以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図4は、本発明のファクシミリ受信制御装置、ファクシミリ装置、ファクシミリ受信制御方法及びファクシミリ受信制御プログラムの第1実施例を示す図であり、図1は、本発明のファクシミリ受信制御装置、ファクシミリ装置、ファクシミリ受信制御方法及びファクシミリ受信制御プログラムの第1実施例を適用したファクシミリ装置1の要部ブロック図である。
図1において、ファクシミリ装置1は、ファクシミリ制御部10とコントロール部20等を備えているとともに、図示しないが、スキャナ部、プリンタ部、操作表示部等を備えている。そして、ファクシミリ制御部10及びコントロール部20は、全体として、ファクシミリ制御部(ファクシミリ受信制御装置)2として機能し、ファクシミリ装置1は、ファクシミリ受信制御部2を備えたものとなっている。
スキャナ部は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )、CIS(Contact Image Sensor:密着イメージセンサ)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )等を用いたスキャナ等が用いられている。スキャナ部は、原稿の表面を主走査及び副走査して該原稿の表面の画像を読み取り、読み取った原稿の画像データを出力する。
プリンタ部は、例えば、サーマル素子を利用したサーマルプリンタ、インク吐出式プリンタ、または、電子写真式プリンタ等が使用されており、プリンタ部は、受信画情報やスキャナ部で読み取られた画情報を用紙に記録出力する。
操作表示部は、操作表示部は、テンキー、スタートキー、ファンクションキー等のファクシミリ装置1の操作に必要な各種操作キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備えている。操作表示部は、各種操作キーから入力されるコピー操作、スキャナ操作、ファクシミリ操作等の各種命令をコントロール部20へ通知し、コントロール部20からの表示情報を操作表示部のディスプレイに表示させる。
ファクシミリ制御部10は、電話回線I/F11、SiDAA12、トランス13、モデム14及びリンギング検出回路15等を備えている。
コントロール部20は、CPU21、スイッチ22、回線電圧変動検査部23及び図示しないROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えている。
電話回線I/F11は、モジュラージャック等が用いられており、PSTN等の公衆回線Lpに接続されているモジュラーケーブルCaが接続されている。また、電話回線I/F11は、SiDAA12及びリンギング検出回路15に接続されている。
SiDAA12は、主に、AD/DA変換、オフフック制御及びリンギング検出を行う。
トランス13は、SiDAA12及び電話回線I/F11等を含む1次側回路とモデム14等を含む2次側回路を架橋しており、モデム14とSiDAA12との間における信号のやりとり及び電力供給を行っている。
モデム14は、コントロール部20のCPU21からデジタル画像情報、各種プロトコル信号を変調して、トランス13を介してSiDAA12に渡す。SiDAA12は、トランス13を介して渡されたデジタル画像情報等をアナログ変換した後、電話回線I/F11、モジュラーケーブルCaを介して公衆回線Lpへ送信する。また、SiDAA12は、公衆回線Lpを介して相手ファクシミリ装置から送信されてきて電話回線I/F11が受信した、変調されているアナログ画像情報をデジタル画像情報に変換して、トランス13を介してモデム14へ渡す。モデム14は、渡された変調されたアナログ画像情報を、復調して、CPU21に渡す。
上記ファクシミリ制御部10は、全体として、電圧変動検出手段としてのリンギング検出回路15を有するファクシミリ通信手段として機能している。
CPU21は、モデム14から受け取ったデジタル画像情報に基づいて、図示しないプリンタ部の駆動を制御して、用紙に画像を形成出力する。
CPU21は、省電力モードを備えており、予め設定されている所定時間待ち時間が経過すると、各部への電源電力の供給停止や供給量削減を行う。
コントロール部20の図示しないROMは、ファクシミリ装置1としての基本プログラム、本発明のファクシミリ受信制御プログラム等のプログラム及び必要なシステムデータを記憶している。コントロール部20のCPU21は、ROM内のプログラムに基づいて、コントロール部20の図示しないRAMをワークメモリとして利用して、ファクシミリ装置1の各部を制御してファクシミリ装置1としての基本動作を実行するとともに、本発明のファクシミリ受信制御処理を実行する。
