JP6312593B2 - グルコースオキシダーゼ - Google Patents

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Description

本発明は、グルコースを測定するためのキットおよびセンサーにおいて用いられるグルコースオキシダーゼに関する。より具体的には、本発明は、オキシダーゼ活性が低減された変異グルコースオキシダーゼに関する。
血中のグルコース濃度は、糖尿病を診断するための臨床検査、および糖尿病を患う患者の血糖コントロールにおいて極めて重要である。血中のグルコース濃度は、グルコースに対して特異性を有する酵素を用いて測定することができる。
グルコースオキシダーゼは、多様な種類の菌株から単離されており、このような酵素を用いてグルコースを解析しうることが示唆されている。
グルコースオキシダーゼとは、FAD依存性酵素であって、FADの還元形態(FADH2)を生成させることにより、グルコースを酸化させてグルコノラクトンを生成させる反応を触媒する酵素である。FADH2は、電子を電子受容体へと伝達し、その酸化形態へと転換される。酸素の存在下において、FADH2は、電子を、人工的な電子受容体(また、伝達体または電子伝達体とも称する)ではなく、酸素分子へと優先的に伝達する。したがって、グルコースを、伝達体を伴うグルコースオキシダーゼによりアッセイする場合、アッセイの結果は、反応系内の溶存酸素レベルにより大きく影響されることになる。人工的な電子受容体を使用するポイントオブケア検査デバイスによる血液試料の臨床検査では、このような欠点が特に顕著となろう。人工的な電子伝達体を使用する酵素センサーストリップに用いられる酵素は、酸素に対する活性が低いことが所望される。
したがって、本発明の目的は、その活性が、溶存酸素レベルにより影響される程度が低い酵素、特に、グルコースオキシダーゼを提供することである。
本出願の発明者らは、その活性が、溶存酸素レベルにより影響される程度が低い酵素、特に、グルコースオキシダーゼを提供することができた。より具体的には、これは、その野生型形態では主にオキシダーゼ活性を示す酵素のオキシダーゼ活性を低減し、好ましくは、同時に、酵素のデヒドロゲナーゼ活性を増大させることにより達成される。以下でより詳細に記載される通り、これは、野生型酵素を突然変異させることにより達成される。
本発明者らは、グルコースオキシダーゼの多様な突然変異体を調製し、驚くべきことに、特定の種類の突然変異体が、デヒドロゲナーゼ活性、特に、色素媒介のデヒドロゲナーゼ活性を実質的に保持しながら、オキシダーゼ活性の低減を呈示することを見出した。
本発明は、独立請求項1において定義される変異グルコースオキシダーゼを提供する。変異グルコースオキシダーゼの好ましい実施形態は、請求項1に従属する請求項の対象物である。
特に、本発明は、
(a)アミノ酸残基Thrを別のアミノ酸残基で置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の53位に対応する位置;
(b)アミノ酸残基Ileを別のアミノ酸残基で置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の116位に対応する位置;
(c)アミノ酸残基SerまたはThrを別のアミノ酸残基で置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の132位に対応する位置;
(d)アミノ酸残基Thrを別のアミノ酸残基で置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の134位に対応する位置;
(e)アミノ酸残基IleまたはPheを別のアミノ酸残基で置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の237位に対応する位置;
(f)アミノ酸残基ValまたはAlaを別のアミノ酸残基で置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の371位に対応する位置;
(g)アミノ酸残基Pheを別のアミノ酸残基で置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の373位に対応する位置;
(h)アミノ酸残基Gluを別のアミノ酸残基で置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の434位に対応する位置;
(i)アミノ酸残基Pheを別のアミノ酸残基で置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の436位に対応する位置;
(j)アミノ酸残基Trpを別のアミノ酸残基で置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の448位に対応する位置;および
(k)アミノ酸残基Trpを別のアミノ酸残基で置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の537位に対応する位置
