JP6313742B2 - 発光材料および有機el素子 - Google Patents

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Description

本発明は、発光材料およびそれを用いた有機EL素子に関する。
フラットディスプレイパネルや照明装置に用いられる発光素子として、有機EL素子が注目されている。有機EL素子は、発光層を構成する材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光することができる。有機EL素子に用いられる有機発光材料としては、種々のπ共役化合物が検討されており、アントラセン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、フルオレン誘導体、ピレン誘導体等が青色発光材料として既に開発されている。
最近、新規の青色発光材料としてケイ素架橋インドール誘導体が見出され、固体状態での発光効率に優れていることが報告されている(特許文献1)。また、特許文献2では、ケイ素架橋インドール誘導体は、アントラセン誘導体等の発光ホスト材料と共に用いられた場合に、高発光効率、かつ長寿命の有機EL素子が得られることが報告されている。さらに、非特許文献1では、下記のケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール化合物が、青色発光ドーパント材料あるいは発光ホスト材料として適用可能であることが報告されている。
Figure 0006313742
WO2010/047335号国際公開パンフレット 特開2012−87187号公報
M.Shimizu 他 J. Mater. Chem. 2012年 第22巻 4337−4342頁
上記のように、種々の青色発光材料が開発されているが、有機EL素子の発光効率の向上には課題が残されており、所望の発光波長や発光スペクトル形状を有し、高発光効率かつ発光寿命の長い材料の開発が求められている。有機発光材料は、置換基導入等による誘導体化によって、発光スペクトルの形状や発光波長等の発光特性を変化させることができる。一方、化合物のπ共役構造が変化すると、発光特性が大きく変化するため、その発光特性や発光寿命を予測することは困難である。
上記現状に鑑み、本発明は、高い発光効率を示す新規の青色発光材料、および当該発光材料を用いた有機EL素子の提供を目的とする。
本発明者らが検討の結果、ナフタレン環上にアリール基が導入されたケイ素架橋インドール誘導体が、発光効率に優れることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、下記式(I)で表されるケイ素架橋インドール誘導体を含有する発光材料に関する。
Figure 0006313742
式(I)中、
〜Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜6の低級アルキル基、アリール基または不飽和複素環基を表す。R4は、ベンゼン環に結合した置換基であり、R5は、インドール環に結合した置換基である。pは0〜5の整数であり、qは0〜4の整数である。R4およびRはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アリール基、不飽和複素環基、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数1〜6の低級アルコキシ基、炭素数1〜6の低級アルキルチオ基または炭素数1〜6のハロゲン置換低級アルキル基、炭素数1〜6のハロゲン置換低級アルコキシ基、アミノ基、アリール基または不飽和複素環基を表す。RおよびRがそれぞれ複数存在する場合、複数のRおよびRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。複数のRは、互いに結合して環構造を形成してもよい。
特に、本発明の発光材料は、上記式(I)において、pが0または1であることが好ましく、q=0であることが好ましい。また、pが1である場合、置換基R4は、ベンゼン環のパラ位に結合していることが好ましい(下記式(II))。Rは、例えばメトキシ基が好ましい。
Figure 0006313742
一実施形態において、本発明の発光材料は、ホスト材料およびドーパント材料を含有する。ドーパント材料は、上記式(I)または式(II)の化合物であることが好ましく、ホスト材料は、アントラセン誘導体であることが好ましい。上記化合物が、アントラセン誘導体ホストのドーパント材料として用いられることで、発光寿命の長い有機EL素子を作製することができる。
さらに、本発明は、陽極および陰極からなる一対の電極の間に少なくとも発光層を備える有機EL素子に関する。本発明の有機EL素子は、発光層が、上記発光材料を有する。
本発明の発光材料は、500nmよりも短波長の青色領域に発光極大波長を有する青色発光材料であり、高い発光効率を有する有機EL素子を作製可能である。
有機EL装置の層構成の一例を示す模式的断面図である。 図1の有機EL装置における有機EL素子の層構成の一例を示す模式的断面図である。
