JP6314855B2 - 燃料電池システムおよび燃料電池の運転制御方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池の運転制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6314855B2
JP6314855B2 JP2015011078A JP2015011078A JP6314855B2 JP 6314855 B2 JP6314855 B2 JP 6314855B2 JP 2015011078 A JP2015011078 A JP 2015011078A JP 2015011078 A JP2015011078 A JP 2015011078A JP 6314855 B2 JP6314855 B2 JP 6314855B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
water
manifold
discharge
discharge manifold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015011078A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016136466A (ja
Inventor
諭 塩川
諭 塩川
哲也 坊農
哲也 坊農
修 浜野井
修 浜野井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2015011078A priority Critical patent/JP6314855B2/ja
Publication of JP2016136466A publication Critical patent/JP2016136466A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6314855B2 publication Critical patent/JP6314855B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、燃料電池からの水の排出に関する。
燃料電池として、多数の単セルが積層したセルスタックを有し、反応ガスを流通させるためのマニホールドが単セルの積層方向に沿ってセルスタックの内部に延設された燃料電池が知られている。このような燃料電池では、カソード側の電気化学反応により生じる水や反応ガスに含まれる加湿用の水が各単セル内に溜まると、反応ガスの流通が阻害されるいわゆるフラッディングが生じ、セル電圧の低下が生じるおそれがある。また、セル電圧が低下すると、該当の単セルにおける電位変動が増大して触媒がより劣化し易くなる。そこで、反応ガスを通常時よりも多く燃料電池に供給することにより反応ガスによって水を排出する、いわゆる排水掃気を実行する燃料電池システムが提案されている。特許文献1に記載の燃料電池システムでは、燃料電池内の残留水量を想定し、その量に応じた時間だけカソードに空気を供給すると共にアノードに水素ガスを供給して排水掃気処理を実行する。
特開第2006−294402号公報
しかしながら、従来の排水掃気では、例えば、以下のような構成において、排水が十分に行なわれないおそれがあった。セルスタックが載置された状態において、セルスタックの内部下方に反応ガス供給用マニホールドが位置し、内部上方に反応ガス排出用マニホールドが位置する燃料電池システムにおいて、排水掃気が実行されると、各単セル内の水は、反応ガス排出用マニホールドまで押し上げられる。しかしながら、反応ガス排出用マニホールドにおける出口から遠い部分でのオフガスの流量、すなわち、該当部分に接する各単セルから排出されるオフガスの合計流量は少ないため、また、一般に排水掃気は1〜2秒間程度の短時間だけ実行されるため、かかる部分に持ち上げられた水が反応ガス排出用マニホールドの出口に向かって運ばれないことが起こり得る。この場合、排水掃気が完了した後に、反応ガス排出マニホールドから各単セルに水が戻ってしまい、排水が十分に行なわれないおそれがあった。また、この場合、排水掃気により一時的にセル電圧の低下は解消しても、その後再びセル電圧の低下が起こるおそれがあった。このため、燃料電池の反応ガス排出マニホールドにおける排水性の低下抑制が求められていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の一形態によれば、燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、積層された複数の単セルを有する燃料電池と;前記複数の単セルに反応ガスを供給するために、前記複数の単セルの積層方向に沿って前記燃料電池の内部に延設されている供給マニホールドと;前記供給マニホールドよりも重力方向上方に位置し、前記複数の単セルから排出されるオフガスおよび水を排出するために、前記積層方向に沿って前記燃料電池の内部に延設されている排出マニホールドと;前記反応ガスを前記燃料電池に供給することにより前記排出マニホールドと連通する配管に溜まった水を排出する排出ブローを実行する排出ブロー実行部と;前記燃料電池の運転環境が、前記燃料電池の通常運転時に比べて前記排出マニホールドにおける水の貯留量が多くなり得る多水運転環境である場合と、前記燃料電池の運転状況が、前記燃料電池の通常運転時に比べて前記排出マニホールドにおける水の貯留量が多くなり得る多水運転状況である場合と、のうちの少なくとも一方の場合に、前記燃料電池に供給される前記反応ガスの流量を、前記燃料電池の通常運転時に比べて多く且つ前記排出ブロー実行時に比べて少なく制御するガス供給量制御部と;前記燃料電池の運転環境が前記多水運転環境であること、または、前記燃料電池の運転状況が前記多水運転状況であること、を特定する運転特定部と;を備え;前記運転特定部は、前記排出ブローが完了した場合と、前記燃料電池の出力電流値が出力可能電流範囲の最大値となるように前記燃料電池に前記反応ガスが供給されている状態であるWOT状態が終了した場合と、のうちのいずれかの場合に、前記燃料電池の運転状況が前記多水運転状況であると特定する。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、積層された複数の単セルを有する燃料電池と;前記複数の単セルに反応ガスを供給するために、前記複数の単セルの積層方向に沿って前記燃料電池の内部に延設されている供給マニホールドと;前記供給マニホールドよりも重力方向上方に位置し、前記複数の単セルから排出されるオフガスおよび水を排出するために、前記積層方向に沿って前記燃料電池の内部に延設されている排出マニホールドと;前記反応ガスを前記燃料電池に供給することにより前記排出マニホールドと連通する配管に溜まった水を排出する排出ブローを実行する排出ブロー実行部と;前記燃料電池の運転環境が、前記燃料電池の通常運転時に比べて前記排出マニホールドにおける水の貯留量が多くなり得る多水運転環境である場合と、前記燃料電池の運転状況が、前記燃料電池の通常運転時に比べて前記排出マニホールドにおける水の貯留量が多くなり得る多水運転状況である場合と、のうちの少なくとも一方の場合に、前記燃料電池に供給される前記反応ガスの流量を、前記燃料電池の通常運転時に比べて多く且つ前記排出ブロー実行時に比べて少なく制御するガス供給量制御部と;を備える。この形態の燃料電池システムによれば、燃料電池の運転環境が多水運転環境である場合と、燃料電池の運転状況が多水運転状況である場合とのうちの少なくとも一方の場合に、反応ガスの流量を燃料電池の通常運転時に比べて多くするので、排出マニホールドに水が溜まることを抑制できる。加えて、このときの反応ガスの流量を、排出ブロー実行時に比べて少なくするので、反応ガスの過度な供給に起因して燃料電池内が過度に乾燥することを抑制でき、各単セルにおける乾燥に伴う発電効率の低下を抑制できる。
(2)上記形態の燃料電池システムにおいて、さらに、前記燃料電池の運転環境が前記多水運転環境であること、または、前記燃料電池の運転状況が前記多水運転状況であること、を特定する運転特定部を備えてもよい。この形態の燃料電池システムによれば、多水運転環境であること、または、多水運転状況であることが特定されるので、これら特定された環境および状況に基づき、適切なタイミングで反応ガスの流量を制御できる。
