JP6311749B2 - シート製造装置、シート製造方法 - Google Patents

シート製造装置、シート製造方法 Download PDF

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本発明は、シート製造装置、シート製造方法に関する。
従来、形成されたウエブを加熱する遠赤外線セラミックヒーターと、当該遠赤外線セラ
ミックヒーターによって加熱されたウエブを加熱加圧する一対のカレンダーローラーとを
備えた不織布製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−49153号公報
しかしながら、上記不織布製造装置では、ウエブをカレンダーローラーで加圧する前に
、遠赤外線セラミックヒーターで加熱する構成である。この場合、ウエブが加圧される前
に加熱されてしまうと、ウエブを構成する繊維が十分に圧縮されない状態で樹脂が繊維間
で溶融・結着することになる。そうすると、ウエブは、不十分な密度状態の形態が確立さ
れてしまい、その後で加圧しても前記形態を崩すことができない。従って、製造されたシ
ートにおいて十分な密度や強度を確保することができない、という課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかるシート製造装置は、少なくとも植物繊維と熱可塑性樹脂とを空気中で堆積させたウエブを形成するウエブ形成部と、
前記ウエブ形成部よりも前記ウエブの搬送方向の下流側に設けられ、前記ウエブを加圧する加圧部と、
前記加圧部よりも前記搬送方向の下流側に設けられ、前記ウエブを加熱加圧することにより前記熱可塑性樹脂を溶融して前記繊維同士を結着する加熱加圧部と、を有し、
前記加圧部の加圧力は、前記加熱加圧部の加圧力より大きいことを特徴とする。
適用例]本適用例にかかるシート製造装置は、少なくとも繊維と樹脂とを空気中で堆積させたウエブを形成するウエブ形成部と、前記ウエブを加熱せずに加圧する加圧部と、前記加圧部よりも前記ウエブの搬送方向の下流で前記ウエブを加熱加圧する加熱加圧部と、を有し、前記加圧部の加圧力は前記加熱加圧部の加圧力より大きいことを特徴とする。
この構成によれば、まず、繊維と樹脂とを堆積することによって形成されたウエブが加
圧される。この加圧時では、ウエブは加熱されず、加圧のみである。この加圧によって、
ウエブを構成する繊維同士の距離が縮められる。次いで、ウエブが繊維同士の距離が縮め
られた状態で加熱加圧される。これにより、ウエブのスプリングバックが防止されつつ、
繊維間の距離が縮められた状態で樹脂が溶融し、繊維間で結着される。従って、高密度で
高強度のシートを形成することができる。
[適用例2]上記適用例にかかるシート製造装置では、前記加圧部は前記ウエブを挟み込むことにより加圧する少なくとも1対の加圧ローラーを有し、
前記加熱加圧部は前記ウエブを挟み込むことにより加熱加圧する少なくとも1対の加熱加圧ローラーを有する
この構成によれば、加圧ローラーと加熱加圧ローラーを用いることにより、少なくとも
一方を平板プレスにするよりも加圧から加熱までの時間を短くでき、加圧してスプリング
バックする前に加熱をすることができる。例えば、平板プレスの場合、ウエブの先端と加
熱部との距離は短いがウエブの後端と加熱部との距離は長くなってしまう。また、加圧か
ら加熱までの時間を一定にできることで加圧或いは加熱のムラを抑制することができる。
[適用例3]上記適用例にかかるシート製造装置では、前記各加圧ローラーの径は、前記各加熱加圧ローラーの径よりも大きい
この構成によれば、空気中でウエブが形成された状態は、繊維と樹脂が混合された状態
であり、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態である。従って、加圧ローラーの方の径
を大きくすることにより、換言すれば、ウエブの搬送方向に対して上流側に配置された加
圧ローラーの径をより大きくすることにより、ふくらんだ状態のウエブを確実に噛み込ま
せて効率よく搬送させることができる。一方、一旦加圧された後のウエブは形状が固めら
れるため、加圧ローラーよりもウエブの搬送方向に対して下流側に配置される加熱加圧ロ
ーラーの径は小さくても差し支えない。これにより、ウエブの搬送性を向上させるととも
に、装置構成を小型化することができる。
