾燥した。得られた乾燥物を凍結乾燥機から取り出して30秒以内に秤量し、重量減少からシルクフィブロイン水溶液中のシルクフィブロイン濃度(wt/vol%)を定量した。
(シルクフィブロイン多孔質体の製造)
濃度を測定したシルクフィブロイン水溶液に、酢酸及び超純水を加え、シルクフィブロイン濃度40wt/vol%、酢酸濃度2体積%のシルクフィブロイン水溶液を調製した。このシルクフィブロイン水溶液をアルミ製容器(内側サイズ:60mm×80mm×0.4mm、60mm×80mm×0.8mm、60mm×80mm×3mmの三種類)に流し込んで封入し、−5℃の低温恒温槽(「NCB−3300(型番)、東京理化器械(株)製)に入れて2時間保持し、その後、低温恒温槽の温度を5時間かけて−20℃まで下げて、−20℃で5時間保持した。凍結した試料を室温で自然解凍してから、容器から取り出し、シルクフィブロイン多孔質体を得た。
容器から取り出したシルクフィブロイン多孔質体を10Lの超純水中で12hごとに水を換えて5日間静置し、酢酸を除去した。酢酸除去後のシルクフィブロイン多孔質体を3体積%のグリセリン水溶液10Lに3日間浸漬した後、−25℃に維持した冷凍庫中で6時間かけて凍結した。得られた凍結物を凍結乾燥機(「FD−550P(型番)」、東京理化器械(株)製)に入れて3日間かけて凍結乾燥した。得られた乾燥物を以下の実施例中でシルクフィブロイン多孔質体として使用した。このようにして得られたシルクフィブロイン多孔質体は、柔軟で肌触りがよく、質感に優れるものであった。
得られたシルクフィブロイン多孔質体について平均細孔径を求めたところ、68.3μmであることが分かった。ここで、平均細孔径は、多孔質体の走査型電子顕微鏡写真を5枚撮影し、さらに異なる日に作製した多孔質体の走査型電子顕微鏡写真を5枚撮影し、それら10枚の走査型電子顕微鏡写真を画像解析ソフト(「ImageJ(商品名)」、アメリカ国立衛生研究所製)を用いて画像処理し、算出した細孔径の平均値である。
得られたシルクフィブロイン多孔質体について空孔率を求めたところ、96.2%であることが分かった。ここで、空孔率は、得られた多孔質体を純水中に1日静置し完全に吸水させ、秤量した後(湿重量)、凍結乾燥して多孔質体中の水分を完全に除去し、再度秤量した(乾燥重量)。水の密度を1g/cm3、フィブロインの密度を1.2g/cm3、含水状態のフィブロイン多孔質体の密度を1g/cm3と仮定し、次式に従ってシルクフィブロイン多孔質体の空孔率の測定を行って得られた値である。
空孔率=(湿重量−乾燥重量/1.2)/湿重量×100
また、得られたシルクフィブロイン多孔質体にグリセリンが含まれているか否かを、全反射の赤外分光法で評価した。赤外分光装置として、「FTS 6000 SPECTROMETER(型番)」(Bio−Rad社製)を用いた。この結果、図7に示されるように、C−O、O−Hの吸収が増大していることから、シルクフィブロイン多孔質体内にはグリセリンが含まれていることが分かった。
実施例1
製造例1で得られたシルクフィブロイン多孔質体(厚さ:0.8mm)の上に熱可塑性樹脂支持体、その上に融着防止シートである剥離紙を積層し、該融着防止シート上に180℃に加熱した厚さ5mmのアルミ板をのせて、30秒間静置して、シルクフィブロイン多孔質体と熱可塑性樹脂支持体とを加熱圧着した。次いで、アルミ板を外し、融着防止シートを除去して、シルクフィブロイン複合体を得た。ここで、熱可塑性樹脂支持体としてポリウレタン樹脂フィルム(サイズ:70mm×90mm、厚さ:70μm、シーダム(株)製)を用いた。得られたシルクフィブロイン複合体について、接合力の評価を行った。評価の結果を第1表に示す。
実施例2〜15
実施例1において、多孔質層の厚さ、熱可塑性樹脂支持体の種類、融着防止シートの使用有無及び種類、並びにアルミ板のコーティング有無及びコーティング種類を第1表に記載のものにかえた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜15のシルクフィブロイン複合体を作製した。