(3)上記形態の燃料電池システムにおいて、水平面に対する前記燃料電池の姿勢に関連する情報である姿勢関連情報を取得する姿勢関連情報取得部をさらに備え、前記運転特定部は、前記姿勢関連情報に基づき特定される前記燃料電池の姿勢が、前記燃料電池における前記排出マニホールドの出口からより遠い部分が前記出口により近い部分に比べて下方に位置する姿勢である場合に、前記燃料電池の運転環境が前記多水運転環境であると特定してもよい。この形態の燃料電池システムによれば、燃料電池の姿勢が、排出マニホールドの出口からより遠い部分がより近い部分に比べて下方に位置する姿勢であるために、排出マニホールドの出口からより遠い部分において水が溜まり易い運転環境であっても、排出マニホールドに水が溜まることを抑制できる。
(4)上記形態の燃料電池システムにおいて、前記排出マニホールドの出口からより遠い位置から前記出口より近い位置に向かう方向に沿った前記燃料電池の加速度を特定する加速度特定部をさらに備え、前記運転特定部は、前記加速度が所定の大きさ以上である場合に、前記燃料電池の運転環境が前記多水運転環境であると特定してもよい。この形態の燃料電池システムによれば、排出マニホールドの出口からより遠い位置からより近い位置に向かう方向に沿った燃料電池の加速度が所定の大きさ以上であるために、排出マニホールドの出口からより遠い部分において水が溜まり易い運転環境であっても、排出マニホールドに水が溜まることを抑制できる。
(5)上記形態の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池に前記反応ガスを供給するための反応ガス供給流路と;前記反応ガス供給流路における前記反応ガスの供給量に関連する供給量関連情報を取得する供給量関連情報取得部と;をさらに備え、前記運転特定部は、前記供給量関連情報に基づき特定される前記反応ガスの供給量が、前記燃料電池の出力可能電流値範囲の最大値に対応する量から低減した場合に、前記燃料電池の運転状況が前記多水運転状況であると特定してもよい。この形態の燃料電池システムによれば、反応ガスの流量が燃料電池の出力可能電流値範囲の最大値に対応する量から低減したために、各単セル内の水が排出マニホールド内に持ち上げられ、排出マニホールド内に多量の水が存在するような運転状況であっても、排出マニホールドに水が溜まることを抑制できる。
(6)上記形態の燃料電池システムにおいて、前記運転特定部は、前記排出ブローが完了した場合に、前記燃料電池の運転状況が前記多水運転状況であると特定してもよい。この形態の燃料電池システムによれば、排出ブローが完了したために、各単セル内の水が排出マニホールド内に持ち上げられて排出マニホールド内に多量の水が存在するような運転状況であっても、排出マニホールドに水が溜まることを抑制できる。
(7)上記形態の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池に供給される前記反応ガスの流量を、前記燃料電池の通常運転時に比べて多く且つ前記排出ブロー実行時に比べて少なくする期間が、前記排出ブローの実行期間よりも長くてもよい。この形態の燃料電池システムによれば、排出マニホールドに水が溜まることの抑制と、燃料電池内の過度な乾燥の抑制とを、より確実に両立できる。
(8)上記形態の燃料電池システムにおいて、前記ガス供給量制御部は、前記燃料電池の運転状況が前記多水運転状況であると特定された場合には、前記燃料電池の運転環境が前記多水運転環境であると特定された場合に比べて、より長い期間において、前記燃料電池に供給される前記反応ガスの流量を、通常運転時に比べて多く且つ前記排出ブロー実行時に比べて少なくしてもよい。多水運転状況は、一般に多水運転環境に比べて、排出マニホールド内に多量の水が存在する可能性が高い。しかしながら、上記形態の燃料電池システムによれば、多水運転環境において、より長い期間反応ガスの流量を通常運転時に比べて多く制御するので、排出マニホールド内に水が溜まることを抑制できる。
(9)上記形態の燃料電池システムにおいて、前記反応ガスは、酸化剤ガスであってもよい。この形態の燃料電池システムによれば、電気化学反応により水が生じるために、排出マニホールド内に水が溜まり易いカソード側の排出マニホールドにおいて、水が溜まることを抑制できる。
本発明は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、燃料電池の運転制御方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 第1実施形態における多水運転環境の一例を示す説明図である。 第1実施形態における運転制御処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態における燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 第2実施形態における多水運転環境の一例を示す説明図である。 第2実施形態における運転制御処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態における燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 第3実施形態における運転制御処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における運転制御処理の手順を示すフローチャートである。
A.第1実施形態:
A1.システム構成:
図1は、本発明の一実施形態としての燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。本実施形態の燃料電池システム10は、駆動用電源を供給するためのシステムとして、燃料電池自動車に搭載されて用いられる。燃料電池システム10は、燃料電池100と、燃料ガス供給排出系200と、酸化剤ガス供給排出系300と、燃料電池循環冷却系400と、電力充放電系500と、制御装置600と、加速度センサ650とを備える。
燃料電池100は、いわゆる固体高分子型燃料電池であり、積層方向SDに沿って積層された複数の単セル110と、総合電極として機能する一対の集電板111と、複数の単セル110および一対の集電板111から成る積層体の積層状態を維持するために、積層体の両端の外側に配置される一対のエンドプレート112とを備える。各単セル110は、固体高分子電解質膜を挟んで設けられるアノード側触媒電極層に供給される燃料ガス(水素)と、カソード側触媒電極層に供給される酸化剤ガス(空気に含まれる酸素)との電気化学反応により電力を発生する。触媒電極層は、触媒、例えば、白金(Pt)を担持したカーボン粒子や電解質を含んで構成される。単セル110において両電極側の触媒電極層の外側には、多孔質体により形成されたガス拡散層が配置されている。多孔質体としては、例えば、カーボンペーパーおよびカーボンクロス等のカーボン多孔質体や、金属メッシュおよび発泡金属等の金属多孔質体が用いられる。
図1に破線で示すように、燃料電池100の内部には、積層方向SDに沿って酸化剤ガス供給マニホールド121およびカソード側オフガス排出マニホールド122が形成されている。本実施形態において、酸化剤ガス供給マニホールド121は、燃料電池100が載置された状態において重力方向下方に位置し、カソード側オフガス排出マニホールド122は、燃料電池100が載置された状態において重力方向上方に位置する。本実施形態において、酸化剤ガス供給マニホールド121およびカソード側オフガス排出マニホールド122のこのような配置は、各単セル110において、酸化剤ガスである空気の流れと燃料ガスである水素ガスの流れとがカウンターフローとなるために設定されている。すなわち、燃料電池100の内部には、図示しない燃料ガス供給マニホールドが積層方向SDに沿って重力方向上方に形成されており、また、図示しないアノード側オフガス排出マニホールドが積層方向SDに沿って重力方向下方に形成されている。かかる構成により、各単セル110には、水素ガスが上方から下方に向かって供給されるため、かかる水素ガスの供給方向に対してカウンターフローとなるように、各単セル110において、下方から上方に向かって空気が供給される。なお、各単セル110において、水素ガスが上方から下方に向かって供給されるのは、各単セル110のアノードにおいて、水素ガスの勢いに加えて重力を利用してより多く排出することにより、アノード側に存在する水に起因する単セル110の劣化が進行することを抑制するためである。酸化剤ガス供給マニホールド121は、酸化剤ガス供給路331と接続されており、酸化剤ガス供給路331を介してエアコンプレッサ320から供給される空気を、各単セル110に供給する。カソード側オフガス排出マニホールド122は、酸化剤ガス排出路332と接続されており、各単セル110から排出されるカソード側オフガスおよび水を酸化剤ガス排出路332に排出する。各単セル110から排出されるカソード側オフガスおよび水は、通常運転時には、酸化剤ガス供給マニホールド121から供給される空気によりカソード側オフガス排出マニホールド122を通って酸化剤ガス排出路332へと排出される。なお、燃料電池100の内部には、上述の2つのマニホールド121,122に加えて、燃料ガスの供給用マニホールド及び排出用マニホールドと、冷却媒体の供給用マニホールド及び排出用マニホールドとが形成されている。