適用例]上記適用例にかかるシート製造装置では、前記加圧ローラーと前記加熱加
圧ローラーとの間において前記ウエブが接触可能な部材は、前記ウエブを下方から支える
ことが可能なウエブ受け部材のみであることを特徴とする。
この構成によれば、加圧ローラーと加熱加圧ローラーの間にはウエブが下方へ垂れ下が
るのを受ける受け部材だけなので、加圧ローラーと加熱加圧ローラーとの距離を短くする
ことができる。これにより、加圧されたウエブが速やかに加熱加圧される。従って、ウエ
ブのスプリングバックが抑制され、高密度で高強度のシートを形成することができる。
[適用例4]本適用例にかかるシート製造方法は、少なくとも植物繊維と熱可塑性樹脂とを空気中で堆積させたウエブを形成するウエブ形成工程と、
前記ウエブ形成工程後に前記ウエブを加圧する加圧工程と、
前記加圧工程の後に前記ウエブを加熱加圧することにより前記熱可塑性樹脂を溶融して前記繊維同士を結着する加熱工程と、を有し、
前記加圧工程での加圧力は、前記加熱工程での加圧力より大きいことを特徴とする。
[適用例]本適用例にかかるシート製造方法は、少なくとも繊維と樹脂とを空気中で堆積させたウエブを形成するウエブ形成工程と、前記ウエブを加熱せずに加圧する加圧工程と、前記加圧工程の後に前記ウエブを加熱加圧する加熱工程と、を含み、前記加圧工程での加圧力は前記加熱加圧工程での加圧力より大きいことを特徴とする。
この構成よれば、まず、繊維と樹脂とを堆積することによって形成されたウエブが加圧
される。この加圧時では、ウエブは加熱されず、加圧のみである。この加圧によって、ウ
エブを構成する繊維同士の距離が縮められる。次いで、ウエブが繊維同士の距離が縮めら
れた状態で加熱加圧される。これにより、ウエブのスプリングバックが防止されつつ、繊
維間の距離が縮められた状態で樹脂が溶融し、繊維間で結着される。従って、高密度で高
強度のシートを形成することができる。
シート製造装置の構成を示す概略図。 シート製造装置の一部構成を示す概略図。 シート製造方法を示す模式図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図におい
ては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異なら
せて示している。
まず、シート製造装置の構成について説明する。また、合わせてシート製造方法につい
て説明する。シート製造装置は、例えば、純パルプシートや古紙などの原料(被解繊物)
Puを新たなシートPrに形成する技術に基づくものである。本実施形態にかかるシート
製造装置は、少なくとも繊維と樹脂とを空気中で堆積させたウエブを形成するウエブ形成
部と、ウエブを加熱せずに加圧する加圧部と、加圧部よりもウエブの搬送方向の下流でウ
エブを加熱加圧する加熱加圧部と、を有し、加圧部の加圧力は加熱加圧部の加圧力より大
きくなるように構成されたものである。また、本実施形態にかかるシート製造方法は、少
なくとも繊維と樹脂とを空気中で堆積させたウエブを形成するウエブ形成工程と、ウエブ
を加熱せずに加圧する加圧工程と、加圧工程の後にウエブを加熱加圧する加熱工程と、を
含み、加圧工程での加圧力は加熱加圧工程での加圧力より大きい、というものである。な
お、本実施形態にかかるウエブとは、繊維と樹脂とを含む物体の構成形態を言う。従って
、ウエブの加熱時や加圧時や切断時や搬送時等において寸法等の形態が変化した場合であ
ってもウエブとして示している。以下、具体的に説明する。
図1は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図であり、図2は、シー
ト製造装置の一部構成を示す概略図である。また、図3は、シート製造方法を示す模式図
である。まず、図1に示すように、シート製造装置1は、供給部10と、粗砕部20と、
解繊部30と、分級部40と、受け部50と、添加物投入部60と、ウエブ形成部70と
、加圧部120と、加熱加圧部150等を備えている。
供給部10は、粗砕部20に古紙Puを供給するものである。供給部10は、例えば、
複数枚の古紙Puを重ねて貯めておくトレー11と、トレー11中の古紙Puを粗砕部2
0に連続して投入可能な自動送り機構12等を備えている。シート製造装置に供給する古
紙Puとしては、例えば、オフィスで現在主流となっているA4サイズの用紙等である。
