JP6308823B2 - 複写防止用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、コピー機などによる複写を防止し得る複写防止用紙に関する。
機密情報の漏洩を防止するために、原稿をコピー機で複写すると、黒くなって判読不能となることにより、該原稿に記載された情報の機密を保ち得るようにした用紙が知られている。例えば、特許文献1には、可視領域の両端の波長域で反射率が高いセピア系統、パープル系統、藍系統等の色の濃淡により地紋等の班模様を印刷してなるものが提案されている。かかる構成では、コピー機で複写すると、前記反射率の高い班模様が黒く複写されることから、該班模様上の文字や図柄が判読できなくなり、コピー機等での複写による機密情報の漏洩を防ぐことができる。
しかしながら、近年、カラーコピー機の性能向上によって、用紙上の色差を正確に再現可能となってきたことから、上記した従来構成(特許文献1)の用紙をコピーした場合には、その班模様上の文字や図柄を判読可能な状態で複写できてしまう虞がある。そして、判読可能に複写されてしまうと、機密漏洩の防止効果が低減する。
一方、上記した斑模様を備えた従来構成と別に、金属箔を貼り付けた構成の用紙も知られている。かかる構成では、コピー機により複写する際に、金属箔の鏡面反射によって該金属箔の部分が黒く複写される。これはコピー機のスキャナが原稿に照射する光を鏡面反射することに因るものであり、上記のように色差を正確に再現できるコピー機で複写した場合であっても、鏡面反射によって黒く複写される。そのため、金属箔を貼り付けた構成では、高い複写防止効果が得られ、機密情報の漏洩を防ぐことができる。
特許第2838631号公報
上記した複写防止効果を有する用紙は、例えば、企業などの会議で、社外秘や重要機密などを記載した資料などに用いられ、会議出席者に配布される。さらに、極めて重要な情報の場合には、その資料の印刷部数等が管理される場合もある。こうした資料の作成にはパソコンが用いられ、該資料の印刷には高速印刷可能なレーザープリンタが好適に利用されている。
ところが、上記した金属箔が貼付された従来構成の用紙は、該金属箔上にレーザープリンタで印字した場合に、該レーザープリンタのトナーの定着が弱く、うまく印字できない。ここで、この従来構成では、金属箔上に一般的なUVインク(紫外線硬化型インク)等が塗工された被覆層を備えており、該被覆層に対してレーザープリンタのトナーの定着性が低く、前記のようにうまく印字することができない。尚仮に、前記した被覆層を設けずに、金属箔上にレーザープリンタで直接印字した場合にあっても、同様に、該レーザープリンタのトナーの定着性が低く、うまく印字できない。このように、金属箔が貼付された従来構成の用紙は、レーザープリンタによって実用的な印刷を行うことができないという問題があった。
本発明は、レーザープリンタにより実用的に印刷することができ、かつコピー機等による複写を防止できる複写防止用紙を提供することを目的とする。
本発明は、紙基材と、該紙基材の表面に接着層を介して設けられた金属箔層と、該金属箔層を被覆するように、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを含有する光透過性のUVメジウムインクが塗工されたトナー定着層とを備えたものであることを特徴とする複写防止用紙である。
ここで、UVメジウムインクとしては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールの他に、合成樹脂、感光性モノマー、光重合開始剤、顔料等の成分を含む構成が好適である。そして、UVメジウムインクは、無色透明なものが好適であり、又はクリアオレンジやクリアイエローなどの有色透明なものも適用可能である。また、金属箔層は、紙基材の表面の略全域に設けても良いし、該表面の一部分に設けても良い。さらに、紙基材の表面に、金属箔層を地紋等の斑模様に設けることもできる。
かかる構成にあっては、UVメジウムインクのトナー定着層が、レーザープリンタのトナーと高い定着性を発揮することから、トナーの定着が弱いことにより生ずる擦過や剥がれ等を抑制でき、レーザープリンタに用いる用紙として十分な実用性を有する。これは、トナー定着層を構成するUVメジウムが、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを含有していることに因るものと考えられる。また、本発明の複写防止用紙は、コピー機で複写した場合に、該コピー機のスキャナで照射される光を金属箔層によって鏡面反射することから、該金属箔層に対応する範囲が黒く複写される。そのため、コピー機等で複写された用紙では、金属箔層上にレーザープリンタにより印字した情報を判読不能である。したがって、本発明の複写防止用紙によれば、その金属箔層上にレーザープリンタで実用的な印刷を行い得ると共に、コピー機で複写しても金属箔層上に印字された文字や図柄等を判読不能できないことから、機密情報の漏洩を安定かつ確実に防止できる。
