JP6305208B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体に画像を定着する定着処理に関する。
画像形成装置は、記録媒体上に形成されたトナー画像等の画像をその記録媒体上に定着させるための定着装置を備える。以下、画像が定着される記録媒体を単に「用紙」と記載する。
このような画像形成装置においては、非プリント時には、定着装置の定着部を所定の温度(以下待機温度)に維持している。一方、プリント動作時には、用紙に定着させる画像の定着不良や光沢ムラを避けるために、記録媒体やその他の条件に応じて定着部の温度を調整する。例えば、用紙の表面性や坪量、定着装置内において用紙が搬送される搬送速度に応じて定着部を適切な温度に調節し、用紙が定着装置に到達する前に定着部の温度調整を行う制御が行われている。
定着部を、待機温度から、用紙に応じて設定された設定温度に温度調整してプリント動作を終了した直後に定着部の温度を待機温度に戻した場合、次のような問題が発生する可能性がある。定着部の温度を設定温度から待機温度に変更した後、同一の用紙でのプリント動作が再度行われる場合、定着部の温度を、プリント動作が実行されるまでのダウンタイムが増大してしまう。つまり、定着部の温度を設定温度から待機温度に変更した後、定着部の温度が設定温度に到達するまでに待ち時間が発生し、定着あるいはプリントを完了するために要する時間が増加してしまう。
上記課題を解決するために、特許文献1では、プリント動作終了後一定時間はプリント中の温度状態を維持する画像形成装置が記載されている。
特開昭59−102265号公報
特許文献1に記載の画像形成装置は、プリント動作後すぐに同一の用紙でプリント動作が行われた場合であっても生産性を維持できる。しかし、プリント動作がすぐに行われない場合、定着部の温度を用紙の設定温度に長時間維持しなければならず、消費電力が増大する可能性がある。例えば、用紙の設定温度が待機温度よりも高い場合、定着部を設定温度に維持するために電力消費量が増大してしまう。前回のプリント動作で用いられた用紙と異なる用紙を用いてプリント動作が行われる場合、定着部の温度を、前回のプリント動作時の設定温度から今回のプリント動作時の設定温度へと調整するための待ち時間が発生してしまう可能性もある。
本発明の目的は、プリント再開時の待ち時間を短縮することにある。
上記課題を解決する本発明の定着装置は、連続的に自動供給される用紙に対して、用紙の上に形成された画像を用紙に定着させる定着処理を順次行う定着手段、定着手段の温度調整手段、及び、定着処理が行われないときに定着手段の温度を所定の待機温度に維持し、かつ、画像が定着される用紙の種類に応じて設定された設定温度で定着が行われるように、温度調整手段を制御する制御手段を備える。この定着装置において、制御手段は、定着手段が定着処理を連続的に実行しているときに、次に定着を行う用紙の定着処理の実行停止要因を検出した場合に、定着処理の実行を停止し、かつ、実行停止要因に応じて、定着手段の停止中に定着手段の温度を待機温度にするか否かを判定する第1判定を行い、その判定結果に従って温度調整手段を制御することを特徴とする。
本発明によれば、プリント再開時の待ち時間を短縮できる。
画像形成装置の概略斜視図。 画像形成装置の概略断面図。 画像形成装置のユーザ操作部の概略説明図。 ベルト定着装置の概略断面図。 画像形成装置機能ブロック図。 プリント動作時の動作を示すシーケンス図。 用紙種類別の設定温度及び定着許可温度の例示図。 待機温度の例示図。 定着温度調整シーケンスを表すフローチャート。 プリント動作の中断及び再開時における動作を表すプリントシーケンス図。 プリント動作の中断時における定着温度調整動作を表すフローチャート。
<画像形成装置の構成>
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。本実施例に記載する装置の構成や手段は本発明を説明するための一例であり、記載される内容に限定されるものではない。
まず、図1に示される画像形成装置の概略斜視図を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1000の構成について説明する。画像形成装置1000は、自動原稿搬送装置100、画像読取部200、給紙カセット241、242、243、画像形成部300及び操作部400を備える。給紙カセット241、242、243は、画像が形成されるべき用紙が格納される。プリント時には、給紙カセット241、242、243から用紙が画像形成部300に搬送されて、用紙に対して画像が形成される。操作部400は、ユーザが各種操作を行うためのGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)を有する。
図1に示すように、画像読取部200は画像形成部300の上に載置されている。更に、画像読取部200上には、自動原稿搬送装置(DF)100が載置されている。自動原稿搬送装置100は、原稿を自動的に画像読取部200に搬送する。画像読取部200は、自動原稿搬送装置100から搬送された原稿を読み取って画像データを出力する。画像形成部300は、画像読取部200から出力された画像データに従って、給紙カセット241,242,243から画像形成部300に搬送された用紙に画像を形成する。なお、画像読取部200からの画像データに代えて、ネットワークを介して接続されたコントローラ等から入力された画像データに従って、用紙に画像を形成するようにしてもよい。
<画像形成部>
次に、図2に示される画像形成装置の概略断面図を参照して、画像形成部300の詳細について説明する。なお、本実施形態の画像形成部300では電子写真方式を採用している。また、図2の参照番号の末尾に示すアルファベットY、M、C、Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーに対応した各エンジンを示す。以下では、全てのトナーに対応するエンジンを示す場合は末尾のアルファベットY、M、C、Kを省略して参照番号を記載し、個別に示す場合は参照番号の末尾にアルファベットY、M、C、Kを付記して記載する。