粗砕部20は、供給された古紙Puを数センチメートル角の紙片に裁断するものである
。粗砕部20では、粗砕刃21を備え、通常のシュレッダーの刃の切断幅を広げたような
装置を構成している。これにより、供給された古紙Puを容易に紙片に裁断することがで
きる。そして、分断された粗砕紙は、配管201を介して解繊部30に供給される。
解繊部30は、回転する回転刃(図示せず)を備え、粗砕部20から供給された粗砕紙
を繊維状に解きほぐす(解繊)ものである。なお、本実施形態の解繊部30は、空気中で
乾式で解繊を行うものである。解繊部30の解繊処理により、印刷されたインクやトナー
、にじみ防止材等の紙への塗工材料等は、数十μm以下の粒となって繊維と分離する(以
下、「インク粒」という)。したがって、解繊部30から出る解繊物は、紙片の解繊によ
り得られる繊維とインク粒である。そして、回転刃の回転によって気流が発生する機構と
なっており、配管202を介して解繊された繊維はこの気流に乗って分級部40に搬送さ
れる。なお、風発生機構を備えていない乾式の解繊部30を用いる場合には、粗砕部20
から解繊部30に向けて気流を発生させる気流発生装置を別途設けるようにすればよい。
分級部40は、解繊物をインク粒と繊維とに分級するものである。本実施形態では、分
級部40としてのサイクロン(以下、分級部としてのサイクロン40として説明する)を
適用し、搬送された繊維をインク粒と脱墨繊維(脱墨解繊物)とに気流分級する。なお、
サイクロン40に替えて他の種類の気流式分級器を利用してもよい。この場合、サイクロ
ン40以外の気流式分級器としては、例えば、エルボージェットやエディクラシファイヤ
ー等が用いられる。気流式分級器は旋回気流を発生させ、解繊物のサイズと密度により受
ける遠心力の差によって分離、分級するもので、気流の速度、遠心力の調整により、分級
点を調整することができる。これにより比較的小さく密度の低いインク粒と、インク粒よ
り大きく密度の高い繊維とに分けられる。繊維からインク粒を除去することを脱墨と言う
なお、サイクロン40は、接線入力方式のサイクロンが比較的簡便な構造である。本実
施形態のサイクロン40は、解繊部30から導入される導入口40aと、導入口40aが
接線方向についた円筒部41と、円筒部41の下部に続く円錐部42と、円錐部42の下
部に設けられる下部取出口40bと、円筒部41の上部中央に設けられる微粉排出のため
の上部排気口40cとから構成される。円錐部42は鉛直方向下方にむかって径が小さく
なる。
分級処理において、サイクロン40の導入口40aから導入された解繊物をのせた気流
は、円筒部41で円周運動に変わり、遠心力がかかり、気流との相乗効果で、繊維は絡み
合い大きくなり、円錐部42へと移動する。また、分離されたインク粒は空気とともに微
粉として上部排気口40cへ導出され、脱墨が進行する。そして、サイクロン40の上部
排気口40cからインク粒が多量に含まれた短繊維混合物が排出される。そして、排出さ
れたインク粒が多量に含まれる短繊維混合物は、サイクロン40の上部排気口40cに接
続された配管203を介して受け部50に回収される。一方、サイクロン40の下部取出
口40bから配管204を介してウエブ形成部70に向けて脱墨された繊維が搬送される
。なお、上部排気口40c側に、インク粒が多量に含まれた短繊維混合物を強制吸引する
ための吸引機構を設けた構成としてもよい。
また、脱墨された繊維がサイクロン40からウエブ形成部70に搬送される配管204
の途中には、搬送される脱墨繊維に対して樹脂(例えば、融着樹脂あるいは熱硬化性樹脂
)等の添加物を添加する添加物投入部60が設けられている。なお、添加物としては、融
着樹脂の他、例えば、難燃剤、着色剤、シート力増強剤やサイズ剤等を投入することも可
能である。これらの添加物は、添加物貯留部61に貯留され、図示しない投入機構によっ
て投入口62から投入される。
ウエブ形成部70は、配管204から投入された少なくとも繊維と樹脂とを空気中で積
層させたウエブを形成するものである(ウエブ形成工程に相当)。ウエブ形成部70は、
繊維を空気中に均一に分散させる機構と、分散された繊維をメッシュベルト73上に堆積
する機構を有している。
まず、繊維を空気中に均一に分散させる機構として、ウエブ形成部70には、繊維及び
樹脂が内部に投入されるフォーミングドラム71が配置されている。そして、フォーミン
