JP6316712B2 - 中和処理方法及び中和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、pH緩衝作用を有する物質を含む酸性又はアルカリ性排水を中和する中和処理方法及び中和装置の技術に関する。
従来、酸性又はアルカリ性排水のpHを調整する方法として、排水の水量及びpH値から、目標pH値より手前の所定pH値にするのに必要な中和剤量を演算し、演算された量の中和剤を排水に添加すると共に、被処理水のpHが目標pHになるまでのpH調整剤の不足分を制御しながら排水に中和剤を添加する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭58−58189号公報
しかしながら、従来技術では、排水中に炭酸等のpH緩衝作用を有する物質が含まれている場合、被処理水の流量及びpH値から算出した中和剤量では、pH緩衝作用を有する物質の影響により、なかなか所定pH値に達しない場合がある。したがって、その後に行われる、目標pH値になるまでのpH調整剤の不足分の制御が難しく、目標pH値を超える(オーバーシュート)場合がある。また、pH緩衝作用を有する物質を考慮して中和剤量を過剰に注入すると、目標pH値を超える場合がある。いずれにしろ、従来の中和方法では、ベテラン作業者の手動操作によるpH調整が大きなウエイトを占めている。
そこで、本発明の目的は、酸性又はアルカリ性排水のpHのオーバーシュートを抑制しながら中和処理を行うことができる中和処理方法及び中和装置を提供することにある。
本発明は、pH緩衝作用を有する物質を含む酸性又はアルカリ性排水をバッチ式中和反応槽で中和処理する中和処理方法であって、前記バッチ式中和反応槽に中和剤を所定の第1注入流量で注入する第1注入ステップと、前記バッチ式中和反応槽に中和剤を前記第1注入流量より小さい所定の第2注入流量で注入する第2注入ステップと、前記バッチ式中和反応槽に中和剤を前記第2注入流量より小さい所定の第3注入流量で注入する第3注入ステップと、を有し、前記第1注入ステップは、前記排水のpH測定値を前記中和剤によって目標pHとするのに必要となる理論中和剤量に所定の第1注入係数a(a<1)を乗じて得られる第1注入量と前記第1注入流量とから算出される第1注入時間が所定時間以上の場合に、前記第1注入時間が前記所定時間未満となるまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第1注入流量及び前記第1注入時間で繰り返し注入するステップであり、前記第2注入ステップは、前記第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記第1注入ステップにおける排水のpH測定値が前記pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達していない場合に、前記第2注入ステップにおける排水のpH測定値が前記設定値に達するまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第2注入流量、及び前記排水のpH測定値を目標pHとするのに必要となる理論中和剤量に第2注入係数b(b>a)を乗じて得られる第2注入量と前記第2注入流量とから算出される第2注入時間で繰り返し注入するステップであり、前記第3注入ステップは、前記第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記第1注入ステップにおける排水のpH測定値または前記第2注入ステップにおける排水のpH測定値が前記pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達した場合に、前記第3注入ステップにおける排水のpH測定値が前記目標pHに達するまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第3注入流量、及び前記排水のpH測定値を目標pHとするのに必要な理論中和剤量に第3注入係数c(c>b)を乗じて得られる第3注入量と前記第3注入流量とから算出される第3注入時間で繰り返し注入するステップである中和処理方法である。
また、前記中和処理方法において、前記第1注入ステップは、前記排水のpH測定値を前記中和剤によって目標pHとするのに必要となる理論中和剤量に所定の第1注入係数a(a<1)を乗じて得られる第1注入量と前記第1注入流量とから算出される第1注入時間が所定時間以上の場合に、前記第1注入時間の算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の第1注入時間が前記所定時間未満となるまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第1注入流量で前記第1注入時間にわたり注入する第1注入をL−1回繰り返すステップであり、前記第2注入ステップは、前記算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の時の排水のpH測定値がpH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達していない場合に、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第2注入流量で前記第2注入時間にわたり注入する第2注入を行い、前記第2注入後の排水のpHを測定することを、前記第2注入後のpH測定値が前記設定値に達するまでM回(Mは1以上の自然数)繰り返すステップであり、前記第3注入ステップは、前記算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記第1注入におけるpH測定値または前記第2注入におけるpH測定値が、pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達した場合に、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第3注入流量で前記第3注入時間にわたり注入する第3注入を行い、前記第3注入後の排水のpHを測定することを、前記第3注入後のpH測定値が前記目標pHに達するまでN回(Nは1以上の自然数)繰り返すステップであることが好ましい。
また、前記中和処理方法において、前記第1注入ステップによって、前記第1注入時間が前記所定時間未満となった場合、前記第2注入ステップ又は前記第3注入ステップに移行する前に、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第1注入流量及び前記所定時間で注入する追加ステップを備え、前記追加ステップによる前記中和剤の初回注入後、前記第1注入時間が前記所定時間未満である場合、前記第2注入ステップ又は前記第3注入ステップに移行することが好ましい。