像担持体としてフルカラー静電画像を形成するための感光ドラム(以下、単に「感光体」と称する。)225は、モータにより矢印Aの方向に回転可能に設けられる。ドラム225の周囲には、露光装置218、転写装置220、一次帯電器221、クリーナ装置222、現像装置223及び除電装置271が配置されている。
現像装置223Kは、モノクロ現像のための現像装置であり、ドラム225K上の潜像をKのトナーで現像する。また現像装置223Y、M、Cはフルカラー現像のための現像装置であり、現像装置223Y、M、Cは、ドラム225Y、M、C上の潜像をそれぞれY、M、Cのトナーで現像する。ドラム225上に現像された各色のトナー像は、転写装置220によって中間転写体である転写ベルト226に一括で多重転写され、Y、M、C、Kそれぞれのトナー像が重ね合わされる。
ローラ227、228、229には転写ベルト226が張架されている。ローラ227は、駆動源に結合されて転写ベルト226を駆動する駆動ローラとして機能し、ローラ228は転写ベルト226の張力を調節するテンションローラとして機能する。また、ローラ229は、2次転写装置231としての転写ローラのバックアップローラとして機能する。転写ローラ脱着ユニット250は、2次転写装置231を転写ベルト226に接着させるか、又は離脱させるための駆動ユニットである。2次転写装置231を通過した後の転写ベルト226の下部にはクリーナブレード232が設けられており、転写ベルト226上の残留トナーがブレードで掻き落とされる。
本実施形態の画像形成装置は、給紙カセットを複数有する。給紙カセット241、242、243に格納された用紙(記録紙)は、レジストローラ255、給紙ローラ対235及び縦パスローラ対236、237によってニップ部、つまり2次転写装置231と転写ベルト226との当接部に自動給送される。なお、その際、2次転写装置231は、転写ローラ脱着ユニット250によって転写ベルト226に当接されている。転写ベルト226上に形成されたトナー像は、このニップ部で用紙上に転写される。その後、トナー像が転写された用紙は、ベルト定着装置500でトナー像が熱定着されて装置外へ排出される。
給紙カセット241、242、243は、それぞれ用紙の有無を検知するための用紙有無検知センサ244、245、246を備える。また、給紙カセット241、242、243は、それぞれ用紙のピックアップ不良を検知するための給紙センサ247、248、249を備える。また、給紙カセット241、242、243は、それぞれ給紙カセット内部の用紙サイズ検知するための用紙サイズ検知センサ294、295、296(図示せず)を備える。
ここで、画像形成部300による画像形成動作について説明する。画像形成が開始されると、給紙カセット241、242、243に格納された用紙は、ピックアップローラ238、239、240により1枚毎に給紙ローラ対235に搬送される。用紙は、給紙ローラ対235によりレジストローラ255へと搬送されると、その直前のレジストセンサ256により用紙の通過が検知される。
レジストセンサ256により用紙の通過が検知された時点で、本実施形態では所定の時間が経過した後に一旦搬送動作を中断する。その結果、用紙は停止しているレジストローラ255に突き当たり搬送が停止されるが、その際用紙の進行方向端部が搬送経路に対して垂直になるように搬送位置が固定され、用紙の搬送方向が搬送経路に対してずれた状態の斜行が補正される。以下では、この処理を位置補正と称する。位置補正は、以降の用紙に対する画像形成方向の傾きを最小化するために好適である。位置補正後、レジストローラ255を起動させることにより、用紙は、2次転写装置231へ供給される。なお、レジストローラ255は、駆動源に結合され、クラッチによって駆動が伝えられることで回転駆動を行う。
次に、一次帯電器221に電圧を印加してドラム225の表面を予定の帯電部電位で一様にマイナス帯電させる。続いて、帯電されたドラム225上の画像部分が所定の露光部電位になるようにレーザスキャナ部からなる露光装置218で露光を行い潜像が形成される。露光装置218は、コントローラ460を介して画像読取部200から送られる画像データに基づいてレーザ光をオン、オフすることによって画像に対応した潜像を形成する。
また、現像装置223の現像ローラには各色毎に予め設定された現像バイアスが印加されており、上記潜像は、現像ローラの位置を通過する際にトナーで現像され、トナー像として可視化される。トナー像は、転写装置220により転写ベルト226に転写され、更に2次転写装置231で、給紙部より搬送された用紙に転写された後、レジスト後搬送パス268を通過し、定着搬送ベルト230を介して、ベルト定着装置500へと搬送される。このようにして、ベルト定着装置500に対して、画像(潜像)が形成された用紙が自動供給される。
ベルト定着装置500では、自動供給された画像に対して定着処理を順次行う。定着処理においては、定着モータ501により駆動される定着ローラ501aによってトナー画像が熱定着される。その後、用紙は、排紙フラッパ257により排紙パス258側に搬送パスが切り替えられることにより、排紙ローラ270によってそのまま排紙トレイ280に排紙される。ここで排紙トレイ直前に排紙トレイ口センサ281が設けられ、排紙トレイ280に用紙が排紙されたことを検知することができる。また排紙トレイ280には排紙トレイ用紙有無検知センサ282があり、排紙トレイ上に用紙があるかどうか検知することが可能である。また排紙トレイ280は、この例では250枚まで排紙が可能である。
ドラム225上に残留したトナーは、クリーナ装置222で除去、回収される。最後に、ドラム225は、除電装置271で一様に0ボルト付近まで除電されて、次の画像形成サイクルに備える。
画像形成装置1000によるカラーの画像形成開始タイミングは、Y、M、C、Kの同時転写であるため転写ベルト226上の任意の位置に画像形成を行うことが可能である。しかし、ドラム225Y、M、C上のトナー像を転写する位置のずれ分をタイミング的にシフトさせながら画像形成開始タイミングを決定する必要がある。
なお、画像形成部300においては、用紙を連続的に給紙カセット241、242、243より給送させることが可能である。この場合、先行する用紙の用紙長を考慮し、用紙が重なり合わないような最短の間隔で給紙カセット241、242、243からの給紙を行う。上述したように、位置補正後に、レジストローラ255を起動させることにより、用紙は2次転写装置231へ供給されるが、2次転写装置231に到達すると、再びレジストローラ255が一時停止される。これは、後続の用紙に対して先行する用紙と同様に位置補正を行うためである。
