以下、一実施形態の構成を図1ないし図8を参照して説明する。
図1ないし図8において、11は電気掃除機としてのスティック型(縦型)電気掃除機(以下、単に掃除機11という)を示し、この掃除機11は、図示しない置き台である充電装置(充電台)とともに、電気掃除装置を構成するものである。
そして、この掃除機11は、図4ないし図8に示すように全体を動かしながら使用する形態と、図2および図3に示すように一部を肩掛けなどして持ち運びながらハンディ型電気掃除機のように使用する形態とを選択的に切り換えできるものである。
図1ないし図8に示すように、掃除機11は、含塵空気を吸い込む風路体15と、この風路体15が接続された本体部16とを備えている。なお、以下、上下方向は掃除機11を被掃除面上に載置した状態を基準とする。すなわち、図2などに示す矢印U方向が本実施形態の上方向、矢印D方向が本実施形態の下方向となる。
風路体15は、上流側(前端側)を構成するアタッチメント部18と、このアタッチメント部18が接続されて下流側(後端側)を構成するホース部19とを備えている。
アタッチメント部18は、掃除の形態に応じてホース部19に対して適宜着脱されるものであり、任意の形態とすることができるが、例えば本実施形態では吸込口体としての床ブラシ21と、この床ブラシ21を上流端である前端に着脱可能な直管長尺状の延長管22とを備えている。
床ブラシ21は、吸込具、吸込ノズル、吸込ヘッドなどとも呼ばれるもので、左右幅方向に沿って長手状、すなわち横長のケース体24と、このケース体24の後部に回転可能に接続された回転管25とを備えている。そして、ケース体24には、被掃除面に対向する下面に図示しない吸塵口が開口され、回転管25は、ケース体24に対して上下方向や軸回り方向などに回動可能に軸支されており、吸塵口と連通している。なお、吸塵口には、例えばモータなどの駆動手段によって駆動される回転清掃体としての回転ブラシを配置してもよい。
延長管22は、上流端部である前端部に吸込口部27を備え、下流端部である後端部に接続口部28を備えている。なお、この延長管22は、複数の直管状の延長管部材を摺動可能に連結するなどの構成として伸縮可能とすることもできる。
吸込口部27は、硬質の部材である合成樹脂などにより円筒状(直管状)に形成されている。この吸込口部27には、上流端部である前端部に、延長管用清掃部材であるブラシ毛31aを備えた清掃体部としてのブラシ毛部31が上下方向に回動可能に取り付けられている。そして、この吸込口部27には、床ブラシ21を着脱可能に係止保持するクランプ部32が設けられている。
接続口部28は、アタッチメント部18(延長管22)をホース部19に接続する際にこのホース部19の前端部に挿入される部分である。
また、ホース部19は、この接続口部28が挿入接続される吸込口体部34と、この吸込口体部34の下流側(後端側)に連通接続された伸縮可能なホース体35とを有している。
吸込口体部34は、例えばホース体35よりも硬質の部材である合成樹脂などにより円筒状(直管状)に形成されている。この吸込口体部34には、上流端部である前端部に、ブラシ毛37aを備えた清掃部としてのブラシ部37が上下方向に回動可能に取り付けられ、後端部に、風路体15を本体部16と別個に操作する際の把持操作用のハンドル38が同軸状に突設されているとともにこのハンドル38の下部にホース体35と連通する接続部39が分岐されて突設されている。そして、この吸込口体部34には、アタッチメント部18を着脱可能に係止保持する保持クランプ40が設けられている。
ハンドル38は、風路体15の先端側(上流側)の位置を移動操作するもので、ホース体35よりも硬質の合成樹脂などの部材により前後方向に沿って長尺の円柱(円筒)状、すなわち軸状に形成されており、前端部が吸込口体部34に一体に連続する連続部43、この連続部43の後端部が把持用の被把持部44、および、この被把持部44の後端部が本体部16に対して着脱可能な連結部45となっている。すなわち、このハンドル38には、被把持部44を挟んで、前端に連続部43が位置し、後端に連結部45が位置している。したがって、風路体15は、ホース体35の下流端部と異なる位置、本実施形態ではホース体35の上流側に分岐するハンドル38の後端部の連結部45の位置で本体部16に対して着脱可能となっている。そして、このハンドル38には、このハンドル38を本体部16に対して着脱可能に係止する係止体としてのクランプ体46が設けられている。
