JP6307831B2 - 直動案内装置、サイドシールリップ部の保護シート - Google Patents

直動案内装置、サイドシールリップ部の保護シート Download PDF

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Description

この発明は、直動案内装置(リニアガイド装置)と、直動案内装置を構成するサイドシールのリップ部を保護する保護シートと、直動案内装置の仮軸に取り付けて用いる仮軸用アタッチメントに関する。
従来から、工作機械等で使用されている直動案内装置は、案内レールと、スライダと、複数の転動体とからなる。案内レールは、長手方向に延びる転動体転動面を外面に有する。スライダは、案内レールの転動体転動面に対向して形成された転動体転動面を有し、案内レールに、転動体を介して、案内レールの長手方向に沿って相対移動可能に跨架されている。
また、案内レールの背面(上面)と両側面に摺接するリップ部を有するサイドシールが、スライダの移動方向端部に、前記案内レールと前記スライダとの間に形成された空隙部を封止するように取り付けられている。
より詳細には、スライダは、スライダ本体と、スライダ本体の相対移動方向(案内レールの長手方向)両端面に取り付けられたエンドキャップとを備え、エンドキャップのスライダ本体と反対側の面に、サイドシールが取り付けられている。案内レールとスライダとの間に形成される空隙部から、ごみ、粉塵、切粉、切屑等の異物が入り込み、転動体転動面に付着すると、転動体の円滑な転動が妨げられる。
サイドシールは、空隙部への異物の侵入を防ぐために、案内レールに接触し空隙部の開口部分を封止する。これにより、直動案内装置の良好な作動性を確保している。サイドシールのリップ部は、案内レールの一方の側面から背面を経て他方の側面に至る表面に接触している。
サイドシールのリップ部は、案内レールの表面に常時摺接するために、スライダよりもレール側に突出する。また、シール性を確保するためにゴム等の比較的脆い材料で形成されている。そのため、サイドシールのリップ部は、リップ部が摺接する案内レール等の凹凸によって損傷を受けやすい。
直動案内装置を組み立てる際に、案内レールにスライダを装着する作業は次の手順で行われる。先ず、既にサイドシールが装着され、転動体が組み込まれたスライダを、案内レールに形状と寸法を合わせて作製された仮軸に跨架させておく。次に、この仮軸を案内レールの端部に直列に接続した状態で、スライダを仮軸から案内レールに移動させる。
このとき、仮軸と案内レールとの間に段差や凹凸があると、サイドシールのリップ部が損傷を受けるおそれがある。また、スライダが案内レールに乗り移った後に、案内レールの背面に開口した取付穴(取り付けボルトを挿入する穴)によって、サイドシールのリップ部が損傷を受けることもある。
直動案内装置の運転時には、取付穴が塞がれるため、リップ部が損傷を受けるおそれはなくなる。しかし、案内レールの取り付け状態をチェックする試運転時などでは、取付穴が塞がれていないため前記のような損傷のおそれがある。
サイドシールのリップ部の損傷を防止するための従来からの技術として、特許文献1に記載された保護具がある。この保護具は、いわゆるロールピン形状をなす部材であり、横断面が略U字状であり、円筒の一部をその長手方向に沿って切断したスリットを有する。この保護具は、素材がばね性をもつ薄板の鋼帯ないし成形性に優れた合成樹脂から形成されている。この保護具の外面は平滑であり、サイドシールのリップ部よりも摩擦係数は小さくなっている。
この保護具は、サイドシールのリップ部のうち、案内レールの背面に摺接する部分に前記スリットを利用して外嵌することにより、同部分の外面を覆うものである。その結果、スライダが案内レールに沿って移動すると、リップ部のうち案内レールの背面に接する部分では、保護具の外面が案内レールに接していて、リップ部は案内レールの背面には接しない。このため、リップ部のうち案内レールの背面に接する部分は、この保護具によって保護されることになる。
サイドシールのリップ部の損傷を防止する他の技術として、特許文献2に記載された損傷防止部品がある。案内レールの背面に開口された取付穴を塞ぐために、案内レールの背面をレールカバーで覆っている。しかし、レールカバーは、案内レールの端部では背面の角部を覆わずに露出させた状態にしているため、この部分ではレールカバーのある位置とない位置との間にレールカバーの厚み分だけ段差が形成されることになる。
そのため、前記のように、スライダを仮軸から案内レールに移動させるときに、サイドシールのリップ部が前記段差によって損傷するおそれがある。このため、特許文献2に記載された技術では、案内レールの端部にある段差の部分を覆う損傷防止部品を取り付けるようにしている。
一方、特許文献3には、案内レールを覆うレールカバーの幅方向端部に突き合わされるように突出する薄肉の突起部を、仮軸の軸方向(案内レールの長手方向と一直線状に合わせる方向)端部に設ける技術が開示されている。仮軸上のスライダを案内レールに乗り移らせる際に、インナーシールは仮軸の突起部上に乗り上がるので、インナーシールがレールカバーと干渉することが防止される。
また、特許文献4には、軸方向に垂直な断面の外形形状が軸方向に渡って一様ではない仮軸が開示されている。このような構成により、仮軸上のスライダを案内レールに円滑に移動させることができる。さらに、この仮軸の少なくとも一端の断面外形形状の大きさは案内レールの断面外形形状の大きさよりも大きく、仮軸の中央部の断面外形形状の大きさは案内レールの断面外形形状と略同一とされている。
また、この仮軸の軸方向端部からは、仮軸の端部の外周に沿う薄板状の張り出し部が張り出している。そのため、サイドシールの損傷を伴うことなく、スライダを仮軸から案内レールに移動させることが可能となる。
また、特許文献5には、断面の外形形状が軸方向に渡って一様ではない仮軸が開示されている。このような構成により、仮軸上のスライダを案内レールに円滑に移動させることができる。
さらに、この仮軸の断面形状は直動案内装置の案内レールの断面形状と実質的に同一であり、仮軸の少なくとも一端の断面外形形状の大きさは案内レールの断面外形形状の大きさよりも大きく、仮軸の中央部の断面外形形状の大きさは案内レールの断面外形形状の大きさよりも小さいとされている。また、レール側端部に備えられた薄板状の突出部には、軸方向に延びるスリットが周方向に沿って並ぶように複数形成され、内方に向かって弾性変形可能となっている。
特開2009−121648号公報 特開2012−2276号公報 特開2008−57690号公報 特開2008−82504号公報 特開2012−67838号公報
上述のように、特許文献1に記載された方法では、サイドシールのリップ部のうち、案内レールの背面に接する部分のみが保護され、案内レールの両側面に接する部分は保護されていない。
特許文献2に記載された方法では、サイドシールのリップ部のうち、案内レールの背面に接する部分とその付近が保護されるだけで、案内レールの両側面に接する部分のうち大部分は保護されていない。また、特許文献2に記載された損傷防止部品は、背面をレールカバーで覆っている案内レールにしか適用できない。
このように、特許文献1および2に記載されたサイドシールのリップ部の損傷を防止するための従来技術には、案内レールにレールカバーが施されているか否かを問わず、サイドシールのリップ部全体を案内レール側の凹凸等から保護するという点で改善の余地がある。
また、特許文献3〜5に記載された仮軸には、スライダを仮軸から案内レールに移動させる際に、サイドシールおよび仮軸の損傷を防止するという点で改善の余地がある。
この発明の課題は、スライダの案内レールに対する取り付け時に、サイドシールのリップ部に損傷が生じることを防止することである。
[態様1]
上記課題を解決するため、この発明の態様1は、下記の構成(1) と(2) を有する直動案内装置を提供する。