[化合物の構造]
本発明の発光材料は、下記式(I)で表されるケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール誘導体を含有する。
Figure 0006313742
式(I)中、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1〜6の低級アルキル基、アリール基または不飽和複素環基を表す。R3は、炭素数1〜6の低級アルキル基、アリール基または不飽和複素環基を表す。R4は、ベンゼン環に結合した置換基であり、R5は、インドール環に結合した置換基である。pは0〜5の整数であり、qは0〜4の整数である。R4およびRはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数1〜6の低級アルコキシ基、炭素数1〜6の低級アルキルチオ基、炭素数1〜6のハロゲン置換低級アルキル基、アミノ基、アリール基または不飽和複素環基を表す。RおよびRがそれぞれ複数存在する場合(pおよびqがそれぞれ2以上の場合)、複数のRおよびRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。複数のRは、互いに結合して環構造を形成してもよい。
[置換基の例]
<RおよびR
式(I)において、RおよびRは、炭素数1〜6の低級アルキル基、アリール基、または不飽和複素環基を表す。
前記低級アルキル基としては、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4の直鎖状または分岐を有するアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、等が挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アリール基は、フェニル環又はナフタレン環上に、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、ハロゲン原子等の置換基を、1または複数有するものであってもよい。
前記アミノ基は、無置換アミノ基(−NH)の他、1個または2個の置換基を有するものであってもよい。また、アミノ基が2個の置換基を有する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。アミノ基が置換基を有する場合、その置換基としては、前記例示の低級アルキル基やアリール基が好ましい。アミノ基の具体例としては、無置換アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、アリールアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−n−ペンチルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N−エチル−N−n−プロピルアミノ基、N−メチル−N−n−ブチルアミノ基、N−メチル−N−n−ヘキシルアミノ基、ジアリールアミノ基、等が挙げられる。
なお、アミノ基が水素結合を形成し得る場合、濃度消光を生じ、発光効率が低下する傾向がある。そのため、前記アミノ基は、2個の置換基を有するものが好ましく、中でもジアリールアミノ基が特に好ましい。
前記不飽和複素環基の不飽和複素環としては、5〜10員環、好ましくは5〜6員環のものが挙げられる。具体的には、ピリジン環、ピロール環、オキサゾール環、イソキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、フラザン環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ジハイドロオキサゾール環、チオフェン環、フラン環、ピラゾール環、等が挙げられる。
<R
式(I)において、R3は、水素原子、炭素数1〜6の低級アルキル基、アリール基または不飽和複素環基を表す。低級アルキル基、アリール基および不飽和複素環基としては、RおよびRの例として前記したものと同一の各置換基が挙げられる。中でも、Rとしては、炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
<RおよびR
式(I)において、RおよびRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数1〜6の低級アルコキシ基、炭素数1〜6の低級アルキルチオ基、炭素数1〜6のハロゲン置換低級アルキル基、炭素数1〜6のハロゲン置換低級アルコキシ基、アミノ基、アリール基または不飽和複素環基を表す。Rが複数存在する場合(pが2以上の場合)、複数のRは、互いに結合して環構造を形成してもよい。
低級アルキル基、アミノ基、アリール基または不飽和複素環基としては、RおよびRの例として前記したものと同一の各置換基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子および塩素原子が挙げられる。