尚、金属箔層を構成する金属箔としては、アルミニウム系の金属箔が好適である。アルミニウム系の金属箔は、金属光沢に優れることから、コピー機等により複写した場合に上述した鏡面反射を強く生じるため、金属箔層に対応する範囲を一層黒く複写する。そのため、金属箔層上に印字した文字や図柄等を判読不能にしか複写できないという作用効果が向上する。
こうした金属箔層を形成する手法としては、ホットスタンピング方式や、コールドフォイル方式が好適に用いられる。ホットスタンピング方式は、フィルム上に剥離層を介して金属箔層が展着され、さらに感熱接着剤が塗布された転写フィルムを、基材に加熱圧着することにより金属箔層を箔押しする方法である。一方、コールドフォイル方式は、フィルム上に剥離層を介して金属箔層が展着された転写フィルムを、基材に設けられた接着層上に圧着することにより該金属箔層を箔転写する方法である。こうした金属箔層を転写する手法は、該金属箔層を蒸着(真空蒸着)する手法に比して、該金属箔層のサイズや位置の設計自由度が高く、さらには製造コストと時間とを低減することができるという利点がある。
上述した本発明の複写防止用紙にあって、トナー定着層のUVメジウムインクが、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.5重量%以上かつ5重量%以下含有するものである構成が提案される。
かかる構成では、上記含有量の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールによって、トナー定着層の、レーザープリンタのトナーとの定着性を一層向上できることから、該レーザープリンタによって一層安定して印刷を行うことができる。
上述した本発明の複写防止用紙にあって、金属箔層は、紙基材の紙面に設けられた接着層上に、金属箔を転写することにより形成されたものである構成が提案される。
ここで、金属箔の転写には、上記したコールドフォイル方式が好適に用いられる。コールドフォイル方式では、紙基材の接着層にUV硬化型の接着剤が用いられ、金属箔の上からUV光を照射することによって、該接着剤を重合硬化して紙基材と金属箔とを強力に接着できる。そのため、生産性が高く、比較的広い面積の金属箔を容易かつ安定して転写できる。
上述した本発明の複写防止用紙にあって、金属箔層を被覆するように光透過性のニスが塗工された放熱樹脂層を備え、該放熱樹脂層上にトナー定着層が形成されたものである構成が提案される。ここで、放熱樹脂層を構成するニスとしては、アクリル樹脂またはアクリレート樹脂を主成分とする透明ニスが好適である。
一般的に、レーザープリンタは、レーザー光を用いて形成した静電荷潜像にトナーを吸着させ、該トナーを熱(および圧力)により紙面に定着させることにより印刷するものであり、安定した印刷を行うためには、印刷時に発生する熱を逃がすことが求められる。仮に、熱をうまく逃がすことができなければ、用紙の搬送がストップしたり、搬送中に異音が生じる虞がある。本構成では、金属箔層上に設けた放熱樹脂層によって、レーザープリンタで印刷時に発生する熱を逃がす効果が向上することから、前記した搬送ストップや異音発生等を抑制でき、優れた搬送性を発揮できるため、安定して印刷を行うことができる。
尚、放熱樹脂層は、その層厚を厚く設定するにつれて上記の放熱効果が向上する傾向にあることから、具体的には3μm以上の層厚とする構成が好適である。また、放熱樹脂層の層厚をある程度厚くすることによって、平滑性を向上できることから、これに伴って金属箔層による鏡面反射が一層向上するという利点もある。
上述した本発明の複写防止用紙にあって、紙基材の外周縁に、金属箔層が形成されない無箔周域を備えている構成が提案される。
一般的に、レーザープリンタでは、給紙カセット内に用紙をセットし、該給紙カセット内の用紙を搬送ローラにより一枚づつ給紙するようになっている。ここで、金蔵箔層を備えた用紙にあっては、該金属箔層の平滑性が高いことから、前記搬送ローラが金属箔層上で滑ってしまう虞がある。仮に、搬送ローラが滑ってしまうと、安定して給紙することができない。これに対して、本構成では、紙基材の外周縁に無箔周域を備えることにより、搬送ローラが該無箔周域に必ず接するから、該搬送ローラによって安定して給紙され得る。
または、上述した本発明の複写防止用紙にあって、紙基材が矩形状を成し、該紙基材の少なくとも一側縁に、金属箔層が形成されない無箔帯域を備えている構成が提案される。