(1) 案内レールと、スライダと、複数の転動体とからなる。前記案内レールは、長手方向に延びる転動体転動面を外面に有する。前記スライダは、前記案内レールの転動体転動面に対向して形成された転動体転動面を有し、前記案内レールに、前記転動体を介して、前記長手方向に沿って相対移動可能に跨架されている。前記案内レールの背面と両側面に摺接するリップ部を有するサイドシールが、前記スライダの移動方向端部に、前記案内レールと前記スライダとの間に形成された空隙部を封止するように取り付けられている。
(2) 前記リップ部の前記案内レールとの摺接面全体が保護シートで覆われ、前記保護シートは剥離可能な接着剤で前記リップ部の表面に接着されている。
第一態様の直動案内装置は、前記構成(2) を有することで、スライダを仮軸から案内レールに移動させる際に、スライダが乗り越える凹凸があっても、また、案内レールの背面に開口した取付穴があっても、リップ部が前記凹凸や取付穴に直接接することがない。このため、リップ部の損傷を防止することができるし、直動案内装置の稼働時には、保護シートを剥離すればリップ部が案内レールに直接摺接するため、リップ部によるシール機能が得られる。
[態様2]
この発明の態様2は、上記構成(1)(2)と下記の構成(3) 〜(5) を有する。
(3) 前記リップ部の前記案内レールと摺接する先端ラインは、前記案内レールの長手方向に垂直な断面形状に対応する複数の角部を有する。
(4) 前記保護シートの片面には、前記複数の角部に対応する位置に切り込みが形成されている。
(5) 前記保護シートは、前記切り込みが形成されている側の面を前記リップ部に向けて、前記切り込みと前記リップ部とで形成された空間に配置された剥離可能な接着剤により、前記リップ部の表面に接着されている。
[態様3]
この発明の態様3は、態様1および態様2の直動案内装置において、下記の構成(6) を有する。
(6) 前記保護シートは、前記リップ部の前記案内レールと摺接する先端ラインに沿わせる方向で分割された複数のシート片からなる。
[態様4]
この発明の態様4は、前記構成(1) の直動案内装置の、前記リップ部の前記案内レールとの摺接面を保護する保護シートであって、下記の構成(7) を有する保護シートを提供する。
(7) 前記リップ部の前記案内レールと摺接する先端ラインの長さ以上の長さと、前記リップ部の前記移動方向の寸法以上の幅を有する。
この「先端ラインの長さ」は、「前記案内レールの一方の側面から背面を経て他方の側面に至る方向に延在するリップ部の全長」と同義である。
[態様5]
この発明の態様5は、態様4の保護シートであって、下記の構成(8) を有する。
(8) 前記リップ部に対して剥離可能な接着剤を一方の面に有する。
[態様6]
この発明の態様6は、態様4の保護シートであって、下記の構成(9) を有する。
(9) 前記リップ部の前記案内レールと摺接する先端ラインは、前記案内レールの長手方向に垂直な断面形状に対応する複数の角部を有し、一方の面の前記複数の角部に対応する位置に、切り込みが形成されている。
[態様7]
この発明の態様7は、態様4〜態様6の保護シートであって、下記の構成(10)を有する。
(10)前記リップ部の前記案内レールと摺接する先端ラインに沿わせる方向で分割された複数のシート片からなる。
この「先端ラインに沿わせる方向」は、「前記案内レールの一方の側面から背面を経て他方の側面に至る方向に延在するリップ部の延在方向」と同義である。
[態様8]
この発明の態様8は、下記の構成(11)〜(14)を有する直動案内装置の仮軸用アタッチメントを提供する。
(11)仮軸に組み付けられたスライダを前記仮軸の軸方向(案内レールの長手方向と一直線状に合わせる方向)に移動させて、前記仮軸から、前記スライダと共に直動案内装置を構成する案内レールへ前記スライダを乗り移らせる際に使用される。前記仮軸の軸方向両端部のうち前記案内レール側に配置される軸方向端部に、前記仮軸と同軸に、且つ、一直線状の配置となるように取り付けられて使用される。軸方向に垂直な断面形状が前記仮軸と略同じであり、前記仮軸に取り付けられる側の軸方向端部である仮軸側端部と、前記案内レールの長手方向端部に対向する側の軸方向端部であるレール側端部を有する。
(12)軸方向に垂直な断面(軸方向に直交する平面で切断した場合の断面)の大きさが、前記仮軸側端部から前記レール側端部に向かって滑らかに大きくなるような全体形状を有する。
(13)前記仮軸側端部の断面の大きさは、取り付けられる前記仮軸の軸方向端部の断面の大きさと略同一であり、前記レール側端部の断面の大きさは、前記仮軸側端部の断面の大きさよりも大きい。
(14)前記レール側端部の外周面は内方に向かって弾性変形可能となっている。
態様8の仮軸用アタッチメントによれば、スライダを仮軸から案内レールに移動させる際に、サイドシール及びインナーシールの損傷を抑制することができるとともに、仮軸の損傷を防止することができる。
[態様9]
この発明の態様9は、前記態様8の仮軸用アタッチメントであって、下記の構成(15)を有する。
(15)前記レール側端部は、軸方向に突出する板状の突出部を有し、前記突出部が前記外周面を形成し、前記突出部の両側面(左面と右面)に、軸方向に延びるスリットが形成されている。
[態様10]
この発明の態様10は、前記態様8の仮軸用アタッチメントであって、下記の構成(16)を有する。
(16)前記突出部の上面に、軸方向に延びるスリットが形成されている。
[態様11]
この発明の態様11は、前記態様8の仮軸用アタッチメントであって、下記の構成(17)を有する。
(17)少なくとも前記レール側端部が弾性材料からなる。
[態様12]
この発明の態様12は、前記態様11の仮軸用アタッチメントであって、下記の構成(18)を有する。
(18)前記弾性材料はゴムである。
[態様13]
この発明の態様13は、前記態様11の仮軸用アタッチメントであって、下記の構成(19)を有する。
(19)前記弾性材料は熱可塑性エラストマである。
[態様14]
この発明の態様14は、案内レールと、前記態様9〜13の仮軸アタッチメントが取り付けられ、且つ、転動体が組み込まれたスライダが組み付けられた仮軸と、を有することを特徴とする直動案内装置を提供する。
この発明によれば、スライダの案内レールに対する取り付け時に、サイドシールのリップ部に損傷が生じることが防止される。
第1実施形態の直動案内装置を示す正面図である。 図1の直動案内装置の一部を示す側面図である。 図1のA−A断面図であって、案内レールと転動体を省略して示している図である。 第2実施形態の直動案内装置を示す正面図である。 図4のA部の拡大図である。 複数の保護シートが貼られた台紙を示す平面図である。 第3実施形態の直動案内装置を示す正面図である。 図7の直動案内装置の一部を示す側面図である。 図7のA−A断面図であって、案内レールと転動体を省略して示している図である。 図7の直動案内装置を構成する保護シートの一部を示す側面図である。 図7のB部の拡大図である。 図7のC部の拡大図である。 第4実施形態において、直動案内装置の構成を説明する斜視図である。 図13の直動案内装置の正面図である。 第4実施形態において、インナーシールの構造を説明する部分拡大断面図である。 第4実施形態において、仮軸に仮に組み付けたスライダを案内レールに装着する方法を説明する斜視図である。 第4実施形態において、仮軸用アタッチメントの一実施形態を説明する側面図である。 図17の仮軸用アタッチメントの正面図である。 第4実施形態において、結合前の仮軸セットを示す斜視図(a)と、結合後の仮軸セットを示す斜視図(b)である。 第4実施形態において、変形例の仮軸用アタッチメントを説明する斜視図である。 第4実施形態において、ねじを用いて仮軸用アタッチメントを仮軸に固定する例を説明する斜視図である。 第4実施形態において、仮軸用アタッチメントが仮軸に一体化された例を説明する斜視図である。 第5実施形態において、結合前の仮軸セットを示す斜視図(a)と、結合後の仮軸セットを示す斜視図(b)である。 第5実施形態において、仮軸アタッチメントを説明する側面図である。 第5実施形態において、仮軸セットの使用方法を説明する斜視図である。 第5実施形態において、仮軸セットの変形例を示す斜視図である。 第5実施形態において、仮軸アタッチメントと仮軸との取り付け構造の変形例を示す斜視図である。 図27の取り付け構造の詳細を説明する図(部分側面図と部分断面図)である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明はこの実施形態に限定されない。