図1に示す燃料ガス供給排出系200は、燃料電池100への水素ガスの供給および燃料電池100からのアノード側オフガスの排出を行なう。燃料ガス供給排出系200は、水素タンク210と、遮断弁220と、インジェクタ221と、気液分離器230と、循環用ポンプ240と、パージ弁250と、燃料ガス供給路261と、第1燃料ガス排出路262と、燃料ガス循環路263と、第2燃料ガス排出路264とを備える。
水素タンク210は、高圧水素を貯蔵しており、燃料ガスとしての水素ガスを、燃料ガス供給路261を介して燃料電池100に供給する。遮断弁220は、水素タンク210における燃料ガスの供給口近傍に配置され、水素タンク210からの水素ガスの供給の実行と停止とを切り替える。インジェクタ221は、燃料ガス供給路261に配置され、燃料電池100への水素ガスの供給量(流量)および圧力を調整する。気液分離器230は、第1燃料ガス排出路262に配置され、燃料電池100から排出されたアノード側オフガスに含まれる水を分離して第2燃料ガス排出路264に排出すると共に、水が分離された後のガス(水素ガス)を燃料ガス循環路263に排出する。循環用ポンプ240は、燃料ガス循環路263に配置され、気液分離器230から排出された燃料ガスを燃料ガス供給路261に供給する。パージ弁250は、第2燃料ガス排出路264に配置され、開弁されることにより、気液分離器230によって分離された水やオフガスの大気中への排出を許容する。
酸化剤ガス供給排出系300は、燃料電池100への空気の供給および燃料電池100からのカソード側オフガスの排出を行なう。酸化剤ガス供給排出系300は、エアクリーナ310と、エアコンプレッサ320と、背圧弁340と、酸化剤ガス供給路331と、酸化剤ガス排出路332とを備える。
エアクリーナ310は、内部に備えるフィルタにより空気中の塵等の異物を除去し、異物除去後の空気をエアコンプレッサ320に供給する。また、エアクリーナ310は、エアフローメータ311を有し、燃料電池100への空気の供給量を測定する。エアコンプレッサ320は、エアクリーナ310から供給される空気を圧縮して酸化剤ガス供給路331へと送出する。背圧弁340は、酸化剤ガス排出路332に配置され、燃料電池100のカソード側の排出路における圧力を調整する。酸化剤ガス排出路332は、上述の第2燃料ガス排出路264と接続されており、酸化剤ガス排出路332を通って排出される水およびカソード側オフガスは、第2燃料ガス排出路264を通って排出される水およびアノード側オフガスと共に大気中へと排出される。
燃料電池循環冷却系400は、燃料電池100を介して冷却水を循環させることにより燃料電池100の温度を調整する。燃料電池循環冷却系400は、冷却水流路421と、ラジエータ410と、バイパス流路422と、三方弁430と、循環用ポンプ440とを備える。冷却水流路421は、燃料電池100の外部に設けられた冷却水の流路であり、燃料電池100内の図示しない冷却水排出マニホールドおよび冷却水供給マニホールドに接続されている。ラジエータ410は、冷却水流路421に配置されており、燃料電池100から排出された冷却水を、図示しない電動ファンからの送風等により冷却する。バイパス流路422は、冷却水流路421の途中に設けられており、燃料電池100から排出された冷却水の少なくとも一部を、ラジエータ410をバイパスして燃料電池100に戻すための流路である。バイパス流路422の下流端と、冷却水流路421とは、三方弁430により接続されている。三方弁430は、冷却水流路421を通る冷却水の流量と、バイパス流路422を通る冷却水の流量とを調整する。循環用ポンプ440は、冷却水流路421において三方弁430と燃料電池100との間に配置されており、燃料電池循環冷却系400における冷却水の循環流量を調整する。本実施形態では、冷却水としてエチレングリコール等の不凍水が用いられる。但し、不凍水に限らず空気等の気体などの熱交換可能な任意の媒体を、冷却媒体として用いてもよい。
電力充放電系500は、燃料電池100またはバッテリー550から出力される電力を、負荷装置700に供給する。本実施形態において、負荷装置700とは、車両駆動用モータや各種捕機類等であり、燃料電池100の正極側の集電板111および負極側の集電板111にそれぞれ接続されている。電力充放電系500は、インバータ520と、DC−DCコンバータ560と、バッテリー550とを備える。インバータ520は、燃料電池100及びバッテリー550と並列に接続され、燃料電池100またはバッテリー550から供給される直流電流を交流電流に変換して負荷装置700に供給する。DC−DCコンバータ560は、バッテリー550の出力電圧を昇圧してインバータ520に供給し、また、燃料電池100の余剰発電力を蓄電するために、出力電圧を降圧してバッテリー550に供給する。
制御装置600は、上述の遮断弁220、インジェクタ221、循環用ポンプ240、パージ弁250、エアコンプレッサ320、背圧弁340、三方弁430、循環用ポンプ440、インバータ520、およびDC−DCコンバータ560と電気的に接続されており、これらを制御する。また、制御装置600は、エアフローメータ311と電気的に接続されており、エアフローメータ311から出力される流量(空気供給量)を示す信号を受信する。制御装置600は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを有する図示しないマイクロコンピュータにより構成されており、CPUがROMに格納されている制御用プログラムを実行することにより、運転特定部611と、ガス供給量制御部612と、姿勢関連情報取得部613と、運転制御部614として機能する。
運転特定部611は、燃料電池100の運転環境が、通常運転時に比べて、カソード側オフガス排出マニホールド122における水の貯留量が多くなり得る多水運転環境であるか否かを特定する。第1実施形態において、多水運転環境は、燃料電池100の運転時における燃料電池100の姿勢が水平面に対して所定の閾値角度よりも大きく傾いている状況を意味する。
図2は、第1実施形態における多水運転環境の一例を示す説明図である。燃料電池100は、燃料電池自動車800の内部において、積層方向SDが燃料電池自動車800の左右方向と平行となるように配置されている。上記「左右方向」とは、燃料電池自動車800の中央部において進行方向を向いた場合の左側および右側に向かう方向を意味する。なお、図2では、燃料電池自動車800を、前方から後方に見たときの外形輪郭線として一点鎖線により表している。図2に示すように、燃料電池自動車800が水平面HXに対して角度θで傾斜している地面GD上を走行している場合、燃料電池100においてカソード側オフガス排出マニホールド122の出口(酸化剤ガス排出路332との接続部分)E2からより遠い部分は、出口E2により近い部分に比べて下方に位置する。このため、図2に示すように角度θが大きい場合、カソード側オフガス排出マニホールド122に存在する水W1は、重力Gにしたがってカソード側オフガス排出マニホールド122の出口E2から最も離れた端部セル110eおよびその近傍のセルに集まり易い。加えて、カソード側オフガス排出マニホールド122において、端部セル110eおよびその近傍のセルと接続する部分では、カソード側オフガス排出マニホールド122を流れるオフガスの流量が少ない。これは、出口E2に近い位置ほど、各単セル110から排出されるオフガスが集まって合計流量が大きくなるのに対して、出口E2から多い位置ほど、かかる合計流量が小さいからである。これらの理由から、角度θが大きい場合、水W1は、各単セル110からカソード側オフガス排出マニホールド122に流れ込むオフガスによってはカソード側オフガス排出マニホールド122から排出され難く、カソード側オフガス排出マニホールド122内に留まり易い。このため、燃料電池自動車800が水平面と平行な地面を走行している通常運転時に比べて、カソード側オフガス排出マニホールド122における水の貯留量が多くなり得る。本実施形態において、以降では、図2に示すように通常状態に比べてカソード側オフガス排出マニホールド122における水の貯留量が多くなり得る燃料電池100の運転環境を、多水運転環境と呼ぶ。