被把持部44は、ホース体35の上方に、このホース体35に対して略平行に前後方向に沿って位置している。換言すれば、被把持部44は、ホース体35と上下に並んで位置している。すなわち、この被把持部44は、上方から見て、ホース体35に重なって位置している。
連結部45は、被把持部44に対して後方に向けて拡開状に傾斜して設けられている。この連結部45には、本体部16に対して挿入接続される円筒状の接続凸部48が後方に向けて突設されている。
クランプ体46は、前後方向に沿って長手状に形成されており、ハンドル38に沿ってこのハンドル38の内部に配置されている。このクランプ体46は、長尺状に位置する係止体本体としてのクランプ体本体46aと、このクランプ体本体46aの後方に位置する動作部としての回動部46bと、クランプ体本体46aを後方に向けて付勢する付勢手段としてのコイルばね46cと、回動部46bの後部側を上方に向けて付勢する動作部付勢手段としてのコイルばね46dとを備えている。
クランプ体本体46aは、被把持部44の前方の連続部43ないし被把持部44の後方の連結部45に亘ってハンドル38内に前後方向に沿って位置し、前後方向にスライド可能となっている。また、このクランプ体本体46aの前端部の上部には、操作用の操作部(操作レバー)46eが設けられており、この操作部46eが、ハンドル38の上部に露出して被把持部44を把持した手H1の親指Tによって操作可能となっている。さらに、このクランプ体本体46aの後端部の上部には、回動部46bを回動させるための連動部46fが後方に向けて上方に徐々に傾斜して形成されている。
回動部46bは、上下方向に回動可能に設けられており、前端部がクランプ体本体46aの連動部46fの上部に重ねられ、後端部に、本体部16に係止される係止部としての爪部46gが位置している。この爪部46gは、連結部45の接続凸部48の上部の位置に、上方に向けて突出しており、この接続凸部48の上部に庇状に設けられた覆い部49によって上方が覆われている。また、この回動部46bは、コイルばね46dの付勢により、爪部46gが上方へと突出する方向に付勢されている。
そして、クランプ体46は、操作部46eをハンドル38の本体部16からの取り外し方向である前方へとスライド操作することで、一体に前方に移動したクランプ体本体46aの連動部46fの傾斜によって回動部46bの前端部が押し上げられ、この回動部46bの後端部の爪部46gが相対的に下方へと回動して、本体部16への係止を解除可能となっている。
また、接続部39は、ホース体35とハンドル38とを分岐するもので、吸込口体部34の軸方向に対して鋭角状に交差する方向に沿って軸方向が傾斜した直管状となって吸込口体部34と一体に設けられており、ホース体35の上流端部が挿入されて気密に接続されている。この接続部39は、ハンドル38の連続部43の下方に位置している。
また、ホース体35は、例えば可撓性を有する合成樹脂などにより蛇腹状に形成されて伸縮自在となっており、下流側である一端側すなわち後端側が本体部16と気密に接続され、上流側である他端側すなわち前端側が接続部39に保持されて吸込口体部34(アタッチメント部18)と気密に接続されている。
一方、本体部16は、構造的には、本体ケース51と、この本体ケース51の下部に着脱可能な塵埃収容体としてのカップ部である略有底円筒状の集塵カップ52とを備えている。この本体部16の内部には、電動送風機53が収容されているとともに、この電動送風機53により風路体15を介して吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離捕集する集塵部54が設けられている。
本体ケース51は、例えば合成樹脂などにより前後方向に沿って長手状に形成されたケース本体73を備えている。このケース本体73は、複数のケース部を組み合わせて形成されており、上部に、肩掛け用の図示しないベルト(ショルダーベルト)が挿通されるベルト取付開口76,76が開口され、下部に、集塵カップ52を着脱可能な取付開口部77が開口されている。また、このケース本体73の前端部には、風路体15のハンドル38が着脱可能に接続される保持受部78と、ホース体35の後端部(下流端部)が接続される風路体接続部79とが上下に突設されている。さらに、このケース本体73の後端部には、把持用の本体用ハンドル80が突設されている。そして、このケース本体73の内部には、電動送風機53などが収容されている。