[第1実施形態]
図1〜3を用いて、この発明の第1実施形態に相当する直動案内装置を説明する。これらの図において、直動案内装置の構造として周知であり、且つ、この発明と直接の関係がない部分、例えば転動体、転動体の戻り通路、ねじ穴等については図示を一部省略している。
図1および2に示すように、第1実施形態の直動案内装置は、案内レール10とスライダ20と図示しない多数の転動体とサイドシール30を備えている。スライダ20は、スライダ本体21と二個のエンドキャップ22とからなる。案内レール10とスライダ本体21は、互いに対向配置された、案内レール10の長手方向に延びる転動体転動面を有する。両転動体転動面で形成される転動路と、スライダ20に形成された戻し路および方向転換路内に、転動体が配置されている。
スライダ20は、案内レール10に対して、転動体を介して、案内レール10の長手方向に沿って相対移動可能に跨架されている。スライダ本体21の移動方向両端部にエンドキャップ22が配置されている。サイドシール30は、スライダ20の移動方向両端部に取り付けられている。
直動案内装置は、案内レール10の長手方向と幅方向が水平となるように配置され、案内レール10の上面(背面)に、スライダ20が跨架される例が多い。そのため、この実施形態においても、案内レールの長手方向とスライダ移動方向と上下方向と左右方向(幅方向)の向きを、この例に沿って説明する。したがって、案内レール10の長手方向や上下方向や左右方向に傾斜などの変更が加えられた場合には、その姿勢に倣って各部の方向や傾きを解釈する。
案内レール10、スライダ本体21とエンドキャップ22とからなるスライダ20、およびサイドシール30は、いずれも慣用されている直動案内装置で使用されているものと同一である。
サイドシール30は、金属の補強板31とゴム製の板状部32およびリップ部33とからなり、金型を用い補強板31の一方の面にゴムを溶着することで、板状部32とリップ部33が形成されている。補強板31には、エンドキャップ22の給油穴23に連通する給油穴31aが形成されている。ゴム製の板状部32には、給油穴31aより径の大きな給油穴32aが形成されている。
リップ部33は、サイドシール30の内側(案内レール10と対向する側)に形成されている。リップ部33は、案内レール10の上面10aに摺接する下向きリップ33aと、案内レール10の左右の側面10bに摺接する横向きリップ33bとからなる。各横向きリップ33bは、下向きリップ33aの左右に連続して下方に延びている。
図3に示すように、両エンドキャップ22間には、転動体を保持する保持器4が架設されている。保持器4の上側にはインナーシール5が、下側にはアンダーシール6が取り付けられている。インナーシール5およびアンダーシール6のリップ部は、いずれも案内レール10の側面10bに摺接している。
インナーシール5は、案内レール10の上面10a側からの塵埃等が、案内レール10の側面10bとスライダ20との間に入り込むことを防止する。アンダーシール6は、下方からの塵埃等が、案内レール10の側面10bとスライダ20との間に入り込むことを防止する。
インナーシール5とアンダーシール6のリップ部は、サイドシール30のリップ部33(横向きリップ33b)の側面に突き当てられている。これにより、インナーシール5およびアンダーシール6とサイドシール30との間からの塵埃等の侵入も防止される。
サイドシール30のリップ部33(下向きリップ33aと横向きリップ33b)の案内レールとの摺接面全体が、保護シート7で覆われている。保護シート7は合成樹脂からなるシートの片面に接着剤層が形成されたものである。この接着剤層により保護シート7がリップ部33に剥離可能に接着されている。
保護シート7に形成されている接着剤層は、リップ部33に対する所定の接着性能を有する。所定の接着性能とは、組立時にサイドシール30が固定された状態のスライダ20を仮軸から案内レール10に移動する際には、リップ部33から保護シート7が外れず、組立後に保護シート7を外す力を加えた際には、保護シート7がリップ部33から容易に外れる接着性能を意味する。
なお、図3では、保護シート7の厚みが誇張されているが、保護シート7の厚みは0.05mm〜0.15mmが適当である。0.05mm未満であると、仮軸と案内レール10との間に存在する段差を転動体が移動する際に、段差の凸により保護シート7に過度の力がかかり、保護シート7が破損するおそれがある。保護シート7の厚さが0.15mmより厚いと、転動体の移動する空間が小さくなりすぎて転動体が移動しなくなるおそれがある。
保護シート7の大きさは、少なくともリップ部33の案内レール10との摺接面全体を覆うものであればよい。保護シート7は、合成樹脂フィルム、金属箔、布などの片面に、所定の接着性能を有する接着剤を施したものであればよい。
保護シート7の具体例としては、マスキングテープ、マスキングシートが挙げられる。マスキングテープとしては、具体的に、クレープマスキングテープ、フォトグラフィックテープ、平面紙マスキングテープ、ファインラインマスキングテープ、ポリエステルマスキングテープ、ポリ塩化ビニルフィルムマスキングテープ、鉛箔マスキングテープ、アルミ箔マスキングテープなどがある。
また、マスキングシートとしては、具体的に、ポリプロピレン製のマスキングシート、ポリエチレン製のマスキングシート、ポリイミド製のマスキングシート、ポリエステル製のマスキングシート、クラフト紙、和紙などがある。また、ポリアミド製の保護シート7であれば、耐摩耗性および耐衝撃性に優れるため、薄くても破損しにくい。
この実施形態で、保護シート7の長さは、リップ部33の案内レール11と摺接する先端ラインの長さ以上であり、保護シート7の幅Hは、リップ部33のスライダ移動方向の寸法T以上である。具体的には、図3に示すように、保護シート7は、スライダ20の移動方向において、エンドキャップ22の端面より左側(スライダ本体側)からサイドシール30より右側までの範囲に存在し、図3の上下方向において、横向きリップ33bより下方まで存在する。
したがって、この実施形態では、保護シート7によって、サイドシール30のリップ部33の案内レール10との摺接面全体と、リップ部33に接するインナーシール5及びアンダーシール6のリップ部の端部とが覆われている。
直動案内装置の組立時にスライダ20を案内レール10に装着する際には、先ず、スライダ本体21にエンドキャップ22とサイドシール30を取り付け、スライダ20に保持器4とインナーシール5及びアンダーシール6を取り付け、スライダ20に形成された戻し路および方向転換路と保持器内に転動体を配置する。
次に、サイドシール30のリップ部33に保護シート7を剥離可能に接着して、サイドシール30のリップ部33と、インナーシール5及びアンダーシール6のリップ部が、保護シート7により覆われた状態にする。この状態でスライダ20を仮軸にセットする。
次に、スライダ20がセットされたままの仮軸の端部を、案内レール10の端部に突き合わせて、案内レール10と仮軸を直列に連続させる。この状態で、スライダ20を仮軸から案内レール10に移動させる。これにより、スライダ20は、保持器4に転動体を保持した状態で、案内レール10に乗り移ることができる。