また、前記中和処理方法において、前記第1注入係数aは0.6〜0.8の範囲であり、前記第2注入係数bは0.8〜1.2の範囲であり、前記第3注入係数cは1〜20の範囲であることが好ましい。
また、前記中和処理方法において、前記酸性又はアルカリ性排水は、イオン交換樹脂の再生処理において、前記イオン交換樹脂から排出される再生廃液であることが好ましい。
また、本発明は、pH緩衝作用を有する物質を含む酸性又はアルカリ性排水を中和処理するバッチ式中和反応槽と、前記バッチ式中和反応槽に中和剤を所定の第1注入流量で注入する第1注入手段、前記バッチ式中和反応槽に中和剤を前記第1注入流量より小さい所定の第2注入流量で注入する第2注入手段、前記バッチ式中和反応槽に中和剤を前記第2注入流量より小さい所定の第3注入流量で注入する第3注入手段、を有する注入装置と、前記排水のpH測定値を前記中和剤によって目標pHとするのに必要な理論中和剤量に所定の注入係数を乗じて得られる注入量と、前記第1注入流量、前記第2注入流量又は前記第3注入流量ととから注入時間を算出する算出部と、前記第1注入手段、前記第2注入手段及び前記第3注入手段の稼働を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記算出部によって前記排水のpH測定値を前記中和剤によって目標pHとするのに必要な理論中和剤量に所定の第1注入係数a(a<1)を乗じて得られる第1注入量と前記第1注入流量とから算出される第1注入時間が所定時間以上の場合に、前記算出部により求められる前記第1注入時間が前記所定時間未満となるまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第1注入流量及び前記注入時間で繰り返し注入されるように前記第1注入手段を稼働させ、前記第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記第1注入手段の中和剤注入における排水のpH測定値が前記pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達していない場合に、前記第2注入手段の中和剤注入における排水のpH測定値が前記設定値に達するまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第2注入流量、及び前記算出部によって前記排水のpH測定値を目標pHとするのに必要な理論中和剤量に第2注入係数b(b>a)を乗じて得られる第2注入量と前記第2注入流量とから算出される第2注入時間で繰り返し注入されるように前記第2注入手段を稼働させ、前記第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記第1注入手段の中和剤注入における排水のpH測定値又は前記第2注入手段の中和剤注入における排水のpH測定値が前記pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達した場合に、前記第3注入手段の中和剤注入における排水のpH測定値が前記目標pHに達するまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第3注入流量、及び前記算出部により前記排水のpHが目標pHとなるのに必要な理論中和剤量に第3注入係数c(c>b)を乗じて得られる第3注入量と前記第3注入流量とから算出される第3注入時間で繰り返し注入されるように前記第3注入手段を稼働させる中和装置である。
また、前記中和装置において、前記排水のpHを測定するpH測定手段を備え、前記制御手段は、前記算出部によって前記排水のpH測定値を前記中和剤によって目標pHとするのに必要となる理論中和剤量に所定の第1注入係数a(a<1)を乗じて得られる第1注入量と前記第1注入流量とから算出される第1注入時間が所定時間以上の場合に、前記算出部により求められる前記第1注入時間の算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の第1注入時間が前記所定時間未満となるまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第1注入流量で前記第1注入時間にわたり注入する第1注入をL−1回繰り返し行われるように前記第1注入手段を稼働させ、前記算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の時の排水のpH測定値がpH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達していない場合に、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第2注入流量で前記第2注入時間にわたり注入する第2注入を行い、前記第2注入後の排水のpHを測定することを、前記第2注入後のpH測定値が前記設定値に達するまでM回(Mは1以上の自然数)繰り返し行われるように前記第2注入手段及び前記pH測定手段を稼働させ、前記第3注入ステップは、前記算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記第1注入におけるpH測定値または前記第2注入におけるpH測定値が、pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達した場合に、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第3注入流量で前記第3注入時間にわたり注入する第3注入を行い、前記第3注入後の排水のpHを測定することを、前記第3注入後のpH測定値が前記目標pHに達するまでN回(Nは1以上の自然数)繰り返し行われるように前記第3注入手段及び前記pH測定手段を稼働させることが好ましい。
また、前記中和装置において、前記制御手段は、前記第1注入手段による前記中和剤の注入によって、前記第1注入時間が前記所定時間未満となった場合、前記第2注入手段又は前記第3注入手段による前記中和剤の注入の前に、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第1注入流量及び前記所定時間で注入されるように前記第1注入手段を稼働させ、前記第1注入流量及び前記所定時間での前記中和剤の初回注入後、前記第1注入時間が前記所定時間未満である場合、前記第2注入手段又は前記第3注入手段を稼働させることが好ましい。