すなわち、ファクシミリ装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明のファクシミリ受信制御方法を実行するファクシミリ受信制御プログラムを読み込んでROM等に導入することで、後述するリンギングの有無を省電力モードにおいて、省電力効果を向上させた状態で、正確に判定するファクシミリ受信制御方法を実行するファクシミリ受信制御部(ファクシミリ受信制御装置)2を搭載するファクシミリ装置1として構築されている。このファクシミリ受信制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
そして、CPU21は、回線電圧変動検査部23への信号を制御することで、スイッチ22のオン/オフ(特に、オン)を制御して、電源電力Vaを電源電力Vbとしてのモデム14への供給/供給停止を行う。すなわち、スイッチ22は、オン/オフ動作して、ファクシミリ装置1の図示しない電源部から供給される電源電力Vaの電源電力Vbとしての供給/供給停止を行う。ファクシミリ装置1は、省電力モードでは、CPU21の供給電力が削減された省電力モードとなっており、この省電力モードにおいて、CPU21は、スイッチ22をオフすることで、モデム14及びSiDAA12への電源電力Vbの供給を停止した状態とする。
リンギング検出回路(電圧変動検出手段)15は、モデム14及びSiDAA12への電力供給が停止されている省電力モード時に、電話回線I/F11を介して公衆回線Lpにおける公衆電圧の電圧変動を検出する。リンギング検出回路15は、該公衆電圧が、予め設定されている設定範囲の電圧から外れると、回線電圧変動検査部23へ出力している検出信号SrをHighからLowに切り替える。また、リンギング検出回路15は、公衆電圧が設定範囲電圧内に戻ると、Lowの検出信号Srを、Highに切り替える。
回線電圧変動検査部(判定手段)23は、図2に示すように、D型フリップフロップ31、発振器32、JK型フリップフロップ33、34等のフリップフロップ回路を備えている。
発振器(クロック信号発生手段)32は、D型フリップフロップ31のクロック端子CKに接続されており、予め設定されている所定周波数の矩形波のクロック信号CKを発生して、D型フリップフロップ31のクロック端子CKへ出力する。すなわち、発振器32は、図3に示すような矩形波で所定周波数のクロック信号CKをクロック端子CKへ出力する。この発振器32の出力するクロック信号CKは、リンギング信号の検出に適した周波数のクロック信号となっている。
D型フリップフロップ31は、そのD端子にリンギング検出回路15から検出信号Srが入力される。D型フリップフロップ31は、クロック信号CKの立ち上がりタイミングにおけるD端子の検出信号SrがHighとLowのいずれであるかによって、図3に示すように、そのQ出力端子からの出力信号Saを、HighとLowに切り替える。すなわち、D型フリップフロップ31は、そのQ出力端子から発振器32からのクロック信号CKによってデジタル値に打ち直された出力信号Saを出力する。
JK型フリップフロップ33は、そのJ端子とK端子に、CPU21の制御下で、所定電圧Vcが入力され、そのクロック端子CKに、D型フリップフロップ31のQ出力端子の出力信号Saが入力される。JK型フリップフロップ33は、J端子とK端子に所定の電圧Vc(「1」)が入力されていると、図3に示すように、Q出力端子からJK型フリップフロップ34のクロック端子CKへの出力信号Sbを、今までの極性と反転させた出力信号Sbとする。
JK型フリップフロップ34は、そのJ端子とK端子に、CPU21の制御下で、所定電圧Vcが入力され、そのクロック端子CKに、JK型フリップフロップ33のQ出力端子の出力信号Sbが入力される。JK型フリップフロップ34は、J端子とK端子に所定の電圧Vc(「1」)が入力されていると、図3に示すように、Q出力端子からの出力信号Sbを、今までの極性と反転させた出力信号Scとして、スイッチ22及びCPU21へ出力する。上記D型フリップフロップ31及びJK型フリップフロップ33、34は、全体として、論理判定手段として機能している。
スイッチ22は、電源電力Vaと電源電力Vbの間に配設されており、電源電力Vaは、ファクシミリ装置1の省電力モードにおいてもファクシミリ装置1の図示しない電源部から供給されている電源電力である。電源電力Vbは、モデム14の電源電力となっており、省電力モードにおいては、スイッチ22がオフすることで、モデム14への供給が遮断される。スイッチ22は、回線電圧変動検査部23から出力信号Scが入力され、出力信号ScがLowの間は、オフ状態で、出力信号ScがHighの間は、オン状態である。スイッチ22は、オフ状態であると、電源電力Vaの電源電力Vbとしての出力を遮断し、オン状態であると、電源電力Vaを電源電力Vbとしてモデム14に出力する。