その際に、仮軸と案内レール10との間に段差や凹凸があっても、サイドシール30のリップ部33は、案内レール10との摺接面となる面に保護シート7が張り付けられたままなので、前記段差や凹凸によって損傷を受けることが防止される。また、同様に、案内レール10の上面に取付穴が開設されている場合でも、取付穴の縁によってリップ部33が損傷を受けることが防止される。
また、この実施形態では、リップ部33に突き当たっているインナーシール5及びアンダーシール6のリップ部の端部も保護シート7に覆われているから、この部分も同様に段差や凹凸などによって損傷することが防止される。そのため、インナーシール5及びアンダーシール6のリップ部とサイドシール30のリップ部33との間のシール性能が劣化することも防止される。
直動案内装置の稼働時には、保護シート7をリップ部33から剥離すれば、リップ部33が案内レール10に直接摺接するため、サイドシール33のリップ部33によるシール機能が得られる。また、インナーシール5及びアンダーシール6のリップ部によるシール機能も得られる。
この実施形態では、図3に示すように、保護シート7の一部が、サイドシール3の外部や横向きリップ33bより下方に張り出しているため、その部分を工具の先端で摘むこと等によって、保護シート7を容易に引き剥がすことができる。
なお、この実施形態では、インナーシール5及びアンダーシール6を有する直動案内装置について説明しているが、この発明は、これらのうち少なくともいずれかを有さない直動案内装置に適用することもできる。
[第2実施形態]
図4は、この発明の第2実施形態の直動案内装置を示す図であり、図5は図4のA部分の拡大図である。
この実施形態は、保護シート7が第1実施形態と相違するが、それ以外の構成と作用効果は第1実施形態と同一である。そのため、図4、5に図1〜3と同様の符号を記し、重複した説明は省略する。
第2実施形態の直動案内装置では、保護シート7として、サイドシール30のリップ部33の延在方向(案内レール10と摺接する先端ラインに沿わせる方向)で分割された二枚のシート片7aからなるものを使用している。二枚のシート片7aのうちの一方のシート片7aで、リップ部33の図4における左半分が覆われ、他方のシート片7aで同右半分が覆われている。また、案内レール10の上面10aの幅方向中央位置において、両シート片7aの端面同士が突き当てられて、両者間には隙間がない状態になっている。
第2実施形態の直動案内装置で、保護シート7をリップ部33から剥離する際には、シート片7aをそれぞれ引き剥がす。そのため、第2実施形態の保護シート7は第1実施形態の保護シート7と比較して、保護シート7を弱い力で引き剥がすことができるが、引き剥がし枚数が二倍になる。
第1実施形態のような一体の保護シート7を使用するか、第2実施形態のような分割されたシート片7aからなる保護シート7を使用するかは、剥離作業の容易性とシート片の枚数とを考慮して、直動案内装置の諸条件に応じて選択すればよい。
なお、この実施形態では、保護シート7を2分割した二枚のシート片7aで構成しているが、3分割以上にしてもよい。
また、図6に示すように、複数の保護シート7またはシート片7aを剥離紙等からなる台紙(予備シート)8に貼ったものを用意し、これを直動案内装置の近くや容易に取り出せる位置に配置しておくとよい。これにより、スライダ20を一旦案内レール10から外した後に、再度、スライダ20を案内レール10に戻す際に、手近な位置にある台紙8から保護シート7を剥離して使用することができる。
なお、台紙8には、保護シート7だけを貼り付けておいてもよいし、シート片7aだけを貼り付けておいてもよいし、保護シート7とシート片7aの両方を貼り付けておいてもよい。
[第3実施形態]
図7は、この発明の第3実施形態の直動案内装置を示す図であり、図8はその一部を示す側面図である。図9は図7のA−A断面図であって、案内レールと転動体を省略して示す図である。図10は、図7の直動案内装置を構成する保護シートを示す側面図である。図11は図7のB部分の拡大図であり、図12は図7のC部分の拡大図である。
この実施形態では、第1実施形態の保護シート7と一部構成が異なる保護シート7Aを使用するが、それ以外の構成と作用効果は第1実施形態と同一である。そのため、図7〜12に図1〜3と同様の符号を記し、重複した説明は省略する。
第3実施形態の直動案内装置では、図10に示すように、一方の面に直線状の切り込み71とV字状の切り込み72が形成されている保護シート7Aを使用する。
図11および図12に示すように、サイドシール3のリップ部33の案内レール10と摺接する先端ラインは、案内レール10の長手方向に垂直な断面形状に対応する複数の角部34a〜34eを有する。これらの角部34a〜34eに対応する位置に、切り込み71,72が形成されている。直線状の切り込み71は角部34a〜34c用であり、V字状の切り込み72は角部34d〜34e用である。
保護シート7Aは、切り込み71,72が形成されている側の面をリップ部33に向けて配置される。その際に、角部34a〜34cの位置には、切り込み71が開いて生じた二面と角部34a〜34cをなす面とで、空間37a〜37cが形成される。角部34d〜34eの位置には、V字状の切り込み72と角部34d〜34eをなす面とで、空間37d〜37eが形成される。なお、角部34d〜34eに沿わせて保護シート7Aを折り曲げるため、空間37d〜37eを形成している切り込み72のV字の角度は、折り曲げ前より小さくなっている。
保護シート7Aは、各空間37a〜37eに配置された剥離可能な(前述の所定の接着性能を有する)接着剤により、リップ部33の表面に接着されている。つまり、保護シート7Aは、直線状の切り込み71を開いた部分とV字状の切り込み72に剥離可能な接着剤を付けて、リップ部33の表面に剥離可能に接着することができる。図10に示す保護シート7Aは、一方の面に接着剤層を形成しなくても、リップ部33の表面に剥離可能に接着することができる。
なお、この実施形態の保護シート7Aも、第2実施形態と同様に、図10の中心線C等で分割された複数のシート片からなるものとしてもよい。
また、複数の保護シート7Aまたはそのシート片を剥離紙等からなる台紙(予備シート)8に貼ったものを用意し、これを直動案内装置の近くや容易に取り出せる位置に配置しておくとよい。
[第4実施形態]
直動案内装置の仮軸用アタッチメントの実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図13は、直動案内装置の構成を説明する斜視図であり、図14は、図13の直動案内装置を長手方向から見た正面図(ただし、エンドキャップを省略して図示している)である。なお、これ以降の各図においては、同一又は相当する部分には、同一の符号を付してある。さらに、これ以降の説明における上、下、左、右、縦、横等の方向を示す用語は、特に断りがない限り、説明の便宜上、図14におけるそれぞれの方向を意味する。
長手方向に延びる横断面形状略角形の案内レール1上に、スライダ2が案内レールの長手方向に相対移動可能に組み付けられている。スライダ2の横断面形状は略コ字状で、その内面の横断面形状は、案内レール1の外面の横断面形状に沿う形状とされている。この案内レール1の両側面11aには、長手方向に延びる2条の転動体軌道面110がそれぞれ形成されている。
また、スライダ2は、スライダ本体2Aと、スライダ移動方向(案内レールの長手方向)両端部に着脱可能に取り付けられたエンドキャップ2Bと、で構成されており、スライダ本体2Aの左右両袖部26の内側面には、案内レール1の転動体軌道面110に対向する2条の転動体軌道面111が形成されている。
そして、案内レール1の転動体軌道面110と両袖部26の転動体軌道面111とで、4つの転動体転動路が形成されている。これらの転動体転動路は長手方向に延びている。なお、案内レール1及びスライダ2が備える転動体軌道面110,111の数は、片側2条に限らず、例えば片側1条又は3条以上などであってもよい。
さらに、スライダ2は、スライダ本体2Aの左右両袖部26の上部及び下部に、転動体転動路と平行にスライダ移動方向に貫通する貫通孔からなる直線路(図示せず)を備えている。