次に、用紙の裏面に画像を形成する場合の動作について詳細に説明する。用紙の裏面に画像を形成する際には、まず用紙の表面への画像形成が先行して実行される。表面のみの画像形成であれば、ベルト定着装置500でトナー像が熱定着された後に、そのまま排紙トレイ280に排紙される。一方、引き続き裏面の画像形成を行う場合、センサ269で用紙が検知されると、排紙フラッパ257により裏面パス259側に搬送パスが切り替えられ、それに併せた反転ローラ260の回転駆動により用紙が両面反転パス261に搬送される。その後、用紙は、送り方向幅の分だけ両面反転パス261に搬送された後に反転ローラ260の逆回転駆動により進行方向が切り替えられ、表面に画像形成された画像面を下向きにして両面パス搬送ローラ262の駆動により両面パス263に搬送される。
続いて、両面パス263を再給紙ローラ264に向かって用紙が搬送されると、その直前の再給紙センサ265により用紙の通過が検知される。再給紙センサ265により用紙の通過が検知されると、本実施形態では所定の時間が経過した後に一端搬送動作を中断する。その結果、用紙は、停止している再給紙ローラ264に突き当たり搬送が一時停止されるが、その際用紙の進行方向端部が搬送経路に対して垂直になるように位置が固定され、用紙の搬送方向が再給紙パス内の搬送経路に対してずれる斜行が補正される。以下では、この処理を再位置補正と称する。
再位置補正は、以降の用紙裏面に対する画像形成方向の傾きを最小化するために必要となる。再位置補正後、再給紙ローラ264を起動させることにより、用紙は、表裏が逆転した状態で再度給紙パス266上に搬送される。その後の画像形成動作については、上述した表面の画像形成動作と同じであるためここでは省略する。このように表裏両面に画像形成された用紙は、そのまま排紙フラッパ257より排紙パス258側に搬送パスが切り替えられることにより、排紙トレイ280に排紙される。
図3は、本実施形態における画像形成装置が備えるユーザ操作部の概略説明図の複合機が備えるユーザ操作部の概略説明図である。図3において、操作部400は、各種ボタンや表示部から構成されている。電源スイッチ402は、電源ユニットへの主電源のON/OFFを行うスイッチである。節電ボタン403は、複合機を所定の節電モードへと移行させるボタンである。電源LED404は、画像形成装置の状態を視覚的に表すものであり、主電源がONされている時には緑色に点灯する。画像形成装置においてユーザが操作した機能が動作中であるときは緑色に点滅し、また、何らかのエラー等が画像形成装置に発生した場合は赤色に点灯してユーザに異常を示唆する役割を有する。
液晶表示部405は、この例ではタッチパネル式のTFTドットマトリクス型の液晶パネルによって構成される。複合機の各モードの操作・表示を行うと共に、各モードの切り替えを行う機能を備えている。テンキーであり、コピー枚数やFAX送信先などの数字を入力するためのものである。リセットキー407は、入力した数値をクリアし、現在選択中の各モードの初期状態へと戻るためのキーである。スタートキー408は、液晶表示部405やテンキー406で入力した内容に基づいて実際に動作を開始するためのキーである。また、ストップキー409は、スタートキー408によって開始された動作を、動作途中でキャンセルするためのキーである。ヘルプキー410は、適宜ユーザに対して表示画面の説明文章を表示するためのキーである。ユーザモードボタン411は、ユーザが自身に適した設定を予め行うためのボタンである。
図4は本実施例におけるベルト定着装置500の概略構成を示す横断面図である。
(ベルト定着装置全体構成)
ベルト定着装置500は、ベルト定着装置の上側に配設した、定着手段としての定着ベルトユニット500aと、下側に配設した加圧ベルトユニット500bと、のアセンブリである。この定着ベルトユニット500aは、無端の定着ベルト503aと、定着ステアリングローラ505aからなるアセンブリである。加圧ベルトユニット500bは、無端の加圧ベルト503bと、加圧ステアリングローラ505bからなるアセンブリである。
(外部加熱構成)
定着ベルト503aは、上部に配設した誘導加熱コイル502により発熱される。定着ベルトとしては、厚さ75μm、幅380mm、周長200mmのニッケル金属層もしくはステンレス層などの磁性金属層に厚さ300μmのシリコンゴムをコーティングしたものが用いられる。
定着モータ501を駆動させることで、定着ベルト503aを常に回転させておく。この回転により、定着ベルト503aにおける誘導加熱コイル502で加熱される部分が順に入れ替わっていき、定着ベルト503a全体が温まるようになる。また、定着ベルト503aには温度センサ504が併設されており、定着ベルト503aの温度を検知することができる。温度センサ504の出力値から温度を検知し、設定したい温度に到達したかどうかで誘導加熱コイル502への給電をOFF/ONすることにより、定着ベルトの温度を一定に保つことができる。
次に、本画像形成装置1000の負荷制御回路構成について、図5の画像形成装置の機能ブロック図を用いて説明する。
図5において、CPU600は、画像形成装置1000における各種制御を実行する。また、CPU600は、操作部400の表示、キー入力制御と各給紙カセットに行う紙種設定の制御や印刷される画像データを画像形成部300に送るプリンタのコントローラ460とも接続されている。ROM601は、CPU600が動作するためのプログラムを格納している。RAM602は、CPU600が一時的にデータを記憶しておくための記憶部である。バックアップRAM603は、この例の複写機の動作上で設定された情報を記録する記憶部である。バックアップRAM603には、電源を切断しても記憶された情報を維持するために、図示されないバックアップバッテリによって電源供給がされている。
定着・加圧ベルト駆動ローラ制御部604は、CPU600の制御の下で、定着モータ501を駆動することで、張架された定着ベルト503aを回転させる動作を行い、かつ、加圧ベルトユニットに張架された加圧ベルト503bを回転させる動作を行う。温度調整手段としてのヒータ給電制御部605は、CPU600の制御の下で、誘導加熱コイル502への給電を制御する回路である。このヒータ給電制御部605は、温度センサ504の出力値から定着ベルト503aの温度を検知し、設定維持したい温度に合わせてCPU600からの信号によって給電をON,OFFする。