低級アルコキシ基としては、直鎖状または分岐を有する炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4の、直鎖状または分岐を有する低級アルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、等が挙げられる。
低級アルキルチオ基としては、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4の直鎖状または分岐を有するアルキルチオ基が挙げられる。具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基等が挙げられる。
ハロゲン置換アルキル基としては、1〜7個、より好ましくは1〜3個のハロゲン原子で置換された前記例示のアルキル基を挙げることができる。具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、ジクロロフルオロメチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、3−クロロプロピル基、2−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル基、4−クロロブチル基、4−ブロモブチル基、2−クロロブチル基、5,5,5−トリフルオロペンチル基、5−クロロペンチル基、6,6,6−トリフルオロヘキシル基、6−クロロヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基、等が挙げられる。
ハロゲン置換アルコキシ基としては、1〜7個、より好ましくは1〜3個のハロゲン原子で置換された前記例示のアルコキシ基を挙げることができる。具体的には、前記例示のハロゲン置換アルキル基に酸素原子(−O−)が付加されたものが挙げられる。
複数のRが互いに結合して形成される環構造は、ベンゼン環に縮合した芳香族環であってもよく、脂肪族環であってもよい。また、複数のRが互いに結合して形成される環構造は、複素環でもよい。
[好ましい化合物の例]
上記式(I)において、qは0であることが好ましい。すなわち、インドール環の炭素原子は、置換基を有していないことが好ましい。また、pは0または1であることが好ましい。p=1の場合、R4はベンゼン環のパラ位に結合していることが好ましい。これらを総合すると、本発明の発光材料は、下記式(II)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 0006313742
また、置換基Rとしては、前述のごとく、アルコキシ基、アルキル基、ハロゲン置換アルコキシ基、ハロゲン置換アルキル基、アミノ基、アルキルチオ基、アリール基、および不飽和複素環基が好ましい。中でも、高い青色発光効率を有する材料を得る観点から、Rとしてはアルコキシ基が好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
およびRは、いずれも低級アルキル基であることが好ましい。また、RおよびRは同一の置換基であることが好ましい。特に、RおよびRが、いずれもイソプロピル基であることが好ましい。
は低級アルキル基であることが好ましく、中でもメチル基が好ましい。
以上を総合すると、本発明の発光材料は、下記式(III)で表される化合物を含有することが好ましく、中でも、下記式(IV)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 0006313742
Figure 0006313742
[合成方法]
上記化合物の合成方法は特に限定されず、各種公知の反応を組み合わせて、目的の化合物を得ることができ、例えば、6−アリール−1−ブロモ−2−ナフトール(1)を出発原料として、下記scheme1に示されるように、4段階で化合物(A)を合成することができる。
Figure 0006313742
[発光材料としての使用例]
上記のケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール誘導体は、単独で発光材料として用いることができる。また、上記ケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール誘導体は、発光ドーパント材料、あるいは発光ホスト材料として、他の発光ドーパント材料や、発光ホスト材料と共に発光材料として用いることもできる。特に、上記ケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール誘導体を発光ドーパント材料として用いることで、発光効率に優れ、かつより発光寿命の長い有機EL発光層を形成することができる。
ケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール誘導体が、発光ドーパント材料として用いられる場合、ホスト材料は特に限定されないが、アントラセン誘導体が好適に用いられる。アントラセン誘導体としては、発光材料として使用可能なものであれば特に限定されず、各種公知の化合物が用いられる。アントラセン誘導体の例としては、9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(略称:ADN)、2‐tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(略称:TBADN)、2−メチル−9,10−ビス(ナフタレン−2−イル)アントラセン(略称:MADN)、2,2’−ジ(9,10−ジフェニルアントラセン)(略称:TPBA)、4,4’−ジ(10−(ナフタレン−1−イル)アントラセン−9−イル)ビフェニル(略称:BUBH−3)、等が挙げられる。
ドーパント材料として、ケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール誘導体が用いられ、ホスト材料としてアントラセン誘導体が用いられる場合、アントラセン誘導体(ホスト化合物)に対するケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール誘導体の添加割合は特に限定されない。ケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール誘導体の含有量は、好ましくは、アントラセン誘導体100重量部に対して、1〜50重量部、より好ましくは2〜30重量部、さらに好ましくは2.5〜25重量部、特に好ましくは3〜20重量部である。
ケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール誘導体を、基板等の支持体上に成膜することで、有機発光層が形成され得る。ケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール誘導体がドーパントとして用いられる場合は、アントラセン誘導体等のホスト材料と共蒸着することにより、有機発光層が形成され得る。
[有機EL素子]
上記の発光材料は、有機EL素子の発光層の材料として好適である。
図1は、有機EL装置の層構成の一例である。図1に示される有機EL装置は、透明基板3側から光が取り出される、「ボトムエミッション型」と称される構成である。有機EL装置1は、透明基板3上に、有機EL素子2を有し、有機EL素子は、封止部7によって封止されている。有機EL素子2は、透明電極層(陽極)4および裏面電極層(陰極)6からなる一対の電極間に、少なくとも1つの発光層を有する機能層5を備える。
機能層5は、複数の有機化合物薄膜が積層されたものである。図2は、機能層5の層構成の一例である。図2に示される有機EL素子2において、機能層5は、正孔注入層10、正孔輸送層11、発光層12、電子輸送層15、および電子注入層16を有する。すなわち、有機EL素子2において、発光層12は、透明電極層4と裏面電極層6との間に位置している。
(透明基板)
ボトムエミッション型の有機EL装置において、透明基板3は、透光性を有する材料からなるものであれば特に限定はない。図1に示すボトムエミッション方式の実施形態では、透明基板3側から光が取り出されるため、透明基板3は可視光域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。透明基板3としては、ガラス基板、フレキシブルな透明フィルム基板等を使用してもよい。なお、有機EL装置がトップエミッション方式を採用する場合、基板は不透明なものであってもよい。
(透明電極)
透明基板3上には、透明電極層(陽極)4が積層される。透明電極層4を構成する材料は特に限定されず、公知のものが使用できる。例えば、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の材料からなるものが挙げられる。中でも、発光層12からの光の取出し効率や、電極のパターニングの容易性の観点からは、ITOあるいはIZOが好ましく用いられる。
透明電極層4には、必要に応じて、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ホウ素、ニオブ等の1種以上のドーパントがドーピングされていてもよい。透明電極層4の透過率は、可視光域における透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。透明電極層4は、例えば、スパッタ法やCVD法等のドライプロセスによって透明基板3上に形成される。透明電極層4の膜厚は、光の透過性や電気伝導度を考慮して適宜選択すればよいが、例えば80〜300nmであり、好ましくは100〜150nm、より好ましくは130〜150nmである。
(裏面電極層)
透明電極層4上には、機能層5が形成され、その上に裏面電極層(陰極)6が形成される。裏面電極層に用いられる材料としては、好ましくは仕事関数の小さい金属、または、その合金や金属酸化物等が挙げられる。仕事関数の小さい金属としては、アルカリ金属ではLi等、アルカリ土類金属ではMg、Ca等が例示される。また、希土類金属等からなる金属単体、あるいは、これらの金属とAl、In、Ag等の合金等が用いられることもある。さらに、特開2001−102175号公報等に開示されているように、陰極に接する有機層として、アルカリ土類金属イオン、アルカリ金属イオンからなる群から選択される少なくとも1種を含む有機金属錯体化合物を用いることもできる。この場合、陰極として、当該錯体化合物中の金属イオンを真空中で金属に還元し得る金属、例えばAl、Zr、Ti、Si等もしくはこれらの金属を含有する合金を用いることが好ましい。