図1に示すガス供給量制御部612は、エアコンプレッサ320の回転数を調整することにより、燃料電池100への空気の供給量(空気流量)を制御する。通常運転時においては、ガス供給量制御部612は、予め定められているストイキ比(例えば、1.5)となるように、要求出力(出力電流値)に基づきエアコンプレッサ320における空気流量を調整する。また、ガス供給量制御部612は、エアブロー実行の際には、通常運転時に比べて高いストイキ比(例えば、8.5)となるように、要求出力(出力電流値)に基づきエアコンプレッサ320における空気流量を調整する。エアブローとは、空気を燃料電池100のカソード側に供給することにより酸化剤ガス排出路332および背圧弁340に残存する水を排出する処理を意味し、短時間に多量の空気が燃料電池100に供給される。本実施形態の燃料電池システム10では、エアブローは定期的に実行される。なお、定期的な実行に代えて、運転者がインストゥルメントパネルにおいて所定操作を行った場合にエアブローが実行されてもよい。姿勢関連情報取得部613は、燃料電池100の姿勢に関連する情報(以下、「姿勢関連情報」と呼ぶ)を取得する。本実施形態において、姿勢関連情報とは、積層方向SDに沿った水平面HXに対する燃料電池100の角度θ(以下、傾斜角度θと呼ぶ)を意味する。姿勢関連情報取得部613は、加速度センサ650から受信した加速度を示す情報に基づき、姿勢関連情報を特定して取得する。運転制御部614は、燃料電池システム10全体を制御する。
加速度センサ650は、燃料電池100の近傍に配置されており、燃料電池100の加速度を検出し、検出された加速度を示す信号を出力する。本実施形態の燃料電池システム10では、後述する運転制御処理を実行することにより、燃料電池100の運転環境が多水運転環境である場合に、カソード側オフガス排出マニホールド122に水が溜まることを抑制することができる。
本実施形態において、カソード側オフガス排出マニホールド122は、請求項における排出マニホールドに相当する。また、ガス供給量制御部612は、請求項におけるガス供給量制御部および排出ブロー実行部に、加速度センサ650は請求項における加速度特定部に、それぞれ相当する。
A2.運転制御処理:
図3は、第1実施形態における運転制御処理の手順を示すフローチャートである。燃料電池システム10では、燃料電池自動車800のイグニッションがオンすると、運転制御処理が実行される。
姿勢関連情報取得部613は、加速度センサ650から受信する加速度の測定値に基づき、燃料電池100の姿勢(傾斜角度θ)を特定する(ステップS105)。運転特定部611は、ステップS105で特定された傾斜角度θが閾値角度よりも大きいか否かを判定する(ステップS110)。本実施形態では、通常運転時、すなわち、燃料電池自動車800が水平面と平行な地面を走行している時に比べてカソード側オフガス排出マニホールド122における貯水量が多くなるときの傾斜角度θを実験により求め、ステップS110における閾値角度として予め設定されている。このように設定されている閾値角度と傾斜角度θとを比較することにより、運転特定部611は、傾斜角度θが閾値角度よりも大きい場合に、燃料電池100の運転環境が多水運転環境であると特定する。
上述のステップS110において、傾斜角度θが閾値角度よりも大きい、すなわち、燃料電池100の運転環境が多水運転環境であると特定された場合(ステップS110:YES)、ガス供給量制御部612は、エアコンプレッサ320を制御して燃料電池100に供給する空気流量を、通常運転時よりも多く、且つ、エアブロー実行時よりも少ない量に調整する(ステップS115)。具体的には、制御装置600が有する図示しないメモリには、予めステップS115において参照すべきエアストイキ比として、通常運転時のエアストイキ比(例えば、1.5)よりも大きく、且つ、エアブロー時のストイキ比(例えば、8.6)よりも小さい値が記憶されており、ガス供給量制御部612は、要求出力(出力電流値)に基づき、エアストイキ比がかかる値となるようにエアコンプレッサ320における空気流量を調整する。
このように、燃料電池100に供給する空気流量が通常運転時よりも多い量に調整されることにより、カソード側オフガス排出マニホールド122において出口E2から離れた位置(図2に示す端部セル110e近傍の部分)に存在する水W1は、出口E2に向かって移動し、酸化剤ガス排出路332へと排出され易くなる。また、燃料電池100に供給する空気流量がエアブロー時よりも少ない量に調整されることにより、各単セル110が過度に乾燥することが抑制される。なお、上述のステップS110において、傾斜角度θが閾値角度よりも大きい、すなわち、運転特定部611は、ステップS110の実行時刻を、制御装置600の図示しないメモリに記憶させる。
上述のステップS110において、傾斜角度θが閾値角度よりも大きくない、すなわち、燃料電池100の運転環境が多水運転環境でないと特定された場合(ステップS110:NO)、運転特定部611は、傾斜角度θが閾値角度以下となってからの経過時間を特定する(ステップS120)。上述のようにステップS110の実行時刻が記録されているため、かかる時刻を用いて経過時間が特定される。なお、燃料電池自動車800のイグニッションがオンしてから一度も傾斜角度θが閾値角度よりも大きくなったことがない場合、ステップS120では、経過時間として、後述する閾値時間よりも長い所定の時間が特定される。
運転特定部611は、ステップS120で特定された経過時間が閾値時間よりも長いか否かを判定する(ステップS125)。ステップS125の閾値時間は、エアブロー時における流量を増加させる時間に比べて長い時間が設定されている。本実施形態では、かかる閾値時間として10秒間が設定されているが、10秒間に限らず、エアブロー時における流量を増加させる時間に比べて長い任意の時間を設定してもよい。経過時間が閾値時間よりも長くないと判定された場合(ステップS125:NO)、上述のステップS115が実行される。これに対して、経過時間が閾値時間よりも長いと判定された場合(ステップS125:YES)、ガス供給量制御部612は、エアコンプレッサ320を制御して燃料電池100に供給する空気流量を、通常運転時の供給量に調整する(ステップS130)。上述のステップS115〜S130により理解できるように、本実施形態では、通常運転時よりも多く且つエアブロー実行時よりも少ない量に燃料電池100に供給する空気流量を調整することは、ステップS120における閾値時間(10秒間)は少なくとも継続して実行される。上述のように閾値時間は、エアブロー時における空気流量を増加させる時間に比べて長い。このため、通常運転時に比べて増加された流量の空気により端部セル110e近傍の単セル110からカソード側オフガス排出マニホールド122に排出された(持ち上げられた)水が、重力Gにしたがって再び各単セル110に戻ってしまうことが抑制される。
以上説明した第1実施形態の燃料電池システム10によれば、燃料電池100の運転環境が多水運転環境であるか否かを特定し、多水運転環境であると特定された場合に、燃料電池100に供給する空気流量を通常運転時よりも多く調整するため、カソード側オフガス排出マニホールド122からの水の排出を促し、カソード側オフガス排出マニホールド122に水が溜まることを抑制できる。加えて、燃料電池100に供給する空気流量をエアブロー時に比べて少なく調整するため、各単セル110が過度に乾燥することを抑制できる。
また、傾斜角度θが閾値角度よりも大きい場合に燃料電池100に供給する空気流量を調整するため、燃料電池100の姿勢に起因してカソード側オフガス排出マニホールド122に水が溜まり易い状況であっても、カソード側オフガス排出マニホールド122に水が溜まることを抑制できる。また、通常運転時よりも多く且つエアブロー実行時よりも少ない量に燃料電池100に供給する空気流量を調整することを、エアブロー時における空気流量を増加させる時間に比べて長い時間継続して実行するので、通常運転時に比べて増加された流量の空気により端部セル110e近傍の単セル110からカソード側オフガス排出マニホールド122に排出された(持ち上げられた)水が、重力Gに従って再び各単セル110に戻ってしまうことを抑制できる。
B.第2実施形態:
図4は、第2実施形態における燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。第2実施形態の燃料電池システム10aは、制御装置600が姿勢関連情報取得部613に代えて加速度特定部613aとして機能する点において第1実施形態における燃料電池システム10と異なる。第2実施形態の燃料電池システム10aにおける他の構成は、第1実施形態の燃料電池システム10と同じであるので、同じ構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。加速度特定部613aは、加速度センサ650から受信する加速度を示す情報に基づき、積層方向SDに沿った燃料電池100の加速度を特定する。
図5は、第2実施形態における多水運転環境の一例を示す説明図である。図5において、燃料電池自動車800は、積層方向SDに沿って、カソード側オフガス排出マニホールド122の出口E2に近い側が内側となり且つ出口E2に遠い側が外側になるように、進行方向に向かって左側(時計回りと反対方向)に旋回している。なお、図5の例では、図2の例とは異なり、燃料電池自動車800は、水平面HXと平行な地面GD上を走行している。燃料電池自動車800がこのような旋回を行っている場合、燃料電池100には、旋回時の中心軸から径方向に沿って外側に向かって遠心力F1が働く。その結果、図2の状況と同様に、カソード側オフガス排出マニホールド122に存在する水W1は、端部セル110eおよびその近傍のセルに集まる。このため、このような場合も、燃料電池100の運転環境は多水運転環境となる。なお、上述の加速度特定部613aは、積層方向SDに沿ってカソード側オフガス排出マニホールド122の出口E2に遠い側から近い側に向かう方向の燃料電池100の加速度(以下、「積層方向加速度」と呼ぶ)を特定する。
図6は、第2実施形態における運転制御処理の手順を示すフローチャートである。第2実施形態における運転制御処理は、ステップS105に代えてステップS105aを実行する点と、ステップS110に代えてステップS110aを実行する点と、ステップS120に代えてステップS120aを実行する点とにおいて、図3に示す第1実施形態の運転制御処理と異なる。その他の手順については、第1実施形態における運転制御処理と同じであるので、同じ手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
加速度特定部613aは、加速度センサ650から受信する加速度を示す情報に基づき、積層方向加速度を特定する(ステップS105a)。運転特定部611は、ステップS105aで特定された積層方向加速度が閾値加速度よりも大きいか否かを判定する(ステップS110a)。本実施形態では、通常運転時、すなわち、燃料電池自動車800が旋回をせずに真っ直ぐに前進又は後退している時に比べてカソード側オフガス排出マニホールド122における貯水量が多くなるときの積層方向加速度を実験により求め、ステップS110aにおける閾値加速度として予め設定されている。このように設定されている閾値加速度と積層方向加速度とを比較することにより、運転特定部611は、積層方向加速度が閾値加速度よりも大きい場合に、燃料電池100の運転環境が多水運転環境であると特定して、上述のステップS115が実行される。
これに対してステップS110aにおいて、積層方向加速度が閾値加速度よりも大きくないと判定されると(ステップS110a:NO)、運転特定部611は、積層方向加速度が閾値加速度以下となってからの経過時間を特定し(ステップS120a)、上述のステップS125を実行する。ステップS120aは、上述の第1実施形態におけるステップS120と同様に、少なくともステップS125における閾値時間だけ継続して空気流量を増加させることを目的に実行される。
以上説明した第2実施形態の燃料電池システム10aは、第1実施形態の燃料電池システム10と同様な効果を有する。また、積層方向加速度が閾値加速度よりも大きい場合に燃料電池100に供給する空気流量を調整するため、燃料電池100(燃料電池自動車800)の旋回運動に起因してカソード側オフガス排出マニホールド122に水が溜まり易い状況であっても、カソード側オフガス排出マニホールド122に水が溜まることを抑制できる。
C.第3実施形態:
図7は、第3実施形態における燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。第3実施形態の燃料電池システム10bは、加速度センサ650が省略されている点と、制御装置600が姿勢関連情報取得部613に代えて供給量関連情報取得部613bとして機能する点とにおいて第1実施形態における燃料電池システム10と異なる。第3実施形態の燃料電池システム10bにおける他の構成は、第1実施形態の燃料電池システム10と同じであるので、同じ構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。供給量関連情報取得部613bは、燃料電池100への空気の供給量に関連する情報(以下、「供給量関連情報」と呼ぶ)を取得する。本実施形態において、供給量関連情報とは、エアフローメータ311において検出される空気の流量を意味する。
図8は、第3実施形態における運転制御処理の手順を示すフローチャートである。第2実施形態における運転制御処理は、ステップS105に代えてステップS105bを実行する点と、ステップS110に代えてステップS110bを実行する点と、ステップS120およびS125が省略されている点と、ステップS112およびS114が追加されている点とにおいて、図3に示す第1実施形態の運転制御処理と異なる。その他の手順については、第1実施形態における運転制御処理と同じであるので、同じ手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
供給量関連情報取得部613bは、エアフローメータ311から出力される空気流量の測定値を取得し、運転特定部611は、取得された空気流量の測定値に基づき、燃料電池100の運転状況が、WOT(Wide Open Throttle)状態であるか否かを特定する(ステップS105b)。WOT状態とは、燃料電池100の出力電流値が出力可能電流値範囲の最大値となるように、燃料電池100に反応ガスが供給されている状態を意味し、例えば、燃料電池自動車800の運転者がアクセルペダルを最大に踏み込んでいる状態等において生じ得る。このとき、インジェクタ221および循環用ポンプ240における水素ガスの供給量およびエアコンプレッサ320における空気の供給量は非常に多い。WOT状態における空気の供給量は予め実験により特定されており、WOT状態であると判定可能な下限の閾値流量が設定されている。したがって、運転特定部611は、空気流量の測定値がかかる閾値流量以上である場合にWOT状態であると特定でき、閾値流量よりも少ない場合にWOT状態でないと特定できる。
運転特定部611は、ステップS105bの特定結果を利用して、現在の燃料電池100の運転状況が、WOT状態が終了した状況であるか否かを判定する(ステップS110b)。具体的には、ステップS105bにおいてWOT状態であると特定された後、次回以降に実行されるステップS105bにおいてWOT状態でないと特定された場合、WOT状態が終了した状況であると判定される。また、イグニッションオンの後にWOT状態に一度もなっていない場合、或いは、現在WOT状態であると特定された場合には、WOT状態が終了した状況ではないと判定される。燃料電池100の運転状況がWOT状態である場合、各単セル110内の水はカソード側オフガス排出マニホールド122まで排出される。しかしながら、一般的にWOT状態の継続時間は短いため、WOT状態が終了した状況において、カソード側オフガス排出マニホールド122には、通常運転時すなわちWOT状態でない場合に比べて多くの水が存在する。このように、燃料電池100の運転状況が、カソード側オフガス排出マニホールド122における水の貯留量が通常運転時に比べて多い場合を、以降では多水運転状況と呼ぶ。つまり、ステップS110bは、燃料電池100の運転状況が多水運転状況であるか否かを判定することに相当する。なお、運転特定部611は、ステップS110bの実行時刻を記録する。