*1,以下の熱可塑性樹脂支持体を使用した。
支持体A:ポリウレタン樹脂フィルム(サイズ:70mm×90mm、厚さ:70μm、「SHM−101(型番)」、シーダム(株)製)
支持体B:ポリウレタン樹脂フィルム(サイズ:70mm×90mm、厚さ:30μm、「SHM−101(型番)」、シーダム(株)製)
支持体C:ポリウレタン樹脂フィルム(サイズ:70mm×90mm、厚さ:50μm、「SHM−101(型番)」、シーダム(株)製)
支持体D:上記支持体Aを8枚重ねたもの
支持体E:ポリウレタン樹脂不織布(サイズ:70mm×90mm、目付け:25g/m2、「エスパンシオーネFF(商品名)」、KBセーレン(株)製)
支持体F:ポリウレタン樹脂不織布(サイズ:70mm×90mm、目付け:50g/m2、「エスパンシオーネFF(商品名)」、KBセーレン(株)製)
支持体G:ポリプロピレン樹脂フィルム(サイズ:70mm×90mm、厚さ:20μm、「トレファン(商品名)」、東レ(株)製)
支持体H:ポリプロピレン樹脂フィルム(サイズ:70mm×90mm、厚さ:100μm、「トレファン(商品名)」、東レ(株)製)
支持体I:スパンボンドポリプロピレン樹脂不織布(サイズ:70mm×90mm、目付け:30g/m2、前田工繊(株)製)
支持体J:ポリエチレン樹脂不織布(サイズ:70mm×90mm、目付け:50g/m2、出光ユニテック(株)製)
*2,目付けは、支持体の単位面積当たりの質量を意味する。また、融着防止シートの目付けも同じ意味である。
*3,以下の融着防止シートを用いた。
融着防止シートA:剥離紙(シリコンコーティンググラシン紙、目付け:60g/m2
融着防止シートB:フッ素樹脂フィルム(厚さ:50μm、「ニトフロンフィルムNo.900UL(商品名)」、日東電工(株)製)
*4,アルミ板 コーティング種類は以下の通りである。
コーティングA:フッ素樹脂コート(厚さ:50μm、「NF−007T(商品名)」、主成分:PTFE、日本フッ素工業(株)製)
実施例16
製造例1において用いる酢酸にかえてエタノールを用いた以外は製造例1と同様にしてシルクフィブロイン多孔質体を作製し、該シルクフィブロイン多孔質体を実施例2において用いた以外は実施例2と同様にして、実施例16のシルクフィブロイン複合体を得て、接合力を評価した。得られたシルクフィブロイン複合体の接合力の評価は全て○であり、優れていることが確認された。
実施例17
製造例1において用いる酢酸にかえてジメチルスルホキシドを用いた以外は製造例1と同様にしてシルクフィブロイン多孔質体を作製し、該シルクフィブロイン多孔質体を実施例2において用いた以外は実施例2と同様にして、実施例17のシルクフィブロイン複合体を得て、接合力を評価した。得られたシルクフィブロイン複合体の接合力の評価は全て○であり、優れていることが確認された。
比較例1
製造例1で得られるシルクフィブロイン多孔質体を比較例1とした。比較例1のシルクフィブロイン多孔質体について、引張強さ、引裂き強さを上記の方法で測定した。測定値を第2表に示す。
また、実施例2〜8のシルクフィブロイン複合体について、引張強さ、引裂き強さを上記の方法で測定した。その測定値を第2表に示す。実施例2の結果から分かるように、引張強さ及び引裂き強さは、MD方向とTD方向とでほぼ同じであり、実施例3〜8、及び比較例1のMD方向の引張強さ及び引裂き強さは、TD方向のものとほぼ同じである。
また、比較例1のシルクフィブロイン多孔質体の内部構造、及び実施例5、14で得られたシルクフィブロイン複合体の断面構造を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。具体的には、比較例1のシルクフィブロイン多孔質体を液体窒素中で凍結破砕して、その内部構造を、実施例5、14で得られたシルクフィブロイン複合体は、手術用雌で繊維支持体からシルクフィブロイン多孔質体に刃が通るように切断して得られた断面を、走査型電子顕微鏡として「Neo Scope JCM−5000(型番)」(日本電子(株)製)を用いて、高真空Pt蒸着モード、加速電圧10kVで観察した。比較例1のシルクフィブロイン多孔質体の内部構造、及び実施例5、14で得られたシルクフィブロイン複合体の断面の走査型電子顕微鏡写真を、各々図3、4、及び5に示す。また、上記と同じ条件で、実施例14で得られたシルクフィブロイン複合体の熱可塑性樹脂支持体側から観察し、その走査型電子顕微鏡写真を図6に示す。