給紙カセット制御部606は、CPU600の制御の下で、用紙有無検知センサ244、245、246のセンサ出力値から、給紙カセット241、242、243の用紙有無を検出する。給紙カセット制御部606は、また、用紙サイズ検知センサ294,295,296のセンサ出力値から給紙カセット241、242、243内の用紙サイズを検出する。
次に、図6に示されるプリント動作時の動作を示すシーケンス図を参照して、プリント動作時でのコントローラ460とCPU600との間のデータ通信について説明する。
図6は、コントローラ460と画像形成装置のCPU600との間で行われるプリントシーケンス図である。この例では、コントローラ460から10ページのプリントを行う。ユーザが操作部400上で使用する給紙カセットを選択し、プリント開始キーを押すことで画像形成が開始される。この場合、まず、コントローラ460からCPU600にプリント開始コマンド700が通知される。プリント開始コマンド700を受信すると、CPU600は画像形成動作のための準備を開始する。
その後、1枚目の画像形成を行う用紙のサイズ、用紙の種類や厚さ、給紙を行う給紙カセットといった情報が、ページ情報コマンド710(1)としてCPU600へ通知される。ページ情報コマンド710は、実際の画像形成に先だってCPU600に通知されるが、必ずしもすべてのページについての情報がCPUに一度に通知されるわけではない。この例では、画像読取部200で原稿の読み取りが進むにつれて、コントローラ460からは読取済みのページについてのページ情報コマンドが順次CPU600に通知される。図6に示されるように、ページ処理終了コマンド(1)がコントローラ460に通知されるまでに、4ページ目までのページ情報コマンドが先行してCPU600に通知されて、CPUが有するRAM602に記憶されている。
なお、CPU600が先行して通知を受けて記憶することが出来るページ情報コマンドの数は、CPU600が有するRAM602の容量で決まる。本実施例では、RAM602には5ページ分の情報までしか記憶できないものとする。従って、図6において、2ページ目の画像形成が終了するまでは、2ページ目から6ページ目までの5ページ分の情報しか受け付けることが出来ない。このことから、2ページ目のページ処理終了コマンド730(2)がコントローラ460に通知されるまでは、CPU600には、6ページ目のページ情報コマンド710(6)までしか通知されない。
CPU600は、通知されたページ情報に応じて画像形成の準備を行う。画像形成の準備が完了すると、CPU600は、コントローラ460に対して画像要求コマンド720(1)を発行し、これに応答してコントローラ460から画像データが転送される。CPU600は、転送されて来た画像データに基づいて、ページ情報コマンド710で指定された用紙に画像形成処理を行う。その後、1ページ目の画像形成が終了すると、CPU600は、コントローラ460に対してページ処理終了コマンド730(1)を通知する。その後、CPU600は、コントローラ460に対して画像要求コマンド720(2)を通知する。
CPU600は、ページ処理終了コマンド(1)をコントローラ460に通知した後に、既に通知されている、2ページ目についてのページ情報コマンド(2)に応じて画像形成の準備を行う。画像形成の準備が完了すると、CPU600は、コントローラ460に対して画像要求コマンド720(2)を発行し、これに応答してコントローラ460から画像データが転送される。
CPU600が2ページ目のページ処理終了コマンド730(2)をコントローラ460に通知すると、2ページ目についてのページ情報コマンド(2)が削除され、CPU600内のRAM602に1ページ分の空きが出来る。従って、CPU600は、RAM602内に次の7ページ目のページ情報コマンド710(7)を受信可能になる。従って、図6においては、7ページ目のページ情報コマンド710(7)は、ページ情報コマンド710(2)がコントローラ460に通知された後に、CPU600に通知されている。
以下、CPU600は、画像形成が終了するごとに、ページ処理終了コマンド730の通知、ページ情報コマンド710に応じた画像形成の準備、準備完了後の画像要求コマンド720の発行及び次のページの画像形成を繰り返す。
コントローラ460は、10ページ目のページ処理終了コマンド730(10)を受け取ると、全ページについて画像形成が全て完了したと判断し、プリント終了コマンド740をCPU600に通知する。CPU600は、プリント終了コマンド740受信時にプリント動作を停止し、停止完了とともに次のプリント動作が受け入れられる状態になったことをプリント可能状態移行通知コマンド770にてコントローラ460に伝える。
次に、プリント動作時の定着温度調整シーケンスの詳細を説明する。
図7に、本実施形態における定着ベルト503aの定着時における用紙種類別の設定温度及び定着許可温度の例示図を示す。また、図8に、本実施形態における待機温度の例示図を示す。ここで、設定温度とは、用紙種類に対応して設定された定着時における定着ベルト503aの温度である。しかし、定着ベルト503aの温度は、用紙がベルト定着装置500を通過して定着時の熱が用紙に奪われることで若干低下し、あるいは、昇温中に温度がオーバーシュートする可能性があることから、設定温度から多少上下する可能性がある。このため、定着ベルト503aの温度が、設定温度から1℃違っただけで通紙を中止すると、定着ベルト503aの温度調整のための待ち時間が長くなり、生産性が落ちるおそれがある。従って、本実施例では、定着温度目標値に対して±5℃の範囲を定着許可温度とし、この温度の範囲で通紙を可能とした。
図7に示されるように、メートル坪量が60[g/m]〜100[g/m]である普通紙を普通紙1とし、その設定温度を135℃、定着許可温度を135±5℃とした。また、メートル坪量が101[g/m]〜150[g/m]である普通紙を普通紙2、151[g/m]〜180[g/m]である普通紙を普通紙3としそれぞれ設定温度を140℃、150℃とし、各設定温度の±5℃の範囲を定着許可温度とした。また、メートル坪量が181[g/m]〜220[g/m]である厚紙についてはその設定温度を160℃とした。