から選択される1または複数の位置において改変された変異グルコースオキシダーゼに関する。
より具体的には、本発明の変異グルコースオキシダーゼが、
(a)アミノ酸残基ThrをSerで置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の53位に対応する位置;
(b)アミノ酸残基IleをValで置換することにより配列番号1に示されるアミノ酸配列の116位に対応する位置;
(c)アミノ酸残基SerをAla、Thr、Val、CysもしくはIleで置換することによる、またはアミノ酸残基ThrをAla、Ser、Val、Trp、もしくはCysで置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の132位に対応する位置;
(d)アミノ酸残基ThrをAla、Ile、またはMetで置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の134位に対応する位置;
(e)アミノ酸残基IleをValで置換することによる、またはアミノ酸残基PheをIle、Ala、Val、Met、Ser、Asp、Leu、Thr、Asn、Arg、もしくはCysで置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の237位に対応する位置;
(f)アミノ酸残基ValをThr、Alaで置換することによる、またはアミノ酸残基AlaをValで置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の371位に対応する位置;
(g)アミノ酸残基PheをLeu、Tyr、Ala、Met、Asn、またはTrpで置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の373位に対応する位置;
(h)アミノ酸残基GluをGlnで置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の434位に対応する位置;
(i)アミノ酸残基PheをTrp、Ala、Leu、Tyr、Met、GluまたはIleで置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の436位に対応する位置;
(j)アミノ酸残基TrpをAla、Ile、Ser、Val、Met、Thr、Cys、Gly、Leu、Asn、Asp、Lys、Phe、Gln、またはTyrで置換する
ことによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の448位に対応する位置;および
(k)アミノ酸残基TrpをAlaで置換することによる、配列番号1に示されるアミノ酸配列の537位に対応する位置から選択される1または複数の位置において改変されている。
好ましい実施形態では、本発明の変異グルコースオキシダーゼは、オキシダーゼ活性が野生型のグルコースオキシダーゼと比較して低減されており、デヒドロゲナーゼ活性が野生型のグルコースオキシダーゼと比較して増大していることが好ましい。本発明の変異グルコースオキシダーゼのオキシダーゼ活性は、野生型のグルコースオキシダーゼのオキシダーゼ活性の30%以下であることが好ましく、また、デヒドロゲナーゼ活性が、野生型のグルコースオキシダーゼの50%以上であることも好ましい。また、本発明の変異グルコースオキシダーゼのデヒドロゲナーゼ活性が、野生型のグルコースオキシダーゼと比較して増大していることも好ましい。
別の態様では、本発明は、本発明の変異グルコースオキシダーゼをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
さらに別の態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
さらに別の態様では、本発明は、本発明のベクターで形質転換された宿主細胞を提供する。
別の態様では、本発明は、試料中のグルコースをアッセイするための方法であって、試料を本発明のグルコースオキシダーゼと接触させるステップと、グルコースオキシダーゼにより酸化されたグルコースの量を測定するステップとを含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、試料中のグルコースをアッセイするためのデバイスであって、本発明のグルコースオキシダーゼと、好ましくは電子伝達体とを含むデバイスを提供する。
さらに別の態様では、本発明は、試料中のグルコースをアッセイするためのキットであって、本発明のグルコースオキシダーゼと、好ましくは電子伝達体とを含むキットを提供する。
別の態様では、本発明は、本発明のグルコースオキシダーゼを電極上に固定化した酵素電極を提供する。
別の態様では、本発明は、グルコースをアッセイするための酵素センサーであって、本発明の酵素電極を作用電極として含む酵素センサーを提供する。