(機能層)
次に機能層5について説明する。機能層5は、少なくとも1層の発光層12を有する。機能層を構成する各層は、一般に、有機化合物、高分子化合物、遷移金属錯体等を含むアモルファス膜で構成される。機能層5は、一般に複数の層からなる積層構造を有している。図2では、機能層5は、正孔注入層10、正孔輸送層11、発光層12、電子輸送層15、および電子注入層16を有する。機能層5は、発光層12を有していればよく、正孔注入層10、正孔輸送層11、電子輸送層15、および電子注入層16は必要に応じて設けられる。
(発光層)
本発明の有機EL素子において、発光層12は、上記のケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール誘導体を含有する。また、前述のように、発光層12の発光材料は、ホスト材料としてアントラセン誘導体を含有することが好ましい。この場合、発光層12は、ホスト材料としてのアントラセン誘導体100重量部に対して、ドーパント材料としてのケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール誘導体を1〜50重量部含有することが好ましい。ケイ素架橋2−(2−ナフチル)インドール誘導体の含有量は、より好ましくは2〜30重量部、さらに好ましくは2.5〜25重量部、特に好ましくは3〜20重量部である。発光層を構成する材料として、上記発光材料を用いることで、発光効率に優れる青色発光層が得られる。
発光層の形成方法は特に限定されず、真空蒸着法や転写法等のドライプロセスの他、コーティング法や印刷法等のウェットプロセスを採用することができる。特に、本発明の発光材料は良好な製膜性を示すことから、真空蒸着法が好適に用いられる。真空蒸着法においては、ホスト材料とドーパント材料を共蒸着し、その際の蒸着速度を制御することにより、所望の蒸着比(ドープ濃度)を実現することができる。
(正孔注入層および正孔輸送層)
図2に示すように、機能層5は、発光層12と陽極4との間に、正孔注入層10や、正孔輸送層11を有していてもよい。また、図示されていないが、正孔輸送層11と発光層12との間に、さらに電子阻止層等を有していてもよい。
正孔注入層10を構成する材料としては、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ルテニウム、酸化マンガン等の金属酸化物や、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノ−キノジメタン(略称:F4−TCNQ)が挙げられる。さらに、三酸化モリブデンとN,N−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(略称:NPB)との混合層を正孔注入層10として採用することができる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層を構成する材料としては、アリールアミン系化合物、イミダゾール系化合物、オキサジアゾール系化合物、オキサゾール系化合物、トリアゾール系化合物、カルコン系化合物、スチリルアントラセン系化合物、スチルベン系化合物、テトラアリールエテン系化合物、トリアリールアミン系化合物、トリアリールエテン系化合物、トリアリールメタン系化合物、フタロシアニン系化合物、フルオレノン系化合物、ヒドラジン系化合物、カルバゾール系化合物、N−ビニルカルバゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、ピラゾロン系化合物、フェニルアントラセン系化合物、フェニレンジアミン系化合物、ポリアリールアルカン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリフェニレンビニレン系化合物等が挙げられる。
特に、アリールアミン化合物を含有する正孔輸送層は、アリールアミン化合物がラジカルカチオン化し易いため、正孔輸送層から発光層への正孔輸送効率を効果的に上昇させることができる。正孔輸送層材料を構成し得るアリールアミン化合物の中でも、トリアリールアミン誘導体が好ましく、特に4、4’−ビス[N−(2−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(「α―NPD」、または「NPB」と称される場合がある)が特に好ましい。
(電子輸送層および電子注入層)
図2に示すように、機能層5は、発光層12と陰極6との間に、電子注入層16や電子輸送層15を有していてもよい。また、図示されていないが、電子輸送層15と発光層12との間に、さらに正孔阻止層等を有していてもよい。正孔阻止層を構成する材料としては、例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(通称:バトクプロイン、BCP)等が挙げられる。
