JP6317511B1 - X線トモシンセシス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】工数を過度に増加させることなく、高吸収体の領域を精度よく抽出することが可能なX線トモシンセシス装置を提供する。【解決手段】複数の前記投影角度ごとの前記測定投影データに含まれるX線の高吸収体の領域をそれぞれ抽出し、この領域の測定投影データ値を変換処理した後、トモシンセシス画像を生成する。高吸収体処理部は、投影角度ごとの測定投影データ上にそれぞれ設定された開始点を用いて、投影角ごとの測定投影データについてそれぞれ領域の抽出を行う。このとき、1つの投影角度の測定投影データに設定された開始点に基づいて、他の投影角度の測定投影データに開始点を設定することにより、操作者が投影角度ごとに開始点を設定する必要がない。【選択図】図4

Description

本発明は、X線トモシンセシス装置に係り、特にトモシンセシス画像の高吸収体から発生するアーチファクト成分を低減する信号処理ならびに再構成技術に関する。
X線トモシンセシス装置は、被写体を多方向から撮影して得た測定投影データから被写体内の各点のX線吸収係数を算出し、X線吸収係数分布画像を得る装置である。通常、X線吸収係数は、空気と水で規格化したHounsfield Unit値(空気を−1000、水を0)に置き換えて診断に利用される。
X線トモシンセシス装置は、体軸方向と体の左右方向とを含む冠状面(Coronal面)に平行な複数の面について被写体の断層面を生成することができる。医療現場において、トモシンセシス画像の利用は、異なる位置の断層面をもとに即時に患者の病状を診断できるため、臨床上有用である。しかし、X線トモシンセシス装置は、撮影する投影角度範囲が20度から40度と小さいため、最低180度の投影角度範囲について撮影するX線CT装置と比較して、金属等のX線吸収係数の大きな高吸収体境界部のアーチファクト、および被写体が位置する断層面との隣接面に残像が発生する課題がある。本明細書では、これらを「高吸収体アーチファクト」と呼ぶ。高吸収体アーチファクトは、臨床上診断能を低下させる原因となる。
高吸収体アーチファクトの発生理由を詳細に説明する。X線トモシンセシス装置は、トモシンセシス画像を取得するために公知のFeldkamp法等のFiltered Back Projection(以下、FBPと呼ぶ)法をベースとする解析的な再構成法を用いる。このFBP法では、例えばX線吸収係数の大きな物質からなる微小球体等のように周辺組織との境界で測定投影データの急峻な立ち上がりや立下りを生じさせる被写体について、逆投影演算時にその形状および吸収値を復元できるようするため、測定投影データに高周波強調の再構成フィルタを適用する。再構成フィルタは、最低180度の撮影角度範囲で収集した測定投影データに対して逆投影演算を行った場合に再構成画像上で高周波情報が相殺されるように設計されている。そのため、X線トモシンセシス装置のように撮影角度範囲が小さい場合、高吸収体のように周辺組織との測定投影データ値の差が急峻になる被写体の形状や吸収値を完全に復元できず、FBP法により強調された高周波成分によりアーチファクトが発生する。
このアーチファクトを低減するため、周辺組織の吸収値を用いて高吸収体領域の値を置換し周辺組織との差を小さくする方法や、測定投影データから高吸収体を分別する方法が提案されている。
特許文献1には、トモシンセシス撮影により取得された投影データから放射線の高吸収体領域を抽出し、抽出した高吸収体領域の大きさおよび/または形状の特徴量を算出する技術が開示されている。この技術は、算出した特徴量に基づいて、投影データにおける高吸収体領域の画素を補間する際の補間方法を決定する。決定した補間方法を用いて、投影データの高吸収体領域の補間を行う。高吸収体領域の抽出方法として、二値化処理やグラフカット処理を用いることが開示されている。
特開2016−112248号公報
特許文献1の技術は、抽出した高吸収体領域の大きさおよび/または形状の特徴量を算出し、投影データにおける高吸収体領域の画素を補間する際の補間方法を決定する。このため、高吸収体領域を精度よく抽出することが、アーチファクトが低減された画像を得るために重要である。
トモシンセシス画像のように1枚の画像における画素値の変化幅が大きい医用画像は、二値化処理のような閾値処理では領域の抽出が困難な場合もある。そのため、高吸収体領域を精度よく抽出するため、公知の領域拡張法等のように、領域抽出を開始する点や領域に基づいて、領域を拡張(または縮小)していくことにより領域を抽出する方法を用いることが考えられる。例えば、領域拡張法は、開始点の近傍の画素の画素値が所定の条件を満たす場合には、その領域に加えることにより領域を順次拡張していく手法である。このため、これらの領域抽出方法を用いるためには、領域抽出を開始する点や領域を設定する必要がある。トモシンセシス撮影により取得される投影角度ごとの測定投影データは少なくとも20以上あり、領域拡張法等をそれぞれ実施するためには、測定投影データごとに開始点や開始領域を設定する必要があり、開始点や開始領域の設定に要する工数の増加が問題となる。開始点や開始領域の設定を操作者が行う構成とした場合には、操作者の負荷となる。
本発明は、工数を過度に増加させることなく、高吸収体の領域を精度よく抽出することが可能なX線トモシンセシス装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のX線トモシンセシス装置は、被写体にX線を照射するX線発生部、被写体を透過後のX線を検出して2次元の測定投影データを得るX線検出部、X線発生部及びX線検出部の少なくとも一方を被写体に対して相対的に移動させ、異なる複数の投影角度から被写体にX線照射させる機構部を有する撮像部と、複数の前記投影角度ごとの前記測定投影データに含まれるX線の高吸収体の領域をそれぞれ抽出し、前記領域の測定投影データ値を変換処理する高吸収体処理部と、前記高吸収体処理部が処理した後の複数の前記測定投影データに基づいてトモシンセシス画像を再構成する画像再構成部と、を備える。高吸収体処理部は、投影角度ごとの測定投影データ上にそれぞれ設定された開始点を用いて、投影角度ごとの測定投影データについてそれぞれ領域の抽出を行う。高吸収体処理部は、1つの投影角度の測定投影データに設定された開始点に基づいて、他の投影角度の測定投影データに開始点を設定する。
本発明によれば、工数を過度に増加させることなく、高吸収体の領域を精度よく抽出することができるX線トモシンセシス装置を提供できる。
実施例1における、X線トモシンセシス装置各部のハードウェアの構成を説明するブロック図である。 実施例1における、X線トモシンセシス装置の機能ブロック図である。 実施例1における、撮影条件受付画面を説明するための図である。 実施例1における、(a)高吸収体処理部の機能を説明する機能ブロック図、(b)3次元微分処理部の処理結果を示す説明図、(c)3次元領域拡張部163の処理結果を示す説明図、(d)2次元微分処理部164の処理結果と開始点43を示す説明図、(e)2次元領域拡張部の処理結果を示す説明図。 実施例1における、高吸収体処理部の計算手順を説明するためのフローチャート図である。 実施例1における、X線トモシンセシス装置の処理した投影データとトモシンセシス画像を説明するための図である。 実施例1における、図6と異なる処理した投影データとトモシンセシス画像を説明するための図である。 実施例1における、図6および図7とは異なる処理を行った投影データとトモシンセシス画像を説明するための図である。 実施例1における、球状の水の内部に高吸収体を模擬したファントムシミュレーションを説明するための図である。 実施例1における、ファントムから測定投影データを作成した結果を説明するための図である。 実施例1における、金属アーチファクト補正無または有のFBP法の結果を説明するための図である。 実施例2における、高吸収体処理部の機能を説明する機能ブロック図である。 (a)および(b)実施例2における、補間処理を実施し、連結有の測定投影データ作成を説明するための図である。 実施例3における、高吸収体処理部の機能を説明する機能ブロック図である。 (a)および(b)実施例3における、パターン認識処理を実施し、連結有の測定投影データを作成することを説明するための図である。 実施例4における、高吸収体処理部の機能を説明する機能ブロック図である。 (a)は実施例4における、物質探索用パラメータの最適化を説明するための図であり、(b)から(d)は実施例4における吸収体の抽出結果が不適切である例を説明するための図である。 実施例5における、高吸収体処理部の機能を説明する機能ブロック図である。 (a)および(b)は、実施例5における、Log変換前後の測定投影データを説明するための図である。 実施例7における、画像再構成部の機能を説明する機能ブロック図である。 実施例7における、画像再構成部の計算手順を説明するためのフローチャート図である。
以下、図面に従い、本発明の各種の実施例について順次説明する。
図1に、実施例1に係るX線トモシンセシス装置のハードウェア構成を示す図を、図2に実施例1に係るX線トモシンセシス装置の機能を示す機能ブロック図を示す。本実施例は、図2に示すように、撮像部102と、高吸収体処理部136と、画像再構成部137とを少なくとも備えている。撮像部102は、図1に示すように、被写体3にX線を照射するX線発生部1、被写体3を透過後のX線を検出して2次元の測定投影データを得るX線検出部2、X線発生部及びX線検出部の少なくとも一方を被写体3に対して相対的に移動させ、異なる複数の投影角度から被写体3にX線照射させる機構部を有する。高吸収体処理部136は、複数の投影角度ごとの測定投影データに含まれるX線の高吸収体の領域をそれぞれ抽出し、領域の測定投影データ値を変換処理する。画像再構成部137は、高吸収体処理部136が処理した後の複数の測定投影データに基づいてトモシンセシス画像を再構成する。
ここで、高吸収体処理部136は、投影角度ごとの測定投影データ405(後述の図6参照)上にそれぞれ設定された開始点を用いて、投影角度ごとの測定投影データ405についてそれぞれ高吸収体の領域404の抽出を行う。