更に、メートル坪量が60[g/m]〜80[g/m]である再生紙を再生紙1として設定温度を135℃、81[g/m]〜100[g/m]である再生紙を再生紙2として設定温度を145℃とした。更にまた、メートル坪量が100[g/m]〜170[g/m]であるコート紙をコート紙1、171[g/m]〜220[g/m]であるコート紙をコート紙2としそれぞれ設定温度を140℃、150℃とした。
いずれの用紙種類においても、各設定温度の±5℃の範囲が定着許可温度であり、また、図8に示されるように、待機温度は130℃である。
図9は、プリント動作開始時にCPU600で実行される定着温度調整シーケンスのフローチャートである。ここでは、用紙として普通紙3(160[g/m])を用いて待機温度(130℃)の状態からプリント動作を行った。
CPU600は、コントローラ460からページ情報コマンドが受信されたか否かを判定し(S201)、受信されていない場合(S201:N)には再度S201の判定を繰り返す。受信された場合(S202:Y)には、定着ベルト503aの温度が図7に示される設定温度である150℃となるように設定温度を変更してヒータ給電制御部605を制御して誘導加熱コイル502への給電を制御する(S202)。
その後、CPU600は、温度センサ504を通じて定着ベルト503aの温度が定着許可温度内の範囲、今回の例であれば145℃から155℃、に入ったか否かを判定する(S203)。定着ベルト503aの温度がこの範囲に入っていない場合(S203:N)には、再度S203の判定を繰り返し、入っている場合(S203:Y)には、プリント動作を開始する(S204)。従って、定着性を良くするために、定着ベルト503aの温度が定着許可温度になるまではプリント動作を開始しないので、待機温度から定着許可温度になるまでの時間分、プリント動作の開始が遅れる。
次に、CPU600は、全ページがプリント終了したか否かを判定する(S205)。CPU600は、図6で説明したプリント終了コマンド740を受け取った場合には、プリントすべき全ページのプリントが正常に終了したと判断する(S205:Y)。この場合、CPU600は、定着ベルト503a温度が待機温度に遷移するようにヒータ給電制御部605を制御し(S206)、定着温度調整シーケンスが終了される。
一方、S205において、全てのページがプリント終了していない場合(S205:N)、つまり、継続して画像形成するページ情報が存在する場合には、プリント動作が継続される。その後、CPU600は、次の用紙の定着処理を実行することが可能であるかを検出する。この例では、プリント動作が中断したか否かを検出する(S207)ことで、次の用紙の定着処理を実行することが可能であるかを検出した。プリント動作の中断要因が発生していない場合は、プリントは中断しなかったと判断され(S207:N)、S201へ戻ってプリント動作のための定着温度制御がなされる。なお、プリント動作が中断されると、次に定着される用紙の定着処理の実行も停止されるので、このプリント動作の中断要因は、定着処理の実行停止要因ともなる。
プリント動作を一時停止する要因が発生した場合、例えば通紙中の給紙カセットから用紙がなくなりプリント動作を続けることが不可能となった場合には、プリント動作が中断される(S207:Y)。従って、次の用紙に対する定着動作が実行停止される。このときは、プリント動作の中断時の定着温度制御シーケンス(S208)へと進む。このプリント動作の中断時の定着温度制御シーケンスについては、図10、図11を参照して説明をする。
以下、プリント動作の中断及びその自動再開時における定着の温度調整制御について説明する。
<プリント動作の中断および自動再開>
プリント動作においては、例えばトナー剤がなくなる、排紙トレイに紙が積載できなくなる、通紙中の給紙カセット内の用紙がなくなる、といった状態の変化によって、プリント動作が継続できなくなる要因、つまりプリント動作の中断要因が発生する。その結果、次の用紙に対する定着処理の実行が停止される。このようにプリント動作が中断し、定着処理の実行が停止された場合、定着ベルト503aの温度を待機温度に戻すように温度調整を行うこともできる。しかし、プリント動作が短期間で再開された場合には、定着ベルト503aの温度を待機温度とするための温度調整のために、待ち時間が発生する。また定着ベルト503aの温度を待機温度とするためにファン等で冷却を行う場合には、その冷却のためのエネルギーが無駄となる。
また、このような温度調整の後に、再度用紙に応じた設定温度へと温度調整を行う必要があり、そのために更なるエネルギーが必要となってしまう。
従って、プリント動作が短期間で再開できると判断される場合には、このような待ち時間やエネルギー損失を防ぐために、定着ベルト503aを待機温度とするための温度調整を行わないことが好ましい。例えば、プリント動作が中断してから再開するまで定着ベルト503aを用紙に対応した設定温度に維持した場合と、定着ベルト503aを一旦待機温度とした後に再度設定温度に戻した場合とを比較する。そして、前者が後者よりもエネルギー損失が少なくなる期間を閾値として、この閾値よりも短い期間を「短期間」とすることもできる。
このため、本実施形態では、プリント動作の中断要因あるいは定着処理の実行停止要因を検出したときに、その要因の種類あるいは内容に応じて、定着ベルト503aの温度をそのまま維持するか、又は、待機温度とするかを判定するようにした。
以下の例では、プリント動作の中断要因を、「用紙切れの発生」であるとして、中断されたプリント動作の自動再開を行う例を示す。この例でのプリント動作の自動再開とは、上記のようにプリント動作、あるいは定着処理が継続できなくなった際に、ユーザによる操作を必要とせずにプリント動作を再開し、これにより、次の用紙の定着処理を再開する制御である。
上述のように、プリント動作が中断されると定着処理の実行も停止されるので、プリント動作の中断要因は、定着処理の実行停止要因でもある。同様に、プリント動作の中断とは、連続して用紙が供給されて定着処理を行う際に、次に定着を行う用紙の定着処理の実行停止をも意味する。更に、プリント動作の再開とは、実行停止された定着処理の実行再開をも意味する。