CPU21は、ROM内のプログラムに基づいて、回線電圧変動検査部23からHighの出力信号Scが入力されると、正規のリンギング信号が受信されたと判断して、省電力モードから復帰するとともに、回線電圧変動検査部23へリセット信号を出力する。回線電圧変動検査部23は、リセット信号が入力されることで、省電力モードにおいて再度リンギング信号の判定を可能な状態となる。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のファクシミリ装置1は、省電力モードにおけるリンギングの有無を、省電力効果を向上させた状態で、正確に判定する。
ファクシミリ装置1は、待機状態が所定時間経過すると、主要各部への電源電力の供給を遮断/削減する省電力モードを有しており、この省電力モードにおいては、CPU21が省電力モードに移行するとともに、スイッチ22がオフ状態となる。ファクシミリ装置1は、省電力モードにスイッチ22がオフになると、電源電力Vaの電源電力Vbとしてのモデム14への供給を遮断し、トランス13を介してSiDAA12への電力供給も遮断されて、消費電力が削減されている。
したがって、ファクシミリ装置1は、省電力モードにおいては、公衆回線Lpからのリンギンについては、電話回線I/F11を介してリンギング検出回路15が検出する。
このリンギング検出回路15は、上述のように、公衆回線Lpの公衆電圧が、予め設定されている設定電圧範囲を外れると、回線電圧変動検査部23へ出力している検出信号SrをHighからLowに切り替える。また、リンギング検出回路15は、公衆電圧が該設定電圧範囲内に戻ると、Lowの検出信号Srを、Highに切り替える。
このリンギング検出回路15の検出結果のみで、省電力モードから復帰すると、ノイズ等の影響を受けて正規のリンギング信号でない場合にも復帰することとなり、消費電力が増加する。
そこで、本実施例のファクシミリ装置1は、CPU21及びファクシミリ制御部10のモデム14、SiDAA12等を復帰させる前に、論理回路で構成されている回線電圧変動検査部23が公衆回線Lpの電圧変動が正規のリンギング信号であるか否か検査する。
すなわち、回線電圧変動検査部23は、図3に示したように、D型フリップフロップ31が、D入力端子へのリンギング検出回路15からの検出信号Srが、クロック信号CKの立ち上がりのタイミングで、Lowになると、次段のJKフリップフロップ33への出力信号SaをLowにする。また、D型フリップフロップ31は、その後、クロック信号CKの立ち上がりのタイミングで、検出信号SrがHighになると、次段のJKフリップフロップ33への出力信号SaをHighにする。さらに、JK型フリップフロップ33は、クロック端子CKへの入力信号SaがLowからHighに切り替わると、次段のJK型フリップフロップ34への出力信号Sbを、LowからHighに切り替える。次段のJK型フリップフロップ34は、出力信号Sbを遅延させた状態の出力信号Scを、スイッチ22及びCPU21へ出力する。
そして、CPU21は、図4に示すように、省電力モードにおいて、回線電圧変動検査部23からの出力信号Scの状態を判定する(ステップS101)。CPU21は、出力信号ScがHighになると(ステップS101で、YESのとき)、JK型フリップフロップ33、34のK端子への信号を一定時間Lowにして、リセットする(ステップS102)。また、スイッチ22は、回線電圧変動検査部23の出力信号ScがHighになることで、オフからオンに切り替わり(ステップS103)、電源電力Vaを電源電力Vbとしてモデム14へ供給する(ステップS104)。モデム14は、電源電力Vbが供給されると、オンして、ファクシミリ制御部10が電源供給状態となって、通常のファクシミリ受信処理を開始する(ステップS105)。
このように、本実施例のファクシミリ装置1は、公衆回線(回線)Lpからのリンギングを検出して、ファクシミリ通信を行うファクシミリ制御部(ファクシミリ通信手段)10と、前記ファクシミリ制御部10への電源電力の供給と供給遮断を行うスイッチ(電力制御手段)22と、前記スイッチ22によって前記ファクシミリ制御部10への電源電力Vbの供給が遮断されているときに、前記公衆回線Lpの電圧変動に応じて論理が変化する検出信号Srを出力するリンギング検出回路(電圧変動検出手段)15と、前記検出信号Srの論理変化に基づいて前記公衆回線Lpの電圧変動がリンギング信号であるか否かを判定し、リンギング信号であると判定すると、前記スイッチ22に前記ファクシミリ制御部10への電源電力Vbの供給を再開させる回線電圧変動検査部(判定手段)23と、を備えている。