グルコース基質濃度を100mMとするときの、多様な変異グルコースオキシダーゼ(GOx)突然変異体のオキシダーゼ(Ox)活性およびデヒドロゲナーゼ(Dh)活性の、野生型の活性に対する比を示す図である。図1および表における「n.d.」とは、「検出なし」を意味する。
本明細書で用いられるタンパク質の「突然変異体」という用語は、そのタンパク質における、指示される(1または複数の)位置のアミノ酸残基のうちの1または複数において
置換を含有する変異体タンパク質を指す。突然変異体という用語はまた、このような突然変異体タンパク質をコードするポリヌクレオチドについても用いられる。
本明細書で用いられる「〜に対応する位置」という語句は、クエリーアミノ酸配列中のアミノ酸残基の位置であって、Vector NTIのAlignXソフトウェア(Invitrogenから入手可能である;Lu,G.およびMoriyama,E.N.(2004年)、Vector NTI、a balanced all−in−one sequence analysis suite、Brief Bioinform、5、378〜88を参照されたい)をデフォルトのパラメータで用いて、基準アミノ酸配列内のアミノ酸残基とアラインされるアミノ酸残基の位置を意味する。したがって、「配列番号Xに示されるアミノ酸配列のY位に対応する位置におけるアミノ酸(AA)残基」とは、クエリーアミノ酸配列を、Vector NTIのAlignXをデフォルトのパラメータで用いて、配列番号Xとアラインされる場合に、配列番号XのAA Yとアラインされるクエリーアミノ酸配列内のAA残基を意味する。配列番号XのAA Y自体もまたこの用語に包含されることに注意されたい。
本発明の変異グルコースオキシダーゼは、デヒドロゲナーゼ活性を実質的に保持しながら、オキシダーゼ活性の減少を呈示する。
本明細書で用いられる「オキシダーゼ活性」とは、グルコースオキシダーゼの酵素活性であって、酸素を電子受容体として使用することにより、グルコースの酸化を触媒して、グルコノラクトンを生成させる酵素活性である。オキシダーゼ活性は、生成したH2O2の量を、当技術分野で知られている任意の方法で、例えば、4AA/TODB/POD(4−アミノアンチピリン/N,N−ビス(4−スルホブチル)−3−メチルアニリン二ナトリウム塩/西洋ワサビペルオキシダーゼ)など、H2O2を検出するための試薬を介して、またはPt電極を介して測定することにより、アッセイすることができる。本明細書の相対活性または定量的活性の文脈で用いられるオキシダーゼ活性はとりわけ、単位時間当たりに酸化した基質(グルコース)のモル量であって、10mMのPPB、pH7.0、1.5mMのTODB、2U/mlの西洋ワサビペルオキシダーゼ(POD)、および1.5mMの4−アミノアンチ−ピリン(4AA)中、25℃で生成したH2O2の量により測定されるモル量であると定義される。キノンイミン色素の形成は、分光光度法により、546nmで測定することができる。
本明細書で用いられる、「デヒドロゲナーゼ活性」とは、グルコースオキシダーゼの酵素活性であって、酸素以外の電子伝達体を電子受容体として使用することにより、グルコースの酸化を触媒して、グルコノラクトンを生成させる酵素活性である。デヒドロゲナーゼ活性は、例えば、mPMS/DCIP(1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルスルフェート/2,6−ジクロロインドフェノール)、cPES(トリフルオロ−酢酸−1−(3−カルボキシ−プロポキシ)−5−エチル−フェナジニウム、NA BM31_1144(N,N−ビス−(ヒドロキシエチル)−3−メトキシ−ニトロソアニリンヒドロクロリド、NA BM31_1008(N,N−ビス−ヒドロキシ−エチル−4−ニトロソアニリン)、およびN−N−4−ジメチル−ニトロソアニリンを用いて、伝達体へと伝達される電子の量を測定することにより、アッセイすることができる。
本明細書の相対活性または定量的活性の文脈で用いられるデヒドロゲナーゼ活性はとりわけ、単位時間当たりに酸化した基質(グルコース)のモル量であって、10mMのPPB(pH7.0)、0.6mMのDCIP、および6mMのメトキシPMS(mPMS)中、25℃で伝達体へと伝達される電子の量により測定されるモル量であると定義される。
本発明の変異グルコースオキシダーゼは、デヒドロゲナーゼ活性を実質的に保持しながら、オキシダーゼ活性が野生型のグルコースオキシダーゼと比較して低減されている。
本発明の変異グルコースオキシダーゼのオキシダーゼ活性は、野生型のグルコースオキシダーゼのオキシダーゼ活性の50%以下であることが好ましい。本発明の変異グルコースオキシダーゼのオキシダーゼ活性は、野生型のグルコースオキシダーゼのオキシダーゼ活性の40%以下、より好ましくは30%以下、なおより好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下であることがより好ましい。また、本発明の変異グルコースオキシダーゼのデヒドロゲナーゼ活性が、野生型のグルコースオキシダーゼの50%以上であることも好ましい。本発明の変異グルコースオキシダーゼのデヒドロゲナーゼ活性は、野生型のグルコースオキシダーゼの70%以上、より好ましくは90%以上、なおより好ましくは100%以上、最も好ましくは100%を超えることがより好ましい。
