JP6311706B2 - ポリカーボネートの製造方法およびポリカーボネート - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法およびポリカーボネート Download PDF

Info

Publication number
JP6311706B2
JP6311706B2 JP2015512452A JP2015512452A JP6311706B2 JP 6311706 B2 JP6311706 B2 JP 6311706B2 JP 2015512452 A JP2015512452 A JP 2015512452A JP 2015512452 A JP2015512452 A JP 2015512452A JP 6311706 B2 JP6311706 B2 JP 6311706B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorine
group
prepolymer
polycarbonate
carbonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015512452A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014171367A1 (ja
Inventor
代田 直子
直子 代田
岡添 隆
隆 岡添
柏木 王明
王明 柏木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Publication of JPWO2014171367A1 publication Critical patent/JPWO2014171367A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6311706B2 publication Critical patent/JP6311706B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/20General preparatory processes
    • C08G64/26General preparatory processes using halocarbonates
    • C08G64/28General preparatory processes using halocarbonates and phenols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/20General preparatory processes
    • C08G64/30General preparatory processes using carbonates
    • C08G64/307General preparatory processes using carbonates and phenols

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、ポリカーボネートの製造方法、および該製造方法で得られたポリカーボネートに関する。
ポリカーボネート、特に芳香族ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃性、透明性等に優れたエンジニアリングプラスチックスとして多くの分野に幅広く用いられている。
ポリカーボネートの製造方法としては、たとえば、下記の方法が知られている。
(i)ビスフェノールAとホスゲンとをアルカリ触媒存在下に界面重縮合させる方法(ホスゲン法)。
(ii)ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとを溶融重縮合させる方法(エステル交換法)。
(i)の方法では、低温で反応が進行することから、無色透明なポリカーボネートを得ることができる。しかし、(i)の方法には、下記の問題がある。
・有毒なホスゲンを用いる。
・反応により副生する塩化ナトリウム等の不純物の除去が容易でない。
(ii)の方法では、溶媒を用いる必要がないため、反応系からのポリカーボネートの分離が容易である。しかし、(ii)の方法には、下記の問題がある。
・ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとのエステル交換反応は、反応速度が遅く、高温で長時間重縮合を行う必要がある。
・エステル交換反応によって分離するフェノールの沸点が高く、除去するために高温が必要となる。
・高温によって重縮合中に副反応等が起こり、ポリカーボネートが着色する。
・生成物の高粘性のためにエステル交換反応によって生成するフェノールの除去が難しく高分子量体が得られにくい。
(i)の方法や(ii)の方法の問題を改善する方法としては、下記(iii)の方法が提案されている(特許文献1、2参照)。
(iii)芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとを反応させてプレポリマーを得る工程と、プレポリマーを結晶化させて結晶化プレポリマーを得る工程と、結晶化プレポリマーを、結晶化プレポリマーのガラス転移温度以上溶融温度未満の温度で加熱し、結晶化プレポリマーを固相重合させてポリカーボネートを得る工程とを有する方法(固相重合法)。
(iii)の方法では、ホスゲンを用いる必要がない。また、(ii)の方法に比べ低温で高分子量のポリカーボネートを製造できることから、着色の問題がない。しかし、結晶化していないプレポリマーは、固相重合しないため、(iii)の方法では、プレポリマーをあらかじめ結晶化させる必要がある。プレポリマーを結晶化させるためには、プレポリマーを溶媒に溶解させた後、析出させて結晶化させる;プレポリマーに対する溶解力の小さな溶媒をプレポリマーに浸透させる;プレポリマーを、プレポリマーのガラス転移温度以上溶融温度未満の温度で加熱保持する、のいずれかの操作が必要である。そのため、(iii)の方法には、工程が煩雑であり、生産性が低いという問題がある。
日本国特開平1−158033号公報 日本国特開平2−155921号公報
本発明は、着色が少なく、高分子量のポリカーボネートを比較的低い温度で、かつ生産性よく製造できる方法を提供する。
本発明のポリカーボネートの製造方法は、下記工程(a)および工程(b)を有し、下記工程(a)における下記含フッ素カーボネートと下記芳香族ジヒドロキシ化合物とのモル比(含フッ素カーボネート/芳香族ジヒドロキシ化合物)が、1/1〜2/1である
(a)縮合触媒の存在下に、下式(1)で表される化合物、下式(2)で表される化合物、下式(3)で表される化合物および下式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素カーボネートと、芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させてプレポリマーを得る工程。
(b)前記プレポリマーを、該プレポリマーの溶融温度未満の温度で加熱し、副生する含フッ素アルコールを系外に排出しながら、該プレポリマーを固相重合させてポリカーボネートを得る工程。
Figure 0006311706
ただし、Rは、CAで表される基であり、2つのRは同一であっても異なってもよく、Rは、CAで表される基であり、2つのRは同一であっても異なってもよく、Rは、水素原子またはCAで表される基であり、2つのRは同一であっても異なってもよく、A〜Aは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、B〜Bは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、R〜Rは、フッ素原子、RまたはORであり、Rは、炭素数1〜12のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)または炭素数6〜10のフルオロアリール基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)である。
Figure 0006311706
ただし、Rは、CAで表される基であり、Rは、CAで表される基であり、Rは、水素原子またはCAで表される基であり、Rは、水素原子であり、Rは、炭素数1〜5のペルフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)であり、A〜Aは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、B〜Bは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、R〜Rは、フッ素原子、RまたはORであり、Rは、炭素数1〜12のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)または炭素数6〜10のフルオロアリール基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)である。