したがって、ファクシミリ制御部10への電力供給を行うことなく、リンギング信号を回線電圧の変動に基づく論理変化を利用して検出することができ、省電力モードにおけるリンギングの有無を、省電力効果を向上させた状態で、正確に判定することができる。
また、本実施例のファクシミリ装置1は、公衆回線Lpからのリンギングを検出して、ファクシミリ通信を行うファクシミリ通信処理ステップと、前記ファクシミリ通信処理ステップへの電源電力Vbの供給と供給遮断を行う電力制御処理ステップと、前記電力制御処理ステップによって前記ファクシミリ通信処理ステップへの電源電力Vbの供給が遮断されているときに、前記公衆回線Lpの電圧変動に応じて論理が変化する検出信号Srを出力する電圧変動検出処理ステップと、前記検出信号Srの論理変化に基づいて前記公衆回線Lpの電圧変動がリンギング信号であるか否かを判定し、リンギング信号であると判定すると、前記電力制御処理ステップに前記ファクシミリ通信処理ステップへの電源電力Vbの供給を再開させる判定処理ステップと、を有しているファクシミリ受信制御方法を実行している。
したがって、ファクシミリ制御部10への電力供給を行うことなく、リンギング信号を回線電圧の変動に基づく論理変化を利用して検出することができ、省電力モードにおけるリンギングの有無を、省電力効果を向上させた状態で、正確に判定することができる。
さらに、本実施例のファクシミリ装置1は、CPU21等の制御プロセッサに、公衆回線Lpからのリンギングを検出して、ファクシミリ通信を行うファクシミリ通信処理と、前記ファクシミリ通信処理への電源電力Vbの供給と供給遮断を行う電力制御処理と、前記電力制御処理によって前記ファクシミリ通信処理への電源電力Vbの供給が遮断されているときに、前記公衆回線Lpの電圧変動に応じて論理が変化する検出信号Srを出力する電圧変動検出処理と、前記検出信号Srの論理変化に基づいて前記公衆回線Lpの電圧変動がリンギング信号であるか否かを判定し、リンギング信号であると判定すると、前記電力制御処理に前記ファクシミリ通信処理への電源電力Sbの供給を再開させる判定処理と、を実行させるファクシミリ受信制御プログラムを搭載している。
したがって、ファクシミリ制御部10への電力供給を行うことなく、リンギング信号を回線電圧の変動に基づく論理変化を利用して検出することができ、省電力モードにおけるリンギングの有無を、省電力効果を向上させた状態で、正確に判定することができる。
また、本実施例のファクシミリ装置1は、前記判定手段である回線電圧変動検査部23が、クロック信号CKを発生する発振器(クロック信号発生手段)32と、前記クロック信号CKに基づいて前記検出信号Srの論理状態(High、Low)を検出して、前記公衆回線Lpの電圧変動がリンギング信号であるか否かを判定し、前記スイッチ22の動作を制御する論理判定手段としてのD型フリップフロップ31、JK型フリップフロップ33、34と、を備えている。
したがって、簡単な回路構成で、論理変化を利用して、リンギング信号を正確に検出することができ、省電力モードにおけるリンギングの有無を、省電力効果を向上させた状態で、正確にかつ安価に判定することができる。
さらに、本実施例のファクシミリ装置1は、前記論理判定手段が、前記クロック信号CKの立ち上がりで前記検出信号Srの論理状態を検出して、前記公衆回線Lpの電圧変動がリンギング信号であるか否かを判定するフリップフロップ回路であるD型フリップフロップ31、JK型フリップフロップ33、34を備えている。
したがって、簡単な回路構成で、論理変化を利用して、リンギング信号を正確に検出することができ、省電力モードにおけるリンギングの有無を、省電力効果を向上させた状態で、正確にかつ安価に判定することができる。
図5〜図7は、本発明のファクシミリ受信制御装置、ファクシミリ装置、ファクシミリ受信制御方法及びファクシミリ受信制御プログラムの第2実施例を示す図であり、図5は、本発明のファクシミリ受信制御装置、ファクシミリ装置、ファクシミリ受信制御方法及びファクシミリ受信制御プログラムの第2実施例を適用したファクシミリ装置の回路電圧変動検査部の回路図である。
なお、本実施例は、上記第1実施例のファクシミリ装置1と同様のファクシミリ装置に適用したものであり、本実施例の説明において、第1実施例と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を簡略化または省略する。さらに、本実施例の説明において、図示しない部分についても、必要に応じて、第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