一方、エンドキャップ2Bは、例えば合成樹脂の射出成形品からなり、断面形状が略コ字状に形成されている。エンドキャップ2Bは、スライダ本体2Aとの対向面(裏面)の左右両側に、転動体転動路とこれに平行な直線路とを連通させる半ドーナッツ状の湾曲路(図示せず)を有する。
スライダ本体2Aの直線路およびエンドキャップ2Bの湾曲路で、転動体3を転動体転動路の終点から始点へ送り循環させる転動体戻し路が構成され、この転動体戻し路と転動体転動路とで、略環状の転動体循環路が形成されている。この転動体循環路内には、例えば鋼製のころからなる多数の転動体3が転動自在に配置されていて、転動体3の転動を介してスライダ2が案内レール1に沿って長手方向に移動するようになっている。
なお、図14においては、転動体3はころとされているが、この発明は、転動体として玉を用いるタイプの直動案内装置にも適用可能である。
案内レール1に組み付けられたスライダ2を案内レール1に沿って長手方向に移動させると、転動体転動路内の転動体3は、転動体転動路内を転動しつつ案内レール1に対してスライダ2と同方向に移動する。
そして、転動体3が転動体転動路の終点に達すると、エンドキャップ2B内に備えられたタング部によって転動体転動路からすくい上げられ、湾曲路へ送られる。湾曲路に入った転動体3はUターンして直線路に導入され、直線路を通って反対側の湾曲路に至る。ここで再びUターンして転動体転動路の始点に戻り、このような転動体循環路内の循環を無限に繰り返す。
このような直動案内装置を射出成形機、工作機械(例えば各種研削機)、ロボットなどにボルトで固定できるようにするために、案内レール1に取付穴17が形成されている。取付穴71内にゴミ、塵埃等の異物が堆積すると、スライダ2が取付穴17の上方を通過する際にスライダ2の転動体軌道面111に異物が付着し、スライダ2の円滑な移動が妨げられるおそれがある。
そのため、例えば金属製や合成樹脂製のレールカバー18で案内レール1の上面11bのほぼ全面を覆って、取付穴17の上部の開口を塞いでいる。そして、レールカバー18の幅方向両端部18aは、案内レール1の両側面11aに沿うように下方に向けて折り曲げられている。
また、直動案内装置を射出成形機、工作機械(例えば各種研削機)、ロボットなどに取り付けて使用すると、案内レール1の転動体軌道面110やその他の露出面にゴミ、塵埃等の異物が堆積して転動体3の転動に支障をきたすおそれがある。そのため、エンドキャップ2Bには防塵埃用のサイドシール25が取り付けられている。
すなわち、スライダ2の移動方向両端部(各エンドキャップ2Bのスライダ移動方向端面)に、案内レール1の外面(上面11b及び両側面11a)に摺接する略板状のサイドシール25が装着されている。サイドシール25により、案内レール1とスライダ2との間の隙間の開口のうち、エンドキャップ2Bのスライダ移動方向端面に開口する部分がシールされ、この隙間への外部からの異物の侵入や、この隙間から外部への潤滑剤の流出が防止されている。
さらに、図14、15に示すように、スライダ本体2A及びエンドキャップ2Bには、左右両側の転動体軌道面111に沿ってインナーシール5が設けられている。すなわち、長手方向に延びるインナーシール5が、スライダ本体2A及びエンドキャップ2Bの内側面に、転動体軌道面111に沿うように取り付けられている。
そして、インナーシール5のリップ部7aが、案内レール1の側面11aに沿うように下方に向けて折り曲げられたレールカバー18の幅方向両端部18aに摺接するようになっている。このインナーシール5により、サイドシール25を越えてスライダ2内に侵入したゴミ、塵埃等の異物が、案内レール1の上面11b側から転動体軌道面110,111に侵入することが防止される。
このような直動案内装置を、案内レール1の長手方向端部からスライダ2を装着することにより組み立てる際には、スライダ2内に保持された転動体3が転動体軌道面111から脱落することを防止するために、案内レール1と略同一の形状に形成された合成樹脂製(又は金属製)の仮軸120にスライダ2を仮に組み付けた上で、図16に示すように、この仮軸120を案内レール1と同軸且つ一直線状に配置して、仮軸120上のスライダ2を案内レール1に向けて軸方向(長手方向)に移動させて案内レール1上に乗り移らせる。
また、仮軸120に組み付けられた状態でスライダ2が個別に供給される場合には、スライダ2が組み付けられている仮軸120を、案内レール1と同軸且つ一直線状に配置して、仮軸120上のスライダ2を案内レール1に向けて軸方向に移動させて案内レール1上に乗り移らせる。なお、図16においては、仮軸120上のスライダ2は省略されている。
ここで、仮軸120について説明する。この仮軸120は、直動案内装置用の案内レール1とほぼ同一の形状に形成されている。すなわち、仮軸120の軸方向に直交する平面で切断した場合の断面形状は、案内レール1のそれとほぼ同一の形状をなしている。ただし、案内レール1とは異なり、仮軸120はスライダ2を仮に組み付けておくためのものであるから、その軸方向の長さはスライダ2の長さよりも若干長ければ十分である。また、仮軸120の上面は機能上平面状である必要はないので、仮軸120の寸法精度を向上させるために、図示しない凹状の肉盗みが設けてある。
仮軸120上のスライダ2を案内レール1に向けて軸方向に移動させて案内レール1上に乗り移らせる際には、従来においては、サイドシール25や仮軸120に損傷が生じることがあった。そこで、本実施形態においては、サイドシール25、インナーシール、及び仮軸120に損傷が生じることを防止するために、図17、18に示すような略角柱状の仮軸用アタッチメント132を使用する。仮軸用アタッチメント132の軸方向に垂直な断面形状は、仮軸120と略同じである。
以下に、仮軸用アタッチメント132を使用してスライダ2を仮軸120から案内レール1上に乗り移らせる方法を、図16〜19を参照しながら説明する。まず、仮軸120の軸方向(長手方向)両端部のうち案内レール1の長手方向端部に対向して配される方の端部に、仮軸用アタッチメント132を同軸且つ一直線状をなすように取り付ける。仮軸用アタッチメント132は仮軸120に着脱可能に取り付けられることが好ましいが、取り外しできないように取り付けられてもよい。
なお、以降においては、仮軸120に仮軸用アタッチメント132を装着したものを仮軸セット134と記す。
次に、軸方向一端部を仮軸120に装着した仮軸用アタッチメント132の軸方向他端部を案内レール1の長手方向端部に対向させつつ、仮軸セット134を案内レール1と同軸且つ一直線状に配置する(図16を参照。ただし、図16の仮軸120を仮軸セット134に置き換えて参照のこと)。
次に、仮軸120上のスライダ2を案内レール1に向けて軸方向に移動させて、案内レール1上に乗り移らせる。このとき、仮軸セット134と案内レール1とは、接触させて配置してもよいし、若干の軸方向隙間をあけて配置してもよい。
なお、以降においては、仮軸用アタッチメント132の軸方向両端部のうち、仮軸120に取り付けられる側の軸方向端部を仮軸側端部41、案内レール1に対向する側の軸方向端部をレール側端部42と記す。すなわち、仮軸用アタッチメント132は、仮軸120に取り付けられる側の軸方向端部である仮軸側端部41と、前記案内レールの長手方向端部に対向する側の軸方向端部であるレール側端部42を有する。
この仮軸用アタッチメント132は、軸方向に垂直な断面の大きさが仮軸側端部41からレール側端部42に向かって滑らかに大きくなる全体形状を有する。また、仮軸用アタッチメント132の仮軸側端部41の断面の大きさは、仮軸120の軸方向端部(仮軸用アタッチメント132が取り付けられる側の端部)の断面の大きさと略同一である。
よって、仮軸用アタッチメント132のレール側端部42の断面の大きさは、仮軸側端部41の断面の大きさよりも大きい。なお、仮軸用アタッチメント132及び仮軸120の断面とは、特に断りがない限り、軸方向に垂直な断面(軸方向に直交する平面で切断した場合の断面)を意味する。