野生型のグルコースオキシダーゼでは、オキシダーゼ活性が、デヒドロゲナーゼ活性の約3〜4倍である。溶存酸素がアッセイ系内に存在する場合、基質の酸化により生成する電子は、酸素へと優先的に伝達されることになる。したがって、電子伝達体の存在下で測定される酵素活性は、溶存酸素濃度により大きく影響されることになる。これに対し、本発明の変異グルコースオキシダーゼのデヒドロゲナーゼ活性/オキシダーゼ活性の比は、約2.0以上、好ましくは、4.0以上、より好ましくは10以上である。デヒドロゲナーゼ活性がオキシダーゼ活性を超えるので、本発明のグルコースオキシダーゼの酵素活性は、溶存酸素濃度により影響される程度が小さく、これは、血液試料による臨床診断においてグルコースオキシダーゼを使用するのに有利である。
本出願におけるアミノ酸配列の番号付けは、最初のMetで始まり、特許請求される変異グルコースオキシダーゼは、シグナルペプチドを有する場合もあり、有さない場合もあることを理解されたい。
別の態様では、本発明は、本発明の変異グルコースオキシダーゼをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。グルコースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、公開されているデータベースから容易に得ることができる。野生型のグルコースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチドは、各生物のゲノムから、PCRまたは他の知られた技法を用いてクローニングすることができる。突然変異は、部位指向突然変異誘発、PCR突然変異誘発、または当技術分野でよく知られている他の任意の技法により導入することができる。突然変異させるアミノ酸残基は、当技術分野で入手可能な配列アライメント用のソフトウェアのうちのいずれかを用いて同定することができる。代替的に、変異グルコースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチドは、一連の化学合成されたオリゴヌクレオチドを用いてPCRにより調製することもでき、全体を合成することもできる。
突然変異させたグルコースオキシダーゼは、突然変異体遺伝子を適切な発現ベクターへと挿入し、ベクターを、E.coli細胞などの適切な宿主細胞へと導入することにより調製することができる。形質転換細胞を培養し、形質転換細胞内で発現するグルコースオキシダーゼは、細胞または培養培地から回収することができる。代替的に、組換えグルコースオキシダーゼは、細胞から調製される封入体から回収し、リフォールディングさせることもできる。
このようにして得られた組換えグルコースオキシダーゼは、イオン交換カラムクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、濾過、限外濾過、塩析沈殿、溶媒沈殿、免疫沈降、ゲル電気泳動、等電点電気泳動、および透析を含めた、当技術分野で知られている精製法のうちのいずれかにより精製することができる。
したがって、本発明はまた、変異グルコースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチドを含むベクター、このようなベクターで形質転換された宿主細胞、および形質転換細胞を培養し、変異グルコースオキシダーゼを培養物から回収および精製することにより、本発明の変異グルコースオキシダーゼを調製するための方法も包含する。
本発明はまた、試料中のグルコースをアッセイする方法も包含する。方法は、試料を本発明のグルコースオキシダーゼと接触させるステップと、グルコースオキシダーゼにより酸化されたグルコースの量を測定するステップとを含む。
別の態様では、本発明は、本発明のグルコースオキシダーゼと電子伝達体とを含む試料中のグルコースをアッセイするためのデバイスを提供する。
アッセイデバイスは、血中グルコースレベルをモニタリングするための、従来の市販の電流測定バイオセンサーによる検査用ストリップのうちのいずれかと同様の構造を有しうる。このようなデバイスの一例は、絶縁基板上に配置された2枚の電極(作用電極および基準電極または対電極)、試薬ポート、および試料レシーバーを有する。試薬ポートは、本発明の突然変異させたグルコースオキシダーゼと伝達体とを含有する。血液試料などの試料を、試料レシーバーへと添加すると、試料中に含有されるグルコースが、グルコースオキシダーゼと反応して、電流を発生させ、これにより、試料中のグルコースの量が示される。酵素基質を決定するのに適する典型的な電気化学的センサーの例は、例えば、WO2004/113900およびUS5,997,817から知られる。電気化学的センサーに対する代替法としては、光学的検出法を用いることもできる。このような光学デバイスは、酵素、電子伝達体、および指示薬を含む試薬系内で生じる色の変化に基づくものが典型的である。色の変化は、蛍光、吸収、または発光の測定値を用いて定量化することができる。酵素基質を決定するのに適する典型的な光学デバイスの例は、例えば、US7,008,799、US6,036,919、およびUS5,334,508から知られる。