電子輸送層15を構成する材料としては、トリス(8−ヒドロキシ−キノリナト)アルミニウム(略称:Alq)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(Bpy−OXD)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(Bphen)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンジントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンゾイミダゾール)(TPBi)、2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチフフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、ビス(2−メチルl−8−キノリノラト)−4−(フェニルフェノラト)アルミニウム(BAlq)、3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、等が挙げられる。
電子注入層16を構成する材料としては、Li等のアルカリ金属;Mg、Ca等のアルカリ土類金属;1種以上の前記金属を含む合金;前記金属の酸化物、ハロゲン化物、および炭酸化物;ならびにこれらの混合物が挙げられる。具体的には、8−ヒドロキシキノリノラト(リチウム)(Liq)、フッ化リチウム(LiF)、等が挙げられる。
図2に示す有機EL素子2は、透明基板3上に形成された透明電極層4上に、真空蒸着法等の手法により、正孔注入層10、正孔輸送層11、発光層12、電子輸送層15、電子注入層16、および裏面電極層6を順次積層することにより製造することができる。このようにして製造された有機EL素子2は、封止部7によって封止され、有機EL装置1となる。
なお、図2では、機能層5が5つの層からなる構成について説明したが、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。例えば、正孔注入層10、正孔輸送層11、電子輸送層15、電子注入層16の一部または全部が省略された構成でもよい。また、前述のごとく、発光層12の前後に正孔阻止層や電子阻止層が設けられていてもよい。
機能層5を構成する各層の成膜方法については特に制限はなく、真空蒸着法やコーティング法、印刷法等の適宜の方法によって形成することができる。
以下に、化合物の合成例および有機EL素子の作製例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
[実施例1]化合物A1の合成
本実施例では、6−フェニル−1−ブロモ−2−ナフトール(1)を出発原料として、上記scheme1により、4段階で化合物A1を合成した。なお、scheme1は、出発原料が異なること以外は、Efficient blue electroluminescence of silylene-bridged 2-(2-naphthyl)indole (M.Shimizu 他 J. Mater. Chem. 2012年 第22巻 4337−4342頁)に記載の合成スキームと同様である。
Figure 0006313742
得られた化合物A1の融点は250℃、熱分解温度は306℃であった(熱重量分析(TGA)による質量減少が5%となる温度を、熱分解温度とした)。
化合物A1について、H−NMRを測定したところ、次の結果が得られた。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)= 0.92(d,J=7.6Hz,6H), 1.39(d,J=7.6Hz,6H), 1.63(heptet,J=7.6Hz,6H), 7.17(ddd,J=7.4,1.2Hz,1H), 7.24(ddd,J=8.0,1.2Hz,1H), 7.36〜7.42(m,2H),7.50(dd,J=7.6Hz,2H), 7.65(d,J=8.0Hz,1H), 7.73〜7.79(m,3H), 7.88(d,J=8.8Hz,1H), 7.95(d,J=8.4Hz,1H), 8.03〜8.08(m,2H)。
[実施例2]化合物A2の合成
出発原料として、6−(4−メトキシフェニル)−1−ブロモ−2−ナフトールを用いた以外は、上記実施例1と同様にして、化合物A2を合成した。
Figure 0006313742
得られた化合物A2の融点は256℃、熱分解温度は321℃であった。
化合物A2について、H−NMRを測定したところ、次の結果が得られた。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)= 0.91(d,6H,J=7.2Hz), 1.28(d,6H,J=7.2Hz), 1.55(heptet,2H,J=7.2,7.2Hz), 3.89(s,3H), 4.23(s,3H), 7.40(d,2H,J=9. Hz), 7.18(d,2H,J=8.1Hz), 7.40(d,1H,J=8.7Hz), 7.64(d,1H,J=7.8Hz), 7.69(d,2H,J=9.0Hz), 7.73(d,1H,J=6.9Hz), 7.85(d,1H,J=8.7Hz), 7.93(d,1H,J=9.0Hz), 7.99(s,1H), 8.05(d,1H,J=8.4Hz)。