Figure 0006311706
ただし、Rは、水素原子であり、Rは、炭素数1〜5のペルフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)であり、2つのRは同一であっても異なってもよい。
Figure 0006311706
ただし、R〜R13は、それぞれ水素原子、フッ素原子または炭素数1〜6のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)であり、2つのR、2つのR10、2つのR11、2つのR12および2つのR13はそれぞれ同一であっても異なってもよく、分子内には少なくとも1つのフッ素原子を有する。
記工程(a)で得られた前記プレポリマーの質量平均分子量は、1000〜10000であることが好ましい。
前記工程(a)で得られた前記プレポリマーのガラス転移温度は、60〜120℃であることが好ましい。
前記工程(b)における前記プレポリマーは、粉末状態であることが好ましい。
前記工程(a)における縮合触媒は、塩基性エステル交換触媒であることが好ましい。
前記工程(b)における加熱温度は、60℃以上であることが好ましい。
前記工程(b)において、13kPa(絶対圧)以下の減圧下にて、副生する含フッ素アルコールを系外に排出することが好ましい。
前記含フッ素カーボネートは、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)カーボネート、ビス(ペルフルオロ(t−ブチル))カーボネートおよびビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキシル)カーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記芳香族ジヒドロキシ化合物は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンであることが好ましい。
前記含フッ素カーボネートは、下式(5)で表される化合物および下式(6)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素アルコールを出発物質として用いる反応によって得られることが好ましい。
Figure 0006311706
ただし、Rは、CAで表される基であり、Rは、CAで表される基であり、Rは、水素原子、またはCAで表される基であり、Rは、水素原子であり、Rは、炭素数1〜5のペルフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)であり、A〜Aは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、B〜Bは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、R〜Rは、フッ素原子、RまたはORであり、Rは、炭素数1〜12のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)または炭素数6〜10のフルオロアリール基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)である。
前記含フッ素アルコールのpKaは、12以下であることが好ましい。
前記含フッ素アルコールは、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール、ペルフルオロ(t−ブチル)アルコールおよび2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキサノールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明のポリカーボネートは、本発明の製造方法で得られた、質量平均分子量が20000〜200000であるものである。
本発明のポリカーボネートの製造方法によれば、着色が少なく、高分子量のポリカーボネートを比較的低い温度で、かつ生産性よく製造できる。
本発明のポリカーボネートの製造方法は、あらかじめプレポリマーを結晶化する必要がない固相重合法であり、生産性に著しく優れる。
本発明のポリカーボネートは、分子量が高く、着色が少ない。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「プレポリマー」とは、原料の含フッ素カーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物との縮合反応を適当な所で止めた固体状の中間生成物であり、固相重合法によって得られる高分子量ポリカーボネートよりも質量平均分子量が低いポリカーボネートを意味する。
「固相重合法」とは、プレポリマーの固体状態を保ったまま、プレポリマーを重合させて高分子量のポリカーボネートを得る重合方法を意味する。
「プレポリマーの溶融温度」とは、プレポリマーが溶融し、液体となる、または軟化する温度を意味する。プレポリマーを所定温度に加熱し、液体となる、または軟化する温度を目視で確認して決定する。
「ガラス転移温度」とは、JIS K 7121:1987に準じ、中間点ガラス転移温度として示差走査熱量測定(DSC)法で測定される温度である。
「結晶化」とは、ポリマーの結晶化度を上げるための操作を行うことを意味する。
「ペルフルオロアルキレン基」とは、アルキレン基のすべての水素原子がフッ素原子に置換された基を意味する。
「フルオロアルキル基」とは、アルキル基の一部またはすべての水素原子がフッ素原子に置換された基を意味する。
<ポリカーボネートの製造方法>
本発明のポリカーボネートの製造方法は、下記工程(a)および工程(b)を有する。
(a)縮合触媒の存在下に、特定の含フッ素カーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させてプレポリマーを得る工程。
(b)プレポリマーを固相重合させてポリカーボネートを得る工程。
(含フッ素カーボネート)
含フッ素カーボネートは、化合物(1)、化合物(2)、化合物(3)および化合物(4)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
Figure 0006311706
ただし、Rは、CAで表される基であり、2つのRは同一であっても異なってもよく、Rは、CAで表される基であり、2つのRは同一であっても異なってもよく、Rは、水素原子またはCAで表される基であり、2つのRは同一であっても異なってもよく、A〜Aは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、B〜Bは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、R〜Rは、フッ素原子、RまたはORであり、Rは、炭素数1〜12のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)または炭素数6〜10のフルオロアリール基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)である。
Figure 0006311706
ただし、Rは、CAで表される基であり、Rは、CAで表される基であり、Rは、水素原子またはCAで表される基であり、Rは、水素原子であり、Rは、炭素数1〜5のペルフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)であり、A〜Aは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、B〜Bは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、R〜Rは、フッ素原子、RまたはORであり、Rは、炭素数1〜12のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)または炭素数6〜10のフルオロアリール基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)である。
Figure 0006311706
ただし、Rは、水素原子であり、Rは、炭素数1〜5のペルフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)であり、2つのRは同一であっても異なってもよい。
Figure 0006311706