本実施形態では、画像形成装置1000は、自動給紙カセット切り替え手段を備えるものとした。通紙中の給紙カセット内に用紙がなくなった場合、用紙切れが生じたカセットに収納されていた用紙と同じ種類及びサイズの用紙が格納された別の給紙カセットから自動的に給紙動作を再開してプリント動作を続ける。本実施形態では、カセット241、242、243で用紙切れが発生すると、対応する用紙有無検知センサ244、245、246からCPU600に用紙切れを通知する。CPU600は、この通知により、用紙切れを検出し、用紙切れが生じた用紙と同じ種類及びサイズの用紙が収納されたカセットを検出する。そして、用紙切れが生じたカセットに代えて、このように検出されたカセットを、自動給紙を行うカセットとして設定して自動給紙を行う。これにより、本実施形態ではCPU600が自動給紙カセット切り替え手段となっている。
従って、画像形成時に用紙切れが生じ、かつ、同じ種類及びサイズの用紙が収納されたカセットがある場合には、ユーザによる操作を必要とせずに、自動給紙カセット切り替え手段によりプリント動作の自動再開がなされる。なお、プリント動作の自動再開とは、この例に限定されるものではなく、プリントが中断した際にユーザによる操作を必要とせずにプリント動作を再開することができるものであれば、任意の手法を採用することができる。
以下、この例における自動給紙カセット切り替え手段を用いたプリント動作の自動再開について図10を用いて説明する。
図10は、コントローラ460と画像形成装置のCPU600との間で行われる、プリント動作の中断及び再開時における動作を表すプリントシーケンス図である。なお、図10の例では、プリントの枚数等の条件は図6と同様とし、10ページのプリントを行うものとした。
ユーザが操作部400上で使用する給紙カセットを選択してプリント開始キーを押すことで画像形成が開始される。また、今回の例では給紙カセット241と給紙カセット242には用紙サイズA3、用紙種類としては本実施例における普通紙3(160[g/m])が収納されているものとする。
図10において、CPU600からコントローラ460に対してページ処理終了コマンド730(1)を通知するところまでは、図6と同一の処理が実行される。
CPU600は、画像形成中に給紙カセット制御部606から給紙カセットの用紙切れが検知されると、コントローラ460に対してプリント動作不可状態コマンド750を通知する。この例では、1ページ目の画像形成中に給紙カセット制御部から給紙カセット241の用紙切れが通知されている。CPU600は、1ページ目の画像形成が完了すると、コントローラ460に対してページ処理終了コマンド730(1)の通知及びプリント動作不可状態コマンド750(1)を通知し、プリント動作を停止する。
このプリント動作不可状態コマンド750には、どのような原因や判断でプリント動作が不可になったかの情報が含まれる。今回の例であれば給紙元である給紙カセット241で用紙切れが発生したことを通知している。この例では、給紙カセット242にも同用紙サイズの用紙が収納されているため、コントローラ460は、CPU600からプリント可能状態移行通知コマンド770が通知されたらすぐにプリント動作を再開する。これによって、ユーザによる操作の必要とすることなく、用紙を給紙する給紙カセットを切り替えてプリント動作を再開することで、プリント動作の中断後の自動再開動作(自動給紙カセット切り替え)を実現している。
<プリント動作の中断時の定着温度制御シーケンス>
図11に、図9のプリント動作の中断時における定着温度制御S208の動作の詳細を表すフローチャートを示す。なお、この例では、給紙カセット241と給紙カセット242には用紙サイズA3、用紙種類としては本実施例における普通紙3(160[g/m])が収納されているものとする。また、この普通紙3に対して設定された定着時の定着ベルト503aの設定温度は150℃、定着許可温度は145℃〜155℃であり、いずれも待機温度(130℃)よりも高い。
図11に示されるように、S207での判定結果がYESとなった後に、CPU600は、コントローラ460に対してプリント動作不可コマンドを通知する(S301)。そして、プリント動作の中断要因のタイプに応じて、定着停止中に定着ベルト503aの温度を待機温度にするか否かを判定する第1判定を行う。なお、上述のように、プリント動作の中断要因は、定着処理の実行停止要因でもある。
なお、第1判定は、任意の手法により実行することが可能である。例えば、プリント動作の中断要因のタイプが所定の閾値以下の時間で回復可能なタイプであるかを判定することもできる。定着ベルト503aの温度を待機温度にすると、プリント再開時に定着ベルト503aの温度を設定温度にするための待ち時間が発生してしまう。その一方、待機温度が設定温度よりも低い場合には、定着ベルト503aを待機温度にするための消費電力は、定着ベルト503aを設定温度に維持する場合の消費電力よりも小さくなる。
この消費電力を削減するというメリットは、自動再開までの時間が長くなるほど大きくなる。従って、待ち時間が少なくなる利点よりも消費電力を小さくする利点が大きくなるように閾値を定め、手動、自動を問わずにこの閾値よりも短い時間で回復ができるか否かを判定することもできる。この閾値よりも短い時間で回復ができない場合には、CPU600は、定着ベルト503aの温度が待機温度となるように制御を行う。
この例では、第1判定において、プリント動作の中断要因のタイプが自動再開可能なタイプであるか否かを判定する(S302)。ユーザによる手動での中断要因の除去が必要な場合、プリント動作がいつ再開されるかが想定できず、かつ、通常は手動による中断要因の除去及びプリント再開は長時間を要する。一方、中断要因が人手を介さずに自動再開可能なタイプである場合には、プリント動作がいつ再開されるかはその要因により定まる。なおかつ、自動再開までの時間は短いからである。
プリントの中断が自動再開不可能な要因によるものだと判定された場合(S302:N)は、ユーザによる手動での中断要因の除去及びプリント再開を待つ。定着ベルト503aを通紙されていた用紙の設定温度でかつ待機温度よりも高温である150℃のままに維持するための消費電力は、定着ベルト503aを一旦待機温度にしてから再度150℃に戻した場合の消費電力よりも大きくなる可能性が非常に高い。従って、CPU600は、電力を節約してエネルギーの損失を抑えるために、定着ベルト503aの温度が待機温度にまで低下するようにヒータ給電制御部を制御し(S304)、図9のS201に戻る。