図5において、回線電圧変動検査部40は、ファクシミリ装置1のコントロール部20に配設されている。回線電圧変動検査部40は、VCO( Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)41を備えているとともに、上記D型フリップフロップ31、JK型フリップフロップ33、34等を備えている。
VCO(クロック信号発生手段)41は、CPU(周波数設定手段)21から制御信号(制御電圧)が入力され、制御信号に応じた周波数のクロック信号CKをD型フリップフロップ31のクロック端子CKへ出力する。このVCO41への制御信号は、ファクシミリ装置1の出荷時等において、ファクシミリ装置1の設置国や地域等のリンギング信号の周期に応じて、予め設定されている。
D型フリップフロップ31は、第1実施例と同様であり、クロック信号CKの立ち上がりタイミングにおけるD端子の検出信号SrがHighとLowのいずれであるかによって、そのQ出力端子からの出力信号Saを、HighとLowに切り替える。
JK型フリップフロップ33及びJK型フリップフロップ34は、上記同様に、分周回路として機能して、D型フリップフロップ31の出力信号Saを遅延させた状態の出力信号Sb、Scを出力して、出力信号Scをスイッチ22及びCPU21へ出力する。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のファクシミリ装置1は、CPU21からVCO41への制御信号を調整することで、D型フリップフロップ31のクロック信号CKの周波数を変更する。
すなわち、ファクシミリ装置1の設置される国、地域等によってリンギング信号の周波数が異なっていることがあり、このような場合に、設置環境のリンギング信号の周波数に合わせて、クロック信号CKの周波数を、該リンギング信号を適切に検出可能な周波数に設定する。
例えば、図6に示すように、クロック信号CKの周波数が、公衆回線Lpの公衆電圧の変化周期であるリンギング検出回路15からの検出信号Srの周期に対して低いと、適切にリンギングを検出することができない事態が発生する。図6は、北米等のリンギング信号の周波数が高い国、地域等にファクシミリ装置1が設置された場合が示されている。この場合、クロック信号CKの全ての立ち上がりタイミングおいて、検出信号SrがHighの状態であり、その結果、D型フリップフロップ31の出力信号Sa及びJK型フリップフロップ33、34の出力信号Sb、ScがLowのままとなる。その結果、リンギング信号を検出することができないこととなる。
そこで、本実施例のファクシミリ装置1は、CPU21がVCO41への制御信号を制御して、VCO41がD型フリップフロップ31へのクロック信号CKの周波数を、ファクシミリ装置1の設置環境のリンギング信号の周波数に適した周波数に調整する。
すなわち、例えば、図6のようにリンギング信号の周波数が高い場合には、CPU21は、制御信号を調整して、VCO41の出力するクロック信号CKの周波数を、図7に示すように、リンギング信号の周波数に合わせて高くする。このように、リンギング信号の周波数に合わせてクロック信号CKの周波数を高くすると、図7に示すように、クロック信号CKの立ち上がりタイミングで、リンギング検出回路15からの検出信号SrがLowの状態となって、回線電圧変動検査部40は、リンギング信号を検出することができる。
このように、本実施例のファクシミリ装置1は、発信周波数を指定する制御信号(周波数指定信号)を出力するCPU(周波数設定手段)21を、さらに備え、前記発振手段としてのVCO41が、前記制御信号に応じた発振周波数の前記クロック信号CKを発生する。
したがって、国、地域等によって周波数の異なるリンギング信号を、省電力モードにおいても、省電力効果を向上させた状態で、正確に検出することができる。
図8〜図11は、本発明のファクシミリ受信制御装置、ファクシミリ装置、ファクシミリ受信制御方法及びファクシミリ受信制御プログラムの第3実施例を示す図であり、図8は、本発明のファクシミリ受信制御装置、ファクシミリ装置、ファクシミリ受信制御方法及びファクシミリ受信制御プログラムの第3実施例を適用したファクシミリ装置50の要部ブロック図である。
なお、本実施例は、上記第1実施例のファクシミリ装置1及び第2実施例のファクシミリ装置と同様のファクシミリ装置50に適用したものであり、本実施例の説明において、第1実施例及び第2実施例と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を簡略化または省略する。
図8において、ファクシミリ装置50は、ファクシミリ制御部10とコントロール部20及びOPU(Opelation Unit)51等を備えているとともに、図示しないが、スキャナ部、プリンタ部、操作表示部等を備えている。ファクシミリ制御部10、コントロール部20及びOPU51は、全体として、ファクシミリ制御部(ファクシミリ受信制御装置)52として機能している。