また、前記中和装置において、前記第1注入係数aは0.6〜0.8の範囲であり、前記第2注入係数bは0.8〜1.2の範囲であり、前記第3注入係数cは1〜20の範囲であることが好ましい。
また、前記中和装置において、前記注入装置は、中和剤としての酸を注入する1つの酸注入ポンプ、及び中和剤としてのアルカリを注入する1つのアルカリ注入ポンプを備えることが好ましい。
本発明によれば、酸性又はアルカリ性排水のpHのオーバーシュートを抑制しながら中和処理を行うことができる。
本実施形態に係る中和装置の構成の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る制御装置の機能構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る中和装置の動作を説明するためのフロー図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る中和装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、中和装置1は、バッチ式中和反応槽10、中和剤をバッチ式中和反応槽10に注入するための中和剤注入装置、循環ライン12、循環ポンプ14、バッチ式中和反応槽10内の排水のpHを測定するpHセンサ16、バッチ式中和反応槽10内の水量を測定する水量センサ18、制御装置20を備えている。本実施形態の中和剤注入装置は、中和剤をバッチ式中和反応槽10に供給するための中和剤注入ポンプ22、中和剤注入ライン24、バッチ式中和反応槽10に中和剤を所定の注入流量(注入量/注入時間)で注入するための第1バルブ26、第2バルブ28及び第3バルブ30を備えている。
図1に示すように、循環ライン12の一端はバッチ式中和反応槽10の下部に接続され、循環ライン12の他端はバッチ式中和反応槽10の上部に接続されている。また、pHセンサ16は、バッチ式中和反応槽10内に設置しても良いが、中和剤の注入点に近い位置に設置するとより制御の精度が高まることから、循環ライン12に設置することが好ましい。循環ライン12には循環ポンプ14が設置されている。また、中和剤注入ライン24の一端は中和剤注入ポンプ22に接続され、中和剤注入ライン24の他端側は、3本の分岐ラインから構成され、それぞれ循環ライン12に接続されている。また、1つ目の分岐ラインには第1バルブ26が設置され、2つ目の分岐ラインには第2バルブ28が設置され、3つ目の分岐ラインには第3バルブ30が設置されている。また、バッチ式中和反応槽10内には水量センサ18が設置されている。
また、制御装置20とpHセンサ16は電気的に接続され、pHセンサ16により検出された信号(排水のpH値)が制御装置20に送出される。また、制御装置20と水量センサ18は電気的に接続され、水量センサ18により検出された信号(槽内の水量)が制御装置20に送出される。また、制御装置20と第1バルブ26、第2バルブ28及び第3バルブ30は、それぞれ電気的に接続され、制御装置20からのバルブ開閉等の信号が各バルブに送出される。
中和剤注入装置を構成する中和剤注入ポンプ22は、酸性排水を中和するためのアルカリ剤をバッチ式中和反応槽10に注入するアルカリ注入ポンプ、又はアルカリ性排水を中和するための酸剤をバッチ式中和反応槽10に注入する酸注入ポンプである。図1では、1つの中和剤注入ポンプ22が表されているが、アルカリ注入ポンプ、酸注入ポンプのいずれかに制限されるものではなく、アルカリ注入ポンプ、酸注入ポンプの両方を備える場合も含まれる。なお、中和剤注入ポンプ22は、中和剤が収容されたタンク(不図示)等に設置される。
本実施形態の中和剤注入装置は、中和剤を所定の第1注入流量Q1(注入量/時間)にして、バッチ式中和反応槽10に注入する第1バルブ26、中和剤を所定の第2注入流量Q2にして、バッチ式中和反応槽10に注入する第2バルブ28、中和剤を所定の第3注入流量Q3にして、バッチ式中和反応槽10に注入する第3バルブ30の3つのバルブを備えている。これらのバルブは、例えば、制御装置20からの開閉信号により開閉する電磁バルブ等である。第1バルブ26、第2バルブ28、第3バルブ30により調節される注入流量は、排水量等によって適宜設定されるものであるが、第1バルブ26によって調節される第1注入流量Q1は、例えば5〜50(L/min)の範囲で設定され、第2バルブ28によって調節される第2注入流量Q2は、第1注入流量Q1より小さく、例えば1〜5(L/min)の範囲で設定され、第3バルブ30によって調節される第3注入流量Q3は、第2注入流量Q2より小さく、例えば0.1〜1(L/min)の範囲で設定される。
本実施形態の注入装置の動作について説明する。まず、循環ポンプ14を稼働させ、循環ライン12を介してバッチ式中和反応槽10内の排水を循環させる。そして、中和剤注入ポンプ22を稼働させ、中和剤を中和剤注入ライン24に送液する。制御装置20による注入装置の制御の詳細は後述するが、例えば、第1バルブ26を開放する場合、制御装置20は、中和剤の注入量、及び第1バルブ26の注入流量から注入時間を算出し、第1バルブ26を算出した注入時間開放させている間、所定の第1注入流量で中和剤をバッチ式中和反応槽10に注入する。第2バルブ28、第3バルブ30を開放する場合も同様である。
本実施形態では、前述のように中和剤の注入流量をバルブにより調節するため、中和剤注入ポンプ22としてのアルカリ注入ポンプ、酸注入ポンプを複数備える必要はなく、アルカリ注入ポンプを1つ、又は酸注入ポンプを1つ、或いはアルカリ注入ポンプ、酸注入ポンプをそれぞれ1つ備えていればよい。また、イオン交換樹脂の再生処理において、イオン交換樹脂から排出される再生廃液を中和処理する場合には、本実施形態の中和剤注入ポンプ22としての酸注入ポンプ及びアルカリ注入ポンプは、イオン交換樹脂の再生処理の際に、イオン交換樹脂に酸を添加する酸添加ポンプ及びアルカリを添加するアルカリ添加ポンプと共有することが望ましい。
pHセンサ16は、排水のpHを検出するためのものである。本実施形態では、例えば、循環ポンプ14を稼働させ、循環ライン12を介してバッチ式中和反応槽10内の排水を所定時間循環した後、循環ライン12を通る排水のpHをpHセンサ16により測定する。本実施形態では、これをバッチ式中和反応槽10内の排水のpHとしている。
水量センサ18は、バッチ式中和反応槽10内の水量を検出するものである。本実施形態の水量センサ18は、例えば、バッチ式中和反応槽内の排水の水位を計測する水位計と、水量演算部とから構成されている。循環ポンプ14を止めた状態で、水位計によりバッチ式中和反応槽10内の排水の水位を計測し、水量演算部において、予め記憶されたバッチ式中和反応槽10内の断面積と計測した水位値とから、バッチ式中和反応槽10内の水量を求める。