ベルト取付開口76,76は、ケース本体73の上部の前後に離間されて開口されており、これらベルト取付開口76,76にベルトの両端をループ状に引っ掛けることにより、ベルトを肩掛けして本体部16を保持できるようになっている。
取付開口部77は、集塵カップ52が着脱されることで開閉される部分であり、前後方向に沿って長手状に形成され、風路体接続部79の後方に位置している。
保持受部78は、前後方向および水平方向に沿って軸方向を有する、すなわち前方に開口した円筒状に形成されており、電動送風機53の前方で、かつ、風路体接続部79の上方(直上)に位置している。この保持受部78には、風路体15の接続凸部48および覆い部49が挿入される挿入開口部85と、この挿入開口部85の内部に位置してクランプ体46の爪部46gが下方から挿入係止される係合受部86とがそれぞれ凹設されている。
風路体接続部79は、前後方向および水平方向に沿って軸方向を有する、すなわち前方に開口した円筒状に形成されており、電動送風機53の前方下側で、かつ、保持受部78の下方(直下)に位置している。また、この風路体接続部79には、ホース体35の後端部が前方から挿入されて着脱不可能に固定されている。ここで、ホース体35の後端部が風路体接続部79に対して着脱不可能であるとは、風路体接続部79を分解などしない限りホース体35の後端部を風路体接続部79から取り外しできないことを言うものとする。そして、この風路体接続部79の後端部には、円筒状の図示しないシール部が同軸状に取り付けられている。このシール部は、弾性変形可能な部材により形成され、取付開口部77に取り付けられた集塵カップ52の前端部(上流端部)に圧接されて風路体15(ホース体35)と集塵カップ52(集塵部54)とを気密に接続するものである。
また、本体用ハンドル80は、本体部16(ケース本体73)の後部の位置に、この本体部16の上下に亘って上下方向に沿って形成され、本体部16(ケース本体73)の長手方向と交差(直交)する左右方向に開口するようにループ状となっている。すなわち、この本体用ハンドル80は、把持によって本体部16を重力方向に支持可能な縦型となっている。このため、この本体用ハンドル80は、本体部16(保持受部78)に対して接続されたハンドル38の軸心Lと交差する位置にて、ハンドル38の本体部16からの取り外し方向(前方向)と反対側である本体部16(本体ケース51(ケース本体73))の後側の位置に配置されている。すなわち、この本体用ハンドル80は、軸心Lと交差する位置を把持することが可能となっている。換言すれば、この本体用ハンドル80を把持した手H2の前方延長上に沿って本体部16(保持受部78)に対して接続されたハンドル38が位置するようになっている。そして、この本体用ハンドル80の上部には、この本体用ハンドル80を把持した手H2で使用者が電動送風機53の動作などを設定するための設定ボタン89が互いに前後方向に沿って離間されて複数配置されている。
また、集塵カップ52は、有底円筒状に形成され、集塵部54の一部をなして塵埃を内部に収容可能となっている。そして、この集塵カップ52は、前方に突設された導入部113と、後部に位置して集塵カップ52を本体ケース51に対して係止する係止手段としてのクランプ117とを備え、本体ケース51の取付開口部77に対して着脱可能となっている。そして、この集塵カップ52は、導入部113の前端部が風路体接続部79の後端部のシール部に圧接されることにより、風路体15と気密に接続されるようになっている。
電動送風機53は、吸込側を上側として集塵カップ52の直上に同軸状に配置されている。そして、この電動送風機53は、ケース本体73内に収容された二次電池174からの給電により駆動することで負圧を発生させて含塵空気を吸い込むとともに、その動作が、ケース本体73内に収容された図示しない本体制御部によって制御されるようになっている。