さらに別の態様では、本発明は、本発明のグルコースオキシダーゼと電子伝達体とを含む試料中のグルコースをアッセイするためのキットを提供する。
グルコースを測定するためのキットは、本発明の酵素を用いて構築することができる。本発明のグルコースオキシダーゼに加えて、キットは、測定に必要な緩衝液、適切な伝達体、および、必要な場合は、ペルオキシダーゼなどの酵素、検量線を作成するためのグルコースの標準溶液、および使用のための指示書も含有する。本発明のグルコースオキシダーゼは、多様な形態で、例えば、凍結乾燥試薬として、または適切な保存液中の溶液として提供することができる。
別の態様では、本発明は、本発明のグルコースオキシダーゼを電極上に固定化した酵素電極を提供する。
別の態様では、本発明は、グルコースをアッセイするための酵素センサーであって、本発明の酵素電極を作用電極として含む酵素センサーを提供する。
試料中のグルコースの濃度は、酵素反応により発生した電子の量を測定することにより、決定することができる。当技術分野では、炭素電極、金属電極、および白金電極を含めた多様なセンサー系が知られている。本発明の突然変異させたグルコースオキシダーゼは、電極上に固定化される。固定化するための手段の例には、架橋形成、高分子マトリックスへの封入、透析膜によるコーティング、光学的架橋形成ポリマー、導電性ポリマー、酸
化還元ポリマー、およびこれらの任意の組合せが含まれる。
炭素電極を用いる電流測定系内で測定を実行する場合は、酵素の固定化を施された金電極または白金電極を作用電極として、対電極(白金電極など)および基準電極(Ag/AgCl電極など)と共に用いる。電極は、伝達体を含有する緩衝液へと挿入し、所定の温度に保つ。所定の電圧を作用電極へと印加し、次いで、試料を添加し、電流値の増大を測定する。アッセイにおいて用いられる伝達体の例には、フェリシアン化カリウム、フェロセン、オスミウム誘導体、ルテニウム誘導体、フェナジンメトスルフェートなどが含まれる。一般にまた、1枚の作用電極と1枚の対電極または擬似基準電極とを伴う、いわゆる二電極系を用いることも可能である。
さらに、グルコースは、炭素電極、金電極、または白金電極を用いる電流測定系内に固定化された電子伝達体を用いてもアッセイすることができる。酵素を、高分子マトリックス中のフェリシアン化カリウム、フェロセン、オスミウム誘導体、フェナジンメトスルフェートなどの電子伝達体と共に、吸着または共有結合により電極上に固定化して作用電極を調製する。作用電極を、対電極(白金電極など)および基準電極(Ag/AgCl電極など)と共に、緩衝液へと挿入し、所定の温度に保つ。所定の電圧を作用電極へと印加し、次いで、試料を添加し、電流値の増大を測定する。
本明細書で引用される全ての特許および参考文献の内容は、全体において、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明を、以下の実施例により詳細に例示するが、本発明は、それらの実施例に限定されないものとする。
Penicillium amagasakiensのGOxを発現させるプラスミド
pET22 gox WTを、Penicillium amagasakiensのGOx(GenBank:AADO1493)を発現させるプラスミドとして用いた。このプラスミドは、ベクターpET22のNheI/EcoRIクローニング部位内に挿入されている、シグナル配列を除いた、Penicillium amagasakiensに由来するGOxの構造遺伝子の領域を含有するDNA断片を有する。このプラスミド内のGOx遺伝子は、T7プロモーターにより制御される。pET22 gox WTは、アンピシリン耐性遺伝子を含有する。
Penicillium amagasakiensに由来するGOxの構造遺伝子の突然変異誘発
(1)残基132および373の突然変異誘発
実施例1で得られたpET22 gox WT内に含有されている、Penicillium amagasakiensに由来するGOxの構造遺伝子に、この遺伝子によりコードされるGOxの残基132におけるセリンおよび残基373におけるフェニルアラニンを他のアミノ酸残基で置換するように突然変異誘発した。
具体的には、実施例1で記載したプラスミドpET22 gox WT内に含有されているGOxの構造遺伝子の残基132におけるセリンのコドン(TCC)および残基373におけるフェニルアラニンのコドン(TTC)を、市販されている部位指向突然変異誘発キット(Stratagene Corp.、QuikChange II Site−Directed Mutagenesis Kit)を用いて、他のアミノ酸のコド
ンで置換した。