制御装置20は、主にバッチ式中和反応槽10に注入する中和剤の注入時間を算出し、算出した注入時間に基づいてバルブの稼働を制御するものである。制御装置20は、プログラムを演算するCPU、プログラムや演算結果を記憶するROMおよびRAMから構成されるマイクロコンピュータと電子回路等で構成される。図2に、本実施形態に係る制御装置の機能構成を示すブロック図を示す。
図2に示す制御装置20は、pH検出部32、水量検出部34、中和剤注入量算出部36、注入装置制御部40を備える。
pH検出部32は、pHセンサ16からの信号に基づいて、バッチ式中和反応槽10内の排水のpH値を取得し、取得したpH値を中和剤注入量算出部36、及び注入装置制御部40に送出する。また、水量検出部34は、水量センサ18からの信号に基づいて、バッチ式中和反応槽10内の水量値を取得し、取得した水量値を中和剤注入量算出部36に送出する。
中和剤注入量算出部36は、排水のpHが目標pHとなるのに必要な理論中和剤量に第1注入係数a(a<1)を乗じて、バッチ式中和反応槽10に注入する中和剤の第1注入量Vを算出する、又は理論中和剤量に第1注入係数aより大きい第2注入係数bを乗じて、バッチ式中和反応槽10に注入する中和剤の第2注入量Vを算出する、或いは理論中和剤量に第2注入係数bより大きい第3注入係数cを乗じて、バッチ式中和反応槽10に注入する中和剤の第3注入量Vを算出するものである。算出された第1注入量V、第2注入量V、又は第3注入量Vは、注入装置制御部40に送出される。
理論中和剤量は、排水pHが目標pHとなるのに必要な中和剤量であり、pHの値が水素イオン濃度のみを示すものとし、さらに水のイオン積Kw=[H][OH]=1.0×10−14mol/Lのみに従うとして、一般的知見に基づき排水のpH及び水量に基づいて算出したものである。
第1注入量Vを算出するために用いられる第1注入係数aは、第1注入量Vが理論中和剤量を超えないように設定される係数であり、例えば、0.5〜1未満の範囲、好ましくは0.6〜0.8の範囲で設定される。また、第2注入量Vを算出するために用いられる第2注入係数bは、第1注入係数aより大きい係数となるように設定されるものである。第2注入係数bは、排水のpHがpH緩衝作用を有する物質の影響を受ける範囲内で設定される値に排水のpHを近づける点で、1に設定されることが最適であるが、設定した注入量と実際の注入量との誤差を考慮すれば、例えば、0.8〜1.2の範囲に設定されることが好ましい。また、第3注入係数cは、第2注入係数bより大きい係数となるように設定されるものである。第3注入係数cは、排水中のpH緩衝作用を有する物質が排水のpH調整に影響を及ぼす点を考慮すれば、理論中和剤量以上となるように、例えば、1〜20の範囲に設定されることが好ましい。
中和剤注入量算出部36には、注入装置制御部40から第1〜第3注入係数のいずれの係数を使用するかの指示が送られ、指示された注入係数に基づいて中和剤の注入量が計算される。詳細は後述するが、中和剤が注入される注入時間が所定時間未満となるまでは、初期注入段階として第1注入係数aを使用する指示が注入装置制御部40から中和剤注入量算出部36に送られ、第1注入量Vが算出される。また、排水のpHがpH緩衝作用を有する物質の影響を受ける範囲内で設定される値を超えるまでは、第2注入段階として第2注入係数bを使用する指示が注入装置制御部40から中和剤注入量算出部36に送られ、第2注入量Vが算出される。また、排水のpHがpH緩衝作用を有する物質の影響を受ける範囲内で設定される値を超えた後は、排水のpHが目標pHとなるようにpH調整を行う第3注入段階として、第3注入係数cを使用する指示が注入装置制御部40から中和剤注入量算出部36に送られ、第3注入量Vが算出される。
注入装置制御部40は、算出された中和剤の注入量及び使用するバルブの注入流量から注入時間を求め、求めた注入時間の間、使用するバルブを開放させる制御を行うものである。これにより、算出された注入時間の間、所定の注入流量で中和剤がバッチ式中和反応槽10に注入される。使用するバルブは、注入量の誤差を抑える点等から、注入装置制御部40によって、第1注入量の中和剤が注入される場合、第1バルブ26が選択され、第2注入量の中和剤が注入される場合、第2バルブ28が選択され、第3注入量の中和剤が注入される場合、第3バルブ30が選択されることが好ましい。なお、バルブの開放時間を制御する場合に限られず、使用するバルブを開放しておいて、求めた注入時間の間、中和剤注入ポンプ22を稼働させてもよい。
次に、本実施形態の中和装置1の動作について、図3に示す本実施形態に係る中和装置の動作を説明するためのフロー図を用いて説明する。
まず、バッチ式中和反応槽10内には処理対象となる酸性又はアルカリ性排水が導入されている。酸性又はアルカリ性排水には、例えば、炭酸、酢酸等のpH緩衝作用を有する物質が含まれている。処理前の排水のpHは特に制限されるものではないが、pH緩衝作用を有する物質がpH調整に影響を及ぼす範囲外、例えば炭酸であればpH4.8〜pH8.3の範囲外のpHを有する排水に対して、本実施形態の中和装置1を適用することが好ましい。すなわち、例えば炭酸含有酸性排水であれば、pH4.8より低いpHであり、炭酸含有アルカリ性排水であれば、pH8.3より高いpHである。なお、pH緩衝作用を有する物質がpH調整に影響を及ぼす範囲とは、排水のpHが当該範囲(例えば4.8〜8.3)であると、pH緩衝作用を有する物質により中和剤が消費される範囲である。
図3に示すステップS10では、第1バルブ26によって注入される第1注入流量Q1、第2バルブ28によって注入される第2注入流量Q2、第3バルブ30によって注入される第3注入流量Q3が設定される。ステップS12では、水量センサ18により、バッチ式中和反応槽10内の排水の水量が測定される。また、循環ポンプ14を稼働させ、循環ライン12を介してバッチ式中和反応槽10内の排水を循環させて、pHセンサ16により排水のpHが検出される。ステップS14では、中和剤注入量算出部36により、pH検出部32から送出されたpH値及び水量検出部34から送出された排水の水量値から理論中和剤量が算出される。