プリントの中断が自動再開不可能な要因だと判定される場合としては、通紙されていた用紙であるA3の普通紙3が、給紙カセット242、243のいずれにも収納されていない場合が挙げられる。また、給紙カセット242に収納されるべき用紙がA3の普通紙3であったとしても、給紙カセット242も用紙切れとなっている場合は、自動給紙カセットの給紙切り替えを行うことはできない。なお、用紙切れは、CPU600により、図2に示される給紙カセット241、242、243のそれぞれに対応した用紙有無検知センサ244、245、246を通じて検出可能である。
この場合、CPU600は、給紙を行っているカセットに収納されていた用紙と同一の用紙が収納されているカセットが存在するかを判定し、その結果は「なし」となる。そして、CPU600は、プリント動作の中断の要因は自動再開不可能な要因だと判定する。従って、CPU600は、ユーザが給紙カセット241、242、243のいずれかにA3の普通紙3を供給するまで待機してプリントを中断する必要がある。
一方、この例では、給紙中の用紙は給紙カセット241に収納されている用紙サイズA3であり、給紙カセット242にも用紙サイズA3の用紙が収納されているので自動給紙カセットの給紙切り替えが可能である。この場合、CPU600は、給紙を行っているカセットに収納されていた用紙と同一の用紙が収納されているカセットが存在するかを判定し、その結果は「あり」となる。そして、CPU600は、プリント動作の中断の要因は、自動再開可能なものだと判定する。従って、CPU600は、プリントの中断は自動再開が可能な要因によるものと判定し(S302:Y)、S303へ進む。
次に、CPU600は、待機温度が定着が可能な温度であるか否かを判定する第2判定を行う(S303)。例えば、通紙されていた用紙である普通紙3の定着許可温度と待機温度とを比較して、待機温度が、定着処理が可能な温度の範囲内にあるか否かを判定することで、第2判定を行うことができる。この例では、通紙中の用紙は普通紙3なので、定着処理が可能な温度である定着許可温度は145℃から155℃の範囲になる。
待機温度は130℃であるので、定着許可温度の範囲外である(S303:N)。従って、CPU600は、プリント中断前と同様に定着ベルト503aの温度を設定温度である150℃のままとして図9のS201へと戻る。定着ベルト503aの温度を待機温度にまで低くしてしまうと、プリント動作が自動再開した際に、図9のS203で示される、定着ベルト503aを定着許可温度内とするための温度調整が必要になるからである。温度調整を行う場合には待ち時間が発生してしまい、プリント動作の開始が遅れてしまう。これを避けるために、CPU600は、定着ベルト503aを設定温度に維持する。
待機温度が定着許可温度の範囲内である場合(S303:Y)は、CPU600は、定着ベルト503aの温度が待機温度となるように制御して(S304)図9のS201に戻る。例えば、通紙されている紙が普通紙1の場合、その定着許可温度は、設定温度から所定の温度範囲内(この例では5℃)である130℃から140℃であり、待機温度はこの定着許可温度の範囲内にある。従って、CPU600は、定着ベルト503aの温度が待機温度である130℃となるよう制御する。この場合には、定着ベルト503aの温度が待機温度まで遷移しても、プリント動作の再開時に温度の調整を行うことなく、すぐにプリント動作を開始することができる。また、この例では待機温度が設定温度よりも低いことから、定着ベルト503aを設定温度のままに維持する場合に比較して、電力の消費を抑えることができる。
なお、この例では第2判定によって、定着ベルト503aの温度を待機温度に変更するか、あるいは設定温度のままとするかを判定している。しかし、他の形態では、この第2判定に代えて、待機温度にかかわらず、定着ベルト503aを、通紙される用紙において定着が可能な下限の温度とすることもできる。この場合でも、プリント動作の再開時に温度の調整を行うことなく、すぐにプリント動作を開始することができ、かつ、定着ベルト503aを設定温度のままに維持する場合に比較して、電力の消費を抑えることができるからである。例えば、用紙として普通紙3を用いる場合には、その定着許可温度の下限値である145℃とする。
以上のように本実施形態によれば、プリント動作の中断時の温度制御を行うことによって、電力を節約しつつ、プリント動作時間を低下させない仕組みを実現できる。
また、プリント動作中に用紙なしや排紙不可でプリント動作が一時停止した場合に、ユーザの操作を要さずに自動的にプリント動作が再開できると判定でき、かつ、設定温度が待機温度に比べて離れているときに、定着ベルトの温度を設定温度に維持する。その一方で、ユーザの操作を介さない限りプリント動作を再開できないと判定される場合には、定着ベルトの温度を待機温度に変更する。その結果、ベルト定着装置や画像形成装置における電力消費を抑えることができ、かつ、自動的にプリント動作が再開できる見込みがあるときには温度調整のためのプリント待ち時間を短縮できる。
なお、本実施形態では、プリント中断時の自動再開動作例として自動給紙カセットの給紙切り替えについて記述したが、それ以外の手法によるプリント中断時の自動再開動作を行うことも可能である。例えば、画像形成装置1000には、プリント動作中にプリント動作を中断して画像形成装置における画像の階調特性を調整する階調補正手段として、階調補正部が設けられることもある。この場合、プリント動作の中断要因が、この階調補正部による階調補正処理である場合には、上述の第1判定では、プリント動作の中断要因は、人手を介さずに自動再開可能な要因であると判定する。その結果、CPU600は、第1判定では、定着ベルト503aの温度を待機温度にするとは判定しない。
また、複数の排紙トレイを持つ画像形成装置での自動排紙先切り替え制御等でも同様の制御を行うことが可能である。例えば、画像の定着がなされた用紙の排出先となる排出トレイの切り替え処理を行う排出トレイ切り替え手段として、トレイ切り替え部が設けられることもある。この場合、プリント動作の中断要因が、この排出トレイ切り替え手段によるトレイ切り替え処理である場合には、上述の第1判定では、プリント動作の中断要因は、人手を介さずに自動再開可能な要因であると判定する。