ここで、二次電池174は、電動送風機53、本体制御部、および、風路体15側などへと給電する電池パックであり、例えば電動送風機53の後方で、かつ、本体用ハンドル80の前方の位置であるケース本体73の後端部に収容されている。したがって、この二次電池174は、本体部16(保持受部78)に対して接続されたハンドル38の軸心Lと交差する位置に配置されている。すなわち、本体部16(保持受部78)に対して接続されたハンドル38の軸心L上に、電動送風機53および二次電池174などの重量物と、本体部16を支持する本体用ハンドル80とが前後方向に沿って並んで位置している。そして、この二次電池174は、ケース本体73の前端部の一側部から前方に向けて突出する充電端子176を介して充電装置と電気的および機械的に接続され、この充電装置を介して必要に応じて充電可能となっている。
また、本体制御部は、例えばマイコンなどを備えており、電動送風機53を導通角制御して、この電動送風機53を所定の動作モードで動作させたり停止させたりすることが可能となっている。
そして、集塵部54は、例えば本実施形態では遠心分離により塵埃を分離して集塵カップ52の内部に捕集するようになっているが、例えばろ過分離、あるいは直進分離(慣性分離)など、任意の方法で塵埃を分離して捕集する構成としてもよい。
次に、上記一実施形態の動作を説明する。
掃除を開始する際には、まず、集塵カップ52を予め本体ケース51の取付開口部77に気密に取り付けておく。なお、集塵カップ52が既に取り付けられた状態である場合、この作業は不要である。
そして、掃除機11は、例えば、室内の床面などの被掃除面の比較的広い面積を掃除する場合には、図4および図5に示すように、風路体15のハンドル38の後端部を本体部16に対して保持受部78の位置で装着し、本体用ハンドル80を把持して全体を動かしながら掃除をする。
このとき、ハンドル38の後端部の連結部45を本体部16の保持受部78に対して位置合わせしつつ前方から挿入嵌合することで、接続凸部48および覆い部49が保持受部78の挿入開口部85に相対的に挿入されるとともに、係合受部86にクランプ体46の爪部46gが挿入係止されて、連結部45の位置で風路体15が本体部16に保持される(図1(a))。この状態で、図4および図5に示すように、ハンドル38が前後方向に沿って位置し、このハンドル38と同軸状の吸込口体部34が前後方向に沿って直管状に位置することにより、風路体15は、吸込口体部34およびハンドル38が略一直線上に位置し、かつ、吸込口体部34から下方に分岐したホース体35の後端部(下流端部)が、ハンドル38よりも下方の風路体接続部79にて本体部16に対して接続された状態となる。この結果、ホース体35が上流側から下流側へと、上側から下側に緩やかに屈曲した状態に保形され、風路体15が集塵カップ52へと、上下左右に急峻に屈曲することなく基本的に前後方向に沿って略直線状に連通する。このため、風路体15内での圧力損失が少なく、空気および塵埃が内部を通りやすくなる。すなわち、風路体15は、ハンドル38の後端部とホース体35の後端部との位置で、換言すれば上下に並んだ位置でそれぞれ本体部16の前端部に対して機械的に接続され、ホース体35の後端部(下流端部)の位置で集塵カップ52と連通する。
また、風路体15は、必要に応じてアタッチメント部18を取り付ける。この場合には、例えば吸込口体部34の上流端部である前端部に延長管22の接続口部28を挿入接続するとともに、延長管22の吸込口部27の上流端部である前端部に対して床ブラシ21の回転管25を挿入接続する。このとき、保持クランプ40の作用により延長管22が吸込口体部34に気密に接続された状態で係止保持されるとともに、クランプ部32の作用により床ブラシ21が延長管22に気密に接続された状態で係止保持される。
そして、使用者が本体用ハンドル80を把持しつつ設定ボタン89を操作することで、電動送風機53が所望の動作モードで駆動し、この電動送風機53の駆動により生じた負圧が、集塵カップ52、風路体接続部79、ホース体35、吸込口体部34およびアタッチメント部18を介して床ブラシ21の吸塵口に作用するので、使用者は、被掃除面上に載置した床ブラシ21を掃除機11全体とともに被掃除面上で前後に交互に走行させながら被掃除面の電動送風機53の負圧の作用によって吸塵口から空気とともに塵埃を吸い込む。また、使用者は、必要に応じて、床ブラシ21の回転ブラシを回転駆動させることで、被掃除面の塵埃を掻き取ったり、被掃除面を磨いたりするなどの掃除補助を行う。