ステップS16では、中和剤注入量算出部36により、理論中和剤量に第1注入係数a(a<1)を乗じて、第1注入量Vが算出される。ステップS18では、注入装置制御部40により、第1注入量V及び第1注入流量Q1(V/Q1)から、中和剤の注入時間Tが算出される。注入装置制御部40において、算出した注入時間(T)が予め設定した時間T1以上と判断された場合には、ステップS20に進む。ここで、予め設定した時間T1とは、第1バルブ26等の作動による注入誤差を生じない範囲で適宜設定されるものであり、T1は、例えば5秒〜10秒の範囲で設定される。例えば、T1を5秒として設定した場合、第1注入量(V)及び第1注入流量(Q1:例えば5〜50L/min)から求められる注入時間が5秒以上の場合、ステップS20に進む。ステップS20では、注入装置制御部40により、第1バルブ26を注入時間Tの間開放させ、第1注入流量Q1で中和剤がバッチ式中和反応槽10に注入される。そして、注入装置制御部40において、注入時間Tが予め設定した時間T1未満であると判断されるまで、ステップS12〜ステップS20が繰り返される。すなわち、ステップS12〜ステップS20は、注入時間Tの算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の注入時間Tが予め設定した時間T1未満となるまで、中和剤をバッチ式中和反応槽10に第1注入流量Q1で注入時間Tにわたり注入する第1注入をL−1回繰り返すステップである。
一方、注入装置制御部40において、注入時間Tが予め設定した時間T1未満であると判断された場合(例えば、注入時間Tが5秒未満)、続いて注入装置制御部40において、排水のpHがpH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された値αに達しているか否かが判断され、排水のpHが値αに達していないと判断された場合、ステップS22に進む。一方、注入装置制御部40において、排水のpHが値αに達していると判断された場合、ステップS32に進む。ここで、排水のpHが値αに達しているとは、酸性排水の場合、排水のpHが値α以上の値(排水pH≧α)となったことであり、アルカリ性排水の場合、排水のpHが値α以下の値(排水pH≦α)になったことである。また、前述したように、pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲とは、例えば、炭酸の場合、pH4.8〜8.3の範囲となる。そして、酸性排水を中和する場合の値αは、pH4.8〜目標pHの範囲で設定され、下限値であるpH4.8に設定されることが好ましい。また、アルカリ性排水を中和する場合の値αは、目標pH〜8.3の範囲で設定され、上限値である8.3に設定されることが好ましい。炭酸以外のpH緩衝作用を有する物質が含まれる場合でも、pH調整に影響を与えるpH範囲を事前に試験し、適宜値αを設定すればよい。
また、本実施形態では、ステップS18において中和剤の注入時間Tを算出し、注入時間Tが予め設定した時間T1未満と判断された場合には、排水のpHがpH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で規定された値αに達しているか否かが判断されるが、注入時間Tが予め設定した時間T1未満と初めて判断された場合には、ステップS20で、中和剤を第1注入流量Q1でT1時間注入することが好ましい。これにより、第2注入流量Q2で中和剤を注入する回数を減らすことができ、中和時間を短縮することができる。但し、この場合は、第1注入量Vを超える量の中和剤を注入することになるので、T/T1≧aであるのが好ましい。そして、ステップS20を行った後、再度のステップS18において中和剤の注入時間Tを算出し、注入時間Tが予め設定した時間T1未満と判断された場合には、排水のpHがpH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で規定された値αに達しているか否かが判断される。
なお、本実施形態では、中和剤の注入時間Tで管理しているが、第1注入量Vで管理することもできる。この場合、第1注入量Vが予め設定した注入量V1未満と判断された場合には、排水のpHがpH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で規定された値αに達しているか否かが判断される。また、第1注入量Vが予め設定した注入量V1未満と初めて判断された場合には、中和剤を流入量V1だけ注入することが好ましい。但し、この場合は、第1注入量Vを超える量の中和剤を注入することになるので、V/V1≧aであるのが好ましい。
ステップS22では、中和剤注入量算出部36により、pH検出部32から送出されたpH値及び水量検出部34から送出された排水の水量値から理論中和剤量が算出される。ステップS22は、ステップS18からステップS22に進む場合と、後述するステップS30からステップS22に戻る場合とがあるが、ステップS18からステップS22に進んだ場合には、ステップS14で算出した理論中和剤量を援用することが可能である。
ステップS24では、中和剤注入量算出部36により、理論中和剤量に第2注入係数b(第1注入係数aより大きい)を乗じて、第2注入量Vが算出される。ステップS26では、注入装置制御部40により、第2注入量V及び第2注入流量Q2(V/Q2)から、中和剤の注入時間Tが算出される。ステップS28では、注入装置制御部40により、第2バルブ28を注入時間Tの間開放させ、第2注入流量Q2で中和剤がバッチ式中和反応槽10に注入される。ステップS30では、水量センサ18により、バッチ式中和反応槽10内の排水の水量が測定され、pHセンサ16により排水のpHが検出される。そして、注入装置制御部40において、排水のpHが値αに達すると判断されるまで、ステップS22〜ステップS30が繰り返される。すなわち、ステップS22〜ステップS30は、注入時間Tの算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の注入時間Tが予め設定した時間T1未満であり、L回目の時の排水のpH測定値がpH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された値αに達していない場合に、中和剤をバッチ式中和反応槽10に第2注入流量Q2で注入時間Tにわたり注入する第2注入を行い、第2注入後の排水のpHを測定することを、第2注入後のpH測定値が値αに達するまでM回(Mは1以上の自然数)繰り返すステップである。
注入装置制御部40において、排水のpHが値αに達していると判断され、ステップS32に進むと、中和剤注入量算出部36により、pH検出部32から送出されたpH値及び水量検出部34から送出された排水の水量値から理論中和剤量が算出される。ステップS32は、ステップS18からステップS32に進む場合と、ステップS30からステップS32に進む場合と、後述するステップS40からステップS32に戻る場合とがあるが、ステップS18からステップS32に進んだ場合には、ステップS14で算出した理論中和剤量を援用することが可能であり、ステップS30からステップS32に進んだ場合には、ステップS30で測定したpH値及び水量値を理論中和剤量の算出に援用することが可能である。