グドラム71を回転駆動させることにより繊維中に樹脂(添加剤)を均一に混ぜることが
できる。フォーミングドラム71の表面には複数の小孔を有するスクリーンが設けられて
いる。また、フォーミングドラム71の内部には、回転可能なニードルロールが設けられ
ており、投入された繊維を浮かすようになっている。このような構成により、小孔を通過
した繊維を空気中に均一に分散させることができる。
一方、フォーミングドラム71の下方には、張架ローラー72(本実施形態では、4つ
の張架ローラー72)によって張架されるメッシュが形成されているエンドレスのメッシ
ュベルト73が配されている。そして、張架ローラー72のうちの少なくとも1つが自転
することで、このメッシュベルト73が一方向に移動するようになっている。
また、フォーミングドラム71の鉛直下方には、メッシュベルト73を介して、鉛直下
方に向けた気流を発生させる吸引部としてのサクション装置75が設けられている。サク
ション装置75によって、空気中に分散された繊維をメッシュベルト73上に吸引するこ
とができる。
そして、絡み合った状態の繊維がサイクロン40からウエブ形成部70のフォーミング
ドラム71内に導入されると、繊維と樹脂とがニードルロール等でほぐされる。そして、
ほぐされた繊維は、フォーミングドラム71の表面の小孔スクリーンを通過し、サクショ
ン装置75による吸引力によって、メッシュベルト73上に堆積される。このとき、メッ
シュベルト73を一方向に移動させることにより、繊維と樹脂を長尺状に堆積させたウエ
ブWを形成することができる。フォーミングドラム71からの分散とメッシュベルト73
の移動を連続的に行うことで、連続状のウエブWが成形される。なお、メッシュベルト7
3は金属製でも、樹脂製でも、不織布でもよく、繊維が堆積でき、気流を通過させること
ができれば、どのようなものでもあってもよい。なお、メッシュベルト73のメッシュの
穴径が大きすぎるとメッシュの間に繊維が入り込み、ウエブ(シート)を成形したときの
凸凹になり、一方、メッシュの穴径が小さすぎると、サクション装置75による安定した
気流を形成しづらい。このため、メッシュの穴径は適宜調整することが好ましい。サクシ
ョン装置75はメッシュベルト73の下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓
以外から空気を吸引し箱内を外気より負圧にすることで構成できる。
上記したように、ウエブ形成部70(ウエブ形成工程)を経ることにより、図3(a)
に示すように、繊維Fと樹脂Rとが混合され、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態の
ウエブW(Wa)が形成される。
次いで、図1に示すように、メッシュベルト73上に形成されたウエブWは、メッシュ
ベルト73の回転移動により、搬送方向(図中の矢印)に従って搬送される。次いで、ウ
エブWは、メッシュベルト73から張架ローラー106に張り架けられた搬送ベルト10
1に受け渡され、搬送方向(図中の矢印)に従って搬送される。
ウエブWの搬送方向における搬送ベルト101の下流側には、加圧部120が配置され
ている。当該加圧部120は、形成されたウエブWを加熱せずに加圧するものである(加
圧工程に相当)。従って、加圧部120では、ヒーター等の加熱手段を有していない。そ
して、ウエブWを加圧(圧縮)することにより、ウエブWの密度を高め、強度を向上させ
ることができる。加圧部120は、ローラーによりウエブWを挟み込んで加圧するように
構成されており、一対の加圧ローラー121を有している。一対の加圧ローラー121は
、それぞれの中心軸は平行である。なお、本実施形態の加圧部120は、ウエブWの搬送
方向において上流側に配置された第1加圧部120aとその下流側に配置された第2加圧
部120bとを備え、第1加圧部120a及び第2加圧部120bがそれぞれ一対の加圧
ローラー121を備えている。また、第1加圧部120aと第2加圧部120bとの間に
は、ウエブWの搬送を補助するガイド108が配置されている。
図2に示すように、加圧ローラー121は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等
の中空の金属製芯金122で構成されている。なお、加熱加圧ローラー151の表面には
無電解ニッケルメッキや四三酸化鉄被膜等の防錆処理、若しくはPFA(テトラフルオロ
エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフル
オロエチレン(4フッ化))等のフッ素を含むチューブやPTFE等のフッ素コーティン
グの離型層を形成してもよい。また、金属製芯金122と上記表層との間にシリコンゴム
、ウレタンゴムやコットン等による弾性層を設けてもよい。当該弾性層を設けることによ
り高荷重で圧接する加圧ローラー121対が加圧ローラー121の軸方向において均一に
接触させることができる。
上記したように、加圧部120(加圧工程)を経ることにより、図3(b)に示すよう
に、加圧部120に投入されたウエブW(Wa)は加熱されず、加圧のみ実施されるので
、樹脂Rは溶融することなく、繊維Fのみが圧縮され、繊維F同士の間隔(距離)が縮め
られる。すなわち、高密度化されたウエブW(Wb)が形成される。
加圧部120よりもウエブWの搬送方向における下流側には、図1に示すように、加熱
加圧部150が配置されている。当該加熱加圧部150は、加圧部120によって加圧さ
れたウエブWを加熱加圧するものである(加熱加圧工程に相当)。そして、ウエブを加熱
加圧することにより、ウエブWに含まれる繊維同士を樹脂を介して結着させることができ
る。加熱加圧部150は、ローラーによりウエブWを挟み込んで加熱加圧するように構成
されており、一対の加熱加圧ローラー151を有している。一対の加熱加圧ローラー15
1は、それぞれの中心軸は平行である。加熱加圧部150を加熱加圧ローラー151とし
て構成したことにより、加熱加圧部150を板状のプレス装置として構成した場合に比べ
てウエブを連続的に搬送しながらシートを成形することができる。また、板状のプレス装
置を用いた場合、プレスをしている間、搬送するウエブを一時的にたるませておくバッフ
ァー部が必要となる。つまり、加熱加圧ローラー151を用いた方が、製造効率を上げる
とともに、シート製造装置1全体の構成を小型化することができる。
本実施形態の加熱加圧部150は、ウエブWの搬送方向において上流側に配置された第
1加熱加圧部150aとその下流側に配置された第2加熱加圧部150bとを備え、第1
加熱加圧部150a及び第2加熱加圧部150bがそれぞれ一対の加熱加圧ローラー15
1を備えている。また、第1加熱加圧部150aと第2加熱加圧部150bとの間には、
ウエブWの搬送を補助するガイド108が配置されている。
図2に示すように、加熱加圧ローラー151は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレ
ス等の中空の金属製芯金152で構成されている。加熱加圧ローラー151の表面には、
PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やP
TFE(ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化))等のフッ素を含むチューブやPTF
E等のフッ素コーティングの離型層153が設けられている。なお、金属製芯金152と
離型層153との間にシリコンゴム、ウレタンゴムやコットン等による弾性層を設けても
よい。当該弾性層を設けることにより高荷重で圧接する加熱加圧ローラー151対が加熱
加圧ローラー151の軸方向において均一に接触させることができる。
また、金属製芯金152の中心部には、加熱手段として、例えばハロゲンヒーター等の
加熱部材154が設けられている。加熱加圧ローラー151及び加熱部材154は図示し
ない温度検知部によって各温度が取得され、取得された温度に基づいて加熱部材154の
駆動が制御される。これにより、加熱加圧ローラー151の表面温度が所定の温度に維持
することが可能となる。そして、加熱加圧ローラー151間にウエブWを通過させること
により、搬送されるウエブWに対して加熱加圧することができる。なお、加熱手段として
、ハロゲンヒーター等に限定されず、例えば、非接触ヒーターによる加熱手段や温風によ
る加熱手段を用いてもよい。
上記したように、加熱加圧部150(加熱加圧工程)を経ることにより、樹脂Rが溶け
て繊維Fと絡みやすくなるとともに繊維F間隔が短い状態で結着する。これにより、図3
(c)に示すように、高密度化され、高強度のウエブW(Wc)が形成される。