かかる構成は、無箔帯域を給紙方向の前方位置とするように給紙カセット内に配置することにより、給紙の際に搬送ローラが先ず無箔帯域に接するから、該搬送ローラにより給紙される。尚ここで、矩形状の紙基材にあって、その外周縁(全ての側縁)に無箔帯域を備えた構成とすることもでき、上記した無箔周域と同じ構成となる。この構成にあっては、その給紙開始から終了まで、搬送ローラが無箔帯域の少なくとも一部分に必ず接していることから、該搬送ローラによって一層安定して給紙され得る。
上述した本発明の複写防止用紙にあって、トナー定着層上に、地紋が印刷されている構成が提案される。
かかる構成によれば、コピー機等による複写すると、地紋と金属箔層とにより複雑に複写され、複写された用紙では一層判読不能となることから、上述した機密情報の漏洩等を抑制する効果が向上する。
本発明の複写防止用紙は、上述したように、金属箔層上に、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを含有する光透過性のUVメジウムインクが塗工されたトナー定着層を備えたものであるから、該トナー定着層がレーザープリンタのトナー定着性を向上できるため、金属箔層上にレーザプリンタで実用的な印刷を行うことができる。さらに、コピー機等により複写した場合に、金属箔層の鏡面反射によって、該金属箔層上の文字や図柄等を判読不能にしか複写できないことから、機密情報の漏洩を防止できる。
本発明にかかる複写防止用紙1の拡大断面図である。 複写防止用紙1の平面図である。 金属箔の転写により金属箔層4を形成する過程を示す説明図である。 別例の複写防止用紙31の平面図である。 別例の複写防止用紙41の平面図である。 別例の複写防止用紙51の平面図である。
本発明にかかる実施形態を添付図面に従って以下説明する。
図1に、本実施例の複写防止用紙1の拡大断面図を、図2に、該複写防止用紙1の平面図を示す。複写防止用紙1は、紙基材2、接着層3、金属箔層4、放熱樹脂層5、トナー定着層6が厚み方向に積み重ねられた構成である。ここで、紙基材2は、高い平滑性を有する塗工紙により構成されており、例えば、その表面の平滑度がJIS P 8119試験方法で500秒以上であるものを適用している。尚、紙基材2には、厚み50μm〜190μmのものを用いることが可能であり、本実施例では、厚み80μm〜140μmのものを適用した。
上記の金属箔層4は、紙基材2の表面に設けた接着層3に、金属箔11を転写することにより形成される。本実施例では、金属箔層4の形成に、生産効率の高いコールドフォイル方式を用いている。すなわち、図3(A)のように、紙基材2の表面の、金属箔層4を形成する範囲に、UV硬化型の接着剤を印刷して接着層3を設け、次に、該接着層3の上に、フィルム12に剥離層13を介して金属箔11が展着された転写箔フィルム10を、圧着することによって該金属箔11を転写する。その後、図3(B)のように、フィルム12を除去し、金属箔11上からUV光を照射することにより、前記接着層3の接着剤を重合硬化して紙基材2と金属箔11とを強力に接着させる。こうして金属箔11を紙基材2の表面に転写することにより、金属箔層4を形成する。このようにコールドフォイル方式は印刷機上で、接着剤の印刷から金属箔11の転写接着まで行うことができるため、生産性が高い。そのため、製造コストを低減可能であったり、小ロット製造も可能である。
ここで、本実施例では、一般的なB5、A4、A3などの長方形状の紙基材2を用いており、図2のように、該紙基材2の四つの側縁に金属箔層4を形成していない。この金属箔層4の無い部位により無箔周域15が構成されており、該無箔周域15が、紙基材2の四つの側縁にある無箔帯域16から構成されている。この無箔周域15(無箔帯域16)では、紙基材2、放熱樹脂層5、トナー定着層6が積み重なられており、上記した接着層3および金属箔層4とが無い。すなわち、金属箔層4は紙基材2の四辺から所定間隔をおいて形成されており、この間隔(無箔帯域16の幅寸法)が5mmに設定されている。尚、この間隔は、5mm以上の所定値に適宜設定可能である。
こうした金属箔11には、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、イリジウム、金、銀、銅、錫の単体または合金など金属が用いられ、なかでも、取り扱いの容易性や平滑性の高さなどからアルミニウム製(又はアルミニウム合金製)のものが好適に用いられる。金属箔11には、その厚みが約0.03μm〜3μmのものを用いており、該厚みにより金属箔層4の層厚みが規定される。また、金属箔11に光沢度の高いものを使用することにより、高い鏡面反射性を有する金属箔層4を形成できる。