また、この仮軸用アタッチメント132の仮軸側端部41の断面形状は、仮軸120の軸方向端部(仮軸用アタッチメント132が取り付けられる側の端部)の断面形状と略同一であり、レール側端部42の断面形状は、仮軸120の軸方向端部の断面形状と略相似形である。
図17の例では、仮軸用アタッチメント132のレール側端部42と仮軸側端部41との間の中央部46の断面の大きさは、仮軸側端部41の断面の大きさと同一で、レール側端部42の断面の大きさのみが、仮軸側端部41の断面の大きさよりも大きくなっている。
さらに、仮軸用アタッチメント132のレール側端部42は、芯部44と、芯部44の外周に隙間を介して囲むように形成された薄板状の突出部45と、を備えている。すなわち、仮軸用アタッチメント132の中央部46の軸方向の一方から、レール側端部42を構成する芯部44および突出部45が突出している。また、突出部45の外周面は仮軸用アタッチメント132の中央部46の外周面と連続している。これらの外周面と仮軸側端部41の外周面が、仮軸用アタッチメント132の外周面を構成する。
さらに、薄板状の突出部45は、内方に向かって(すなわち芯部44に向かって)弾性変形可能となっている。よって、突出部45に外方から内方に向く応力が負荷された場合には、突出部45は内方に向かって湾曲するように弾性変形する。図18においては、仮軸用アタッチメント132の上面側の突出部45は下方に向かって変形し、右側面側の突出部45は左方に向かって変形し、左側面側の突出部45は右方に向かって変形する。底面側に突出部45は形成されていない。
突出部45の左面と右面に、軸方向に延びるスリット47が、周方向に沿って並ぶように複数形成されている。スリット47の軸方向一端は、突出部45の端部に開口している。このような構成であれば、突出部45がより弾性変形しやすくなる。スリット47の数は特に限定されるものではなく、1個でもよいが、複数形成した方がより弾性変形しやすくなる。
仮軸用アタッチメント132が上記のような構成を有しているため、仮軸120上のスライダ2を案内レール1上に乗り移らせる際に、サイドシール25、インナーシール5、及び仮軸120に損傷が生じることが防止される。この点について、以下に詳細に説明する。
仮軸120上のスライダ2を案内レール1に向けて軸方向に移動させることで、スライダ2が仮軸用アタッチメント132上に至ると、仮軸用アタッチメント132の断面の大きさは、仮軸側端部41からレール側端部42に向かって滑らかに大きくなっている。そのため、スライダ2が仮軸側端部41からレール側端部42に移動するにつれて、サイドシール25及びインナーシール5は仮軸用アタッチメント132の外周面に沿って、無理なく徐々に外方(仮軸用アタッチメント132から離れる方向)に広げられる。
図17の例であれば、スライダ2がレール側端部42上に移動したら、サイドシール25及びインナーシール5は、レール側端部42の外周面(突出部45)に沿って外方(仮軸用アタッチメント132から離れる方向)に広げられ始め、レール側端部42の最端部に近づくに従って、レール側端部42の外周面(突出部45)に沿ってさらに外方に広げられていく。
よって、スライダ2が仮軸セット134から案内レール1に乗り移る際に、サイドシール25及びインナーシール5と案内レール1の長手方向端面やレールカバー18の端面との接触が避けられる。よって、サイドシール25、インナーシール5、及びレールカバー18に損傷が生じることが抑制されるとともに、スライダ2を案内レール1に円滑に移動させることができる。
なお、図16から分かるように、レールカバー18と、レールカバー18から露出する案内レール1の上面1b又は側面1aと、により、段差130が形成されているが、「レールカバー18の端面」とは、この段差130の端面である。
また、仮軸用アタッチメント132の突出部45は、内方に向かって弾性変形可能となっているので、サイドシール25や転動体3からの応力を許容することができる。すなわち、サイドシール25や、予圧が付与されている転動体3から、仮軸用アタッチメント132に応力や予圧力が負荷されたとしても、突出部45の弾性変形により緩衝されるため、スライダ2が仮軸用アタッチメント132上を通過する際に突出部45が損傷することはほとんどない。
そのため、仮軸用アタッチメント132を形成する材料として鋼を使用する必要はなく、合成樹脂を使用することが可能である。よって、仮軸用アタッチメント132を簡易且つ低コストで製造することができる。
このように、仮軸用アタッチメント132を使用すれば、スライダ2を仮軸120から案内レール1に移動させる際に、サイドシール25、インナーシール5、及びレールカバー18の損傷を抑制することができる。また、スライダ2を仮軸120から案内レール1に移動させる際に仮軸120が損傷することを防止することができるため、仮軸用アタッチメント132自身の損傷も生じにくい。
なお、この実施形態は態様8の一例であって、例えば、突出部45に形成するスリット47の数は特に限定されるものではなく、図20に示すように、突出部45の上面と左面と右面とに多数のスリット47を形成してもよい。そうすれば、突出部45の弾性変形し易さがより高くなるので、サイドシール25や転動体3からの応力をより許容することができる。その結果、スライダ2が仮軸用アタッチメント132上を通過する際に、突出部45がより損傷しにくい。
また、仮軸用アタッチメント132と仮軸120との取り付け構造は、特に限定されるものではないが、単純な構造であることが好ましい。例えば、図17、19に示すように、仮軸用アタッチメント132の仮軸側端部41から軸方向に突出する略L字状の凸部51を、仮軸120の軸方向端部に設けられた、凸部51に対応する形状の凹部52に嵌め合わせる取り付け構造が好ましい。
この場合、仮軸120を仮軸アタッチメント132より上方に配置し、仮軸120の凹部52を上方から仮軸アタッチメント132の凸部51に被せて、凸部51と凹部52を嵌め合わせることにより、仮軸アタッチメント132を仮軸120に取り付けることができる。
なお、凸部51及び凹部52の形状は略L字状に限定されるものではない。
このような単純な構造であれば、凸部51及び凹部52を切削加工によって形成することができる。また、仮軸用アタッチメント132や仮軸120を合成樹脂の射出成形により製造する場合であれば、金型の構造が単純なものとなるので、製造コストを低く抑えることができる。さらに、金型の構造が単純であるため、成形品である仮軸用アタッチメント132や仮軸120を、高い寸法精度で成形することができる。
さらに、上記のような取り付け構造に加えて、図21に示すように、ボルト61を用いて仮軸用アタッチメント132と仮軸120を固定してもよい。上記取り付け構造とボルト61との両方により取り付ければ、仮軸用アタッチメント132と仮軸120をより強固に固定することができる。また、仮軸用アタッチメント132に貫通穴62を設け、仮軸120に雌ねじ63を設ければよいので、加工コストはそれほど上昇せず、より強固な固定を低コストで実現することができる。
さらに、仮軸用アタッチメント132の軸方向長さを仮軸セット134とほぼ同等の長さとすれば、仮軸用アタッチメント132単体で仮軸セット134と同様の機能を有することとなるので、仮軸120を必要としない。すなわち、仮軸120に仮軸用アタッチメント132を取り付けた仮軸セット134を使用するのではなく、仮軸120の軸方向一端に仮軸用アタッチメント132が一体に形成されているもの(弾性変形端部付き仮軸)を使用してもよい。その一例を図22に示す。
図22に示す弾性変形端部付き仮軸(長尺の仮軸用アタッチメント)135は、軸方向一端に弾性変形可能な突出部45が形成されている。弾性変形端部付き仮軸135を用いる場合、弾性変形端部付き仮軸135に、スライダ2を組み付け、弾性変形端部付き仮軸135から案内レール1にスライダ2を乗り移らせればよい。