上記のように、本実施形態では、加圧部120(第1加圧部120a,第2加圧部12
0b)と加熱加圧部150(第1加熱加圧部150a,第2加熱加圧部150b)とが備
えられているが、ここで、加圧部120の加圧力は、加熱加圧部150の加圧力より大き
くなるように設定されている。換言すれば、ウエブWが加熱される前の段階で強加圧され
るように構成されている。例えば、加圧部120の加圧力は、500〜3000kgf、
加熱加圧部150の加圧力は、30〜200kgfに設定可能である。このように、加熱
加圧部150よりも加圧部120の加圧力の方が大きいので、加圧部120によってウエ
ブWに含まれる繊維間の距離を十分短くでき、その状態で加熱加圧することで高密度で高
強度のウエブW(シートPr)を形成することができる。
また、加熱加圧ローラー151の径より加圧ローラー121の径の方が大きくなるよう
に設定されている。換言すれば、ウエブWの搬送方向において、上流側に配置された加圧
ローラー121の径が、下流側に配置された加熱加圧ローラー151の径よりも大きい。
加圧ローラー121は径が大きいので、未だ圧縮されていない状態のウエブWを噛み込ま
せて効率よく搬送することが可能となる。一方、加圧ローラー121を通過したウエブW
は圧縮され、ほぼ形状が固められた状態にあり、搬送しやすいため、加圧ローラー121
よりも下流側に配置された加熱加圧ローラー151の径は小さくてよい。これにより、装
置構成を小型化することができる。なお、加熱加圧ローラー151及び加圧ローラー12
1の径は、製造されるウエブWの厚み等に応じて適宜設定される。
さらに、加圧部120の加圧ローラー121と加熱加圧部150の加熱加圧ローラー1
51との間においてウエブWが接触可能な部材は、ウエブWを下方から支えることが可能
なウエブ受け部材としてのガイド108のみである。従って、加圧ローラー121と加熱
加圧ローラー151との距離を短くすることができる。また、加圧されたウエブWが速や
かに加熱加圧されるため、ウエブWのスプリングバックが抑制され、高密度で高強度のシ
ートを形成することができる。
加熱加圧部150よりもウエブWの搬送方向の下流側には、搬送されるウエブWの搬送
方向と交差する方向にウエブWを切断する切断部としての第1切断部110が配置されて
いる。第1切断部110は、カッターを備え、連続状のウエブWを所定の長さに設定され
た切断位置に従って枚葉状(シート状)に裁断する。また、第1切断部110よりウエブ
Wの搬送方向の下流側には、ウエブWの搬送方向に沿ってウエブWを切断する第2切断部
130が配置されている。第2切断部130は、カッターを備え、ウエブWの搬送方向に
おける所定の切断位置に従って裁断(切断)する。これにより、所望するサイズのシート
Pr(ウエブW)が形成される。そして、切断されたシートPr(ウエブW)はスタッカ
ー160等に積載される。
以上、上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
繊維と樹脂とを堆積させてウエブWを形成する。このとき、ウエブWは、空気を多く含
み柔らかくふくらんだ状態である。そして、この状態のウエブWを加圧する。このとき、
加熱は行われない。従って、ウエブW中の樹脂は溶融されることなく、繊維のみが圧縮さ
れ、繊維同士の間隔(距離)が縮められる。すなわち、ウエブWが高密度化される。そし
て、繊維が高密度化された状態でウエブWが加熱加圧される。これにより、繊維間の距離
が縮められた状態で樹脂が溶融し、結着される。従って、高密度で高強度のシートPr(
ウエブW)を形成することができる。
なお、本実施形態にかかるシートとは、繊維を原料とし、シート状にしたものを主に言
う。しかし、そのようなものに限らず、ボード状やウエブ状(や凸凹を有する形状で)あ
ってもよい。また、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリエチレンテレ
フタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。
本願においてシートとは、紙と不織布に分かれる。紙は、純パルプや古紙を原料とし薄い
シート状にした態様などを含み筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、
ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、不織布、繊維ボード、
ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体
、緩衝材、マットなどを含む。
上記実施形態は、高強度、高密度だけでなく、加圧部で加熱加圧部より強く加圧してい
るため薄いシートを製造することができる。これは不織布よりも紙の方が薄いため、紙に
おいて効果的である。しかし、不織布の製造に用いても高強度に製造が可能となる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを
加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)上記実施形態では、加圧部120において、2つの第1加圧部120aと
第2加圧部120bを備えたが、この構成に限定されない。例えば、加圧部120を一つ
の構成としてもよい。また、加熱加圧部150において、2つの第1加熱加圧部150a
と第2加熱加圧部150bを備えたが、この構成に限定されない。例えば、加熱加圧部1
50を一つの構成としてもよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる
。また、シート製造装置1の構成をさらに小型化することができる。
(変形例2)上記実施形態では、加熱加圧部150よりもウエブWの搬送方向の下流側
に第1切断部110を配置したが、これに限定されない。例えば、加圧部120と加熱加
圧部150との間に第1切断部110を配置してもよい。このようにすれば、ウエブWの
搬送方向において、より上流側でウエブWが長尺からシート状の形態となり、搬送方向に
おけるウエブWの長さ寸法が短くなる。このため、ウエブWの搬送にかかるスキュー等の
発生を低減させることができる。
(変形例3)上記実施形態では、供給部10、粗砕部20、解繊部30、分級部40、
添加物投入部60は無くてもよい。解繊され添加物も添加された原料を用いれば、これら
の構成要素は不要となる。使用する原料の形態に応じて、必要な構成要素を追加してもよ
い。
(変形例4)本願において古紙とは、主に印刷された紙を指すが、紙として成形された
ものを原料とするのであれば使用したか否かに関わらず古紙とみなす。
1…シート製造装置、10…供給部、20…粗砕部、30…解繊部、40…分級部、5
0…受け部、60…添加物投入部、70…ウエブ形成部、108…ウエブ受け部材として
のガイド、110…第1切断部、120…加圧部、120a…第1加圧部、120b…第
2加圧部、121…加圧ローラー、122…金属製芯金、130…第2切断部、150…
加熱加圧部、150a…第1加熱加圧部、150b…第2加熱加圧部、151…加熱加圧
ローラー、152…金属製芯金、153…離型層、154…加熱部材、160…スタッカ
ー。

Claims (4)

  1. 少なくとも植物繊維と熱可塑性樹脂とを空気中で堆積させたウエブを形成するウエブ形成部と、
    前記ウエブ形成部よりも前記ウエブの搬送方向の下流側に設けられ、前記ウエブを加圧する加圧部と、
    前記加圧部よりも前記搬送方向の下流側に設けられ、前記ウエブを加熱加圧することにより前記熱可塑性樹脂を溶融して前記繊維同士を結着する加熱加圧部と、を有し、
    前記加圧部の加圧力は、前記加熱加圧部の加圧力より大きいことを特徴とするシート製造装置。
  2. 前記加圧部は、前記ウエブを挟み込むことにより加圧する少なくとも1対の加圧ローラーを有し、
    前記加熱加圧部は、前記ウエブを挟み込むことにより加熱加圧する少なくとも1対の加熱加圧ローラーを有する請求項1に記載のシート製造装置。
  3. 前記各加圧ローラーの径は、前記各加熱加圧ローラーの径よりも大きい請求項2に記載のシート製造装置。
  4. 少なくとも植物繊維と熱可塑性樹脂とを空気中で堆積させたウエブを形成するウエブ形成工程と、
    前記ウエブ形成工程後に前記ウエブを加圧する加圧工程と、
    前記加圧工程の後に前記ウエブを加熱加圧することにより前記熱可塑性樹脂を溶融して前記繊維同士を結着する加熱工程と、を有し、
    前記加圧工程での加圧力は、前記加熱工程での加圧力より大きいことを特徴とするシート製造方法。
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