ファクシミリ制御部10は、第1実施例と同様の電話回線I/F11、SiDAA12、トランス13、モデム14及びリンギング検出回路15等を備えている。コントロール部20は、第2実施例と同様のCPU21、スイッチ22、回線電圧変動検査部40及び図示しないROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えている。
OPU(操作手段)51は、テンキーやスタートキー等の各種操作キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備えている。OPU51は、操作キーから、送信操作等のファクシミリ装置50の各種動作を指示する各種命令が入力され、ディスプレイに、操作キーから入力された命令内容やファクシミリ装置1からオペレータに通知する各種情報を表示する。OPU51は、特に、後述するファクシミリ受信制御処理におけるクロックCKの周波数設定操作を行うのに使用される。
CPU(周波数設定手段)21は、OPU51からクロック周波数設定操作が行われると、該設定内容に応じて、回線電圧変動検査部40のVCO41への制御信号(制御電圧)を調整する。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のファクシミリ装置50は、ユーザがファクシミリ装置50の設置環境に応じて、回線電圧変動検査部40のクロック周波数を調整する。
すなわち、ファクシミリ装置50は、省電力モードにおいて、リンギング検出回路15が、上述のように、公衆回線Lpの公衆電圧を予め設定されている設定電圧と比較して、公衆電圧が設定電圧範囲から外れると、検出信号SrをHighからLowに切り替える。そして、回線電圧変動検査部40は、リンギング検出回路15からの検出信号Srの変化をクロック信号CKに基づいて正規のリンギング信号であるか否かの検査を行う。
ところが、リンギング信号は、国、地域等によって周波数が異なるだけでなく、電話局との距離等によって電圧値が変化する。
例えば、図9に示すように、ファクシミリ装置50の設置環境が電話局から遠く、回線電圧の変化が小さい場合には、リンギング検出回路15の検出信号Srは、回線電圧が設定電圧範囲を外れている期間が短いため、Lowとなる期間が短くなる。
その結果、回線電圧変動検査部40は、図10に示すように、クロック信号CKの周波数が、リンギング検出回路15の出力する検出信号SrのLowの信号幅に対して、大きいと、適切にリンギングを検出することができない事態が発生する。この場合、クロック信号CKの全ての立ち上がりタイミングおいて、検出信号SrがHighの状態であり、その結果、D型フリップフロップ31の出力信号Sa及びJK型フリップフロップ33、34の出力信号Sb、ScがLowのままとなる。その結果、リンギング信号を検出することができないこととなる。
そこで、本実施例のファクシミリ装置50は、ユーザがOPU51を操作して、回線電圧変動検査部40のVCO41へCPU21が出力する制御信号を調整して、VCO41がD型フリップフロップ31へ出力するクロック信号CKの周波数を調整する。例えば、図10の場合、OPU51でクロック信号CKの周波数が小さくなるようにユーザが設定操作し、CPU21が該設定値に応じた制御信号をVCO41へ出力させる。
すなわち、図11に示すように、VCO41への制御信号を、クロック信号CKの周波数が小さくなるように調整すると、Lowの幅の短い検出信号SrのLow状態を、クロック信号CKの立ち上がりタイミングにおいて、適切に検出することができる。
このように、本実施例のファクシミリ装置50は、前記周波数を設定操作するOPU(操作手段)51を、さらに備え、前記周波数設定手段としてのCPU21が、前記OPU51で設定操作された前記周波数を発振周波数として指定する制御信号(周波数指定信号)を回線電圧変動検査部40のVCO41へ出力する。
したがって、ファクシミリ装置40の設置環境に応じた周波数のクロック信号CKに基づいて、正規のリンギング信号であるか否かを判定することができ、省電力モードにおいても、省電力効果を向上させた状態で、より一層正確に検出することができる。
図12〜図15は、本発明のファクシミリ受信制御装置、ファクシミリ装置、ファクシミリ受信制御方法及びファクシミリ受信制御プログラムの第4実施例を示す図であり、図12は、本発明のファクシミリ受信制御装置、ファクシミリ装置、ファクシミリ受信制御方法及びファクシミリ受信制御プログラムの第4実施例を適用したファクシミリ装置60の要部ブロック図である。