ただし、R〜R13は、それぞれ水素原子、フッ素原子または炭素数1〜6のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)であり、2つのR、2つのR10、2つのR11、2つのR12および2つのR13はそれぞれ同一であっても異なってもよく、分子内には少なくとも1つのフッ素原子を有する。
含フッ素カーボネートの具体例としては、下記のものが挙げられる。
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)カーボネート、
((CFCF)(CF)CHO)CO、
((CFCFCHO)CO、
ビス(ペルフルオロ(t−ブチル))カーボネート、
ビス(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンチル)カーボネート、
ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキシル)カーボネート、
ビス(ペルフルオロフェニル)カーボネート、
ビス(m−トリフルオロメチルフェニル)カーボネート、
ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)カーボネート、
ビス(p−トリフルオロメチルフェニル)カーボネート等。
含フッ素カーボネートとしては、エステル交換反応速度の点から、下記のものが好ましい。
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)カーボネート、
ビス(ペルフルオロ(t−ブチル))カーボネート、
ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキシル)カーボネート。
含フッ素カーボネートとしては、原料の入手性、含フッ素カーボネートの製造の容易性および高分子量のポリカーボネートを製造できる点から、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)カーボネートが特に好ましい。
含フッ素カーボネートは、含フッ素アルコールを出発物質として用いる反応によって得られるものが好ましい。
含フッ素アルコールとしては、化合物(5)および化合物(6)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
Figure 0006311706
ただし、Rは、CAで表される基であり、Rは、CAで表される基であり、Rは、水素原子、またはCAで表される基であり、Rは、水素原子であり、Rは、炭素数1〜5のペルフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)であり、A〜Aは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、B〜Bは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、R〜Rは、フッ素原子、RまたはORであり、Rは、炭素数1〜12のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)または炭素数6〜10のフルオロアリール基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)である。
含フッ素アルコールとしては、エステル交換反応速度を向上させる点から、芳香族ジヒドロキシ化合物の酸解離度よりも酸解離度が高いものが好ましい。よって、水酸基のα位の炭素原子(以下、α炭素と記す。)にフルオロアルキル基が直接結合した、2級または3級の含フッ素アルコールが好ましい。ただし、α炭素に直接フッ素原子が結合したアルコールは、脱HF反応による分解反応が起こりやすいため、好ましくない。
化合物(5)としては、α炭素に結合するフルオロアルキル基が多いほど含フッ素アルコールの酸解離度が高くなる点からは、RがCAで表される基である、すなわち3級の含フッ素アルコールが好ましい。含フッ素カーボネートの安定性の点からは、Rが水素原子である、すなわち2級の含フッ素アルコールが好ましい。
酸解離度の尺度としては、含フッ素アルコールのpKaを用いることができる。
含フッ素アルコールのpKaは、エステル交換反応速度を向上させる点から、12以下が好ましく、11以下がより好ましく、10以下が特に好ましい。含フッ素アルコールのpKaは、原料の入手性、含フッ素カーボネートの製造の容易性の点から、5以上が好ましい。
含フッ素アルコールの炭素数は、2〜10が好ましい。含フッ素アルコールの炭素数が2以上であれば、水酸基のα位に直接フッ素原子が結合していない安定な含フッ素アルコールを選択できる。含フッ素アルコールの炭素数が10以下であれば、エステル交換反応時に解離する含フッ素アルコールを留去する際、緩和な条件で容易除去できる沸点となるため、エステル交換反応時に高い温度をかける必要がなく、品質の高いポリカーボネートを製造できる。
含フッ素アルコールの具体例としては、下記のものが挙げられる。
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール(pKa:9.4)、
(CFCF)(CF)CHOH(pKa:9.5)、
(CFCFCHOH(pKa:10.6)、
ペルフルオロ(t−ブチル)アルコール(pKa:5.3)、
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンタノール、
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキサノール等。
含フッ素アルコールとしては、酸解離度の点から、下記のものが好ましい。
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール、
ペルフルオロ(t−ブチル)アルコール、
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキサノール。
含フッ素アルコールとしては、入手の容易性、含フッ素カーボネートの製造の容易性の点から、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノールが特に好ましい。
含フッ素カーボネートの製造方法としては、含フッ素アルコールと、ホスゲン類、ジアルキルカーボネート、化合物(7)等とを反応させる方法が挙げられる。
Figure 0006311706
ただし、X11〜X13は、それぞれ水素原子またはハロゲン原子であり、X11〜X13のうち少なくとも1つはハロゲン原子であり、X14〜X16は、それぞれ水素原子またはハロゲン原子であり、X14〜X16のうち少なくとも1つはハロゲン原子である。X11〜X16は、すべてハロゲン原子であることが好ましく、すべてフッ素原子または塩素原子であることがより好ましく、副生物としてクロロホルムが得られる点から、すべて塩素原子であることが特に好ましい。
酸解離度の高い2級の含フッ素アルコールを出発物質として含フッ素カーボネートを得る具体的な方法としては、収率の点から、ホスゲン類との反応が好ましく、取り扱いやすい点から、トリホスゲンとの反応がより好ましい。
塩基触媒存在下に、溶媒中にて含フッ素アルコールとトリホスゲンとを反応させることができる。溶媒としては、精製しやすい点から、トルエンが好ましい。塩基触媒としては、3級アミン、水素化アルカリ金属、水素化アルカリ土類金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。反応温度は、−50〜60℃が好ましい。
(芳香族ジヒドロキシ化合物)
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2個のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物が好ましい。
芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、下記のものが挙げられる。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAとも記す。)、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(以下、ビスフェノールAFとも記す。)、
ヒドロキノン、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、原料の入手の容易性やポリカーボネートの有用性の点から、ビスフェノールAまたはビスフェノールAFが好ましく、ビスフェノールAが特に好ましい。
(縮合触媒)
縮合触媒としては、塩基性エステル交換触媒が挙げられる。
塩基性エステル交換触媒としては、含窒素化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等が挙げられる。