弾性変形端部付き仮軸135を使用することにより、仮軸用アタッチメント132を仮軸120に取り付ける工程を省略することができるとともに、仮軸用アタッチメント132と仮軸120との結合構造が不要なため、コスト低減が可能である。
[第5実施形態]
態様11の仮軸アタッチメントの実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、態様11の仮軸アタッチメントの特徴は、材質を弾性材料とすることで、仮軸から案内レールにスライダを挿入する際にシール先端部の損傷を防止した点にある。この特徴部分以外の構造は、従来から知られている直動案内装置の構造とほぼ同様であるから、従来と同様に構成する部分に関しては、第4実施形態の図13〜15を参照するとともに、説明を省略又は簡略にし、特徴部分を中心に説明する。
本実施形態においては、サイドシール25、インナーシール5に損傷が生じることを防止するために、図23に示すような略角柱状の仮軸アタッチメント132Aを、仮軸120に取付けている。仮軸120については、第4実施形態で説明されているので、ここでは説明を省略する。仮軸用アタッチメント132Aの軸方向に垂直な断面形状は、仮軸120と略同じである。
以下に、仮軸アタッチメント132Aを使用してスライダ2を仮軸120から案内レール1上に乗り移らせる方法を、図23〜25を参照しながら説明する。まず、仮軸120の軸方向両端部のうち案内レール1の軸方向端部に対向して配される方の軸方向端部に、仮軸アタッチメント132Aを同軸且つ一直線状をなすように取り付ける。仮軸アタッチメント132Aは仮軸120に着脱可能に取り付けられることが好ましいが、取り外しできないように取り付けられてもよい。
なお、以降においては、仮軸120に仮軸アタッチメント132Aを装着したものを仮軸セット134Aと記す。
次に、軸方向一端部を仮軸120に装着した仮軸アタッチメント132Aの軸方向他端部を案内レール1の軸方向端部に対向させつつ、仮軸セット134Aを案内レール1と同軸且つ一直線状に配置する(図25参照)。そして、仮軸120上のスライダ2(不図示)を案内レール1に向けて軸方向に移動させて、案内レール1上に乗り移らせる。このとき、仮軸セット134Aと案内レール1とは、接触させて配置してもよいし、若干の軸方向隙間をあけて配置してもよい。
なお、以降においては、仮軸アタッチメント132Aの軸方向両端部のうち、仮軸120に取り付けられる側の軸方向端部を仮軸側端部41、案内レール1に対向する側の軸方向端部をレール側端部42と記す。すなわち、仮軸用アタッチメント132Aは、仮軸120に取り付けられる側の軸方向端部である仮軸側端部41と、前記案内レールの長手方向端部に対向する側の軸方向端部であるレール側端部42を有する。
この仮軸アタッチメント132Aは、軸方向に垂直な断面の大きさが、仮軸側端部41からレール側端部42に向かって滑らかに大きくなる全体形状を有する。また、仮軸アタッチメント132Aの仮軸側端部41の断面の大きさは、仮軸120の軸方向端部(仮軸アタッチメント132Aが取り付けられる側の端部)の断面の大きさと略同一とされている。
よって、仮軸アタッチメント132Aのレール側端部42の断面の大きさは、仮軸側端部41の断面の大きさよりも大きい。なお、仮軸アタッチメント132A及び仮軸120の断面とは、特に断りがない限り、軸方向に垂直な断面(軸方向に直交する平面で切断した場合の断面)を意味する。
また、この仮軸アタッチメント132Aの仮軸側端部41の断面形状は、仮軸120の軸方向端部(仮軸アタッチメント132Aが取り付けられる側の端部)の断面形状と略同一であり、レール側端部42の断面形状は、仮軸120の軸方向端部の断面形状と略相似形である。
図24の例では、仮軸アタッチメント132Aのレール側端部42と仮軸側端部41との間の中央部46の断面の大きさは、仮軸側端部41の断面の大きさbと同一で、レール側端部42の断面の大きさaのみが、仮軸側端部41の断面の大きさbよりも大きくなっている(a>b)。
さらに、仮軸アタッチメント132Aのレール側端部42は、弾性材料であるゴムにより形成された突出部45を備えている。すなわち、仮軸アタッチメント132Aのレール側端部42寄りで、仮軸側端部41よりも断面の面積が大きくなっている部分は、ゴム(弾性材料)からなる。また、突出部45の外周面は仮軸アタッチメント132Aの中央部46の外周面と連続している。
従って、ゴム製の突出部45は、内方に向かって弾性変形可能となっており、突出部45に外方から内方に向く応力が負荷された場合には、突出部45は内方(中心部)に向かって弾性変形する。すなわち、仮軸アタッチメント132Aの上面側の突出部45は下方に向かって弾性変形し、右側面側の突出部45は左方に向かって弾性変形し、左側面側の突出部45は右方に向かって弾性変形する。
使用可能なゴムとしては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴムなどが挙げられる。このうち、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴムは、耐摩耗性に優れたゴムである。また、ブタジエンゴムは反発弾性が高いゴムである。
仮軸アタッチメント132Aを繰り返し使用できるように、ゴム製の突出部45には耐摩耗性が必要である。また、スライダが突出部45を通過した後に突出部45の弾性変形が直ぐに解消された方が好ましいため、突出部45は反発弾性が高いゴムで形成されていることが好ましい。よって、突出部45はブタジエンゴムで形成されていることが好ましい。
仮軸アタッチメント132Aが上記のような構成を有しているため、仮軸120上のスライダ2を案内レール1上に乗り移らせる際に、サイドシール25、インナーシール5に損傷が生じることが防止される。
仮軸120上のスライダ2を案内レール1に向けて軸方向に移動させ、スライダ2が仮軸用アタッチメント32上に至ると、仮軸用アタッチメント32の断面の大きさは、仮軸側端部41からレール側端部42に向かって滑らかに大きくなっているので、スライダ2が仮軸側端部41からレール側端部42に移動するにつれて、サイドシール25及びインナーシール5は仮軸アタッチメント132Aの外周面に沿って、無理なく徐々に外方(仮軸アタッチメント132Aから離れる方向)に広げられる。
図24の例であれば、スライダ2(不図示)がレール側端部42上に移動したら、サイドシール25及びインナーシール5はレール側端部42の外周面(突出部45)に沿って外方(仮軸アタッチメント132Aから離れる方向)に広げられ始め、レール側端部42の最端部に近づくに従って、レール側端部42の外周面(突出部45)に沿ってさらに外方に広げられていく。
よって、スライダ2が仮軸セット134Aから案内レール1に乗り移る際に、サイドシール25及びインナーシール5と案内レール1の軸方向端面との接触が避けられるので、サイドシール25、インナーシール5に損傷が生じることが抑制されるとともに、スライダ2を案内レール1に円滑に移動させることができる。
また、仮軸アタッチメント132Aの突出部45は内方に向かって弾性変形可能となっているので、サイドシール25や転動体3からの応力を許容することができる。すなわち、サイドシール25や、予圧が付与されている転動体3から仮軸アタッチメント132Aに応力や予圧力が負荷されたとしても、突出部45の弾性変形により緩衝されるため、スライダ2が仮軸アタッチメント132A上を通過する際に突出部45が損傷することはない。また、突出部45の全体が弾性変形するので、均等且つ安定した弾性力を得ることができる。
なお、仮軸アタッチメント132Aの材質は、ゴムに限定されるものではなく、弾力性を有する材料であればよい。また、突出部45のみを弾性材料としたり、仮軸アタッチメント132Aの全体を弾性材料で形成することもできる。仮軸アタッチメント132Aの全体をゴムにより形成すれば、簡単且つ低コストで製造することができる。