また、例えば家具と壁部との間など、床ブラシ21を挿入することができない狭い隙間を掃除するなどの必要に応じて、床ブラシ21を延長管22から取り外して用いることも可能である(図6)。この場合には、保持クランプ40を操作することで床ブラシ21の係止を解除して延長管22から取り外す。そして、使用者は、延長管22の前端部の吸込口部27のブラシ毛部31などを用いながら、この吸込口部27から同様に空気とともに塵埃を吸い込んで被掃除面を掃除する。
一方、例えば、テーブルの上や被掃除面の比較的狭い面積などを掃除する場合には、図4ないし図6に示す状態から、図7に示すように、風路体15においてアタッチメント部18(延長管22および床ブラシ21)を取り外して、本体用ハンドル80を把持して全体を動かしながら掃除をする。
このとき、アタッチメント部18(延長管22)は、保持クランプ40を操作することで吸込口体部34から取り外される。そして、使用者は、本体用ハンドル80を把持して掃除機11全体を持ち運びながら、吸込口体部34のブラシ部37などを用いて、この吸込口体部34から空気とともに塵埃を吸い込んで掃除をする。
また、このとき、被掃除面の種類などの必要に応じて、床ブラシ21のみを吸込口体部34に取り付けて用いることも可能である(図8)。この場合には、床ブラシ21の回転管25を吸込口体部34に上流側から挿入することで、保持クランプ40の作用によって床ブラシ21が吸込口体部34に対して気密に接続された状態で保持される。そして、使用者は、被掃除面上に載置した床ブラシ21を掃除機11全体とともに被掃除面上で前後に交互に走行させながら被掃除面の電動送風機53の負圧の作用によって吸塵口から空気とともに塵埃を吸い込む。また、使用者は、必要に応じて、床ブラシ21の回転ブラシを回転駆動させることで、被掃除面の塵埃を掻き取ったり、被掃除面を磨いたりするなどの掃除補助を行う。
さらに、例えば、天井などの相対的に高い位置を掃除する場合には、図6に示す状態から、図2に示すように、ハンドル38を把持して風路体15を本体部16から取り外し、本体用ハンドル80によって本体部16を持ち運んだり、ベルト取付開口76,76間に引っ掛けたベルトを肩掛けして本体部16を持ち運んだりしつつ、ハンドル38によって本体部16に対して風路体15のホース体35を伸張(伸縮)させながら風路体15の位置を操作して、延長管22の前端部の吸込口部27により掃除をする。
また、例えば、テレビなどの設置物の裏、車両のシート、あるいは階段など、使用者の手元に近い位置を掃除する場合には、図3に示すように、図2に示す状態からさらに延長管22を取り外し、本体用ハンドル80によって本体部16を持ち運んだり、ベルト取付開口76,76間に引っ掛けたベルトを肩掛けして本体部16を持ち運んだりしつつ、ハンドル38によって本体部16に対して風路体15のホース体35を伸張(伸縮)させながら風路体15の位置を操作して、吸込口体部34により掃除をする。
これらの図2および図3に示す掃除形態の場合には、風路体15をハンドル38の位置で本体部16から取り外す。このとき、使用者はまず一方の手H2で本体用ハンドル80を把持して本体部16を固定しつつ、他方の手H1でハンドル38の被把持部44を把持して、この被把持部44を把持した手H1の親指Tをクランプ体46の操作部46eに掛けて、この操作部46eをハンドル38の取り外し方向と同方向である前方にスライドさせながらハンドル38を前方へと引っ張る。クランプ体46では、操作部46eが一体に設けられたクランプ体本体46aがコイルばね46cの付勢に抗して前方へとスライドし、このクランプ体本体46aの後端部に一体に設けられた連動部46fが前方へと移動することで、この連動部46f上に係合された回動部46bの前端部が、連動部46fの傾斜に沿って、コイルばね46dの付勢に抗して上方へと徐々に回動することにより、回動部46bの後端部に一体に設けられた爪部46gが下方へと徐々に移動する。そして、保持受部78の係合受部86に対して爪部46gが下方へと退避して係合が外れると、ハンドル38を引っ張る力によってそのまま接続凸部48および覆い部49が保持受部78の挿入開口部85から抜き取られ、ハンドル38が本体部16に対して前方へと取り外される(図1(b))。したがって、使用者は、ハンドル38を取り外す際に把持した手H1でそのまま、基本的にはホース体35を伸縮させて風路体15のみを動かしながら、吸込口部27のブラシ毛部31、あるいは吸込口体部34のブラシ部37などを用いて、空気とともに塵埃を吸い込んで掃除をする。