上記の放熱樹脂層5は、アクリル樹脂またはアクリレート樹脂を主成分とする透明ニスを塗工することにより形成される。ここで、透明ニスを紙基材2の表面全域に塗工し、放熱樹脂層5を形成する。すなわち、放熱樹脂層5は、金属箔層4上と、上記した無箔周域15(無箔帯域16)上とに設けられる。こうした放熱樹脂層5は、透明ニスにより構成されていることから、平滑性が高く、金属箔11の金属光沢を透過する透過性が高い。また、放熱樹脂層5は、その層厚みが3μmとなるように形成されている。尚、放熱樹脂層5は、レーザープリンタによる印刷時に熱を逃がす効果を奏するものであり、こうした効果が安定して発揮されるためには、層厚みを3μm以上とするように設定する。
上記のトナー定着層6は、放熱樹脂層5の全域にUVメジウムインクを塗工することにより形成される。UVメジウムインクは、無色透明なものが用いられ、塗工後にUV光を照射することにより硬化して、光透過性のトナー定着層6を形成する。ここで、UVメジウムインクは、合成樹脂、感光性モノマー、光重合開始剤、顔料等の各種成分からなり、さらに、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールが含有されてなるものである。そして、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールは、その含有率を0.5〜5重量%に設定しており、本実施例では含有率を1重量%としている。また、他の成分の含有率は、合成樹脂が20〜30重量%、感光性モノマーが40〜50重量%、光重合開始剤10〜20重量%、顔料が5〜15重量%である。尚、本実施例にあって、トナー定着層6が、その層厚みを0.3μm〜5μmとするように形成される。
こうした積層構造の複写防止用紙1は、上述したように、光沢度の高い金属箔層4を備え、該金属箔層4上に、透明ニスの放熱樹脂層5と透明なUVメジウムインクのトナー定着層6とが積層されてなるものである。そのため、複写防止用紙1は、その表面からみると、金属箔層4の金属光沢が明確に表れ、該金属箔層4の形成範囲がはっきりとわかり易い。
複写防止用紙1は、レーザープリンタで印字すると、所望の文字や図柄等が印刷される。レーザープリンタでは、用紙周囲の余白(マージン)を除いた範囲(印刷可能な領域)に印字されることから、複写防止用紙1の金属箔層4上のトナー定着層6に印字される。尚、本実施例では、上述したように、5mm幅の無箔周域15を除いた範囲に金属箔層4が形成されていることから、該金属箔層4の形成範囲全てが、レーザープリンタにより印字される印刷可能範囲となり得る。
ここで、トナー定着層6は、レーザープリンタのトナーの定着性が良く、印字した文字や図柄等は擦過性に強く且つ剥がれ難い。このトナー定着層6を備えることにより、レーザープリンタで所望の文字や図柄等を正確に印字でき、十分に実用的な印刷を行うことができる。これは、トナー定着層6が、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを含有したUVメジウムインクにより構成されていることに因ると考えられる。
仮に、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを含まない一般的なUVインクを、前記UVメジウムインクに代えて塗工した構成の場合、当該構成の用紙をレーザープリンタで印字すると、印字した文字や図柄が擦過したり剥がれ易く、うまく印字できないことから、実用的でない。この原因については、探究中であり、一般的UVインクに含まれるワックス等の成分、硬化皮膜の硬さ、被覆層の表面平滑性等が考えられる。一方、放熱樹脂層5やトナー定着層6を設けずに、金属箔層4上に直接レーザープリンタで印字しても、同様に、文字や図柄が擦過したり剥がれ易く、うまく印字できない。この原因についても、探究中であり、金属箔11の転写時に、該金属箔11上に剥離層の材料が部分的に残ってしまうこと等が考えられる。
こうしたレーザープリンタによる印字ができない問題を解決するために、本発明の発明者らは鋭意研鑽し、その結果、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールの含有によって、レーザープリンタのトナーの定着性が向上することを見出した。そして、金属箔層4上に、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.5〜5重量%含有したUVメジウムインクを塗工してトナー定着層を形成することによって、レーザープリンタで実用的なプリントを行うことが可能となった。