本実施形態では、温度調整の制御や定着処理の実行停止制御等の各種制御はCPU600が行うものとしたが、各種制御毎に個別のCPU等の制御部を設ける構成としてもよい。
1000…画像形成装置 100…自動原稿搬送装置 200…画像読取部 300…画像形成部 400…操作部 500…ベルト定着装置 500a…定着ベルトユニット 500b…加圧ベルトユニット 500…ベルト定着装置 501…定着モータ 501a…定着ローラ 502…誘導加熱コイル 503a…定着ベルト 503b…加圧ベルト 504…温度センサ 505a…定着ステアリングローラ 505b…加圧ステアリングローラ 604…駆動ローラ制御部 605…ヒータ給電制御部 606…給紙カセット制御部

Claims (12)

  1. 連続的に自動供給される用紙に対して、用紙の上に形成された画像を前記用紙に定着させる定着処理を順次行う定着手段、
    前記定着手段の温度調整手段、及び、
    前記定着処理が行われないときに前記定着手段の温度を所定の待機温度に維持し、かつ、前記画像が定着される用紙の種類に応じて設定された設定温度で前記定着が行われるように、前記温度調整手段を制御する制御手段を備えた定着装置であって、
    前記制御手段は、前記定着手段が前記定着処理を連続的に実行しているときに、次に定着を行う用紙の定着処理の実行停止要因を検出した場合に、前記定着処理の実行を停止し、かつ、前記実行停止要因に応じて、前記定着手段の停止中に前記定着手段の温度を前記待機温度にするか否かを判定する第1判定を行い、その判定結果に従って前記温度調整手段を制御することを特徴とする、定着装置。
  2. 前記待機温度は前記画像が定着される用紙の種類に応じて設定された設定温度よりも低い温度である、請求項1記載の定着装置。
  3. 前記制御手段は、前記第1判定では、前記実行停止要因が人手を介さずに自動再開可能な要因である場合には、前記定着手段の温度を前記待機温度にするとは判定しないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記制御手段は、前記第1判定では、前記実行停止要因が所定の閾値以下の時間で回復可能なものである場合には、前記定着手段の温度を前記待機温度にするとは判定しないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の定着装置。
  5. 前記制御手段は、前記第1判定で前記定着手段の温度を前記待機温度にすると判定されなかったときは、前記待機温度が、前記設定温度から所定の温度範囲内であって前記用紙の定着が可能な温度であるか否かの判定を行う第2判定を行い、前記待機温度が前記用紙の定着が可能である温度の場合には、前記定着手段が前記待機温度になるように前記温度調整手段を制御することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記制御手段は、前記第1判定で前記定着手段の温度を前記待機温度にすると判定されなかったときは、前記定着手段の温度が前記定着が可能な下限の温度となるように前記温度調整手段を制御することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の定着装置。
  7. 用紙が収納される自動給紙カセット、
    画像形成手段、
    前記用紙のプリント動作時に前記自動給紙カセットから連続的に自動供給される前記用紙に対して、前記画像形成手段によって前記用紙の上に形成された画像を定着させる定着処理を順次行う定着手段、
    前記定着手段の温度調整手段、及び、
    前記定着処理が行われないときに前記定着手段の温度を所定の待機温度に維持し、かつ、前記プリント動作時には、前記画像が定着される用紙の種類に応じて設定された設定温度で前記定着が行われるように、前記温度調整手段を制御する制御手段を備えた画像形成装置であって、
    前記制御手段は、前記プリント動作時にプリント動作の中断を検出した場合に、前記定着処理の実行を停止し、かつ、前記プリント動作の中断要因に応じて、前記定着手段の停止中に前記定着手段の温度を前記待機温度にするか否かを判定する第1判定を行い、その判定結果に従って前記温度調整手段を制御することを特徴とする、画像形成装置。
  8. 前記待機温度は前記画像が定着される用紙の種類に応じて設定された設定温度よりも低い温度であることを特徴とする、請求項7記載の画像形成装置。
  9. 前記制御手段は、前記第1判定では、前記プリント動作の中断要因が、人手を介さずに自動再開可能な要因である場合には、前記定着手段の温度を前記待機温度にするとは判定しないことを特徴とする、請求項7又は8に記載の画像形成装置。
  10. 前記用紙が収納されるカセットを複数有し、
    前記制御手段は、前記第1判定では、前記プリント動作の中断要因が、給紙を行っているカセットの用紙切れである場合には、給紙を行っているカセットに収納されていた用紙と同一の用紙が収納されているカセットが存在するかを判定し、存在する場合には、前記プリント動作の中断要因が、人手を介さずに自動再開可能な要因であると判定することを特徴とする、請求項9に記載の画像形成装置。
  11. プリント動作中にプリント動作を中断して、形成される画像の階調特性を調整する階調補正手段を有し、
    前記制御手段は、前記第1判定では、前記プリント動作の中断要因が、階調補正手段により実行される前記階調特性の調整である場合には、前記プリント動作の中断要因が、人手を介さずに自動再開可能な要因であると判定することを特徴とする、請求項9に記載の画像形成装置。
  12. 複数の排紙トレイを有し、かつ、
    画像の定着がなされた用紙の排出先となる排出トレイの切り替え処理を行う排出トレイ切り替え手段を有し、
    前記制御手段は、前記第1判定では、前記プリント動作の中断要因が、前記排出トレイ切り替え手段による排出トレイの切り替え処理である場合には、前記プリント動作の中断要因が、人手を介さずに自動再開可能な要因であると判定することを特徴とする、請求項9に記載の画像形成装置。
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