ステップS34では、中和剤注入量算出部36により、理論中和剤量に第3注入係数c(第2注入係数bより大きい)を乗じて、第3注入量Vが算出される。ステップS36では、注入装置制御部40により、第3注入量V及び第3注入流量Q3(V/Q3)から、中和剤の注入時間Tが算出される。ステップS38では、注入装置制御部40により、第3バルブ30を注入時間Tの間開放させ、第3注入流量Q3で中和剤がバッチ式中和反応槽10に注入される。ステップS40では、水量センサ18により、バッチ式中和反応槽10内の排水の水量が測定され、pHセンサ16により排水のpHが検出される。そして、注入装置制御部40において、排水のpHが目標pHとなっていない場合、排水のpHが目標pHとなるまで、ステップS32〜ステップS40が繰り返される。すなわち、ステップS32〜ステップS40は、注入時間Tの算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の注入時間Tが予め設定した時間T1未満であり、上記第1注入におけるpH測定値(すなわち上記第1注入におけるL回目の排水のpH測定値)または前記第2注入におけるpH測定値(すなわち上記第2注入におけるM回目の排水のpH測定値)が、pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された値αに達した場合に、中和剤をバッチ式中和反応槽10に第3注入流量Q3で注入時間Tにわたり注入する第3注入を行い、第3注入後の排水のpHを測定することを、第3注入後のpH測定値が目標pHに達するまでN回(Nは1以上の自然数)繰り返すステップである。そして、排水のpHが目標pHに達した場合、中和処理を終了する。目標pHは適宜設定されるものであり、例えば環境省排水基準にしたがって、例えば5.8〜8.6の間で設定される。
通常、理論中和剤量から注入量を算出し、算出した注入量及び所定流量から注入時間を算出して、算出した注入時間の間、所定流量で中和剤を注入しても、ポンプのオン・オフやバルブの開閉タイミングによっては、算出した注入量の中和剤が注入されていなかったり、算出した注入量以上の中和剤が注入されたりする場合がある。このような注入量の誤差は、注入時間が短いほど顕著に表れる。また、pH緩衝作用を有する物質を含む排水の中和処理では、排水のpHによっては、理論中和剤量の中和剤を注入しても、目標pHに達しない場合や目標pHを超える場合がある。しかし、本実施形態では、これまで説明したように、注入時間、及び排水のpHを判断基準にして、適切な注入流量及び適切な注入時間を選択して中和剤を注入することで、排水のpHが目標pH値を超えること(オーバーシュート)を抑制しながら中和処理を行うことが可能となり、ひいては短時間で排水のpHを目標pH値にすることが可能となる。
以下、実施例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
まず、φ3000mmのバッチ式中和反応槽に炭酸を含有する樹脂再生排水(以下、排水と称する)を投入した。バッチ式中和反応槽に設置した水位計により測定された水位は3.25mであった。これにより、pH調整前の排水の水量は22.9mと計算された。バッチ式中和反応槽内の排水を3分間、曝気撹拌し、バッチ式中和反応槽に設置したpHセンサにより排水のpHを測定した結果、pHは1.34であった。そして、排水の目標pHを6.2に設定し、以下の条件で排水の中和処理を行った。
<中和処理の条件>
初期注入段階における中和剤の注入流量:33L/min
初期注入段階における第1注入係数:0.6
初期注入段階から第2注入段階へ移行する注入時間(所定時間):5秒
第2注入段階における中和剤の注入流量:1.0L/min
第2注入段階における第2注入係数:1.0
第2注入段階から第3注入段階へ移行するpH閾値:4.8
第3注入段階における中和剤の注入流量:0.1L/min
第3注入段階における第3注入係数:12.0
<初期注入段階>
排水の水量22.9m、pH1.34の排水を、25%NaOH(分子量M=40、比重1,174)で中和する際に必要な理論中和剤量は131.8Lであった(計算内容は以下を参照)。
10−1.36mol/L×22.9m×1000L/m×40g/mol=39.98kg
39.98kg/0.25=159.9kg、25%NaOHでは131.8L
理論中和剤量131.8Lに第1注入係数0.6を乗じて、25%NaOHの注入量を算出した結果、79.1Lとなった。初期注入段階における25%NaOHの流入流量は33L/minであるから、注入時間は143秒となった。すなわち、排水に、注入量79.1L、注入流量33L/min、注入時間143秒で25%NaOHを注入した。
25%NaOH注入後、排水を3分間、曝気撹拌し、排水のpHを測定したところ、pHは1.49であった。pH1.49の排水に対し、上記同様の計算を行った結果、注入量56.2L、注入流量33L/min、注入時間101秒となった。その条件で25%NaOHを排水に注入した。
このようなサイクルを合計4回繰り返したところ、排水のpHは3.25となった。pH3.25の排水に対する25%NaOHの注入量は1.75Lとなるため、注入時間は3.2秒となる。したがって、注入時間が所定時間5秒を下回ったため、初期注入段階から第2注入段階に移行した。
<第2注入段階>
pH3.25の排水に対する理論中和剤量を求め、求めた理論中和剤量に第2注入係数1.0を乗じて、25%NaOHの注入量を算出した結果、1.64Lとなった。第2注入段階における25%NaOHの流入流量は1.0L/minであるから、注入時間は98秒となった。すなわち、排水に、注入量1.64L、注入流量1.0L/min、注入時間98秒で25%NaOHを注入した。
排水のpHを測定したところ、pHは5.85であった。したがって、排水のpHがpH閾値4.8(炭酸がpHに影響を及ぼす範囲の下限値)を超えたため、第2注入段階から第3注入段階へ移行した。
<第3注入段階>
pH5.85の排水に対する理論中和剤量を求め、求めた理論中和剤量に第3注入係数12.0を乗じて、25%NaOHの注入量を算出した結果、0.008Lとなった。第3注入段階における25%NaOHの流入流量は0.1L/minであるから、注入時間は29秒となった。すなわち、排水に、注入量0.008L、注入流量0.1L/min、注入時間29秒で25%NaOHを注入した。第3注入段階を合計3サイクル繰り返したところ排水のpHは目標pHである6.2に達した。