図3から、比較例1のシルクフィブロイン多孔質体の内部は多孔質体の構造を有するのみであるが、実施例5、14で得られたシルクフィブロイン複合体の断面の写真画像(図4及び5)によれば、熱可塑性樹脂支持体41、51とシルクフィブロイン多孔質体42、52からなるシルクフィブロイン複合体が得られていることが確認された。そして、図5より、実施例14で得られたシルクフィブロイン複合体において、穴のあいたフィルム状の熱可塑性樹脂支持体が、シルクフィブロイン多孔質体上に存在していることが確認され、また、図6により、熱可塑性樹脂支持体にあいた穴がシルクフィブロイン多孔質体まで貫通していることも確認された。
本発明のフィブロイン多孔質体は、エステティックサロンや個人での使用による化粧品・エステ分野、とりわけフェイスマスクやアイマスク等のスキンケア部材として極めて有用である。また、再生医療における細胞培養支持体(足場材料)、指、肘、膝等の人体の稼動部への貼り付けが想定される創傷被覆材や薬剤徐放担体、癒着防止剤等の医療分野の他、紙おむつや生理用品等の生活日用品分野での使用にも極めて有用である。
10 フィブロイン複合体
11 熱可塑性樹脂支持体
12 フィブロイン多孔質体
41 熱可塑性樹脂支持体
42 シルクフィブロイン多孔質体
51 熱可塑性樹脂支持体
52 シルクフィブロイン多孔質体

Claims (13)

  1. 熱可塑性樹脂支持体とフィブロイン多孔質体とを備え、該支持体と該多孔質体とが少なくとも該熱可塑性樹脂支持体を構成する熱可塑性樹脂により接合されてなり、該熱可塑樹脂支持体を構成する樹脂がポリウレタン樹脂であるフィブロイン複合体。
  2. 熱可塑性樹脂支持層を構成する熱可塑性樹脂の融点が60〜250℃である請求項1に記載のフィブロイン複合体。
  3. 熱可塑性樹脂支持体の厚さが10〜500μmである請求項1又は2に記載のフィブロイン複合体。
  4. フィブロイン多孔質体がフィブロインを含む請求項1〜3のいずれかに記載のフィブロイン複合体。
  5. フィブロイン多孔質体がグリセリンを含む請求項1〜4のいずれかに記載のフィブロイン複合体。
  6. フィブロインがシルクフィブロインである請求項1〜5のいずれかに記載のフィブロイン複合体。
  7. フェイスマスク又はアイマスクに用いられる請求項1〜6のいずれかに記載のシルクフィブロイン複合体。
  8. フィブロイン多孔質体と熱可塑性樹脂支持体とを、少なくとも該熱可塑性樹脂支持体の該フィブロイン多孔質体と接合する面を加熱し、圧着し、該熱可塑性樹脂支持体を構成する樹脂がポリウレタン樹脂であることを特徴とするフィブロイン複合体の製造方法。
  9. さらに融着防止シートを熱可塑性樹脂支持体に接するように積層し、該融着防止シートを介して該熱可塑性樹脂支持体を加熱し、圧着することを特徴とする請求項に記載のフィブロイン複合体の製造方法。
  10. 融着防止シートが、剥離紙、シリコーンシート、又はフッ素樹脂シートである請求項に記載のフィブロイン複合体の製造方法。
  11. 熱可塑性樹脂支持体を構成する熱可塑性樹脂の融点が60〜250℃である請求項8〜10のいずれかに記載のフィブロイン複合体の製造方法。
  12. 熱可塑性樹脂支持体の厚さが10〜500μmである請求項8〜11のいずれかに記載のフィブロイン複合体の製造方法。
  13. フィブロインがシルクフィブロインである請求項8〜12のいずれかに記載のフィブロイン複合体の製造方法。
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