アミノ酸残基の置換において用いられるフォワードプライマーおよびリバースプライマーの配列を、以下の表に示す。
突然変異を表す表記法では、番号が、GOxのシグナル配列を含有するアミノ酸配列における位置を表し、番号の前に記載されるアルファベットが、アミノ酸置換の前のアミノ酸残基を表し、番号の後に記載されるアルファベットが、アミノ酸置換の後のアミノ酸残基を表す。例えば、S132Aは、残基132におけるセリンのアラニンへの置換を表す。
PCR反応では、以下に示される組成の反応溶液を、95℃で30秒間にわたる反応、次いで、各々が95℃で30秒間、55℃で1分間、および68℃で8分間を伴う15回の反復サイクルの後、68℃で30分間にわたる反応下に置き、次いで、4℃に保った。
反応溶液の組成
鋳型DNA(5ng/μL) 2μL
10倍濃度の反応緩衝液 5μL
フォワードプライマー(100ng/μL) 1.25μL
リバースプライマー(100ng/μL) 1.25μL
dNTP 1μL
蒸留水 38.5μL
DNAポリメラーゼ 1μL
合計 50μL
PCR反応の後、0.5μLのDpnIを、反応溶液へと添加し、37℃で1時間にわたりインキュベートして、鋳型プラスミドを分解した。
Escherichia coliのDH5α(supE44、ΔlacU169 (φ80lacZΔM15)、hsdR17、recA1、endA1、gyrA96、thi−1、relA1)コンピテント細胞を、得られた反応溶液で形質転換した。アンピシリン(50μg/mL)を含有するLB寒天培地(1%のBactoトリプトン、0.5%の酵母抽出物、1%の塩化ナトリウム、1.5%の寒天)上で増殖させたコロニーから、プラスミドDNAを調製し、配列決定して、対象の突然変異がGOxの構造遺伝子内に導入されていることを確認した。
突然変異が導入されていることが確認されたプラスミドを、制限酵素NdeIおよびEcoRIで消化させて、突然変異誘発されたGOxの構造遺伝子を切り出し、これを、pET22ベクターへと挿入した。DH5αをこのプラスミドで形質転換し、得られたコロニーからプラスミドを抽出して、GOxの突然変異体の発現プラスミドを得た。
Figure 0006312593
Figure 0006312593
突然変異体GOxの酵素活性の解析
実施例2で得た突然変異体GOxの発現プラスミドを用いて、突然変異体GOxを生成させ、その酵素活性について研究した。
(1)培養
Escherichia coliのBL21(DE3)株を、実施例1で調製した野生型GOx発現プラスミド、または実施例2で調製した突然変異体GOxの発現プラスミドで形質転換した。これらの形質転換細胞を、L字型管を用いて、3mLのLB培地(100μg/mLのアンピシリンを含有する)中、37℃で12時間にわたり、個別に振とう培養した。これらの培養液の各々1mLずつを、100mLのLB培地(100μg/mLのアンピシリンを含有する)を含有する、バッフル付きの500mLエルレンマイヤーフラスコへと接種し、37℃で旋回培養した。OD600が約0.6に達した時点において、これに0.5mMの最終濃度でIPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)を添加した後、20℃で24時間にわたり培養した。
(2)封入体画分の調製
このようにして培養された培養液から、細菌細胞を回収し、洗浄した。次いで、得られた湿潤細菌細胞を、20mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.8)中に懸濁させ、超音波処理した。次いで、ホモジネートを、17400×g、4℃で20分間にわたり遠心分離し、沈殿物を不溶性画分として用いた。
得られた不溶性画分を、洗浄液(1)(リン酸カリウム緩衝液pH6.8+100mMのNaCl+1mMのEDTA+1%のTriton X−100)で洗浄し、10000×g、4℃で10分間にわたり遠心分離した。沈殿物を、洗浄液(2)(リン酸カリウム緩衝液pH6.8+100mMのNaCl+1mMのEDTA)で洗浄し、10000×g、4℃で10分間にわたり遠心分離した。沈殿物を、洗浄液(3)(2Mの尿素+20mMのリン酸カリウム緩衝液pH6.8)でさらに洗浄し、10000×g、4℃で10分間にわたり遠心分離した。封入体を沈殿物として回収した。この封入体の大部分は、GOxである。
(3)封入体のリフォールディング
このようにして調製された封入体を、可溶化緩衝液(8Mの尿素+30mMのジチオトレイトール(DTT)+20mMのリン酸カリウム緩衝液pH6.8)中に懸濁させ、この懸濁液を、可溶化封入体画分として用いた。可溶化封入体を、可溶化緩衝液で、0.1mg/mLのタンパク質濃度まで希釈し、100倍容量以上のリフォールディング緩衝液(1mMのグルタチオン(還元形態)+1mMのグルタチオン(酸化形態)+0.05mMのフラビンアデニンジヌクレオチド+10%の(w/v)グリセロール(vol/vol)+20mMのリン酸カリウム緩衝液、pH6.8)に対して、24時間にわたり透析した。次いで、結果として得られた透析溶液を、20mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.8)に対して、12時間にわたりさらに透析し、17400×g、4℃で3分間にわたり遠心分離し、タンパク質凝集物を除去した。上清を、GOx試料として用いて、野生型GOxおよび突然変異体GOxの各々について、25℃におけるグルコースオキシダーゼ(GOx)活性およびグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)活性を決定した。