また、レーザープリンタは、一般的に、感光体(ドラム)にレーザー光を照射して静電荷潜像を形成し、該潜像にトナーを吸着させ、熱(および圧力)を加えて該トナーを用紙に融着させることにより印刷するものである。このように、レーザープリンタの印刷時には用紙に熱が加わることから、安定した印刷のためには、この熱を逃がすことが必要となる。仮に、熱をうまく逃がすことができないと、トナーの定着部で用紙がストップしたり、異音が発生する等の問題が生じ易い。これに対して、本実施例の複写防止用紙1は、上述したように、放熱樹脂層5を設け、印刷時に発生する熱を該放熱樹脂層5によって逃がすことができるようにしている。これにより、前記した印刷時の熱による問題を防ぐことができ、安定した印刷を行うことができる。
さらにまた、一般的なレーザープリンタは、複数の用紙を積み重ねてセットする給紙カセットを備えており、印刷の際に、該給紙カセット内にセットされた用紙を一枚づつ搬送ローラが搬送して給紙するようになっている。ところが、本実施例のような金属箔層4を備えた用紙では、該金属箔層4の平滑性が高いことから、給紙の際に前記搬送ローラが金属箔層4上に接触しても滑ってしまい、うまく搬送できない虞がある。これに対して、本実施例の複写防止用紙1では、その外周縁に、金属箔層4の無い無箔周域15(無箔帯域16)を備えており、該無箔周域15と前記搬送ローラとが接触することから、該搬送ローラが金属箔層4上で滑ってしまうことを抑制できる。そして、複写防止用紙1は、その外周縁に亘って無箔周域15を備えることから、印刷のために前記給紙カセット内から搬送される際に、搬送ローラが該無箔周域15に必ず接触するため、該搬送ローラによって安定して搬送され得る。
一方、本実施例の複写防止用紙1にレーザープリンタで所望の文字や図柄等印字した後に、該複写防止用紙1をコピー機により複写した場合、複写した用紙では、該複写防止用紙1の金属箔層4の形成範囲を複写した部分が黒くなり、該複写防止用紙1に記載された文字や図柄等を判読不能である。本実施例の場合、複写防止用紙1のほぼ全域に金属箔層4が形成されていることから、複写した用紙のほぼ前面が黒く印刷されてしまう。これは、コピー機のスキャナで原稿(複写防止用紙1)に照射した光が、該複写防止用紙1の金属箔層4で鏡面反射することによって、該金属箔層4上に印字された文字や図柄等を読み取ることができないためである。特に、金属箔層4には、光沢度の高い金属箔11を用いていることから、コピー機のスキャナで強く鏡面反射してしまい、金属箔層4上の文字や図柄を一層読み取ることができず、複写した用紙には黒く印刷される。したがって、複写防止用紙1にレーザープリンタで印刷すると、該複写防止用紙1に印刷された情報を判読できず、実質的に複写不能である。
このように本実施例の複写防止用紙1は、金属箔層4を備えたことから、該金属箔層4上に印字した情報をコピー機によって複写できず、該情報の複写を防止することができる。これにより、複写防止用紙1に機密情報等を印刷した場合に、該機密情報が複写されないことから、該機密情報の漏洩を防ぐことができ得る。一方、本実施例の複写防止用紙1は、金属箔層4上に、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを含有するUVメジウムインクのトナー定着層6を設けたことから、レーザープリンタで印刷する際に、該レーザープリンタのトナーが該トナー定着層6に安定して定着でき、文字の擦過や剥がれを抑制できる。そのため、本実施例の複写防止用紙1を用いることにより、レーザープリンタで十分に実用的な印刷を行うことができる。このように、本実施例の複写防止用紙1によれば、レーザープリンタで実用的な印刷が可能であると共に、コピー機による複写ができず、機密情報などの漏洩を防止することができる。
さらに、本実施例では、放熱樹脂層5により、レーザープリンタによる印刷の際に発生する熱をうまく逃がすことができることから、該熱が逃げないことによる用紙搬送停止や異音の発生等を防止できる。また、複写防止用紙1は、その外周縁に、金属箔層4の無い無箔周域15を備えたことから、レーザープリンタの給紙カセット内にセットされた状態で、搬送ローラが無箔周域15に必ず接触するため、安定して該給紙カセットから搬送され得る。
一方、上述した実施例の別例の複写防止用紙31として、図4のように、長方形状の該複写防止用紙31の一側縁にのみ、金属箔層34が形成されない無箔側域36備えた構成とすることができる。この無箔側域36幅は、5mm以上に設定している。尚、本別例では、無箔側域36備えた以外は上述の実施例と同じ構成であり、同じ構成要素には同じ符号を記して説明を省略する。この別例の複写防止用紙31は、レーザープリンタの給紙カセットに、無箔側域36が搬送方向(給紙方向)の前方位置(先頭位置)となるように配置する。これにより、給紙カセット内の複写防止用紙31を給紙開始する際に、搬送ローラが最初に複写防止用紙31の無箔側域36に接触することから、該搬送ローラが滑って搬送開始できないことを抑制できるため、安定して搬送され得る。こうした本別例の構成にあっても、金属箔層34、放熱樹脂層5、およびトナー定着層6を備えた構成であることから、上述した実施例と同様の作用効果を奏する。