含窒素化合物としては、アミン類、4級アンモニウムヒドロキシドおよびアミン類の塩等が挙げられる。
アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド等が挙げられる。
縮合触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
縮合触媒としては、重合活性が高く、プレポリマーを製造する溶液重合への適用性に優れる点から、アミン類が好ましい。
含窒素化合物の具体例としては、3級アミン類(トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリドデシルアミン等)、2級アミン類(ジエチルアミン、ジブチルアミン等)、1級アミン類(プロピルアミン、ブチルアミン等)、イミダゾール類(2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等)、アルキル基および/またはアリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等)等が挙げられる。
アルカリ金属化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、フェニルリン酸2ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
アルカリ土類金属化合物の具体例としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸水素バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、フェニルリン酸マグネシウム等が挙げられる。
(工程(a))
縮合触媒の存在下に、含フッ素カーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させてプレポリマーを得る。
具体的には、例えば、縮合触媒の存在下に、溶媒中にて含フッ素カーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させた後、溶媒および副生した含フッ素アルコールを留去して固体状のプレポリマーを得る。プレポリマーのガラス転移温度未満の温度でプレポリマーを乾燥することが好ましい。
工程(a)における含フッ素カーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物とのモル比(含フッ素カーボネート/芳香族ジヒドロキシ化合物)は、1/1〜2/1が好ましく、1/1〜1.3/1がより好ましく、1.02/1〜1.2/1が特に好ましい。含フッ素カーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物とのモル比が該範囲内であれば、含フッ素カーボネートに由来する構成単位を末端に有するプレポリマーを得やすい。含フッ素カーボネートに由来する構成単位を末端に有するプレポリマーは、後述するように、プレポリマーを結晶化することなく固相重合が進行しやすい。また、プレポリマーのガラス転移温度未満の温度であっても固相重合が進行する。
プレポリマーの質量平均分子量は、1000〜10000が好ましく、1000〜7000がより好ましく、1000〜5000が特に好ましい。プレポリマーの質量平均分子量が該範囲内にあれば、プレポリマーが粉末状態であり、また、工程(b)における固相重合が進行しやすい。
プレポリマーのガラス転移温度は、60〜120℃が好ましく、70〜120℃がより好ましく、80〜120℃が特に好ましい。プレポリマーのガラス転移温度が該範囲内にあれば、プレポリマーが溶融することなく、工程(b)における固相重合が低温で進行しやすい。
工程(a)で得られるプレポリマーの含フッ素カーボネート由来で封止される含フッ素アルコキシ末端基と芳香族ジヒドロキシ化合物由来の水酸基末端基のモル比(含フッ素アルコキシ末端基/水酸基)は、0.8/1〜1.4/1が好ましく、0.9/1〜1.3/1がより好ましく、0.95/1〜1.25/1が特に好ましい。含フッ素アルコキシ末端基の含有量がこの範囲未満では、工程(b)における固相重合で得られるポリカーボネート末端の水酸基濃度が高くなるため好ましくない。又、含フッ素アルコキシ末端基の含有量がこの範囲を超えると十分に高分子量のポリカーボネート樹脂が得られない場合がある。
本明細書において、ポリマー(プレポリマー及び高分子量ポリカーボネート樹脂を含む)の末端基における該モル比は、ポリマーの1H−NMR解析により分析することが好ましい。具体的な1H−NMR解析法は後記実施例に記載する。
プレポリマーは、粉末状態であることが好ましい。プレポリマーが粉末状態であれば、工程(b)における固相重合が進行しやすい。
工程(a)で得られるプレポリマーは、通常、製造時に溶媒を用いるために溶液の状態で得られる。そのため、溶媒および副生した含フッ素アルコールを留去して固体状のプレポリマーを単離する。プレポリマーを低温で真空乾燥して、残存する溶媒等を除去することが好ましい。得られた固体状のプレポリマーは、種々の方法で粉末状態にできる。たとえば、機械的に粉砕する方法、凍結下に機械的に粉砕する方法等が好ましい。
粉末状態のプレポリマーの平均粒子径は、0.1μm〜1mmが好ましい。平均粒子径がこの範囲にあれば、簡易な操作で粉末状態のプレポリマーを得ることができる。また、工程(b)における固相重合が進行しやすい。
プレポリマーの平均粒子径は、1μm〜500μmがより好ましく、3μm〜200μmが特に好ましい。
(工程(b))
プレポリマーを結晶化する工程を経ることなく、プレポリマーを、該プレポリマーの溶融温度未満の温度で加熱し、副生する含フッ素アルコールを系外に排出しながら、該プレポリマーを固相重合させてポリカーボネートを得る。
加熱温度は、プレポリマーの溶融温度未満であり、60℃以上でプレポリマーの溶融温度未満が好ましく、70〜240℃がより好ましく、90〜200℃がさらに好ましく、90〜180℃が特に好ましい。具体的には、70℃付近の温度で加熱を開始し、徐々に昇温し、最終的には180〜200℃の温度にすることが好ましい。加熱温度が該範囲内であれば、固相重合が容易に進行し、フリース転位等の副反応による着色や分岐がないポリカーボネートが得られる。また、ポリカーボネートの生産性が高い。
加熱時間は、5〜20時間が好ましく、5〜15時間がより好ましく、7〜12時間が特に好ましい。加熱時間が該範囲内にあれば、ポリカーボネートの生産性が高く、工業的な製造に適する。
固相重合時に副生する含フッ素アルコールを系外に排出する方法としては、減圧下に固相重合する方法、不活性ガスを吹き込みながら固相重合する方法、これらを併用した方法等が挙げられる。不活性ガスを導入する方法は、系外に排出する不活性ガスの再利用が必要となり、煩雑なプロセスとなるため、減圧下に固相重合する方法がより好ましい。
減圧下にプレポリマーを固相重合させる際の圧力は、13kPa(絶対圧)(100torr(絶対圧))以下の高真空領域が好ましく、1.3kPa(絶対圧)(10torr(絶対圧))以下がより好ましく、0.67kPa〜0.013kPa(絶対圧)(5〜0.1torr(絶対圧))が特に好ましい。圧力が該範囲内にあれば、固相重合が早く進行する。
不活性ガスとは、固相重合に不活性なガスを意味し、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、低級炭化水素、アセトン等が挙げられる。
固相重合の装置としては、公知のものが挙げられる。装置の形式は、回分式、連続式、およびこれらを併用した方式のものなどいずれの形式のものであってもよい。具体的には、タンブラー型、キルン型、パドルドライヤー型、スクリューコンベアー型、振動型、流動床型、固定床型、移動床型等が挙げられる。実験用の装置としては、ポリマーの乾燥で用いられるような、真空乾燥器等も用いることができる。
(作用効果)
以上説明した本発明のポリカーボネートの製造方法にあっては、(a)縮合触媒の存在下に、特定の含フッ素カーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させてプレポリマーを得る工程と、(b)プレポリマーを固相重合させてポリカーボネートを得る工程とを有するため、着色が少なく、高分子量のポリカーボネートを比較的低い温度で、かつ生産性よく製造できる。
すなわち、本発明の製造方法において、特定の含フッ素カーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させるため、含フッ素カーボネートに由来する構成単位を末端に有するプレポリマーが得られる。含フッ素カーボネートに由来する構成単位を末端に有するプレポリマーは、末端の含フッ素カーボネートに由来する構成単位が他のプレポリマーとの親和性が高く、かつエステル交換反応しやすいため、プレポリマーを結晶化することなく固相重合が進行すると考えられる。また、比較的低温であっても(たとえば、プレポリマーのガラス転移温度未満の温度であっても)固相重合が進行する。そのため、着色が少なく、高分子量のポリカーボネートを、ホスゲン等の毒性化合物を用いることなく、比較的低い温度で、かつ生産性よく製造できる。