なお、ホース体35の伸張のみで充分に届く範囲を掃除する場合、あるいはベッドの下などを掃除する場合などには、本体部16は被掃除面上に載置した状態などとしてもよい。
そして、塵埃とともに吸い込まれた空気、すなわち含塵空気は、床ブラシ21、延長管22、吸込口体部34、ホース体35と移動し、このホース体35の内面に沿って緩やかに屈曲しながら、ホース体35の下流端から風路体接続部79を介して集塵カップ52へと流入し、この集塵カップ52の内部で旋回されて塵埃が遠心分離された後、電動送風機53に吸い込まれ、この電動送風機53を冷却しつつ通過して排気風となり、排気口から排気される。
掃除が終了すると、使用者は設定ボタン89を操作して電動送風機53を停止させ、掃除機11を充電装置に設置して収納するとともに二次電池174を充電する。
また、塵埃を廃棄する際には、クランプ117を操作して集塵カップ52を本体ケース51(取付開口部77)から取り外し、内部の塵埃を適宜廃棄する。この集塵カップ52は、塵埃を除去した後、再装着して使用できる。
以上説明した一実施形態によれば、長手状のハンドル38の後端側(一端側)を本体部16(保持受部78)に対して着脱可能に係止するクランプ体46が、ハンドル38の後端側(一端側)に爪部46gを備え、ハンドル38の前端側(他端側)に操作によって爪部46gによる係止を解除可能な操作部46eを備えるので、ハンドル38を把持した手H1で操作部46eを操作して風路体15をハンドル38の後端の位置で本体部16から取り外すことができる。したがって、風路体15のハンドル38の後端の位置での本体部16からの取り外し作業が容易であるとともに、その取り外した手H1でハンドル38を把持したまま持ち替えなどを要することなく風路体15を操作できるので、風路体15の操作の作業性が向上する。
また、操作部46eを本体部16からのハンドル38の取り外し方向である前方向に沿ってスライド操作することで爪部46gによる係止を解除するので、風路体15をハンドル38の後端の位置で本体部16から取り外す作業時に、操作部46eをハンドル38の取り外し方向にスライドしながらハンドル38を同時に取り外し方向に引っ張ることができ、爪部46gによる係止の解除と同時にハンドル38の後端(接続凸部48)を本体部16(挿入開口部85)から抜き取ることができる。このため、操作部46eのスライド操作とハンドル38の後端の本体部16からの引き抜きとが一連の作業となり、風路体15のハンドル38の後端の位置での本体部16からの取り外し作業がより容易になる。
さらに、本体部16に後端を接続したハンドル38の軸心Lと交差する位置にてハンドル38の本体部16からの取り外し方向と反対側である後側の位置に、この本体部16の把持用の本体用ハンドル80を備えるので、ハンドル38の後端を本体部16から取り外す際に、本体用ハンドル80を一方の手H2で把持して本体部16を支持した状態で他方の手H1でハンドル38を把持して作業すると、ハンドル38に対して取り外し方向である前方向に力を加えやすい。したがって、風路体15のハンドル38の後端の位置での本体部16からの取り外し作業がより容易になる。
しかも、操作部46eをハンドル38の上部に配置しているので、使用者が操作部46eを目視しやすく、かつ、ハンドル38を把持した手H1の親指Tを用いて操作部46eを容易に操作でき、風路体15のハンドル38の後端の位置での本体部16からの取り外し作業がより容易になる。
そして、ホース体35がハンドル38に対して略平行となるように分岐しているので、ハンドル38の本体部16からの取り外し方向がホース体35を引っ張る方向(伸張させる方向)と略一致し、取り外したハンドル38によって風路体15の位置を操作しやすく、風路体15の操作の作業性がより向上するとともに、掃除機11全体をコンパクトに纏めることができる。
なお、上記一実施形態において、風路体15は、ハンドル38とホース体35とを分岐したが、例えばハンドル38の内部にホース体35を挿通したり、ハンドル38の内部に風路を区画して、ハンドル38の後端部にホース体35を接続したりしてもよい。
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。