燃料電池100の運転状況が、WOT状態が終了した状態、つまり、多水運転状況であると判定されると(ステップS105b:YES)、運転特定部611は、WOT状態が終了したと判定されてからの経過時間を特定し(ステップS112)、かかる経過時間が閾値時間よりも長いか否かを判定する(ステップS114)。経過時間が閾値時間よりも長くないと判定されると(ステップS114:NO)、上述のステップS115が実行される。これに対して、経過時間が閾値時間よりも長いと判定されると(ステップS114:YES)、上述のステップS130が実行される。ステップS112およびS114は、第1実施形態におけるステップS120およびS125と同様に、少なくともステップS114における閾値時間だけ継続して空気流量を増加させることを目的に実行される。
以上説明した第3実施形態の燃料電池システム10bは、第1実施形態の燃料電池システム10と同様な効果を有する。また、WOT状態が終了した状況である場合に燃料電池100に供給する空気流量を調整するため、WOT状態後のカソード側オフガス排出マニホールド122に水が溜まり易い状況であっても、カソード側オフガス排出マニホールド122に水が溜まることを抑制できる。
D.第4実施形態:
第4実施形態における燃料電池システムの構成は、図7に示す第3実施形態の燃料電池システム10bの構成と同じであるので、同じ構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9は、第4実施形態における運転制御処理の手順を示すフローチャートである。第4実施形態における運転制御処理は、ステップS105bに代えてステップS105cを実行する点と、ステップS110bに代えてステップS110cを実行する点と、ステップS112に代えてステップS112aを実行する点とにおいて、第3実施形態における運転制御処理と異なる。他の手順については、第3実施形態における運転制御処理と同じであるので、同じ手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
供給量関連情報取得部613bは、エアフローメータ311から出力される空気流量の測定値を取得し、運転特定部611は、取得された空気流量の測定値に基づき、燃料電池100の運転状況が、エアブロー実行中であるか否かを特定する(ステップS105c)。具体的には、例えば、空気流量の測定値と要求出力(出力電流値)に基づきエアストイキ比を求め、その値が所定値(例えば、8.0)以上であれば、エアブロー実行中であると特定される。なお、ガス供給量制御部612がエアブロー実行中であることを示す情報を制御装置600の図示しないメモリに記憶させる構成においては、かかる情報を参照することにより、エアブロー実行中であるか否かを特定してもよい。
運転特定部611は、ステップS105cの判定結果を利用して、現在の燃料電池100の運転状況が、エアブローが終了した状況であるか否かを判定する(ステップS110c)。具体的には、ステップS105cにおいてエアブロー実行中であると特定された後、次回以降に実行されるステップS105cにおいてエアブロー実行中でないと特定された場合、エアブローが終了した状況であると判定される。また、イグニッションオンの後にエアブローが一度も実行されていない場合、或いは、現在エアブロー実行中であると特定された場合には、エアブローが終了した状況ではないと判定される。燃料電池100の運転状況がエアブロー実行中の場合、各単セル110内の水はカソード側オフガス排出マニホールド122まで排出される。しかしながら、上述のようにエアブローの継続時間は短いため、エアブローが終了した状況において、カソード側オフガス排出マニホールド122には通常運転時すなわちエアブロー実行中でない場合に比べて多くの水が存在し、多水運転状況となっている。つまり、ステップS110cは、第3実施形態のステップS110bと同様に、燃料電池100の運転状況が多水運転状況であるか否かを判定することに相当する。なお、運転特定部611は、ステップS110cの実行時刻を記録する。
燃料電池100の運転状況が、エアブローが終了した状態、つまり、多水運転状況であると判定されると(ステップS105c:YES)、運転特定部611は、エアブローが終了したと判定されてからの経過時間を特定し(ステップS112a)、上述のステップS114、すなわち、経過時間が閾値時間よりも長いか否かの判定を実行する。
以上説明した第4実施形態の燃料電池システムは、第3実施形態の燃料電池システム10bと同様な効果を有する。また、エアブローが終了した状況である場合に燃料電池100に供給する空気流量を調整するため、エアブロー終了後のカソード側オフガス排出マニホールド122に水が溜まり易い状況であっても、カソード側オフガス排出マニホールド122に水が溜まることを抑制できる。
E.変形例:
E1.変形例1:
各実施形態では、燃料電池100は、積層方向SDが燃料電池自動車800の左右方向と平行となるように配置されていたが、左右方向に代えて、前後方向と平行になるように配置されていてもよい。この構成では、例えば、燃料電池100において、積層方向SDに沿ってカソード側オフガス排出マニホールド122の出口E2により近い位置が後方に位置し、出口E2からより遠い位置が前方に位置する場合、燃料電池自動車800が坂道を下る場合に、燃料電池100からより遠い部分が出口E2により近い部分に比べて下方に位置する。そこで、第1実施形態の運転制御処理のステップS105において、燃料電池100の姿勢がこのような姿勢であることを特定し、ステップS110において、水平面HXに対する傾斜角度θが閾値角度よりも大きいか否かを判定してもよい。このようにすることで、第1実施形態と同様な効果を奏する。
E2.変形例2:
各実施形態では、多水運転環境または多水運転状況は、いずれもカソード側オフガス排出マニホールド122において、通常運転時に比べて水の貯留量が多くなり得る環境または状況であったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、燃料電池100内に形成されている図示しない燃料ガス供給マニホールドが、燃料電池100が載置された状態において下方に位置し、図示しないアノード側オフガス排出マニホールドが上方に位置する構成においては、多水運転環境または多水運転状況は、アノード側オフガス排出マニホールドにおいて、通常運転時に比べて水の貯留量が多くなり得る環境または状況といえる。一般に、アノード側においても、各単セル110の電解質膜を介してカソード側から拡散される水が存在し得る。また、燃料電池システム10、10a、および10bにおいて、反応ガスを加湿して燃料電池100に供給する構成を採用する場合、かかる加湿のための水がアノード側に存在し得る。それゆえ、アノード側オフガス排出マニホールドが上方に位置する場合には、各実施形態と同様に、アノード側オフガス排出マニホールドにおいて、通常運転時に比べて水の貯留量が多くなって多水運転環境または多水運転状況となり得る。この構成においても、各実施形態と同様に運転制御処理を実行することにより、アノード側オフガス排出マニホールドに水が溜まることを抑制できる。なお、この構成においては、ステップS115において、インジェクタ221と循環用ポンプ240とのうちの少なくとも一方を制御して、燃料電池100に供給する水素ガスの流量を、通常運転時よりも多く且つ燃料ガスのブロー時よりも少ない流量に調整してもよい。
E3.変形例3:
各実施形態を組み合わせて、ステップS115(空気流量の増加)の実行判断を行ってもよい。すなわち、例えば、傾斜角度θが閾値角度よりも大きく、かつ、現在の燃料電池100の運転状況がWOT状態が終了した状況である場合に、ステップS115が実行されてもよい。すなわち、一般には、燃料電池100の運転環境が多水運転環境である場合と、燃料電池100の運転状況が多水運転状況である場合と、のうちの少なくとも一方の場合に、燃料電池100に供給される反応ガスの流量を、燃料電池100の通常運転時に比べて高く且つ排出ブロー実行時に比べて低く制御してもよい。なお、各実施形態を組み合わせる場合、第3実施形態における「WOT状態が終了した状況」および第4実施形態における「エアブローが終了した状況」と特定された場合に実行されるステップS115の継続時間(換言すると、ステップS125における閾値時間)を、第1実施形態における「傾斜角度θが閾値角度よりも大きい」および第2実施形態における「積層方向加速度が閾値加速度よりも大きい」と特定された場合に実行されるステップS115の継続時間(換言すると、ステップS125における閾値時間)よりも長く設定してもよい。WOT状態が終了した状態およびエアブローが終了した状況においては、カソード側オフガス排出マニホールド122に水がより多く存在し得る。そこで、これらの状況においては、より長い時間だけ空気流量を増加させることにより、カソード側オフガス排出マニホールド122に水が溜まることをより確実に抑制できる。