一方、特定の含フッ素カーボネート以外のジアリールカーボネートやジアルキルカーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させて得られたプレポリマーは、末端のジアリールカーボネートやジアルキルカーボネートに由来する構成単位が他のプレポリマーとの親和性が低く、かつエステル交換反応しにくいため、結晶化してプレポリマーの分子の配向を揃えないと、固相重合が進行しないと考えられる。
本発明を実施例により詳細に説明するが、本願はこれらに限定されない。
例1〜4は実施例であり、例5〜8は比較例である。
ポリカーボネートおよびプレポリマーの質量平均分子量、ガラス転移温度、溶融温度は、下記の方法で測定した。
(質量平均分子量)
GPC測定装置(東ソー社製、HLC−8220)を用い、クロロホルムを展開溶媒として、既知の分子量の標準ポリスチレンの数種類についてGPC測定を行い、検量線を作成した。検量線に基づいて、サンプルのGPC測定のリテンションタイムからポリスチレン換算の質量量平均分子量を算出した。
(ガラス転移温度)
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製、Q100)を用い、窒素雰囲気下、昇温速度:10℃/分の条件下でサンプルのDSC測定を行い、ガラス転移温度を求めた。
(溶融温度)
プレポリマーを所定温度に保持し、液体となる、または、軟化する温度を溶融温度とした。
(平均粒子径測定)
目開き38μm、75μm、105μm、180μm、250μm、355μm、500μm、1000μm、1700μmの9段の篩(ふるい)と受け皿を用いて、受け皿上に目開きの小さい篩から順に積み重ね、最上部の1700μmの篩の上から5gのポリマー粒子を添加し、振動ふるい器(筒井理化学器械社製、M−2T型)に取り付け、溶媒(ポリマーに不活性、ここではヘキサンを使用した)を流しながら、約1分間振動させた。それぞれの篩および受け皿上に残留した該粒子を真空乾燥器にて80℃2時間、100℃2時間乾燥した。該粒子の質量を測定し、各篩上の該粒子の質量割合(%)を算出した。受け皿から順に目開きの小さな篩上の該粒子の質量割合を積算していき、合計が50%となる粒子径を平均粒子径とした。
(プレポリマー中の含フッ素アルコキシ末端基/水酸基末端基のモル比の測定)
プレポリマー0.03gを1gの重水素置換クロロホルム(TMS含有)に溶解し、核磁気共鳴分析装置1H−NMRを用いてプレポリマーの含フッ素カーボネート由来で封止される含フッ素アルコキシ末端基と芳香族ジヒドロキシ化合物由来の水酸基末端基のモル比を測定した。
装置:日本電子JEOL JNM−AL300(300Hz)
測定核:1H
scan数:512回
カーボネートにビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)カーボネートを使用した例で説明する。
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)カーボネート由来の末端基は5.6ppm前後のヘキサフルオロイソプロピル基のプロトン(1H)の積分強度から求めた。芳香族ジヒドロキシ化合物由来の水酸基末端基は、6.7ppm前後の芳香族水酸基末端隣接位のプロトン(2H)の積分強度から芳香族水酸基末端基の積分強度とした。求めた積分強度比より、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)カーボネート由来の末端基と芳香族ジヒドロキシ化合物由来の水酸基末端基のモル比を算出した。
(例1)
30mLの珪酸ガラス製蓋付試験管に、窒素雰囲気下でビスフェノールAの2.28g(0.010mol)、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)カーボネートの4.00g(0.011mol)、トリイソアミルアミンの0.094g(0.4mmmol)、炭酸水素ナトリウムの0.17mg(2μmol)、塩化メチレンの10gを仕込み、撹拌しながら40℃で2時間、50℃で2時間加熱したところ、均一で透明な溶液となった。
反応液を100mLのナスフラスコに移し、エバポレーターに取り付けた。40℃の温水浴でナスフラスコを加熱しながら、圧力を200mmHgから80mmHgまで下げ、液体を留去し、白い固体を得た。留出物は、塩化メチレンおよび1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパノールであった。
白い固体を、真空乾燥器(ヤマト科学社製、DP33型)にて減圧下(0.133kPa(絶対圧))、70℃で2時間、90℃で2時間乾燥し、プレポリマーを得た。得られたプレポリマーは白い固体であった。プレポリマーの質量平均分子量は7979であり、溶融温度は190℃であった。
プレポリマーをスパチラで粉砕し、粉末状態にした。プレポリマーの平均粒子径は、102.2μmであった。
粉末状態のプレポリマーを、真空乾燥器にて減圧下(0.133kPa(絶対圧))、110℃で2時間、130℃で2時間、140℃で2時間、150℃で2時間加熱した。得られたポリカーボネートは白い粉末状態であった。ポリカーボネートの質量平均分子量は、110℃で加熱した後では16383、130℃で加熱した後では42764、140℃で加熱した後では76245、150℃で加熱した後では95054であった。
150℃で加熱した後の白い粉末状態の固体を、真空乾燥器にて減圧下(0.133kPa(絶対圧))、240℃で30分間加熱したところ、半透明な塊状のポリカーボネートが得られた。ポリカーボネートの質量平均分子量は130250であり、ガラス転移温度は158.8℃であった。
(例2)
30mLの珪酸ガラス製蓋付試験管に、窒素雰囲気下でビスフェノールAの2.28g(0.0100mol)、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)カーボネートの3.81g(0.0105mol)、トリイソアミルアミンの0.094g(0.4mmmol)、炭酸水素ナトリウムの0.17mg(2μmol)、塩化メチレンの10gを仕込み、撹拌しながら40℃で1時間、50℃で3時間加熱したところ、均一で透明な溶液となった。
反応液を100mLのナス型フラスコに移し、エバポレーターに取り付けた。40℃の温水浴でナスフラスコを加熱しながら、圧力を200mmHgから80mmHgまで下げ、液体を留去し、白い固体を得た。留出物は、塩化メチレンおよび1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパノールであった。
白い固体が入ったフラスコを、減圧下(0.53kPa(絶対圧)以下)、50℃で1時間、70℃で1時間乾燥し、プレポリマーを得た。得られたプレポリマーは白い固体であった。プレポリマーの質量平均分子量は5362であり、溶融温度は180℃であった。プレポリマーの含フッ素アルコキシ末端基/水酸基末端基のモル比は1.05/1.0であった。
プレポリマーをスパチラで粉砕し、粉末状態にした。プレポリマーの平均粒子径は、110.3μmであった。
粉末状態のプレポリマーを、フラスコ中にて減圧下(約0.53kPa(絶対圧))、90℃で2時間、110℃で2時間、130℃で2時間、140℃で2時間、150℃で2時間加熱した。得られたポリカーボネートは白い粉末状態であった。ポリカーボネートの質量平均分子量は、90℃で加熱した後では10670、110℃で加熱した後では29595、130℃で加熱した後では100900、140℃で加熱した後では142646、150℃で加熱した後では185354であった。
150℃で加熱した後の白い粉末状態の固体を、フラスコ中にて減圧下(約0.53kPa(絶対圧))、180℃で30分加熱したところ、白い塊状のポリカーボネートが得られた。ポリカーボネートの質量平均分子量は186441であり、ガラス転移温度は162.6℃であり、溶融温度は270℃であった。
(例3)
200mLのSUS製オートクレーブに、ビスフェノールAの25.11g(0.110mol)を入れ、15rpmで撹拌しながら、圧力0.53kPa(絶対圧)で1時間真空脱気を行った。その後、オートクレーブにビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)カーボネートの41.93g(0.116mol)、トリイソアミルアミンの1.18g(4.4mmmol)、塩化メチレンの111.8gを仕込んだ。オートクレーブを液体窒素で15分間冷却し、内容物を凍結させた後、圧力0.53kPa(絶対圧)で脱気を行った。その後、オートクレーブを室温まで戻した。オートクレーブの内容物を撹拌しながら50℃で1時間、60℃で1時間加熱したところ、均一で透明な溶液を得た。