(4)GOx活性の決定
基質との反応を介して生成させた過酸化水素から、ペルオキシダーゼ、トリンダー試薬(TODB)、および4−アミノアンチピリンを用いて生成させた色素に由来する、546nmにおける吸光度の変化を、ある時間経過にわたり決定することにより、GOx活性を決定した。反応は、以下に示される条件下で実施した。
反応は、基質を、酵素溶液を含有する反応溶液(10mMのリン酸カリウム緩衝液pH7.0+1.5mMの4−アミノアンチピリン+1.5mMのTODB+2U/mlのペルオキシダーゼ;全ての濃度は最終濃度である)へと添加することにより開始し、546nmにおける吸光度の変化を決定した。多様な濃度のグルコースを、基質として用いた。1マイクロモルの過酸化水素を1分間にわたり形成する酵素の量を、1Uと定義する。38mM−1cm-1を、pH7.0におけるTODBのモル吸収係数として用いた。活性値を吸光度の変化から計算するための式を以下に示す。
U/ml=ΔABS546/分×2/38×10
U/mg=U/ml/タンパク質mg/ml
(5)GDH活性の決定
基質との反応を介して還元されたDCIPの退色に由来する、600nmにおける吸光度の変化を、ある時間経過にわたり定量化することにより、GDH活性を決定した。反応は、以下に示される条件下で実施した。
反応は、基質を、酵素溶液を含有する反応溶液(10mMのリン酸カリウム緩衝液pH7.0+0.6mMのPMS+0.06mMのDCIP;全ての濃度は最終濃度である)へと添加することにより開始し、600nmにおける吸光度の変化を決定した。GOx活性の決定において用いた基質を、基質として用いた。1マイクロモルのDCIPを還元する酵素の量を、1Uと定義する。活性値は、以下に示される式に従い計算した。16.3mM−1cm-1を、pH7.0におけるDCIPのモル吸収係数として用いた。
U/ml=ΔABS600/分×1/16.3×10
U/mg=U/ml/タンパク質mg/ml
野生型GOxおよび突然変異体GOxの活性の決定の結果を、表3および4(異なる試行)に示す。さらに、グルコース基質濃度を10mMとするときの、多様な突然変異体のオキシダーゼ活性およびデヒドロゲナーゼ活性の、野生型の活性に対する比を示すグラフを、図1に示す。S132突然変異体およびF373突然変異体は、野生型と比較してオキシダーゼ活性を低減し、デヒドロゲナーゼ活性を改善した。S132突然変異体およびF373突然変異体のうちで、S132A突然変異体は、デヒドロゲナーゼ活性を野生型
の4倍以上まで改善し、オキシダーゼ活性を、野生型の約40%まで低減した。
Figure 0006312593
Figure 0006312593
Apergillus nigerに由来する野生型GOxおよび突然変異体GOxの酵素活性の調製および解析
A.niger(SwissProt P13006)に由来する野生型GOxおよび突然変異体GOxを、実施例1および2で記載したのと同じ形で調製した。A.niger(SwissProt P13006)の132位におけるトレオニン残基および373位におけるフェニルアラニン残基は、それぞれ、Penicillium amagasakiens(GenBank:AADO1493)の132位におけるセリン残基および373位におけるフェニルアラニン残基に対応する。
A.nigerに由来する突然変異体GOxは、実施例3で記載したのと同じ形で調製し、その酵素活性を解析した。野生型GOxおよび突然変異体GOxによる結果を、以下の表5にまとめる。
Figure 0006312593
表6および7は、グルコースオキシダーゼであることが注記されているアミノ酸配列のアライメントを示す。これらの突然変異させたグルコースオキシダーゼの配列の全体を、配列番号1〜21に示す。アライメントは、Vector NTIシリーズ6.0のAlignXアプリケーションを用いて創出した。当業者は、Blastなど、別のアライメントソフトウェアプログラムも、同じアライメントまたは実質的に同じアライメントを提供することを理解しよう。
表6からは、配列番号1のSer132が、表6に列挙されるアミノ酸配列の間で保存されていることが明らかである。したがって、当業者は、保存領域内の配列番号1のSer132に対応するSer残基またはThr残基を、市販されている配列アライメント用のソフトウェアプログラムのうちのいずれかを用いて容易に同定することができ、変異グルコースオキシダーゼが、このSerまたはThr残基に対して改変を導入することにより容易に調製されることを理解することができる(注記:*データベース:gb:Gen