E4.変形例4:
各実施形態において、運転特定部611は、燃料電池100の運転環境が多水運転環境であること、または、燃料電池100の運転状況が多水運転状況であることを明示的に特定していなかったが、これに代えて、明示的に特定して、例えば、制御装置600の有する図示しないメモリに記憶させてもよい。このような構成により、多水運転環境であること、または、燃料電池100の運転状況が多水運転状況であることが明示的に特定されるので、かかる特定結果を利用して、適切なタイミングでステップS115を実行でき、また、例えば、警告メッセージを運転席に設けられたインストゥルメントパネル等に表示させたり、警告音を出力したり、運転環境または運転状況の履歴を取得したりすること等を、容易に実行できる。
E5.変形例5:
上記実施形態において、燃料電池システム10,10a,10bは、駆動用電源を供給するためのシステムとして、燃料電池自動車に搭載されて用いられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、燃料電池自動車に代えて、電気自動車等の駆動用電源を必要とする他の任意の移動体に搭載されて使用されてもよい。また、定置型電源として、例えば、オフィスや家庭において屋内または屋外に設置されて用いられてもよい。また、燃料電池100は、固体高分子型燃料電池であったが、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物形燃料電池等、種々の燃料電池として構成してもよい。
E6.変形例6:
第3実施形態において、ステップS105bにおけるWOT状態であるか否かの特定は、エアフローメータ311による空気流量の測定値に基づき特定されていた。同様に、第4実施形態において、ステップS105cにおけるエアブロー実行中であるか否かの特定は、エアフローメータ311による空気流量の測定値に基づき特定されていた。しかしながら、本発明は、これらに限定されるものではない。例えば、燃料電池100の出力電流値や、エアコンプレッサ320の回転数や、アクセルペダルの踏み込み量を示す情報など、酸化剤ガス供給路331における燃料電池100への空気の供給量に関連する任意の情報に基づき特定されてもよい。換言すると、第3,4実施形態において「供給量関連情報」は、エアフローメータ311において測定される空気の流量であったが、これに代えて、エアコンプレッサ320の回転数や、アクセルペダルの踏み込み量を示す情報など、酸化剤ガス供給路331における燃料電池100への空気の供給量に関連し、かかる供給量を特定可能な任意の情報を用いてもよい。
E7.変形例7:
第1実施形態において、姿勢関連情報(傾斜角度θ)は、加速度センサ650により測定される各速度に基づき特定されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、燃料電池自動車800がナビゲーションシステムを備え、かかるナビゲーションシステムにおいて用いられる地図データに、道路の勾配に関する情報が含まれている構成においては、かかる情報に基づき、傾斜角度θを特定してもよい。
E8.変形例8:
上記実施形態における燃料電池システム10の構成は、あくまでも一例であり、種々変更可能である。例えば、第2燃料ガス排出路264と酸化剤ガス排出路332とを接続させずに、それぞれ独立してオフガスを排出する構成としてもよい。また、例えば、各実施形態および変形例においてハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータープログラム)は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、データを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
本発明は、上述の実施形態および変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…燃料電池システム
10a…燃料電池システム
10b…燃料電池システム
100…燃料電池
110…単セル
110e…端部セル
111…集電板
112…エンドプレート
121…酸化剤ガス供給マニホールド
122…カソード側オフガス排出マニホールド
200…燃料ガス供給排出系
210…水素タンク
220…遮断弁
221…インジェクタ
230…気液分離器
240…循環用ポンプ
250…パージ弁
261…燃料ガス供給路
262…第1燃料ガス排出路
263…燃料ガス循環路
264…第2燃料ガス排出路
300…酸化剤ガス供給排出系
310…エアクリーナ
311…エアフローメータ
320…エアコンプレッサ
331…酸化剤ガス供給路
332…酸化剤ガス排出路
340…背圧弁
400…燃料電池循環冷却系
410…ラジエータ
421…冷却水流路
422…バイパス流路
430…三方弁
440…循環用ポンプ
500…電力充放電系
520…インバータ
550…バッテリー
600…制御装置
611…運転特定部
612…ガス供給量制御部
613…姿勢関連情報取得部
613a…加速度特定部
613b…供給量関連情報取得部
614…運転制御部
650…加速度センサ
700…負荷装置
800…燃料電池自動車
E2…出口
F1…遠心力
G…重力
GD…地面
HX…水平面
SD…積層方向
W1…水

Claims (7)

  1. 燃料電池システムであって、
    積層された複数の単セルを有する燃料電池と、
    前記複数の単セルに反応ガスを供給するために、前記複数の単セルの積層方向に沿って前記燃料電池の内部に延設されている供給マニホールドと、
    前記供給マニホールドよりも重力方向上方に位置し、前記複数の単セルから排出されるオフガスおよび水を排出するために、前記積層方向に沿って前記燃料電池の内部に延設されている排出マニホールドと、
    前記反応ガスを前記燃料電池に供給することにより前記排出マニホールドと連通する配管に溜まった水を排出する排出ブローを実行する排出ブロー実行部と、
    前記燃料電池の運転環境が、前記燃料電池の通常運転時に比べて前記排出マニホールドにおける水の貯留量が多くなり得る多水運転環境である場合と、前記燃料電池の運転状況が、前記燃料電池の通常運転時に比べて前記排出マニホールドにおける水の貯留量が多くなり得る多水運転状況である場合と、のうちの少なくとも一方の場合に、前記燃料電池に供給される前記反応ガスの流量を、前記燃料電池の通常運転時に比べて多く且つ前記排出ブロー実行時に比べて少なく制御するガス供給量制御部と、
    前記燃料電池の運転環境が前記多水運転環境であること、または、前記燃料電池の運転状況が前記多水運転状況であること、を特定する運転特定部と、
    を備え
    前記運転特定部は、前記排出ブローが完了した場合と、前記燃料電池の出力電流値が出力可能電流範囲の最大値となるように前記燃料電池に前記反応ガスが供給されている状態であるWOT状態が終了した場合と、のうちのいずれかの場合に、前記燃料電池の運転状況が前記多水運転状況であると特定する、燃料電池システム。
  2. 請求項に記載の燃料電池システムにおいて、
    水平面に対する前記燃料電池の姿勢に関連する情報である姿勢関連情報を取得する姿勢関連情報取得部をさらに備え、
    前記運転特定部は、前記姿勢関連情報に基づき特定される前記燃料電池の姿勢が、前記燃料電池における前記排出マニホールドの出口からより遠い部分が前記出口により近い部分に比べて下方に位置する姿勢である場合に、前記燃料電池の運転環境が前記多水運転環境であると特定する、燃料電池システム。
  3. 請求項または請求項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記排出マニホールドの出口からより遠い位置から前記出口より近い位置に向かう方向に沿った前記燃料電池の加速度を特定する加速度特定部をさらに備え、
    前記運転特定部は、前記加速度が所定の大きさ以上である場合に、前記燃料電池の運転環境が前記多水運転環境であると特定する、燃料電池システム。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池に供給される前記反応ガスの流量を、前記燃料電池の通常運転時に比べて多く且つ前記排出ブロー実行時に比べて少なくする期間が、前記排出ブローの実行期間よりも長い、燃料電池システム。