反応液を1Lのナス型フラスコに移し、エバポレーターに取り付けた。40℃の温水浴でナスフラスコを加熱しながら、圧力を200mmHgから80mmHgまで下げ、液体を留去し、白い固体を得た。留出物は、塩化メチレンおよび1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパノールであった。
白い固体が入ったフラスコを、減圧下(0.53kPa(絶対圧)以下)、室温で30分間保持して残った溶媒を留去した後、50℃で1時間、70℃で1時間乾燥し、プレポリマーを得た。得られたプレポリマーは白い固体であった。プレポリマーの質量平均分子量は5116であり、溶融温度は180℃であった。プレポリマーの含フッ素アルコキシ末端基/水酸基末端基のモル比は1.23/1.0であった。 プレポリマーをスパチラで粉砕し、粉末状態にした。プレポリマーの平均粒子径は、105.5μmであった。
粉末状態のプレポリマーを、フラスコ中にて減圧下(約0.53kPa(絶対圧))、90℃で1時間、110℃で1時間、130℃で3時間140℃で2時間、180℃で3時間、200℃で2時間加熱した。得られたポリカーボネートは白い粉末状態であった。ポリカーボネートの質量平均分子量は、90℃で加熱した後では8112、110℃で加熱した後では10151、130℃で加熱した後では42436、140℃で加熱した後では57786、180℃で加熱した後では79201であった。
180℃で加熱した後の白い粉末状態の固体を、フラスコ中にて減圧下(約0.53kPa(絶対圧))、200℃で2時間加熱したところ、白い塊状のポリカーボネートが得られた。ポリカーボネートの質量平均分子量は90419であり、ガラス転移温度は155.8℃であり、溶融温度は260℃であった。
(例4)
5mLの珪酸ガラス製蓋付試験管に、窒素雰囲気下でビスフェノールAの0.68g(3.0mmol)、ビス(m−トリフルオロメチルフェニル)カーボネートの1.06g(3.03mmol)、トリイソアミルアミンの0.032g(0.12mmmol)、炭酸水素ナトリウムの0.05mg(0.6μmol)、塩化メチレンの4gを仕込み、撹拌しながら50℃で4時間加熱したところ、均一で透明な溶液となった。
反応液を50mLのナス型フラスコに移し、エバポレーターに取り付けた。50℃の温水浴でナスフラスコを加熱しながら、圧力を200mmHgから80mmHgまで下げ、液体を留去し、粘性の高い液体を得た。留出物は、塩化メチレンであった。
粘性の高い液体を、真空乾燥器にて減圧下(0.133kPa(絶対圧))、100℃で1時間、120℃で1時間、130℃で2時間乾燥し、プレポリマーを得た。得られたプレポリマーは白い固体であった。プレポリマーの質量平均分子量は2314であった。
プレポリマーをスパチラで粉砕し、粉末状態にした。
粉末状態のプレポリマーを、真空乾燥器にて減圧下(0.133kPa(絶対圧))、140℃で2時間、150℃で2時間、180℃で2時間加熱して、白い固体(ポリカーボネート)を得た。ポリカーボネートの質量平均分子量は、140℃で加熱した後では4218、150℃で加熱した後では9325、180℃で加熱した後では15046であった。
(例5)
5mLの珪酸ガラス製蓋付試験管に、窒素雰囲気下でビスフェノールAの1.826g(8.0mmol)、ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネートの2.553g(8.8mmol)、トリイソアミルアミンの0.076g(0.32mmmol)、炭酸水素ナトリウムの0.13mg(1.6μmol)、塩化メチレンの18.3gを仕込み、撹拌しながら50℃で4時間加熱したが、未反応のビスフェノールAが固体で残存したままであった。温度を80℃にあげて4時間、90℃で4時間、反応を試みたが、ビスフェノールAは残存したままであった。
(例6)
5mLの珪酸ガラス製蓋付試験管に、窒素雰囲気下でビスフェノールAの0.683g(3.0mmol)、(C13CHCHO)COの2.395g(3.3mmol)、トリイソアミルアミンの0.052g(0.19mmmol)、炭酸水素ナトリウムの0.05mg(0.6μmol)、塩化メチレンの4.0gを仕込み、撹拌しながら50℃で4時間加熱したが、未反応のビスフェノールAが固体で残存したままであった。温度を80℃にあげて4時間、90℃で4時間、反応を試みたが、ビスフェノールAは残存したままであった。
(例7)
5mLの珪酸ガラス製蓋付試験管に、窒素雰囲気下でビスフェノールAの0.685g(3.0mmol)、(CCHO)COの1.076g(3.3mmol)、トリイソアミルアミンの0.033g(0.12mmmol)、炭酸水素ナトリウムの0.05mg(0.6μmol)、塩化メチレンの4.0gを仕込み、撹拌しながら50℃で4時間加熱したが、未反応のビスフェノールAが固体で残存したままであった。温度を80℃にあげて4時間、90℃で4時間、反応を試みたが、ビスフェノールAは残存したままであった。
(例8)
30mLの珪酸ガラス製蓋付試験管に、窒素雰囲気下でビスフェノールAの2.283g(10.0mmol)、ジフェニルカーボネートの2.360g(11.0mmol)、トリイソアミルアミンの0.033g(0.12mmmol)、炭酸水素ナトリウムの0.16mg(2.0μmol)、塩化メチレンの14.3gを仕込み、撹拌しながら40℃で2時間、50℃で2時間加熱した。不溶物があったので60℃で4時間撹拌しながら加熱した。反応液を50mLのナス型フラスコに移し、エバポレーターに取り付けた。70℃の温水浴でナスフラスコを加熱しながら、圧力を200mmHgから40mmHgまで下げ、液体を留去し、粘性の高い液体を得た。留出物は、塩化メチレンであった。
粘性の高い液体を、真空乾燥器にて減圧下(0.133kPa(絶対圧))、100℃で2時間、120℃で2時間、140℃で3時間、150℃で2時間加熱したところ白色、板状の固体が得られた。得られた固体の質量平均分子量は2653であった。さらに170℃2時間、真空乾燥器にて減圧下(0.133kPa(絶対圧))に、加熱を行った。得られた固体の質量平均分子量は2951であった。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2013年4月16日出願の日本特許出願2013−085816に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の製造方法で得られるポリカーボネートは、光学部材(レンズ、光ファイバー、フィルム、LCD用バックライト拡散板、感光体等)、DVD・CDディスク、電子部品ハウジング(携帯電話他)、輸送機器の窓、透明屋根材、風防、スクリーン、防弾窓、食器、スーツケース、ヘルメット等として有用である。

Claims (13)

  1. 下記工程(a)および工程(b)を有し、
    下記工程(a)における下記含フッ素カーボネートと下記芳香族ジヒドロキシ化合物とのモル比(含フッ素カーボネート/芳香族ジヒドロキシ化合物)が、1/1〜2/1である、ポリカーボネートの製造方法。
    (a)縮合触媒の存在下に、下式(1)で表される化合物、下式(2)で表される化合物、下式(3)で表される化合物および下式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素カーボネートと、芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させてプレポリマーを得る工程。
    (b)前記プレポリマーを、該プレポリマーの溶融温度未満の温度で加熱し、副生する含フッ素アルコールを系外に排出しながら、該プレポリマーを固相重合させてポリカーボネートを得る工程。
    Figure 0006311706
    ただし、Rは、CAで表される基であり、2つのRは同一であっても異なってもよく、
    は、CAで表される基であり、2つのRは同一であっても異なってもよく、
    は、水素原子またはCAで表される基であり、2つのRは同一であっても異なってもよく、
    〜Aは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、
    〜Bは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、
    〜Rは、フッ素原子、RまたはORであり、
    は、炭素数1〜12のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)または炭素数6〜10のフルオロアリール基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)である。