Bank;sp:Swissprot;ref:基準配列;emb:EMBL;pdb:Protein Data Bank;**配列番号は全長配列を表す)。
Figure 0006312593
表7からは、配列番号1のPhe373は、表7に列挙されるアミノ酸配列の間で保存されていることが明らかである。したがって、当業者は、保存領域内の配列番号1のPhe373に対応するPhe残基を、市販されている配列アライメント用のソフトウェアプログラムのうちのいずれかを用いて容易に同定することができ、変異グルコースオキシダーゼが、このPhe残基に対して改変を導入することにより容易に調製されることを理解することができる(注記:*データベース:gb:GenBank;sp:Swissp
rot;ref:基準配列;emb:EMBL;pdb:Protein Data Bank;**配列番号は全長配列を表す)。
Figure 0006312593
さらなるGOx突然変異体
Penicillium amagasakiens(GenBank:AADO1493)およびAspergillus niger(SwissProt P13006)に由来するGOxのさらなるGOx突然変異体を、実施例1〜4で記載したのと同じ形で調製し、それらの酵素活性を解析した。各突然変異体のグルコースデヒドロゲナーゼ活性:グルコースオキシダーゼ活性の比を、野生型のグルコースオキシダーゼの比を100%として、以下の表8a、8b、9a、および9bにまとめる。各野生型GOxのアミノ酸配列の配列番号を、表6および7に示す。また、突然変異させた位置の近傍のアミノ酸配列のアライメントも、表10a〜hに示す。
Figure 0006312593
Figure 0006312593
Figure 0006312593
Figure 0006312593
Figure 0006312593
Figure 0006312593
Figure 0006312593
Figure 0006312593
Figure 0006312593
Figure 0006312593
Figure 0006312593
本発明の突然変異させたグルコースオキシダーゼは、グルコースを測定するために用いることができるが、これは、糖尿病性状態を診断およびコントロールするのに臨床的に有用である。

Claims (13)

  1. (a)アミノ酸残基ThrをSerで置換することによる、53位に対応する位置;
    )アミノ酸残基SerをAla、Val、CysもしくはIleで置換することによる、132位に対応する位置
    (c)アミノ酸残基PheをTrp、Ala、Leu、Tyr、Met、またはGluで置換することによる、436位に対応する位置
    よび
    )アミノ酸残基TrpをAlaで置換することによる、537位に対応する位置
    から選択される1または複数の位置
    において改変された、配列番号1アミノ酸配列を有する変異グルコースオキシダーゼ。
  2. オキシダーゼ活性が、野生型のグルコースオキシダーゼと比較して低減されている、請求項1に記載の変異グルコースオキシダーゼ。
  3. オキシダーゼ活性が、そのデヒドロゲナーゼ活性未満である、請求項1に記載の変異グルコースオキシダーゼ。
  4. デヒドロゲナーゼ活性が、野生型のグルコースオキシダーゼの50%以上である、請求項1に記載の変異グルコースオキシダーゼ。
  5. グルコースデヒドロゲナーゼ活性:グルコースオキシダーゼ活性の比が、野生型のグルコースオキシダーゼのオキシダーゼより高い、請求項1に記載の変異グルコースオキシダーゼ。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の変異グルコースオキシダーゼをコードする単離ポリヌクレオチド。
  7. 請求項6に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  8. 請求項7に記載のベクターで形質転換された宿主細胞。
  9. 試料中のグルコースをアッセイするための方法であって、試料を請求項1から5のいずれか一項に記載のグルコースオキシダーゼと接触させるステップと、グルコースオキシダーゼにより酸化されたグルコースの量を測定するステップとを含む方法。
  10. 試料中のグルコースをアッセイするためのデバイスであって、請求項1から5のいずれか一項に記載のグルコースオキシダーゼおよび電子伝達体を含むデバイス。
  11. 試料中のグルコースをアッセイするためのキットであって、請求項1から5のいずれか一項に記載のグルコースオキシダーゼおよび電子伝達体を含むキット。
  12. 請求項1から5のいずれか一項に記載のグルコースオキシダーゼが電極上に固定化された酵素電極。
  13. グルコースをアッセイするための酵素センサーであって、請求項12に記載の酵素電極を作用電極として含む酵素センサー。
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