表1に、排水のpH、注入段階、中和剤の注入量、注入時間等をまとめた。
Figure 0006316712
1 中和装置、10 バッチ式中和反応槽、12 循環ライン、14 循環ポンプ、16 pHセンサ、18 水量センサ、20 制御装置、22 中和剤注入ポンプ、24 中和剤注入ライン、26 第1バルブ、28 第2バルブ、30 第3バルブ、32 pH検出部、34 水量検出部、36 中和剤注入量算出部、40 注入装置制御部。

Claims (10)

  1. pH緩衝作用を有する物質を含む酸性又はアルカリ性排水をバッチ式中和反応槽で中和処理する中和処理方法であって、
    前記バッチ式中和反応槽に中和剤を所定の第1注入流量で注入する第1注入ステップと、
    前記バッチ式中和反応槽に中和剤を前記第1注入流量より小さい所定の第2注入流量で注入する第2注入ステップと、
    前記バッチ式中和反応槽に中和剤を前記第2注入流量より小さい所定の第3注入流量で注入する第3注入ステップと、を有し、
    前記第1注入ステップは、前記排水のpH測定値を前記中和剤によって目標pHとするのに必要となる理論中和剤量に所定の第1注入係数a(a<1)を乗じて得られる第1注入量と前記第1注入流量とから算出される第1注入時間が所定時間以上の場合に、前記第1注入時間が前記所定時間未満となるまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第1注入流量及び前記第1注入時間で繰り返し注入するステップであり、
    前記第2注入ステップは、前記第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記第1注入ステップにおける排水のpH測定値が前記pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達していない場合に、前記第2注入ステップにおける排水のpH測定値が前記設定値に達するまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第2注入流量、及び前記排水のpH測定値を目標pHとするのに必要となる理論中和剤量に第2注入係数b(b>a)を乗じて得られる第2注入量と前記第2注入流量とから算出される第2注入時間で繰り返し注入するステップであり、
    前記第3注入ステップは、前記第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記第1注入ステップにおける排水のpH測定値または前記第2注入ステップにおける排水のpH測定値が前記pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達した場合に、前記第3注入ステップにおける排水のpH測定値が前記目標pHに達するまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第3注入流量、及び前記排水のpH測定値を目標pHとするのに必要な理論中和剤量に第3注入係数c(c>b)を乗じて得られる第3注入量と前記第3注入流量とから算出される第3注入時間で繰り返し注入するステップであることを特徴とする中和処理方法。
  2. 前記第1注入ステップは、前記排水のpH測定値を前記中和剤によって目標pHとするのに必要となる理論中和剤量に所定の第1注入係数a(a<1)を乗じて得られる第1注入量と前記第1注入流量とから算出される第1注入時間が所定時間以上の場合に、前記第1注入時間の算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の第1注入時間が前記所定時間未満となるまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第1注入流量で前記第1注入時間にわたり注入する第1注入をL−1回繰り返すステップであり、
    前記第2注入ステップは、前記算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の時の排水のpH測定値がpH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達していない場合に、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第2注入流量で前記第2注入時間にわたり注入する第2注入を行い、前記第2注入後の排水のpHを測定することを、前記第2注入後のpH測定値が前記設定値に達するまでM回(Mは1以上の自然数)繰り返すステップであり、
    前記第3注入ステップは、前記算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記第1注入におけるpH測定値または前記第2注入におけるpH測定値が、pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達した場合に、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第3注入流量で前記第3注入時間にわたり注入する第3注入を行い、前記第3注入後の排水のpHを測定することを、前記第3注入後のpH測定値が前記目標pHに達するまでN回(Nは1以上の自然数)繰り返すステップであることを特徴とする請求項1記載の中和処理方法。
  3. 前記第1注入ステップによって、前記第1注入時間が前記所定時間未満となった場合、前記第2注入ステップ又は前記第3注入ステップに移行する前に、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第1注入流量及び前記所定時間で注入する追加ステップを備え、
    前記追加ステップによる前記中和剤の初回注入後、前記第1注入時間が前記所定時間未満である場合、前記第2注入ステップ又は前記第3注入ステップに移行することを特徴とする請求項1又は2記載の中和処理方法。
  4. 前記第1注入係数aは0.6〜0.8の範囲であり、前記第2注入係数bは0.8〜1.2の範囲であり、前記第3注入係数cは1〜20の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の中和処理方法。
  5. 前記酸性又はアルカリ性排水は、イオン交換樹脂の再生処理において、前記イオン交換樹脂から排出される再生廃液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の中和処理方法。
  6. pH緩衝作用を有する物質を含む酸性又はアルカリ性排水を中和処理するバッチ式中和反応槽と、