    Figure 0006311706
    ただし、Rは、CAで表される基であり、
    は、CAで表される基であり、
    は、水素原子またはCAで表される基であり、
    は、水素原子であり、
    は、炭素数1〜5のペルフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)であり、
    〜Aは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、
    〜Bは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、
    〜Rは、フッ素原子、RまたはORであり、
    は、炭素数1〜12のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)または炭素数6〜10のフルオロアリール基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)である。
    Figure 0006311706
    ただし、Rは、水素原子であり、
    は、炭素数1〜5のペルフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)であり、2つのRは同一であっても異なってもよい。
    Figure 0006311706
    ただし、R〜R13は、それぞれ水素原子、フッ素原子または炭素数1〜6のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)であり、2つのR、2つのR10、2つのR11、2つのR12および2つのR13はそれぞれ同一であっても異なってもよく、分子内には少なくとも1つのフッ素原子を有する。
  2. 前記工程(a)で得られた前記プレポリマーの質量平均分子量が、1000〜10000である、請求項に記載のポリカーボネートの製造方法。
  3. 前記工程(a)で得られた前記プレポリマーのガラス転移温度が、60〜120℃である、請求項1または2に記載のポリカーボネートの製造方法。
  4. 前記工程(b)における前記プレポリマーが、粉末状態である、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
  5. 前記工程(a)における縮合触媒が、塩基性エステル交換触媒である請求項1〜のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
  6. 前記工程(b)における加熱温度が、60℃以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
  7. 前記工程(b)において、13kPa(絶対圧)以下の減圧下にて、副生する含フッ素アルコールを系外に排出する、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
  8. 前記含フッ素カーボネートが、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)カーボネート、ビス(ペルフルオロ(t−ブチル))カーボネートおよびビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキシル)カーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
  9. 前記芳香族ジヒドロキシ化合物が、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンである、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
  10. 前記含フッ素カーボネートが、下式(5)で表される化合物および下式(6)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素アルコールを出発物質として用いる反応によって得られる、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
    Figure 0006311706
    ただし、Rは、CAで表される基であり、
    は、CAで表される基であり、
    は、水素原子、またはCAで表される基であり、
    は、水素原子であり、
    は、炭素数1〜5のペルフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)であり、
    〜Aは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、
    〜Bは、それぞれ水素原子、フッ素原子またはRであり、
    〜Rは、フッ素原子、RまたはORであり、
    は、炭素数1〜12のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)または炭素数6〜10のフルオロアリール基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい。)である。
  11. 前記含フッ素アルコールのpKaが、12以下である、請求項10に記載のポリカーボネートの製造方法。
  12. 前記含フッ素アルコールが、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール、ペルフルオロ(t−ブチル)アルコールおよび2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキサノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項10または11に記載のポリカーボネートの製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法で得られた、質量平均分子量が20000〜200000である、ポリカーボネート。
JP2015512452A 2013-04-16 2014-04-08 ポリカーボネートの製造方法およびポリカーボネート Active JP6311706B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013085816 2013-04-16
JP2013085816 2013-04-16
PCT/JP2014/060194 WO2014171367A1 (ja) 2013-04-16 2014-04-08 ポリカーボネートの製造方法およびポリカーボネート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014171367A1 JPWO2014171367A1 (ja) 2017-02-23
JP6311706B2 true JP6311706B2 (ja) 2018-04-18

Family

ID=51731311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015512452A Active JP6311706B2 (ja) 2013-04-16 2014-04-08 ポリカーボネートの製造方法およびポリカーボネート

Country Status (9)

Country Link
US (1) US9447235B2 (ja)
EP (1) EP2987817B1 (ja)
JP (1) JP6311706B2 (ja)
KR (1) KR102151387B1 (ja)
CN (1) CN105121505B (ja)
ES (1) ES2788376T3 (ja)
SG (1) SG11201508551YA (ja)
TW (1) TW201446834A (ja)
WO (1) WO2014171367A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110637006B (zh) 2017-05-16 2022-05-24 国立大学法人神户大学 碳酸酯衍生物的制备方法
US10522020B2 (en) 2017-12-22 2019-12-31 Bi Incorporated Systems and methods for securing a tracking device to a monitored entity
EP4151671A4 (en) * 2020-05-11 2024-05-29 National University Corporation Kobe University PROCESS FOR PRODUCING POLYURETHANE