また、さらに別例の複写防止用紙41として、図5のように、紙基材2上に、地紋の斑模様のように金属箔11を転写した金属箔層44を備えた構成とすることができる。こうした金属箔層44は、上述した実施例と同様に、コールドフォイル方式により比較的容易かつ安定して形成可能である。ここで、金属箔層44は、実施例と同様に、複写防止用紙41の外周縁に形成されず、該複写防止用紙41は、その外周縁に無箔周域15を備えた構成である。また、放熱樹脂層5とトナー定着層6とは、実施例と同様に形成されている。すなわち、本別例の構成は、金属箔層44を地紋の斑模様に形成した以外は上述の実施例と同様であり、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を省略する。
かかる別例の構成にあっても、トナー定着層6が形成されていることから、上述した実施例と同様に、レーザープリンタで実用的な印刷を行うことができる。そして、金属箔層34が地紋の斑模様に形成されていることから、複写防止用紙41をコピー機により複写すると、複写された用紙では、金属箔層44を複写した部分が黒い斑模様となることから、該金属箔層44上の文字や図柄等が読み取れず、複写防止用紙41の記載内容(情報)を正確に判読できない。したがって、本別例の構成にあっても、コピー機の複写による機密情報の漏洩を防止することができる。尚、このように金属箔層を地紋等の斑模倣に形成した構成にあって、上述した別例のように複写防止用紙の一側縁のみに該金属箔層の無い無箔側域を備えたものとすることもできる。
また、さらに別例の複写防止用紙51として、図6のように、トナー定着層6上に地紋印刷を行った構成とすることもできる。かかる別例の構成は、上述した実施例の構成に地紋印刷を行うことにより形成でき、該地紋印刷を行った以外は該実施例と同じであることから、その詳細を省略する。この別例の構成は、トナー定着層6上に地紋52が印刷されていることから、複写防止効果が一層向上する。
本発明にあっては、上述した実施例や別例に限定されるものではなく、上述の実施例や別例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。例えば、実施例では、金属箔層4をコールドフォイル方式に形成したが、ホットメルト方式により形成することもできる。また、複写防止用紙は、A4やA3等の長方形状(矩形状)に限らず、円形や楕円形等のように様々な形状のものを適用できる。
1,31,41,51 複写防止用紙
2 紙基材
3 接着層
4,34,44 金属箔層
5 放熱樹脂層
6 トナー定着層
15 無箔周域
16,36 無箔帯域

Claims (7)

  1. 紙基材と、
    該紙基材の表面に接着層を介して設けられた金属箔層と、
    該金属箔層を被覆するように、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを含有する光透過性のUVメジウムインクが塗工されたトナー定着層と
    を備えたものであることを特徴とする複写防止用紙。
  2. トナー定着層のUVメジウムインクが、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.5重量%以上かつ5重量%以下含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の複写防止用紙。
  3. 金属箔層は、紙基材の紙面に設けられた接着層上に、金属箔を転写することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複写防止用紙。
  4. 金属箔層を被覆するように光透過性のニスが塗工された放熱樹脂層を備え、該放熱樹脂層上にトナー定着層が形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の複写防止用紙。
  5. 紙基材の外周縁に、金属箔層が形成されない無箔周域を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の複写防止用紙。
  6. 紙基材が矩形状を成し、該紙基材の少なくとも一側縁に、金属箔層が形成されない無箔帯域を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の複写防止用紙。
  7. トナー定着層上に、地紋が印刷されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の複写防止用紙。
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