[実施例3]化合物A3の合成
出発原料として、6−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1−ブロモ−2−ナフトールを用いた以外は、上記実施例1と同様にして、化合物A3を合成した。
Figure 0006313742
[比較例1]
出発原料として、1−ブロモ−2−ナフトールを用いた以外は、上記実施例1と同様にして、下記の化合物(熱分解温度:244℃)を得た。
Figure 0006313742
[化合物の発光特性の評価]
上記実施例および比較例で得られたそれぞれの化合物の微結晶を試料として、絶対PL量子収率測定装置(浜松ホトニクス社製 型番:C9920−02)を用いて、室温(25℃)での微結晶の発光量子収率および発光極大波長を測定した。また、各化合物をPMMA中に分散したフィルムでの発光量子収率および発光極大波長を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006313742
[実施例4]化合物A1を用いた有機EL素子の作製
パターニングされたITO電極(膜厚150nm)を有するガラス基板上に、以下の手順で、2mm×2mmの発光領域を有するボトムエミッション型評価素子を作製した。
ITO電極(陽極)上に、三酸化モリブデン(MoO)を蒸着し、正孔注入層(膜厚0.8nm)を形成した。正孔注入層の上に、N,N−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(NPB)を真空蒸着し、正孔輸送層(膜厚60nm)を形成した。
次に、正孔輸送層の上に、上記実施例1で得られた化合物A1を真空蒸着して、発光層(膜厚20nm)を形成した。
発光層の上に、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を真空蒸着し、正孔阻止層(膜厚10nm)を形成した。次に、正孔阻止層上に、トリス(8−ヒドロキシ−キノリナト)アルミニウム(Alq)を真空蒸着し、電子輸送層(膜厚30nm)を形成した。電子輸送層の上に、LiFを真空蒸着し、電子注入層(膜厚1nm)を形成した。電子注入層の上に、陰極として、アルミニウムを100nmの膜厚で成膜した。
陰極を形成後、不活性下のグローボックスに、蒸着成膜後の有機EL素子を移動し、ガラスキャップに2液性硬化樹脂を塗布し、基板とキャップを貼り合わせた。樹脂の硬化完了後、貼り合わせた基板を大気圧下に取り出し、電流を通電して、電流−電圧−輝度(I−V−L)特性および発光強度スペクトルを測定した。
[実施例5]化合物A1を用いた有機EL素子の作製
発光層の材料として、化合物A1に代えて、上記実施例2で得られた化合物A2を真空蒸着して、発光層(膜厚20nm)を形成した。それ以外は、上記実施例4と同様にして、有機EL素子を作製し、大気圧下で、I−V−L特性および発光強度スペクトルを測定した。
[比較例2]
パターニングされたITO電極(膜厚150nm)を有するガラス基板上に、以下の手順で、2mm×2mmの発光領域を有するボトムエミッション型評価素子を作製した。
ITO電極(陽極)上に、MoOとNPBとを共蒸着し、正孔注入層(膜厚60nm)を形成した。正孔注入層の上に、NPBを真空蒸着し、正孔輸送層(膜厚20nm)を形成した。
次に、正孔輸送層の上に、上記比較例1で得られた化合物を真空蒸着して、発光層(膜厚5nm)を形成した。
発光層の上に、電子輸送材料(メルク社製 ETM−033)を真空蒸着し、電子輸送層(60nm)を形成した。次に、電子輸送層の上に、LiFを真空蒸着し、電子注入層(膜厚1nm)を形成した。電子注入層上に、陰極として、アルミニウムを100nmの膜厚で成膜した。その後は、上記実施例4と同様に、基板とキャップの貼り合わせおよび硬化を行った後、大気圧下でI−V−L特性および発光強度スペクトルを測定した。
[実施例6]化合物A1をドーパント材料として用いた有機EL素子の作製
化合物A1と2−メチル−9,10−ビス(ナフタレン−2−イル)アントラセン(MADN)とを、10:90の重量比で共蒸着して、発光層(膜厚20nm)を形成した。それ以外は、上記実施例4と同様にして有機EL素子を作製し、大気圧下でI−V−L特性および発光強度スペクトルを測定した。
[実施例7]化合物A2をドーパント材料として用いた有機EL素子の作製
化合物A2とMADNとを、10:90の重量比で共蒸着して、発光層(膜厚20nm)を形成した。それ以外は、上記実施例4と同様にして有機EL素子を作製し、大気圧下でI−V−L特性および発光強度スペクトルを測定した。
[比較例3]
上記比較例1で得られた化合物とMADNとを、7:93の重量比で共蒸着して、発光層(膜厚20nm)を形成した。その上に、電子輸送材料(メルク社製 ETM−033)を真空蒸着し、電子輸送層(40nm)を形成した。それ以外は、上記比較例2と同様にして有機EL素子を作製し、大気圧下でI−V−L特性および発光強度スペクトルを測定した。