JPWO2022244856A1 (ja) 2021-05-20 2022-11-24
CN114149576A (zh) * 2021-11-26 2022-03-08 南京桐君新材料科技有限公司 一种含氟聚碳酸酯二醇及其制备方法

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4349486A (en) * 1978-12-15 1982-09-14 General Electric Company Monocarbonate transesterification process
JPS6475525A (en) * 1987-09-18 1989-03-22 Mitsubishi Chem Ind Material for forming optical parts
US4948871A (en) 1987-09-28 1990-08-14 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Method for producing a crystallized aromatic polycarbonate, and a crystallized aromatic polycarbonate obtained thereby
JPH0794546B2 (ja) 1987-09-28 1995-10-11 旭化成工業株式会社 芳香族ポリカーボネートの製造方法及びそれによって得られた結晶性芳香族ポリカーボネート粉体
JPH06102721B2 (ja) 1988-12-08 1994-12-14 旭化成工業株式会社 芳香族ポリカーボネートの製法
JP3203100B2 (ja) * 1993-06-22 2001-08-27 出光興産株式会社 ポリカーボネートとその製造法及びこれを用いた電子写真感光体
US6476249B1 (en) * 1998-09-28 2002-11-05 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Copolycarbonate and process for producing the same
KR100298637B1 (ko) * 1999-06-29 2001-09-22 김충섭 폴리카보네이트 수지의 제조방법
US20030139529A1 (en) * 2001-11-02 2003-07-24 General Electric Company Method of making block copolymers by solid state polymerization
KR100576223B1 (ko) * 2002-10-01 2006-05-03 주식회사 엘지화학 폴리카보네이트 수지의 제조방법
JP2005221975A (ja) * 2004-02-09 2005-08-18 Tokai Rubber Ind Ltd 現像ロール
US20060135737A1 (en) * 2004-12-22 2006-06-22 Davis Gary C Polycarbonates with fluoroalkylene carbonate end groups
US20060135662A1 (en) * 2004-12-22 2006-06-22 General Electric Company Polycarbonates with fluoroalkylene carbonate end groups
SG186614A1 (en) * 2007-12-03 2013-01-30 Asahi Glass Co Ltd Method for producing carbonate compound
WO2009123083A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 旭硝子株式会社 ポリカーボネートの製造方法
WO2011024732A1 (ja) * 2009-08-28 2011-03-03 旭硝子株式会社 ポリカーボネートの製造方法
JPWO2011062121A1 (ja) * 2009-11-17 2013-04-04 旭硝子株式会社 ポリカーボネートの製造方法
BR112012011814A2 (pt) * 2009-11-17 2019-09-24 Asahi Glass Co Ltd processo para produção de policarbonato
WO2012118084A1 (ja) * 2011-03-02 2012-09-07 旭硝子株式会社 ポリエステルの製造方法及び含フッ素ジカルボン酸エステル化合物

Also Published As

Publication number Publication date
ES2788376T3 (es) 2020-10-21
KR102151387B1 (ko) 2020-09-03
SG11201508551YA (en) 2015-11-27
US20160032046A1 (en) 2016-02-04
CN105121505A (zh) 2015-12-02
WO2014171367A1 (ja) 2014-10-23
KR20150142687A (ko) 2015-12-22
TW201446834A (zh) 2014-12-16
US9447235B2 (en) 2016-09-20
EP2987817A4 (en) 2016-11-30
EP2987817A1 (en) 2016-02-24
JPWO2014171367A1 (ja) 2017-02-23
EP2987817B1 (en) 2020-04-08
CN105121505B (zh) 2017-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6311706B2 (ja) ポリカーボネートの製造方法およびポリカーボネート
RU2551370C2 (ru) Способ производства высокополимеризованной ароматической поликарбонатной смолы
JP4196326B2 (ja) ポリカーボネート共重合体
RU2591189C2 (ru) Способ получения разветвленной ароматической поликарбонатной смолы с требуемой степенью разветвления
KR101687831B1 (ko) 열가소성 수지의 제조 방법, 폴리에스테르 수지 및 폴리카보네이트 수지, 그리고 그들의 용도
US20160251480A1 (en) Poly(ether sulfone)s and poly(ether amide sulfone)s and methods of their preparation
US11118009B2 (en) Aromatic polycarbonate oligomer solid
US4767840A (en) Cyclic monocarbonate bishaloformates, method for their preparation, and uses thereof
EP3388466B1 (en) Aromatic polycarbonate oligomer solid
WO2022244856A1 (ja) ポリカーボネートの製造方法
JP3959572B2 (ja) 芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート樹脂
JPH06122758A (ja) 芳香族ポリエステルカーボネートの製造方法
US4921975A (en) Cyclic monocarbonate bishaloformates
JP2023066125A (ja) 化合物およびポリカーボネートの製造方法
JP4126515B2 (ja) コポリカーボネート樹脂
CN117321113A (zh) 聚碳酸酯的制造方法
EP3388467B1 (en) Aromatic polycarbonate oligomer solid
JPH09111131A (ja) 高分子型難燃剤および樹脂組成物
JP6902477B2 (ja) 芳香族ポリカーボネートオリゴマー固形体
JP2004250511A (ja) 芳香族ポリカーボネートの製造方法
JPH0812748A (ja) ポリエステルカーボネートおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180305

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6311706

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250