ゴム以外の弾性材料としては、熱可塑性エラストマが挙げられる。熱可塑性エラストマの種類としては、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系、ポリブタジエン系等がある。これらのうち、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマは、耐摩耗性に優れ、反発弾性も高いため、突出部45をポリブタジエン系熱可塑性エラストマ製とすることが好ましい。これにより、スライダが突出部45を通過した後に突出部45の弾性変形が直ぐに解消される。
また、仮軸アタッチメントを用いて、転動体が組み込まれたスライダを仮軸から案内レールに取り付ける作業は、直動案内装置の使用環境で行われる。そのため、仮軸アタッチメント132Aを構成する弾性材料を直動案内装置の使用環境に応じて選択することが好ましい。直動案内装置の使用環境が、耐薬品性または耐油性が必要な環境であれば、耐薬品性または耐油性に優れた熱可塑性エラストマを使用することが好ましく、振動を発する周辺機器の近くであれば、振動吸収性が高いゴムを使用することが好ましい。
このように、仮軸アタッチメント132Aを使用すれば、スライダ2を仮軸120から案内レール1に移動させる際に、サイドシール25、インナーシール5の損傷を抑制することができる。また、スライダ2を仮軸120から案内レール1に移動させる際に仮軸120及び仮軸アタッチメント132Aが損傷することを防止することができる。
また、仮軸アタッチメント132Aと仮軸120との取り付け構造は、特に限定されるものではないが、単純な構造であることが好ましい。例えば、図23に示すように、仮軸アタッチメント132Aの仮軸側端部41から軸方向に突出する略L字状の凸部51を、仮軸120の軸方向端部に設けられた、凸部51に対応する形状の凹部52に嵌め合わせる取り付け構造が好ましい。
この場合、仮軸120を仮軸アタッチメント132Aより上方に配置し、仮軸120の凹部52を上方から仮軸アタッチメント132Aの凸部51に被せて、凸部51と凹部52を嵌め合わせることにより、仮軸アタッチメント132Aを仮軸120に取り付けることができる。
なお、凸部51及び凹部52の形状は略L字状に限定されるものではない。
このような単純な構造であれば、仮軸アタッチメント132Aを製造する場合に、金型の構造が単純なものとなるので、製造コストを低く抑えることができる。
さらに、上記のような取り付け構造に加えて、図26に示すように、ボルト61を用いて仮軸アタッチメント132Bと仮軸120を固定してもよい。上記取り付け構造とボルト61との両方により取り付ければ、仮軸アタッチメント132Bと仮軸120をより強固に固定することができる。また、仮軸アタッチメント132Bに貫通孔62を設け、仮軸120に雌ねじ63を設ければよいので、加工コストはそれほど上昇せず、より強固な固定を低コストで実現することができる。
また、図27に示すように、仮軸アタッチメント132Cの仮軸側端部41から軸方向に突出する円柱状の凸部53を、仮軸120の軸方向端部に設けられた、凸部53に対応する形状の凹部54に嵌め合わせる取り付け構造としてもよい。
図28に示すように、凸部53の基端には周溝部53aが形成され、凹部54の開口には小径部54aが形成されている。凸部53の直径A1は小径部54aの直径A2より大きい。周溝部53aの直径A3は小径部54aの直径A2より僅かに小さい。凸部53と周溝部53aで形成される段差と、凹部54と小径部54aとで形成される段差との寸法差は、公差の範囲内となるように設計されている。また、凸部53は仮軸アタッチメント132Cと一体にゴムで形成されている。
このような構造であれば、凸部53が弾性変形状態で小径部54aを通ってから凹部54内に入り、小径部54aに周溝部53aが入るため、仮軸120と仮軸アタッチメント132Cを強固に固定することができる。
なお、図23に示す取り付け構造においても、凸部51および凹部52を上記の凸部53および凹部54と同様の形状および寸法関係とすることで、仮軸120と仮軸アタッチメント132Aをより強固に固定することができる。
[第1〜第3実施形態の符号]
10 案内レール
10a 案内レールの上面(背面)
10b 案内レールの側面
20 スライダ
21 スライダ本体
22 エンドキャップ
30 サイドシール
33 リップ部
33a 下向きリップ
33b 横向きリップ
34a〜34e リップ部の案内レールと摺接する先端ラインが有する角部
5 インナーシール
6 アンダーシール
7 保護シート
7A 保護シート
7a シート片
71,72 切り込み
8 台紙
[第4および第5実施形態の符号]
1 案内レール
11a 案内レールの側面
11b 案内レールの上面
2 スライダ
2A スライダ本体
2B エンドキャップ
3 転動体
25 サイドシール
26 袖部
5 インナーシール
110 案内レールの転動体軌道面
111 スライダの転動体軌道面
120 仮軸
132 仮軸アタッチメント
132A 仮軸アタッチメント
132B 仮軸アタッチメント
132C 仮軸アタッチメント
134 仮軸セット
134A 仮軸セット
41 仮軸側端部
42 レール側端部
45 突出部
51 凸部
52 凹部
53 凸部
54 凹部
61 ボルト
62 貫通孔
63 雌ねじ

Claims (5)

  1. 案内レールと、スライダと、複数の転動体とからなり、
    前記案内レールは、長手方向に延びる転動体転動面を外面に有し、
    前記スライダは、前記案内レールの転動体転動面に対向して形成された転動体転動面を有し、前記案内レールに、前記転動体を介して、前記長手方向に沿って相対移動可能に跨架され、
    前記案内レールの背面と両側面に摺接するリップ部を有するサイドシールが、前記スライダの移動方向端部に、前記案内レールと前記スライダとの間に形成された空隙部を封止するように取り付けられている直動案内装置において、
    前記リップ部の前記案内レールとの摺接面全体が保護シートで覆われ、前記保護シートは剥離可能な接着剤で前記リップ部の表面に接着されていることを特徴とする直動案内装置。
  2. 前記リップ部の前記案内レールと摺接する先端ラインは、前記案内レールの長手方向に垂直な断面形状に対応する複数の角部を有し、
    前記保護シートの片面には、前記複数の角部に対応する位置に切り込みが形成され、
    前記保護シートは、前記切り込みが形成されている側の面を前記リップ部に向けて、前記切り込みと前記リップ部とで形成された空間に配置された剥離可能な接着剤により、前記リップ部の表面に接着されている請求項1記載の直動案内装置。
  3. 前記保護シートは、前記リップ部の前記案内レールと摺接する先端ラインに沿わせる方向で分割された複数のシート片からなる請求項1または2記載の直動案内装置。
  4. 案内レールと、スライダと、複数の転動体とからなり、前記案内レールは、長手方向に延びる転動体転動面を外面に有し、前記スライダは、前記案内レールの転動体転動面に対向して形成された転動体転動面を有し、前記案内レールに、前記転動体を介して、前記長手方向に沿って相対移動可能に跨架され、前記案内レールの背面と両側面に摺接するリップ部を有するサイドシールが、前記スライダの移動方向端部に、前記案内レールと前記スライダとの間に形成された空隙部を封止するように取り付けられている直動案内装置の、前記リップ部の前記案内レールとの摺接面を保護する保護シートであって、
    前記リップ部の前記案内レールと摺接する先端ラインの長さ以上の長さと、前記リップ部の前記移動方向の寸法以上の幅を有することを特徴とするサイドシールリップ部の保護シート。
  5. 前記リップ部に対して剥離可能な接着剤を一方の面に有する請求項4記載の保護シート。
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