[有機EL素子の評価結果]
上記実施例4〜7および比較例2,3で作成した有機EL素子の、発光極大波長、最大電流発光効率、および最大電力発光効率を、表2に示す。
Figure 0006313742
以上の結果から、実施例1の化合物A1を発光材料として用いた有機EL素子および実施例2の化合物A2を発光材料として用いた有機EL素子は、化合物A1および化合物A2が単独で用いられた場合(実施例4および実施例5)、ならびに化合物A1およびA2がドーパント材料としてアントラセン誘導体と共に用いられた場合(実施例6および実施例7)のいずれにおいても、比較例よりも高発光効率であることが示された。
なお、上記実施例4,5と比較例2では、発光層の膜厚等の素子構成の一部が異なっている。しかしながら、化合物A1からなる膜および化合物A2からなる膜のPL蛍光量子効率は、いずれも膜厚5nm〜20nmの範囲で略一定であるため、実施例4,5と比較例2の素子の発光効率の差は、発光層の膜厚の相違によるものではなく、材料の特性の相違に起因するものであるといえる。また、実施例6,7と比較例3では、発光層中のドーパント材料の共蒸着比が異なっているが、化合物A1および化合物A2とMADNとの共蒸着比(重量比)が1:99〜10:90の範囲では、膜の蛍光量子収率が略一定であることから、実施例6,7と比較例3の発光特性の差は、共蒸着比の相違によるものではなく、発光材料の特性の相違に起因するものであるといえる。
[発光寿命の評価]
実施例4〜7で作成した有機EL素子を、室温下10mA/cmの一定駆動電流密度で連続点灯し、輝度が初期値の半分となるまでの時間(発光寿命)を測定した。実施例4の素子の発光時間は5.2時間、実施例5の素子の発光時間は4.8時間であった。これに対して、実施例6の素子の発光寿命280時間、実施例7の素子の発光寿命は320時間であり、化合物A1および化合物A2を発光層のドーパント材料として用いた場合に、有機EL素子の発光寿命が大幅に改善されることが確認された。これらの結果から、アントラセン誘導体ホストのドーパント材料として、ナフタレン環上にアリール基が導入されたケイ素架橋インドール誘導体が用いられることで、高発光効率かつ長寿命の青色発光材料が得られることが分かる。
2 有機EL素子
4 透明電極層(陽極)
5 機能層
6 裏面電極層(陰極)
12 発光層

Claims (9)

  1. 下記式(I)で表されるケイ素架橋インドール誘導体を含有する発光材料:
    Figure 0006313742
    式(I)中、
    およびRはそれぞれ独立に、炭素数1〜6の低級アルキル基、アリール基、または不飽和複素環基を表し、
    3は、炭素数1〜6の低級アルキル基、アリール基、または不飽和複素環基を表し、
    4は、ベンゼン環に結合した置換基であり、R5は、インドール環に結合した置換基であり、pは0〜5の整数であり、qは0〜4の整数であり、
    4およびRはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数1〜6の低級アルコキシ基、炭素数1〜6の低級アルキルチオ基、炭素数1〜6のハロゲン置換低級アルキル基、炭素数1〜6のハロゲン置換低級アルコキシ基、アミノ基、アリール基または不飽和複素環基を表し、
    が複数存在する場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよく、複数のRは互いに結合して環構造を形成してもよく、
    が複数存在する場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよい。
  2. 前記式(I)において、pが0または1である、請求項1に記載の発光材料。
  3. 前記式(I)において、pが1であり、R4がベンゼン環のパラ位に結合している、請求項1に記載の発光材料。
  4. 前記R4がメトキシ基である、請求項3に記載の発光材料。
  5. 前記式(I)において、qが0である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光材料。
  6. 前記式(I)において、R1およびR2が同一の置換基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光材料。
  7. 前記式(I)において、R1およびR2がいずれもイソプロピル基であり、R3がメチル基である、請求項6に記載の発光材料。
  8. ホスト材料およびドーパント材料を含有し、
    前記ドーパント材料が請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光材料であり、前記ホスト材料がアントラセン誘導体である、発光材料。
  9. 陽極および陰極からなる一対の電極の間に少なくとも発光層を備え、
    前記発光層が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発光材料を有する有機EL素子。
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