高吸収体処理部136は、1つの投影角度の測定投影データ405に設定された開始点に基づいて、他の投影角度の測定投影データに対して開始点を設定する。
このように本実施形態においては、高吸収体処理部136が、一つの投影角度の測定投影データ405に設定された開始点に基づいて、他の投影角度の測定投影データに対して開始点を設定するため、操作者は一つの開始点を設定するだけでよく、操作者の工数を増加させることなく高吸収体の領域を開始点に基づいて抽出することができる。
なお、ここでいう開始点とは、領域抽出を開始する点、または、領域抽出を開始する領域(形状)に含まれる点を言う。高吸収体処理部136は、この開始点または開始点を含む領域(形状)を拡張(または縮小)していくことにより領域を抽出する方法を用いて、高吸収体領域を抽出する。
例えば、高吸収体処理部136は、後述する図4(a)にさらに詳しい構成を示すが、3次元物質探索部151を備える構成とする。3次元物質探索部151は、図4(b)に示すように、2次元(x、y)の測定投影データを投影角度方向(θ=z)に並べた3次元(x、y、z)の測定投影データ3次元微分する。そして、3次元物質探索部151は、予め1つの投影角度の測定投影データに設定された開始点41に対して、隣接するデータが所定の条件を満たすかどうかを微分値により判断する。微分値が所定の条件を満たす場合は、3次元物質探索部151は、開始点41から隣接するデータの方向に高吸収体領域を順次広げる。3次元物質探索部151は、この処理を3次元方向に行うことにより、3次元の高吸収体領域を抽出する(領域拡張法、図4(c)参照)。抽出した3次元の高吸収体領域が、他の投影角度の2次元の測定投影データにおいて占める範囲(図4(d)参照)内の1以上の点を、3次元物質探索部151は、その投影角度の2次元の測定投影データにおける開始点として設定する。
また、高吸収体処理部136は、後述する図4(d)及び図4(e)に示す2次元物質探索部152をさらに備えていてもよい。2次元物質探索部152は、2次元の測定投影データ2次元微分する(図4(d))。2次元物質探索部152は、3次元物質探索部が設定した開始点に対して、隣接するデータが所定の条件を満たすかどうかを2次元微分値により判断し、微分値が所定の条件を満たす場合は開始点から隣接するデータの方向に高吸収体領域を広げることにより、高吸収体領域を抽出する(領域拡張法、図4(e))。
また、高吸収体処理部136は、抽出領域変換部153を備える。抽出領域変換部153は、周辺領域の値を用いることなく、高吸収体領域404の測定投影データ値を高吸収体よりもX線吸収率が低い場合の測定投影データ値に変換処理する(図6参照)。
そして、画像再構成部137が変換処理後の測定投影データを用いて画像再構成を行うことにより、FBP法を用いた場合であっても、X線吸収率が低い場合の測定投影データ値に変換処理されているため、FBP法により高周波成分が強調され過ぎるのを防止でき、高吸収体アーチファクトを抑制することができる。
本実施例において、アーチファクトの低減量は、例えば、下式(1)に示すように、FBP法を用いて再構成したトモシンセシス画像(以下、補正無FBP画像とする)のアーチファクト量を基準として、高吸収体の領域の測定投影データ値を変換後に再構成したトモシンセシス画像(以下、補正有FBP画像とする)のアーチファクト量が低減した割合を百分率で示すことにより、数値として評価することができる。
Figure 0006317511
なお、本実施例のX線トモシンセシス装置において、被写体とは撮影対象を意味し、被検体3と、被検体3を支える寝台4とを包含する。なお、被検体3は、人体に限らず、ファントムや機械等の検査対象の物体であってもよい。
以下、図面を参照して、実施例1のX線トモシンセシス装置についてさらに具体的に説明する。図1は、実施例1のX線トモシンセシス装置のハードウェア構成を示す図である。このX線トモシンセシス装置は、後述するように、画像生成部103の補正処理部135、高吸収体処理部136、画像再構成部137の機能をソフトウェアにより実現する。図2は、各種のソフトウェア等で実現されるX線トモシンセシス装置の機能ブロック図である。
先に概説したように、本実施例のX線トモシンセシス装置は、X線照射条件等の撮影条件や画像再構成の条件を入力する入力部101と、撮影の制御やX線の照射および検出を行い、測定投影データを出力する撮影部102と、検出した信号である測定投影データに対して補正処理、高吸収体処理や画像再構成を行い、画像を出力する画像生成部103とを備えて構成される。なお、入力部101および画像生成部103は、撮影部102を備える本体装置と必ずしも一体に構成する必要はなく、撮影部102とは離れた場所に配置し、ネットワークを介して接続してもよい。その場合、画像生成部103は、測定投影データを処理する処理装置として、独立した存在であるとすることができる。
入力部101は汎用のコンピュータが備えるハードウェア構成を有し、入出力部であるキーボード111やマウス112、記憶部であるメモリ113や、HDD装置115、処理部である中央処理装置114等を備えている。また、画像生成部103は、データ収集システム(Data Acquisition System、以下、DAS)118、記憶部であるメモリ119、処理部である中央処理装置120、記憶部であるHDD装置121、表示部であるモニタ122等を備えている。入力部101と画像生成部103は、独立したハードウェアとしても良いし、これらのハードウェアを共用した構成としても良い。
図2に示すように、入力部101は、撮影条件を入力する撮影条件入力部131として機能する。撮影部102は、撮影条件入力部131で入力された撮影条件に基づき撮影を制御する撮影制御部132と、X線の照射および検出を行う撮影稼動部133として機能する。画像生成部103は、検出したX線信号をディジタル信号に変換する信号収集部134、ディジタル信号に対して補正する補正処理部135、補正した投影データに対して高吸収体の投影データ値を変換処理する高吸収体処理部136、投影データに対して画像再構成する画像再構成部137、および、再構成したトモシンセシス画像を出力する画像表示部138として機能する。もちろん、AD変換を行う信号収集部134は、撮影部102に設置し、撮影部102は、ディジタル信号としての測定投影データを出力することも可能であり、ネットワークを介して画像生成部103を接続する場合には、その様に構成すると好適である。
図1に示すように、入力部101は、撮影条件の入力等を行うために、キーボード111およびマウス112を備える。また、図示していないが、ペンタブレットやタッチパネル等の他の入力手段を備えていてもよい。さらに、入力部101は、中央処理装置(CPU;Central Processing Unit)114と、メモリ113やHDD(Hard Disk Drive)装置115等の記憶部と、図示を省略したモニタとを備えている。各構成要素はデータバス101aによって接続されている。
キーボード111等により入力されたデータは、処理部であるCPU114に受け渡される。CPU114は、メモリ113、HDD装置115等に予め格納されている所定のプログラムを展開・起動することにより、図2の撮影条件入力部131として機能する。また、CPU114は、別のプログラムを展開・起動することにより、撮影部102に制御信号を送り、図2の撮影制御部132の一部としても機能する。
図1の撮影部102のX線発生部からなるX線発生部1とX線検出部2は、一般的なX線トモシンセシス装置と同様、被検体3へのX線の照射および検出を実現する。X線発生部1のX線発生点とX線検出部2のX線入力面との距離の代表例は1200[mm]である。ここではX線発生部1が被写体3およびX線検出部2に対して移動する構成である。トモシンセシス撮影を行う際のX線発生部1のX線検出部2に対する角度を、投影角度と呼ぶ。X線発生部1とX線検出部2が正対する位置を0度とすると、投影角度の範囲の代表例は±20度である。1回のトモシンセシス撮影において撮影部102が撮影する投影枚数の代表例は60である。この場合、X線発生部1が0.67度分移動する毎に1回の撮影が行われる。投影角度±20度の範囲でのトモシンセシス撮影に要する時間の代表例は10.0[s]である。X線検出部2は、シンチレータ及びフォトダイオード等から構成される公知のX線検出素子を含み、複数の検出素子が、寝台4と平行な面内で2次元方向に配列されている。
例えば、X線検出部2内に2次元に配列されたX方向およびY方向のX線検出素子の数は、2000×2000個である。各X線検出素子のサイズの代表例は0.2[mm]である。なお、各仕様は、上記の値に限定されるものはなく、X線トモシンセシス装置の構成に応じて種々変更可能である。
画像生成部103は、DAS118、CPU120で構成される処理部、メモリ119やHDD装置121等の記憶部、モニタ122を備えて構成される。これらはデータバス103aによって接続される。DAS118は、図2の信号収集部134として機能する。
処理部であるCPU120は、メモリ119、HDD装置121等に予め格納されている所定のプログラムを展開・起動することにより、図2の補正処理部135、高吸収体処理部136および画像再構成部137の機能をソフトウェアにより実現する。なお、本実施形態は、少なくとも高吸収体処理部136の一部または全部をハードウェアによって実現することも可能である。例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなカスタムICや、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラマブルICを用いて高吸収体処理部136を構成し、高吸収体処理部136の動作を実現するように回路設計を行えばよい。
モニタ122は、画像表示部138として機能する。
撮影部102のX線検出部2で検出された信号は、信号収集部134として機能するDAS118によって収集されて、ディジタル信号に変換され、CPU120に受け渡される。CPU120は、補正を行い、FBP処理を用いて画像再構成を行う。また、HDD装置121等にデータは保存され、必要に応じて、データは外部へ入出力される。画像再構成したトモシンセシス画像は、画像表示部138として機能する液晶ディスプレイやCRT等のモニタ122に表示される。上述のようにCPU120やメモリ121やモニタ122等は入力部101と共用できる。
次に、実施例1のX線トモシンセシス装置の撮影動作の流れを図2の機能ブロック図を中心に、図1のハードウェア構成および図3の画面例を用いて説明する。図3は、撮影条件入力部131のモニタ122に表示される撮影条件受付画面141の一例を示す図である。
図2の撮影条件入力部131は、図3の撮影条件受付画面141をモニタ122に表示し、操作者の入力を受け付ける。図3の撮影条件受付画面141は、照射するX線のエネルギー及び出力量に対応する管電圧、管電流時間積、および、1回のトモシンセシス撮影における投影枚数を操作者が設定するためのX線条件設定用領域142と、再構成画像の範囲を操作者が設定するための再構成範囲設定用領域143と、所望する高吸収体条件を操作者が選択する高吸収体設定用領域144と、撮影部位を操作者が設定するための撮影部位設定用領域145と、高吸収体の抽出方法を操作者が選択するための抽出方法設定用領域146を含む。
操作者は、撮影条件受付画面141を見ながら、マウス112やキーボード111等を操作して、X線条件をX線条件設定用領域142に、再構成範囲を再構成範囲設定用領域143に、所望する高吸収体条件を高吸収体設定用領域144に、撮影部位を撮影部位設定用領域145に、高吸収体の抽出方法を抽出方法設定用領域146にそれぞれ設定する。以下、本発明に係る撮影条件、再構成条件の設定について、図3を用い、さらに詳しく説明する。
図3では一例として、操作者によってX線条件設定用領域142に、管電圧値80[kV]、管電流時間積20[mAs]、投影枚数60が設定されている例を示している。なお、図3では、1種類のエネルギースペクトルを有するX線を用いる例について示しているが、2種類以上のX線を用いるマルチエネルギー撮影の場合には、操作者は、管電圧、管電流時間積、及び撮影回数の項目をX線条件設定用領域142に追加し、X線の種類ごとに同様に設定する。
また、図3の再構成範囲設定用領域143において、操作者は、画像再構成を行う領域である再構成範囲(Field of View、以下、FOVとする)を設定する。図3の再構成範囲設定用領域143は、操作者がFOVの大きさと中心位置を設定することにより再構成範囲を設定する構成である。本実施例では一例として、FOVを正方形で定義する。図3の例では、FOVは一辺300[mm]が設定され、FOVの中心位置は、X線発生部1の移動を円軌道と仮定したときの回転中心に等しい、X=Y=Z=0[mm]に設定されている。ただし、FOVは、正方形に限ることはなく、円形、長方形、立方体、直方体、球等の任意の形状に設定することも可能である。この場合も本実施例の構成を適用できる。
図3の高吸収体設定用領域144において、操作者は、領域抽出の開始点41を設定する。設定方法としては、操作者が測定投影データ値の閾値を入力し、入力された閾値以下の測定投影データの点を開始点41として設定する方法と、取得した測定投影データ上147の高吸収体の領域内の点を操作者がポインタ148を選択する方法と、高吸収体の情報を操作者が選択する方法が図3の例では用意されている。
図3の例では、具体的には、測定投影データ値の閾値として100以下が操作者によって設定されている。よって、この閾値100以下の測定投影データを示す点が開始点41として設定される。
また、図3の撮影部位設定用領域145では、撮像部位として、X線照射対象(頭部、胸部、肺野等の部位や組織)を操作者が選択する。図3の例では、頭部が選択されている。
本実施形態において、高吸収体の領域を抽出する方法としては、領域抽出を開始する点や領域から領域を拡張(または縮小)していくことにより領域を抽出する方法であればどのような方法を用いてもよい。上述した開始点から領域を拡張する領域拡張法の他、初期形状に基づいて領域を抽出するスネークス法や、初期値に基づいて領域を抽出するレベルセット法や、初期シード(seed)に基づいて領域を抽出するグラフカット法を用いることができる。図3の抽出方法設定用領域146では、公知の画像処理技術である領域拡張法、スネークス法、レベルセット法、グラフカット法等から領域の設定方法を操作者は選択する。なお、領域抽出法として、スネークス法のように、開始点ではなく開始領域(開始形状)から領域抽出を行う方法が選択された場合には、撮影条件入力部131は、上述の図3の高吸収体設定用領域144において、開始領域(開始形状)の入力を操作者から受け付けてもよい。また、撮像条件入力部131は、高吸収体設定用領域144において開始点41の設定を操作者から受け付け、開始点41を含むように所定形状の開始領域(開始形状)を設定してもよい。
なお、撮影条件受付画面141は、図3の画面構成に限定されるものではない。また、撮影条件受付画面141で設定を受け付けるX線条件、再構成範囲、高吸収体設定条件、撮影部位の設定条件、および抽出方法をHDD装置115に予め保存しておき、撮影条件入力部131がHDD装置115から設定条件等を読み出す構成にすることも可能である。この場合、毎回操作者が、X線条件等を入力する必要はない。また、上記設定条件の組み合わせを予め複数種類保存しておき、操作者が複数種類の中から選択する構成にすることも可能である。
次に、図2の撮影部102は、撮影条件入力部131が操作者から受け付けた撮影条件に応じたトモシンセシス撮影を行う。操作者がマウス112やキーボード111等を用いて撮影開始を指示すると、CPU114は、撮影制御部132の検出器制御器116、X線制御器117に出力する。制御信号を受けて、X線発生部1を体軸方向に移動させる制御を行い、被検体3の撮影部位が、X線発生部1とX線検出部2の間のX線通過範囲、すなわち、撮影位置に一致した時点で、X線発生部1の移動を停止させる。これにより被検体3の撮影開始位置への配置が完了する。
また、X線制御器117は、CPU114から撮影開始が指示されると同時に駆動モーターを介してX線発生部1の移動を開始させる。X線発生部1の移動が定速状態に入り、かつ、被検体3の撮影位置への配置が終了した時点で、CPU114は、X線制御器117にX線発生部1のX線照射タイミング、及び、X線検出部2の撮影タイミングを指示する。X線制御器117は、この指示に従ってX線発生部1からX線を照射させ、X線検出部2は、X線を検出して撮影を開始する。また、X線制御器117は、例えば操作者が設定したX線発生部1の管電圧および管電流時間積により、照射するX線のエネルギースペクトルと出力量を決定する。
なお、ここでは1種類のエネルギースペクトルを有するX線を使用する例について説明したが、本実施例の構成はマルチエネルギー撮影のトモシンセシスにも適用できる。その場合には、例えば、1回の移動毎または1回の移動中に管電圧を高速に切り替えて2種類以上のエネルギースペクトルを有するX線を照射し、撮影データを取得するように制御する。
画像生成部103の信号収集部134は、X線検出部2の出力信号をディジタル信号に変換し、メモリ119に保存する。このデータに対し、補正処理部135では、X線の検出信号のゼロ値を較正するオフセット補正や、検出素子間の感度を補正する公知のエアキャリブレーション処理等の補正を行い、被検体3の測定投影データを取得する。測定投影データは、高吸収体処理部136、画像再構成部137に送られる。
図4に、本実施例の高吸収体処理部136のさらに詳しい機能構成を示す。上述したようにソフトウェア等で実現される高吸収体処理部136は、3次元物質探索部151と、2次元物質探索部152と、高吸収体の領域の測定投影データ値を変換する抽出領域変換部153を備えている。
3次元物質探索部151は、実際の撮影条件で受け付けた開始点41を用いて、3次元の領域拡張法を用いて3次元領域を求め、投影角度ごとの2次元測定投影データに開始点を設定する。そのため、投影角度ごとの2次元の測定投影データを投影角度方向に並べた3次元の測定投影データに対して3次元微分処理を実施する3次元微分処理部161と、微分処理により取得した勾配画像に対して、閾値a3D以上を境界と判定する3次元境界判定部162と、撮影条件受付画面141で受け付けた設定に基づき、境界内部を満たすよう領域を拡張する3次元領域拡張部163を備えている。
一方、2次元物質探索部152は、3次元物質探索部151が設定した開始点に基づいて、例えば境界抽出をベースとした2次元の領域拡張法を用いて、高吸収体領域を抽出する。そのため、2次元物質探索部152は、それぞれ投影角度の測定投影データに対して、2次元微分処理を実施する2次元微分処理部164と、微分処理後に取得した勾配画像に対して、閾値a2D以上を境界と判定する2次元境界判定部165と、開始点から境界内部を満たすよう領域を拡張して領域を抽出する2次元領域拡張部166を備えている。
次に抽出領域変換部153は、抽出した領域の測定投影データを、アーチファクトを生じにくい値(高吸収体よりもX線吸収率が低い場合の測定投影データ値)に変換する機能を備えている。
これらの各機能ブロックは図5のフローチャートのように動作する。以下、詳細に説明する。始めに3次元微分処理部161を説明する。
3次元微分処理部161では、図5のステップ171において、X線検出部2が検出した横方向xおよび縦方向yの検出素子番号順に並んだ2次元測定投影データを、取得した投影角度ごとに投影角度方向θ=zに並べた3次元測定投影データ(3次元サイノグラム)であるf(x、y、z)に対して、下式(2)に示すように、例えば公知の画像処理技術である3次元方向の偏微分計算を施すことにより、勾配画像▽f(x、y、z)を算出する。
Figure 0006317511
式(2)の▽f(x、y、z)は、f(x、y、z)の勾配を示す。ここで、第3項(uz)の前に係る係数αは、投影枚数(投影角度間隔)によって決まる係数であり、一般に投影角度間隔が大きいほど大きくなる。原点は、撮影開始後の1投影目における正面左上の検出器とする。ux、uyは、横方向および縦方向における検出素子番号の単位ベクトルを示す。uzは、投影角度方向の単位ベクトルを示す。式(2)は、3×3×3検出素子内の近傍6検出素子の値を用いて測定投影データの勾配画像を算出しているが、測定投影データのS/Nに応じて、例えばノイズが大きい場合は近傍18検出素子の値を用いて勾配画像を算出してもよい。
次に3次元境界判定部162では、図5のステップ172において、偏微分計算後に取得した勾配画像▽f(x、y、z)に対して、式(3)に示すように、予め定めた閾値a3D以上を境界画素b(x、y、z)=1、閾値a3D未満を境界画素b(x、y、z)=0とする。これにより、図4(b)に示したように、高吸収体の測定投影データと周囲との境界の急峻に測定投影データが変化する位置(境界)の画素の画素値が1、高吸収体の内部の画素および高吸収体の外部の画素が0となる。
Figure 0006317511
次に3次元領域拡張部163では、図5のステップ173において、操作者が設定した開始点41は、高吸収体の内部に設定されているため、開始点41を始点として、X線検出部2の横方向、縦方向、および投影角度方向に領域を拡張する。具体的には、開始点41の画素b(x、y、z)=0に対して、隣接する画素の値が0の場合のみ、高吸収体として判定し、b(x、y、z)=2に変更する。つぎに、b(x、y、z)=2に変更した高吸収体の画素にさらに隣接する画素について高吸収体かどうかを判定し、隣接する画素の値が0である場合は、b(x、y、z)=2に変更する。これを判定対象の画素が無い条件に至るまで、3次元方向について処理を繰り返す(図4(c))。これにより、高吸収体の境界よりも内部に位置する画素b(x、y、z)=2の3次元領域42を抽出できる。
3次元領域拡張部163は、抽出した3次元の領域42が、開始点41が設定された投影角度以外の他の投影角度の2次元の測定投影データにおいて占める範囲を求め、その範囲内の1以上の点を、その投影角度の前記2次元の測定投影データにおける開始点43として設定する。
次に2次元物質探索部152では、3次元領域拡張部163に設定された開始点43に基づいて、それぞれの投影角度の2次元測定投影データから高吸収体領域を抽出する。具体的には、2次元微分処理部164では、図5のステップ174において、下式(4)に示すように、ある投影角度zにおいて、横方向xおよび縦方向yの2次元測定投影データg(x、y、z)に、例えば公知の画像処理技術である2次元方向の偏微分計算を施すことにより、勾配画像▽g(x、y、z)を算出する。
Figure 0006317511
次に2次元境界判定部165では、図5のステップ175において、それぞれ投影角度の偏微分計算後に取得した勾配画像▽g(x、y、z)に対して、式(5)に示すように、予め定めた閾値a2D以上を境界画像e(x、y、z)=1、または閾値a2D未満を境界画像e(x、y、z)=0とする。
Figure 0006317511
次に2次元領域拡張部166では、図5のステップ176において、3次元物質探索部151が設定した開始点43に基づき、それぞれ投影角度の測定投影データ上でX線検出部2の横方向、縦方向に領域を拡張する。この時、開始点の画素e(x、y、z)=0に対して、隣接する画素の値が0の場合のみ、高吸収体として判定し、e(x、y、z)=2に変更する。同様にして、判定した高吸収体の画素と隣接する画素を判定し、判定対象の画素が無い条件に至るまで、処理を繰り返す。これら2次元物質探索部152の処理により、それぞれの投影角度において測定投影データの高吸収体領域44を抽出できる。これにより、高吸収体の測定投影データと周囲との境界の内側である高吸収体領域44を精度よく抽出することができる。
このように本実施形態では、3次元物質探索部151の処理と、2次元物質探索部152の処理とを段階的に実施する理由を説明する。本実施形態では、まず3次元物質探索部151の3次元微分処理において、x、y、z方向の3方向の合計値(式(2))から勾配画像を算出することにより、3次元領域42を抽出することできるため、一つの投影角度の測定投影データに設定された開始点41から他の投影角度の測定角度データについても領域42を設定できる。しかしながら、投影角度であるz方向に吸収値差が顕著に大きい場合、その画素は境界と判定される可能性が高い。この影響により、3次元物質探索部151の処理は、2次元物質探索部152の2次元微分処理と比較して、z方向の吸収値差を含める分、高吸収体領域を小さく見積もることがある。従って、高吸収体領域を高精度に抽出するためには、3次元物質探索部で全体の投影角度の測定投影データから高吸収体領域を抽出した後、それぞれ投影角度で2次元物質探索部を実施することにより、精度よく領域44を抽出することができる。
次に抽出領域変換部153では、図5のステップ177において、領域拡張して取得した抽出領域に対して、式(6)に示すように、代表的な高吸収体の測定投影データ値cに前記差(f(x、y、z)−c)のd倍分を加え、測定投影データf’(x、y、z)へ変換する。変換に用いる係数dはアーチファクトの影響を十分小さくするため、d=1/10とする。これにより、周辺領域の値を用いることなく、高吸収体の領域44の測定投影データ値を高吸収体よりもX線吸収率が低い場合の測定投影データ値に変換処理することができる。
Figure 0006317511
代表的な高吸収体の測定投影データ値cは、撮影条件や再構成条件、被写体の3次元空間の位置(x、y、z)、大よその高吸収体の位置(x、y、z)と大きさ等の情報を用いて、推定する方法が挙げられる。その他には、周辺領域の値から補間により推定する方法も挙げられるが、高吸収体のサイズが大きくなるほど、周辺領域との距離が大きくなるため、補間による値の精度が低下する課題がある。
特定値への変換処理について、図6を用いて詳細に説明する。図6は、投影データ401と、再構成したトモシンセシス画像402を示す。図6において、白色の領域は投影データ値が大きく、黒色の領域は投影データ値が小さく、その中間の領域はグレーの濃淡で表されたグレースケールで示されている。例えば、測定投影データ405は、球体403の内部に高吸収体404を挿入したファントムを撮影したものである。測定投影データ405に対して、3次元物質探索部151、および2次元物質探索部152の処理を施すことにより抽出された高吸収体404の投影データ406を示す。次に、高吸収体投影データ406に示される高吸収体404に対して、抽出領域変換部153により、特定値f’(x、y、z)へ変換すると、高吸収体変換投影データ407が得られる。最後に、高吸収体変換投影データ407に対して、公知であるLog変換処理ならびに画像再構成を実施し、再構成画像409を取得する。この時、Log変換処理により値の大小が反転する。特定値f’(x、y、z)への変換処理により値を圧縮することで、高吸収体410の値が低下し、アーチファクト成分が低減する。
実施例1を実現するための図6と別の構成として、図7の構成を説明する。図6では特定値への変換処理のみを行ったのに対して、図7では高吸収体投影データ406に対して公知であるLog変換処理ならびに画像再構成を実施し、高吸収体再構成画像411を取得する。この時、高吸収体412から発生するライン状のアーチファクト413は、形状または画素値が異なる性質を利用することで、公知である閾値処理や特徴抽出アルゴリズム等により除去し、高吸収体412の画像のみを抽出する。次に、抽出した高吸収体412の領域のみを対象として、例えば特定への変換処理に用いた係数dの逆数を乗算することで、再構成画像409に示す高吸収体414の値を高精度に復元する。この時、高吸収体再構成画像411の画素値を正確に求める必要はない。少なくとも高吸収体412の領域を抽出できれば、一律の係数dの逆数を乗算する事で、高吸収体414の値を復元可能である。これにより、領域を限定した効果による高吸収体再構成画像411のデータサイズ削減や、画素値の2値化等による表示バイトの縮小により、全領域を再構成して加算処理する方法等と比較して、低メモリ化を実現できる。
実施例1を実現するための図6および図7とはさらに異なる構成を、図8に示す。図8では特定値f’(x、y、z)の変換処理を実施せず、測定投影データ405から再構成画像409を再構成し、上述のライン状のアーチファクト413との差分をとることによりラインのアーチファクト413を除去し、補正画像415を取得する。具体的には、高吸収体再構成画像411から、形状または画素値が異なる性質を利用して、公知である閾値処理や特徴抽出アルゴリズム等により、アーチファクト413のみを抽出する。次に、抽出したアーチファクト413のみを対象として、再構成画像409から差分をとる事で、補正画像415に示す高吸収体416の値を高精度に復元可能である。
以上、ある投影角度z番目の測定投影データに含まれる高吸収体の投影データ値の変換を説明したが、他の投影角度の測定投影データについても、同様に変換処理を実施する。
画像再構成部137は、全体の投影角度の測定投影データに対して、FBP法を用いた再構成を実施し、特定の吸収値変換により高吸収体から発生するアーチファクトを低減できる。
なお、上述に示した領域拡張法は一例であり、公知の画像処理技術であるグラフカット、レベルセット、スネークス法等、他の手法に適用しても構わない。
本実施例の有効性を検証するため、図9に示すように、直径150[mm]の球状の水の内部に高吸収体を模擬したファントムシミュレーションを実施した。図9の各断面はCoronal面181、Sagittal面182、Axial面183を表す。水と高吸収体のX線吸収係数の比率は1:30とし、Coronal面181のX、Y方向に、直径10[mm]の球状の高吸収体をそれぞれ25[mm]、50[mm]離した位置に配置した。球ファントムは、X線発生部1の移動を円軌道と仮定したときの回転中心を0[mm]とし、X線検出部2からX線発生部1の方向に100[mm]にずらした位置(Z=100[mm])に設定した。Z=0mmは、X線検出部2の検出表面の位置とする。
図10は、X線発生部1とX線検出部2の幾何学系を模擬し、図9に示すファントムから測定投影データを作成した結果を示す。X線はエネルギーを仮定せず,X線の量子ノイズや回路ノイズ,散乱線の影響を含めていない。図10の各断面は、投影角度±20度のうち、0度の投影角度のX線検出部2の測定投影データ184、X方向における投影角度方向の断面185、Y方向における投影角度方向の断面186を表す。投影角度0度の測定投影データ184上において、各高吸収体の中心にポインタを設定し、図5に示すステップ171〜177により、全体の投影角度に高吸収体の領域を拡張した。
図11(a)は、補正無FBP画像を示し、図11(b)は、補正有FBP画像を示す。図11(a)、図11(b)の各断面はCoronal面181、Sagittal面182、Axial面183を表す。
補正有FBP画像は、補正無FBP画像と比較して、高吸収体周辺の黒色のアーチファクトを低減できた事がわかる。このように、本実施例の方式により、高吸収体のアーチファクト低減を達成したトモシンセシス画像を取得できることが示された。
本実施例では、抽出した高吸収体の画素値を、アーチファクトの影響が小さい特定値f’(x、y、z)に変換したが、測定投影データから高吸収体のみの測定投影データを分離した後、それぞれ画像再構成部137により画像再構成してもよい。この時、画像再構成部137では、高吸収体と高吸収体以外の再構成画像を加算する処理が必要となる。
本実施例では、固定位置のX線検出部2を用いたが、X線発生部1の移動と同期して、X線検出部2が移動しながら撮影する方式に対しても適用可能である。
本実施例では、1回のトモシンセシス撮影から取得した測定投影データを用いて、トモシンセシス画像を再構成したが、1回に限定することはなく、例えば2回以上の撮影による異なる時間の測定投影データを用いる再構成に対しても適用可能である。
更に本実施例では、一例として生体用のX線トモシンセシス装置を示したが、爆発物検査や製品検査等の非破壊検査を目的としたX線トモシンセシス装置またはラミノグラフィ装置に本実施例の構成を適用することももちろん可能である。
次に、実施例2を説明する。本実施例2のX線トモシンセシス装置は、図12に示すように、基本的に実施例1のX線トモシンセシス装置と同様の構成を有し、さらに、隣接する投影角度の高吸収体195の領域が連結しているかどうかを判定する3次元補間判定部167と、連結していない場合、隣接する投影角度の測定投影データの高吸収体195の間を補間する3次元補間処理部168とを備えている。以下、本実施例2について、実施例1と異なる構成を中心に説明する。
図13(a)、(b)は、図10と同様にX方向における投影角度方向の断面185を表し、背景193、空気194、高吸収体195を想定している。図13(a)は、隣接する投影角度の高吸収体が連結していない状態を示す。3次元補間判定部167は、図13(a)に示す高吸収体の領域の連結の有無を判定する。この例では、連結無と判定されるため、3次元補間処理部168は、図13(b)のように、周辺の測定投影データを用いて補間処理を実施する。
このように、本実施例2では、3次元の測定投影データf(x、y、z)において、図13(a)のように、ある投影角度の高吸収体195の領域が、隣接する投影角度の高吸収体195の領域と連結しているかどうかを判定し、連結していない場合、補間処理を行って仮想的に連結させる。これにより、隣接する投影角度間で高吸収体195の領域が離れ、3次元物質探索部151において3次元測定投影データにおける高吸収体の領域の探索ができない場合でも、補間後の測定投影データを用いることにより高吸収体の領域の探索が可能になる。
3次元補間判定部167は、撮影条件や被写体から高吸収体195の領域を推定して連結状態を判定する方法(1)、および、3次元物質探索部151が高吸収体の領域の抽出を行って判定する方法(2)のうちのいずれかを行う構成とする。
前者(1)の推定方法では、X線発生部1の投影角度やX線発生部1からX線検出部2のX線入力面の距離、大よその高吸収体の位置(x、y、z)と大きさにより、投影角度方向における高吸収体の領域を求め、高吸収体の領域の連結の有無を幾何学的に推定する。連結とは測定投影データ上で、同一の高吸収体を示す画素の隣接関係を表す。
後者(2)の探索方法では、図13に示すように、3次元物質探索部151が実施例1で説明したように高吸収体の領域を抽出し、抽出結果に基づいて投影角度方向の連結を判定する。連結とは測定投影データ上で、同一の高吸収体を示す画素が繋がる事を示す。判定基準は、抽出した高吸収体領域を参照し、投影角度方向に抽出した高吸収体領域が途中の投影角度で領域が途切れない等がある。
このとき、3次元補間判定部167が連結有と判定した場合、3次元補間処理部168の補間処理を行うことなく、実施例1の3次元物質探索部151の処理を実施する。
3次元補間判定部167が連結無と判定した場合、周辺の測定投影データを用いて補間処理を実施し、仮想的に連結有の測定投影データを図13(b)のように作成する。このとき補間処理は、例えば公知の技術である、前後の投影角度における同一検出素子の測定投影データの平均値を用いて補間領域を生成する方法を用いることができる。
図13(b)の補間後の高吸収体の領域は、投影角度方向に高吸収体の領域が連続していることから、3次元領域拡張部163において、投影角度方向に途切れずに高吸収体領域を抽出できる。3次元補間処理部168で補間した測定投影データは、2次元物質探索部152以降は、必ずしも使用しないため、データサイズ削減の観点で装置内のメモリから除外しても構わない。
次に、実施例3を説明する。実施例3では、実施例2で示した図13(a)のように、隣接する投影角度の高吸収体の領域が連結されておらず、投影角度間の測定投影データの探索ができない場合、パターン認識を用いて、前後の投影角度の測定投影データから推定した位置情報に基づいて高吸収体の領域を抽出する。
本実施例のX線トモシンセシス装置は、基本的に実施例1のX線トモシンセシス装置と同様の構成を有し、さらに、図14のように3次元パターン認識判定部169と、3次元パターン認識処理部170とを含む3次元パターン認識部155を備えている。
3次元パターン認識判定部167では、実施例2における3次元補間判定部167と同様の処理を用いて、投影角度の測定投影データの探索の可・不可を判定する。3次元パターン認識処理部170では、探索不可の場合、図15(a)に示すように、代表的なn番目の投影角度の測定投影データにおける高吸収体の領域191の形状および画素値の少なくとも一方に基づいて、公知である類似度検索等のパターン認識の手法を用いて、図15(b)に示すように、n+1番目の投影角度の測定投影データの高吸収体の領域192を抽出する。このとき、3次元パターン認識処理部170は、撮影条件・再構成条件・被写体の3次元空間の位置(x、y、z)等の先験情報を用いて、前後の投影角度の測定投影データから高吸収体の移動量を推定し、パターン認識の精度を高める事ができる。
次に、実施例4を説明する。本実施例4のX線トモシンセシス装置は、基本的に実施例1のX線トモシンセシス装置と同様の構成を有し、さらに、図16に示したように、3次元物質探索部151に、高吸収体の抽出結果を判定し、3次元物質探索用のパラメータを最適化する3次元物質探索用パラメータ最適化部201が備えられている。また、2次元物質探索部152についても、高吸収体の抽出結果を判定し、2次元物質探索用のパラメータを最適化する2次元物質探索用パラメータ最適化部202が追加されている。以下、本実施例について、実施例1と異なる構成を中心に説明する。
図16に従って、本実施例の3次元物質探索部151の3次元物質探索用パラメータ最適化部201を説明する。
3次元物質探索用パラメータ最適化部201では、図17(a)に示すように、開始点211のパラメータ閾値a3D212を用いて選択した高吸収体の領域の抽出結果が不適切である例として、図17(b)に示すように、高吸収体の領域の面積が大きすぎる抽出過多、図17(c)に示す高吸収体の領域の面積が小さ過ぎる検出過少、もしくは、図17(d)に示すように、投影角度間で、高吸収体の領域に連続性が無い場合の三種類が挙げられる。すなわち、図17(b)は、真の高吸収体の領域に対して、過多に高吸収体領域221を抽出した例である。判定基準となる真の領域の面積は、既知の形状の高吸収体の面積や体積から推定することができる。図17(c)は、真の高吸収体の領域に対して、過少に高吸収体領域222を抽出した例である。図17(d)は、真の高吸収体領域に対して、例えば投影角度N−2、N−1、N、N+1の各領域の面積を計算した結果、一部の投影角度Nのみ過多に高吸収体領域221を抽出した結果である。
実施例4では、高吸収体の領域の総面積と推定した真値の絶対値差223(図17(a)の縦軸)を求め、絶対値差223が、規定値224を超える場合、パラメータ閾値a3D212を再設定する。再設定の方法は、例えば公知である2分法を用いて、閾値a3D212の大小を大きく振った後、既定値に近いパラメータ閾値a3Dを選択し、逐次的にパラメータを絞り込む方法を用いる。絶対値差223が規定値224を下回る値225を得た場合、図16に示す3次元物質探索用パラメータ最適化部201の処理が終了する。
2次元物質探索用パラメータ最適化部202は、前述の3次元物質探索用パラメータ最適化部201と同様な処理を用いて、パラメータ閾値a2Dを最適化する。
次に、実施例5を説明する。実施例1では、高吸収体処理部136は、測定投影データから高吸収体の抽出を実施する構成について説明した。測定投影データは、式(7)に示すように、照射X線に基づき被写体により吸収されたX線の計測値を示し、空気のみの測定投影データfi(x、y、z)と、は被写体が存在する空間の位置λ(j)と、X線発生部1とX線検出部2を結ぶ経路長lとを用いて表される。
Figure 0006317511
実施例5では、測定投影データ、および、撮影条件受付画面141の高吸収体設定用領域144に設定された条件に応じて、測定投影データ、またはLog変換後の測定投影データのどちらか一方を選択し、選択した測定投影データを用いて3次元物質探索部151は高吸収体の領域を抽出する処理を実施する。
Log変換後の測定投影データは、式(8)に示すように、空気のみの測定投影データfi(x、y、z)と、被写体透過後の測定投影データf(x、y、z)との割合で表わされる。
Figure 0006317511
本実施例5のX線トモシンセシス装置は、基本的に実施例1のX線トモシンセシス装置と同様の構成を有し、さらに、Log変換の有無を判定する処理部231と、Log変換有の判定の場合、測定投影データをLog変換する処理部232とを含むLog変換判定部156を備えている。以下、本実施例5について、実施例1と異なる構成を中心に説明する。
図18に従って、本実施例5のLog変換判定部156のLog変換判定処理部231と、Log変換処理部232を説明する。図19では、横軸に各測定投影データにおける被写体の吸収値の積分値を示す。図19(a)の縦軸は被写体透過後の測定投影データf(x、y、z)を示し、図19(b)の縦軸はLog変換後の測定投影データy(x、y、z)を示す。図19(a)では異なる吸収値を有する2種類の高吸収体241、242が存在する。2種類の吸収値における前後の範囲243に対して、各測定投影データf(x、y、z)244、245は値が異なるため、両者には差△f(x、y、z)が生じる。差△f(x、y、z)が一定値Th以上の場合、3次元物質探索部151の同一の閾値パラメータa3D212では処理が困難となる。
一方、図19(b)ではLog変換後の測定投影データを示す。図19(b)では、異なる吸収値の高吸収体が2種類246、247存在する。2種類の吸収値における前後の範囲243に対して、各測定投影データy(x、y、z)248、249の差は微小である為、同一の閾値パラメータa3D212を使用可能となる。
2次元物質探索部152においても、前述の3次元物質探索部151と同様にして、Log変換の有無を判定および処理をしてもよい。
次に、実施例6を説明する。実施例5では、測定投影データ、および、Log変換後の測定投影データのどちらか一方を選択して、物質探索部151が高吸収体の領域を抽出する構成であった。本実施例6では、実施例5の構成に加えて、3次元物質探索部151、2次元物質探索部152において、境界判定や領域拡張の処理に、照射X線および検出X線の信号対ノイズ量(以下SNとする)が影響することに鑑み、ノイズ量を低減するためにさらにノイズ低減フィルタを適用する。
ノイズ低減フィルタとしては、測定投影データf(x、y、z)を用いる場合には、信号の平方根√(f(x、y、z))がノイズとして近似できるため、各f(x、y、z)に対して、公知である平均値フィルタの重みw=1/(f(x、y、z)/√(f(x、y、z)))を適用する。SNが低いほど、重みwは大きくなり高強度の平均値フィルタを適用する。一方、Log変換後の測定投影データy(x、y、z)を用いる場合には、重みがLog(w)とすればよい。
次に、実施例7を説明する。実施例1では、画像再構成部137にてFBP法を用いて、再構成画像を生成する構成であったが、本実施例7では、画像再構成部137において、FBP法により取得した再構成画像を初期値とし、逐次近似再構成を用いて、更新した画像を取得する。この時、空気以下の吸収値が存在しないと制約をつける非負条件を導入することで、再構成画像の画素値を真値に近づける。さらに本実施例では、更新回数毎に非負条件を変更し、一定の計算時間内における再構成画像の画質(空間分解能やコントラスト等)を維持したまま、収束速度を速める。
本実施例7のX線トモシンセシス装置は、基本的には実施例1のX線トモシンセシス装置と同様の構成を有し、さらに画像再構成部137に、FBP法により取得した再構成画像を初期値とし、逐次近似再構成を用いて更新した画像を取得する処理部と、更新中に非負条件を変更する処理部が追加される。以下、本実施例7について、実施例1と異なる構成を中心に説明する。
図20に示したように、画像再構成部137は、解析的再構成部301と、非負条件パラメータ保存部302と、順投影処理部303と、差分処理部304と、逆投影処理部305と、条件付き画像修正部306とを含む逐次近似再構成部200を備えている。
画像再構成部137において、解析的再構成部301がFBP法によりトモシンセシス画像を再構成する。このトモシンセシス画像を初期画像とし、非負条件パラメータ保存部302は、初期画像から、例えば画素値の最小値を探索し、非負条件パラメータとして保存する。次に、順投影処理部303は、初期画像を順方向に投影計算(以下、順投影計算とする)することにより計算投影データを求める。差分処理部304は、求めた計算投影データと測定投影データの差分(修正投影データ)を求め、逆投影処理部305は、修正投影データを逆投影して修正画像を生成する。条件付き画像修正部306は、修正画像を用いて上記トモシンセシス画像の各画素を修正(更新)するのであるが、更新後の画素の値が、前述の非負条件パラメータ値より小さくなる場合、画素の値を更新しない。反対に非負条件パラメータより大きい場合、再構成アルゴリズムに従い、画素の値を更新する。これを所定の更新回数まで計算を繰り返す。繰返し回数は、予め定められる。
前述の更新回数毎の非負条件パラメータは、一例として最小値を用いたが、更新画像内の画素値や画素位置に応じた最適値を計算してもよい。
図20の各部の動作を図21のフローを用いてさらに詳しく説明する。
画像を修正するアルゴリズムには、公知の逐次再構成手法を用いることができる。ここでは一例として、SPS(Separable-Paraboloidal-Surrogate)法を用いる場合について説明する。
解析的再構成部301は、公知のFeldkamp法等の解析的再構成手法を用いて、補正処理部135、高吸収体処理部136が補正した測定投影データy(i)からトモシンセシス画像λk=0(j)を得る(ステップ311)。なお、kは、逐次再構成の繰返し回数(更新回数)を示す0以上の整数であり、k=0は、初期画像を示す。また、jは画素番号で、λ(j)は、更新回数がk回の画像の画素jの画素値を示す。
次にトモシンセシス画像を探索し、例えば画素値の最小値を非負条件パラメータとして保存する(ステップ319)。非負条件パラメータを導入することで、非負条件無しの場合と比較し、本来空気以下のアーチファクトに対して、空気以上の画素値の制約を導入することで、画質の向上が見込まれる。一方、後述するように更新画像に合わせて非負条件パラメータを更新することで、従来一度に一定値に変換する方法と比較して、一定の計算時間内における再構成画像の画質(空間分解能やコントラスト等)を維持したまま、収束速度を速めることができる。この理由として、一定値の変換により、本来高周波成分の構造物が存在する領域においても、一定値または低周波成分の領域に変換される場合がある。本発明による更新中に非負条件を変更する事で、過度な周波数成分の低下を避け、逐次的に画素の値を真値に収束させる効果が挙げられる。
SPS法では、修正回数が(k+1)回のトモシンセシス画像λk+1(j)は、k回のトモシンセシス画像λ(j)を用いて、以下の式(9)で表される。
Figure 0006317511
なお、Lは、総画素数である。iは、検出素子の番号を示し、Iは、総検出素子数である。なお、この逐次再構成法は、一般的な2次元(x、y方向)の断層像だけでなく、1次元データ(x方向)、体軸方向zに像を重ねあわせた3次元データ(x、y、z方向)、また、さらに時間方向tを考慮した4次元データ(x、y、z、t)にも適用可能である。
以下、式(9)による逐次再構成処理、すなわち、更新回数がk回のトモシンセシス画像λ(j)を修正し、修正回数が(k+1)回のトモシンセシス画像λk+1(j)を算出する処理を行う。
条件付き画像修正部306は、繰返し回数(更新回数)が予め定めた回数になるまで、以下の処理を(ステップ312〜317、319)。
順投影処理部303は、トモシンセシス画像λ(j)の画素を順投影処理し、計算投影データS(i)を求める(ステップ313)。計算投影データS(i)は、以下の式(10)を計算することにより、得られる。
Figure 0006317511
式(10)において、lは、修正対象の画素jとi番目の検出素子(検出素子i)とを結ぶライン上にあるL個の画素の番号を表す。C(i、l)は、画素lが検出素子iに寄与する割合を表す。なお、C(i、l)の値は、検出素子の位置や順投影計算、または逆投影計算の手法によって異なる値が設定される。
差分処理部304は、以下の式(11)に従って、測定投影データy(i)から、計算投影データS(i)を減算し、修正投影データΔy(i)を求める(ステップ314)。
Figure 0006317511
逆投影処理部305は、式(12)により、修正投影データΔy(i)を逆投影処理し、修正画像Δλ(j)を生成する(ステップ315)。
Figure 0006317511
条件付き画像修正部306は、以下式(13)を計算することにより、修正画像Δλ(j)の画素値をトモシンセシス画像λ(j)の画素値から差し引くことにより、修正したトモシンセシス画像λk+1(j)を求め、繰返し回数(更新回数)(k+1)番目の画像を得る(ステップ316)。ただし、修正対象のトモシンセシス画像λ(j)の画素値が非負条件パラメータ保存部302で保存した非負条件パラメータ以下の場合、画素の値を更新しない。
Figure 0006317511
条件付き画像修正部306は、繰返し回数(更新回数)(k+1)番目の画像を得ると、修正回数kを1インクリメントし(ステップ317)、ステップ319に戻って、更新画像に合わせて非負条件パラメータを更新する。このように非負条件パラメータを更新することにより、従来のように一度に一定値に変換する方法と比較して、一定の計算時間内における再構成画像の画質(空間分解能やコントラスト等)を維持したまま、収束速度を速めることができる。
つぎに、ステップ312へ移行し、インクリメント後の修正回数kが予め設定された修正回数Kと等しくなるまで、ステップ313〜317、319の処理を繰り返す。これにより、インクリメント後の修正回数kが予め設定された修正回数Kと等しくなるまで、上記各部による処理が繰り返し行われ、修正回数kがKに達すると、画像表示部138が得られたトモシンセシス画像トモシンセシス画像λ(j)をモニタ122に表示する。
上述してきた実施例1〜7に記載されているトモシンセシス装置は、以下のように表すこともできる。
(1)設定した撮影の条件に応じてX線を発生するX線発生部と、被写体を透過後の前記X線を検出し、測定投影データを得るX線検出部と、前記X線発生部と前記X線検出部とを搭載して前記被写体の周囲を移動する機構を有する撮像部と、前記撮像部より測定投影データから特定のX線吸収係数をもつ物質を抽出する物質抽出部と、物質抽出後の測定投影データからトモシンセシス画像を生成する画像生成部を備え、
前記物質抽出部は、該当する一部投影角度の測定投影データに存在する抽出物質の情報を用いて、前記投影角度以外の投影データの同一相当の物質を抽出する、
ことを特徴とするX線トモシンセシス装置。
(2)上述の(1)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、周辺領域の値を用いることなく物質抽出後の領域の画素値を特定値に変換する物質変換部を有する。
(3)上述の(2)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、物質抽出後の領域の画素値を特定の割合で圧縮するように変換する物質変換部を有する。
(4)上述の(3)に記載のX線トモシンセシス装置であって、画像生成部は、物質抽出部にて特定の割合で画素値を圧縮した分を、トモシンセシス画像上で復元する処理を行う。
(5)上述の(4)に記載のX線トモシンセシス装置であって、画像生成部は、物質抽出部にて物質抽出した領域から抽出物質画像を生成する抽出画像生成部を備え、抽出物質画像から識別した抽出物質の領域に対して、物質抽出部にて特定の割合で画素値を圧縮した分を、トモシンセシス画像上で復元する処理を行う。
(6)上述の(1)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、物質抽出した領域から抽出物質画像を生成する抽出画像生成部と、抽出物質画像上の抽出物質から発生したアーチファクト成分を検出するアーチファクト検出部とを有し、トモシンセシス画像からアーチファクト成分の差分をとる処理を行う。
(7)上述の(5)、(6)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、撮影条件・再構成条件・被写体・ユーザ設定等に応じて、抽出処理を切り替える。
(8)上述の(7)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、該当する一部投影角度の測定投影データに指定した抽出物質の情報を用いて、該当の投影角度の測定投影データ上における同一物質抽出を探索することに加えて、投影角度以外の測定投影データについても同一物質の抽出を実施する3次元物質抽出部を有する。
(9)上述の(8)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、撮影条件・再構成条件・被写体の3次元空間の位置(x、y、z)に応じて、投影角度間の測定投影データの探索ができない場合、投影角度の間の測定投影データを補間する投影角度補間部を有する。
(10)上述の(8)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、撮影条件・再構成条件・被写体の3次元空間の位置(x、y、z)に応じて、投影角度間の測定投影データの探索ができない場合、前後の投影角度の測定投影データから推定した位置情報に基づいて物質を抽出する。
(11)上述の(10)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、被写体のパターン認識を用いて、前後の投影角度の測定投影データから推定した位置情報に基づいて物質を抽出する。
(12)上述の(9)、(11)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、3次元物質抽出部に加えて、3次元物質抽出後、それぞれの投影角度の測定投影データに対して、探索を実施する。
(13)上述の(12)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、エッジ抽出に伴う領域拡張法、グラフカット、レベルセット、スネークス法、機械学習等の画像処理技術を用いて領域抽出を行う。
(14)上述の(13)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、設定したパラメータ値に応じて抽出結果の合否を判定する抽出判定部と、判定結果に応じてパラメータ値を変更するパラメータ変更部を有する。
(15)上述の(14)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、合否判定の為の許容値を設定し、許容値に至るまで二分法等の最適化法により逐次的にパラメータを変更するパラメータ変更部を有する。
(16)上述の(15)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、被写体の面積または体積等から許容値を決定する。
(17)上述の(16)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、許容値より大きい場合を抽出過多、または許容値より小さい場合を抽出過小、または前後方向の投影角度の物質抽出量に基づく連続性を利用して合否を決定する。
(18)上述の(17)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、測定投影データと空気の測定投影データを用いてLog変換する変換測定投影データ部を有し、撮影条件・再構成条件・被検体・ユーザ設定等に応じて、測定投影データまたは変換測定投影データの一方を選択する。
(19)上述の(18)に記載のX線トモシンセシス装置であって、物質抽出部は、選択した測定投影データに応じて、ノイズ低減するためのフィルタ処理を実施するフィルタ処理部を有する。
(20)上述の(19)に記載のX線トモシンセシス装置であって、画像生成部は、測定投影データからトモシンセシス画像を生成し、トモシンセシス画像から順投影計算で求めた計算投影データと測定投影データとが等しくなるように、前記トモシンセシス画像を逐次修正する逐次近似再構成部を有する。
(21)上述の(20)に記載のX線トモシンセシス装置であって、画像生成部は、トモシンセシス画像を逐次修正時、画素値が一定値以下の場合、一定値に変換する。
(22)上述の(21)に記載のX線トモシンセシス装置であって、画像生成部は、k回目の逐次修正時を更新前画像とし、更新前画像における全領域または局所領域から特定値を検出し、k+1回目の更新後画像が特定値以上または以下の場合、特定値に変更する処理を行い、更新回数毎に特定値を変更する。
(23)上述の(22)に記載のX線トモシンセシス装置であって、画像生成部は、k回目の逐次修正時を更新前画像とし、更新前画像における全領域または局所領域の最小値を特定値と定め、k+1回目の更新後画像が特定値以下の場合、特定値に変更する処理を備え、更新回数毎に特定値を変更する。
1 X線発生部、2 X線検出部、3 被検体、4 寝台、
101 入力部、102 撮影部、103 画像生成部、103a データバス、
111 キーボード、112 マウス、113 メモリ、114 中央処理装置、115 HDD装置、116 検出器制御器、117 X線制御器、
118 DAS、119 メモリ、120 中央処理装置、121 HDD装置、122 モニタ、
131 撮影条件入力部、132 撮影制御部、133 撮影稼働部、134 信号収集部、135 補正処理部、136 高吸収体処理部、137 画像再構成部、138 画像表示部、
141 撮影条件受付画面、142 X線条件設定用領域、143 再構成範囲設定用領域、144 高吸収体設定用領域、145 撮影部位設定用領域、146 抽出方法設定用領域、147 測定投影データ画面、148 ポインタ、
151 3次元物質探索部、152 2次元物質探索部、153 抽出領域変換部、154 3次元データ補間部、155 3次元パターン認識部、156 Log変換判定部、
161 3次元微分処理部 162 3次元境界判定部、163 3次元領域拡張部、164 2次元微分処理部、165 2次元境界判定部、166 2次元領域拡張部、167 3次元補間判定部、168 3次元補間処理部、169 3次元パターン認識判定部、170 3次元パターン認識処理部
181 Coronal面、182 Sagittal面、183 Axial面、184 投影角度0度の測定投影データ、185 X方向における投影角度方向の断面、186 Y方向における投影角度方向の断面、
191 n投影角度目の高吸収体の領域、192 n+1投影角度目の高吸収体領域、
201 3次元物質探索用パラメータ最適化部、202 2次元物質探索用パラメータ最適化部、
231 Log変換判定処理部、232 Log変換処理部、
301 解析的再構成部、302 非負条件パラメータ保存部、303 順投影処理部、304 差分処理部、305 逆投影処理部、306 条件付き画像修正部

Claims (20)

  1. 被写体にX線を照射するX線発生部、前記被写体を透過後の前記X線を検出して2次元の測定投影データを得るX線検出部、X線発生部及びX線検出部の少なくとも一方を前記被写体に対して相対的に移動させ、異なる複数の投影角度から前記被写体にX線照射させる機構部を有する撮像部と、複数の前記投影角度ごとの前記測定投影データに含まれるX線の高吸収体の領域をそれぞれ抽出し、前記領域の測定投影データ値を変換処理する高吸収体処理部と、前記高吸収体処理部が処理した後の複数の前記測定投影データに基づいてトモシンセシス画像を再構成する画像再構成部と、を備え、
    前記高吸収体処理部は、前記投影角度ごとの前記測定投影データ上にそれぞれ設定された開始点を用いて、前記投影角度ごとの前記測定投影データについてそれぞれ前記高吸収体の領域の抽出を行い、
    前記高吸収体処理部は、1つの投影角度の前記測定投影データに設定された開始点に基づいて、他の投影角度の前記測定投影データに前記開始点を設定することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  2. 請求項1に記載のX線トモシンセシス装置であって、前記高吸収体処理部は、3次元物質探索部を備え、
    前記3次元物質探索部は、前記2次元の測定投影データを前記投影角度方向に並べた3次元の測定投影データを3次元微分し、予め前記1つの投影角度の前記測定投影データに設定された前記開始点に対して、前記3次元の測定投影データにおいて隣接するデータが所定の条件を満たすかどうかを前記3次元微分により得た微分値により判断し、前記微分値が所定の条件を満たす場合前記開始点から当該隣接するデータの方向に当該所定の条件を満たすデータの領域を順次広げる処理を3次元方向に行うことにより、前記3次元の測定投影データにおいて前記所定の条件を満たすデータの3次元の領域を抽出し、抽出した前記3次元の領域が、前記他の投影角度の2次元の前記測定投影データにおいて占める範囲内の1以上の点を、その投影角度の2次元の前記測定投影データにおける前記開始点として設定することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  3. 請求項2に記載のX線トモシンセシス装置であって、前記高吸収体処理部は、2次元物質探索部をさらに備え、
    前記2次元物質探索部は、前記2次元の測定投影データを2次元微分し、前記3次元物質探索部が設定した前記開始点に対して、前記2次元の測定投影データにおいて隣接するデータが所定の2次元用条件を満たすかどうかを前記2次元微分により得た微分値により判断し、前記2次元微分の微分値が所定の条件を満たす場合前記開始点から当該隣接するデータの方向に当該所定の2次元用条件を満たすデータの領域を広げることにより、前記2次元の測定投影データにおける前記所定の2次元用条件を満たすデータの2次元の領域を前記高吸収体の領域として抽出することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  4. 請求項1に記載のX線トモシンセシス装置であって、前記高吸収体処理部は、前記高吸収体の領域の前記測定投影データ値を前記高吸収体よりもX線吸収率が低い場合の測定投影データ値に変換処理する抽出領域変換部をさらに有することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  5. 請求項4に記載のX線トモシンセシス装置であって、
    前記画像再構成部は、前記抽出領域変換部が変換処理した測定投影データ値を、前記トモシンセシス画像上で前記変換処理前の前記測定投影データ値に対応する画素値に復元する処理を行うことを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  6. 請求項5に記載のX線トモシンセシス装置であって、
    前記画像再構成部は、抽出した前記高吸収体の領域から高吸収体画像を生成する抽出画像生成部と、前記高吸収体画像から前記高吸収体と前記高吸収体により発生したアーチファクト成分との領域を分別する高吸収体分別部と、前記トモシンセシス画像上で分別後の前記高吸収体の領域に対して、前記測定投影データ値に対応する画素値に復元する処理を行うことを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  7. 請求項1に記載のX線トモシンセシス装置であって、
    前記画像再構成部は、抽出した前記高吸収体の領域から高吸収体画像を生成する抽出画像生成部と、前記高吸収体画像から前記高吸収体により発生したアーチファクト成分を検出するアーチファクト検出部とを備え、前記トモシンセシス画像から前記アーチファクト成分の差分をとることを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  8. 請求項1に記載のX線トモシンセシス装置であって、
    前記高吸収体処理部は、ある投影角度の前記高吸収体の領域が、隣接する投影角度の高吸収体の領域と連結しているかどうかを判定する判定部と、連結していない場合、補間処理を行って仮想的に連結させる補間処理部とを有することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  9. 請求項8に記載のX線トモシンセシス装置であって、前記判定部は、前記投影角度、前記X線発生部からX線検出部までの距離、高吸収体の位置および大きさのうちのいずれか1以上に基づいて、投影角度方向における高吸収体の領域を求め、隣接する投影角度の前記領域の連結の有無を幾何学的に推定することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  10. 請求項8に記載のX線トモシンセシス装置であって、前記判定部は、前記高吸収体処理部が抽出した前記投影角度ごとの前記高吸収体の領域に基づいて、隣接する投影角度の前記領域の連結の有無を判定することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  11. 請求項1に記載のX線トモシンセシス装置であって、
    前記高吸収体処理部は、ある投影角度の前記高吸収体の領域が、隣接する投影角度の高吸収体の領域と連結しているかどうかを判定する判定部と、連結していない場合、パターン認識処理により、他の投影角度の前記高吸収体の領域の形状および画素値の少なくとも一方に基づいて前記ある投影角度の前記高吸収体の領域を求める3次元パターン認識処理部とを有することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  12. 請求項3に記載のX線トモシンセシス装置であって、前記3次元物質探索部または前記2次元物質探索部は、抽出した前記3次元の領域または前記2次元の領域が基準値に対して許容範囲内の大きさまたは連続性を有するかどうかを判定し、前記許容範囲を外れている場合、前記微分値が所定の条件を満たすかどうかを判断する際に用いる当該所定の条件の値を変更するパラメータ変更部を有することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  13. 請求項1に記載のX線トモシンセシス装置であって、前記高吸収体処理部は、前記測定投影データと空気の測定投影データを用いて、測定投影データをLog変換し変換測定投影データを生成する変換測定投影データ部を有し、撮影条件、再構成条件およびユーザが設定した条件のいずれかに応じて、前記測定投影データまたは前記変換測定投影データの一方を選択して、前記高吸収体の領域の抽出を行うことを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  14. 請求項13に記載のX線トモシンセシス装置であって、前記高吸収体処理部は、選択した前記測定投影データまたは前記変換測定投影データに対して、ノイズ低減フィルタを適用することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  15. 請求項1に記載のX線トモシンセシス装置であって、
    前記画像再構成部は、測定投影データからトモシンセシス画像を生成し、前記トモシンセシス画像から順投影計算で求めた計算投影データと前記測定投影データとが等しくなるように、かつ画素値が一定値以下の場合は修正せず、一定値に変換するように、前記トモシンセシス画像を逐次修正する逐次近似再構成部を有する、
    ことを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  16. 請求項2に記載のX線トモシンセシス装置であって、前記3次元物質探索部は、前記3次元の測定投影データを3次元微分して得た前記微分値を画素の値とする3次元の勾配画像を算出し、前記開始点に対して前記3次元の測定投影データおいて隣接するデータが前記所定の条件を満たすかどうかを、前記3次元の勾配画像の画素の値により判断することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  17. 請求項3に記載のX線トモシンセシス装置であって、前記2次元物質探索部は、前記2次元の測定投影データを2次元微分して得た前記微分値を画素の値とする2次元の勾配画像を算出し、前記開始点に対して前記2次元の測定投影データにおいて隣接するデータが前記所定の2次元用条件を満たすかどうかを、前記2次元の勾配画像の画素の値により判断することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  18. 請求項4に記載のX線トモシンセシス装置であって、前記抽出領域変換部は、前記変換処理として、前記高吸収体の領域の前記測定投影データ値を特定の割合で圧縮することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  19. 請求項5に記載のX線トモシンセシス装置であって、前記抽出領域変換部は、前記変換処理として、前記高吸収体の領域の前記測定投影データ値を特定の割合で圧縮し、
    前記画像再構成部は、前記復元する処理として、再構成した前記トモシンセシス画像の値を、前記特定の割合で復元することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
  20. 請求項1に記載のX線トモシンセシス装置であって、前記高吸収体処理部は、前記測定投影データと空気の測定投影データを用いて、測定投影データをLog変換して変換測定投影データを生成し、前記変換測定投影データから前記高吸収体の領域の抽出を行う変換測定投影データ部を有することを特徴とするX線トモシンセシス装置。
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