    前記バッチ式中和反応槽に中和剤を所定の第1注入流量で注入する第1注入手段、前記バッチ式中和反応槽に中和剤を前記第1注入流量より小さい所定の第2注入流量で注入する第2注入手段、前記バッチ式中和反応槽に中和剤を前記第2注入流量より小さい所定の第3注入流量で注入する第3注入手段、を有する注入装置と、
    前記排水のpH測定値を前記中和剤によって目標pHとするのに必要な理論中和剤量に所定の注入係数を乗じて得られる注入量と、前記第1注入流量、前記第2注入流量又は前記第3注入流量ととから注入時間を算出する算出部と、
    前記第1注入手段、前記第2注入手段及び前記第3注入手段の稼働を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記算出部によって前記排水のpH測定値を前記中和剤によって目標pHとするのに必要となる理論中和剤量に所定の第1注入係数a(a<1)を乗じて得られる第1注入量と前記第1注入流量とから算出される第1注入時間が所定時間以上の場合に、前記算出部により求められる前記第1注入時間が前記所定時間未満となるまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第1注入流量及び前記注入時間で繰り返し注入されるように前記第1注入手段を稼働させ、
    前記第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記第1注入手段の中和剤注入における排水のpH測定値が前記pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達していない場合に、前記第2注入手段の中和剤注入における排水のpH測定値が前記設定値に達するまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第2注入流量、及び前記算出部によって前記排水のpH測定値を目標pHとするのに必要な理論中和剤量に第2注入係数b(b>a)を乗じて得られる第2注入量と前記第2注入流量とから算出される第2注入時間で繰り返し注入されるように前記第2注入手段を稼働させ、
    前記第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記第1注入手段の中和剤注入における排水のpH測定値又は前記第2注入手段の中和剤注入における排水のpH測定値が前記pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達した場合に、前記第3注入手段の中和剤注入における排水のpH測定値が前記目標pHに達するまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第3注入流量、及び前記算出部により前記排水のpHが目標pHとなるのに必要な理論中和剤量に第3注入係数c(c>b)を乗じて得られる第3注入量と前記第3注入流量とから算出される第3注入時間で繰り返し注入されるように前記第3注入手段を稼働させることを特徴とする中和装置。
  7. 前記排水のpHを測定するpH測定手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記算出部によって前記排水のpH測定値を前記中和剤によって目標pHとするのに必要となる理論中和剤量に所定の第1注入係数a(a<1)を乗じて得られる第1注入量と前記第1注入流量とから算出される第1注入時間が所定時間以上の場合に、前記算出部により求められる前記第1注入時間の算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の第1注入時間が前記所定時間未満となるまで、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第1注入流量で前記第1注入時間にわたり注入する第1注入をL−1回繰り返し行われるように前記第1注入手段を稼働させ、
    前記算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の時の排水のpH測定値がpH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達していない場合に、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第2注入流量で前記第2注入時間にわたり注入する第2注入を行い、前記第2注入後の排水のpHを測定することを、前記第2注入後のpH測定値が前記設定値に達するまでM回(Mは1以上の自然数)繰り返し行われるように前記第2注入手段及び前記pH測定手段を稼働させ、
    前記第3注入ステップは、前記算出回数L回目(Lは1以上の自然数)の第1注入時間が前記所定時間未満であり、前記第1注入におけるpH測定値または前記第2注入におけるpH測定値が、pH緩衝作用を有する物質の影響を受けるpH範囲内で設定された設定値に達した場合に、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第3注入流量で前記第3注入時間にわたり注入する第3注入を行い、前記第3注入後の排水のpHを測定することを、前記第3注入後のpH測定値が前記目標pHに達するまでN回(Nは1以上の自然数)繰り返し行われるように前記第3注入手段及び前記pH測定手段を稼働させることを特徴とする請求項6記載の中和装置。
  8. 前記制御手段は、前記第1注入手段による前記中和剤の注入によって、前記第1注入時間が前記所定時間未満となった場合、前記第2注入手段又は前記第3注入手段による前記中和剤の注入の前に、前記中和剤を前記バッチ式中和反応槽に前記第1注入流量及び前記所定時間で注入されるように前記第1注入手段を稼働させ、
    前記第1注入流量及び前記所定時間での前記中和剤の初回注入後、前記第1注入時間が前記所定時間未満である場合、前記第2注入手段又は前記第3注入手段を稼働させることを特徴とする請求項6又は7記載の中和装置。
  9. 前記第1注入係数aは0.6〜0.8の範囲であり、前記第2注入係数bは0.8〜1.2の範囲であり、前記第3注入係数cは1〜20の範囲であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の中和装置。
  10. 前記注入装置は、中和剤としての酸を注入する1つの酸注入ポンプ、及び中和剤としてのアルカリを注入する1つのアルカリ注入ポンプを備えることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の中和装置。
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