なお、本実施例は、上記第1実施例のファクシミリ装置1と同様のファクシミリ装置60に適用したものであり、本実施例の説明において、第1実施例と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を簡略化または省略する。
図12において、ファクシミリ装置60は、ファクシミリ制御部70とコントロール部20等を備えているとともに、図示しないが、スキャナ部、プリンタ部、操作表示部等を備えている。そして、ファクシミリ制御部70及びコントロール部20は、全体として、ファクシミリ受信制御部(ファクシミリ受信制御装置)61として機能している。
ファクシミリ制御部70は、上記同様の電話回線I/F11、SiDAA12、トランス13、モデム14及びリンギング検出回路15を備えているとともに、オフフック検出回路71及び外部電話I/F72等を備えている。
外部電話I/F72は、モジュラージャック等で構成され、外部電話機が接続される。
オフフック検出回路(オフフック検出手段)71は、例えば、図13に示すように回路構成されており、双方向フォトカプラPC、抵抗R1、R2、R3等を備えている。オフフック検出回路71は、外部電話I/F72への出力端子TN1、電話回線I/F11からの入力端子TN2、リンギング検出回路15への出力端子TN3及びCPU21への出力端子TN4を備えている。
オフフック検出回路71は、外部電話I/F72への出力端子TN1を介して、外部電話I/F72に接続されている外部電話機がオンフックのときには、フォトカプラPCがオフしており、抵抗R3を介して電源電圧Vccによって、出力端子TN4の電圧がHighになる。また、オフフック検出回路71は、外部電話機がオフフックされると、フォトカプラPCがオンして、CPU21への出力端子TN4の電圧が、HighからLowに切り替わる。
CPU21は、このオフフック検出回路71の出力端子TNからの電圧に基づいて、電力制御手段としてのスイッチ22のオン/オフを制御する。したがって、CPU21は、オフフック制御手段として機能している。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のファクシミリ装置60は、外部電話のオフフックを検出すると、モデム14側への電源供給を停止することで、消費電力の低減を行う。
すなわち、ファクシミリ装置60は、省電力モードにおいて、図14に示すように、CPU21が、回線電圧変動検査部23からの出力信号Scの状態を判定する(ステップS201)。CPU21は、出力信号ScがHighになると(ステップS201で、YESのとき)、JK型フリップフロップ33、34のK端子への信号を一定時間Lowにして、リセットする(ステップS202)。また、スイッチ22は、回線電圧変動検査部23の出力信号ScがHighになることで、オフからオンに切り替わり(ステップS203)、電源電力Vaを電源電力Vbとしてモデム14へ供給する(ステップS204)。モデム14は、電源電力Vbが供給されると、オンして、ファクシミリ制御部10が電源供給状態となって、通常のプログラム受信処理を開始する(ステップS205)。
そして、ファクシミリ装置60は、通常電力モードにおいて、図15に示すように、CPU21が、オフフック制御処理を行う。すなわち、CPU21は、オフフック検出回路71の出力端子TN4の出力電圧がHighからLowに切り替わったかを検出することで、外部電話機がオフフックされたかチェックする(ステップS301)。
ステップS301で、オフフックでないとき(ステップS301で、NOのとき)、CPU21は、待機状態等の通常電力モードを継続して、所定タイミング毎に、オフフック検出を行う(ステップS301)。
ステップS301で、オフフックであると(ステップS301で、YESのとき)、CPU21は、スイッチ22をオフし、モデム14及びSiDAA12への電源電力Vbの供給を遮断し(ステップS302)、図13の省電力モードへ移行する。
このように、本実施例のファクシミリ装置60は、前記公衆回線Lpに、前記ファクシミリ制御部(ファクシミリ通信手段)70に対して並列に接続されている電話機のオフフックの有無を検出するオフフック検出回路(オフフック検出手段)71と、前記電力制御手段としてのスイッチ22によって前記ファクシミリ制御部70への電源電力Vbが供給されている状態で、前記オフフック検出回路71が前記オフフックを検出すると、該スイッチ22に該ファクシミリ制御部70への該電源電力Vbの供給を遮断させるCPU(オフフック制御手段)21と、を備えている。
したがって、外部電話機がオフフックされたときに、使用されないファクシミリ制御部70への電源電力Vbの供給を停止することができ、消費電力を削減することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。