  5. 請求項から請求項までのいずれか一項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記ガス供給量制御部は、前記燃料電池の運転状況が前記多水運転状況であると特定された場合には、前記燃料電池の運転環境が前記多水運転環境であると特定された場合に比べて、より長い期間において、前記燃料電池に供給される前記反応ガスの流量を、通常運転時に比べて多く且つ前記排出ブロー実行時に比べて少なくする、燃料電池システム。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記反応ガスは、酸化剤ガスである、燃料電池システム。
  7. 積層された複数の単セルを有する燃料電池の運転制御方法であって、
    前記燃料電池の内部には、前記複数の単セルに反応ガスを供給するための供給マニホールドと、前記供給マニホールドよりも重力方向上方に位置して前記複数の単セルから排出されるオフガスおよび水を排出するための排出マニホールドと、が前記複数の単セルの積層方向に沿って延設されており、
    前記燃料電池の運転環境が、前記燃料電池の通常運転時に比べて前記排出マニホールドにおける水の貯留量が多くなり得る多水運転環境である場合と、前記燃料電池の運転状況が、前記燃料電池の通常運転時に比べて前記排出マニホールドにおける水の貯留量が多くなり得る多水運転状況である場合と、のうちの少なくとも一方の場合に、前記燃料電池に供給される反応ガスの流量を、前記燃料電池の通常運転時に比べて多く、且つ、前記反応ガスを前記燃料電池に供給することにより前記排出マニホールドと連通する配管に溜まった水を排出する排出ブローの実行時に比べて少なく制御する工程と、
    前記排出ブローが完了した場合と、前記燃料電池の出力電流値が出力可能電流範囲の最大値となるように前記燃料電池に前記反応ガスが供給されている状態であるWOT状態が終了した場合と、のうちのいずれかの場合に、前記燃料電池の運転状況が前記多水運転状況であると特定する工程と、
    を備える、燃料電池の運転制御方法。
JP2015011078A 2015-01-23 2015-01-23 燃料電池システムおよび燃料電池の運転制御方法 Expired - Fee Related JP6314855B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015011078A JP6314855B2 (ja) 2015-01-23 2015-01-23 燃料電池システムおよび燃料電池の運転制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015011078A JP6314855B2 (ja) 2015-01-23 2015-01-23 燃料電池システムおよび燃料電池の運転制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016136466A JP2016136466A (ja) 2016-07-28
JP6314855B2 true JP6314855B2 (ja) 2018-04-25

Family

ID=56512765

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015011078A Expired - Fee Related JP6314855B2 (ja) 2015-01-23 2015-01-23 燃料電池システムおよび燃料電池の運転制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6314855B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114792830B (zh) * 2022-05-05 2024-06-18 中国第一汽车股份有限公司 一种基于加速度的汽车燃料电池排水控制方法及装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3551939B2 (ja) * 2001-06-14 2004-08-11 日産自動車株式会社 燃料電池車両
JP2006339072A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP5152546B2 (ja) * 2005-12-08 2013-02-27 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム及び移動体
JP2008112647A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Toyota Motor Corp 車両用燃料電池システム
JP2008262735A (ja) * 2007-04-10 2008-10-30 Toyota Motor Corp 燃料電池システム及び排出弁の制御方法
JP2009259418A (ja) * 2008-04-11 2009-11-05 Toyota Motor Corp 燃料電池の制御方法及び燃料電池システム
JP2014142997A (ja) * 2011-05-13 2014-08-07 Panasonic Corp 燃料電池システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016136466A (ja) 2016-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6131942B2 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池の運転制御方法
US10312532B2 (en) Residual water scavenging processing method in fuel cell system and fuel cell system
JP5545378B2 (ja) 燃料電池システムとこれを搭載した車両
JP5920525B2 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法
JP4432958B2 (ja) 燃料電池を搭載した移動体
JP6137122B2 (ja) 燃料電池システムにおける冷却媒体の流量制御方法、および燃料電池システム
US7846598B2 (en) Fuel cell system and method of stopping operation of the fuel cell system
JP6206375B2 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池搭載車両
JP6711231B2 (ja) 燃料電池の出力性能回復装置及び燃料電池の出力性能回復方法
JP2008112647A (ja) 車両用燃料電池システム
JP2006278046A (ja) 燃料電池システム
JP2013239351A (ja) 燃料電池システム及びその運転方法
JP2020077457A (ja) 燃料電池システム
US10461349B2 (en) Method for controlling fuel cell system
JP6052245B2 (ja) 燃料電池システム
JP2013239350A (ja) 燃料電池システム及びその運転方法
JP6314855B2 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池の運転制御方法
JP2008021448A (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池の制御方法
JP6520803B2 (ja) 燃料電池システム及び燃料電池システムの性能向上方法
JP2011018461A (ja) 燃料電池システム
JP2020066296A (ja) 燃料電池車両
JP2010161906A (ja) 燃料電池搭載車両
JP2012038481A (ja) 燃料電池システム
JP2013239349A (ja) 燃料電池システム及びその運転方法
JP2014225370A (ja) 燃料電池と燃料電池システムおよび車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180312

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6314855

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees